以下、本実施形態に係る根菜収穫機について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、根菜収穫機の構造を説明するに際し、図1に示す平面図において、紙面左側を前方、紙面右側を後方、紙面上方を右、紙面下方を左と称することとする。また、図2に示す左側面図において紙面上方を上、紙面下方を下と称する。
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る根菜収穫機Aは、左右一対のクローラ1,1を備える走行装置2上に機体フレーム3を設けて走行車体とし、該機体フレーム3上に、運転操作部4と収穫部5と中継搬送部6と載置部7とを装設して構成される。
運転操作部4は、作業者が着座する運転席8や操向レバー、作業操作レバー等を配設し、機体を操作可能に構成している。
運転席8の左方、すなわち、走行機体の左側部には、圃場の根菜作物を引き抜きながら後方へ移送する収穫部5を配設している。収穫部5は、サブソイラ9と茎葉分捌整姿装置10、抜上移送装置11、肩揃装置12、茎葉切断装置13、排葉装置14を備えている。
サブソイラ9は、図2及び図3に示すように、左右一対の側面視L字状に形成された刃体9aを上下に揺動させて、圃場中の根菜の両側の土を軟らかくするものである。サブソイラ9の刃体9aの後部が図示しない揺動アームや偏心軸に連結されており、左右の刃体9aの先端を根菜の条の両側の土中に挿入し、作業時に偏心軸を回転駆動することにより、刃体9aを振動させて根菜周囲の土を解して、抜上移送装置11により容易に抜き上げられるようにしている。
茎葉分捌整姿装置10は、図1及び図2に示すように、抜上移送装置11の前部の右側に配置され水平横向きに突出する横回しタインを備えた茎葉掻込機構10aと、茎葉掻込機構10aの前面より前方に突出したガイド体10bと、抜上移送装置11の前部の左側に配置され縦回しタインを備えた分葉機構10cとで構成している。
茎葉分捌整姿装置10は、ガイド体10bによって既収穫側に広がった葉茎を持ち上げるとともに、収穫する根菜の葉茎と、未収穫側の根菜の葉茎とを分葉機構10cで分け捌き、分け捌かれた収穫する根菜の葉茎を茎葉掻込機構10aによって抜上移送装置11の挟持移送路11aの始端部11dに掻き込むように構成している。
抜上移送装置11は、走行機体の左側部に前低後高に設けられ、根菜の茎葉部を挟持して上後方へ搬送しながら根菜を抜き上げて、後方へ搬送するものである。この抜上移送装置11は、同装置の後側に左右一対配設される駆動プーリ11bと、左右一対づつ複数配設される従動プーリ(図示せず)と、これら駆動プーリ11bや従動プーリに巻回される無端体で構成された一対の搬送ベルト11c等を備える。
そして、左右の搬送ベルト11cの対向面間に形成される挟持移送路11aにより根菜の茎葉部分を挟持し、主根部を吊下させた状態で機体後方へ搬送する。
肩揃装置12は、抜上移送装置11の後部下方に配置されており、吊下状態にある根菜の茎葉部と主根部の境界部分、所謂、肩部を揃えるものである。
茎葉切断装置13は、根菜の茎葉部の根元を切断するものである。肩揃装置12の後端から根菜を受け継いで挟持搬送する搬送部(図示せず)の下面に円板状の切断刃13aを有しており、搬送部の後部で切断刃の回転により肩が揃えられた茎葉部の根元を切断する。切断された根菜のうち主根部は、茎葉切断装置13の下部に配設された残葉処理装置(図示せず)上に落下し、茎葉切断装置13にて除去できなかった茎葉部の除去が行われ中継搬送部6に送出される。また、茎葉部は次に述べる排葉装置14に送られる。
排葉装置14は、切断された根菜の茎葉部を機体後方に排出するものである。排葉装置14は、茎葉切断装置13の搬送部から受け継いだ茎葉を挟持搬送する左右一対の排葉ベルト14aと排出ガイド板14bを備えている(図3参照。)。
排葉ベルト14aは、茎葉切断装置13の上方で、抜上移送装置11の後端から操向車体後端部まで前後水平方向に配設される。また、排出ガイド板14bは排葉ベルト14aの後部下方から右斜め下方に延設される。なお、排出ガイド板14bは角度調節可能として排出位置を変更可能に構成している。
そして、排葉ベルト14aの回転により切断後の茎葉部が挟持されて後方へ搬送され、同排葉ベルト14aの後部から排出ガイド板14bにより茎葉部を機体後部の未収穫側から離れるように圃場上に落下する。
