JP2014197524A - リチウムイオン二次電池用負極材及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】成膜が容易である、黒鉛系材料を用いたリチウムイオン二次電池用負極材を提供する。
【解決手段】樹脂が黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中の樹脂を熱分解することにより得られており、部分的にグラフェンが剥離している構造を有する部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂とを含む、リチウムイオン二次電池用負極材。
【選択図】なし

Description

本発明は、黒鉛系材料を用いたリチウムイオン二次電池用負極材及びその製造方法に関し、より詳細には、薄片化黒鉛とバインダー樹脂とを含むリチウムイオン二次電池用負極材及びその製造方法、並びに該リチウムイオン二次電池用負極材を有するリチウムイオン二次電池に関する。
従来、二次電池の小型化及び高効率化を図り得るため、リチウムイオン二次電池が広く用いられている。下記の特許文献1には、球状の黒鉛粒子を用いて構成されたリチウムイオン二次電池用負極材を有するリチウムイオン二次電池が開示されている。
ところで、黒鉛粒子からなる負極を形成するに際しては、黒鉛粒子と導電助剤、例えばケッチェンブラック(CB)、アセチレンブラック(AB)と、バインダー樹脂とを混合する。そして、混合により得られた組成物をシート状に成形する。集電性を高めるには、バインダー樹脂の添加量を少なくすることが求められる。一方で、導電助剤も不可欠である。しかしながら、バインダー樹脂の添加量を少なくすると、得られたシートが硬くなり、脆くなる。また、導電助剤がないと導通不良を起こしやすくなる。
そこで、下記の特許文献2では、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデンを用いる方法が開示されている。ポリフッ化ビニリデンはフィブリル構造を形成する。従って、ポリフッ化ビニリデンの添加量が少ない場合でも、組成物の成膜が容易となる。またイオン導電性も阻害し難い。
特開2002−367611号公報 国際公開第2008/026380号
しかしながら、ポリフッ化ビニリデンをバインダー樹脂として用いた場合、高沸点の溶剤を用いなければならなかった。従って、ポリフッ化ビニリデンと黒鉛粒子とを含む組成物をキャスティングにより成膜することが困難であった。
すなわち、リチウムイオン二次電池用負極材として黒鉛系の材料を用いた場合、成膜が困難であるという大きな問題があった。
本発明の目的は、成膜が容易であり、かつ導電助剤を必要としない黒鉛系材料を用いたリチウムイオン二次電池用負極材及びその製造方法、並びに該リチウムイオン二次電池用負極材を用いて構成されたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材は、樹脂が黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中の樹脂を熱分解することにより得られており、部分的にグラフェンが剥離している構造を有する部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂とを含む。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材では、好ましくは、前記バインダー樹脂として、水系バインダーが用いられる。水系バインダーの場合、製造設備の簡略化を図ることができる。
上記水系バインダーとしては、好ましくは、スチレンブタジエンラバー(SBR)またはカルボキシメチルセルロース(CMC)が用いられる。
また、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材では、好ましくは、上記バインダー樹脂として非水系バインダーが用いられる。非水系バインダーを用いることにより、製造設備の防錆を果たすことができる。非水系バインダーとしては、好ましくは、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂及びブチラール樹脂からなる群から選択された少なくとも1種の樹脂を好適に用いることができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法は、樹脂が黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中の樹脂を熱分解することにより得られており、部分的にグラフェンが剥離している構造を有する部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂とを含む組成物を用意する工程と、前記組成物を賦形し、シート状のリチウムイオン二次電池用負極材を得る工程とを備える。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法では、好ましくは、前記組成物を賦型する工程が、前記部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂と溶媒とを含む組成物を塗工し、乾燥することにより行われる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法では、より好ましくは、前記組成物の塗工に際し、リチウムイオン二次電池のセパレータの片面に該組成物を塗工する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、本発明に従って構成されたリチウムイオン二次電池用負極材を備える。好ましくは、前記リチウムイオン二次電池用負極材からなる負極と、正極と、前記負極と正極との間に配置されたセパレータとを備える。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、前記負極が、金属箔を有せず、前記リチウムイオン二次電池用負極材のみからなる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材及びその製造方法によれば、黒鉛系材料として部分剥離型薄片化黒鉛を用いているため、導電助剤を必要とせず、かつバインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデンを用いずともよい。そのため、低沸点の溶媒であるエタノールやテトラヒドロフランまたは、水を用いて成膜することができる。従って、リチウムイオン二次電池用負極材を容易に製造することが可能となる。
