JP2014197192A - 液体現像用電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents

液体現像用電子写真感光体及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐クラック性の低い電荷輸送物質や樹脂を用いても、液体現像系において十分な耐クラック性を有し、かつ薄膜でも充分に電気特性に優れる電子写真感光体並びに、これを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型の液体現像用電子写真感光体であって、電荷輸送層が式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂を含有し、電荷輸送層の膜厚が20μm以下、電荷輸送層中の残留溶媒量が5mg/cm3〜50mg/cm3である。
Figure 2014197192

【選択図】なし

Description

本発明は、複写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体に関する。詳しくは、耐溶剤性に優れ、且つ、電気特性の良好な液体現像用電子写真感光体並びに液体現像方式の画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
電子写真技術において、画像を可視化する現像工程の方式には、大きく分けて乾式現像方式と液体(湿式)現像方式が存在する。このうち液体現像方式は、1950年代に端を発する歴史の長い技術ではあるが、現像用溶剤(通常は有機溶剤)を使うなど、オフィスユースには課題も有り、一般にオフィスユースには専ら乾式現像方式が用いられているのが現状である。しかし、0.1μm〜2μmと小径のトナーが使用でき、乾式よりも高解像度化が可能で、オフセット印刷に近い高画質が得られ、しかも高速化にも対応可能であるという利点を生かし、オンデマンド印刷などの新しい商業印刷システム向けに、オフセット印刷に代わって使用されるようになってきている。
一方、電子写真技術の中核となる電子写真感光体(以下、適宜「感光体」という。)については、無公害で成膜が容易である、製造が容易で低コストである等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が主流となっている。有機系の光導電材料を用いた感光体(有機感光体)としては、例えば、光導電性微粉末をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる分散型感光体(単層型感光体)、電荷発生層および電荷輸送層を積層した積層型感光体(機能分離型感光体)が知られている。そのうち積層型感光体は、電荷発生効率の高い電荷発生物質と、高移動度でイオン化電位が電荷発生物質にマッチした電荷輸送物質とを組み合わせることにより、高感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また感光層を塗布により容易に形成可能で生産性が高く、コスト面でも有利なことから、多く使用されている。
そのような有機感光体は、液体現像系においては、キャリアとして使用される現像用溶剤と、現像工程の一定時間接触することになる。特に通常のカラー工程においては4色以上の現像剤が使用されるため、より多くの時間現像用溶剤にさらされることになる。このように感光体が現像用溶剤に繰り返しさらされると、感光体の表面にクラックと呼ばれる欠陥が生じ、それが印刷画像にスジ欠陥となって現れ、耐久性向上の妨げとなることがある。
このようなクラックの生じるメカニズムについては諸説あるが、一つには、現像用溶剤により感光体の低分子成分が溶出して空洞(ボイド)が生じ、それが繰り返し周囲から機械的負荷を受けて成長してクラックとなる、というような疲労破壊的なメカニズムが考えられる。そのような場合、感光体の表面層に使用されているバインダー樹脂の機械物性を改善することによって、ボイドが成長してクラックとなるのを抑制し、その結果耐久性が向上することが期待される。
また、感光体の導電性支持体(以下、適宜「支持体」という。)に関しては、ドラム(シリンダー)状のものが大半であるが、性状がフレキシブルで装置内に配置する際の設計自由度が大きい等の理由からシートあるいはベルト状の感光体も使用されている。その場合、感光層は、シート状の支持体上に光導電性物質及びバインダー樹脂等を含有する塗布液を、リバースコート、グラビアコート、バーコート、ロールコート、ブレードコート等により塗布して形成される。あるいは、シート状あるいはシームレスベルト状の支持体をドラム状の支持体に巻き付け、ディップコート等の塗布方法で塗布して形成することもで
きる。これらの層形成方法では、層に含有させる物質を溶剤に溶解させて得られる塗布液が使用される。そして多くの工程では、予め塗布液を調製し、それを塗布するまでの間、保存することが行なわれている。そのため、バインダー樹脂には、塗布工程に用いられる溶剤に対し、溶解性が優れること、および溶解後の塗布液中で安定であることも要求される。
従来の感光体は、液体現像系に使用するには十分な耐溶剤安定性及び耐クラック性を有しておらず、繰り返し使用するうちに表面にクラックを生じ、画像欠陥となるケースがあった。特に、汎用性の高く、安価な一部のポリカーボネート樹脂を使用した場合に表面にクラックを生じ、画像欠陥となる課題があった。この課題を解決する技術として、特定のポリアリレート樹脂を感光層に用いる技術がある(特許文献6)。
また、商業印刷システム向けに、感光体の幅あるいは面積が大きくする、高速化に向け電子写真装置を小型化するために電子写真感光体を径の細いローラを用いて搬送することが検討されている。いずれの場合においても、感光体にソリ(カール)が生じ、感光体の側縁部が持ち上り帯電器に触れる等のトラブルが発生する課題があった。この課題を解決する技術として、感光層の膜厚も21um以上とし、電荷輸送層中の残留溶媒量を調節する技術がある(特許文献7)。尚、特許文献7の実施例の系では、残留溶媒が少ないほど電気特性が良好であるが、電気特性が多少劣ってもカール防止のため残留溶媒を一定の範囲に設定している。
特開2003−295485号公報 特開2006−113352号公報 特開2006−113354号公報 特開2006−89702号公報 特開2005−115091号公報 特開2010−96811号公報 特開2000−267308号公報
特許文献6に記載されたような樹脂は、電気特性を充分に満足することができず、電荷輸送層をコスト面で有利な薄膜にするとさらなる電気特性の悪化が見られた。また、特許文献7に記載の技術では、小型化に対応できず、耐クラック性も充分ではなかった。
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものである。即ち、本発明の目的は、耐クラック性の低い電荷輸送物質や樹脂を用いても、液体現像系において十分な耐溶剤安定性及び耐クラック性を有し、かつ薄膜でも十分に電気特性に優れる電子写真感光体並びに、これを備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、電荷輸送層に特定の構造を有する樹脂を含有させ、電荷輸送層の膜厚及び残留溶媒量を特定の範囲とすることにより、得られる感光体が、現像用溶剤に対しクラック性能が不利な電荷輸送材やバインダー樹脂を用いた場合でも、優れた耐クラック性及び電気特性を示すことを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、下記<1>〜<6>に存する。
<1>導電性支持体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型の液体現像
用電子写真感光体であって、該電荷輸送層が下記式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂を含有し、該電荷輸送層の膜厚が20μm以下、該電荷輸送層中の残留溶媒量が5mg/cm3〜50mg/cm3であることを特徴とする液体現像用電子写真感光体。
Figure 2014197192
(式(1)中、Ar、Arは、それぞれ独立に炭素数30以下の、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、式(2)で表される構造、又は式(3)で表される構造を有する2価の有機残基を表す。kは0〜3の整数を表す。)
Figure 2014197192
(式(2)中のR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、若しくはアリール基、又はRとRとが結合して形成されるシクロアルキリデン基を表す。)
