JP2014182198A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シート面内に未塗布領域を作成する場合、感光層の溶解性の問題から使用できる感光層材料に限定がある中でも、端部から剥がれの起こらない電子写真感光体を提供することである。
【解決手段】シート状の導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体に於いて、シート面内に感光層未塗布領域を有し、該感光層未塗布領域が、該感光層の塗布幅を規制することによって作製されることを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし

Description

本発明は、軽印刷機や複写機、プリンター等に用いられるシート状電子写真感光体、及びそれを搭載した画像形成装置に関するものである。
電子写真技術は、即時性、高品質の画像が得られることなどから、軽印刷機、複写機、各種プリンターなどの分野で広く使われている。電子写真技術の中核となる感光体については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が使用されている。
有機系の光導電材料を用いた感光体としては、光導電性微粉末をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる分散型感光体、電荷発生層および電荷輸送層を積層した積層型感光体が知られている。積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質、および電荷輸送物質を組み合わせることにより高感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また感光層を塗布により容易に形成可能で生産性が高く、コスト面でも有利なことから感光体の主流であり、鋭意開発され実用化されている。
そして、その中でも、性状がフレキシブルで装置内に配置する際の自由度が大きい等の理由からシート状感光体を端部で接合したエンドレスベルト状の感光体が好んで使用され、また、広い面積の感光体を容易に作製でき、安価で取り替えが容易である等の理由からシート状の感光体をドラムに巻き付けた形の感光体が好んで使用される(例えば特許文献1及び2参照)。
しかしながら、シート状感光体はその柔軟性故に、導電性支持体と感光層の密着性を確保することが難しく、感光層の剥がれが懸念される問題があった。
また、アルミニウムチューブを基体とした感光体の場合は、基体の任意の場所からアース(接地)を取ることができるのに対し、シート状感光体の場合は絶縁性フィルムにアルミニウム層を蒸着したもの等、基体がバルクとして導電体ではない場合が多いため、感光層の一部分を未塗布領域として、接地部分を確保することが必要な場合が多い(例えば特許文献3参照)。
そのため、感光層を塗布した基体から、溶剤を用いて感光層を剥離除去する工程が必要であったが、溶解できる感光層と溶剤の組み合わせに限りがあったり、あるいは除去された端部から感光層が剥がれやすくなったりするという問題を抱えていた(同じく特許文献3参照)。
実開平6−16966号公報 特開2000−10315号公報 特開2012−14160号公報
以上のように、従来のシート状感光体は、シート面内に未塗布領域を作成する場合、感光層の溶解性の問題から使用できる感光層材料に限定があるのが実情であり、また、その境界線から剥離してしまうという問題があった。本発明は、このような課題を解決すべくなされたものである。即ち、本発明の目的は、端部から剥がれの起こらず、削れカスの少
ない、良好な画像特性を示す電子写真感光体を提供することであり、シート状の導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体を製造するに於いて、シート面内に感光層未塗布領域を作成する場合、溶剤を用いずに未塗布領域を作成する製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、シート状感光体の未塗布領域を作成するために、溶剤による剥離除去ではなく、塗布幅を規制することで未塗布領域を作成することにより端部から剥がれを防止できることを見い出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明の要旨は、以下(1)〜(8)に存する。
(1) シート状の導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体に於いて、シート面内に感光層未塗布領域を有し、該感光層未塗布領域が、該感光層の塗布幅を規制することによって作製されることを特徴とする電子写真感光体。
(2) 該感光層が少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を含み、電荷発生層の未塗布域と電荷輸送層の未塗布領域それぞれの端部をなす際線同士の距離が2mm以下であることを特徴とする、(1)に記載の電子写真感光体。
(3) 該電荷輸送層の未塗布領域の方が該電荷発生層の未塗布領域よりも小さいことを特徴とする、(1)又は(2)に記載の電子写真感光体。
(4) シート面内に、絶縁部分を有することを特徴とする、(1)乃至(3)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(5)シート状の導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体であって、該電荷輸送層の未塗布領域の方が該電荷発生層の未塗布領域よりも小さいことを特徴とする電子写真感光体。
(6)該電荷発生層の未塗布域と該電荷輸送層の未塗布領域それぞれの端部をなす際線同士の距離が2mm以下であることを特徴とする(5)に記載の電子写真感光体。
