JP2010096811A - 液体現像用電子写真感光体、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、上記のように乾式現像方式とは異なり液体現像方式では現像用溶剤に対する耐性が感光体に要求され、さらに、トナーの粒径が非常に小さくなるため要求される特性が異なる等の事情により、乾式現像方式で使用されている技術をそのまま転用することは難しく、開発が困難となる一因であった。
本発明の別の要旨は、本発明の液体現像用電子写真感光体を備えることを特徴とする画像形成装置に存する。
本発明の更に別の要旨は、本発明の液体現像用電子写真感光体を使用して液体現像方式で画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法に存する。
本発明の電子写真感光体(本発明の感光体)は、液体現像用の感光体であって、下記式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂(以下、適宜「本発明に係るポリエステル樹脂」という。)を含有する感光層を備える。感光層において、本発明に係るポリエステル樹脂は通常はバインダー樹脂として用いられる。また、感光体は通常は導電性支持体(支持体)を備え、この支持体上に前記の感光層を備えるものであるが、本発明の感光体では前記の支持体としてシート状支持体を備えることが好ましい。
[2−1.本発明に係るポリエステル樹脂の構造]
本発明の感光体の感光層は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂を含有する。
なお、本発明に係るポリエステル樹脂は、式(2)で表されるジカルボン酸残基として、1種類を含んでいてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で含んでいてもよい。
なお、本発明に係るポリエステル樹脂は、これらのジカルボン酸残基として、1種類を含んでいてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で含んでいてもよい。
なお、式(1)で表される繰り返し構造はポリエステル樹脂中に複数存在するが、X1同士は同じでもよく、異なっていてもよい。
なお、本発明に係るポリエステル樹脂は、式(3)で表される二価ヒドロキシアリール残基として、1種類を含んでいてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で含んでいてもよい。
なお、本発明に係るポリエステル樹脂は、これらの二価ヒドロキシ残基として、1種類を含んでいてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で含んでいてもよい。
なお、他の樹脂は1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
ただし、他の樹脂の混合割合は特に限定されないが、本発明の効果を十分に得るためには、本発明に係るポリエステル樹脂の割合を超えない範囲で併用することが好ましい。
なお、特開2007−213044号公報には、本発明に係るポリエステル樹脂に相当する樹脂が記載されているものの、液体現像系での優位性についての記載も示唆もない。一般に乾式現像方式の技術を液体現像用の感光体に適用することが困難とされているところ、現在主流ではない液体現像系の感光体に本発明に係るポリエステル樹脂を適用することは、本発明において初めて試みられたことである。
次に、本発明に係るポリエステル樹脂の製造方法について説明する。本発明に係るポリエステル樹脂は、公知の重合方法により、二価ヒドロキシアリール残基に対応するモノマー又はオリゴマー(即ち、二価ヒドロキシアリール成分)とジカルボン酸残基に対応するモノマー又はオリゴマー(即ち、ジカルボン酸成分)とを反応させることにより製造することができる。重合方法としては、例えば界面重合法、溶融重合法、溶液重合法などが挙げられる。
また、アルカリ成分の使用量としては、反応系中に含まれるフェノール性水酸基の1.01倍当量〜3倍当量の範囲が好ましい。
支持体の材質としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料;金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を含有させて導電性を付与した樹脂材料;アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙;などが主として使用される。また、金属材料等の支持体の表面には、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のために、適切な抵抗値を有する導電性材料を塗布するようしてもよい。
また、フィルムの厚みは、通常30μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは70μm以上であり、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは120μm以下である。この範囲の厚みにすることにより、コスト上有利で、乾燥後の変形(カール)を防止し、かつ十分な引張り強度等の機械的強度を確保することが可能となる。
また、金属層としては、アルミニウム箔、ニッケル箔等の金属箔や、これら金属を積層したラミネートフィルムを用いることができる。この場合の金属箔の厚みは、5μm以下が好ましい。また、金属箔の上にさらに適切な抵抗値を持つ導電性材料を積層することもできる。
支持体と感光層との間には、接着性及びブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
これらの金属酸化物粒子は1種類を用いても良いし2種類上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
また下引き層には、公知の酸化防止剤等の添加剤を含有させてもよい。
さらに下引き層として、導電層とブロッキング層の二層構成としてもよい。
本発明の感光体において、感光層のタイプは特に限定されず、その層内に本発明に係るポリエステル樹脂を含有するものであれば積層型感光層であってもよく単層型感光層であってもよい。中でも積層型感光層が好ましく、その中でも電荷輸送層に本発明に係るポリエステル樹脂を含有させることがより好ましい。