一方、前述の茎葉切断装置13にて茎葉部から切り離された主根部は、残葉処理装置を経て中継搬送部6に至る。
中継搬送部6は、収穫部5の前後方向中途部から走行機体の右側へ登り傾斜状に配設されたコンベア装置6aを備えており、運転席8の後方位置に配置される収容容器Cに主根部を収穫物として送給する。
また、コンベア装置6aにて搬送される主根部は、運転操作部4にて運転を行う作業者とは別の補助作業者により、残葉の有無や品質などについて目視確認が行われる。
収容容器C内の収穫物が所定量に達すると、補助作業者は収容容器Cを載置部7へ移動し、コンベア装置6a端部に別の空の収容容器Cを配置して中継搬送部6からの収穫物を受け入れを行う。なお、図中で示す符号6bは、空の収容容器Cを載置しておくための架台である。
また、中継搬送部6には、図1に示すように、コンベア装置6aの機体後方側の側面をカバーするカバープレート6c上に補助作業者が操作する補助作業用操作部6dを設けている。
補助作業用操作部6dは、図5に示すように、停止ボタン6eとモード選択スイッチ6gと、前方送出ボタン6hと、後方送出ボタン6iとを供えている。図中符号6fは補助作業者が把持する把持ハンドルであり、符号6kは例えば緊急時などに根菜収穫機Aのエンジン(図示せず)を停止させるためのスイッチである。
停止ボタン6eは、コンベア装置6aを停止させるためのボタンである。また、モード選択スイッチ6gは、次に説明する載置部7にて収穫物を収容した収容容器Cの分配方法を選択するためのスイッチであり、空きスペースに自動で収容容器Cを載置する自動分配モードや、補助作業者が任意で載置場所を指定する指定分配モード、収穫物を収容した収容容器Cを逐次機体後方に荷下ろししながら収穫作業を行うための後方送出モード、及び何れのモードも選択しないOFF状態を選択可能としている。また、前方送出ボタン6h及び後方送出ボタン6iは、上述のモード選択スイッチ6gにて指定分配モードを選択した時に使用するボタンである。なお、これら各モードを選択した際の動作等については、後に図面を用いて詳説する。
載置部7は、図1に示すように、機体フレーム3の右側にて係合部7aを介して上下回動可能に連結された前後に長手に形成しており、収穫物を収容した収容容器を載置する部位である。なお、この載置部7は、非作業時には、係合部7aを中心に上向きに回動させることにより走行機体が占有するスペースを減少させることができる。
また、本実施形態に係る根菜収穫機Aにおいて載置部7は、大まかに3つの部位に大別され、中継搬送部6の終端部に近接させて配置され所定量の収穫物が収容された収容容器Cを受け入れる収容容器受入体20と、収容容器受入体20から前方へ伸延させて形成した前半部載置体21と、収容容器受入体20から後方へ伸延させて形成した後半部載置体22とを具備しており、収穫物が収容された収容容器Cを整列させて配置可能に構成している。
上述のような一連の流れで圃場に植生している根菜の収穫が行われるのであるが、本実施形態に係る根菜収穫機Aは、その特徴の一つとして、中継搬送部6の後方でかつ後半部載置体22の内側方に位置する走行機体上に、補助作業者が搭乗するための搭乗スペースSを設けている。
具体的には、機体フレーム3を構成する左右方向に向けて配設された後部フレーム3aから機体後方へ向けて複数の支持梁体23を伸延させ、同支持梁体23上に踏板24を敷設し、さらに踏板24上に補助席25を配設して補助作業者が搭乗可能に構成している。
特に、補助席25と後半部載置体22との間には昇降スペースTを設けており、補助作業者が速やかに機体後方へ降りることを可能としている。
したがって、補助作業者は、収容容器Cに収容された収穫物の収納状態の視認を容易に行うことができる。すなわち、前述した従来の根菜収穫機では、補助作業者の搭乗する場所が載置部の上部に設けられていたため、補助作業者自身が邪魔になって一部の収容容器内の視認が困難となっていたが、本実施形態に係る根菜収穫機Aによれば、補助作業者自らが死角を生む原因となることを防止でき、載置部7上に配置した収容容器C内の収穫物を容易に見渡すことができる。また、収穫部5と中継搬送部6と載置部7を万遍なく視認することができる。
また、中継搬送部6と載置部7の位置関係がT字状となり、収容容器受入体20から前方に位置する前半部載置体21と、後方に位置する後半部載置体22とに収容容器を分別することも可能となる。