(7)(1)乃至(6)のいずれかに記載の電子写真感光体を搭載した画像形成装置。
(8) シート状の導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法に於いて、シート面内に感光層未塗布領域を有し、該感光層未塗布領域が、該感光層の塗布幅を規制することによって作製されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
本発明によれば、溶剤での剥離除去を行うことなく未塗布領域を持つシート状電子写真感光体を得ることができ、感光層端面からの剥がれや削れカスが発生しない感光体を得ることができる。
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の一例を示す概念図である。 本発明の実施例で用いられるオキシチタニウムフタロシアニンのX線回折図である。 本発明の実施例で用いられる感光体シートの概略図である。
以下、本発明を実施するため形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明の電子写真感光体は、シート状の導電性支持体を有し、そのシート面内に感光層及び感光層の未塗布領域を有する。該感光層の未塗布領域は、該感光層の塗布幅を規制することによって作製される。塗布幅を規制するとは、シート状の導電性支持体上に感光層を塗布する際、感光層が塗布されるべき幅が設定されて塗布されることを言う。て感光層を剥離除去する工程がない分、簡便であり、感光層と未塗布領域との境界で際が毛羽立つ
ことがなく、層の剥離が起きにくい。
未塗布領域の導電性支持体(例えばPETフィルム上に蒸着されたアルミニウム層)によって導通が確保される。未塗布領域の作製位置は、特に限定されないが、通常シートの端部に作製され、長軸方向の端部に作製されることが好ましく、長軸方向のいずれか一方の端部に作製されることが特に好ましい。ドラムの円周長が長辺、ドラム長が短辺となるようにPETフィルム上に蒸着されたアルミニウム層が準備されることが好ましい。また、図3における未塗布領域に示すように、四角形であることが好ましく、シートの短軸の長さを長辺とする長方形又は台形とすることが好ましい。未塗布領域の面積は、十分に導通を確保する観点からシート全体の面積に対して通常0.5%以上であることが好ましく、1%以上であることが更に好ましい。また、感光層領域を有効に確保する観点からシート全体の面積に対して通常10%以下であることが好ましく、5%以下であることが更に好ましい。感光層と未塗布領域との際線はシートの端部と平行であることが好ましい。該際線は、曲がっていても良いが、直線状であることが好ましい。
また、導通を確保するための未塗布領域とは別の場所に、導電性を排除した支持体部分を作製することが好ましい。その場合、例えばアルミニウム層を水酸化ナトリウム溶液で剥離したり、あるいは蒸着の際にマスキングによって未蒸着部分を作製することで、絶縁部を得ることができる。こうして作製された絶縁領域によって、静電気の力で感光体シートをドラム基体に巻き付けるのが容易となる。作製位置は、特に限定されないが、通常シートの端部に作製され、長軸方向の端部に作製されることが好ましく、長軸方向のいずれか一方の端部に作製されることが特に好ましい。また、図3における絶縁領域に示すように、シートの長軸方向の長さを長辺とする長方形とすることが好ましい。絶縁領域の面積は、十分に静電気による密着性を確保する観点からシート全体の面積に対して通常1%以上、2%以上であることが好ましい。また、感光層領域を有効に確保する観点からシート全体の面積に対して通常10%以下、5%以下であることが更に好ましい。
本発明の感光層の具体的な構成としては、導電性支持体上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層、電荷輸送物質およびバインダー樹脂を主成分とした電荷輸送層を積層した積層型感光体、導電性支持体上に、電荷輸送物質およびバインダー樹脂を含有する層中に電荷発生物質を分散させた感光層を有する分散型(単層型)感光体等が挙げられる。
<導電性支持体>
本発明の導電性支持体としては、樹脂や紙、その中でも二軸延伸フィルムに金属層を積層したものが好ましく、二軸延伸フィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート等の線状ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられるが、機械的強度、寸法安定性等の点から線状ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタラートが好ましい。なお、フィルムの厚みは通常30〜150μmであり、好ましくは50〜120μm、更に好ましくは70〜100μmである。
また、導電性支持体を構成する金属蒸着層の金属としては、銅、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ITO(インジウム−スズ酸化物)等が挙げられるが、中でもアルミニウムが好ましい。なお、金属蒸着層の厚みは、通常、40〜100nm程度であり、前記樹脂フィルムへの蒸着は、前記金属を電熱加熱溶融蒸着法、イオンビーム蒸着法、イオンプレーティング法等の公知の蒸着法でなされる。
また、金属層としては、アルミニウム箔、ニッケル箔等の金属箔や、これら金属を積層したラミネートフィルムを用いることができる。この場合の金属箔は、5μm以下が好ましい。また、金属箔の上にさらに適当な抵抗値を持つ導電性材料を積層することもできる

支持体表面は、平滑であっても良いし、樹脂製膜時に粒径の大きな粒子を混合すること等によって、粗面化されていても良い。
