JP2014194531A - 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスク及びその製造方法、並びに表示装置の製造方法 - Google Patents

位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスク及びその製造方法、並びに表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014194531A
JP2014194531A JP2014029445A JP2014029445A JP2014194531A JP 2014194531 A JP2014194531 A JP 2014194531A JP 2014029445 A JP2014029445 A JP 2014029445A JP 2014029445 A JP2014029445 A JP 2014029445A JP 2014194531 A JP2014194531 A JP 2014194531A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase shift
film
light
shift mask
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014029445A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6101646B2 (ja
Inventor
Seiji Tsuboi
誠治 坪井
Yutaka Yoshikawa
吉川  裕
Michio Sugano
美智雄 菅野
Masao Ushida
正男 牛田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Hoya Electronics Malaysia Sdn Bhd
Original Assignee
Hoya Corp
Hoya Electronics Malaysia Sdn Bhd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp, Hoya Electronics Malaysia Sdn Bhd filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2014029445A priority Critical patent/JP6101646B2/ja
Publication of JP2014194531A publication Critical patent/JP2014194531A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6101646B2 publication Critical patent/JP6101646B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/20Masks or mask blanks for imaging by charged particle beam [CPB] radiation, e.g. by electron beam; Preparation thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/027Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

【課題】ウェットエッチングにより位相効果を有効に発現する断面形状に形成可能な位相シフトマスクブランクを提供する。
【解決手段】透明基板と、透明基板の主表面上に形成された、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜と、この光半透過膜上に形成された、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜とを備え、光半透過膜とエッチングマスク膜との界面に組成傾斜領域Pが形成され、この組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分の割合が、深さ方向に向かって段階的および/または連続的に増加している。
【選択図】図5

Description

本発明は、ウェットエッチングにより形成される位相シフト膜パターンの断面形状が良好となる位相シフトマスクブランクおよびその製造方法、この位相シフトマスクブランクを用いた位相シフトマスクおよびその製造方法に関する。また、本発明は、表示装置製造用の位相シフトマスクブランクおよびその製造方法、この位相シフトマスクブランクを用いた表示装置製造用の位相シフトマスクおよびその製造方法、並びにこの位相シフトマスクを用いた表示装置の製造方法に関する。
現在、液晶表示装置に採用されている方式として、VA(Vertical alignment)方式やIPS(In Plane Switching)方式がある。これらの方式により、高精細、高速表示性能、広視野角の液晶表示装置の実現が図られている。これらの方式を適用した液晶表示装置では、透明導電膜によるラインアンドスペースパターンで画素電極を形成することによって、応答速度、視野角を改善することができる。最近では、応答速度および視野角の更なる向上や、液晶表示装置の光利用効率の向上、すなわち、液晶表示装置の低消費電力化やコントラスト向上の観点から、ラインアンドスペースパターンのピッチ幅の微細化が求められている。例えば、ラインアンドスペースパターンのピッチ幅を6μmから5μmへ、さらに5μmから4μmへと狭くすることが望まれている。
また、液晶表示装置や有機EL表示装置の製造の際には、必要なパターニングが施された、複数の導電膜や絶縁膜を積層することによってトランジスタなどの素子を形成する。その際、積層される個々の膜のパターニングに、フォトリソグラフィー工程を利用することが多い。例えば、これらの表示装置に用いられる薄膜トランジスタには、フォトリソグラフィー工程によって、絶縁層にコンタクトホールを形成し、上層のパターンと下層のパターンとを接続する構成を有するものがある。最近では、このような表示装置において、明るく、精細な像を、十分な動作速度を持って表示し、かつ、消費電力を低減させるニーズが高まっている。こうした要求を満たすために、表示装置の構成素子を、微細化し、高集積化することが求められている。例えば、コンタクトホールの径を2μmから1.5μmへと小さくすることが望まれている。
このような背景から、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応できる表示装置製造用のフォトマスクが望まれている。
ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化を実現するに当たり、従来のフォトマスクでは、表示装置製造用の露光機の解像限界が3μmであるため、十分な工程尤度(Process Margin)なしに、解像限界に近い最小線幅の製品を生産しなければならない。このため、表示装置の不良率が高くなる問題があった。
例えば、コンタクトホールを形成するためのホールパターンを有するフォトマスクを使用し、これを被転写体に転写することを考えた場合、直径が3μmを超えるホールパターンであれば従来のフォトマスクで転写することができた。しかしながら、直径が3μm以下のホールパターン、特に、直径が2.5μm以下のホールパターンを転写することは非常に困難であった。直径が2.5μm以下のホールパターンを転写するためには、例えば高NAを持つ露光機へ転換することも考えられるが、大きな投資が必要となる。
そこで、解像度を向上させて、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応するため、表示装置製造用のフォトマスクとして、位相シフトマスクが注目されている。
最近、液晶表示装置製造用のフォトマスクとして、クロム系位相シフト膜を備えた位相シフトマスクが開発された。
特許文献1には、透明基板と、透明基板上に形成された遮光層と、遮光層の周囲に形成され、300nm以上500nm以下の波長領域のいずれかの光に対して180度の位相差をもたせることが可能な酸化窒化クロム系材料からなる位相シフト層とを備えたハーフトーン型位相シフトマスクが記載されている。この位相シフトマスクは、透明基板上の遮光層をパターニングし、遮光層を被覆するように位相シフト層を透明基板上に形成し、位相シフト層上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層を露光および現像することでレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして位相シフト層をパターニングすることにより製造される。
特開2011−13283号公報
本発明者らはクロム系位相シフト膜を備えた位相シフトマスクについて鋭意検討した。その結果、レジストパターンをマスクとして、ウェットエッチングによりクロム系位相シフト膜をパターニングした場合、レジスト膜とクロム系位相シフト膜との界面にウェットエッチング液が浸入し、界面部分のエッチングが早く進行することがわかった。形成されたクロム系位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状は、傾斜を生じ、裾を引くテーパー形状となった。
クロム系位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状がテーパー形状である場合、クロム系位相シフト膜パターンのエッジ部分の膜厚が減少するに従い、位相シフト効果が薄れる。このため、位相シフト効果を十分に発揮することができない。また、レジスト膜とクロム系位相シフト膜との界面へのウェットエッチング液の浸み込みは、クロム系位相シフト膜とレジスト膜との密着性がよくないことに起因する。このため、クロム系位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状を厳密に制御することが難しく、線幅(CD)を制御することが非常に困難であった。
さらに、本発明者らはこれらの問題点を解決するために位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状を垂直化する方法を鋭意検討した。これまでに、位相シフト膜の膜組成(例えば、窒素含有量)に傾斜を持たせ膜厚方向のエッチング速度に変化をもたせる方法や、位相シフト膜に添加物(例えばAl、Ga)を加えてエッチング時間を制御する方法が開発された。しかし、これらの方法では、大面積の位相シフトマスク全体における透過率の均一性を実現することが非常に困難であった。
このため、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、ウェットエッチングにより、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状に位相シフト膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフト効果を十分に発揮できる位相シフト膜パターンを有する位相シフトマスク及びその製造方法、特に、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状に位相シフト膜をパターニング可能な表示装置製造用の位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフト効果を十分に発揮できるシフト膜パターンを有する表示装置製造用の位相シフトマスク及びその製造方法、並びにこの位相シフトマスクを用いた表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ウェットエッチングにより、CDバラツキの小さい断面形状に位相シフト膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランク及びその製造方法、CDバラツキの小さい位相シフト膜パターンを有する位相シフトマスク及びその製造方法、特に、CDバラツキの小さい断面形状に位相シフト膜をパターニング可能な表示装置製造用の位相シフトマスクブランク及びその製造方法、CDバラツキの小さい位相シフト膜パターンを有する表示装置製造用の位相シフトマスク及びその製造方法、並びにこの位相シフトマスクを用いた表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、光学特性が均一な位相シフトマスクブランク及びその製造方法、光学特性が均一な位相シフトマスク及びその製造方法、特に、光学特性が均一な表示装置製造用の位相シフトマスクブランク及びその製造方法、光学特性が均一な表示装置製造用の位相シフトマスク及びその製造方法、並びにこの位相シフトマスクを用いた表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)位相シフトマスクブランクにおいて、
透明基板と、
前記透明基板の主表面上に形成された、露光光の位相を変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜と、
該光半透過膜上に形成された、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜と
を備え、
前記光半透過膜と前記エッチングマスク膜との界面に組成傾斜領域が形成され、該組成傾斜領域では、前記光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分の割合が、深さ方向に向かって段階的および/または連続的に増加していることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
(構成2)前記光半透過膜は、該光半透過膜と前記エッチングマスク膜との界面および該光半透過膜と前記透明基板との界面を除いた部分の組成が、実質的に均一であることを特徴とする構成1記載の位相シフトマスクブランク。
(構成3)前記光半透過膜は、複数の層から構成されていることを特徴とする構成1または2記載の位相シフトマスクブランク。
(構成4)前記金属シリサイド系材料は、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの酸化窒化物、金属シリサイドの酸化炭化物、金属シリサイドの炭化窒化物、金属シリサイドの炭化酸化窒化物のいずれかであることを特徴とする構成1乃至3のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成5)前記ウェットエッチング速度を遅くする成分が窒素または炭素であることを特徴とする構成1乃至4のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成6)前記ウェットエッチング速度を遅くする成分が窒素である場合、前記組成傾斜領域における前記エッチングマスク膜との境界のうち、前記エッチングマスク膜側からX線光電子分光法により、測定ステップを0.5分の条件で組成分析を行ったときに、初めて1原子%以上のケイ素(Si)が検出される位置でのケイ素(Si)に対する窒素(N)の割合(N/Si)の最大値が3.0以上30以下であることを特徴とする構成5記載の位相シフトマスクブランク。
(構成7)前記エッチングマスク膜は、遮光性を有することを特徴とする構成1乃至6のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成8)前記エッチングマスク膜は、前記光半透過膜側に形成された遮光層と該遮光層上に形成された反射防止層とを含むことを特徴とする構成1乃至7のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成9)前記エッチングマスク膜は、前記光半透過膜と接するように形成された絶縁層を含むことを特徴とする構成1乃至8のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成10)前記絶縁層は、Crを50原子%未満含むCrCOまたはCrCONから構成され、10nm以上50nm以下の厚さを有することを特徴とする構成9記載の位相シフトマスクブランク。
(構成11)前記位相シフトマスクブランクは、表示装置製造用位相シフトマスクブランクであることを特徴とする構成1乃至10のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成12)位相シフトマスクブランクの製造方法において、
透明基板を準備する準備工程と、
前記透明基板の主表面上に、スパッタリングにより、露光光の位相を変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜を形成する半透過膜形成工程と、
前記光半透過膜上に、スパッタリングにより、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜を形成するエッチングマスク膜形成工程と
を有し、
前記半透過膜形成工程は、スパッタガス雰囲気でスパッタパワーを印加して金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜を成膜する成膜工程と、前記光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むガス雰囲気に該光半透過膜を曝す曝露工程とを含み、該曝露工程は、前記光半透過膜を大気に曝すことなく前記成膜工程後に連続して行われることを特徴とする位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成13)前記成膜工程は、金属とケイ素とを含むスパッタターゲットを使用して、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、窒素ガス、一酸化窒素ガス、一酸化二窒素ガス、および二酸化窒素ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む窒素または窒素化合物を含む活性ガス、若しくは、二酸化炭素ガスまたは炭化水素ガスを含む炭素化合物を含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われることを特徴とする構成12記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成14)前記曝露工程は、窒素または窒素化合物を含むガス雰囲気で行われることを特徴とする構成12または13記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成15)前記曝露工程は、炭素または炭素化合物を含むガス雰囲気で行われることを特徴とする構成12または13記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成16)前記位相シフトマスクブランクは、表示装置製造用位相シフトマスクブランクであることを特徴とする構成12乃至15のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成17)
透明基板と、
該透明基板の主表面上にウェットエチングにより形成され、露光光の位相を変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜パターンと
を備え、