実施例1で用いた部分剥離型薄片化黒鉛のTG/DTA測定結果を示す図である。 実施例1で用いた部分剥離型薄片化黒鉛及び原料黒鉛である膨張化黒鉛のXRDスペクトルを示す図である。 実施例1で用いた部分剥離型薄片化黒鉛の倍率1000倍の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1で用いた部分剥離型薄片化黒鉛の断面にX線を照射した際のXRD測定装置の概略構成を示す模式図である。 実施例1で用いた部分剥離型薄片化黒鉛の断面にX線を照射した際のXRDスペクトルを示す図である。(a)は、イメージングプレートのy軸方向にスキャンした際のスペクトルを示す図であり、(b)は、イメージングプレートのx軸方向にスキャンした際のスペクトルを示す図である。 一般的なリチウム電池負極材用球状黒鉛の断面にX線を照射した際のXRDスペクトルを示す図である。(a)は、イメージングプレートのy軸方向にスキャンした際のスペクトルを示す図であり、(b)は、イメージングプレートのx軸方向にスキャンした際のスペクトルを示す図である。 実施例1で得たシート状のリチウムイオン二次電池用負極材のTG/DTA測定結果を示す図である。 実施例1で得たシート状のリチウムイオン二次電池用負極材の倍率100倍の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1で得たシート状のリチウムイオン二次電池用負極材の倍率1000倍の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1において評価用電池として組み立てたコイン型電池(HSセル、Liイオン二次電池実験用電池セル)の概略構成を示す分解斜視図である。 実施例1で作成したリチウムイオン二次電池の充放電特性の寿命特性を示す図である。 実施例1で作成したリチウムイオン二次電池のクーロン効率の寿命特性を示す図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材は、部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂とを含む。なお、部分剥離型薄片化黒鉛を用いているため、導電助剤を含有させる必要がない。もっとも、導電助剤を添加してもよい。
部分剥離型薄片化黒鉛とは、黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と樹脂とを含み、樹脂が黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛に固定されている組成物を用意し、該組成物中に含まれている樹脂を熱分解することにより得られる。それによって、黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン間の距離が広げられる。すなわち、上記部分剥離型薄片化黒鉛は、グラフェン積層体において、端縁からある程度内側までグラフェン間が開いており、すなわちグラフェンが剥離しており、中央側の部分ではグラフェン同士が元の黒鉛または一次薄片化黒鉛と同様に積層している構造を有する。
なお、黒鉛とは、複数のグラフェンの積層体である。黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛などを用いることができる。膨張黒鉛は、通常の黒鉛よりもグラフェン層の層間が大きい。従って容易に剥離され得る。そのため、膨張黒鉛を用いることにより、薄片化黒鉛を容易に得ることができる。
上記黒鉛では、グラフェンの積層数は10万層以上〜100万層程度であり、BETによる比表面積で20m/g以下の値を有するものである。他方、部分剥離型薄片化黒鉛とは、グラフェンの積層数が100層以下、BETによる比表面積で24m/g以上、2500m/g以下のものをいうものとする。
また、本発明では、原料として黒鉛に代わり、一次薄片化黒鉛を用いても良い。一次薄片化黒鉛とは、黒鉛を剥離することにより得られた薄片化黒鉛を広く含むものとする。一次薄片化黒鉛を原料として用いた場合、一次薄片化黒鉛と樹脂とを含み、樹脂が一次薄片化黒鉛に吸着されている組成物を用意する。一次薄片化黒鉛は、黒鉛を剥離することにより得られるものであるため、その比表面積は、黒鉛よりも大きいものであれば良い。
上記部分剥離型薄片化黒鉛の製造方法としては、下記の第1の方法及び第2の方法を用いることができる。
(第1の方法)
第1の方法では、初めに、黒鉛または一次薄片化黒鉛と、ラジカル重合性モノマーとを含む混合物を用意する。次に、混合物に含まれているラジカル重合性モノマーを重合することにより、混合物中に上記ラジカル重合性モノマーが重合しているポリマーを生成させるとともに、該ポリマーを黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフト化させる。
第1の方法では、黒鉛または一次薄片化黒鉛と、ラジカル重合性モノマーとを含む組成物を用意する。
上記ラジカル重合性モノマーは、ラジカル重合性として一般に知られる官能基を有するモノマーである限り特に限定されず、適宜のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いることができる。上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−エチルアクリル酸メチル、α−ベンジルアクリル酸メチル、α−[2,2−ビス(カルボメトキシ)エチル]アクリル酸メチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジシクロヘキシル、α−メチレン−δ−バレロラクトン、α−メチルスチレン、α−アセトキシスチレンからなるα−置換アクリル酸エステル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどのグリシジル基や水酸基を持つビニルモノマー;アリルアミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ基を有するビニルモノマー;メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸などのカルボキシル基を有するモノマー;ユニケミカル社製、ホスマーM、ホスマーCL、ホスマーPE、ホスマーMH、ホスマーPPなどのリン酸基を有するモノマー;ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を有するモノマー;アルキル基やベンジル基などを有する(メタ)アクリレート系モノマーなどが挙げられる。上記ラジカル重合性モノマーは単独で用いてもよく、複数の種類のモノマーを組み合わせて用いてもよい。好ましくは、上記ラジカル重合性モノマーとしては、安価なスチレンモノマーを用いることができる。
上記黒鉛と上記ラジカル重合性モノマーとの配合割合は特に限定されないが、重量比で1:1〜1:100の割合とすることが望ましい。上記配合割合を上記範囲とすることで、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛を効果的に剥離し、薄片化黒鉛をより一層効果的に得ることができる。