<下引き層>
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、導電性支持体の導電層が薄膜の場合は特に酸化アルミニウムが好ましい。酸化アルミニウム粒子は、その表面に、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化アルミニウム粒子の結晶型は問わない。
また、金属酸化物粒子の粒径としては、種々のものが利用できるが、中でも特性および液の安定性の面から、平均一次粒径として10nm以上100nm以下が好ましく、特に好ましくは、10nm以上50nm以下である。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
バインダー樹脂に対する無機粒子の添加比は任意に選べるが、10重量%から500重量%の範囲で使用することが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μmから25μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。
<感光層>
導電性支持体上に形成された感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質が同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層構造のものであっても、もしくは電荷発生物質がバインダー中に分散された電荷発生層と電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層とに機能分離された積層構造のもののいずれであってもよい。
積層構造の場合には、導電性支持体上の電荷発生層及び電荷輸送層を有する該電荷発生層の未塗布域と該電荷輸送層の未塗布領域それぞれの端部をなす際線同士の距離が2mm以下であることが好ましく、1mm以下が更に好ましい。通常0mm以上である。任意の、シートの長辺と平行に引いた直線上の際線同士間距離の最大値と最小値の絶対値の差が、2mm以下が好ましく、1mm以下がさらに好ましく、0.5mm以下が特に好ましい。更に、該際線同士は交わらないことが好ましく、平行であることが特に好ましい。また、際線はシートの端部と平行であることが好ましい。該際線は、曲がっていても良いが、直線状であることが好ましい。
電荷発生層及び電荷輸送層を有する該電荷発生層の未塗布域と該電荷輸送層の未塗布領域それぞれの端部をなす際線同士が重ならない場合には、塗布端面の高さが緩和されるこ
ととなり、密着性が向上する効果が得られる。電荷発生層は脆いため、表面に出ていると削れカスとなってしまう懸念があるとの観点から、電荷発生層は電荷輸送層で覆われていること、つまり、該電荷輸送層の未塗布領域の方が該電荷発生層の未塗布領域よりも小さいことが更に好ましい。この場合には、感光層の塗布幅を規制することによって作製されたものでなくても良い。例えば、電荷発生層を塗布・乾燥後、溶剤を用いて未塗布域を作成し、その上から電荷輸送層を規制して塗布したり、電荷輸送層を塗布・乾燥後、溶剤を用いて未塗布域を作成することができる。
<電荷発生層>
本発明の電子写真感光体が積層型感光体である場合、その電荷発生層に使用される電荷発生材料としては例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。これらの微粒子をたとえばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。この場合の使用比率はバインダー樹脂100重量部に対して30から500重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μmから1μm、好ましくは0.15μmから0.6μmが好適である。
電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を用いる場合、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、またはその酸化物、ハロゲン化物等の配位したフタロシアニン類が使用される。3価以上の金属原子への配位子の例としては、上に示した酸素原子、塩素原子の他、水酸基、アルコキシ基などがあげられる。特に感度の高いX型、τ型無金属フタロシアニン、A型、B型、D型等のチタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が好適である。なお、ここで挙げたチタニルフタロシアニンの結晶型のうち、A型、B型についてはW.HellerらによってそれぞれI相、II相として示されており(Zeit. Kristallogr.159(1982)173)、A型は安定型として知られているものである
。D型は、CuKα線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2゜が27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とする結晶型である。フタロシアニン化合物は単一の化合物のもののみを用いても良いし、いくつかの混合状態でも良い。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。
<電荷輸送層>
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを電荷発生層上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の
電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。