前記光半透過膜パターンは、上面および該光半透過膜パターンと前記透明基板との界面を除いた部分の組成が、実質的に均一であり、
前記光半透過膜パターンの断面が、該光半透過膜パターンの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺から構成され、前記上辺と前記側辺との接点と前記上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での前記側辺の位置とを結んだ直線と、前記上辺とのなす角度が、85度から120度の範囲内であり、かつ、前記上辺と前記側辺との接点を通り前記透明基板の前記主表面に対して垂直な第1仮想線と、前記下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での前記側辺の位置を通り前記透明基板の前記主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、前記膜厚の2分の1以下であることを特徴とする位相シフトマスク。
(構成18)表示装置製造用の位相シフトマスクにおいて、
透明基板と、
該透明基板の主表面上に形成された、露光光の位相を変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜パターンと
を備え、
前記光半透過膜パターンは、上面および該光半透過膜パターンと前記透明基板との界面を除いた部分の組成が、実質的に均一であり、
前記光半透過膜パターンの断面が、該光半透過膜パターンの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺から構成され、前記上辺と前記側辺との接点と前記上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での前記側辺の位置とを結んだ直線と、前記上辺とのなす角度が、85度から120度の範囲内であり、かつ、前記上辺と前記側辺との接点を通り前記透明基板の前記主表面に対して垂直な第1仮想線と、前記下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での前記側辺の位置を通り前記透明基板の前記主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、前記膜厚の2分の1以下であることを特徴とする位相シフトマスク。
(構成19)前記光半透過膜パターンは、金属シリサイド窒化膜、金属シリサイド酸化窒化膜、金属シリサイドの酸化炭化物、金属シリサイドの炭化酸化窒化物のいずれかから構成されることを特徴とする構成17又は18に記載の位相シフトマスク。
(構成20)前記光半透過膜パターンは、ラインアンドスペースパターンを含むことを特徴とする構成17乃至19のいずれか一に記載の位相シフトマスク。
(構成21)前記光半透過膜パターンは、ホールパターンを含むことを特徴とする構成17乃至19のいずれか一に記載の位相シフトマスク。
(構成22)位相シフトマスクの製造方法において、
構成1乃至11のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上、または、構成12乃至16のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクの製造方法によって得られた位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記エッチングマスク膜をウェットエッチングしてエッチングマスク膜パターンを形成するエッチングマスク膜パターン形成工程と、
前記エッチングマスク膜パターンをマスクにして前記光半透過膜をウェットエッチングして光半透過膜パターンを形成する半透過膜パターン形成工程と
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
(構成23)前記半透過膜パターン形成工程は、弗化水素酸、珪弗化水素酸、および弗化水素アンモニウムから選ばれた少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、および硫酸から選ばれた少なくとも一つの酸化剤とを含むエッチング液を用いてウェットエッチングを行うことを特徴とする構成22記載の位相シフトマスクの製造方法。
(構成24)前記位相シフトマスクは、表示装置製造用位相シフトマスクであることを特徴とする構成22または23に記載の位相シフトマスクの製造方法。
(構成25)表示装置の製造方法において、
基板上にレジスト膜が形成されたレジスト膜付き基板に対して、構成17乃至21のいずれか一に記載の位相シフトマスク、または、構成22乃至24のいずれか一に記載の位相シフトマスクの製造方法よって得られた位相シフトマスクを、前記レジスト膜に対向して配置する位相シフトマスク配置工程と、
前記露光光を前記位相シフトマスクに照射して、前記レジスト膜を露光するレジスト膜露光工程と
を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
(構成26)前記露光光は、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含むことを特徴とする構成25記載の表示装置の製造方法。
(構成27)前記露光光は、i線、h線およびg線を含む複合光であることを特徴とする構成25または26記載の表示装置の製造方法。
上述したように、本発明に係る位相シフトマスクブランク、特に表示装置製造用に使用される表示装置製造用位相シフトマスクブランクによれば、透明基板の主表面上に形成された、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜と、光半透過膜上に形成された、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜とを備えている。光半透過膜とエッチングマスク膜との界面に形成される組成傾斜領域では、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分の割合が、深さ方向に向かって段階的および/または連続的に増加している。このため、ウェットエッチングにより、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを得ることができる。また、ウェットエッチングにより、CDバラツキの小さい断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを得ることができる。
また、本発明に係る位相シフトマスクブランクの製造方法、特に表示装置製造用に使用される表示装置製造用位相シフトマスクブランクの製造方法によれば、透明基板の主表面上に、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜を形成し、光半透過膜上に、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜を形成する。光半透過膜の形成は、光半透過膜を成膜し、光半透過膜を大気に曝すことなく成膜後に連続して、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むガス雰囲気に光半透過膜を曝すことにより行われる。このため、ウェットエッチングにより、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを製造することができる。また、ウェットエッチングにより、CDバラツキの小さい断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを製造することができる。
また、本発明に係る位相シフトマスク、特に表示装置製造用に使用される表示装置製造用位相シフトマスクによれば、透明基板の主表面上に形成された、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜パターンを備えている。
この光半透過膜パターンの組成は実質的に均一である。このため、光学特性が均一な位相シフトマスクを得ることができる。
また、この光半透過膜パターンの断面において、上辺と側辺との接点と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置とを結んだ直線と、上辺とのなす角度が、85度から120度の範囲内にある。さらに、光半透過膜パターンの断面において、上辺と側辺との接点を通り透明基板の主表面に対して垂直な第1仮想線と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置を通り透明基板の主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、膜厚の2分の1以下である。このため、位相シフト効果を十分に発揮できる光半透過膜パターンを有する位相シフトマスクを得ることができる。また、CDバラツキの小さい光半透過膜パターンを有する位相シフトマスクを得ることができる。この位相シフトマスクは、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応することができる。
また、本発明に係る位相シフトマスクの製造方法、特に表示装置製造用に使用される表示装置製造用位相シフトマスクの製造方法によれば、上述した位相シフトマスクブランクまたは上述した位相シフトマスクブランクの製造方法によって得られた位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造する。このため、位相シフト効果を十分に発揮できる光半透過膜パターンを有する位相シフトマスクを製造することができる。また、CDバラツキの小さい光半透過膜パターンを有する位相シフトマスクを製造することができる。この位相シフトマスクは、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応することができる。
また、本発明に係る表示装置の製造方法によれば、上述した位相シフトマスクまたは上述した位相シフトマスクの製造方法よって得られた位相シフトマスクを用いて表示装置を製造する。このため、微細なラインアンドスペースパターンやコンタクトホールを有する表示装置を製造することができる。
シミュレーションに用いたラインアンドスペースパターンの模式図である。 1回目のシミュレーション結果を示す図である。 2回目のシミュレーション結果を示す図である。 光半透過膜およびエッチングマスク膜の形成に使用するスパッタリング装置を示す模式図である。 実施例1の位相シフトマスクブランクに対する深さ方向の組成分析結果を示す図である。 実施例1の位相シフトマスクの平面写真である。 実施例1の位相シフトマスクの断面写真である。 実施例2の位相シフトマスクの断面写真である。 実施例3の位相シフトマスクの断面写真である。 実施例4の位相シフトマスクの断面写真である。 参考例1の位相シフトマスクの平面写真である。 参考例1の位相シフトマスクの断面写真である。 参考例2の位相シフトマスクの断面写真である。 参考例3の位相シフトマスクの断面写真である。 比較例1の位相シフトマスクの断面写真である。
本発明の実施の形態を説明する前に、位相シフト膜パターンの断面形状の違いによる位相シフト効果の差異について、シミュレーション結果を用いて説明する。
シミュレーションは、開口数(NA)が0.085、コヒーレンスファクター(σ)が0.9、露光光がg線、h線、i線の複合光(強度比は、g線:h線:i線=0.95:0.8:1.0)の露光条件で行った。シミュレーションは、2回行った。
1回目のシミュレーションは、エッジ部分の断面形状が垂直である位相シフト膜パターンを備えた位相シフトマスク(以下、PSM(A)と称する場合がある)、エッジ部分の断面形状がテーパー形状である位相シフト膜パターンを備えた位相シフトマスク(以下、PSMTP(A)と称する場合がある)、バイナリーマスク(以下、Binと称する場合がある)について行った。詳細には、位相シフトマスク(PSM(A)およびPSMTP(A))は、位相シフト膜パターンと位相シフト膜パターン上に形成された遮光膜パターンとから成るラインパターンと、光透過部から成るスペースパターンとを有するラインアンドスペースパターンの構成をしている。バイナリーマスク(Bin)は、遮光膜パターンから成るラインパターンと、光透過部から成るスペースパターンとを有するラインアンドスペースパターンの構成をしている。ラインパターンの幅は2.0μmであり、スペースパターンの幅は2.0μmである。位相シフト膜パターンのエッジ部分の幅は0.5μmである。遮光膜パターンの幅は1μmである。遮光膜パターンはエッジ部分を除いた位相シフト膜パターン上に配置されている。
PSM(A)では、位相シフト膜パターンのエッジ部分の透過率はi線に対して6%であり、位相シフト膜パターンのエッジ部分を透過した光と光透過部を透過した光との位相差はi線に対して180度である。
PSMTP(A)では、位相シフト膜パターンのエッジ部分は、透過率および位相差が0.05μmの幅で10段階に変化するように構成されている。10段階に構成されているエッジ部分のうち、遮光膜パターンに最も近い部分の透過率はi線に対して6%であり、遮光膜パターンに最も近い部分を透過した光と光透過部を透過した光との位相差はi線に対して180度である。10段階に構成されているエッジ部分のうち、光透過部に最も近い部分の透過率はi線に対して57.5%であり、光透過部に最も近い部分を透過した光と光透過部を透過した光との位相差はi線に対して20.19度である。尚、後述する実施例に記載のモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)の場合、10段階に構成されているエッジ部分の仮想傾斜面の角度は、約165度である。
図1はシミュレーションに用いたラインアンドスペースパターンの模式図である。図1はPSM(A)におけるラインアンドスペースパターン1の一部を示している。図1では、中央に位置するラインパターン2aと、スペースパターン3aを挟んでラインパターン2aの左側に位置するラインパターン2bと、スペースパターン3bを挟んでラインパターン2aの右側に位置するラインパターン2cとを示している。左右に位置するラインパターン2b,2cは、ラインパターンの半分の幅だけを示している。図1では、ラインパターン2a,2b,2cを構成する位相シフト膜パターンのエッジ部分4と、遮光膜パターン5とに、ハッチングを付して示している。
表1および図2は、1回目のシミュレーション結果を示している。図2中、曲線aはPSM(A)の結果を示し、曲線bはPSMTP(A)の結果を示し、曲線cはBinの結果を示している。図2の横軸はラインパターンの中心をゼロとしたときの位置(μm)を示し、縦軸は光強度を示している。
Figure 2014194531
表1および図2に示すように、PSM(A)では、最大光強度が0.43198、最小光強度が0.08452、コントラスト(最大光強度と最小光強度の差/最大光強度と最小光強度の和)が0.67273である。PSMTP(A)では、最大光強度が0.53064、最小光強度が0.13954、コントラストが0.58359である。Binでは、最大光強度が0.49192、最小光強度が0.12254、コントラストが0.60114である。
表1および図2に示すシミュレーション結果に見られるように、位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状が垂直である位相シフトマスク(PSM(A))の場合、位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状がテーパー形状である位相シフトマスク(PSMTP(A))の場合やバイナリーマスク(Bin)の場合に比べて、コントラストが高い。また、PSMTP(A)の場合、Binの場合よりコントラストが低い。PSMTP(A)の場合、位相シフト膜パターンのエッジ部分はテーパー形状であるため、光透過部に近づくに従って透過率が高くかつ位相差が小さくなる。すなわち、光透過部に近づく従って光の漏れ量が増加しかつ位相効果が失われる。このため、PSMTP(A)の場合、コントラストは低くなる。PSM(A)の場合、位相シフト膜パターンのエッジ部分は垂直形状であるため、光透過部に近づいても一定の透過率(6%)と位相差(180度)を持っている。すなわち、位相シフト膜パターンのエッジ部分と光透過部との境界で直ぐに透過率と位相が変化する。このため、PSM(A)の場合、Binの場合に比べて、位相シフト膜パターンのエッジ部分での光の漏れはあるものの、コントラストは高くなる。よって、位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状を垂直にすることにより、位相シフト効果を十分に発揮できることがわかる。
2回目のシミュレーションは、エッジ部分の断面形状が垂直である位相シフト膜パターンを備えた位相シフトマスク(以下、PSM(B)と称する場合がある)、エッジ部分の断面形状がテーパー形状である位相シフト膜パターンを備えた位相シフトマスク(以下、PSMTP(B)と称する場合がある)、バイナリーマスク(以下、Binと称する場合がある)について行った。2回目のシミュレーションに用いた位相シフトマスク(PSM(B)およびPSMTP(B))は、1回目のシミュレーションに用いたPSM(A)およびPSMTP(A)から遮光膜パターンを取り除いたものである。詳細には、PSM(B)およびPSMTP(B)は、位相シフト膜パターンから成るラインパターンと、光透過部から成るスペースパターンとを有するラインアンドスペースパターンの構成をしている。2回目のシミュレーションに用いたバイナリーマスク(Bin)は、1回目のシミュレーションに用いたBinと同じである。
表2および図3は、2回目のシミュレーション結果を示している。図3中、曲線dはPSM(B)の結果を示し、曲線eはPSMTP(B)の結果を示し、曲線fはBinの結果を示している。図3の横軸はラインパターンの中心をゼロとしたときの位置(μm)を示し、縦軸は光強度を示している。
Figure 2014194531
表2および図3に示すように、PSM(B)では、最大光強度が0.40505、最小光強度が0.05855、コントラストが0.74743である。PSMTP(B)では、最大光強度が0.49925、最小光強度が0.09713、コントラストが0.67426である。Binでは、最大光強度が0.49192、最小光強度が0.12254、コントラストが0.60114である。
表2および図3に示すシミュレーション結果に見られるように、位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状が垂直である位相シフトマスク(PSM(B))の場合、位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状がテーパー形状である位相シフトマスク(PSMTP(B))の場合やバイナリーマスク(Bin)の場合に比べて、コントラストが高い。よって、位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状を垂直にすることにより、位相シフト効果を十分に発揮できることがわかる。
以下、本発明の実施の形態に係る表示装置製造用の位相シフトマスクブランク及びその製造方法、この位相シフトマスクブランクを用いた表示装置製造用の位相シフトマスク及びその製造方法、並びにこの位相シフトマスクを用いた表示装置の製造方法を詳細に説明する。
実施の形態1.