また、収容容器より収穫物が圃場上にこぼれたりした場合には、機体から速やかに降りて対応することができる。
本実施形態に係る根菜収穫機Aは、中継搬送部6や載置部7と補助作業者が搭乗する搭乗スペースSとの位置関係に特徴を有してるが、更に載置部7にも特徴を有している。具体的には、収穫物を収容した収容容器Cを載置部7へ移動させると、前半部載置体21や後半部載置体22へ自動で分配する機能を有している。そこで次に、載置部7の構成やその制御について更に具体的に説明する。
図6は載置部7の構成を示した斜視図であり、図7は載置部7の一部構成を省略して示した平面図及び一部透視した側面図である。先にも述べたが載置部7は、収容容器受入体20と、前半部載置体21と、後半部載置体22との3つの部位で構成している。
具体的には、機体フレーム3に連結させて係合部7aを構成する係止部26を備え機体の前後方向に伸延する載置部主フレーム27と、同載置部主フレーム27に対して所定間隔(収容容器の幅と略同幅)を隔てて略平行に配設した載置部副フレーム28との間に前梁29と、2本の仕切梁30a及び30bと、後梁31とを架設して載置部フレーム体32を構成している。
そして、載置部フレーム体32の仕切梁30aと仕切梁30bとの間に形成された空間に、収穫物を収容した収容容器の受け入れを行って前半部載置体21又は後半部載置体22へ移送するための構成を備えた受入構造体33を配設して収容容器受入体20を構成している。
また、載置部フレーム体32の前梁29と仕切梁30aとの間に形成された空間に、収容容器受入体20によって前方へ移送された収容容器を載置するための前方載置構造体34を配設して前半部載置体21とする一方、仕切梁30bと後梁31との間に形成された空間に、後方へ移送された収容容器を載置するための後部載置構造体35を配設し、後梁31の更に後方にスロープ板36を取り付けて後半部載置体22を構成している。
収容容器受入体20は、収穫物が所定量に達した収容容器を載置部7に載置するに際して受け入れを行う部位であり、受け入れた収容容器を前半部載置体21又は後半部載置体22へ自動搬送する機能を有している。
図6及び図7に示すように、収容容器受入体20の機能部分である受入構造体33は、収容容器の収容容器受入体20への受入を検出する受入検出機構37と、収容容器の受入を検出すると駆動して同収容容器を前半部載置体21又は前半部載置体21へ移動させる仕分コンベア38と、同仕分コンベア38を駆動させるためのコンベア駆動部39とを備えている。なお、図中に示す符号40は、収容容器受入体20に収容容器を受け入れる際の移動を円滑とするためのローラである。
図8は受入検出機構37の構成を示した説明図である。図8に示すように受入検出機構37は、収容容器Cが収容容器受入体20に受け入れられた際に当接する平面視略U字状の当接片50と、同当接片50より下方へ向けて伸延する押下片51と、載置部副フレーム28と押下片51とに係止させて当接片50を上方に付勢する弾性体52と、後述の作業コントローラ60に電気的に接続された受入検出スイッチ53とを備えている。
そして、収容容器受入体20への収容容器Cの受け入れに伴い、収容容器Cが補助作業者により破線で示す位置まで移動させられると、収容容器Cが当接片50に当接して矢印で示す方向へ当接片回動軸54を中心として回動し、弾性体52の弾性力に抗して押下片51が押し下げられる。
押下片51の下方位置には、受入検出スイッチ53をON/OFFさせるアーム55を配設しており、押下片51が下降することにより、アーム55が回動し、受入検出スイッチ53がON状態となり、作業コントローラ60において収容容器受入体20に収容容器Cが受け入れられたことを検出可能としている。
仕分コンベア38は、図9に示すようにコンベア駆動軸41とコンベア従動軸43とを備えており、同コンベア駆動軸41及びコンベア従動軸43は、収容容器Cの幅よりもやや広い幅を隔てて配置している。
また、コンベア駆動軸41には2つの駆動スプロケット42を配設する一方、コンベア従動軸43には2つの従動スプロケット44が配設されており、各駆動スプロケット42と従動スプロケット44との間には、無端状のチェン45を巻回させている。
また、駆動スプロケット42と従動スプロケット44との間に掛け回した2本のチェン45の間には、同チェン45の長さを二分する位置に2つの容器押出体46を架設している。この容器押出体46は、収容容器を前半部載置体21又は後半部載置体22へ搬送する際に、収容容器の壁部に当接させて押し出すための部材である。