前記電荷輸送物質の好適な構造の具体例を以下に示す。これら具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知の電荷輸送物質を用いてもよい。
これらの電荷輸送材料が、バインダー樹脂に結着した形で電荷輸送層が形成される。電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等が挙げられ、またこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。上記バインダー樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が特に好ましい。これらの樹脂は単独でも、複数を混合して用いてもよい。
前記バインダー樹脂の好適な構造の具体例を以下に示す。これら具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知のバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30〜200重量部、好ましくは35〜100重量部の範囲で使用される。
また膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。なお電荷輸送層には、成膜性、可とう性、塗布性などを向上させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などの添加物を含有させてもよい。
<分散型(単層型)感光層>
分散型感光層の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、前出の電荷発生物質が分散される。
その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の
量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば好ましくは0.5〜50重量%の範囲で、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用される。
感光層の膜厚は通常5〜50μm、より好ましくは10〜45μmで使用される。またこの場合にも成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性剤、例えばシリコーンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤が添加されていても良い。
感光層の上に、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けたりしても良い。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。
<感光層膜厚の測定方法>
感光層の膜厚は、以下の方法で測定することができる。塗布された感光体シートに於いて、塗布の開始部分やあるいは塗布の端部を用いて、まず、支持体の厚みを計測する。つまり、感光層を溶解することのできる溶剤(一般には塗布に際し用いた溶剤)を用いて、感光層を剥離する。このとき、もし下引き層がある場合は、下引き層を溶解しない溶剤であることが必要である。単層型感光体の場合は感光層がそのまま剥離され、電荷発生層と電荷輸送層が積層された二層型感光体の場合は二層ともが剥離される。この剥離された部分は、導電性支持体(下引き層を有する場合は下引き層を含む)の厚みとして検知できる。
一方、感光層の塗布された部分については、塗布幅方向、塗布進行方向含め、任意の10点に於いて、シート全体の厚みを計測し、平均値を算出する。このシート全体厚みから、事前に調べた支持体(+下引き層)の厚みをマイナスすることにより、感光層の厚みを知ることができる。
すなわち、単層型感光体の場合は感光層そのものの厚み、積層型感光体の場合は二層分の厚みを以て感光層の厚みと定義される。
なお、測定は、例えばデジタル電子マイクロメータ(アンリツ株式会社製K351C
型)により直径2mmの測定子を用いて測定することができるが、この他のいかなる公知の膜厚測定法を用いてもよい。
<電子写真感光体の製造方法>
本実施の形態が適用される電子写真感光体の製造方法は特に限定されないが、通常、これらの感光体を構成する各層は、シート状電子写真感光体の感光層形成方法として公知な、ダイコート法、リバースコート法、グラビアコート法、バーコート法等により支持体上に塗布して形成される。
各層の形成方法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。
塗布後の感光体は、塗布膜の溶剤が実質的に蒸発除去されるまで乾燥工程に付される。乾燥方法としては、従前公知で行なわれている方法を適用することができ、例えば加熱ローラー、熱風乾燥機、上記乾燥機、赤外線乾燥機及び/又は遠赤外線乾燥機等によって行なわれ、乾燥温度は、通常60〜140℃の範囲で実施される。
このようにして得られたシート状感光体は、必要に応じ適切な大きさに切断される工程
を経て、例えば、その両端部を超音波融着等公知の方法によって接合してエンドレスベルトとして使用される他、そのままドラムに巻き付けて使用される。ドラムに巻き付ける場合、細巻きにしたロールをドラム内部に保持して巻き出す形を取ることもあれば、1枚のシートを巻き付けることもある。
いずれの形状の場合も、接地のために導電層を設けることがあるが、本発明に於いては、感光体シート面内に導電層の代わりに剥き出しの感光層の未塗布領域を有する。この未塗布領域は、通常、シート面内の端部に形成される。