上記組成物を用意する工程では、好ましくは、熱分解する際にガスを発生する熱分解性発泡剤をさらに含む組成物を用意する。その場合には、後述する加熱により黒鉛または一次薄片化黒鉛をより一層効果的に剥離することができる。
上記熱分解性発泡剤としては、加熱により自発的に分解し、分解時にガスを発生する化合物である限り、特に限定されない。上記熱分解性発泡剤としては、例えば、分解時に窒素ガスを発生するアゾカルボン酸系、ジアゾアセトアミド系、アゾニトリル化合物系、ベンゼンスルホヒドラジン系またはニトロソ化合物系等の発泡剤や、分解時に一酸化炭素、二酸化炭素、メタンまたはアルデヒド等を発生する発泡剤などを用いることができる。上記熱分解性発泡剤は単独で用いてもよく、複数の種類の発泡剤を組み合わせて用いてもよい。
好ましくは、上記熱分解性発泡剤としては、下記の式(1)に示される構造を有するアゾジカルボンアミド(ADCA)や、下記の式(2)〜(4)に示される構造を有する発泡剤を用いることができる。これらの発泡剤は、加熱により自発的に分解し、分解時に窒素ガスを発生する。
なお、上記熱分解性発泡剤の熱分解温度は特に限定されず、上記ラジカル重合性モノマーが自発的に重合を開始する温度より低くてもよく、高くてもよい。例えば、上記式(1)に示される構造を有するADCAの熱分解温度は210℃であり、上記ラジカル重合性モノマーがスチレンの場合には、スチレンが自発的に重合を開始する温度150℃よりも高い温度である。上記式(2)〜(4)に示される構造を有する発泡剤の熱分解開始温度は順に88℃、96℃、110℃であり、これらはスチレンが自発的に重合を開始する温度150℃よりも低い温度である。
上記黒鉛または一次薄片化黒鉛と上記熱分解性発泡剤との配合割合は特に限定されないが、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛100重量部に対し、上記熱分解性発泡剤を100重量部〜300重量部配合することが好ましい。上記熱分解性発泡剤の配合量を上記範囲とすることで、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛をより一層効果的に剥離し、薄片化黒鉛を効果的に得ることができる。
上記組成物を用意する方法は特に限定されないが、例えば、上記ラジカル重合性モノマーを分散媒として使用し、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛を上記ラジカル重合性モノマー中に分散させる方法などが挙げられる。また、上記熱分解性発泡剤をさらに含む上記組成物は、上記ラジカル重合性モノマーに上記熱分解性発泡剤を溶解または分散することにより用意することができる。
次に、上記組成物に含まれる上記ラジカル重合性モノマーを重合することにより、上記組成物中に上記ラジカル重合性モノマーが重合しているポリマーを生成する工程を行う。
このとき、上記ラジカル重合性モノマーはフリーラジカルを生成し、それによって上記ラジカル重合性モノマーがラジカル重合することにより、上記ラジカル重合性モノマーが重合しているポリマーが生成する。一方、上記組成物中に含まれる黒鉛は、複数のグラフェン層の積層体であるため、ラジカルトラップ性を有する。そのため、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛を含む上記組成物中において上記ラジカル重合性モノマーを共存重合させると、上記フリーラジカルが上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層の端部及び表面に吸着される。従って、重合時に生じた上記フリーラジカルを有する上記ポリマーまたは上記ラジカル重合性モノマーが、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層の端部及び表面にグラフト化する。
上記組成物に含まれる上記ラジカル重合性モノマーを重合する方法としては、例えば、上記ラジカル重合性モノマーが自発的に重合を開始する温度以上に上記組成物を加熱する方法が上げられる。上記組成物を上記温度以上に加熱することによって、上記組成物に含まれる上記ラジカル重合性モノマーにフリーラジカルを生成することができる。それによって、上述の重合及びグラフト化を行うことができる。
上記のように、加熱により上記ラジカル重合性モノマーを重合する場合には、上記組成物を加熱するだけで、上記ラジカル重合性モノマーの重合及び後述する上記ポリマーの熱分解の両方を行うことができる。従って、黒鉛または一次薄片化黒鉛の剥離がより一層容易となる。
上記加熱方法としては、上記組成物を上記温度以上に加熱できる方法であれば特に限定されず、適宜の方法及び装置により上記組成物を加熱することができる。また、上記加熱の際には、密閉することなく、すなわち常圧下で加熱してもよい。
また、上記ラジカル重合性モノマーを確実に重合させるために、上記ラジカル重合性モノマーが自発的に重合を開始する温度以上の温度まで加熱した後、上記温度をさらに一定時間維持してもよい。上記温度付近に維持する時間は、使用するラジカル重合性モノマーの種類及び量にもよるが、好ましくは0.5〜5時間の範囲である。
上記ポリマーを生成する工程の後に、上記組成物を上記ポリマーの熱分解温度まで加熱することにより、上記ポリマーを熱分解する工程を行う。それによって、上記組成物に含まれる上記ポリマー及び上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層の端部及び表面にグラフト化している上記ポリマー等が熱分解する。第1の発明において、上記ポリマーの熱分解温度とは、TGA測定依存の分解終点温度をいう。例えば、ポリマーがポリスチレンである場合には、上記ポリマーの熱分解温度は約350℃である。
このとき、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層の端部及び表面にグラフト化している上記ポリマー等が熱分解する際に、上記グラフェン層間に剥離力が生じる。従って、上記ポリマー等を熱分解することによって、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層間を剥離し、薄片化黒鉛を得ることができる。
なお、第1の方法では、薄片化黒鉛とは、元の黒鉛または一次薄片化黒鉛を剥離処理して得られる剥離後のグラフェン積層体であり、元の上記黒鉛または一次薄片化黒鉛よりも比表面積の大きいグラフェン積層体または元の黒鉛または一次薄片化黒鉛の分解終点が低温化へシフトしたグラフェン積層体をいう。
上記加熱方法としては、上記ポリマーの熱分解温度まで加熱できる方法であれば特に限定されず、適宜の方法及び装置により上記組成物を加熱することができる。また、上記加熱の際には、密閉することなく、すなわち常圧下で加熱してもよい。従って、安価にかつ容易に薄片化黒鉛を製造することができる。