積層型感光体の電荷発生層は、電荷発生物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷発生層は、具体的には、例えば電荷発生物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液(電荷発生層形成用塗布液)を作製し、これを順積層型感光層の場合には支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)、また、逆積層型感光層の場合には電荷輸送層上に塗布、乾燥して得ることができる。
また、電荷発生層の膜厚は、通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上であり、通常1μm以下、好ましくは0.6μm以下である。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはシリコーンオイルやワックス、およびフッ素系樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を含有させてもよい。また、無機化合物の粒子を含有させてもよい。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液(電荷輸送層形成用塗布液)を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
なお、これらの電荷輸送物質は、何れか1種類を用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用しても良い。
また、電荷輸送層の膜厚は、高解像度化の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、より好ましくは28μm以下である。
さらに、電荷輸送層は、電荷発生層と同様に、添加剤等のその他の成分を含有していてもよい。
分散型感光層は、通常、上記のような配合比の電荷輸送層中に、前出の電荷発生物質が分散された構造の層である。
また、分散型感光層内に分散される電荷発生物質の量は、少なすぎると充分な感度が得られない可能性があり、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などが生じる可能性がある。したがって、分散型感光層内の電荷発生物質の量は、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上であり、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
さらに、分散型感光層は、電荷発生層と同様に、添加剤等のその他の成分を含有していてもよい。
感光層の形成方法に制限は無く、任意の方法を用いることができる。例えば、各層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液(電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液、分散型感光層形成用塗布液、など)を順次塗布し、乾燥させて形成される。
次に、本発明の感光体を用いた画像形成装置の一実施形態について、装置の要部構成を図面を用いて説明する。但し、本発明の実施形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変更して実施することができる。
なお、感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下、適宜「感光体カートリッジ」と言う。)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述する現像液についても、多くの場合、カートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているカートリッジ中の現像液が無くなった場合に、このカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいカートリッジを装着することができるようになっている。更に、感光体1、帯電装置2及び現像液が全て備えられたカートリッジを用いることもある。
露光を行なう際の光は任意であるが、例えば波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。中でも波長380nm〜500nmの光を用いると感光体を、より小さなスポットサイズの光で露光することができ、高解像度で高階調性を有する高品質の画像を形成することができることから、高品質の画像を得たい際には好ましい。
図2(a)に示す液体現像装置4は、感光体1に近接又は当接する現像ローラ7とスクイズローラ8とを感光体1の移送方向に沿ってこの順に備える。そして、まず現像ローラ7から濃度の低い現像液を感光体に転写して現像を行い、続いて感光体1上の余剰な現像用溶剤をスクイズローラ8で電界の力も借りながら搾り取ることで、感光体1上に薄く均一で密度の高いトナー像を形成できるようになっている。
一方、図2(b)に示す液体現像装置4は、感光体1に近接する現像ローラ7と、現像ローラ7に当接したスクイズローラ8とを備える。そして、現像前に現像ローラ7とスクイズローラ8間の電界及び圧力により、高濃度、高帯電の薄いトナー層を現像ローラ7上に予め形成し、続いてこのトナー層を、感光体1と現像ローラ7間の電界により現像することで、高密度のトナー像を形成できるようになっている。
なお、必要に応じて、液体現像装置4には現像ローラ7及びスクイズローラ8に残留した現像液を除去するクリーニングローラ9を設けてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、通常、定着器(図示せず)を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
即ち、図1に示すように、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される(帯電工程)。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
図2(a),(b)に示すように現像装置4の現像ローラ7に担持された帯電トナーが感光体1の表面に接触あるいは近接すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される(手印写工程)。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される(クリーニング工程)。トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで(定着工程)、最終的な画像が得られる。