<画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置(図示せず)が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、シート状導電性支持体の表面に上述した感光層を形成し、超音波融着によってエンドレスベルト状とした感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてコロナ放電型の帯電装置(コロトロン)を示しているが、他にもスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ローラや帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジと言う)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。また、電子写真感光体1と帯電装置2が、もっと大掛かりな軽印刷装置の中に組み込まれる場合もある。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、例えば波長が780nmや830nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光、あるいは適切なフィルターを通した白色光などで露光を行なえばよい。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。
トナーの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた
重合トナー等を用いることができるだけでなく、軽印刷機では液体トナーを使用することもできる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。液体トナーは径を1〜3μmとすることができ、さらに高精細な画像出力に適している。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。
記録紙P上に転写されたトナーは、定着器を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラー4に担持された帯電トナーが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラー方式の構成としてもよい。特に、エンドレスベルト状感光体は、各色のカラー画像を繰り返し現像する4サイクル方式のフルカラー印刷に適している。
以下、実施例に基づき本実施の形態をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその趣旨に反しない限り、以下に示した実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例、比較例中の「部」の記載は、特に指定しない限り「重量部」を示す。
[実施例]
幅が650mmであり、膜中にシリカ粒子を含有させることで表面が粗面化(Ra=0.1μm)された厚み75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタラートフィルムの表面に70nmの厚さでアルミニウム蒸着膜を設け、巻き取り、長さ3000mのロールとした。アルミニウム層の蒸着時、片側にマスキング処理を施し、アルミニウムのない部分を55mm幅で作製した。
次に、平均一次粒子径13nmの酸化アルミニウム粒子(日本アエロジル社製 Aluminum Oxide C)を、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中で超音波により分散させることにより、酸化アルミニウムの分散スラリーとなし、該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール(重量比7/3)の混合溶媒、及び共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、酸化アルミニウム/共重合ポリアミドを重量比1/1で含有する固形分濃度8.0%の分散液とした。
この下引き層用塗布液を、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタラートフィルムのロールを巻き出しながら、リバースコート法を用い、その上に乾燥後の膜厚が1.2μmとなるように塗布し、下引き層(UCL)を設けた。このとき、リバースコートの両側にシムを挟み込み、塗布幅を制御できるようにし、両側それぞれの未塗布幅を変化させ、表1にまとめた。
次に、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10重量部と、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンを150重量部混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い顔料分散液を製造した。この顔料分散液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)の5重量% 1,2−ジメトキシエタン溶液50重量部、およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)の5重量%1,2−ジメトキシエタン溶液50重量部を混合し、更に適量の1,2−ジメトキシエタンを加えて最終的に固形分濃度4.0%の分散液を調製した。
このようにして得られた電荷発生層用塗布液を、上述の下引き層を形成したアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタラートフィルムのロールを巻き出しながら、リバースコート法を用い、その上に乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように塗布し、電荷発生層(CGL)を設けた。このとき、下引き層のときと同様に、リバースコートの両側にシムを挟み込み、塗布幅を制御できるようにし、両側それぞれの未塗布幅を変化させ、表1にまとめた。