容器押出体46は、収容容器に当接させる当接バー46aと、同当接バー46aをチェン45に固定するための取付ブラケット46bとを有し、チェン45の回動と共に移動するよう構成している。
また、コンベア駆動軸41の端部にはチェン45を駆動させるための動力を入力する入力スプロケット47を配設している。
この入力スプロケット47は、コンベア駆動部39にて生起された動力が出力される出力スプロケット48に噛合させている。
コンベア駆動部39は、図示しない電源装置及び後述の作業コントローラ60に電気的に接続されたモータ56と、同モータ56にて生起された回転の速度を変速する変速機構57とを備えており、同変速機構57には前述の入力スプロケット47に動力を入力するための出力スプロケット48を配設している。
また、作業コントローラ60による制御に伴い、モータ56に通電が行われると、変速機構57を介して入力スプロケット47に動力が伝達され、コンベア駆動軸41を回動させてチェン45を回転させ、容器押出体46が移動するよう構成している。
そして収容容器受入体20は、このような構成を備えることにより、収容容器受入体20に受け入れられた収容容器Cは、受入検出機構37によって検知され、後述の作業コントローラ60を介してモータ56に通電が行われ、仕分コンベア38が駆動し、容器押出体46が移動して収容容器Cを前半部載置体21又は後半部載置体22のいずれかに押し出すこととなる。
なお、仕分コンベア38の回動方向は、モータ56に供給される電力の極性を変更し正転又は逆転させることにより切換が行われる。本実施形態に係る根菜収穫機Aでは、モータ56を正転させた場合、実線の矢印で示す方向(以下、前方搬送方向ともいう。)に回動し、モータ56を逆転させた場合、破線の矢印で示す方向(以下、後方搬送方向ともいう。)に回動する。また、チェン45に配設された容器押出体46が、収容容器受入体20に受け入れられた収容容器Cと干渉しない位置となっている仕分コンベア38の状態、すなわち図9に示すような位置に容器押出体46が配されている仕分コンベア38の状態を、以下の説明において受入待機状態と称し、この時の容器押出体46の位置を受入待機位置と称する。
次に前半部載置体21及び後半部載置体22について説明する。図6及び図7に示すように前半部載置体21は、載置部主フレーム27と載置部副フレーム28、前梁29、仕切梁30aで囲まれる領域に前方載置構造体34を配置して構成している。本実施形態において前半部載置体21は、機体の前後方向に2つの収容容器Cを配置できるような長さに構成しており、収容容器受入体20における前方の載置位置を第1載置位置P1、後方の載置位置を第2載置位置P2としている。
前方載置構造体34は、載置部主フレーム27に沿って前梁29及び仕切梁30a間に架設した左載置板60Lと、載置部副フレーム28に沿って前梁29及び仕切梁30a間に架設した右載置板60Rと、左右載置板60L,60Rに間隙を設けて前梁29及び仕切梁30a間に架設した中央載置板60Cとを備えている。図中符号62は、各載置板を補強するための補強梁である。
左載置板60Lと中央載置板60Cとの間に設けた間隙や、右載置板60Rと中央載置板60Cとの間に設けた間隙には、前半部載置体21に搬入された収容容器Cの底部に当接可能に配置した複数のローラ61を設けており、前半部載置体21において収容容器Cが機体の前後方向へ円滑に移動できるよう構成している。
また、第1載置位置P1及び第2載置位置P2の中央載置板60Cには、収容容器Cの存在又は不存在を検出する空き領域検出手段としての容器検出機構63をそれぞれ設けている。
容器検出機構63は、図10に示すように、中央載置板60Cの裏面に容器検出機構63の取付を行うための枠体64と、中央載置板60Cに設けた孔部65(図6参照)より中央載置板60C上に露出させて収容容器Cに当接させる容器当接片66と、同容器当接片66を孔部65より露出させる方向に付勢する当接片用付勢体67(図7参照)と、後述の作業コントローラ60に電気的に接続された載置検出スイッチ68とを備えている。
また、容器当接片66には、載置検出スイッチ68のON/OFFを操作するスイッチアーム68aの上方に伸延させて形成した押下片66aが備えられている。なお、図中69は、枠体64に載置検出スイッチ68を取り付けるためのスイッチ支持ブラケットである。