−O−R−O− 式(3)
(式(3)中のRは、アルキレン基、アリーレン基、又は式(4)で表される基を表す。)
−R−Ar−R− 式(4)
(式(4)中のR及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を表し、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。)
<2>前記電荷輸送層中に下記式(A)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネー
ト樹脂を含有することを特徴とする<1>に記載の液体現像用電子写真感光体。
Figure 2014197192
<3>前記電荷輸送層中に下記式(B)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネー
ト樹脂を含有することを特徴とする<1>又は<2>に記載の液体現像用電子写真感光体。
Figure 2014197192
<4>前記電荷輸送層が、前記ポリエステル樹脂を前記電荷輸送層中の全樹脂100質量部に対して30質量部以上含有することを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記
載の液体現像用電子写真感光体
<5>下記式(W)で表される化合物を電荷輸送層中の全樹脂100質量部に対して25
質量部以上含有すことを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1つに記載の液体現像用電
子写真感光体。
Figure 2014197192
<6><1>〜<5>のいずれか1つに記載の液体現像用電子写真感光体を備えることを特徴とする画像形成装置。
<7>C10~C13の炭化水素が溶媒の80%以上を占める液体現像トナーを備えることを特
徴とする<6>に記載の画像形成装置。
本発明によれば、優れた耐溶剤安定性、耐クラック性を有し、かつ薄膜でも充分に電気特性に優れる電子写真感光体並びに、これを備えた画像形成装置を提供できる。
本発明の画像形成装置の要部構成の一例を模式的に示す図である。 (a),(b)はいずれも、本発明の一実施形態としての画像形成装置の液体現像装置のユニット構成の一例を模式的に示す図である。 実施例で用いたオキシチタニウムフタロシアニンのX線回折図である。 実施例で用いたオキシチタニウムフタロシアニンのX線回折図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
[1.ポリエステル樹脂]
本実施の形態が適用される電子写真感光体の電荷輸送層は、下記式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂を含む。
Figure 2014197192
(式(1)中、Ar、Arは、それぞれ独立に炭素数30以下の、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、式(2)で表される構造、又は式(3)で表される構造を有する2価の有機残基を表す。kは0〜3の整数を表す。)
Figure 2014197192
(式(2)中のR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、若しくはアリール基、又はRとRとが結合して形成されるシクロアルキリデン基を表す。)
−O−R−O− 式(3)
(式(3)中のRは、アルキレン基、アリーレン基、又は式(4)で表される基を表す。)
−R−Ar−R− 式(4)
(式(4)中のR及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を表し、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。)
式(1)中Ar、Arとしては、炭素数6〜20のアリーレン基が好ましく、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、ピレニレン基等が挙げられる。中でも、製造コストの面から、フェニレン基とナフチレン基が特に好ましい。
前記アリーレン基にそれぞれ独立に有していても良い置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、縮合多環基、ハロゲン基等が挙げられる。この中でも、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン基が好ましい。感光層用バインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性を勘案すれば、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が好ましく、ハロゲン基としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、アルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基が好ましく、アルキル基としては、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜4が特に好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖のアルキル基、イソプロピル基、tertブチル基、イソブチル基等の分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状アルキル基、クロロメチル基、フッ化メチル基等のハロゲン化アルキル基、ベンジル基等が挙げられる。この中でも合成の観点から、直鎖のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がさらに好ましい。
Ar、Arそれぞれの置換基の数に特に制限は無いが、3個以下であることが好ましく、2個以下であることがより好ましく、1個以下であることが特に好ましい。さらに、式(1)中、ArとArは同じ置換基を有する同じアリーレン基であることが好ましく、無置換のフェニレン基であることが特に好ましい。
式(1)中、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、式(2)で表される構造、又は式(3)で表される構造を有する2価の有機残基である。式(2)中のR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、若しくはアリール基、又はRとRとが結合して形成されるシクロアルキリデン基を示す。式(2)中のR及びRのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖のアルキル基、イソプロピル基、tertブチル基、イソブチル基等の分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状アルキル基、クロロメチル基、フッ化メチル基等のハロゲン化アルキル基、ベンジル基等が挙げられる。この中でも合成の観点から、直鎖のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がさらに好ましい。アリール基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、ピレニレン基等が挙げられ、フェニレン基が好ましい。また、式(2)中のRとRとが結合して形成されるシクロアルキリデン基としては、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基等が挙げられ、クロヘキシリデン基が好ましい。
さらに、式(3)中のRは、アルキレン基、アリーレン基、又は式(4)で表される基である。式(4)中のR及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を表し、Arはアリーレン基を示す。式(3)中のRのアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられ、式(3)中のRのアリーレン基としては、フェニレン基、テルフェニレン基などが挙げられる。式(4)で表される基としては、具体的には下記式(5)で表される基などが挙げられる。これらのなかでも、耐磨耗性の観点から、Xは酸素原子であることが好ましい。
Figure 2014197192
式(1)中、kは0〜3の整数であるが、好ましくは0〜1の整数であり、耐磨耗性の観点から1であることが最も好ましい。