次に、以下構造の電荷輸送物質35重量部、以下繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)100重量部、酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名Irganox1076)8重量部、レベリング剤としてシリコーンオイル0.05重量部をテトラヒドロフランとトルエンの混合溶媒(テトラヒドロフラン70重量%、トルエン30重量%)640重量部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
このようにして得られた電荷輸送層用塗布液を、上述の下引き層及び電荷発生層を形成したアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタラートフィルムのロールを巻き出しながら、ダイコート法を用い、その上に乾燥後の膜厚が18μmとなるように塗布し、電荷輸送層(CTL)を設けた。このとき、ダイの設計で塗布幅を決定することができるため、CTL塗布幅が539mmとなるダイを用いた。両側それぞれの未塗布幅を表1にまとめた。
このようにして得られた感光層の塗布されたロール状シートを、連続式の断裁機を用いて353mm×584mmのサイズに切り出し、感光体シートを得た。それぞれのシートに於ける未塗布領域のサイズを表2にまとめた。
[比較例]
UCL/CGL/CTLいずれも塗布幅規制をせず、650mmのほぼ全幅に対し、実施例と同じ方法で塗布を行なった。さらにそのロール状シートを、連続式の断裁機を用いて353mm×584mmのサイズに切り出し、感光体シートを得た。さらにこのシートの両端から、アセトン及びエタノールを用いて、感光層をアルミニウム未蒸着側は29mmの幅で、アルミニウム蒸着側は16mmの幅で除去した。このようにして、比較例の電子写真感光体を得た。
製造した6種類の感光体シートについて以下の実機試験を行なった。
<実機試験>
市販の軽印刷機ヒューレットパッカード社製TurboStreamに感光体シートを装着し、耐久性評価を行なった。装着に於いては、機内のアルミニウムドラムに感光体シートを巻き付け、両端の未塗布領域を重ね合わせてドラム上に感光体シートを保持した。片側のアルミニウム層が存在しないことで、静電気によって容易に重ね合わせることができた。
この感光体を用いて、ハーフトーン画像を2000枚連続で出力した。その後、感光体シートを取り外し、感光層の境界部分の様子を観察した。
その結果、塗布時に未塗布領域を作成した実施例1〜5の感光体では、端部から電荷輸送層(CTL)が剥がれるようなことは起こっておらず、良好な状態を維持していた。ただし電荷発生層(CGL)の方が幅広く塗布されている実施例1及び実施例5では、CGLの削れカスが発生しており、継続的な使用に於いては画像欠陥となる可能性が示唆された。
一方で、比較例の感光体に於いては、電荷輸送層の両側の境界で際が毛羽立っており、さらなる継続使用で感光層の剥離が懸念される結果となった。感光層の剥離が発生した場合、削れカスとは異なり、画像形成装置に大きな損傷を与える可能性があり、本発明の実施例によって作製された感光体シートを使用した場合に限り、損傷の可能性を低減できることが明らかとなった。
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
P 記録紙

Claims (8)

  1. シート状の導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体に於いて、シート面内に感光層未塗布領域を有し、該感光層未塗布領域が、該感光層の塗布幅を規制することによって作製されることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 該感光層が少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を含み、電荷発生層の未塗布域と電荷輸送層の未塗布領域それぞれの端部をなす際線同士の距離が2mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 該電荷輸送層の未塗布領域の方が該電荷発生層の未塗布領域よりも小さいことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. シート面内に、絶縁部分を有することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. シート状の導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体であって、該電荷輸送層の未塗布領域の方が該電荷発生層の未塗布領域よりも小さいことを特徴とする電子写真感光体。
  6. 該電荷発生層の未塗布域と該電荷輸送層の未塗布領域それぞれの端部をなす際線同士の距離が2mm以下であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体を搭載した画像形成装置。
  8. シート状の導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法に於いて、シート面内に感光層未塗布領域を有し、該感光層未塗布領域が、該感光層の塗布幅を規制することによって作製されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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