そして、第1載置位置P1又は第2載置位置P2に収容容器Cが配置されると、この配置された収容容器Cによって容器当接片66が当接片用付勢体67の弾性力に抗して当接体回動軸70を中心に回動しつつ押し下げられ、押下片66aがスイッチアーム68aを押下して載置検出スイッチ68がON状態となり、作業コントローラ60において第1載置位置P1や第2載置位置P2に収容容器Cが載置されたことを検出可能としている。以下、第1載置位置P1の容器検出機構63に配設された載置検出スイッチ68を載置検出スイッチ68aとも言い、第2載置位置P2の容器検出機構63に配設された載置検出スイッチ68を載置検出スイッチ68bとも言う。
後半部載置体22は、図6及び図7に示すように、載置部主フレーム27と載置部副フレーム28、仕切梁30b、後梁31で囲まれる領域に後部載置構造体35を配置し、後梁31の後方にスロープ板36を配設して構成している。本実施形態において後半部載置体22もまた機体の前後方向に2つの収容容器Cを配置できるような長さに構成しており、収容容器受入体20における前方の載置位置を第3載置位置P3、後方の載置位置を第4載置位置P4としている。
後部載置構造体35は、載置部主フレーム27に沿って仕切梁30b及び後梁31間に架設した左載置板71Lと、載置部副フレーム28に沿って仕切梁30b及び後梁31間に架設した右載置板71Rと、左右載置板71L,71Rに間隙を設けて仕切梁30b及び後梁31間に架設した中央載置板71Cとを備えている。
また、後部載置構造体35には、前方載置構造体34と同様に複数のローラ61を設けており、後半部載置体22において収容容器Cが機体の前後方向へ円滑に移動できるよう構成している。
後梁31の後方に配設されるスロープ板36は、載置部7に載置されている収容容器Cを地面に円滑に荷下ろしするための部位であり、図6で示すように後半部載置体22と面一となった水平な状態と、後梁31に配設された回動部31aを中心に前高後低に傾斜する状態とで切換可能としている。なお、後梁31には、このスロープ板36の傾斜状態を検出するスロープ板傾斜状態検出スイッチ36aを配設している。このスロープ板傾斜状態検出スイッチ36aは作業コントローラ60に電気的に接続されており、スロープ板36が水平状態でOFF、傾斜状態でONとなることで、作業コントローラ60によりスロープ板36の状態を検出可能としている。
また、第3載置位置P3の中央載置板71C及び第4載置位置P4のスロープ板36には、収容容器Cの存在又は不存在を検出する空き領域検出手段としての容器検出機構63がそれぞれ設けられており、作業コントローラ60において第3載置位置P3や第4載置位置P4に収容容器Cが載置されたことを検出可能としている。以下、第3載置位置P3の容器検出機構63に配設された載置検出スイッチ68を載置検出スイッチ68cとも言い、第4載置位置P4の容器検出機構63に配設された載置検出スイッチ68を載置検出スイッチ68dとも言う。
次に、作業コントローラ60の構成について説明する。図11に示すように、前述の中継搬送部6に設けられたモード選択スイッチ6gや、後梁31に配設されたスロープ板傾斜状態検出スイッチ36a、収容容器受入体20の受入検出機構37に備えられた受入検出スイッチ53、第1載置位置P1〜第4載置位置P4の容器検出機構63に備えられた載置検出スイッチ68a〜68d、コンベア駆動部39のモータ56は、機体の所定箇所に設けられた作業コントローラ60に電気的に接続されている。なお、作業コントローラ60は、機体全体の制御統括を行う役割を担うものであり、運転席8に配設されている操向レバー、作業操作レバーなど、その他多くの装置類も接続されているが、ここでは理解を容易とするためにこれらの記載は省略している。
さらに、作業コントローラ60には、CPUやROM、RAM等が備えられている。CPUは、ROMなどに予め記憶されているプログラムに従って、前述の各スイッチから入力される信号に基づき、モータ56への電力供給を制御しつつ動作させて、自動分配モードや指定分配モード、後方送出モードの処理を実行する。
また、RAMは一時記憶領域領域として機能するものであり、プログラムを実行する上で必要な変数や各種フラグの値などを記憶する。このRAMに記憶される値としては例えば、モード選択スイッチ6gの切換位置が何れであるかを示す値や、スロープ板傾斜状態検出スイッチ36a、受入検出スイッチ53、載置検出スイッチ68a〜68d、前方送出ボタン6h、後方送出ボタン6iのON/OFF状態を示す値などがある。すなわち、CPUは所定間隔毎にこれらのスイッチの状態の監視を行い、そのスイッチの状態に応じた値をRAMの所定アドレスに書き込んでいる。