本発明において、式(1)は下記一般式(6)であることが特に好ましい。
Figure 2014197192
式(6)中、R17及びR18は、各々独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、またはアルコキシ基であり、n,mは、各々独立に0〜4の整数である。式(6)中のR17及びR18としては、例えば、水素原子、炭素数1〜炭素数6のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。式(6)で示される2価カルボン酸残基を誘導する2価カルボン酸化合物の製造上の簡便性を考慮すれば、R17及びR18は、水素原子、炭素数1のアルキル基(メチル基)が特に好ましい。
n1,m1は各々独立に、0〜4の整数であり、特に好ましくは、n1=m1=0である。
式(6)で示される2価カルボン酸残基を誘導する2価カルボン酸化合物の具体例としては、例えば、ジフェニルエーテル−2,2´−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4´−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、製造上の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボン酸が特に好ましい。
式(1)で表される繰り返し構造は、必要に応じて複数の繰り返し構造単位を組み合わせて用いることも可能である。組み合わせて良い2価カルボン酸化合物の具体例としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエン−2,5−ジカルボン酸、p−キシレン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,3−ジカルボン酸、ピリジン−2,4−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ピリジン−3,4−ジカルボン酸、ピリジン−3,5−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ビフェニル−2,2´−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4´−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,2´−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,3´−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4´−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3´−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4´−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボン酸が挙げられる。ジカルボン酸成分の製造の簡便性を考慮すれば、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボン酸が特に好ましい。
本発明中のポリエステル樹脂において、式(1)で表される繰り返し構造の含有量は全ポリエステル樹脂中、下限は、通常10モル%以上、好ましくは15モル%以上である。上限は、好ましくは、100モル%以下である。含有量が少なすぎると耐磨耗性が不十分の可能性があり、多すぎると溶解性が低下する可能性がある。
また、本発明中のポリエステル樹脂において下記式(7)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂を含有していることが好ましい。
Figure 2014197192
(式(7)中、R〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン基、又は炭素数30以下のアリール基を表し、Xは単結合、アルキレン基、−CR1516−、酸素原子、硫黄原子を表す。R15,R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、またはR15とR16が互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成する基のいずれかを表す。)
〜R14における、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、クロロメチル基、フッ化アルキル基、ベンジル基等が挙げられる。置換基を有していてもよいアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロヘキソキシ基、等が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等が挙げられる。
〜R14における好ましい組み合わせとしては、R、R10、R11、R13
水素原子であり、R、R、R12、R14が水素原子もしくは炭素数1以上3以下のアルキル基である。機械物性の観点から、特に好ましくは、R、R、R10、R11、R13、R14が水素原子であり、R、R12が水素原子またはメチル基である。
におけるアルキレン基の具体例としては、−(CH−、−(CH−等が挙げられる。R15及びR16における、置換基を有してもよいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。置換基を有してもよいアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリル基等が挙げられる。R15とR16が互いに結合して置換基を有してもよい環を形成する基の具体例としては、シクロヘキシリデン基等が挙げられる。
式(7)中、Xにおいて好ましくは、−CR1516−である。具体的には、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。
この中でも、2価フェノール成分の製造の簡便性および機械物性を考慮すれば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンが特に好ましい。これらの2価フェノール成分を複数組み合わせて用いることも可能である。
前記バインダー樹脂の好適な構造の具体例を以下に示す。これら具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知のバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
Figure 2014197192
尚、本発明中におけるポリエステル樹脂のカルボキシル酸価は、100μ当量/g以下とすることが好ましく、より好ましくは50μ当量/g以下である。カルボキシル酸価が100μ当量/gを超えると、感光体の電気的特性が悪化する傾向があり、さらに、樹脂を溶媒に溶解して塗工液としたときの保存安定性が低下する傾向がある。
また、本発明中のポリエステル樹脂に含まれる遊離の2価カルボン酸量は、その量は特に限定されないが、50ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましい。遊離の2価カルボン酸含有量が50ppmを超える場合、感光体の電気特性が悪化したり、画像評価に現れる異物となったりする場合がある。感光体の電気特性・画像特性の観点からは、遊離の2価カルボン酸量は少ないほどよいが、ポリエステル樹脂の安定性の観点からは、0.01ppm以上であることが好ましく、0.1ppm以上であることが特に好ましい。
さらに、本発明中のポリエステル樹脂に含有される遊離の2価フェノールについては、その量は特に限定されないが、100ppm以下が好ましい、50ppm以下が更に好ましい。100ppmを超えると電気特性の悪化や着色、使用する溶媒によっては異物が生じる場合がある。感光体の電気特性の観点からは、遊離の2価フェノールは少ないほどよいが、製造の簡便性からは、0.001ppm以上であることが好ましく、0.01ppm以上であることが特に好ましい。
[2.液体現像用電子写真感光体]
感光体の具体的な構成としては、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型の液体現像用電子写真感光体である。例えば、支持体上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とした電荷輸送層とを積層した感光層(積層型感光層。又は機能分離型感光層。)を備える積層型(又は機能分離型)感光体が挙げられる。さらに最表面層に保護層を設けても良い。