上記ポリマーを確実に熱分解させるために、上記ポリマーの熱分解温度以上の温度まで加熱した後、上記温度をさらに一定時間維持してもよい。上記温度付近に維持する時間は、使用するラジカル重合性モノマーの種類及び量にもよるが、好ましくは0.5〜5時間の範囲である。
また、上記ポリマーを生成する工程において、加熱により上記ラジカル重合性モノマーを重合させる場合には、上記ポリマー生成する工程における加熱処理と、後述する上記ポリマーを熱分解する工程における加熱処理とを、同一の方法及び装置により連続して行ってもよい。
上記加熱の際、上記組成物が熱分解性発泡剤をさらに含む場合には、上記組成物を上記熱分解性発泡剤の熱分解温度まで加熱すると、上記熱分解性発泡剤が上記組成物中で熱分解する。一方、上記熱分解性発泡剤は、熱分解時にはガスを発生して発泡する。このとき、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層間付近で上記熱分解性発泡剤が熱分解すると、上記グラフェン層間に上記熱分解により発生した上記ガスが入り込み、上記グラフェン層の間隔が広げられる。それによって、上記グラフェン層間に剥離力が生じるため、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛をさらに剥離することができる。従って、上記熱分解性発泡剤を用いることによって、得られる薄片化黒鉛の比表面積をより一層大きくすることができる。
第1の方法では、上記ラジカル重合性モノマー及び/または上記ポリマーと上記熱分解性発泡剤を併用することによって、黒鉛または一次薄片化黒鉛をより一層効果的に剥離し得る。このような方法により黒鉛または一次薄片化黒鉛をより一層効果的に剥離し得る理由については定かではないが、以下の理由が考えられる。上述のように、上記ラジカル重合性モノマーがフリーラジカルを生成した場合、重合時に生じた上記フリーラジカルを有する上記ポリマーまたは上記ラジカル重合性モノマーが、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層の端部及び表面にグラフト化する。そのため、上記フリーラジカルは上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層にトラップされる。一方、上記熱分解性発泡剤はラジカルと親和性が高いという性質を有するため、上記組成物中において上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層にトラップされたフリーラジカルに引き寄せられる。従って、上記熱分解性発泡剤は黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェンシート積層面付近において熱分解し易くなる。よって、上記熱分解性発泡剤の熱分解により、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層間に効果的に剥離力を与えることができる。
なお、上記熱分解性発泡剤の熱分解は、必ずしも上記ポリマーを熱分解する工程において行わずともよい。例えば、上記熱分解性発泡剤の熱分解温度が、上記ラジカル重合性モノマーが自発的に重合を開始する温度より低い場合には、上記ポリマーを生成する工程において、加熱により上記ラジカル重合性モノマーを重合させる際に、上記熱分解性発泡剤を熱分解してもよい。また、上記熱分解性発泡剤の熱分解は、ラジカル重合性モノマーの重合前でもよく、重合後でもよく、重合と同時でもよい。
また、上記熱分解性発泡剤を確実に熱分解させるために、上記熱分解性発泡剤の熱分解温度以上の温度まで加熱した後、上記温度をさらに一定時間維持してもよい。上記温度付近に維持する時間は、使用する熱分解性発泡剤の種類及び量にもよるが、好ましくは0.5〜5時間の範囲である。
(第2の方法)
第2の方法では、黒鉛または一次薄片化黒鉛と、ラジカル重合性モノマーが重合しているポリマーとを含み、ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフト化している組成物を用意する工程において、ポリマーを黒鉛の存在下で、300℃以上かつ500℃以下の温度範囲の温度に加熱することにより、ポリマーを黒鉛にグラフト化させる。すなわち、第1の方法では、黒鉛または一次薄片化黒の存在下でラジカル重合性モノマーを重合してポリマーを生成するとともにポリマーの黒鉛または一次薄片化黒鉛へのグラフト化が図られていたが、これに対して、第2の方法では、予め得られたポリマーを黒鉛または一次薄片化黒鉛の存在下で上記特定の温度範囲に加熱することにより、ポリマーを熱分解することにより生成したポリマーラジカルを直接黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフトさせることができる。
第2の方法で用い得るポリマーとしては、適宜の熱分解ラジカル生成ポリマーを用いることができる。
ほとんどの有機ポリマーが分解温度でラジカルを発生する。従って、上記分解温度付近でラジカルを形成するポリマーとしては多くの有機ポリマーを用いることができる。もっとも、好ましくは、ビニル基含有モノマーの重合体が好適に用いられる。このようなビニル基含有モノマーとしては、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのモノマーが挙げられる。また、上記ビニル基含有モノマーを重合してなるポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリプロピレン、ポリビニルフェノール、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテルなどを挙げることができる。
また、ポリ塩化ビニル、塩素化塩化ビニル樹脂、フッ化エチレン樹脂やフッ化ビニリデン樹脂、塩化ビニリデン樹脂などの、塩素などのハロゲン元素を含有するポリマーなども使用可能である。エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドンやそれらの共重合体も、使用可能である。ポリイソブチレンやポリアルキレンエーテルなどのカチオン重合によって得られたポリマーも使用可能である。
オリゴマーを架橋してなる、ポリウレタン、エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂やシリコーン樹脂なども使用可能である。
ポリアリルアミンを用いてもよく、その場合には黒鉛または一次薄片化黒鉛にアミノ基をグラフトすることができる。ポリビニルフェノールやポリフェノール類を用いてもよく、その場合には、フェノール性OHを黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフトすることができる。また、リン酸基を有するポリマーを用いると、リン酸基をグラフトすることができる。