次に、収容容器受入体20にて収容容器Cを前半部載置体21又は後半部載置体22へ分配するに際し作業コントローラ60にて実行される処理(以下、分配処理という。)について図12〜図15を参照しつつ説明する。作業コントローラ60にて実行される分配処理は、根菜収穫機Aの機体制御や作業者の操作応答などの機体全体を統括する処理(以下、メインルーチンという。)の一部として実行される。なおここでは、分配処理について具体的に説明し、メインルーチンにおけるその他の各種処理についての説明は省略する。
図12に示すように分配処理では、まずCPUはRAMの所定アドレスを参照し、収容容器受入体20の受入検出機構37に配設した受入検出スイッチ53がONであるか否かについて判断を行う(ステップS11)。ここで受入検出スイッチ53がONではないと判断した場合(ステップS11:No)には、CPUは処理を分岐前のアドレスに戻す。一方、受入検出スイッチ53がONであると判断した場合(ステップS11:Yes)には、CPUは処理をステップS12へ移す。
ステップS12においてCPUは、RAMの所定アドレスを参照し、補助作業用操作部6dのモード選択スイッチ6gがOFFであるか否かについて判断を行う。ここでモード選択スイッチ6gがOFFであると判断した場合(ステップS12:Yes)には、CPUは処理を分岐前のアドレスに戻す。一方、モード選択スイッチ6gがOFFではないと判断した場合(ステップS12:No)には、CPUは処理をステップS13へ移す。
ステップS13においてCPUは、RAMの所定アドレスを参照し、モード選択スイッチ6gにて後方送出モードが選択されているか否かについて判断を行う。ここで後方送出モードが選択されていると判断した場合(ステップS13:Yes)には、CPUはステップS20の後方送出モード処理を実行し、その後処理を分岐前のアドレスに戻す。この後方送出モード処理については、後に図13を参照しながら説明する。一方、後方送出モードが選択されていないと判断した場合(ステップS13:No)には、CPUは処理をステップS14へ移す。
ステップS14においてCPUは、RAMの所定アドレスを参照し、モード選択スイッチ6gにて自動分配モードが選択されているか否かについて判断を行う。ここで自動分配モードが選択されていると判断した場合(ステップS14:Yes)には、CPUはステップS40の自動分配モード処理を実行し、その後処理を分岐前のアドレスに戻す。この自動分配モード処理については、後に図15を参照しながら説明する。一方、自動分配モードが選択されていないと判断した場合(ステップS14:No)には、指定分配モードが選択されているものとして、CPUはステップS30の指定分配モード処理を実行し、その後処理を分岐前のアドレスに戻す。この指定分配モード処理については、後に図14を参照しながら説明する。
次に、ステップS20の後方送出モード処理について図13を参照しながら説明する。この後方送出モード処理は、収穫物を収容した収容容器Cを逐次機体後方に荷下ろししながら収穫作業を行う場合などに使用されるモードの処理である。
後方送出モード処理においてCPUは、RAMの所定アドレスを参照して、後半部載置体22の後梁31に配設したスロープ板傾斜状態検出スイッチ36aがONであるか否かについて判断を行う(ステップS21)。ここでスロープ板傾斜状態検出スイッチ36aがONであると判断した場合(ステップS21:Yes)には、CPUは処理をステップS22へ移す。一方、スロープ板傾斜状態検出スイッチ36aがONではないと判断した場合(ステップS22:No)には、CPUは処理を分岐前のアドレスに戻す。
ステップS22においてCPUは、モータ56を逆転させ、収容容器受入体20上に載置されている収容容器Cを仕分コンベア38により後半部載置体22へ移動させる。そして、容器押出体46が受入待機位置となった時にモータ56を停止させ仕分コンベア38を受入待機状態とし、その後分岐前のアドレスに処理を戻す。
次に、ステップS30の指定分配モード処理について図14を参照しながら説明する。この指定分配モード処理は、収穫物が収容された収容容器Cの載置場所を、前半部載置体21又は後半部載置体22のいずれかに補助作業者が任意で指定して分配するモードの処理である。