[3.導電性支持体]
支持体の材質としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料;金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を含有させて導電性を付与した樹脂材料;アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙;などが主として使用される。また、金属材料等の支持体の表面には、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のために、適切な抵抗値を有する導電性材料を塗布してもよい。
支持体の形態としては、例えば、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。これらのうち、本発明の感光体においては、支持体としてはシート状のものを用いることが好ましい。中でも具体的には、二軸延伸フィルム等のフィルム上に金属層が形成されたものが特に好適に用いられる。画像形成装置内の設計自由度、感光層形成用塗布液の塗布の容易性、低コスト等の観点からである。
前記のフィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の線状ポリエステル樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。中でも、機械的強度及び寸法安定性等の点から線状ポリエステル樹脂が好ましく、特にポリエチレンテレフタレート樹脂がより好ましい。また、耐熱性の観点からはポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレンナフタレート樹脂が好ましい。なお、これらの樹脂は1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
また、フィルムの厚みは、通常30μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは70μm以上であり、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは120μm以下である。この範囲の厚みにすることにより、コスト上有利で、乾燥後の変形(カール)を防止し、かつ十分な引張り強度等の機械的強度を確保することが可能となる。
また、支持体を構成する金属層の金属としては、例えば、銅、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ITO(インジウム−スズ酸化物)等が挙げられるが、中でもアルミニウムが好ましい。なお、これらの金属は1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。また、金属層の厚みは、通常40nm以上100nm以下である。
前記フィルムへ金属層を形成する場合、通常は蒸着法により金属蒸着層を形成する。蒸着法は、例えば、前記金属の電熱加熱溶融蒸着法、イオンビーム蒸着法、イオンプレーティング法等の公知の蒸着法が用いられる。また、金属層としては、アルミニウム箔、ニッケル箔等の金属箔や、これら金属を積層したラミネートフィルムを用いることができる。この場合の金属箔の厚みは、5μm以下が好ましい。また、金属箔の上にさらに適切な抵抗値を持つ導電性材料を積層することもできる。
支持体の表面は、平滑であっても良いし、例えば樹脂に粒径の大きな粒子を混合すること等によって、粗面化されていても良い。粗面化することによって、レーザーのような可干渉光に対して干渉縞が発生するのを抑制したり、感光層の接着性を増したりする等の効果が得られる。
[4.下引き層]
支持体と感光層との間には、接着性及びブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子などが挙げられる。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、例えば酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物;又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。また酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。なお、一つの粒子には複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
これらの金属酸化物粒子は1種類を用いても良いし2種類上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
また、金属酸化物粒子の粒径としては、種々のものが利用できるが、中でも特性および下引き層形成用の塗布液の安定性の面から、平均一次粒径として10nm以上100nm以下が好ましく、特に好ましくは10nm以上50nm以下である。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した構造で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できる。中でも、アルコール可溶性の共重合ポ
リアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。なお、これらは1種類を用いても良いし2種類上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
バインダー樹脂に対する金属酸化物粒子の量比は任意に選べるが、通常10質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、より好ましくは100質量%以上であり、通常500質量%以下、好ましくは400質量%以下、より好ましくは380質量%以下、特に好ましくは350質量%以下である。下引き層形成用の塗布液の安定性、塗布性を良好にするためである。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、通常0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上であり、通常25μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。感光体の特性及び下引き層形成用の塗布液の塗布性を良好にするためである。
また下引き層には、公知の酸化防止剤等の添加剤を含有させてもよい。
さらに下引き層として、導電層とブロッキング層の二層構成としてもよい。
[5.電荷発生層]
積層型感光体の電荷発生層は、電荷発生物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷発生層は、具体的には、例えば電荷発生物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液(電荷発生層形成用塗布液)を作製し、これを順積層型感光層の場合には支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)、また、逆積層型感光層の場合には電荷輸送層上に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生物質としては、例えば、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料;フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料;などの各種光導電材料が使用できる。特に有機顔料が好ましく、更にはフタロシアニン顔料及びアゾ顔料が特に好ましい。なお、電荷発生物質は1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