実施の形態1では、表示装置製造用の位相シフトマスクブランクおよびその製造方法について説明する。
実施の形態1の表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの製造方法では、透明基板を準備する準備工程と、透明基板の主表面上に、スパッタリングにより、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜を形成する半透過膜形成工程と、光半透過膜上に、スパッタリングにより、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜を形成するエッチングマスク膜形成工程とを行う。
以下、各工程を詳細に説明する。
1.準備工程
表示装置製造用の位相シフトマスクブランクを製造する場合、先ず、透明基板を準備する。
透明基板の材料は、使用する露光光に対して透光性を有する材料であれば、特に制限されない。例えば、合成石英ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラスが挙げられる。
2.半透過膜形成工程
次に、透明基板の主表面上に、スパッタリングにより、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜を形成する。
詳細には、この半透過膜形成工程では、先ず、スパッタガス雰囲気でスパッタパワーを印加して金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜を成膜する成膜工程を行う。その後、光半透過膜を大気に曝すことなく成膜工程後に連続して、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むガス雰囲気に光半透過膜を曝す曝露工程を行う。
光半透過膜は、露光光の位相を変える性質を有する。この性質により、光半透過膜を透過した露光光と透明基板のみを透過した露光光との間に所定の位相差が生じる。露光光が300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む複合光である場合、光半透過膜は、代表波長の光に対して、所定の位相差を生じるように形成する。例えば、露光光がi線、h線およびg線を含む複合光である場合、光半透過膜は、i線、h線およびg線のいずれかに対して、180度の位相差を生じるように形成する。また、上述で説明した位相シフト効果を発揮するために、光半透過膜の位相差は、i線、h線およびg線のいずれかの代表波長に対して、180度±20度の範囲に設定することが好ましい。さらに好ましくは、光半透過膜の位相差はi線、h線およびg線のいずれかの代表波長に対して、180度±10度の範囲に設定することが望ましい。また、光半透過膜の透過率は、i線、h線及びg線のいずれかの代表波長において、1%以上20%以下が好ましい。特に好ましくは、光半透過膜の透過率は、i線、h線及びg線のいずれかの代表波長において、3%以上10%以下が望ましい。
光半透過膜を構成する金属シリサイド系材料は、露光光に対して所定の透過率と位相差が生じるものであれば、金属と、ケイ素とを含んでいればよく、さらに他の元素を含んでも構わない。他の元素としては、露光光における屈折率(n)、消衰係数(k)を制御可能な元素であればよく、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、フッ素(F)から選ばれる少なくとも一種の元素から選択される。例えば、金属シリサイドの酸化物、金属シリサイドの酸化窒化物、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの炭化窒化物、金属シリサイドの酸化炭化物、金属シリサイドの炭化酸化窒化物などが挙げられる。また、ウェトエッチングによるパターン制御性の観点から、光半透過膜を構成する金属シリサイド系材料は、金属と、ケイ素と、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分とを含む材料とすることが好ましい。光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分として、例えば、窒素(N)、炭素(C)が挙げられる。金属として、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)などの遷移金属が挙げられる。光半透過膜を構成する金属シリサイド系材料として、例えば、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの酸化窒化物、金属シリサイドの酸化炭化物、金属シリサイドの炭化窒化物、金属シリサイドの炭化酸化窒化物が挙げられる。具体的には、モリブデンシリサイド(MoSi)の窒化物、タンタルシリサイド(TaSi)の窒化物、タングステンシリサイド(WSi)の窒化物、チタンシリサイド(TiSi)の窒化物、ジルコニウムシリサイド(ZrSi)の窒化物、モリブデンシリサイドの酸化窒化物、タンタルシリサイドの酸化窒化物、タングステンシリサイドの酸化窒化物、チタンシリサイドの酸化窒化物、ジルコニウムシリサイドの酸化窒化物、モリブデンシリサイドの酸化炭化物、タンタルシリサイドの酸化炭化物、チタンシリサイドの酸化炭化物、タングステンシリサイドの酸化炭化物、ジルコニウムシリサイドの酸化炭化物、モリブデンシリサイドの炭化窒化物、タンタルシリサイドの炭化窒化物、チタンシリサイドの炭化窒化物、ジルコニウムシリサイドの炭化窒化物、タングステンシリサイドの炭化窒化物、モリブデンシリサイドの炭化酸化窒化物、タンタルシリサイドの炭化酸化窒化物、チタンシリサイドの炭化酸化窒化物、タングステンシリサイドの炭化酸化窒化物、ジルコニウムシリサイドの炭化酸化窒化物が挙げられる。
光半透過膜を構成する金属、ケイ素、窒素の組成は、露光光に対する所望の位相差(180度±20度)、透過率(1%以上20%以下)、ウェットエッチング特性(光半透過膜パターンの断面形状やCDばらつき)、耐薬性の観点から調整する。金属とケイ素の比率は、金属:ケイ素=1:1以上1:9以下が好ましい。窒素の含有量は、25原子%以上55原子%以下、さらに好ましくは、30原子%以上50原子%以下が好ましい。
光半透過膜の成膜工程は、金属とケイ素とを含むスパッタターゲットを使用して、露光光における屈折率(n)と、消衰係数(k)が制御可能な成分を有するガスを含むスパッタガス雰囲気で行われる。このようなガスとして、酸素ガス(O)、一酸化炭素ガス(CO)、二酸化炭素ガス(CO)、窒素ガス(N)、一酸化窒素ガス(NO)、二酸化窒素ガス(NO)、一酸化二窒素ガス(NO)、炭化水素系ガス(CH等)、炭化フッ素系ガス(CF等)、窒化フッ素系ガス(NF等)などの活性ガスが挙げられる。また、ウェットエッチングによるパターン制御性の観点から、光半透過膜の成膜工程は、金属とケイ素とを含むスパッタターゲットを使用して、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含むスパッタガス雰囲気で行われることが好ましい。光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分として、上述したように、例えば、窒素(N)、炭素(C)が挙げられる。光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスとして、窒素ガス、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、一酸化二窒素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、炭化水素系ガス(CH等)、炭化フッ素系ガス(CF等)、窒化フッ素系ガス(NF等)などの活性ガスが挙げられる。スパッタガス雰囲気中には、不活性ガスとして、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスなどが含まれていてもよい。スパッタガス雰囲気は、例えば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、窒素ガス、一酸化窒素ガスおよび二酸化窒素ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む活性ガスとの混合ガスからなる。
光半透過膜の成膜後の曝露工程は、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含む曝露用ガス雰囲気に光半透過膜を曝すことにより行われる。光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分として、上述したように、例えば、窒素(N)が挙げられる。光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスとして、窒素ガスなどの活性ガスが挙げられる。曝露用ガス雰囲気中には、不活性ガスとして、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガスなどが含まれていてもよい。曝露用ガス雰囲気が窒素ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気からなる場合、不活性ガスに対する窒素ガスの比率(窒素ガス/不活性ガス)は20%以上、好ましくは30%以上である。
光半透過膜は1つの層から構成される場合および複数の層から構成される場合のいずれであってもよい。光半透過膜が複数の層から構成される場合、光半透過膜の成膜工程および光半透過膜の成膜後の曝露工程は複数回行われる。成膜工程が複数回行われる場合、光半透過膜の成膜時にスパッタターゲットに印加するスパッタパワーを小さくすることができる。
3.エッチングマスク膜形成工程
次に、光半透過膜上に、スパッタリングにより、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜を形成する。
エッチングマスク膜は、遮光性を有する場合および光半透過性を有する場合のいずれであってもよい。エッチングマスク膜を構成するクロム系材料は、クロム(Cr)を含むものであれば、特に制限されない。エッチングマスク膜を構成するクロム系材料として、例えば、クロム(Cr)、クロムの酸化物、クロムの窒化物、クロムの炭化物、クロムのフッ化物、それらを少なくとも一つ含む材料が挙げられる。
このマスク膜形成工程は、クロムまたはクロム化合物を含むスパッタターゲットを使用して、例えば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス、酸化窒素系ガス、炭化水素系ガスおよびフッ素系ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われる。
エッチングマスク膜は1つの層から構成される場合および複数の層から構成される場合のいずれであってもよい。エッチングマスク膜が複数の層から構成される場合、例えば、光半透過膜側に形成される遮光層と遮光層上に形成される反射防止層とから構成される積層構造の場合や、光半透過膜と接するように形成される絶縁層と絶縁層上に形成される遮光層と遮光層上に形成される反射防止層とから構成される積層構造の場合がある。遮光層は1つの層から構成される場合および複数の層から構成される場合のいずれであってもよい。遮光層として、例えば、クロム窒化膜(CrN)、クロム炭化膜(CrC)、クロム炭化窒化膜(CrCN)が挙げられる。反射防止層は1つの層から構成される場合および複数の層から構成される場合のいずれであってもよい。反射防止層として、例えば、クロム酸化窒化膜(CrON)が挙げられる。絶縁層は、例えば、Crを50原子%未満含むCrCOまたはCrCONから構成され、10nm以上50nm以下の厚さを有する。クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜をウェットエッチングするとき、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜から金属イオンが溶け出す。その際、電子が生じる。光半透過膜と接するように絶縁層を形成する場合、光半透過膜から金属イオンが溶け出す際に生じた電子がエッチングマスク膜に供給されることを防止することができる。このため、エッチングマスク膜をウェットエッチングする際の面内でのエッチング速度を均一にすることができる。
実施の形態1の表示装置製造用の位相シフトマスクブランクは、このような準備工程と、半透過膜形成工程と、エッチングマスク膜形成工程とにより製造される。
図4は光半透過膜およびエッチングマスク膜の形成に使用するスパッタリング装置の一例を示す模式図である。
図4に示すスパッタリング装置11はインライン型であり、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの5つのチャンバーから構成されている。これら5つのチャンバーが順番に連続して配置されている。
トレイ(図示せず)に搭載された透明基板12は、所定の搬送速度で、矢印Sの方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの順番に搬送されることができる。また、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板12は、矢印Sと逆の方向に、搬出チャンバーULL、第2スパッタチャンバーSP2、バッファーチャンバーBU、第1スパッタチャンバーSP1、および搬入チャンバーLLの順番に戻されることができる。
搬入チャンバーLLと第1スパッタチャンバーSP1、第2スパッタチャンバーSP2と搬出チャンバーULLは、仕切板により仕切られている。第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2は、GV(ゲートバルブ)で仕切られておらず、3つのチャンバーが連結した大きな容器で構成されている。
また、搬入チャンバーLLおよび搬出チャンバーULLは、仕切板によりスパッタリング装置11の外部から仕切られることができる。
搬入チャンバーLL、バッファーチャンバーBU、および搬出チャンバーULLは、排気を行う排気装置(図示せず)に接続されている。
第1スパッタチャンバーSP1には、搬入チャンバーLL側に、光半透過膜を形成するための金属とケイ素とを含む第1スパッタターゲット13が配置され、第1スパッタターゲット13付近には、第1ガス導入口GA1(図示せず)が配置されている。また、第1スパッタチャンバーSP1には、バッファーチャンバーBU側に、エッチングマスク膜を形成するためのクロムを含む第2スパッタターゲット14が配置され、第2スパッタターゲット14付近には、第2ガス導入口GA2(図示せず)が配置されている。
第2スパッタチャンバーSP2には、バッファーチャンバーBU側に、エッチングマスク膜を形成するためのクロムを含む第3スパッタターゲット15が配置され、第3スパッタターゲット15付近には、第3ガス導入口GA31(図示せず)が配置されている。また、第2スパッタチャンバーSP2には、搬出チャンバーULL側に、エッチングマスク膜を形成するためのクロムを含む第4スパッタターゲット16が配置され、第4スパッタターゲット付近には、第4ガス導入口GA4(図示せず)が配置されている。
図4では、第1スパッタターゲット13、第2スパッタターゲット14、第3スパッタターゲット、および第4スパッタターゲット15に、ハッチングを付して示している。
図4に示すインライン型のスパッタリング装置11を用いて、光半透過膜およびエッチングマスク膜を形成する場合、先ず、光半透過膜を形成するため、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板12を搬入チャンバーLLに搬入する。
スパッタリング装置11の内部を所定の真空度にした後、第1ガス導入口GA1から所定の流量の、上述の活性ガス、具体的には光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含むスパッタリングガスを導入し、また、第3ガス導入口GA3および第4ガス導入口GA4の少なくとも一方から第2スパッタチャンバーSP2に、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含む曝露用ガスを導入し、第1スパッタターゲット13に所定のスパッタパワーを印加する。スパッタパワーの印加、スパッタリングガスの導入、曝露用ガスの導入は、透明基板12が搬出チャンバーULLに搬送されるまで継続する。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板12を、所定の搬送速度で、矢印Sの方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの順番に搬送する。透明基板12が第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、透明基板12の主表面上に、所定の膜厚の金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜が成膜される。また、透明基板12が第2スパッタチャンバーSP2を通過する間、光半透過膜が、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含む曝露用ガス雰囲気に曝される。
2層目の光半透過膜の成膜を行う場合、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板12を、矢印Sと逆の方向に、搬出チャンバーULL、第2スパッタチャンバーSP2、バッファーチャンバーBU、第1スパッタチャンバーSP1、および搬入チャンバーLLの順番に戻し、再度、上述した光半透過膜の成膜を行う。透明基板12を搬入チャンバーLLに戻す際、第1スパッタチャンバーSP1および第2スパッタチャンバーSP2に、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含む曝露用ガスを導入することが好ましい。これにより、透明基板12を搬入チャンバーLLに戻す間、光半透過膜を、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含む曝露用ガス雰囲気に曝すことができる。
3層目および4層目の光半透過膜の成膜を回行う場合も、同様に行う。
このようにして透明基板12の主表面上に光半透過膜を形成した後、スパッタリング装置11の外部に透明基板12を取り出さずに連続してエッチングマスク膜を形成する場合には、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板12を、矢印Sと逆の方向に、搬出チャンバーULL、第2スパッタチャンバーSP2、バッファーチャンバーBU、第1スパッタチャンバーSP1、および搬入チャンバーLLの順番に戻す。一方、光半透過膜の形成後、一旦スパッタリング装置11の外部に透明基板12を取り出した後、エッチングマスク膜を形成する場合には、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板12を搬入チャンバーLLに搬入した後、上述したように、スパッタリング装置11の内部を所定の真空度にする。
遮光層と反射防止層とから構成される積層構造のエッチングマスク膜を形成する場合には、その後、スパッタリング装置11の内部を所定の真空度にした状態で、第2ガス導入口GA2から所定の流量のスパッタリングガスを導入し、第2スパッタターゲット14に所定のスパッタパワーを印加する。また、第3ガス導入口GA3から所定の流量のスパッタリングガスを導入し、第3スパッタターゲット15に所定のスパッタパワーを印加する。また、第4ガス導入口GA4から所定の流量のスパッタリングガスを導入し、第4スパッタターゲット16に所定のスパッタパワーを印加する。スパッタパワーの印加、スパッタリングガスの導入は、透明基板12が搬出チャンバーULLに搬送されるまで継続する。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板12を、所定の搬送速度で、矢印Sの方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの順番に搬送する。透明基板12が第1スパッタチャンバーSP1の第2スパッタターゲット14付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、光半透過膜上に、所定の膜厚のクロム系材料から構成される遮光層が成膜される。また、透明基板12が第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15及び第4スパッタターゲット16付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、遮光層上に、所定の膜厚のクロム系材料から構成される遮光層や反射防止層が成膜される。
光半透過膜上に、遮光層と反射防止層とから構成される積層構造のエッチングマスク膜を形成した後、透明基板12をスパッタリング装置11の外部に取り出す。