指定分配モード処理においてCPUは、RAMの所定アドレスを参照して、補助作業用操作部6dの前方送出ボタン6hが押下されているか否かについて判断を行う(ステップS31)。ここで前方送出ボタン6hが押下されていると判断した場合(ステップS31:Yes)には、CPUは処理をステップS32へ移す。
ステップS32においてCPUは、RAMの所定アドレスを参照し、前半部載置体21の第1載置位置P1及び第2載置位置P2に配設している容器検出機構63の載置検出スイッチ68がOFFであるか否か、すなわち、第1載置位置P1又は第2載置位置P2に収容容器Cを受け入れる空き領域が存在するか否かについて判断を行う。ここで載置検出スイッチ68がOFFであると判断した場合(ステップS32:Yes)には、CPUは処理をステップS33へ移す。一方、載置検出スイッチ68がOFFではないと判断した場合(ステップS32:No)には、CPUは処理を分岐前のアドレスに戻す。
ステップS33においてCPUは、モータ56を正転させ、収容容器受入体20上に載置されている収容容器Cを仕分コンベア38により前半部載置体21へ移動させる。そして、容器押出体46が受入待機位置となった時にモータ56を停止させ仕分コンベア38を受入待機状態とし、その後分岐前のアドレスに処理を戻す。なお、容器押出体46が受入待機位置であるか否かの判断(仕分コンベア38が受入待機状態であるか否かの判断)については、例えば、コンベア従動軸43にロータリーエンコーダを配設し、作業コントローラ60と接続することで押出体位置検出手段を構築するなど、光学的、電気的、機械的な公知の検出手段により行うようにしても良い。
ステップS31の説明に戻り、同ステップS31において前方送出ボタン6hが押下されていないと判断した場合(ステップS31:No)には、CPUは処理をステップS34へ移す。
ステップS34においてCPUは、RAMの所定アドレスを参照し、補助作業用操作部6dの後方送出ボタン6iが押下されているか否かについて判断を行う。ここで後方送出ボタン6iが押下されていると判断した場合(ステップS34:Yes)には、CPUは処理をステップS35へ移す。一方、後方送出ボタン6iが押下されていないと判断した場合(ステップS34:No)には、CPUは処理を分岐前のアドレスに戻す。
ステップS35においてCPUは、RAMの所定アドレスを参照し、後半部載置体22の第3載置位置P3及び第4載置位置P4に配設している容器検出機構63の載置検出スイッチ68がOFFであるか否か、すなわち、第3載置位置P3又は第4載置位置P4に収容容器Cを受け入れる空き領域が存在するか否かについて判断を行う。ここで載置検出スイッチ68がOFFであると判断した場合(ステップS35:Yes)には、CPUは処理をステップS36へ移す。一方、載置検出スイッチ68がOFFではないと判断した場合(ステップS35:No)には、CPUは処理を分岐前のアドレスに戻す。
ステップS36においてCPUは、モータ56を逆転させ、収容容器受入体20上に載置されている収容容器Cを仕分コンベア38により後半部載置体22へ移動させる。そして、容器押出体46が受入待機位置となった時にモータ56を停止させ仕分コンベア38を受入待機状態とし、その後分岐前のアドレスに処理を戻す。
次に、ステップS40の自動分配モード処理について図15を参照しながら説明する。この自動分配モード処理は、収穫物が収容された収容容器Cを、前半部載置体21又は後半部載置体22のいずれかの空きスペースに自動で分配するモードの処理である。
自動分配モード処理においてCPUは、RAMの所定アドレスを参照し、前半部載置体21の第1載置位置P1及び第2載置位置P2に配設している容器検出機構63の載置検出スイッチ68がOFFであるか否か、すなわち、第1載置位置P1又は第2載置位置P2に収容容器Cを受け入れる空き領域が存在するか否かについて判断を行う(ステップS41)。ここで載置検出スイッチ68がOFFであると判断した場合(ステップS41:Yes)には、CPUは処理をステップS42へ移す。
ステップS42においてCPUは、モータ56を正転させ、収容容器受入体20上に載置されている収容容器Cを仕分コンベア38により前半部載置体21へ移動させる。そして、容器押出体46が受入待機位置となった時にモータ56を停止させ仕分コンベア38を受入待機状態とし、その後分岐前のアドレスに処理を戻す。