なかでも電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を用いる場合、その具体例としては、無金属フタロシアニン;銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコーン、ゲルマニウム等の金属、またはその酸化物、ハロゲン化物等の配位したフタロシアニン類;などが使用される。3価以上の金属原子への配位子の例としては、上に示した酸素原子、塩素原子の他、水酸基、アルコキシ基などが挙げられる。特に感度の高いX型、τ型無金属フタロシアニン、A型、B型、D型等のチタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が好適である。なお、ここで挙げたチタニルフタロシアニンの結晶型のうち、A型、B型についてはW.HellerらによってそれぞれI相、II相として示されており(Zeit. Kristallogr.159(1982)173)、A型はβ型とも呼ばれ、安定型として知られているものである。D型はY型とも呼ばれる準安定型で、CuKα線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2゜が27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とする結晶型である。
フタロシアニン化合物は単一の化合物のもののみを用いても良いし、いくつかの混合状態でも良い。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態における混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理、磨砕処理、溶剤処理等が知られている。
これらの電荷発生物質は、通常、その微粒子を例えばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルプロピオナール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。なお、この際バインダー樹脂として本発明に係るポリエステル樹脂を使用してもよい。また、バインダー樹脂は1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
電荷発生層における電荷発生物質の使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して、通常30質量部以上、好ましくは50質量部以上であり、通常500質量部以下、好ましくは300質量部以下である。
また、電荷発生層の膜厚は、通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上であり、通常1μm以下、好ましくは0.6μm以下である。
電荷発生層には、本発明の効果を著しく損なわない限り上述した以外の成分を含有していてもよい。例えば、電荷発生層には添加剤を含有させても良い。これらの添加剤は、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させるために用いられるもので、その例を挙げると、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、電子求引性化合物、染料、顔料、レベリング剤、残留電位抑制剤、分散補助剤、可視光遮光剤、増感剤、界面活性剤などが挙げられる。なお、可塑剤を用いれば層の機械的強度等が改良でき、残留電位抑制剤を用いれば残留電位を抑制でき、分散補助剤を用いれば分散安定性を向上させることができ、レベリング剤を用いれば塗布液の塗布性を改善できる。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物などが挙げられ、界面活性剤の例としては、シリコーンオイル、フッ素系オイルなどが挙げられる。なお、添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用しても良い。また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはシリコーンオイルやワックス、およびフッ素系樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を含有させてもよい。また、無機化合物の粒子を含有させてもよい。
[6.電荷輸送層]
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液(電荷輸送層形成用塗布液)を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好
ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。以下の具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知の電荷輸送物質を用いてもよい。
Figure 2014197192
Figure 2014197192
Figure 2014197192
この中でもクラックの観点から、下記式(W)で表される電荷輸送物質であることが好
ましい。
Figure 2014197192
電荷輸送物質とバインダー樹脂としては、上記[1.ポリエステル樹脂]にて詳述した樹脂が用いられる。上記ポリエステル樹脂の含有量は、耐クラック性の観点から、電荷輸送層中の全樹脂100質量部に対して通常10質量部以上、好ましくは20質量部以上、更に好ましくは35質量部以上である。上限は、通常100質量部以下、電気特性の観点から、好ましくは80質量部以下である。
バインダー樹脂は、本発明のポリエステル樹脂の他に、通常電子写真感光体に適用可能なものであればどのようなバインダー樹脂も併用可能である。併用される他の樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルポリカーボネート、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これら樹脂の中でも、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
前記バインダー樹脂の好適な構造の具体例を以下に示す。これら具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知のバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
Figure 2014197192
この中でも、電気特性及び耐クラックの観点から電荷輸送層中に(A)又は(B)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂を含有することが好ましい。さらに、(A)及び(B)の共重合樹脂であることが好ましい。
Figure 2014197192
(A)又は(B)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂において、(A
)又は(B)で表される繰り返し構造の含有量は全ポリカーボネート樹脂中、下限は、通
常10モル%以上、好ましくは15モル%以上である。上限は、通常100モル%以下であり、好ましくは80モル%以下、更に好ましくは50モル%以下である。(A)は、含
有量が少なすぎると電気特性が不十分、(B)は、含有量が少なすぎると耐摩耗性が不十
分の可能性があり、(A)は、多すぎると溶解性が低下する、(B)は、多すぎると電気特性が低下する可能性がある。(A)又は(B)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂と式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂との混合割合は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、耐クラック性の観点から、通常200質量部以下、好ましくは150質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。また、電気特性の観点から、通常10質量部以上、好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上である。
電荷輸送層中に残留する溶媒量は、5mg/cm〜50mg/cmの範囲であり、乾燥時間の観点から好ましくは30mg/cm以下である。残留溶媒は、ある一定の範囲の感光層を溶媒に溶かし、ガスクロマトグラフィーにて測定できる。5mg/cm〜50mg/cmの範囲とするためには、例えばシート状感光体で電荷輸送層の膜厚が18umの場合、電荷輸送層の乾燥時間を125℃の温度で2分〜5分程度とする方法が挙げられる。
