JP5718602B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
上記のように、機体停止状態で刈取クラッチを入り操作するための掻き込み操作手段を備えたコンバインとしては、従来より下記[1]に記載のものが知られている。
〔解決手段1〕
操縦部パネルとして、操縦座席の横側方に位置させたサイドパネルと、操縦座席の前方側に位置させたフロントパネルとを備え、
前記サイドパネル上に走行変速レバーを配備し、前記フロントパネルにステアリングレバーを配備するとともに、
前記走行変速レバーが配備された箇所よりも前方側で、かつ前記ステアリングレバーが配備された箇所よりも前記走行変速レバーが配備された箇所寄りの操縦部パネル上に、
入り状態にすると、機体の前進状態では刈取装置と脱穀装置とを共に駆動させ、かつ穀稈受け止め体を脱穀フィードチェーンの搬送作用領域から引退した作用解除位置に操作して、刈取茎稈が前記脱穀フィードチェーンの搬送始端部に供給されるところの刈取脱穀作業を行うに適した作動形態にし、機体の停止状態では前記脱穀装置を駆動させながら前記刈取装置の駆動は停止させ、かつ前記穀稈受け止め体を前記脱穀フィードチェーンの搬送作用領域へ突入させた作用位置に操作して、前記脱穀フィードチェーンの搬送始端部から刈取茎稈を浮かせて受け止め支持するところの枕扱ぎ作業を行うに適した作動形態にする統合スイッチと、
入り状態にすると、機体の停止状態で駆動停止されている前記刈取装置を駆動状態とする掻き込み指令用の押し操作具とを配設してあり、
前記統合スイッチは、前記サイドパネルの前部で、かつエンジン回転数や燃料残量などの各種の情報を表示するための液晶表示装置が配設されている箇所よりも前記操縦座席に近い側で前記液晶表示装置に隣り合う状態に位置している。
上記解決手段1で示した構成によると、機体停止状態で刈取クラッチを入り操作するための掻き込み操作手段として掻き込み指令用の押し操作具が、走行変速レバーが配備された箇所よりも前方側で、かつステアリングレバーが配備された箇所よりも前記走行変速レバーが配備された箇所寄りの操縦部パネル上という、操縦座席に搭座した運転者が前方を向いた運転姿勢での視野に入りやすい位置に配備されている。
そして、その位置にある掻き込み指令用の押し操作具は、走行変速などによって位置が変化しない一定の位置に配備されているので、操作の必要時に迅速に操作し易いという利点がある。
上記課題を解決するために講じた本発明におけるコンバインの他の技術手段は、前記掻き込み指令用の押し操作具は、前記フロントパネルに配設されていることを特徴とする。
〔コンバインの全体構造〕
図1にコンバインの全体側面が示されている。このコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1L、1Rを機体フレーム10の下部に備え、前記走行装置1L、1Rの駆動により走行機体1が走行自在に構成されている。
前記走行機体1の前部に、昇降操作自在でかつ圃場の植立穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈を後方に搬送する3枠4条刈りの刈取処理装置3が設けられ、機体フレーム10上に、前記刈取処理装置3で刈り取られた穀稈を受け取って脱穀および選別処理する脱穀装置4と、脱穀装置4で脱穀および選別処理することにより得られた穀粒を貯留する穀粒タンク5とが搭載されるとともに、穀粒タンク5の前方箇所の走行機体1上に搭乗運転部2が形成されている。
この穀稈受け止め体18は、上端縁が刈取り穀稈を下側から受け止め支持するように配設された板状体によって構成してあり、前記受け止め支持する状態に切り換えると、機体の走行停止状態で、穀稈受け止め体18の上端縁に搭載した穀稈を手動で脱穀フィードチェーン4Aに対して送り込む枕扱ぎ作業を行うことができる。機体を走行させての通常の刈取脱穀作業を行う際には、この穀稈受け止め体18は脱穀フィードチェーン4Aの搬送始端部よりも下方側へ引退した状態に切換えておく。