また、ポリエステル、ポリアミドなどの縮合系ポリマーを用いてもよい。その場合には、分解温度で得られるラジカル濃度は低いけれども、分解物がグラフトされる。
上記予め用意したポリマーとして、グリシジルメタクリレートのホモポリマー、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレングリコール、ポリブチラールなどが好適に用いられる。これらのポリマーを用いることにより、黒鉛または一次薄片化黒鉛をより一層効果的に剥離することができる。
第2の方法において、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛と上記ポリマーとの配合割合は特に限定されないが、重量比で1:5〜1:20の割合とすることが望ましい。配合割合をこの範囲内とすることにより、黒鉛または一次薄片化黒鉛をより効果的に剥離し、薄片化黒鉛を効果的に得ることができる。
第2の方法においても、第1の方法の場合と同様に、組成物を用意する工程において、好ましくは、熱分解性発泡剤をさらに組成物に含有させることが望ましい。第1の方法の場合と同様に、後述するポリマーの熱分解を引き起こす加熱により、黒鉛または一次薄片化黒鉛をより一層効果的に剥離することができる。
使用し得る熱分解性発泡剤としては、第1の方法の場合と同様である。従って、好ましくは、前述した式(1)〜(4)で示される構造を有する発泡剤を用いることが望ましい。
第2の方法においても、黒鉛または一次薄片化黒鉛と熱分解性発泡剤との配合割合は特に限定されないが、黒鉛または一次薄片化黒鉛100重量部に対し、熱分解性発泡剤は100〜300重量部の割合で配合することが好ましい。この範囲内であれば、黒鉛または一次薄片化黒鉛をより一層効果的に剥離することができる。
第2の方法においても、組成物を用意する具体的な方法は限定されないが、例えば、上記ポリマーと黒鉛または一次薄片化黒鉛とを適宜の溶媒もしくは分散媒中に投入し、加熱する方法が挙げられる。
上記加熱によりポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフトされる。この加熱温度については、50℃〜400℃の範囲とすることが望ましい。この温度範囲内とすることにより、ポリマーを黒鉛に効果的にグラフトさせることができる。それによって、黒鉛または一次薄片化黒鉛をより一層効果的に剥離することができる。この理由については、以下の通りと考えられる。
上記ラジカル重合性モノマーを重合して得られたポリマーを加熱することにより、ポリマーの一部が分解し、黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層にラジカルトラップされる。従って、ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフトされることになる。そして、後述する加熱工程においてポリマーを分解し、焼成すると、ポリマーの黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフトされているグラフト面に大きな応力が加わる。そのため、剥離力がグラフト点を起点として作用し、グラフェン層間が効果的に広げられることになると考えられる。
第2の方法においても、上記加熱方法としては、上記ポリマーの熱分解温度まで加熱できる方法であれば特に限定されず、適宜の方法及び装置により上記組成物を加熱することができる。また、上記加熱の際には、密閉することなく、すなわち常圧下で加熱してもよい。従って、安価にかつ容易に薄片化黒鉛を製造することができる。
上記ポリマーを確実に熱分解させるために、上記ポリマーの熱分解温度以上の温度まで加熱した後、上記温度をさらに一定時間維持してもよい。上記温度付近に維持する時間は、使用するポリマーの種類及び量にもよるが、好ましくは0.5〜5時間の範囲である。
(ポリマーの熱分解による黒鉛の剥離工程)
上記第1の方法及び第2の方法のいずれにおいても、上記のようにして組成物を用意したのち、組成物中に含まれるポリマーを熱分解する。それによって、黒鉛または一次薄片化黒鉛が剥離され、薄片化黒鉛を得ることができる。この場合のポリマーの熱分解を果たすために、上記組成物をポリマーの熱分解温度以上に加熱すればよい。より具体的には、ポリマーの熱分解温度以上に加熱し、さらにポリマーを焼成し、焼き切る。それによって、薄片化黒鉛を得ることができる。例えば、ポリスチレンの熱分解温度を280℃〜400℃程度であり、ポリグリシジルメタクリレートの熱分解温度は250℃〜350℃程度であり、ポリブチラールの熱分解温度は大気中で250℃〜560℃程度である。
上記ポリマーの熱分解により薄片化黒鉛を得ることができるのは、前述した理由によると考えられる。すなわち、黒鉛にグラフトしているポリマーが焼成されると、グラフト点に大きな応力が作用し、それによってグラフェン間の距離が広がるためと考えられる。
なお、第1の方法では、ラジカル重合性モノマーを重合するための加熱と、上記ポリマーの熱分解とを同じ加熱工程において連続的に実施してもよい旨を説明したが、第2の方法においても、上記ポリマーを黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフトさせるための加熱工程と、上記ポリマーを熱分解する加熱工程とを連続的に実施してもよい。
さらに、第1の方法及び第2の方法のいずれにおいても、複数回実施することが望ましい。例えば、第1の方法により組成物を用意したのち、ポリマーを熱分解し薄片化黒鉛を得た後に、該薄片化黒鉛を第1の方法の原料の一次薄片化黒鉛として用い、さらに第1の方法を1回以上繰り返すことにより、より一層比表面積の大きい薄片化黒鉛を得ることができる。同様に、第2の方法により組成物を用意した後に、ポリマーを熱分解し薄片化黒鉛を得た後に、得られた薄片化黒鉛を第2の方法における原料の一次薄片化黒鉛としては、さらに第2の方法及びポリマーの熱分解を実施し、薄片化黒鉛を得てもよい。その場合においても、より一層比表面積の大きな薄片化黒鉛を得ることができる。
さらに、第1の方法により用意された組成物を加熱して薄片化黒鉛を得た後に、該薄片化黒鉛を第2の方法の原料としての一次薄片化黒鉛として、以下第2の方法と同様にして薄片化黒鉛を得てもよい。逆に、第2の方法で得られた組成物を加熱し、薄片化黒鉛を得た後に、該薄片化黒鉛を第1の方法の原料の一次薄片化黒鉛として、以下第1の方法と同様にして、組成物を用意し、さらに加熱によりポリマーを熱分解し、薄片化黒鉛を得てもよい。このように、第1の発明の製造方法により得られた薄片化黒鉛を、さらに原料としての一次薄片化黒鉛として用い、第1の発明の製造方法による薄片化を1回以上繰り返すことにより、より一層比表面積の大きい薄片化黒鉛を得ることができる。