残留する溶媒が直接電気特性に関与しているのではなく、溶媒が層中に存在することによる空間的な作用が要因であると考えられるため、残留する溶媒の種類は特に制限はないが、塗布液の作製に用いられる溶媒又は分散媒であることが好ましい。具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。また、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組み合わせおよび種類で併用してもよい。
電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、長寿命、画像安定性の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、一方、小型化・塗布性の更には高解像度の観点から20μm以下であり、好ましくは18μm以下である。膜厚は、渦電流を利用した接触式の膜厚計や光の干渉を利用した光学式の非接触な膜厚計等により測定できる。
[7.その他の機能層]
感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させても良い。
[8.各層の塗布方法]
感光層の形成方法に制限は無く、任意の方法を用いることができる。例えば、各層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液(電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液、分散型感光層形成用塗布液、など)を順次塗布し、乾燥させて形成される。
塗布方法は特に限定されないが、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法などを用いることができる。また特にシート状の支持体を備えた感光体(シート状感光体)の場合の塗布方法としては、公知のダイコート法、リバースコート法、グラビアコート法、バーコート法等により塗布液を支持体上に塗布して形成される。
塗布後の感光体は、通常、塗布膜の溶剤が実質的に蒸発除去されるまで乾燥工程に付される。乾燥方法としては、従前公知で行なわれている方法を適用することができる。例えば、加熱ローラー、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤外線乾燥機、遠赤外線乾燥機等の少なくとも一つによって行なわれる。乾燥温度は通常60℃〜140℃の範囲で実施される。
本発明の感光体がシート状感光体である場合、例えば、その両端部を超音波融着等の公
知の方法によって接合してエンドレスベルトとして使用される。また、例えば、シート状感光体をそのままドラムに巻き付けて使用することもできる。ドラムに巻き付ける場合、例えば細巻きにしたロールをドラム内部に保持して巻き出す形を取ることもあれば、1枚のシートを巻き付けることもある。
[9.画像形成装置]
次に、本発明の感光体を用いた画像形成装置の一実施形態について、装置の要部構成を図面を用いて説明する。但し、本発明の実施形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変更して実施することができる。
図1は本発明の一実施形態としての画像形成装置の要部構成を模式的に示す図である。この図1に示すように、本実施形態の画像形成装置は、感光体1、帯電手段としての帯電装置2、露光手段としての露光装置3及び現像手段としての現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写手段としての転写装置5、クリーニング手段としてのクリーニング装置6及び定着手段としての定着装置(図示せず)が設けられる。
感光体1は、上述した本発明の感光体であれば特に形状に制限はないが、図1ではその一例として、シート状支持体の表面に上述した感光層を形成し、超音波融着によってエンドレスベルト状とした感光体を示している。
帯電装置2は感光体1を帯電させるもので、感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる装置である。図1では帯電装置2の一例としてコロナ放電型の帯電装置(コロトロン)を示しているが、他にも、例えばスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ローラや帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
なお、感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下、適宜「感光体カートリッジ」と言う。)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述する現像液についても、多くの場合、カートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているカートリッジ中の現像液が無くなった場合に、このカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいカートリッジを装着することができるようになっている。更に、感光体1、帯電装置2及び現像液が全て備えられたカートリッジを用いることもある。
露光装置3は、感光体1に露光を行なって感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体の支持体を光透過性にし、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。
露光を行なう際の光は任意であるが、例えば波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。中でも波長380nm〜500nmの光を用いると感光体を、より小さなスポットサイズの光で露光することができ、高解像度で高階調性を有する高品質の画像を形成することができることから、高品質の画像を得たい際には好ましい。
現像装置4は液体現像装置を表す。使用される現像液は、通常、絶縁性の高い現像用溶剤(通常は有機溶剤)中に荷電性を付与した顔料及び樹脂からなるトナーを分散したものである。液中で荷電したトナーが、現像電界に応じ電気泳動していく機構であるため、粘性を有する現像用溶剤中のトナーの移動度などが関係するが、基本的な電界モデルは乾式
現像と同様である。
図2(a),(b)に液体現像装置4のユニット構成の一例を模式的に示す。図2(a)に示す液体現像装置4は、感光体1に近接又は当接する現像ローラ7とスクイズローラ8とを感光体1の移送方向に沿ってこの順に備える。そして、まず現像ローラ7から濃度の低い現像液を感光体に転写して現像を行い、続いて感光体1上の余剰な現像用溶剤をスクイズローラ8で電界の力も借りながら搾り取ることで、感光体1上に薄く均一で密度の高いトナー像を形成できるようになっている。
一方、図2(b)に示す液体現像装置4は、感光体1に近接する現像ローラ7と、現像ローラ7に当接したスクイズローラ8とを備える。そして、現像前に現像ローラ7とスクイズローラ8間の電界及び圧力により、高濃度、高帯電の薄いトナー層を現像ローラ7上に予め形成し、続いてこのトナー層を、感光体1と現像ローラ7間の電界により現像することで、高密度のトナー像を形成できるようになっている。なお、必要に応じて、液体現像装置4には現像ローラ7及びスクイズローラ8に残留した現像液を除去するクリーニングローラ9を設けてもよい。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、例えばコロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体,転写材)Pに転写するものである。なお、図1は感光体から記録紙Pへの直接転写方式を表しているが、感光体から中間転写ベルト、中間転写ローラ等の中間転写体にいったんトナー像を転写した後に記録紙Pに転写する、中間転写方式も用いることができる。
クリーニング装置6について特に制限はなく、例えばブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。
記録紙P上に転写されたトナーは、通常、定着器(図示せず)を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、例えば熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された画像形成装置では、現像液を用いた液体現像方式の画像形成方法によって、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、図1に示すように、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される(帯電工程)。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する(露光工程)。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう(現像工程)。