次に、このコンバインの伝動構造について説明する。
図3及び図4に示すように、エンジンEの動力が伝動ベルト14及び伝動プーリ15を介して走行変速用の静油圧式無段変速装置7(走行変速装置に相当する)に伝達され、この静油圧式無段変速装置7からの変速出力は、ミッションケース9内の図示しない変速機構を経由して、走行装置1R、1Lの夫々に伝達されている。
エンジンEの動力は、脱穀クラッチ11を介して脱穀装置4に伝達され、脱穀クラッチ11には、その入り切り状態を検出する脱穀センサ11aが付設されている。
又、刈取処理装置3に対しては、前記静油圧式無段変速装置7の入力軸を兼ねる伝動軸16からの動力が伝達されるように、伝動ベルト13、及び刈取クラッチ12を介して刈取処理装置3に伝達され、刈取クラッチ12には、その入り切りを検出する刈取センサ12aが付設されている。
また、前記ミッションケース9の内部には、前記静油圧式無段変速装置7の出力軸(図示せず)からの変速出力を、高低変速操作して走行装置1R、1Lに伝達するためのギヤ変速機構で構成される副変速装置(図外)も配備されている。
前記主変速レバー21による変速操作は、図4に示すように、主変速レバー21の操作によって静油圧式無段変速装置7のポンプ斜板角を変更して静油圧式無段変速装置7からの出力を変速操作するように構成してあり、ステアリングレバー22による操向操作は、ステアリングレバー22の右旋回操作及び左旋回操作をポテンショメータ22aで検出して、ミッションケース9の変速機構内に備えられた図示しない旋回操作機構により、左右の走行装置1L,1Rを各別に制御して機体操向操作を行えるように構成してある。
図5及び図6に示すように、搭乗運転部2には、運転部フロア2a上で操縦者が搭座する操縦座席20を備えるとともに、その操縦座席20の左横側部に位置する側部操縦塔41と前記操縦座席20の前方側に立設してある前部操縦搭42とで構成される操縦塔40を備えてある。
前記操縦搭40の上面側には、前記操縦座席20の前方及び左横側部にわたる操縦部パネル30を設けてあり、この操縦部パネル30は、前記側部操縦塔41の上面に設けたサイドパネル31と、前記前部操縦塔42の上面に設けたフロントパネル32とを備えて構成されている。
前記主変速レバー21の操作領域に対して前記操縦座席20から遠い側の横側部に相当する箇所には、前記ミッションケース9内のギヤ変速機構で構成される副変速装置(図外)を高低変速操作するための副変速レバー23が設けられている。前記主変速レバー21及び副変速レバー23よりも後方側には、エンジン回転数を人為的に高低変更するためのアクセルレバー24を設けてある。また、このサイドパネル31の前記主変速レバー21及び副変速レバー23よりも後方側で、前記アクセルレバー24よりも前記操縦座席20から遠い側には、オートクラッチボタン25が設けられている。
前記オートクラッチ制御モードでは、走行機体1の走行中における通常の刈取作業状態で刈取クラッチ12が入り状態であるときに、刈取処理装置3が所定高さ以上に上昇すると、その動作に連係して刈取クラッチ12が切り操作される。逆に、その状態から刈取処理装置3が所定高さよりも低い高さにまで下降操作されると、その動作に連係して刈取クラッチ12が再び入り操作される。前記刈取処理装置3が所定高さ以上に上昇したか否かは、走行機体1に対する刈取り部フレーム3aの昇降揺動角度を、ポテンショメータで構成された高さ検出センサ38によって検出し、その検出信号に基づいて後述する制御装置100で判断するように構成されている。
前記オートクラッチ解除モードでは、刈取処理装置3の昇降動作と刈取クラッチ12の入り切り操作との連係関係が絶たれるので、刈取クラッチ12の入り切り作動は、刈取処理装置3の所定高さ以上の昇降動作に関係しなくなる。