(他の変形例)
なお、第1の発明においては、上記のようにラジカル重合性モノマーが重合しているポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフト化している構造を有する組成物中のポリマーを熱分解することにより薄片化黒鉛を得ている。第1の発明では、さらに、他の方法により黒鉛を薄片化する工程を施してもよい。例えば、第1の発明の薄片化黒鉛の製造方法で得られた薄片化黒鉛を原料として用い、第1の発明の薄片化黒鉛以外の黒鉛の薄片化方法をさらに実施してもよい。あるいは、他の黒鉛の薄片化方法で得られた一次薄片化黒鉛を原料として第1の発明の薄片化黒鉛の製造方法を実施してもよい。その場合においても、より一層比表面積の大きい薄片化黒鉛を得ることができる。このような他の黒鉛の薄片化方法としては、例えば、電気化学的処理による黒鉛の薄片化方法、あるいは吸着−熱分解法を用いることができる。吸着−熱分解法とは、黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛を、ポリ酢酸ビニルのように黒鉛のグラファイトに吸着する性質を有するポリマーを吸着させ、しかる後、加熱により上記ポリマーを熱分解する方法である。この場合には、ポリマーのグラフェンに対する吸着点に熱分解の際の応力が加わるため、第1の発明の製造方法の場合と同様に、黒鉛のグラフェン層間の距離を広げることができる。
(部分剥離型薄片化黒鉛)
部分剥離型薄片化黒鉛は、黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と樹脂とを含み、樹脂が黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中の該樹脂を熱分解し、樹脂を除去することにより得られるものである。部分剥離型薄片化黒鉛には、剥離に用いた樹脂は実質的に含まれていない。この部分剥離型薄片化黒鉛は、従来知られた製造方法により得られる薄片化黒鉛と比べて、比較的飛散し難いという特徴を有する。
上記部分剥離型薄片化黒鉛の製造方法では、比表面積が24m/g以上の薄片化黒鉛を得ることができる。更には比表面積が100m/g以上の薄片化黒鉛を得ることができる。また更には比表面積が180m/g以上の薄片化黒鉛を得ることができる。
部分剥離型薄片化黒鉛の比表面積は大きいため、部分剥離型薄片化黒鉛は、弾性率等の物理的特性や、導電性などの電気的特性に優れている。従って、部分剥離型薄片化黒鉛を樹脂に分散させることにより、剛性並びに耐燃焼性に優れた樹脂複合材料を得ることができる。
また、部分剥離型薄片化黒鉛を、従来公知の剥離方法によりさらに剥離し、比表面積のより一層大きい薄片化黒鉛とすることもできる。部分剥離型薄片化黒鉛は、通常の黒鉛よりも薄く、比表面積が大きくされているため、上記薄片化黒鉛を従来の剥離方法に用いることにより、より効率的に上記薄片化黒鉛を剥離することができる。
(バインダー樹脂)
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材は、上述した部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂とを含む。このバインダー樹脂として、上記部分剥離型薄片化黒鉛を用いた場合、ポリフッ化ビニリデンを用いる必要はない。すなわち、水系バインダーとして、SBR(スチレンブタジエンラバー)、CMC(カルボキシメチルセルロース)等があり、また、非水系バインダーとして、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂などを用いることができる。しかも、バインダー樹脂の使用量を少なくしたとしても、容易にシート状のリチウムイオン二次電池用負極材を得ることができる。これは、部分剥離型薄片化黒鉛では、それ自身がスタックしやすい構造であることによる。
好ましくは、水系バインダーとして、SBR(スチレンブタジエンラバー)、CMC(カルボキシメチルセルロース)等があり、また、非水系バインダーとして、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂からなる群から選択された少なくとも一種を好適に用いることができる。これらの好ましい樹脂の少なくとも一種をバインダー樹脂として用いた場合、より一層低沸点の溶媒を用いて成膜することができる。従って、シート状もしくはフィルム状のリチウムイオン二次電池用負極材をより一層容易に形成することができる。
上記バインダー樹脂の配合割合については、部分剥離型薄片化黒鉛100重量部に対し、2〜20重量部の範囲とすることが望ましい。この範囲内であれば、リチウムイオン二次電池用負極材がより一層脆くなり難く、かつリチウムイオン二次電池の性能をより一層高めることができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材の形状は特に限定されず、フィルム状、シート状などの適宜の形状とされ得る。
また、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材は、それ自体が高い集電性を示す。従って、Cu箔などの金属箔を用いることなく、上記リチウムイオン二次電池用負極材のみにより負極を構成することができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材は、部分剥離型薄片化黒鉛を用いているため、導電助剤を含有させる必要がない。もっとも、導電助剤を添加してもよい。導電助剤としては、ケッチェンブラック、カーボンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、あるいは導電性を示す酸化物や窒化物等が挙げられる。
上記導電助剤の配合割合については、部分剥離型薄片化黒鉛100重量部に対し、5〜100重量部の範囲とすることが望ましい。
(製造方法)
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材の製造に際しては、上述した部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂とを含む組成物とを用意する。しかる後、該組成物を賦形し、シート状のリチウムイオン二次電池用負極材を得る。賦形方法は特に限定されず、種々の成形方法等を用いることができる。
上述したように、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材は、部分剥離型薄片化黒鉛を用いるものであるため、導電助剤を必ずしも必要としない。また、バインダー樹脂の添加量を少なくしても、容易に成膜することができる。しかも、低沸点の溶媒を用いることができる。従って、その点からも容易に成膜することができる。