図2(a),(b)に示すように現像装置4の現像ローラ7に担持された帯電トナーが感光体1の表面に接触あるいは近接すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される(手印写工程)。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される(クリーニング工程)。トナー像の記録紙P上への転写後、定
着装置を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで(定着工程)、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、感光体に露光あるいは交流電圧の印加を行なうことで感光体上の余分な帯電電荷をキャンセルする工程である。除電装置としては、例えば、蛍光灯、LED等の露光装置や、交流印加が可能なワイヤ等が使用される。また除電工程で露光を用いる場合、光強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成、複数種のトナーを用いたフルカラー方式の構成としてもよい。さらに、例えばエンドレスベルト状感光体に代えて、金属ドラム上にシート状感光体を静電気力等によって貼り付けた形態にしてもよい。
なお、感光体1は、必要に応じて、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6及び定着装置のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(電子写真カートリッジ)として構成し、この電子写真カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、上記実施形態で説明したカートリッジと同様に、例えば感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
[10.トナー]
液体トナーは、電気抵抗率が高い溶媒にカーボンブラックや、シアン、マゼンタ、イエロー等の発色を持つ顔料または染料で着色した樹脂を主成分とするトナー粒子を懸濁させ、さらに、電荷調整剤としてレシチン、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸を添加したものを用いることができる。電気抵抗率が高い溶媒としては、炭化水素溶媒が用いられ、顔料との親和性、乾燥性等の観点からC10〜C13の炭化水素が溶媒の80%以上を占める液体トナーが好ましい。一般的に、乾式トナーに比べ、液体トナーの方が粒径の小さいトナーが用いられ、高解像度画質の面で有利である。
<実施例1>
平均一次粒子径13nmの酸化アルミニウム粒子(日本アエロジル社製 Aluminum Oxide C)を、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中で超音波により分散させることにより、酸化アルミニウムの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール(質量比7/3)の混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを、加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、酸化アルミニウム/共重合ポリアミドを質量比1/1で含有する固形分濃度8.0%の下引き層用分散液とした。
Figure 2014197192
このようにして得られた下引き層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート(厚さ75μm)上に、乾燥後の膜厚が1.2μmになるようにワイアバーで塗布、乾燥して下引き層を設けた。
電荷発生物質として、図3に示すCuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルパターンを有するチタニウムオキシフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部を混合し、サンドグラインドミルで2時間粉砕して微粒化分散処理を行った。続いて、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)の2.5%1,2−ジメトキシエタン溶液400部と、170部の1,2−ジメトキシエタンを混合して分散液1)を調製した。次に、図4に示すCuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルパターンを有するチタニウムオキシフタロシアニンについても同様の操作を行い分散液2)を調整した。これらの分散液を1:1で混合・撹拌した混合液を、前記下引き層上にバーコーターで塗布して、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるよう
に電荷発生層を形成した。
次にこのフィルム上に、下記第一バインダー樹脂(1a)(粘度平均分子量:3700
0)を50部、下記第二バインダー樹脂(AB)(粘度平均分子量:30000)を50部、下記構造の電荷輸送物質(W)を35部、下記構造を有する酸化防止剤8部、およびレ
ベリング剤としてシリコーンオイル0.1部をテトラヒドロフラン/トルエン(8/2)混合溶媒640部に溶解させた液を塗布し、125℃で3分間乾燥し、乾燥後の膜厚が18μmとなるように電荷輸送層を設け感光体を作製した。この感光体を感光体X1とする。この時の、感光層中の残留溶媒(トルエン)の量は、7.2mg/cmであった。
Figure 2014197192
<実施例2>
実施例1において、第二バインダー樹脂(2)を下記繰り返し構造のバインダー樹脂(A)(粘度平均分子量:30000))に変え、溶剤としてジオキソランを使用した以外
は実施例1と同様にして、感光体X2を得た。
Figure 2014197192
<比較例1>
実施例1において、下記第一バインダー樹脂(1a)を使用せず、第二バインダー樹脂
(B)を100部使用した以外はすべて実施例1と同様にして、感光体Y1を得た。
<実施例3>
実施例1において、第一バインダー樹脂(1a)を30部、第二バインダー樹脂(AB)
を70部使用した以外はすべて実施例1と同様にして、感光体X3を得た。
<実施例4>
実施例2において、第一バインダー樹脂(1a)を20部、第二バインダー樹脂(A)を80部使用した以外はすべて実施例1と同様にして、感光体X4を得た。
<実施例5>
実施例1において、第一バインダー樹脂(1a)(粘度平均分子量:37000)10
部、第二バインダー樹脂(A)を90部使用した以外はすべて実施例1と同様にして、
感光体X5を得た。
<実施例6>
実施例1において、第一バインダー樹脂(1a)に変えて下記繰り返し構造のバインダ
ー樹脂(1b)を使用した以外はすべて実施例1と同様にして、感光体X6を得た。
Figure 2014197192
製造した感光体シートX1〜X6、Y1について、クラックテストを行なった。これらの結果を表−1にまとめた。
<クラックテスト>
上記で作製した感光体シートを1cm×20cmの短冊に切り、感光体表面に溶剤;アイソパーLを薄く塗りつけて約3時間放置した。この短冊をテンシロン万能材料試験機 TENSILON RTM100(株式会社エー・アンド・デイ社製)にとりつけ、アイソパーLを再度
塗りつけて10ニュートンと20ニュートンの力で2分間引っ張り、感光体表面にクラックの発生の有無を観察した。クラック性に弱い感光体は10ニュートンの力でクラックが発生するが、クラックに強い感光体は20ニュートンの力でもクラックは発生しない。
Figure 2014197192
表−1の結果より、実施例が耐クラック性に優れることが分かる。
<参考例1>
比較例1において、電荷輸送物質として下記構造の電荷輸送物質(5)を使用した以外はすべて実施例1と同様にして、感光体Y2を得た。
Figure 2014197192
<参考例2>
比較例1において、電荷輸送物質(W)の部数を25部に変えた以外はすべて実施例1
と同様にして、感光体Y3を得た。
製造した感光体シートY1〜Y3について、上記クラックテストを行なった。これらの結果を表−2にまとめた。
Figure 2014197192