さらに、例えばエンドレスベルト状感光体に代えて、金属ドラム上にシート状感光体を静電気力等によって貼り付けた形態にしてもよい。
まず、樹脂の粘度平均分子量の測定方法について説明する。
樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの試料溶液を調製する。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。そして、以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出する。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
[製造例1(樹脂X)]
1000mLビーカーに水酸化ナトリウム23.01gとH2O 940mLを量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこにビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン(以下、BP−a)49.36gを添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.5766g及び2,3,5−トリメチルフェノール1.2955gを順次反応槽に添加した。
1000mLビーカーに水酸化ナトリウム22.34gとH2O 940mLを量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン(BP−b)51.04gを添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.5579gおよび2,3,5−トリメチルフェノール1.0613gを順次反応槽に添加した。
[実施例1]
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシランとをボールミルにて混合して得られたスラリーを乾燥後、更にメタノールで洗浄、乾燥して得られた疎水性処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエン(重量比7/1/2)の混合溶媒と、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸(組成モル% 60/15/5/15/5)からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する固形分濃度18.0%の分散液(下引き層形成用塗布液)を得た。
次に、CuKα線によるX線回折において図3に示す回折ピークを示すD型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニン5.5重量部と、図4に示す回折ピークを示すA型(β型)オキシチタニウムフタロシアニン4.5重量部とを1,2−ジメトキシエタン150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない顔料分散液を作製した。こうして得られた160重量部の顔料分散液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000C)の5重量%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部と適量の1,2−ジメトキシエタンを加え、最終的に固形分濃度4.0%の分散液(電荷発生層形成用塗布液)を作製した。
次に、以下に示すヒドラゾン系電荷輸送物質(CTM)60重量部、製造例1で製造した樹脂X100重量部、及び、レベリング剤としてシリコーンオイル0.05重量部を、テトラヒドロフランとトルエンとの混合溶剤(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)640重量部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Xを製造例2で製造した樹脂Yに代えた以外は、実施例1と同様にして感光体シートBを作製した。このとき、樹脂Yの溶剤に対する溶解性は良好であった。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Xの代わりに、下記構造のポリエステル樹脂Zを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体シートCを作製した。樹脂Zの粘度平均分子量は52,000であった。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Xの代わりに下記繰り返し構造単位で形成されるポリカーボネート樹脂Vを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体シートDを作製した。このポリカーボネート樹脂Vの粘度平均分子量は50,500であった。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Xの代わりに、実施例2で使用した樹脂Yと比較例2で使用した樹脂Vの重量比50:50の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体シートEを作製した。
製造した感光体シートA〜Eについて以下の電気特性試験、摩擦試験、クラック試験を行なった。これらの結果を表1にまとめた。
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体シートを直径80mmのアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体シートのアルミニウム支持体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを1.0μJ/cm2で露光したときの露光後表面電位(以下、VLと呼ぶことがある)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100msとし、高速応答の条件とした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%(以下、NN環境と呼ぶことがある)で行なった。
全自動動摩擦摩耗試験機(協和界面化学(株)社製DFPM−SS)に感光体シートをセットし、感光体表面にトナー(ヒュレットパッカード社製LaserJet4用トナー)を0.1mg/cm2となるように均一に乗せた後、ウレタンゴム製クリーニングブレード(シャープ(株)製SF−7800用クリーニングブレード)を1cm幅に切断したもの)を45°の角度で試料に当て、加重200g、速度5mm/秒、ストローク20mmで移動させる動作を100回繰り返した時の値を感光体の動摩擦係数値とした。