低沸点の溶媒とは、具体的には、沸点が120℃以下である溶媒のことをいい、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、水などを挙げることができる。安全性や経済性の観点から、エタノールを用いることが特に好ましい。
上記組成物を賦形する工程としては、好ましくは、部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂と、溶媒とを含む組成物を塗工し、乾燥する方法を用いられる。この場合には、溶融、塗工及び乾燥により、容易にリチウムイオン二次電池用負極材を得ることができる。
より好ましくは、塗工に際し、リチウムイオン二次電池用負極材のセパレータの片面に上記組成物を塗工することが望ましい。その場合には、塗工し、乾燥するだけで、セパレータとリチウムイオン二次電池用負極材とを一体化した部材を得ることができる。従って、取扱いが容易となる。また、リチウムイオン二次電池の組み立て工程の簡略化を図ることができる。
(リチウムイオン二次電池)
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、本発明に従って構成されたリチウムイオン二次電池用負極材を備える。リチウムイオン二次電池は、通常、負極と、正極と、負極と正極との間に配置されたセパレータとを備える。好ましくは、上記負極として、金属箔を用いることなく、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材のみを用いてもよい。本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材は集電性に優れるため、Cu箔などの金属箔を省略することができる。従って、その場合には、部品点数の低減及びコストの低減を果たすことができる。
もっとも、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材を、Cu箔などの金属箔に積層し、負極を構成してもよい。
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(部分剥離型薄片化黒鉛の調製)
以下の実施例1においては、下記のようにして調製された部分剥離型薄片化黒鉛を用いた。
(部分剥離型薄片化黒鉛の調製)
膨張化黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー」、BET表面積=22m/g)20gと、熱分解性発泡剤として、式(1)に示した構造を有するADCA(永和化成社製、商品名「AC♯R−K3」、熱分解温度210℃)40gと、ポリプロピレングリコールPPG(三洋化成社製、品番:サンニックスGP−3000、数平均分子量=3000)400gとを、溶媒としてのテトラヒドラフラン400gと混合し、原料組成物を用意した。原料組成物に、超音波処理装置(本多電子社製)を用い、100W、発振周波数28kHzで5時間超音波を照射した。超音波処理により、ポロプロピレングリコールを膨張化黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリプロピレングリコールが膨張化黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
上記超音波照射後に、上記組成物を溶液流延法により成形し、乾燥温度80℃の温度で2時間維持し、次に110℃の温度で1時間維持、さらに150℃の温度で1時間維持し、さらに230℃の温度で2時間維持した。それによって、上記組成物中において上記ADCAを熱分解し、発泡させた。
次に、500℃の温度で2時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリプロピレングリコールを熱分解し、樹脂残存のない部分剥離型薄片化黒鉛を得た。この部分剥離型薄片化黒鉛を後述の実施例1で用いた。
なお、得られた部分剥離型薄片化黒鉛について、空気雰囲気下で30℃〜1000℃まで10℃/分の速度で昇温加熱する燃焼試験を行った。この燃焼試験を行った際のTG/DTA測定結果を図1に示す。
図1より黒鉛由来のピークしか観測されず、ポリプロピレングリコールは完全に消失されていることが分かる。
また、得られた上記部分剥離型薄片化黒鉛のXRDスペクトルを実線、比較のために、原料黒鉛である膨張化黒鉛PFパウダーのXRDスペクトルを図2に破線で示す。図2より、部分剥離型薄片化黒鉛はポリプロピレングリコールが熱分解する際にグラファイト構造が剥離するが、高温で焼結されることにより再スタック(一般的に焼き締まり効果)していることが分かる。しかしながら、全てがグラファイト化するのではなく、特にエッジ部分は開いたままになっている。
図3は、上記のようにして得られた部分剥離型薄片化黒鉛の倍率1000倍の走査型電子顕微鏡写真である。図3から明らかなように、グラフェン層間が一部開いていることがわかる。
続いて、上記部分剥離型薄片化黒鉛の配向性について、XRD測定により評価した。部分剥離型薄片化黒鉛は、200℃における加圧プレスにより、厚み1mmのシート状に成形した後、カッターナイフにて短冊状に切り出し、測定に供した。
XRD測定は、RINT2500 Nano−Viewer(リガク社製)を用い測定した。X線は、管電圧45kV、管電流90mAのCuKα線(波長0.1542nm)を使用した。XRD測定方法の模式図を、図4に示す。X線源1から発生した上記X線は、スポットサイズ0.3mmに集光した後、部分剥離型薄片化黒鉛2の断面に対して垂直な方向から照射した。散乱プロファイルは、イメージングプレート3に記録した。
上記方法で測定した、部分剥離型薄片化黒鉛のXRD測定結果を図5に示す。比較のため、上記と同様の方法で測定したリチウム二次電池負極材用球状黒鉛のXRD測定結果を図6に示す。なお、図5及び図6において、(a)は、サンプルの厚み方向であるイメージングプレートのy軸方向にスキャンした場合の結果を示す。また、(b)は、サンプルの厚み方向に直交する方向であるイメージングプレートのx軸方向にスキャンした場合の結果を示す。
図5(a)から明らかなように、サンプルの厚み方向であるイメージングプレートのy軸方向にスキャンした場合、ピークが認められた。また、図5(b)に示したように、サンプルの厚み方向に直交する方向であるイメージングプレートのx軸方向にスキャンした場合はピークが出現しなかった。このことから、部分剥離型薄片化黒鉛においては、グラフェンが厚み方向に配向していることがわかる。
一方、図6の球状黒鉛の測定結果では、イメージングプレートのy軸方向とx軸方向のいずれの方向にスキャンした場合にも、ピークが出現しなかった。このことから、一般的なリチウム二次電池負極材用球状黒鉛では、グラフェンが配向していないことがわかる。
(実施例1)