前記統合スイッチ26は、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ11とを、機体を走行させながらの通常の刈取脱穀作業を行うに適した作動形態と、機体を停止させての枕扱ぎ作業を行うに適した作動形態とに、ワンタッチ操作で切り換えることができるようにするためのものであり、ワンタッチでの押し操作の度にオン・オフ状態が交互に切り換えられるプッシュオン・プッシュオフ形式の押しボタンスイッチを用いて構成してある。押し操作されて入り状態であることが検出されると、図4に示すマイクロコンピュータからなる制御装置100のモータ制御手段102に制御開始信号を入力するものである。
前記液晶表示装置28は、エンジン回転数や燃料残量など、各種の情報を表示するためのものである。
この掻き込みボタン27は、操縦座席20の左右中心の直前方で、かつ操縦座席20に搭座した状態で後述する門形の手摺り43の下から見える位置のフロントパネル32の左右中央部における後部に配設してあり、ステアリングレバー22を握った手とは反対側の手で後述する門形の手摺り43の下側で操作し易い位置に設けられている。
この掻き込みボタン27は、機体停止状態でも刈取クラッチ12の入り操作を可能にし
て、刈取クラッチ12による刈取穀稈の刈取搬送と、脱穀クラッチ11の入り状態での脱穀駆動を可能にするためのものであり、ワンタッチでの押し操作の度にオン・オフ状態が交互に切り換えられるプッシュオン・プッシュオフ形式の押しボタンスイッチを用いて構成してある。
この掻き込みボタン27が押し操作されて入り状態であることが検出されると、後述するマイクロコンピュータからなる制御装置100のモータ制御手段102に対して強制掻き込み開始信号を入力し、再度押し操作されて切り状態であることが検出されると強制掻き込み終了信号を入力するものである。
この前照灯45は、図6及び図7に示すように、前部操縦塔42の前壁を構成する前面パネル44に形成された上下一対の凹部46と、その各凹部46の夫々に嵌め込み状態に装着された一対の光源ランプ47とを備えて構成されている。
前記凹部46には、同一仕様に構成されている各光源ランプ47への導電用ハーネス47aを通すための透孔46aが内奥側の上半部に形成されているとともに、各光源ランプ47を凹部46内に固定するように、光源ランプ47の上部側に備えられている取付対象箇所を左右両側から挟み込んだ状態で前面パネル44の裏側からビス48により取付固定するための止着部46bが備えられている。
そして、各光源ランプ47は個々に凹部46内の止着部46bに取付固定されることにより、個別に水平面に対する光軸L1,L2の上下方向角度を変更可能である。したがって、例えば図7に示すように、上側の光源ランプ47の光軸L1よりも下側の光源ランプ47の光軸L2が下を向くように設定して取り付けて、上側の光源ランプ47は機体進行方向の遠くを照らし、下側の光源ランプ47は機体進行方向の直前箇所を照らすようにすることができる。
このように、下側の光源ランプ47の光軸L2を下方へ向けて機体進行方向の直前箇所を照らすようにすることで、この下側の光源ランプ47を、圃場の刈取対象茎稈の株元側を明るく照射して刈取作業を行い易くするための作業灯としての役割を兼ねさせることができる。
図4はコンバインの制御系を示している。
制御装置100は、前記刈取クラッチ12や脱穀クラッチ11の入り切り作動、及び穀稈受け止め体18の作用姿勢と作用解除姿勢との切換操作を行うための、作業切換装置36を操作するように構成されている。その作業切換装置36は、電動モータ35の正逆転作動に伴って駆動されるカム体(図示せず)やカムフォロワ(図示せず)を備え、そのカム体で操作されるカムフォロワを、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ11、及び穀稈受け止め体18と連結策で連結し、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ11の入り切り作動、ならびに穀稈受け止め体18の上げ下げ操作が前記電動モータ35によるカム体の回転操作で行われるように構成してある。
つまり、図8は、作業切換装置36による脱穀クラッチ11と刈取クラッチ12との入