一方、絶縁層と遮光層と反射防止層とから構成される積層構造のエッチングマスク膜を形成する場合には、透明基板12上に光半透過膜を形成した後、スパッタリング装置11の内部を所定の真空度にした状態で、第2ガス導入口GA2から所定の流量のスパッタリングガスを導入し、第2スパッタターゲット14に所定のスパッタパワーを印加する。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板12を、所定の搬送速度で、矢印Sの方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの順番に搬送する。透明基板12が第1スパッタチャンバーSP1の第2スパッタターゲット14付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、光半透過膜上に、所定の膜厚のクロム系材料から構成される絶縁層が成膜される。
その後、遮光層および反射防止層の成膜を行うため、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板12を、矢印Sと逆の方向に、搬出チャンバーULL、第2スパッタチャンバーSP2、バッファーチャンバーBU、第1スパッタチャンバーSP1、および搬入チャンバーLLの順番に戻し、上述したように、遮光層および反射防止層を成膜する。
光半透過膜上に、絶縁層と遮光層と反射防止層とから構成される積層構造のエッチングマスク膜を形成した後、透明基板12をスパッタリング装置11の外部に取り出す。
このようにして製造された実施の形態1の表示装置製造用の位相シフトマスクブランクは、透明基板と、透明基板の主表面上に形成された、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜と、光半透過膜上に形成された、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜とを備え、光半透過膜とエッチングマスク膜との界面に組成傾斜領域が形成されている。
以下、実施例1の位相シフトマスクブランクに対するX線光電子分光法(XPS)による深さ方向の組成分析結果を示す図5を参照して説明する。
組成傾斜領域Pは、位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析結果において、光半透過膜に起因するシリコン(ケイ素:Si)ピークおよびモリブデン(Mo)ピークが出現してからエッチングマスク膜に起因するクロム(Cr)ピークが消失するまでの領域である。
組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分(図5では、窒素(N))の割合が、深さ方向に向かって段階的および/または連続的に単調増加している。
また、組成傾斜領域Pでは、酸素の割合は、組成均一領域Qにおける酸素の割合と殆ど変わらず、実質的に均一に含まれている。組成傾斜領域Pにおける酸素の割合(含有量)が、20原子%以下、好ましくは10原子%以下、さらに好ましくは5原子%以下である。
また、組成傾斜領域Pにおける前記エッチングマスク膜との境界でのケイ素(Si)に対する窒素(N)の割合(N/Si)の最大値が3.0以上30以下、好ましくは、3.5以上25以下、さらに好ましくは4.0以上20以下である。但し、前記境界は、前記位相シフトマスクブランクを前記エッチングマスク膜側からX線光電子分光法により、測定ステップを0.5分の条件で組成分析を行ったときに、初めて1原子%以上のケイ素(Si)が検出される位置とする。
光半透過膜の組成は実質的に均一である。ただし、光半透過膜とエッチングマスク膜との界面には、上述した組成傾斜領域Pが形成され、光半透過膜と透明基板との界面にも、組成が傾斜する領域が形成されるため、それらの部分の組成は均一ではない。組成均一領域Qは、位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析結果において、エッチングマスク膜に起因するクロム(Cr)ピークが消失してから透明基板に起因する酸素(O)ピークが出現するまでの領域である。
組成均一領域Qでは、モリブデン(Mo)、ケイ素(Si)および光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分(図5では、窒素(N))のそれぞれの割合の変動が、5原子%以下、好ましくは3原子%以下である。
光半透過膜が複数の層から構成される場合、各層の厚さ方向の中心付近における光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分(図5では、窒素(N))の組成に対する各層の界面(図5では、スパッタ時間が25分のとき)における光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分(図5では、窒素(N))の組成の減少が3原子%以下、好ましくは2原子%以下である。
この実施の形態1の表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの製造方法によれば、透明基板の主表面上に、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜を形成し、光半透過膜上に、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜を形成する。光半透過膜の形成は、光半透過膜を成膜し、光半透過膜を大気に曝すことなく成膜後に連続して、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むガス雰囲気に光半透過膜を曝すことにより行われる。成膜後に連続して、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むガス雰囲気に光半透過膜を曝すことにより、光半透過膜の表面からのウェットエッチング速度を遅くする成分の離脱を防止することができる。このため、ウェットエッチングにより、位相シフト効果を十分に発揮できる垂直に近い断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを製造することができる。また、ウェットエッチングにより、CDバラツキの小さい断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを製造することができる。
また、この実施の形態1の表示装置製造用の位相シフトマスクブランクによれば、透明基板の主表面上に形成された、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜と、光半透過膜上に形成された、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜とを備えている。光半透過膜とエッチングマスク膜との界面に形成される組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分の割合が、深さ方向に向かって段階的および/または連続的に増加している。このため、ウェットエッチングにより、位相シフト効果を十分に発揮できる垂直に近い断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを得ることができる。また、ウェットエッチングにより、CDバラツキの小さい断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、表示装置製造用の位相シフトマスクおよびその製造方法について説明する。
実施の形態2の表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法では、先ず、実施の形態1で説明した表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの製造方法によって得られた位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上に、または、実施の形態1で説明した表示装置製造用の位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程を行う。
詳細には、このレジストパターン形成工程では、先ず、エッチングマスク膜上にレジスト膜を形成する。その後、レジスト膜に対して所定のサイズのパターンを描画する。その後、レジスト膜を所定の現像液で現像して、レジストパターンを形成する。
レジスト膜に描画するパターンとして、ラインアンドスペースパターンやホールパターンが挙げられる。
次に、レジストパターンをマスクにしてエッチングマスク膜をウェットエッチングしてエッチングマスク膜パターンを形成するエッチングマスク膜パターン形成工程を行う。
エッチングマスク膜をウェットエッチングするエッチング液は、エッチングマスク膜を選択的にエッチングできるものであれば、特に制限されない。具体的には、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むエッチング液が挙げられる。
次に、エッチングマスク膜パターンをマスクにして光半透過膜をウェットエッチングして光半透過膜パターンを形成する半透過膜パターン形成工程を行う。
光半透過膜をウェットエッチングするエッチング液は、光半透過膜を選択的にエッチングできるものであれば、特に制限されない。例えば、弗化水素酸、珪弗化水素酸、および弗化水素アンモニウムから選ばれた少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、および硫酸から選ばれた少なくとも一つの酸化剤とを含むエッチング液が挙げられる。具体的には、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素の混合溶液を純水で希釈したエッチング液が挙げられる。
半透過膜パターン上に、遮光膜パターンを有するタイプの位相シフトマスクを製造する場合には、半透過膜パターン形成後、エッチングマスク膜パターンを、光半透過膜パターンより狭い所定のパターンにパターニングする。この場合、光半透過膜パターンは露光光の位相を変える性質を有し、エッチングマスク膜パターンは遮光性を有する。
半透過膜パターン上に、遮光膜パターンを有しないタイプの位相シフトマスクを製造する場合には、半透過膜パターン形成後、エッチングマスク膜パターンを剥離する。この場合、光半透過膜パターンは露光光の位相を変える性質を有する。
このようなレジストパターン形成工程と、エッチングマスク膜パターン形成工程と、半透過膜パターン形成工程とにより、表示装置製造用の位相シフトマスクが製造される。
このようにして製造された実施の形態2の表示装置製造用の位相シフトマスクは、透明基板と、透明基板の主表面上に形成された、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜パターンとを備えている。半透過膜パターン上に、遮光膜パターンを有するタイプの場合、さらに、光半透過膜パターン上に形成された、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜パターンを備えている。光半透過膜パターンが配置されている部分が位相シフト部を構成し、透明基板が露出している部分が光透過部を構成する。
光半透過膜パターンとして、ラインアンドスペースパターンやホールパターンが挙げられる。
光半透過膜パターンは、露光光の位相を変える性質を有する。この性質により、光半透過膜パターンが配置された位相シフト部を透過した露光光と透明基板が露出している光透過部を透過した露光光との間に所定の位相差が生じる。露光光が300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む複合光である場合、光半透過膜パターンは、代表波長の光に対して、所定の位相差を生じる。例えば、露光光がi線、h線およびg線を含む複合光である場合、光半透過膜パターンは、i線、h線およびg線のいずれかに対して、180度の位相差を生じる。上述と同様に、光半透過膜パターンの位相差は、i線、h線およびg線のいずれかの代表波長に対して、180度±20度の範囲に設定することが好ましい。さらに好ましくは、光半透過膜の位相差はi線、h線およびg線のいずれかの代表波長に対して、180度±10度の範囲に設定することが望ましい。また、光半透過膜の透過率は、i線、h線及びg線のいずれかの代表波長において、1%以上20%以下が好ましい。特に好ましくは、光半透過膜の透過率は、i線、h線及びg線のいずれかの代表波長において、3%以上10%以下が望ましい。
また、本発明の表示装置製造用の位相シフトマスクは、等倍露光のプロジェクション露光に使用されて位相シフト効果を十分に発揮する。特に、その露光環境としては、開口数(NA)は、好ましくは0.06〜0.15、より好ましくは0.08〜0.10であり、コヒーレンスファクター(σ)は、好ましくは0.5〜1.0である。
光半透過膜パターンは、露光光に対して所定の透過率と位相差が生じるものであれば、金属と、ケイ素とを含んでいればよく、さらに他の元素を含んでも構わない。他の元素としては、露光光における屈折率(n)、消衰係数(k)を制御可能な元素であればよく、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、フッ素(F)から選ばれる少なくとも一種の元素から選択される。例えば、金属シリサイドの酸化物、金属シリサイドの酸化窒化物、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの炭化窒化物、金属シリサイドの炭化酸化窒化物などが挙げられる。また、ウェトエッチングによるパターン制御性の観点から、光半透過膜パターンは、金属と、ケイ素と、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分とを含む金属シリサイド系材料から構成されることが好ましい。光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分として、例えば、窒素(N)、炭素(C)が挙げられる。金属として、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)などの遷移金属が挙げられる。半透過膜パターンを構成する金属シリサイド系材料として、例えば、金属シリサイド窒化物、金属シリサイド酸化窒化物、金属シリサイドの酸化炭化物、金属シリサイドの炭化窒化物、金属シリサイドの炭化酸化窒化物が挙げられる。光半透過パターンを構成する金属、ケイ素、窒素の組成は、露光光に対する所望の位相差(180度±20度)、透過率(1%以上20%以下)、ウェットエッチング特性(光半透過膜パターンの断面形状やCDばらつき)、耐薬性の観点から調整する。金属とケイ素の比率は、金属:ケイ素=1:1以上1:9以下が好ましい。窒素の含有量は、25原子%以上55原子%以下、さらに好ましくは、30原子%以上50原子%以下が好ましい。
光半透過膜パターンの組成は膜の深さ方向に向かって実質的に均一である。ただし、光半透過膜パターンの上面には、上述した組成傾斜領域が形成され、光半透過膜パターンと透明基板との界面にも、組成が傾斜する領域が形成されるため、それらの部分の組成は均一ではない。
エッチングマスク膜パターンは、クロム(Cr)を含むクロム系材料から構成される。エッチングマスク膜パターンを構成するクロム系材料として、例えば、クロム窒化物(CrN)、クロム炭化物(CrC)、クロム炭化窒化物(CrCN)、クロム酸化窒化物(CrON)、クロム酸化炭化物(CrCO)、クロム酸化窒化炭化物(CrCON)が挙げられる。
以下、実施例1の位相シフトマスクの断面写真を示す図7および実施例2の位相シフトマスクの断面写真を示す図8を参照して説明する。
光半透過膜パターンの断面は、光半透過膜パターンの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺23から構成される。図7および図8において、補助線21は光半透過膜パターンの上面に対応する上辺の位置を示し、補助線22は光半透過膜パターンの下面に対応する下辺の位置を示す。この場合、上辺と側辺との接点26と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置27とを結んだ直線と、上辺とのなす角度θが、85度から120度の範囲内である。図7において、補助線24は上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置を示す。また、上辺と側辺23との接点26を通り透明基板の主表面に対して垂直な第1仮想線29と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置28を通り透明基板の主表面に対して垂直な第2仮想線30との幅(以下、裾幅と称する場合がある)Dが、膜厚の2分の1以下である。図8において、補助線25は下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置を示す。
位相シフトマスクは、光半透過膜パターン上に露光光を遮光する遮光膜パターンを有していてもよい。光半透過膜パターン上に遮光膜パターンを有する場合、露光機によってマスクパターンを認識しやすくなる。また、光半透過膜パターンを透過した露光光によるレジスト膜の減膜を防止することができる。
この実施の形態2の表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法によれば、実施の形態1で説明した表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの製造方法により得られた位相シフトマスクブランク、または、実施の形態1で説明した表示装置製造用の位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造する。このため、位相シフト効果を十分に発揮できる垂直に近い断面形状の光半透過膜パターンを有する位相シフトマスクを製造することができる。また、裾幅Dが小さく、CDバラツキの小さい光半透過膜パターンを有する位相シフトマスクを製造することができる。この位相シフトマスクは、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応することができる。
この実施の形態2の表示装置製造用の位相シフトマスクによれば、透明基板の主表面上に形成された、金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜パターンを備えている。この光半透過膜パターンの組成は、光半透過膜パターンの深さ方向にわたって実質的に均一である。このため、光学特性が均一な位相シフトマスクを得ることができる。また、この光半透過膜パターンの断面において、上辺と側辺との接点26と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置27とを結んだ直線と、上辺とのなす角度θが、85度から120度の範囲内にある。さらに、光半透過膜パターンの断面において、上辺と側辺との接点26を通り透明基板の主表面に対して垂直な第1仮想線29と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置28を通り透明基板の主表面に対して垂直な第2仮想線30との幅Dが、膜厚の2分の1以下である。このため、位相シフト効果を十分に発揮できる垂直に近い断面形状の光半透過膜パターンを有する位相シフトマスクを得ることができる。また、裾幅Dが小さく、CDバラツキの小さい光半透過膜パターンを有する位相シフトマスクを得ることができる。この位相シフトマスクは、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応することができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、表示装置の製造方法について説明する。
実施の形態3の表示装置の製造方法では、先ず、基板上にレジスト膜が形成されたレジスト膜付き基板に対して、実施の形態2に説明した表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法にて得られた位相シフトマスクまたは実施の形態2に説明した表示装置製造用の位相シフトマスクを、レジスト膜に対向して配置する位相シフトマスク配置工程を行う。
次に、露光光を位相シフトマスクに照射して、レジスト膜を露光するレジスト膜露光工程を行う。
露光光は、例えば、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む複合光である。具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光である。また、表示装置の製造の際の露光としては、等倍露光のプロジェクション露光が好ましい。露光環境は、開口数(NA)は、好ましくは0.06〜0.15、より好ましくは0.08〜0.10であり、コヒーレンスファクター(σ)は、好ましくは0.5〜1.0である。
この実施の形態3の表示装置の製造方法によれば、実施の形態2で説明した表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法により得られた位相シフトマスク、または、実施の形態2で説明した表示装置製造用の位相シフトマスクを用いて表示装置を製造する。このため、微細なラインアンドスペースパターンやコンタクトホールを有する表示装置を製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。
実施例1.