上記のようにして得た部分剥離型薄片化黒鉛50mgと、ブチラール樹脂溶液2gと、溶媒としてのエタノール20gとを100mLのサンプル瓶に入れ、28kHzで4時間超音波分散処理を行った。なお、ブチラール樹脂溶液としては、積水化学社製、ブチラール樹脂、品番:LB−1の5%濃度のエタノール溶液を用いた。従って、ブチラール樹脂の添加量は100mgである。
上記のようにして超音波処理して得られた溶液を、ポリフッ化エチレン樹脂からなるフィルタを用いて減圧濾過した。しかる後、フィルタを、オーブン中で95℃に1時間維持し、次に120℃に1時間維持し、さらに150℃で2時間維持し乾燥した。しかる後、フィルタ上に形成されたシート状のリチウムイオン二次電池用負極材を剥離した。このようにして、シート状のリチウムイオン二次電池用負極材を容易に成膜することができた。
上記のようにして得られたシート状のリチウムイオン二次電池用負極材について、TG/DTA測定を行った。結果を図7に示す。図7より、重量比で、ブチラール樹脂:部分剥離型薄片化黒鉛は、1:9程度である。
また、得られたシート状のリチウムイオン二次電池用負極材の100倍及び1000倍の走査型電子顕微鏡写真をそれぞれ図8及び図9に示す。
図7、図8及び図9から明らかなように、ほとんどが部分剥離型薄片化黒鉛であることがわかる。
次に、上記のようにして得たシート状のリチウムイオン二次電池用負極材を用い、以下の容量でコイン型電池(HSセル、Liイオン二次電池実験用電池セル)を作製し、充放電特性を評価した。実施例1のリチウムイオン二次電池用負極材を直径15mmの円形のシートに打ち抜いた。この円形のシート状のリチウムイオン二次電池用負極材を用いてコイン型二次電池を作製した。なお、以降の実験は、全てアルゴンガス噴霧のグローブボックス内で行った。
乾燥された上記二次電池用負極材からなる円形のシートを真空を保ったままグローブボックス内に搬入した。同時に、120℃のオーブンで乾燥された、コイン型電池(HSセル、Liイオン二次電池実験用電池セル)をグローブボックス内に搬入した。
上記コイン型電池(HSセル)の構造を図10に分解斜視図で模式的に示す。
図10に示すように、対極4と作用極5との間に、作用極5側から順に、二次電池用負極材からなるシート6、セパレータ7、金属リチウム片8、樹脂からなる治具9、集電極10及びばね11を積層した。正極は、上記金属リチウム片8である。金属リチウム片8として、厚み0.2mm、直径16mmのLi箔を用いた。また、セパレータ7については、積水化学社製樹脂フィルム(商品名:エスフィノ、厚み25μm)を直径24mmに打ち抜いたものを用いた。また、電解液として、1モル/LのLiPF6/EC:DMC(1.2v/v%)のキシダ化学社製電解液を用いた。
上記のようにして組み立てたコイン型電池において、電圧が0.01Vまで降下した後に1mAの電流を8時間通電し、充電した。充電後1分間休止した。次に、1mAの電流を、電圧が3.0Vになるまで放電した。次に1分間休止した。
上記充電及び放電からなるサイクルを繰り返した。充放電試験結果を図11及び12に示す。図11の横軸は充放電のサイクル数を示し、縦軸は容量(mAh/g)すなわち充放電特性を示す。
図11から明らかなように、本実施例によれば、充放電を繰り返しても、充放電特性の劣化が少ないことがわかる。特にほとんどが部分剥離型薄片化黒鉛であることにより理論効率に非常に近いことが分かる。
また、図12は、クーロン効率の寿命特性を示す図である。図12から明らかなように、特に初期クーロン効率が良いことがわかる。
1…X線源
2…部分剥離型薄片化黒鉛
3…イメージングプレート
4…対極
5…作用極
6…シート
7…セパレータ
8…金属リチウム片
9…治具
10…集電極
11…ばね

Claims (11)

  1. 樹脂が黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中の樹脂を熱分解することにより得られており、部分的にグラフェンが剥離している構造を有する部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂とを含む、リチウムイオン二次電池用負極材。
  2. 前記バインダー樹脂が水系バインダーである、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  3. 前記バインダー樹脂が非水系バインダーである、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  4. 前記水系バインダーが、スチレンブダジエンラバー(SBR)またはカルボキシメチルセルロース(CMC)である、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  5. 前記非水系バインダーが、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂及びブチラール樹脂からなる群から選択された少なくとも1種の樹脂である、請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  6. 樹脂が黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中の樹脂を熱分解することにより得られており、部分的にグラフェンが剥離している構造を有する部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂とを含む組成物を用意する工程と、
    前記組成物を賦形し、シート状のリチウムイオン二次電池用負極材を得る工程とを備える、リチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
  7. 前記組成物を賦形する工程が、前記部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂と溶媒とを含む組成物を塗工し、乾燥することにより行われる、請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
  8. 前記組成物の塗工に際し、リチウムイオン二次電池のセパレータの片面に該組成物を塗工する、請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
  9. 請求項1〜5に記載のリチウムイオン二次電池用負極材を備える、リチウムイオン二次電池。
  10. 前記リチウムイオン二次電池用負極材からなる負極と、正極と、前記負極と正極との間に配置されたセパレータとを備える、請求項9に記載のリチウムイオン二次電池。
  11. 前記負極が、金属箔を有せず、前記リチウムイオン二次電池用負極材のみからなる、請求項10に記載のリチウムイオン二次電池。
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