り切り作動、穀稈受け止め体18の位置変更操作に関するそれぞれの動作順をタイムチャートで表示している。図中左側の端部箇所が、作業切換装置36に備えられたカム体を非作業位置T1に操作している状態を示す。
この非作業位置T1では、脱穀クラッチ11と刈取クラッチ12とが共に切り状態にあり、穀稈受け止め体18は上端縁が刈取り穀稈を下側から受け止めて、脱穀フィードチェーン4Aの搬送始端部から浮かせて受け止め支持する作用位置に操作されている。
次に、制御装置100による制御作動を説明する。
前記制御装置100には、エンジン回転数を検出するエンジン回転計51の検出信号、及び燃料計52の検出信号等が入力されて、その入力された信号に基づいて所定の表示状態を得られるように液晶表示装置28に表示信号を出力するための制御プログラムが予め不揮発性メモリーに記憶された走行制御手段101として備えられている。
また、上記走行制御手段101とは別に、前記作業切換装置36の電動モータ35を正転方向あるいは逆転方向に回転駆動して、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ11、及び穀稈受け止め体18を所定の作動状態となるように制御するための制御プログラムが予め不揮発性メモリーに記憶されたモータ制御手段102を備えている。
このモータ制御手段102には、静油圧式無段変速装置7を高低変速操作する主変速レバー21の操作位置を判別するポテンショメータ21aの検出信号、前記作業切換装置36の作動を開始させるための統合スイッチ26の操作信号、及び作業切換装置36に備えられたカム体を駆動するための回転駆動軸の回転角度を検出するポテンショメータ37の検出信号、オートクラッチボタン25の操作信号、掻き込みボタン27の操作信号、刈取処理装置3が所定高さ以上に上昇したか否かを、走行機体1に対する刈取り部フレーム3aの昇降揺動角度を検出するポテンショメータで構成された高さ検出センサ38による検出信号の夫々が入力されるように構成してあり、それらの入力される各信号に基づいて前記作業切換装置36の電動モータ35の作動を制御するように構成されている。
図9に示すように、キースイッチなどによる電源投入で制御装置100のメインルーチンが起動すると、ステップ#1に示すように、イニシャルセットで、調速機構(図示せず)をアイドリング状態にし、脱穀クラッチ11及び刈取クラッチ12が切り操作状態とされ、穀稈受け止め体18は作用姿勢にされ、オートクラッチボタン25は入り状態に設定され、統合スイッチ26ならびに掻き込みボタン27は切り状態に設定される。
図10乃至図14は、前記ステップ#4でのモータ制御手段102によるモータ制御の状態を示すものである。
このモータ制御手段102による電動モータ35の制御は、次のようにして行われる。
すなわち、統合スイッチ26が押し操作されると、制御装置100が備えるメインルーチンの一部にサブルーチンとして備えられたモータ制御手段102が呼び出され、図10に示すように、まず、主変速レバー21が前進位置Fにあるか否かが判断され、前進位置Fであれば、次に刈取処理装置3の高さ位置を検出する高さ検出センサ38で、刈取処理装置3の高さを検出する。
刈取処理装置3の高さが予め設定されている所定高さ以上であれば後述するオートクラッチ制御が行われ、所定高さよりも低い場合には、作業切換装置36のポテンショメータ37により、カム体の位置を判別する(ステップ#10、#11、#12、及び#19)。
ステップ#13で、カム体の位置が、脱穀クラッチ11が入りで、刈取クラッチ12が切り状態に操作され、かつ穀稈受け止め体18が作用位置にあって枕扱ぎ脱穀作業を行う位置であるところの枕扱ぎ位置T2であると判別された場合には、前記カム体の位置が脱穀クラッチ11や刈取クラッチ12を切り状態に操作し、穀稈受け止め体18を作用位置にした、非作業位置T1であると判別された場合と同様に、電動モータ35を図8における正転方向に回転駆動する(ステップ#12、ステップ#13、及びステップ#14)。