表−2の結果より、同じ樹脂を用いても、クラックテストにおいてクラックが発生しない系(参考例1,2)があり、クラックが発生し易い系が比較例1であることがわかった。従って、上記実施例1〜6及び比較例1で実施したクラックテストはより厳しい条件であるといえる。厳しい条件を課しても、該電荷輸送層が式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂を含有し、膜厚が20μm以下、残留溶媒量が5mg/cm3
〜50mg/cm3であれば、クラックに耐性があることがわかる。
<比較例2>
実施例1において、電荷輸送層を設ける際の乾燥時間を6分とした以外はすべて実施例1と同様にして感光体Y4を得た。
<比較例3>
実施例1において、電荷輸送層を設ける際の乾燥時間を20分とした以外はすべて実施例1と同様にして感光体Y5を得た。
<比較例4>
実施例3において、電荷輸送層を設ける際の乾燥時間を20分とした以外はすべて実施例3と同様にして感光体Y6を得た。
<比較例5>
比較例1において、電荷輸送層を設ける際の乾燥時間を20分とした以外はすべて比較例1と同様にして感光体Y7を得た。
<比較例6>
実施例1において、電荷輸送層を設ける際の乾燥時間を1分とした以外はすべて実施例
1と同様にして感光体Y8を得た。
<比較例7>
実施例1において、電荷輸送層を設ける際の膜厚を25umとした以外は実施例1と同様にして感光体Y9を得た。
製造した感光体シートX1〜X2、Y4〜Y9について、明部電位の測定を行なった。これらの結果を表−3にまとめた。
<明部電位測定>
感光体シートをアルミニウム素管(外径 80mmφ)上に貼り付け、その明部電位を
測定した。まず、除電器と露光位置との角度を150°、帯電器と露光位置との角度を70°、露光位置と明部電位測定プローブとの角度を−70°に設定し、感光体を回転速度
50回転/分の速さで回転させ、露光しない時の表面電位が−700Vとなるようにスコロトロン帯電条件を設定した。この条件で、各感光体の0.6μJ/cm2 の780nmの光を露光した際の電位(明部電位)を測定した。また、上記のプロセスを3000回繰り返した後の明部電位と初期の明部電位の差をΔVLとして測定した。
Figure 2014197192
表−3の結果より、比較例2と比較例5の比較により、第一バインダー樹脂は明部電位が高い樹脂であることが分かるが、残留溶媒を一定以上にすると明部電位を低く抑えることが実施例1,2と比較例2,3,4との比較によりわかった。一方、残留溶媒が多すぎると、繰り返し時のΔVLの上昇が大きくなり好ましくないことが実施例1と比較例6との比較により分かった。また、膜厚が大きいと電気特性を満足させることができないことも比較例7より分かった。
<実施例9>
実施例1で調整した下引き層用塗布液を、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタラートフィルムのロール(幅が500mmであり、膜中にシリカ粒子を含有させることで表面が粗面化(Ra=0.1μm)された厚み75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタラートフィルムの表面に70nmの厚さでアルミニウム蒸着膜を有するロール)を巻き出しながら、リバースコート法を用い、その上に乾燥後の膜厚が1.2μmとなるように塗布し、下引き層を設けた。
次に、実施例1で調整した電荷発生層用塗布液を、上述の下引き層を形成したアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタラートフィルムのロールを巻き出しながら、リバースコート法を用い、その上に乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように塗布し、電荷発生層を設けた。
次に、実施例4で調整した電荷輸送層用塗布液を、上述の下引き層及び電荷発生層を形成したアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタラートフィルムのロールを巻き出しながら、ダイコート法を用い、その上に乾燥後の膜厚が18μmとなるように塗布し、電荷輸送層を設けた。
このようにして得られた感光層の塗布されたロール状シートを、連続式の断裁機を用いて353mm×584mmのサイズに切り出し、感光体シートを得た。
<実機試験>
作製した感光体シートを、市販の液体現像タイプの軽印刷機、ヒューレットパッカード社製TurboStreamに装着し、画像評価を行なった。装着に於いては、機内のアルミニウムドラムに感光体シートを巻き付け、両端の未塗布領域を重ね合わせてドラム上に感光体シートを保持した。片側のアルミニウム層を除去したことで、静電気によって容易に重ね合わせることができた。
この感光体シートを用いて、ハーフトーン画像を100枚連続で出力したが、濃度変化はなく、良好な画像を得た。さらに、繰り返し使用しても感光層にクラックが入る等のトラブルもなく、実使用上も問題なかった。

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型の液体現像用電子写真感光体であって、該電荷輸送層が下記式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂を含有し、該電荷輸送層の膜厚が20μm以下、該電荷輸送層中の残留溶媒量が5mg/cm3〜50mg/cm3であることを特徴とする液体現像用電子写真感光体。
    Figure 2014197192
    (式(1)中、Ar、Arは、それぞれ独立に炭素数30以下の、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、式(2)で表される構造、又は式(3)で表される構造を有する2価の有機残基を表す。kは0〜3の整数を表す。)
    Figure 2014197192
    (式(2)中のR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、若しくはアリール基、又はRとRとが結合して形成されるシクロアルキリデン基を表す。)
    −O−R−O− 式(3)
    (式(3)中のRは、アルキレン基、アリーレン基、又は式(4)で表される基を表す。)
    −R−Ar−R− 式(4)
    (式(4)中のR及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を表し、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。)
  2. 前記電荷輸送層中に下記式(A)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹
    脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の液体現像用電子写真感光体。
    Figure 2014197192
  3. 前記電荷輸送層中に下記式(B)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹
    脂を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体現像用電子写真感光体。
    Figure 2014197192
  4. 前記電荷輸送層が、前記ポリエステル樹脂を前記電荷輸送層中の全樹脂100質量部に対して35質量部以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液
    体現像用電子写真感光体
  5. 前記電荷輸送層が、下記式(W)で表される化合物を電荷輸送層中の全樹脂100質量
    部に対して25質量部以上含有すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    液体現像用電子写真感光体。
    Figure 2014197192
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体現像用電子写真感光体を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. C10〜C13の炭化水素が溶媒の80%以上を占める液体現像トナーを備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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