上記感光体シートを切り出して、感光層を外側にして24mmの円筒状に巻き、液体現像のキャリア液としてよく用いられる高沸点の炭化水素系溶剤である、Exxon Chemicals社製Isopar L(登録商標)中に15分間完全に浸して、感光層表面のクラック発生有無を時間を追って確認した。
次に、実際のプリンターに搭載する感光体シートを作製する目的で、製造例2の樹脂Yについて、目標とする分子量を変えて、大量に合成した。これを樹脂Wと呼ぶ。以下に製造法を記す。
反応槽1の外温を20℃に保ち、反応槽1を攪拌しながら、反応槽2のジクロロメタン溶液を1時間かけて反応槽1へ投入した。反応槽1の攪拌を4時間続けた後、ジクロロメタン468kgを加え、撹拌を8時間続けた。その後、酢酸3.86kgを加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。
この有機層を0.1N塩酸424Lで4回洗浄し、さらに脱塩水424Lで2回洗浄した後、分離した有機層の遠心分離操作を行い、有機層中に残存している水分を除去した。
幅650mmであり、シリカ粒子を含有させることで表面が粗面化(Ra=0.10μm)された厚み75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、70nmの厚さでアルミニウム蒸着膜を設け、巻き取り、長さ1000mのロールとした。
次に、平均一次粒子径13nmの酸化アルミニウム粒子(日本アエロジル社製 Aluminum Oxide C)を、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中で超音波により分散させることにより、酸化アルミニウムの分散スラリーとし、該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール(重量比7/3)の混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸(組成モル%75/9.5/3/9.5/3)からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、酸化アルミニウム/共重合ポリアミドを重量比1/1で含有する固形分濃度8.0%の分散液(下引き層形成用塗布液)を作製した。
次に、CuKα線によるX線回折において図3に示す回折ピークを示すD型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニン5.5重量部と、図4に示す回折ピークを示すA型(β型)オキシチタニウムフタロシアニン4.5重量部と、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン150重量部とを混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い顔料分散液を製造した。この顔料分散液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)の5.0重量% 1,2−ジメトキシエタン溶液50重量部、およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)の5重量% 1,2−ジメトキシエタン溶液50重量部を混合し、更に適量の1,2−ジメトキシエタンを加えて最終的に固形分濃度3.4%の分散液(電荷発生層形成用塗布液)を調製した。
次に、実施例1で使用した電荷輸送物質35重量部、製造例3で製造した樹脂W100重量部、酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名Irganox1076)8重量部、およびレベリング剤としてシリコーンオイル0.05重量部を、テトラヒドロフランとトルエンの混合溶剤(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)640重量部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。この電荷輸送層形成用塗布液は、1ヶ月経過後もゲル化等見られず、安定であった。
このようにして得られた感光層を形成されたロール状シートを、連続式の断裁機を用いて410mm×650mmのサイズに切り出し、感光体シートFを得た。
実施例4の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Wの代わりに下記繰り返し構造単位で形成されるポリカーボネート樹脂Uを用いた以外は、実施例4と同様にして感光体シートGを作製した。このポリカーボネート樹脂Uの粘度平均分子量は41,000である。
実施例4の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Wの代わりに比較例1で使用したポリエステル樹脂Zを用いた以外は、実施例4と同様にして感光体シートHを作製した。このポリエステル樹脂Zの粘度平均分子量は40,000である。
製造した感光体シートF,G,Hについて以下の実機試験を行なった。
[実機試験]
Indigo社製の液体現像タイプのカラープリンタE−Print1000(Turbo Stream)に感光体シートF,G,Hをそれぞれを装着し、画像試験を行なった。初期のシアンでのベタ濃度、および5%カラー画像で10,000枚の耐刷試験を行なった時の画質評価を実施した。結果を表2に示す。
感光体A〜Dに関して、最表面のユニバーサル硬度試験、および引っ掻き試験を実施した。
ユニバーサル硬度試験は、フィッシャーインスツルメント社製FISCHERSCOPE H100C(微小硬度計)を使用して、ビッカース圧子を4mN/秒の負荷で5秒間押込み、押込み深さ1μmの値を測定した。
引っ掻き試験は、サファイア針(R=0.05mm、先端角60°)を感光体表面に垂直に設置し、速度:100mm/分の条件で表面方向にスキャンした際の傷の有無を、荷重を変えて観察した。
結果を表3に示す。この結果から、本発明の感光体は表面硬度は小さいものの傷が付きにくく、外部からの機械的負荷(応力)を緩和する特性において優れていることが分かる。
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 現像ローラ
8 スクイズローラ
9 クリーニングローラ
P 記録紙
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