そして、ポテンショメータ37により、カム体が、脱穀クラッチ11や刈取クラッチ12を共に入り状態に操作し、穀稈受け止め体18を解除位置にした、作業位置T3であると判別されると、電動モータ35における正転方向の回転駆動を停止する(ステップ#15、及びステップ#16)。
前記ステップ#13で、カム体の位置が、枕扱ぎ位置T2ではないと判別された場合には、カム体の位置は、脱穀クラッチ11や刈取クラッチ12が共に入り状態で、穀稈受け止め体18は解除位置にある作業位置T3であるから、そのままの状態を維持する。
刈取処理装置3の高さが予め設定されている所定高さ以上であれば後述するオートクラッチ制御が行われ、所定高さよりも低い場合には、作業切換装置36のポテンショメータ37により、カム体の位置を判別する(ステップ#21、#22、及び#29)。
掻き込みボタン27が入り操作されたことを検出すると、電動モータ35を図8における正転方向に回転駆動し、ポテンショメータ37により、カム体が脱穀クラッチ11や刈取クラッチ12を共に入り状態に操作し、穀稈受け止め体18を解除位置にした位置であるところの作業位置T3であると判別されると、電動モータ35における正転方向の回転駆動を停止する(ステップ#23、#24、#26、及び#28)。
前記掻き込みボタン27が入り操作されていないことを検出した場合には、電動モータ35を図8における正転方向に回転駆動し、ポテンショメータ37により、カム体が脱穀クラッチ11は入りで、刈取クラッチ12が切り状態に操作され、かつ穀稈受け止め体18が作用位置にある、枕扱ぎ脱穀作業を行う位置であるところの枕扱ぎ位置T2であると判別された位置で、電動モータ35における正転方向の回転駆動を停止する(ステップ#23、#25、#27、及び#28)。
カム体の位置が枕扱ぎ位置T2であると判断された場合には、次に掻き込みボタン27が押されて入り操作されたか否かを検出し、掻き込みボタン27が入り操作されていると電動モータ35を図8における正転方向に駆動する。そして、ポテンショメータ37により、カム体が脱穀クラッチ11や刈取クラッチ12を共に入り状態に操作し、穀稈受け止め体18を解除位置にした位置であるところの作業位置T3に達すると電動モータ35における正転方向の回転駆動を停止する(ステップ#31、#32、#33、及び#34)。
掻き込みボタン27が入り操作されていなければ電動モータ35を駆動せず停止状態のままとする(ステップ#31、#34)。
このときのカム体の位置は、脱穀クラッチ11と刈取クラッチ12とが共に入り状態に操作され、穀稈受け止め体18が解除位置であるところの作業位置T3であるから、掻き込みボタン27が入り操作された場合に、そのままの状態を維持すればよいので、電動モータ35は駆動せず停止状態のままとする(ステップ#35、#38)。
掻き込みボタン27が入り操作されていないと判断された場合には、電動モータ35を図8における逆転方向に駆動し、ポテンショメータ37により、カム体が脱穀クラッチ11は入りで、刈取クラッチ12が切り状態に操作され、かつ穀稈受け止め体18が作用位置にある、枕扱ぎ脱穀作業を行う位置であるところの枕扱ぎ位置T2であると判別された位置で、電動モータ35における逆転方向の回転駆動を停止する(ステップ#35、#36、#37、及び#38)。
次に、非作業位置T1であると判別された場合には、電動モータ35を図8における正転方向に回転駆動し、ポテンショメータ37により、カム体が脱穀クラッチ11は入りで、刈取クラッチ12が切り状態に操作され、かつ穀稈受け止め体18が作用位置にある、枕扱ぎ脱穀作業を行う位置であるところの枕扱ぎ位置T2であると判別された位置で、電動モータ35における正転方向の回転駆動を停止する(ステップ#40、#41、#42、及び#43)。
カム体の位置が作業位置T3であると判別された場合には、電動モータ35を図8における逆転方向に回転駆動し、ポテンショメータ37により、カム体が脱穀クラッチ11は入りで、刈取クラッチ12が切り状態に操作され、かつ穀稈受け止め体18が作用位置にある、枕扱ぎ脱穀作業を行う位置であるところの枕扱ぎ位置T2であると判別された位置で、電動モータ35における逆転方向の回転駆動を停止する(ステップ#44、#45、#46、及び#43)。