A.位相シフトマスクブランクおよびその製造方法
実施例1の位相シフトマスクブランクを製造するため、先ず、透明基板12として、3345サイズ(330mm×450mm×5mm)の合成石英ガラス基板を準備した。
その後、合成石英ガラス基板を、主表面を下側に向けてトレイ(図示せず)に搭載し、図4に示すインライン型のスパッタリング装置11の搬入チャンバーLLに搬入した。第1スパッタチャンバーSP1には、搬入チャンバーLL側に、第1スパッタターゲット13として、モリブデンシリサイド(Mo:Si=1:4)からなるスパッタターゲットが配置されている。また、第1スパッタチャンバーSP1には、バッファーチャンバーBU側に、第2スパッタターゲット14として、クロムからなるスパッタターゲットが配置されている。また、第2スパッタチャンバーSP2には、バッファーチャンバーBU側、搬出チャンバーULL側それぞれに、第3スパッタターゲット15として、クロムからなるスパッタターゲットが、第4スパッタターゲット16として、クロムからなるスパッタターゲットが配置されている。
合成石英ガラス基板の主表面上に光半透過膜を形成するため、まず、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近に配置された第1ガス導入口GA1からアルゴン(Ar)ガスと窒素(N)ガスとの混合ガス(Ar:50sccm、N:90sccm)を導入し、第1スパッタターゲット13に8.0kWのスパッタパワーを印加した。また、第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15付近に配置された第3ガス導入口GA3及び第4スパッタターゲット16付近に配置された第4ガス導入口GA4からアルゴン(Ar)ガスと窒素(N)ガスとの混合ガス(Ar: 50sccm、N:90sccm)を導入した。第1スパッタターゲット13へのスパッタパワーを印加、第1ガス導入口GA1からのArガスとNガスとの混合ガスを導入、ならびに第3ガス導入口GA3および第4ガス導入口GA4からのArガスとNガスとの混合ガスの導入は、合成石英ガラス基板が搬出チャンバーULLに搬送させるまで継続した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sの方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの順番に搬送した。尚、合成石英ガラス基板の搬送速度は、400mm/分とした。合成石英ガラス基板が、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、合成石英ガラス基板の主表面上に、膜厚55.0nmのモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる1層目の光半透過膜が成膜された。合成石英ガラス基板が、第2スパッタチャンバーSP2を通過する間、1層目の光半透過膜は、ArガスとNガスとの混合ガス雰囲気に曝された。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sと逆の方向に、搬出チャンバーULL、第2スパッタチャンバーSP2、バッファーチャンバーBU、第1スパッタチャンバーSP1、および搬入チャンバーLLの順番に搬送し、搬入チャンバーLLに戻した。合成石英ガラス基板を搬入チャンバーLLに戻す間、第1ガス導入口GA1からArガスとNガスとの混合ガス(Ar:50sccm、N:90sccm)を導入し、第3ガス導入口GA3及び第4ガス導入口GA4からArガスとNガスとの混合ガス(Ar: 50sccm、N:90sccm)を導入し、1層目の光半透過膜を、ArガスとNガスとの混合ガス雰囲気に曝した。
その後、第1スパッタターゲット13へのスパッタパワーの印加、第1ガス導入口GA1からのArガスとNガスとの混合ガスの導入、ならびに第3ガス導入口GA3及び第4ガス導入口GA4からのArガスとNガスとの混合ガスの導入を行い、上述した方法と同じ方法により、1層目の光半透過膜上に、膜厚55.0nmのモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる2層目の光半透過膜を成膜し、成膜後に、2層目の光半透過膜を、ArガスとNガスとの混合ガス雰囲気に曝した。
このようにして、合成石英ガラス基板の主表面上に、2層のモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる合計膜厚110nmの光半透過膜を形成した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sと逆の方向に搬送し、搬入チャンバーLLに戻した。合成石英ガラス基板を搬入チャンバーLLに戻す間、上述した方法と同じ方法により、2層目の光半透過膜を、ArガスとNガスとの混合ガス雰囲気に曝した。
次に、光半透過膜上にエッチングマスク膜となる遮光層、反射防止層を形成した。遮光層、反射防止層は、特定波長(例えば、g線)に対しての膜面反射率が15%以下、光学濃度ODが3.0以上となるように、第2スパッタターゲット14、第3スパッタターゲット15、第4スパッタターゲット16のクロムターゲット付近の第2ガス導入口GA2、第3ガス導入口GA3、第4ガス導入口4に導入するガスの種類、流量、及び、合成石英ガラス基板の搬送速度を調整し、さらに、各スパッタターゲットに印加するスパッタパワーを適宜調整した。第2ガス導入口GA2からはArガスとNガスとの混合ガスを、第3ガス導入口GA3からはArガスとメタン(CH)ガスとの混合ガスを、第4ガス導入口GA4からはArガスと一酸化窒素(NO)ガスとの混合ガスを導入した。尚、各スパッタターゲットへのスパッタパワーの印加、各ガス導入口からの混合ガスの導入は、合成石英ガラスが搬出チャンバーULLに搬送されるまで継続した。尚、合成石英ガラス基板の搬送速度は、400mm/分とした。
その結果、光半透過膜上に、膜厚25.0nmのクロム窒化膜(CrN)と膜厚70.0nmのクロム炭化窒化膜(CrCN)の積層膜からなる遮光層と、膜厚20.0nmのクロム酸化窒化膜(CrON)からなる反射防止層との積層膜が成膜された。
このようにして、光半透過膜上に、CrNとCrCNの積層膜からなる遮光層、CrONからなる反射防止層が順番に形成された積層構造のエッチングマスク膜を形成した。
その後、第2スパッタチャンバーと搬出チャンバーとを仕切板によって完全に仕切った後、搬出チャンバーを大気圧状態に戻して、光半透過膜とエッチングマスク膜とが形成された合成石英ガラス基板をスパッタリング装置11から取り出した。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜とエッチングマスク膜とが形成された位相シフトマスクブランクを得た。
得られた位相シフトマスクブランクの光半透過膜について、日本Lasertec社製のMPM−100により透過率、位相差を測定した。光半透過膜の透過率、位相差の測定には、同一のトレイにセットして作製された、合成石英ガラス基板の主表面上に2層のモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)(合計膜厚110nm)が成膜された光半透過膜付き基板(ダミー基板)を用いた。光半透過膜の透過率、位相差は、エッチングマスク膜を形成する前に光半透過膜付き基板(ダミー基板)を搬出チャンバーULLから取り出し、測定した。その結果、透過率は5.2%(波長:365nm)位相差は180度(波長:365nm)であった。
また、得られた位相シフトマスクブランクについて、島津製作所社製の分光光度計SolidSpec−3700により、膜面反射率、光学濃度を測定した。位相シフトマスクブランク(エッチングマスク膜)の膜面反射率は10.0%(波長:436nm)、光学濃度ODは4.0(波長:436nm)であった。このエッチングマスク膜は、膜表面での反射率が低い遮光膜として機能することが分かった。
また、得られた位相シフトマスクブランクについて、X線光電子分光法(XPS)による深さ方向の組成分析を行った。図5は実施例1の位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析結果を示す。図5の横軸はスパッタ時間(分)を示し、縦軸は含有量(原子%)を示している。図5中、曲線aはケイ素(Si)の含有量変化を示し、曲線bは窒素(N)の含有量変化を示し、曲線cは酸素(O)の含有量変化を示し、曲線dは炭素(C)の含有量変化を示し、曲線eはクロム(Cr)の含有量変化を示し、曲線fはモリブデン(Mo)の含有量変化を示している。
図5に示されるように、位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析結果において、光半透過膜に起因するシリコン(Si)ピークおよびモリブデン(Mo)ピークが出現してからエッチングマスク膜に起因するクロム(Cr)ピークが消失するまでの領域である組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする窒素(N)の含有量が、光半透過膜の深さ方向(合成石英ガラス基板の方向)に向かって段階的および/または連続的に増加していた。
また、組成傾斜領域Pでは、酸素の含有量が、5原子%以下であった。
また、組成傾斜領域Pにおけるエッチングマスク膜側の界面でのケイ素(Si)に対する窒素(N)の割合の最大値は、3.7であった。
エッチングマスク膜に起因するクロム(Cr)ピークが消失してから合成石英ガラス基板に起因する酸素(O)ピークが出現するまでの組成均一領域Qでは、モリブデン(Mo)の含有量が平均15原子%、ケイ素(Si)の含有量が平均38原子%、窒素(N)の含有量が平均45原子%、酸素(O)の含有量が2原子%以下であり、それぞれの含有量の変動が、5原子%以下であった。
上述した位相シフトマスクブランクの製造方法では、光半透過膜とエッチングマスク膜とを所定の真空度を維持した状態で連続して形成した。本願発明の効果を確実に得るためには、光半透過膜とエッチングマスク膜とを所定の真空度を維持した状態で連続して形成することが好ましい。光半透過膜とエッチングマスク膜とを所定の真空度を維持した状態で形成することにより、光半透過膜の最表面から合成石英ガラス基板に到達までの組成の変動を小さくすることができる。
なお、光半透過膜を形成後に大気中で保管したり、光半透過膜をエッチングマスク膜形成前に洗浄したとしても、一定の範囲の組成変化であれば、実施例1と同様の効果を得ることができる。
B.位相シフトマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造された位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造するため、先ず、位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上に、レジスト塗布装置を用いてフォトレジスト膜を塗布した。
その後、加熱・冷却工程を経て、膜厚1000nmのフォトレジスト膜を形成した。
その後、レーザー描画装置を用いてフォトレジスト膜を描画し、現像・リンス工程を経て、エッチングマスク膜上に、ラインパターンの幅が2.0μmおよびスペースパターンの幅が2.0μmのラインアンドスペースパターンのレジストパターンを形成した。
その後、レジストパターンをマスクにして、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むクロムエッチング液によりエッチングマスク膜をウェットエッチングして、エッチングマスク膜パターンを形成した。
その後、エッチングマスク膜パターンをマスクにして、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素との混合溶液を純水で希釈したモリブデンシリサイドエッチング液により光半透過膜をウェットエッチングして、光半透過膜パターンを形成した。
その後、レジストパターンを剥離した。
その後、レジスト塗布装置を用いて、エッチングマスク膜パターンを覆うように、フォトレジスト膜を塗布した。
その後、加熱・冷却工程を経て、膜厚1000nmのフォトレジスト膜を形成した。
その後、レーザー描画装置を用いてフォトレジスト膜を描画し、現像・リンス工程を経て、エッチングマスク膜パターン上に、ラインパターンの幅が1.0μmのレジストパターンを形成した。
その後、レジストパターンをマスクにして、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むクロムエッチング液によりエッチングマスク膜パターンをウェットエッチングして、光半透過膜パターンの幅よりも狭いエッチングマスク膜パターンを形成した。
その後、レジストパターンを剥離した。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜パターンと光半透過膜パターンの幅よりも狭いエッチングマスク膜パターンとが形成された位相シフトマスクを得た。
得られた位相シフトマスクの平面および断面を走査型電子顕微鏡により観察した。以下の実施例および比較例において、位相シフトマスクの平面および断面の観察には、走査型電子顕微鏡を用いた。図6は実施例1の位相シフトマスクの平面写真である。図7は実施例1の位相シフトマスクの断面写真である。図6,7中、QZは合成石英ガラス基板を示し、PSは光半透過膜パターンを示し、Crはエッチングマスク膜パターンを示す。
図7に示されるように、光半透過膜パターンPSの断面は、合成石英ガラス基板QZと接する部分では裾を引き、エッチングマスク膜パターンCrと接する部分ではほぼ垂直である形状であった。
詳細には、光半透過膜パターンPSの断面は、光半透過膜パターンPSの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺23から構成される。補助線21は光半透過膜パターンPSの上面に対応する上辺の位置を示し、補助線22は光半透過膜パターンPSの下面に対応する下辺の位置を示す。
上辺と側辺との接点26と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置27とを結んだ直線と、上辺とのなす角度θが、105度であった。補助線24は上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置を示す。
また、上辺と側辺23との接点26を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第1仮想線と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、44nmであった。
上述の通り光半透過膜パターンの断面形状は、上記角度θが105度、上記幅が44nm(光半透過膜の膜厚110nmに対して2.5分の1)と良好で、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む露光光、より具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光の露光光において、上記表1に示すPSM(A)と同等の位相シフト効果を有する位相シフトマスクが得られた。
位相シフトマスクの光半透過膜パターンのCDばらつきを、セイコーインスツルメンツナノテクノロジー社製SIR8000により測定した。CDばらつきの測定は、基板の周縁領域を除外した270mm×390mmの領域について、5×5の地点で測定した。CDばらつきは、目標とするラインアンドスペースパターン(ラインパターンの幅:2.0μm、スペースパターンの幅:2.0μm)からのずれ幅である。以下の実施例および比較例において、CDばらつきの測定には、同じ装置を用いた。
CDばらつきは0.096μmと良好であった。図6に示されるように、光半透過膜パターンPSのエッジEは直線状であり、CDばらつきが良好であることを示唆している。
実施例2.
実施例2では、光半透過膜が4層のモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)から構成される場合について説明する。
A.位相シフトマスクブランクおよびその製造方法
実施例2の位相シフトマスクブランクの製造に、透明基板12として、3345サイズの合成石英ガラス基板を用いた。
実施例1と同じ方法により、合成石英ガラス基板を、図4に示すインライン型のスパッタリング装置11の搬入チャンバーLLに搬入した。第1スパッタターゲット13、第2スパッタターゲット14、第3スパッタターゲット15、第4スパッタターゲット16として、実施例1と同じスパッタターゲットを用いた。
その後、実施例1と同じ方法により、スパッタリング装置11の内部を所定の真空度にした。排気は、合成石英ガラス基板をスパッタリング装置11から取り出す段階まで継続した。
その後、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近に配置された第1ガス導入口GA1からArガスとNガスとの混合ガス(Ar:30sccm、N:30sccm)を導入し、第1スパッタターゲット13に4.0kWのスパッタパワーを印加した。また、第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15付近に配置された第3ガス導入口GA3及び第4スパッタターゲット16付近に配置された第4ガス導入口GA4からArガスとNガスとの混合ガス(Ar:30sccm、N:30sccm)を導入した。第1スパッタターゲット13へのスパッタパワーの印加、第1ガス導入口GA12からのArガスとNガスとの混合ガスの導入、ならびに第3ガス導入口GA3および第4ガス導入口GA4からのArガスとNガスとの混合ガスの導入は、合成石英ガラス基板が搬出チャンバーULLに搬送させるまで継続した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sの方向に、搬出チャンバーULLまで搬送した。尚、合成石英ガラス基板の搬送速度は、400mm/分とした。合成石英ガラス基板が、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、合成石英ガラス基板の主表面上に、膜厚27.5nmのモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる1層目の光半透過膜が成膜された。合成石英ガラス基板が、第2スパッタチャンバーSP2を通過する間、1層目の光半透過膜は、ArガスとNガスとの混合ガス雰囲気に曝された。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sと逆の方向に搬送し、搬入チャンバーLLに戻した。合成石英ガラス基板を搬入チャンバーLLに戻す間、第1ガス導入口GA1からArガスとNガスとの混合ガス(Ar:30sccm、N:30sccm)を導入し、第3ガス導入口GA3からArガスとNガスとの混合ガス(Ar:30sccm、N:30sccm)を導入し、1層目の光半透過膜を、ArガスとNガスとの混合ガス雰囲気に曝した。
その後、1層目の光半透過膜と同じ方法により、2層目、3層目、4層目の光半透過膜を形成した。2層目、3層目、4層目の光半透過膜の形成後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sと逆の方向に搬送し、搬入チャンバーLLに戻した。成石英ガラス基板を搬入チャンバーLLに戻す間、上述した方法と同じ方法により、2層目、3層目、4層目の光半透過膜を、ArガスとNガスとの混合ガス雰囲気に曝した。
このようにして、合成石英ガラス基板の主表面上に、4層のモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる合計膜厚110nmの光半透過膜を形成した。
その後、実施例1と同じ方法により、光半透過膜上に、エッチングマスク膜を形成し、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜とエッチングマスク膜とが形成された位相シフトマスクブランクを得た。
上記実施例1と同様に、得られた位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析を行った。その結果、上記組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチングを遅くする窒素(N)の含有量が、光半透過膜の深さ方向(合成石英ガラス基板の方向)に向かって連続的に増加していた。
また、組成傾斜領域Pにおけるエッチングマスク膜側の界面でのケイ素(Si)に対する窒素(N)の割合の最大値は、3.6であった。
B.位相シフトマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造された位相シフトマスクブランクを用いて、実施例1と同じ方法により、エッチングマスク膜パターンおよび光半透過膜パターンを形成した。
光半透過膜パターンの形成後、レジストパターンを剥離した。その後、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むクロムエッチング液によりエッチングマスク膜パターンを除去した。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜パターンが形成された位相シフトマスクを得た。
図8は実施例2の位相シフトマスクの断面写真である。図8中、QZは合成石英ガラス基板を示し、PSは光半透過膜パターンを示す。
図8に示されるように、光半透過膜パターンPSの断面は、合成石英ガラス基板QZと接する部分では裾を引き、エッチングマスク膜パターンと接していた部分ではほぼ垂直である形状であった。
詳細には、光半透過膜パターンPSの断面は、光半透過膜パターンPSの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺23から構成される。補助線21は光半透過膜パターンPSの上面に対応する上辺の位置を示し、補助線22は光半透過膜パターンPSの下面に対応する下辺の位置を示す。
上辺と側辺との接点26と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置とを結んだ直線と、上辺とのなす角度が、105度であった。
また、上辺と側辺23との接点26を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第1仮想線29と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置28を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第2仮想線30との幅Dが、48nmであった。補助線25は下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置を示す。
上述の通り光半透過膜パターンの断面形状は、上記角度θが105度、上記幅が48nm(光半透過膜の膜厚110nmに対して約2.3分の1)と良好で、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む露光光、より具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光の露光光において、上記表2に示すPSM(B)と同等の位相シフト効果を有する位相シフトマスクが得られた。
実施例3.