ステップS41の説明に戻り、同ステップS41において載置検出スイッチ68がOFFではないと判断した場合(ステップS41:No)には、CPUは処理をステップS43へ移す。
ステップS43においてCPUは、RAMの所定アドレスを参照し、後半部載置体22の第3載置位置P3及び第4載置位置P4に配設している容器検出機構63の載置検出スイッチ68がOFFであるか否か、すなわち、第3載置位置P3又は第4載置位置P4に収容容器Cを受け入れる空き領域が存在するか否かについて判断を行う。ここで載置検出スイッチ68がOFFであると判断した場合(ステップS43:Yes)には、CPUは処理をステップS44へ移す。一方、載置検出スイッチ68がOFFではないと判断した場合(ステップS43:No)には、CPUは処理を分岐前のアドレスに戻す。
ステップS44においてCPUは、モータ56を逆転させ、収容容器受入体20上に載置されている収容容器Cを仕分コンベア38により後半部載置体22へ移動させる。そして、容器押出体46が受入待機位置となった時にモータ56を停止させ仕分コンベア38を受入待機状態とし、その後分岐前のアドレスに処理を戻す。
このように、作業コントローラ60では、上述したような処理が実行されることとなる。
そして、本実施形態に係る根菜収穫機Aによれば、補助作業者がモード選択スイッチ6gで動作を選択し、収穫物を収容した収容容器Cを収容容器受入体20へ移動させることにより、次のような動作が実現されることとなる。
すなわち、補助作業者がモード選択スイッチ6gにより自動分配モードを選択している場合には、第1載置位置P1又は第2載置位置P2に空き領域が存在すれば、収容容器Cは、前半部載置体21へ移動させられる。このとき、第1載置位置P1が空き領域で第2載置位置P2には既に別の収容容器Cが載置されている場合には、既に載置されていた収容容器Cを第1載置位置P1へ押し退けつつ移動が行われる。
第1載置位置P1又は第2載置位置P2に空き領域が存在せず、第3載置位置P3又は第4載置位置P4に空き領域が存在する場合には、収容容器Cは、後半部載置体22へ移動させられる。第1載置位置P1〜第4載置位置P4の何れも空き領域が存在しない場合には、収容容器Cの移動は行われず、収容容器受入体20上に載置されたままとなる。
また、補助作業者がモード選択スイッチ6gにより指定分配モードを選択している場合には、前方送出ボタン6h又は後方送出ボタン6iを押下することにより、前半部載置体21又は後半部載置体22へ任意に収容容器Cを移動させることができる。ただし、押下した送出ボタン6h,6iの載置体21,22上に空き領域がない場合には、収容容器Cの移動は行われず、収容容器受入体20上に載置されたままとなる。
また、補助作業者がモード選択スイッチ6gにより後方送出モードを選択している場合には、予めスロープ板36を前高後低の傾斜状態としておくことにより、後半部載置体22への収容容器Cの移動が行われる。
このとき、第3載置位置P3及び第4載置位置P4上に既に収容容器Cが載置されている場合には、収容容器受入体20により移動させられた収容容器Cにより、第4載置位置P4に載置されていた収容容器Cが圃場上に押し出され、載置されることとなる。すなわち、圃場上に次々と収容容器Cが配置されていくこととなる。
上述してきたように、本実施形態に係る根菜収穫機Aによれば、自走可能とした走行機体の一側部に、圃場の根菜作物を引き抜きながら後方へ移送する収穫部を配設する一方、走行機体の他側部に、収穫した根菜作物を収容容器に収容して載置する載置部を配設し、収穫部と載置部との間には収穫した根菜作物を中継搬送する中継搬送部を配設した根菜収穫機において、載置部は、中継搬送部の終端部に近接させて配置して収容容器を受け入れる収容容器受入体と、収容容器受入体から前方へ伸延させて形成した前半部載置体と、収容容器受入体から後方へ伸延させて形成した後半部載置体とを具備し、中継搬送部の後方でかつ後半部載置体の内側方に位置する走行機体上には、補助作業者が搭乗するための搭乗スペースを設けたため、収穫部と中継搬送部と載置部を万遍なく視認することができ、しかも、速やかに下車したり搭乗することが可能な根菜収穫機を提供することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。