カム体の位置が作業位置T3ではないと判別された場合には、このときのカム体の位置は、脱穀クラッチ11は入りで、刈取クラッチ12が切り状態に操作され、かつ穀稈受け止め体18が作用位置にある枕扱ぎ位置T2であるから、そのままの状態を維持すればよいので、電動モータ35は駆動せず停止状態のままとする(ステップ#44、#43)。
次に統合スイッチ26が再び押し操作されてモータ制御手段102による制御を停止する切り信号が出力されたか否かを判別し、統合スイッチ26が切り操作されていなければ、このモータ制御手段102での制御を繰り返し、統合スイッチ26が切り操作されたことが判別されると上位のメインルーチンへ戻る(ステップ#17、#18)。
次に下位のサブルーチンであるオートクラッチ制御について説明する。
図14に示すように、まず、オートクラッチボタン25が切り操作されていないかを判別し、切り操作されていると判別された場合は、このオートクラッチ制御のサブルーチンを脱出して上位ルーチンへ戻る(ステップ#50)。
オートクラッチボタン25が切り操作されていないと判断されると、ポテンショメータ37により、カム体が脱穀クラッチ11や刈取クラッチ12を共に入り状態に操作し、穀稈受け止め体18を解除位置にした位置であるところの作業位置T3であるか否かを判別する(ステップ#50、#51)。
掻き込みボタン27が入り操作されていないと判断された場合には、電動モータ35を図8における逆転方向に駆動し、ポテンショメータ37により、カム体の位置が脱穀クラッチ11は入りで、刈取クラッチ12は切り状態に操作され、かつ穀稈受け止め体18が作用位置にあって、枕扱ぎ脱穀作業を行う位置であるところの枕扱ぎ位置T2であると判別された位置で、電動モータ35における逆転方向の回転駆動を停止する(ステップ#52、#53、#54、及び#55)。
カム体の位置が枕扱ぎ位置T2であると判別された場合には、次に掻き込みボタン27が押されて入り操作されたか否かを検出し、掻き込みボタン27が入り操作されていると、電動モータ35を図8における正転方向に駆動し、ポテンショメータ37により、カム体が脱穀クラッチ11や刈取クラッチ12を共に入り状態に操作し、穀稈受け止め体18を解除位置にした位置であるところの作業位置T3に達すると電動モータ35における正転方向の回転駆動を停止する(ステップ#57、#58、#59、及び#60)。
掻き込みボタン27が入り操作されていなければ、そのままの状態を維持すればよいので、電動モータ35を駆動せず停止状態のままとする(ステップ#57、#60)。この状態では、カム体は枕扱ぎ位置T2に位置している。
掻き込みボタン27が入り操作されていなければ、そのままの状態を維持すればよいので、電動モータ35を駆動せず停止状態のままとする(ステップ#61、#60)。この状態では、カム体は非作業位置T1に位置している。
主変速レバー21が前進位置Fで統合スイッチ26が入り操作されている状態でも、刈取処理装置3が上昇されてオートクラッチ制御が働き、刈取クラッチ12が切り操作された状態では、掻き込みボタン27の入り操作に伴って刈取クラッチ12が入り操作される。
統合スイッチ26が入り操作されている状態において、主変速レバー21が中立位置Nに位置しているときには、掻き込みボタン27の入り操作に伴って刈取クラッチ12の入り操作が行われるように制御される。主変速レバー21が後進位置Rに位置しているときには、刈取作業自体を行わないので掻き込みボタン27を押しても掻き込みボタン27の入り切り操作は検出しない。
図16は、コンバインによる作業形態の一例を示している。
通常、掻き込みボタン27は走行機体1が停止している状態で入り操作することにより、刈取クラッチ12を入り操作して、機体停止状態での刈取脱穀作業が可能な状態とするものであるが、次のような使い方もできる。