実施例3では、光半透過膜が1層のモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)から構成される場合について説明する。
A.位相シフトマスクブランクおよびその製造方法
実施例3の位相シフトマスクブランクの製造に、透明基板12として、上述の実施例1、2と同じ3345サイズの合成石英ガラス基板を用いた。
実施例1と同じ方法により、合成石英ガラス基板を、図4に示すインライン型のスパッタリング装置11の搬入チャンバーLLに搬入した。第1スパッタターゲット13、第2スパッタターゲット14、第3スパッタターゲット15、第4スパッタターゲット16として、実施例1と同じスパッタターゲット材料を用いた。
第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13に10.0kWのスパッタパワーを印加した。また、第1スパッタターゲット13付近に配置された第1ガス導入口GA1からArガスとNガスとの混合ガス(Ar:50.0sccm、N:100.0sccm)を導入した。また、第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15付近に配置された第3ガス導入口GA3及び第4スパッタターゲット16付近に配置された第4ガス導入口GA4からArガスとNガスとの混合ガス(Ar:50.0sccm、N:100.0sccm)を導入した。第1スパッタターゲット13へのスパッタパワーの印加、第1ガス導入口GA1からのArガスとNガスとの混合ガスの導入、ならびに第3ガス導入口GA3および第4ガス導入口GA4からのArガスとNガスとの混合ガスの導入は、合成石英ガラス基板が搬出チャンバーULLに搬送させるまで継続した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sの方向に、搬出チャンバーULLまで搬送した。尚、合成石英ガラス基板の搬送速度は、350mm/分とした。合成石英ガラス基板が、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、合成石英ガラス基板の主表面上に、膜厚110nmのモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる光半透過膜が成膜された。合成石英ガラス基板が、第2スパッタチャンバーSP2を通過する間、光半透過膜は、ArガスとNガスとの混合ガス雰囲気に曝された。
このようにして、合成石英ガラス基板の主表面上に、1層のモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる膜厚110nmの光半透過膜を形成した。
その後、第2スパッタチャンバーSP2と搬出チャンバーULLとを仕切板によって完全に仕切った後、搬出チャンバーULLを大気圧状態に戻して、光半透過膜が形成された合成石英ガラス基板をスパッタリング装置11から取り出した。
その後、光半透過膜が形成された合成石英ガラス基板を2日ほど大気中で保管した。
その後、光半透過膜が形成された合成石英ガラス基板を、図4に示すインライン型のスパッタリング装置11の搬入チャンバーLLに搬入した。
その後、実施例1と同じ方法により、光半透過膜上に、エッチングマスク膜を形成し、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜とエッチングマスク膜とが形成された位相シフトマスクブランクを得た。
上記実施例1と同様に、得られた位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析を行った。その結果では、上記組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチングを遅くする窒素(N)の含有量が、光半透過膜の深さ方向(合成石英ガラス基板の方向)に向かって連続的に増加していた。
また、組成傾斜領域Pにおけるエッチングマスク膜側の界面でのケイ素(Si)に対する窒素(N)の割合の最大値は、8.2であった。
B.位相シフトマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造された位相シフトマスクブランクを用いて、実施例1と同じ方法により、位相シフトマスクを製造した。
図9は実施例3の位相シフトマスクの断面写真である。図9中、QZは合成石英ガラス基板を示し、PSは光半透過膜パターンを示し、Crはエッチングマスク膜パターンを示す。図9では、光半透過膜パターンの幅より狭いエッチングマスク膜パターンを形成する前の状態での断面写真を示している。
図9に示されるように、光半透過膜パターンPSの断面は、合成石英ガラス基板QZと接する部分では裾を引き、エッチングマスク膜パターンCrと接する部分ではほぼ垂直である形状であった。
詳細には、光半透過膜パターンPSの断面は、光半透過膜パターンPSの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺から構成される。
上辺と側辺との接点と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置とを結んだ直線と、上辺とのなす角度が、97度であった。
また、上辺と側辺との接点を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第1仮想線と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、20nmであった。
また、CDばらつきは0.098μmと良好であった。
上述の通り光半透過膜パターンの断面形状は、上記角度θが97度、上記幅が20nm(光半透過膜の膜厚110nmに対して5.5分の1)と良好で、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む露光光、より具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光の露光光において、上記表1に示すPSM(A)と同等の位相シフト効果を有する位相シフトマスクが得られた。
実施例4.
実施例3では、光半透過膜が形成された合成石英ガラス基板を約2日大気中で保管した。
これに対し、実施例4では、光半透過膜が形成された合成石英ガラス基板を1週間大気中で保管した。それ以外は、実施例3と同じ方法により、位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスクを製造した。
上記実施例1と同様に、得られた位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析を行った、その結果、上記組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチングを遅くする窒素(N)の含有量が、光半透過膜の深さ方向(合成石英ガラス基板の方向)に向かって連続的に増加していた。
また、組成傾斜領域Pにおけるエッチングマスク膜側の界面でのケイ素(Si)に対する窒素(N)の割合の最大値は、3.2であった。
図10は実施例4の位相シフトマスクの断面写真である。図10中、QZは合成石英ガラス基板を示し、PSは光半透過膜パターンを示し、Crはエッチングマスク膜パターンを示す。図10では、光半透過膜パターンの幅より狭いエッチングマスク膜パターンを形成する前の状態での断面写真を示している。
図10に示されるように、光半透過膜パターンPSの断面は、直線的なテーパー形状であった。
詳細には、光半透過膜パターンPSの断面は、光半透過膜パターンPSの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺から構成される。
上辺と側辺との接点と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置とを結んだ直線と、上辺とのなす角度が、120度であった。
また、上辺と側辺との接点を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第1仮想線と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、42nmであった。
また、CDばらつきは0.105μmと良好であった。
上述の通り光半透過膜パターンの断面形状は、上記角度θが120度、上記幅が42nm(光半透過膜の膜厚110nmに対して約2.6分の1)と良好で、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む露光光、より具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光の露光光において、上記表1に示すPSM(A)と同等の位相シフト効果を有する位相シフトマスクが得られた。
実施例4から、光半透過膜を大気中で1週間程度保管しても、一定の範囲の組成変化であれば、良好なCDばらつきが維持できることがわかった。
実施例5.
実施例5では、光半透過膜上に絶縁層が形成される場合について説明する。
A.位相シフトマスクブランクおよびその製造方法
実施例5の位相シフトマスクブランクの製造に、透明基板12として、3345サイズの合成石英ガラス基板を用いた。
実施例1と同じ方法により、合成石英ガラス基板の主表面上に、光半透過膜を形成した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sと逆の方向に搬送し、搬入チャンバーLLに戻した。合成石英ガラス基板を搬入チャンバーLLに戻す間、上述した方法と同じ方法により、2層目の光半透過膜を、ArガスとNガスとの混合ガス雰囲気に曝した。
その後、第1スパッタチャンバーSP1の第2スパッタターゲット14付近に配置された第2ガス導入口GA2からArガスとNガスとCOガスの混合ガス(Ar:55sccm、N:60sccm、CO:35sccm)を導入し、第2スパッタターゲット14に5.0kWのスパッタパワーを印加した。第2スパッタターゲット14へのスパッタパワーの印加、第2ガス導入口GA2からのArガスとNガスとCOガスとの混合ガスの導入は、合成石英ガラス基板が搬出チャンバーULLに搬送させるまで継続した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sの方向に、搬出チャンバーULLまで搬送した。尚、合成石英ガラス基板の搬送速度は、400mm/分とした。合成石英ガラス基板が、第1スパッタチャンバーSP1の第2スパッタターゲット14付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、光半透過膜上に、膜厚200nmのクロム酸化窒化炭化膜(CrCON)からなる絶縁層が成膜された。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sと逆の方向に搬送し、搬入チャンバーLLに戻した。
その後、実施例1と同じ方法により、絶縁層上に、クロム炭化窒化膜(CrCN)からなる遮光層とクロム酸化窒化膜(CrON)とからなる反射防止層の積層膜を成膜した。
このようにして、光半透過膜上に、CrCONからなる絶縁層、CrCNからなる遮光層、CrONからなる反射防止層が順番に形成された積層構造のエッチングマスク膜を形成した。
その後、第2スパッタチャンバーと搬出チャンバーとを仕切板によって完全に仕切った後、搬出チャンバーを大気圧状態に戻して、光半透過膜とエッチングマスク膜とが形成された合成石英ガラス基板をスパッタリング装置11から取り出した。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜とエッチングマスク膜とが形成された位相シフトマスクブランクを得た。
上記実施例1と同様に、得られた位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析を行った。その結果では、上記組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチングを遅くする窒素(N)の含有量が、光半透過膜の深さ方向(合成石英ガラス基板の方向)に向かって連続的に増加していた。
また、組成傾斜領域Pにおけるエッチングマスク膜側の界面でのケイ素(Si)に対する窒素(N)の割合の最大値は、3.7であった。
B.位相シフトマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造された位相シフトマスクブランクを用いて、実施例1と同じ方法により、位相シフトマスクを製造した。
得られた位相シフトマスクの断面を観察した。
光半透過膜パターンの断面は、実施例1と同様に、合成石英ガラス基板と接する部分では裾を引き、エッチングマスク膜パターンと接する部分ではほぼ垂直である形状であった。
詳細には、光半透過膜パターンの断面は、光半透過膜パターンの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺から構成される。
上辺と側辺との接点と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置とを結んだ直線と、上辺とのなす角度が、105度であった。
また、上辺と側辺との接点を通り合成石英ガラス基板の主表面に対して垂直な第1仮想線と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置を通り合成石英ガラス基板の主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、44nmであった。
また、合成石英ガラス基板と接する光半透過膜パターンの角度は60度であり、エッチングマスク膜パターンと接する光半透過膜パターンの角度は75度であった。
また、CDばらつきは0.060μmと非常に良好であった。
上述の通り光半透過膜パターンの断面形状は、上記角度θが105度、上記幅が44nm(光半透過膜の膜厚110nmに対して2.5分の1)と良好で、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む露光光、より具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光の露光光において、上記表1に示すPSM(A)と同等の位相シフト効果を有する位相シフトマスクが得られた。
参考例1.
参考例1では、光半透過膜の成膜後に、光半透過膜表面をNを含んだガス雰囲気に曝さなかった場合について説明する。
A.位相シフトマスクブランクおよびその製造方法
参考例1の位相シフトマスクブランクの製造に、透明基板12として、3345サイズの合成石英ガラス基板を用いた。
実施例1と同じ方法により、合成石英ガラス基板を、図4に示すインライン型のスパッタリング装置11の搬入チャンバーLLに搬入した。第1スパッタターゲット13、第2スパッタターゲット14、第3スパッタターゲット15、第4スパッタターゲット16として、実施例1と同じスパッタターゲットを用いた。
第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近に配置された第1ガス導入口GA1からArガスとNガスとの混合ガス(Ar:40sccm、N:90sccm)を導入し、第1スパッタターゲット13に8.5kwのスパッタパワーを印加した。また、第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15付近に配置された第3ガス導入口GA3及び第4スパッタターゲット16付近に配置された第4ガス導入口GA4からArガス(130sccm)を導入した。第1スパッタターゲット13へのスパッタパワーの印加、第1ガス導入口GA1からのArガスとNガスとの混合ガスの導入、ならびに第3ガス導入口GA3及び第4ガス導入口GA4からのArガスの導入は、合成石英ガラス基板が搬出チャンバーULLに搬送させるまで継続した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sの方向に、搬出チャンバーULLまで搬送した。尚、合成石英ガラス基板の搬送速度は、400mm/分とした。合成石英ガラス基板が、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、合成石英ガラス基板の主表面上に、膜厚55.0nmのモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる1層目の光半透過膜が成膜された。合成石英ガラス基板が、第2スパッタチャンバーSP2を通過する間、1層目の光半透過膜は、Arガス雰囲気に曝された。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sと逆の方向に搬送し、搬入チャンバーLLに戻した。合成石英ガラス基板を搬入チャンバーLLに戻す間、形成された1層目の光半透過膜は、真空状態にあった。
その後、1層目の光半透過膜と同じ方法により、2層目の光半透過膜を形成した。
このようにして、合成石英ガラス基板の主表面上に、2層のモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)からなる合計膜厚110nmの光半透過膜を形成した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sと逆の方向に搬送し、搬入チャンバーLLに戻した。合成石英ガラス基板を搬入チャンバーLLに戻す間、形成された2層目の光半透過膜は、真空状態にあった。
その後、実施例1と同じ方法により、光半透過膜上に、エッチングマスク膜を形成し、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜とエッチングマスク膜とが形成された位相シフトマスクブランクを得た。
得られた位相シフトマスクブランクについて、XPSによる深さ方向の組成分析を行った。その結果、光半透過膜を構成する2つの層のそれぞれの厚さ方向の中心付近において、窒素(N)の含有量は46−47原子%であった。これに対し、2つの層の界面付近において、窒素(N)の含有量は44原子%であった。各層の中心付近と2つの層の界面付近との間に、2−3原子%の窒素(N)の含有量差が見られた。この差は、検出限界に近いほどの微差ではあるが、光半透過膜の成膜後に、Arガス雰囲気を通過すること、その後トレイをLLチャンバーに引き戻す最中に真空雰囲気を通過することによって、1層目の光半透過膜の表面から窒素が離脱したと推察される。その上に2層目の光半透過膜が成膜されたことにより、1層目と2層目の界面付近において、窒素(N)の含有量が少ない状態となった。また、上記組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチングを遅くする窒素(N)の含有量が、光半透過膜の深さ方向(合成石英ガラス基板の方向)に向かって連続的に増加していた。
B.位相シフトマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造された位相シフトマスクブランクを用いて、実施例1と同じ方法により、位相シフトマスクを製造した。
図11は参考例1の位相シフトマスクの平面写真である。図12は参考例1の位相シフトマスクの断面写真である。図11、12中、QZは合成石英ガラス基板を示し、PSは光半透過膜パターンを示し、Crはエッチングマスク膜パターンを示す。図12では、光半透過膜パターンの幅より狭いエッチングマスク膜パターンを形成する前の状態での断面写真を示している。
図12に示されるように、1層目の光半透過膜パターンと2層目の光半透過膜パターンの界面に大きな喰われが発生していた。上述したように、1層目の光半透過膜と2層目の光半透過膜との界面付近は、窒素(N)の含有量が少ない状態である。この窒素の含有量が少ない界面付近がより早くエッチングされることで喰われが生じたと考えられる。
詳細には、光半透過膜パターンPSの断面は、光半透過膜パターンPSの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺から構成される。
上辺と側辺との接点と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置とを結んだ直線と、上辺とのなす角度が、80度であった。
また、上辺と側辺との接点を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第1仮想線と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、45nmであった。
また、CDばらつきは0.252μmであった。図11に示されるように、光半透過膜パターンPSのエッジE1がギザギザであり、CDばらつきが大きいことを示唆している。光半透過膜パターンPSのエッジE1がギザギザであると、エッチングマスク膜パターンCrのエッジE2もギザギザになる。これは、エッチングマスク膜パターンCrを形成する際に、光半透過膜パターンPSのエッジE1の形状に沿ってエッチング液が浸入するためであると考えられる。エッチングマスク膜パターンCrの形状を制御するためにも、光半透過膜パターンPSの形状が重要である。
参考例1から、光半透過膜の成膜を複数回繰り返して、複数の層から構成される光半透過膜を形成する場合、成膜と成膜の間に、ウェットエッチング速度を遅くする成分を有するNガス雰囲気に光半透過膜を曝さなかった場合、複数の層から構成される光半透過膜の隣接する二つの層の界面に喰われが発生することがわかった。成膜後に曝されるガス雰囲気中にNガスが含まれていない場合、光半透過膜の表面から微量の窒素が離脱することで光半透過膜の組成が微小変化し、この界面にエッチングされやすい部分が形成されると推定される。
参考例2.
実施例3では、光半透過膜を形成する際、第2スパッタチャンバーSP2の第3ガス導入口GA3及び第4ガス導入口GA4からArガスとNガスとの混合ガスを導入した。
これに対し、参考例2では、光半透過膜を形成する際、第2スパッタチャンバーSP2の第3ガス導入口GA3及び第4ガス導入口GA4からいかなるガスも導入しなかった。それ以外は、実施例3と同じ方法により、位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスクを製造した。
上記実施例1と同様に、得られた位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析を行った。その結果、上記組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチングを遅くする窒素(N)の含有量が、光半透過膜の深さ方向(合成石英ガラス基板の方向)に向かって段階的に増加していたが、組成傾斜領域Pにおけるエッチングマスク膜側の界面でのケイ素(Si)に対する窒素(N)の割合の最大値は、2.4あった。
図13は参考例2の位相シフトマスクの断面写真である。図13中、QZは合成石英ガラス基板を示し、PSは光半透過膜パターンを示し、Crはエッチングマスク膜パターンを示す。図13では、光半透過膜パターンを形成した後、レジストパターンを剥離する前の状態での断面写真を示している。
図13に示されるように、光半透過膜パターンPSの断面は、直線的なテーパー形状であった。
詳細には、光半透過膜パターンPSの断面は、光半透過膜パターンPSの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺から構成される。
上辺と側辺との接点と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置とを結んだ直線と、上辺とのなす角度が、135度であった。
また、上辺と側辺との接点を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第1仮想線と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、85nmであった。
上述の通り光半透過膜パターンの断面形状は、上記角度θが135度、上記幅が85nm(光半透過膜の膜厚110nmに対して約1.3分の1)とテーパー形状となった。従って、得られた位相シフトマスクでは、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む露光光、より具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光の露光光において、上記表1に示すPSM(A)と同等の位相シフト効果までは得られない。
参考例3.
実施例3では、光半透過膜を形成する際、第2スパッタチャンバーSP2のガス導入口GA3及びガス導入口GA4からArガスとNガスとの混合ガスを導入した。
これに対し、参考例3では、光半透過膜を形成する際、第2スパッタチャンバーSP2の第3ガス導入口GA3及び第4ガス導入口GA4からArガス(150sccm)だけを導入した。それ以外は、実施例3と同じの方法により、位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスクを製造した。
上記実施例1と同様に、得られた位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析を行った。その結果、上記組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチングを遅くする窒素(N)の含有量が、光半透過膜の深さ方向(合成石英ガラス基板の方向)に向かって段階的に増加していたが、組成傾斜領域Pにおけるケイ素(Si)に対する窒素(N)の割合の最大値は、2.6であった。
図14は参考例3の位相シフトマスクの断面写真である。図14中、QZは合成石英ガラス基板を示し、PSは光半透過膜パターンを示し、Crはエッチングマスク膜パターンを示す。図14では、エッチングマスク膜パターンをウェットエッチングして、光半透過膜パターンの幅より狭いエッチングマスク膜パターンを形成する前の状態での断面写真を示している。
図14に示されるように、光半透過膜パターンPSの断面は、直線的なテーパー形状であった。
詳細には、光半透過膜パターンPSの断面は、光半透過膜パターンPSの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺から構成される。
上辺と側辺との接点と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置とを結んだ直線と、上辺とのなす角度が、135度であった。
また、上辺と側辺との接点を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第1仮想線と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、89nmであった。
上述の通り光半透過膜パターンの断面形状は、上記角度θが135度、上記幅が89nm(光半透過膜の膜厚110nmに対して約1.2分の1)とテーパー形状となった。従って、得られた位相シフトマスクでは、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む露光光、より具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光の露光光において、上記表1に示すPSM(A)と同等の位相シフト効果までは得られない。
比較例1.
実施例3では、光半透過膜を形成する際、第1スパッタチャンバーSP1の第1ガス導入口GA1からArガスとNガスとの混合ガス(Ar:50.0sccm、N:100.0sccm)を導入し、第2スパッタチャンバーSP2の第3ガス導入口GA3及び第4ガス導入口GA4からArガスとNガスとの混合ガス(Ar:50.0sccm、N:100.0sccm)を導入した。また、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13にスパッタパワー10.0kWを印加した。また、合成石英ガラス基板の搬送速度は、350mm/分とした。また、光半透過膜の膜厚は110nmであった。
これに対し、比較例1では、第1スパッタチャンバーSP1の第1ガス導入口GA1からArガスとNガスとの混合ガス(Ar:65sccm、N:50sccm)を導入し、第2スパッタチャンバーSP2の第3ガス導入口GA3及び第4ガス導入口GA4からArガス(120sccm)を導入した。また、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13にスパッタパワー6.3kWを印加した。また、合成石英ガラス基板の搬送速度は、200mm/分とした。また、光半透過膜の膜厚は115nmであった。また、光半透過膜を形成した後、光半透過膜の表面を、オゾン水で洗浄をおこなった。それ以外は、実施例3と同じ方法により、位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスクを製造した。
上記実施例1と同様に、得られた位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析を行った。その結果、上記組成傾斜領域Pでは、光半透過膜のウェットエッチングを遅くする窒素(N)の含有量が、光半透過膜の深さ方向(合成石英ガラス基板の方向)に向かって減少している領域が存在していた。
また、組成傾斜領域Pにおけるエッチングマスク膜側の界面でのケイ素(Si)に対する窒素(N)の割合の最大値は、2.0であった。
図15は比較例1の位相シフトマスクの断面写真である。図15中、QZは合成石英ガラス基板を示し、PSは光半透過膜パターンを示し、Crはエッチングマスク膜パターンを示す。図15では、光半透過膜パターンの幅より狭いエッチングマスク膜パターンを形成する前の状態での断面写真を示している。
図15に示されるように、光半透過膜パターンPSの断面は、直線的なテーパー形状であった。
詳細には、光半透過膜パターンPSの断面は、光半透過膜パターンPSの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺から構成される。
上辺と側辺との接点と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置とを結んだ直線と、上辺とのなす角度が、160度であった。
また、上辺と側辺との接点を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第1仮想線と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、295nmであった。
また、合成石英ガラス基板QZと接する光半透過膜パターンPSの角度は15度であり、上辺と側辺との接点と上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での側辺の位置とを結んだ直線と、上辺とのなす角度が、160度であった。
また、上辺と側辺Tの接点を通り合成石英ガラス基板QZの主表面に対して垂直な第1仮想線と、下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での側辺の位置を通り合成石英ガラスQZの主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、295nmであった。
また、合成石英ガラス基板QZと接する光半透過膜パターンPSの角度は15度であり、エッチングマスク膜パターンCrと接する光半透過膜パターンPSの角度は165度であった。合成石英ガラス基板の搬送速度が遅く、光半透過膜の成膜後にAr雰囲気に曝される時間が長かったため、光半透過膜とエッチングマスク膜との界面の窒素濃度がより減少したため食い込みが大きくなったと考えられる。
上述の通り光半透過膜パターンの断面形状は、上記角度θが165度、上記幅が295nm(光半透過膜の膜厚110nmに対して約3倍)と大きなテーパー形状となった。従って、得られた位相シフトマスクでは、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む露光光、より具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光の露光光において、上記表1に示すPSMTP(A)と同等の位相シフト効果しか得られない。
また、CDばらつきは0.230μmであった。
なお、上述の実施例では、モリブデンシリサイド窒化膜を成膜した後、ArガスとNガスの混合ガス雰囲気下で曝す例を説明したが、Nガス雰囲気下に曝す場合であっても同等の効果が得られる。また、窒素ガスの代わりに、一酸化窒素ガス、一酸化二窒素ガス、二酸化窒素ガスなどの窒素化合物を含むガスであっても本発明と同様の効果を奏する。また、窒素の他にウェットエッチングを遅くする成分である炭素が光半透過膜に含まれる場合には、窒素ガスの代わりに炭素化合物を含むガスであっても本発明と同様の効果を奏する。
また、上述の実施例では、光半透過膜の材料としてモリブデンシリサイド窒化膜の例を説明したが、これに限られない。光半透過膜の材料としてモリブデンシリサイド酸化窒化膜やモリブデンシリサイドの炭化酸化窒化膜であってもよい。また、モリブデンシリサイド以外の金属シリサイド系材料の場合でも上述と同等の効果が得られる。
また、上述の実施例では、表示装置製造用の位相シフトマスクブランクや、表示装置製造用の位相シフトマスクの例を説明したが、これに限られない。本発明の位相シフトマスクブランクや位相シフトマスクは、半導体装置製造用、MEMS製造用、プリント基板用等にも適用できる。
また、上述の実施例では、透明基板のサイズが、3345サイズ(330mm×450mm)の例を説明したが、これに限られない。表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの場合、大型(Large Size)の透明基板が使用され、該透明基板のサイズは、一辺の長さが、10インチ以上である。表示装置製造用の位相シフトマスクブランクに使用する透明基板のサイズは、例えば、330mm×450mm以上2280mm×3130mm以下である。
また、半導体装置製造用、MEMS製造用、プリント基板用の位相シフトマスクブランクの場合、小型(Small Size)の透明基板が使用され、該透明基板のサイズは、一辺の長さが9インチ以下である。上記用途の位相シフトマスクブランクに使用する透明基板のサイズは、例えば、63.1mm×63.1mm以上228.6mm×228.6mm以下である。通常、半導体製造用、MEMS製造用は、6025サイズ(152mm×152mm)や5009サイズ(126.6mm×126.6mm)が使用され、プリント基板用は、7012サイズ(177.4mm×177.4mm)や、9012サイズ(228.6mm×228.6mm)が使用される。
1 ラインアンドスペースパターン、 2a,2b,2c ラインパターン、 3a,3b スペースパターン、 4 位相シフト膜パターンのエッジ部分、 5 遮光膜パターン、 11 スパッタリング装置、 LL 搬入チャンバー、 SP1 第1スパッタチャンバー、 BU バッファーチャンバー、 SP2 第2スパッタチャンバー、 ULL 搬出チャンバー、 12 透明基板、 13 第1スパッタターゲット、 14 第2スパッタターゲット、15 第3スパッタターゲット、 16 第4スパッタターゲット、 21,22 補助線、 23 側辺、24,25 補助線、 26 接点、 27,28 側辺の位置、 29 第1仮想線、 30 第2仮想線、 QZ 合成石英ガラス基板、 PS 光半透過膜パターン、 Cr エッチングマスク膜パターン。

Claims (27)

  1. 位相シフトマスクブランクにおいて、
    透明基板と、
    前記透明基板の主表面上に形成された、露光光の位相を変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜と、
    該光半透過膜上に形成された、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜と
    を備え、
    前記光半透過膜と前記エッチングマスク膜との界面に組成傾斜領域が形成され、該組成傾斜領域では、前記光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分の割合が、深さ方向に向かって段階的および/または連続的に増加していることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
  2. 前記光半透過膜は、該光半透過膜と前記エッチングマスク膜との界面および該光半透過膜と前記透明基板との界面を除いた部分の組成が、実質的に均一であることを特徴とする請求項1記載の位相シフトマスクブランク。
  3. 前記光半透過膜は、複数の層から構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の位相シフトマスクブランク。
  4. 前記金属シリサイド系材料は、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの酸化窒化物、金属シリサイドの酸化炭化物、金属シリサイドの炭化窒化物、金属シリサイドの炭化酸化窒化物のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  5. 前記ウェットエッチング速度を遅くする成分が窒素または炭素であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  6. 前記ウェットエッチング速度を遅くする成分が窒素である場合、前記組成傾斜領域における前記エッチングマスク膜との境界のうち、前記エッチングマスク膜側からX線光電子分光法により、測定ステップを0.5分の条件で組成分析を行ったときに、初めて1原子%以上のケイ素(Si)が検出される位置でのケイ素(Si)に対する窒素(N)の割合(N/Si)の最大値が3.0以上30以下であることを特徴とする請求項5記載の位相シフトマスクブランク。
  7. 前記エッチングマスク膜は、遮光性を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  8. 前記エッチングマスク膜は、前記光半透過膜側に形成された遮光層と該遮光層上に形成された反射防止層とを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  9. 前記エッチングマスク膜は、前記光半透過膜と接するように形成された絶縁層を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  10. 前記絶縁層は、Crを50原子%未満含むCrCOまたはCrCONから構成され、10nm以上50nm以下の厚さを有することを特徴とする請求項9記載の位相シフトマスクブランク。
  11. 前記位相シフトマスクブランクは、表示装置製造用位相シフトマスクブランクであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  12. 位相シフトマスクブランクの製造方法において、
    透明基板を準備する準備工程と、
    前記透明基板の主表面上に、スパッタリングにより、露光光の位相を変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜を形成する半透過膜形成工程と、
    前記光半透過膜上に、スパッタリングにより、クロム系材料から構成されるエッチングマスク膜を形成するエッチングマスク膜形成工程と
    を有し、
    前記半透過膜形成工程は、スパッタガス雰囲気でスパッタパワーを印加して金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜を成膜する成膜工程と、前記光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むガス雰囲気に該光半透過膜を曝す曝露工程とを含み、該曝露工程は、前記光半透過膜を大気に曝すことなく前記成膜工程後に連続して行われることを特徴とする位相シフトマスクブランクの製造方法。
  13. 前記成膜工程は、金属とケイ素とを含むスパッタターゲットを使用して、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、窒素ガス、一酸化窒素ガス、一酸化二窒素ガス、および二酸化窒素ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む窒素または窒素化合物を含む活性ガス、若しくは、二酸化炭素ガスまたは炭化水素ガスを含む炭素化合物を含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われることを特徴とする請求項12記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
  14. 前記曝露工程は、窒素または窒素化合物を含むガス雰囲気で行われることを特徴とする請求項12または13記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
  15. 前記曝露工程は、炭素または炭素化合物を含むガス雰囲気で行われることを特徴とする請求項12または13記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
  16. 前記位相シフトマスクブランクは、表示装置製造用位相シフトマスクブランクであることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
  17. 透明基板と、
    該透明基板の主表面上にウェットエチングにより形成され、露光光の位相を変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜パターンと
    を備え、
    前記光半透過膜パターンは、上面および該光半透過膜パターンと前記透明基板との界面を除いた部分の組成が、実質的に均一であり、
    前記光半透過膜パターンの断面が、該光半透過膜パターンの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺から構成され、前記上辺と前記側辺との接点と前記上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での前記側辺の位置とを結んだ直線と、前記上辺とのなす角度が、85度から120度の範囲内であり、かつ、前記上辺と前記側辺との接点を通り前記透明基板の前記主表面に対して垂直な第1仮想線と、前記下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での前記側辺の位置を通り前記透明基板の前記主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、前記膜厚の2分の1以下であることを特徴とする位相シフトマスク。
  18. 表示装置製造用の位相シフトマスクにおいて、
    透明基板と、
    該透明基板の主表面上に形成された、露光光の位相を変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成される光半透過膜パターンと
    を備え、
    前記光半透過膜パターンは、上面および該光半透過膜パターンと前記透明基板との界面を除いた部分の組成が、実質的に均一であり、
    前記光半透過膜パターンの断面が、該光半透過膜パターンの上面、下面および側面に対応する上辺、下辺および側辺から構成され、前記上辺と前記側辺との接点と前記上面から膜厚の3分の2下がった高さの位置での前記側辺の位置とを結んだ直線と、前記上辺とのなす角度が、85度から120度の範囲内であり、かつ、前記上辺と前記側辺との接点を通り前記透明基板の前記主表面に対して垂直な第1仮想線と、前記下面から膜厚の10分の1上がった高さの位置での前記側辺の位置を通り前記透明基板の前記主表面に対して垂直な第2仮想線との幅が、前記膜厚の2分の1以下であることを特徴とする位相シフトマスク。
  19. 前記光半透過膜パターンは、金属シリサイド窒化膜、金属シリサイド酸化窒化膜、金属シリサイドの酸化炭化物、金属シリサイドの炭化酸化窒化物のいずれから構成されることを特徴とする請求項17又は18に記載の位相シフトマスク。
  20. 前記光半透過膜パターンは、ラインアンドスペースパターンを含むことを特徴とする請求項17乃至19のいずれか一に記載の位相シフトマスク。
  21. 前記光半透過膜パターンは、ホールパターンを含むことを特徴とする請求項17乃至19のいずれか一に記載の位相シフトマスク。
  22. 位相シフトマスクの製造方法において、
    請求項1乃至11のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上、または、請求項12乃至16のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクの製造方法によって得られた位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
    前記レジストパターンをマスクにして前記エッチングマスク膜をウェットエッチングしてエッチングマスク膜パターンを形成するエッチングマスク膜パターン形成工程と、
    前記エッチングマスク膜パターンをマスクにして前記光半透過膜をウェットエッチングして光半透過膜パターンを形成する半透過膜パターン形成工程と