この図16のように、コンバインが畦側から傾斜面を降りながら圃場端近くの稲を刈り取るような場合、走行機体1に対して刈取処理装置3を相対的に上昇させると、オートクラッチ制御が働くことによって、刈取クラッチ12が切り作動してしまうが、このときに掻き込みボタン27を入り操作することで刈取脱穀作業を続行することができる。
操縦座席20周りでの走行変速レバーとしての主変速レバー21と、操縦操作具としてのステアリングレバー22と、掻き込みボタン27との配置関係としては、実施の形態で説明した構造に限らず、次のように構成することもできる。
図15に示すように、操縦部パネル30として、操縦座席20の横側方に位置させたサイドパネル31と、操縦座席20の前方側に位置させたフロントパネル32とを備え、サイドパネル31上で操縦座席20に搭座する操縦者が把持し易い位置に主変速レバー21を配備し、フロントパネル32の右側端部にステアリングレバー22を配備してある。
そして、掻き込みボタン27は、前述した実施形態のようにフロントパネル32上にではなく、サイドパネル31上で、前記主変速レバー21よりも前方側に配備されている。
掻き込み指令用の操作具としては、上述した各実施形態で示したような、ワンタッチでの押し操作の度にオン・オフ状態が交互に切り換えられるプッシュオン・プッシュオフ形式の押しボタンスイッチからなる掻き込みボタン27に限らず、例えば、トグル式に2位置を切換え可能なボタンスイッチや、タッチパネルへの接触によってスイッチの入り切りが行われる構造のものなど、ワンタッチでの操作で操作可能な適宜の構造のものを採用してもよい。
2 搭乗運転部
3 刈取処理装置
4 脱穀装置
7 静油圧式無段変速装置
9 ミッションケース
11 脱穀クラッチ
12 刈取クラッチ
16 ポンプ軸
18 穀稈受け止め体
20 操縦座席
21 走行変速レバー(主変速レバー)
22 ステアリングレバー
29 ステアリングハンドル
27 掻き込み指令用の押し操作具(掻き込みボタン)
30 操縦部パネル
31 サイドパネル
32 フロントパネル
E エンジン
Claims (2)
- 操縦部パネルとして、操縦座席の横側方に位置させたサイドパネルと、操縦座席の前方側に位置させたフロントパネルとを備え、
前記サイドパネル上に走行変速レバーを配備し、前記フロントパネルにステアリングレバーを配備するとともに、
前記走行変速レバーが配備された箇所よりも前方側で、かつ前記ステアリングレバーが配備された箇所よりも前記走行変速レバーが配備された箇所寄りの操縦部パネル上に、
入り状態にすると、機体の前進状態では刈取装置と脱穀装置とを共に駆動させ、かつ穀稈受け止め体を脱穀フィードチェーンの搬送作用領域から引退した作用解除位置に操作して、刈取茎稈が前記脱穀フィードチェーンの搬送始端部に供給されるところの刈取脱穀作業を行うに適した作動形態にし、機体の停止状態では前記脱穀装置を駆動させながら前記刈取装置の駆動は停止させ、かつ前記穀稈受け止め体を前記脱穀フィードチェーンの搬送作用領域へ突入させた作用位置に操作して、前記脱穀フィードチェーンの搬送始端部から刈取茎稈を浮かせて受け止め支持するところの枕扱ぎ作業を行うに適した作動形態にする統合スイッチと、
入り状態にすると、機体の停止状態で駆動停止されている前記刈取装置を駆動状態とする掻き込み指令用の押し操作具とを配設してあり、
前記統合スイッチは、前記サイドパネルの前部で、かつエンジン回転数や燃料残量などの各種の情報を表示するための液晶表示装置が配設されている箇所よりも前記操縦座席に近い側で前記液晶表示装置に隣り合う状態に位置しているコンバイン。 - 前記掻き込み指令用の押し操作具は、前記フロントパネルに配設されている請求項1記載のコンバイン。
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JP2010208282A JP5718602B2 (ja) | 2010-09-16 | 2010-09-16 | コンバイン |
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