    を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  23. 前記半透過膜パターン形成工程は、弗化水素酸、珪弗化水素酸、および弗化水素アンモニウムから選ばれた少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、および硫酸から選ばれた少なくとも一つの酸化剤とを含むエッチング液を用いてウェットエッチングを行うことを特徴とする請求項22記載の位相シフトマスクの製造方法。
  24. 前記位相シフトマスクは、表示装置製造用位相シフトマスクであることを特徴とする請求項22または23に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  25. 表示装置の製造方法において、
    基板上にレジスト膜が形成されたレジスト膜付き基板に対して、請求項17乃至21のいずれか一に記載の位相シフトマスク、または、請求項22乃至24のいずれか一に記載の位相シフトマスクの製造方法よって得られた位相シフトマスクを、前記レジスト膜に対向して配置する位相シフトマスク配置工程と、
    前記露光光を前記位相シフトマスクに照射して、前記レジスト膜を露光するレジスト膜露光工程と
    を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  26. 前記露光光は、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含むことを特徴とする請求項25記載の表示装置の製造方法。
  27. 前記露光光は、i線、h線およびg線を含む複合光であることを特徴とする請求項25または26記載の表示装置の製造方法。
JP2014029445A 2013-02-26 2014-02-19 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスク及びその製造方法、並びに表示装置の製造方法 Active JP6101646B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014029445A JP6101646B2 (ja) 2013-02-26 2014-02-19 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスク及びその製造方法、並びに表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013036240 2013-02-26
JP2013036240 2013-02-26
JP2014029445A JP6101646B2 (ja) 2013-02-26 2014-02-19 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスク及びその製造方法、並びに表示装置の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017033305A Division JP6367401B2 (ja) 2013-02-26 2017-02-24 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスク及びその製造方法、並びに表示装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014194531A true JP2014194531A (ja) 2014-10-09
JP6101646B2 JP6101646B2 (ja) 2017-03-22

Family

ID=51754875

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014029445A Active JP6101646B2 (ja) 2013-02-26 2014-02-19 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスク及びその製造方法、並びに表示装置の製造方法
JP2017033305A Active JP6367401B2 (ja) 2013-02-26 2017-02-24 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスク及びその製造方法、並びに表示装置の製造方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017033305A Active JP6367401B2 (ja) 2013-02-26 2017-02-24 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスク及びその製造方法、並びに表示装置の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (2) JP6101646B2 (ja)
KR (3) KR101824291B1 (ja)
TW (2) TWI604263B (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017033004A (ja) * 2016-09-21 2017-02-09 Hoya株式会社 表示装置製造用フォトマスク、該フォトマスクの製造方法、パターン転写方法及び表示装置の製造方法
JP2017167512A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 エスアンドエス テック カンパニー リミテッド 位相反転ブランクマスク及びフォトマスク
KR20170112741A (ko) * 2016-04-01 2017-10-12 주식회사 에스앤에스텍 플랫 패널 디스플레이용 위상반전 블랭크 마스크, 포토 마스크 및 그의 제조 방법
JP2018049111A (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、及びそれらを用いたフォトマスクの製造方法、並びに表示装置の製造方法
JP2019091097A (ja) * 2016-03-16 2019-06-13 エスアンドエス テック カンパニー リミテッド 位相反転ブランクマスク及びフォトマスク
JP2019144587A (ja) * 2017-11-24 2019-08-29 Hoya株式会社 マスクブランク、位相シフトマスクおよび半導体デバイスの製造方法
CN110196530A (zh) * 2018-02-27 2019-09-03 Hoya株式会社 相移掩模坯料、相移掩模的制造方法、及显示装置的制造方法
CN110320739A (zh) * 2018-03-28 2019-10-11 Hoya株式会社 相移掩模坯料、相移掩模的制造方法及显示装置的制造方法
JP2020046468A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 Hoya株式会社 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
CN111258175A (zh) * 2018-11-30 2020-06-09 Hoya株式会社 光掩模坯料、光掩模坯料的制造方法、光掩模的制造方法及显示装置的制造方法
CN111624848A (zh) * 2019-02-28 2020-09-04 Hoya株式会社 光掩模坯料、光掩模的制造方法、及显示装置的制造方法
JP2020144358A (ja) * 2019-02-28 2020-09-10 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法、および表示装置の製造方法
JP2020154338A (ja) * 2015-09-26 2020-09-24 Hoya株式会社 フォトマスクの製造方法、フォトマスク、及び表示装置の製造方法
JP2021144146A (ja) * 2020-03-12 2021-09-24 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
KR20210116276A (ko) 2020-03-16 2021-09-27 호야 가부시키가이샤 포토마스크 및 표시 장치의 제조 방법

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6292581B2 (ja) * 2014-03-30 2018-03-14 Hoya株式会社 マスクブランク、転写用マスクの製造方法及び半導体装置の製造方法
JP6621626B2 (ja) * 2015-09-18 2019-12-18 Hoya株式会社 マスクブランク、位相シフトマスクおよび半導体デバイスの製造方法
JP2017182052A (ja) * 2016-03-24 2017-10-05 Hoya株式会社 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスク及び表示装置の製造方法
JP7073246B2 (ja) * 2018-02-27 2022-05-23 Hoya株式会社 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP7204496B2 (ja) * 2018-03-28 2023-01-16 Hoya株式会社 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP7151774B2 (ja) * 2018-09-14 2022-10-12 株式会社ニコン 位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスク、露光方法、デバイスの製造方法、位相シフトマスクブランクスの製造方法、位相シフトマスクの製造方法、露光方法、及び、デバイスの製造方法
JP6756796B2 (ja) * 2018-10-09 2020-09-16 アルバック成膜株式会社 マスクブランクス、ハーフトーンマスク、製造方法
JP7204979B2 (ja) * 2018-11-30 2023-01-16 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP6987912B2 (ja) * 2020-03-16 2022-01-05 アルバック成膜株式会社 マスクブランクス、位相シフトマスク、製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08262688A (ja) * 1995-03-24 1996-10-11 Ulvac Seimaku Kk 位相シフトフォトマスクブランクス、位相シフトフォトマスク、及びそれらの製造方法。
JP2000181049A (ja) * 1998-12-18 2000-06-30 Hoya Corp ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク
JP2004318088A (ja) * 2003-03-31 2004-11-11 Shin Etsu Chem Co Ltd フォトマスクブランク及びフォトマスク並びにフォトマスクブランクの製造方法
JP2008242500A (ja) * 2008-06-26 2008-10-09 Shin Etsu Chem Co Ltd 位相シフトマスクブランクの製造方法及び位相シフトフォトマスクの製造方法
JP2011013283A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Ulvac Seimaku Kk 位相シフトマスクの製造方法、フラットパネルディスプレイの製造方法及び位相シフトマスク

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3272790B2 (ja) * 1992-12-03 2002-04-08 ホーヤ株式会社 位相シフトマスクの製造方法及び位相シフトマスクブランク
US6037083A (en) * 1998-12-22 2000-03-14 Hoya Corporation Halftone phase shift mask blanks, halftone phase shift masks, and fine pattern forming method
JP2004302078A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Shin Etsu Chem Co Ltd 位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク並びにそれらの製造方法
KR100635019B1 (ko) * 2004-07-05 2006-10-17 주식회사 에스앤에스텍 블랭크 마스크와 포토마스크 및 그 제조방법
JP2006317665A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Shin Etsu Chem Co Ltd 位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスクならびにこれらの製造方法
JP4766518B2 (ja) * 2006-03-31 2011-09-07 Hoya株式会社 マスクブランク及びフォトマスク
TWI461833B (zh) * 2010-03-15 2014-11-21 Hoya Corp 多調式光罩、多調式光罩之製造方法及圖案轉印方法
JP5682493B2 (ja) * 2010-08-04 2015-03-11 信越化学工業株式会社 バイナリーフォトマスクブランク及びバイナリーフォトマスクの製造方法
JP5975653B2 (ja) * 2011-01-25 2016-08-23 Hoya株式会社 マスクブランク製造用スパッタリング装置及び表示装置用マスクブランクの製造方法並びに表示装置用マスクの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08262688A (ja) * 1995-03-24 1996-10-11 Ulvac Seimaku Kk 位相シフトフォトマスクブランクス、位相シフトフォトマスク、及びそれらの製造方法。
JP2000181049A (ja) * 1998-12-18 2000-06-30 Hoya Corp ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク
JP2004318088A (ja) * 2003-03-31 2004-11-11 Shin Etsu Chem Co Ltd フォトマスクブランク及びフォトマスク並びにフォトマスクブランクの製造方法
JP2008242500A (ja) * 2008-06-26 2008-10-09 Shin Etsu Chem Co Ltd 位相シフトマスクブランクの製造方法及び位相シフトフォトマスクの製造方法
JP2011013283A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Ulvac Seimaku Kk 位相シフトマスクの製造方法、フラットパネルディスプレイの製造方法及び位相シフトマスク

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7276778B2 (ja) 2015-09-26 2023-05-18 Hoya株式会社 フォトマスクの製造方法、フォトマスク、及び表示装置の製造方法
JP2020154338A (ja) * 2015-09-26 2020-09-24 Hoya株式会社 フォトマスクの製造方法、フォトマスク、及び表示装置の製造方法
JP2017167512A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 エスアンドエス テック カンパニー リミテッド 位相反転ブランクマスク及びフォトマスク
JP2019091097A (ja) * 2016-03-16 2019-06-13 エスアンドエス テック カンパニー リミテッド 位相反転ブランクマスク及びフォトマスク
KR20170112741A (ko) * 2016-04-01 2017-10-12 주식회사 에스앤에스텍 플랫 패널 디스플레이용 위상반전 블랭크 마스크, 포토 마스크 및 그의 제조 방법
KR102093103B1 (ko) 2016-04-01 2020-03-25 (주)에스앤에스텍 플랫 패널 디스플레이용 위상반전 블랭크 마스크, 포토 마스크 및 그의 제조 방법
JP2018049111A (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、及びそれらを用いたフォトマスクの製造方法、並びに表示装置の製造方法
JP2017033004A (ja) * 2016-09-21 2017-02-09 Hoya株式会社 表示装置製造用フォトマスク、該フォトマスクの製造方法、パターン転写方法及び表示装置の製造方法
JP2019144587A (ja) * 2017-11-24 2019-08-29 Hoya株式会社 マスクブランク、位相シフトマスクおよび半導体デバイスの製造方法
JP7106492B2 (ja) 2017-11-24 2022-07-26 Hoya株式会社 マスクブランク、位相シフトマスクおよび半導体デバイスの製造方法
CN110196530A (zh) * 2018-02-27 2019-09-03 Hoya株式会社 相移掩模坯料、相移掩模的制造方法、及显示装置的制造方法
CN110196530B (zh) * 2018-02-27 2024-05-14 Hoya株式会社 相移掩模坯料、相移掩模的制造方法、及显示装置的制造方法
CN110320739A (zh) * 2018-03-28 2019-10-11 Hoya株式会社 相移掩模坯料、相移掩模的制造方法及显示装置的制造方法
JP2020046468A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 Hoya株式会社 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP7254470B2 (ja) 2018-09-14 2023-04-10 Hoya株式会社 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
KR20230065208A (ko) * 2018-11-30 2023-05-11 호야 가부시키가이샤 포토마스크 블랭크, 포토마스크의 제조 방법 및 표시 장치의 제조 방법
KR102630136B1 (ko) * 2018-11-30 2024-01-29 호야 가부시키가이샤 포토마스크 블랭크, 포토마스크의 제조 방법 및 표시 장치의 제조 방법
CN111258175A (zh) * 2018-11-30 2020-06-09 Hoya株式会社 光掩模坯料、光掩模坯料的制造方法、光掩模的制造方法及显示装置的制造方法
JP2020144358A (ja) * 2019-02-28 2020-09-10 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法、および表示装置の製造方法
CN111624848A (zh) * 2019-02-28 2020-09-04 Hoya株式会社 光掩模坯料、光掩模的制造方法、及显示装置的制造方法
JP7297692B2 (ja) 2019-02-28 2023-06-26 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法、および表示装置の製造方法
JP2021144146A (ja) * 2020-03-12 2021-09-24 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP7413092B2 (ja) 2020-03-12 2024-01-15 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
KR20210116276A (ko) 2020-03-16 2021-09-27 호야 가부시키가이샤 포토마스크 및 표시 장치의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP6101646B2 (ja) 2017-03-22
KR20200037163A (ko) 2020-04-08
KR101824291B1 (ko) 2018-01-31
JP2017090938A (ja) 2017-05-25
KR102096427B1 (ko) 2020-04-06
KR20170142976A (ko) 2017-12-28
TWI631413B (zh) 2018-08-01
TW201740183A (zh) 2017-11-16
JP6367401B2 (ja) 2018-08-01
TW201443550A (zh) 2014-11-16
KR102297223B1 (ko) 2021-09-02
KR20140106445A (ko) 2014-09-03
TWI604263B (zh) 2017-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6367401B2 (ja) 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスク及びその製造方法、並びに表示装置の製造方法
JP6553240B2 (ja) 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスクの製造方法、並びに表示装置の製造方法
JP6396118B2 (ja) 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、並びに位相シフトマスクの製造方法
JP6266322B2 (ja) 表示装置製造用の位相シフトマスクブランク、表示装置製造用の位相シフトマスク及びその製造方法、並びに表示装置の製造方法
JP6138676B2 (ja) 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、並びに位相シフトマスクの製造方法
JP2014206729A5 (ja)
KR102339725B1 (ko) 위상 시프트 마스크 블랭크 및 그 제조 방법과 위상 시프트 마스크의 제조 방법
JP2015049282A (ja) 表示装置製造用フォトマスク、該フォトマスクの製造方法、パターン転写方法及び表示装置の製造方法
TWI813644B (zh) 相移光罩基底、相移光罩之製造方法、及顯示裝置之製造方法
JP2017033004A (ja) 表示装置製造用フォトマスク、該フォトマスクの製造方法、パターン転写方法及び表示装置の製造方法
TWI828864B (zh) 光罩基底、光罩之製造方法、及顯示裝置之製造方法
KR20200040656A (ko) 마스크 블랭크스, 하프톤 마스크, 마스크 블랭크스의 제조 방법, 및 하프톤 마스크의 제조 방법
JP6532919B2 (ja) 表示装置製造用の位相シフトマスクブランク、表示装置製造用の位相シフトマスク、及び表示装置の製造方法
JP7371198B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
TW202141169A (zh) 光罩基底、光罩之製造方法及顯示裝置之製造方法
JP2020086087A (ja) マスクブランクスおよびマスク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160531

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6101646

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250