JP4101136B2 - 刈取収穫機 - Google Patents
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Description
本発明は刈取収穫機において、刈取部に伝達される動力を変速する刈取変速装置を備えた場合、刈取変速装置の操作が適切に行われるように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、刈取収穫機において次のように構成することにある。
走行変速装置と、人為的に操作される変速操作具とを備えて、変速操作具により走行変速装置が操作されるように構成する。刈取部に伝達される動力を高低2段に変速する刈取変速装置と、変速操作具の操作位置を検出する位置センサーと、アクチュエータとを備える。位置センサーの検出に基づいて、変速操作具が低速の走行側に操作されると、アクチュエータにより刈取変速装置が低速位置に操作され、位置センサーの検出に基づいて、変速操作具が高速の走行側に操作されると、アクチュエータにより刈取変速装置が高速位置に操作される標準モードと、位置センサーの検出に基づいて、変速操作具が低速の走行側に操作されても高速の走行側に操作されても、アクチュエータにより刈取変速装置が高速位置に操作される倒伏モードとを備える。
本発明の第1特徴によれば、刈取部に伝達される動力を高低2段に変速する刈取変速装置を備えた場合、標準モードにおいて、運転者が変速操作具を低速の走行側に操作すると、アクチュエータにより自動的に刈取変速装置が低速位置に操作される。これにより、刈取部で刈取処理される作物の量が少ない状態であるのに刈取部が高速で作動して、作物を傷めてしまうと言うことがない。
本発明の第1特徴によると、例えば圃場の作物が大きく倒伏している場合、倒伏モードにすればよい。これにより、運転者が変速操作具を低速の走行側に操作しても高速の走行側に操作しても、アクチュエータにより自動的に刈取変速装置が高速位置に操作されるので、例えば圃場の作物が大きく倒伏している場合、刈取部での刈取処理が遅れて作物を傷めてしまうと言うことが少なくなる。
本発明の第1特徴によると、刈取収穫機において刈取変速装置を備えた場合、変速操作具の操作位置に基づき、アクチュエータにより自動的に刈取変速装置が低速位置及び高速位置に操作されるように構成することによって、刈取部で刈取処理される作物の量が少ない状態であるのに刈取部が高速で作動して、作物を傷めてしまうと言う状態、及び刈取部で刈取処理される作物の量が多い状態であるのに刈取部が低速で作動して、刈取部での刈取処理が遅れて作物の詰まりに発展すると言う状態を防止することができるようになり、作業能率を向上させることができた。
本発明の第1特徴によると、例えば圃場の作物が大きく倒伏している場合、機体の走行速度に関係なく刈取部を高速で作動させることにより、刈取部での刈取処理が遅れて作物を傷めてしまうと言うことが少なくなって、作業能率を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の刈取収穫機において次のように構成することにある。
位置センサーの検出に基づいて、変速操作具が低速の走行側に操作されても高速の走行側に操作されても、アクチュエータにより刈取変速装置が低速位置に操作される低速モードを備える。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[I]に記載のように、例えば圃場の作物が大きく倒伏している場合に対して、圃場の作物の種類や生育状態によっては、機体の走行速度が高速であっても、刈取部が高速で作動すると、刈取部の刈取処理が速すぎて作物を傷めてしまうことがある。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、圃場の作物の種類や生育状態により、機体の走行速度に関係なく刈取部を低速で作動させることにより、刈取部の刈取処理が速すぎて作物を傷めてしまうと言うことが少なくなって、作業能率を向上させることができた。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の刈取収穫機において次のように構成することにある。
刈取部に動力を伝達する刈取クラッチを備えて、変速操作具が中立停止位置に操作されると、アクチュエータにより刈取クラッチが遮断状態に操作されるように構成し、変速操作具が低速及び高速の走行側に操作されると、アクチュエータにより刈取クラッチが伝動状態に操作されるように構成する。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第3特徴によれば、刈取部に動力を伝達する刈取クラッチを備えた場合、運転者が変速操作具を低速及び高速の走行側に操作すると、アクチュエータにより自動的に刈取クラッチが伝動状態に操作される。これにより、運転者が刈取クラッチを伝動状態に操作するのを忘れて、機体が走行しているのに刈取部の刈取処理が行われないと言うことがない。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、運転者が機体を停止させようとして変速操作具を中立停止位置に操作した場合、機体が停止しているのに刈取部を不必要に作動させてしまうと言うことがない点、及び運転者が機体を発進させようとして変速操作具を低速(高速)の走行側に操作した場合、運転者が刈取クラッチを伝動状態に操作するのを忘れて、機体が走行しているのに刈取部の刈取処理が行われないと言うことがない点によって、刈取収穫機の機能性を高めることができた。
図1に示すように、右及び左のクローラ式の走行装置1によって支持された機体の前部の左部に刈取部2、機体の前部の右部に運転部3が備えられ、機体の後部の左部に脱穀装置4、機体の後部の右部にグレンタンク5が備えられて、刈取収穫機の一例である稲用のコンバインが構成されている。これにより、圃場の穀稈が刈取部2によって刈り取られ、脱穀装置4により脱穀処理されて、脱穀装置4で回収された穀粒がグレンタンク5に供給される。
次に静油圧式無段変速装置7及び副変速装置10を操作する変速レバー17について説明する。
図3,4,7,8に示すように、運転部3の左横側部に操作パネル18が備えられており、操作パネル18に変速レバー17が配置されている。板材を平面視コ字状に折り曲げられて構成された支持部材20が、操作パネル18の下側に備えられた固定部19の左右軸芯P1周りに揺動自在に支持され、支持部材20の前後軸芯P2周りに変速レバー17が揺動自在に支持されている。支持部材20の下部から前方にアーム20aが延出されており、静油圧式無段変速装置7のトラニオン軸7cのアーム部7dと、支持部材20のアーム部20aとに亘って連係ロッド21が接続されている。
次に駐車ブレーキ16、刈取クラッチ14及び刈取変速装置13について説明する。
図3,7,8に示すように、操作パネル18の下側に固定部30,31が備えられ、固定部30,31に操作軸32が左右軸芯P4周りに回転自在に支持されている。固定部30にモータ33及びギヤケース34が取り付けられており、制御装置35(図2参照)によりモータ33が作動されて、モータ33及びギヤケース34を介して操作軸32が左右軸芯P4周りに回転駆動される。操作軸32の操作位置(角度)を検出するセンサー36が固定部31に取り付けられており、センサー36の検出信号が制御装置35(図2参照)に入力されている。
次にモータ33による駐車ブレーキ16、刈取クラッチ14及び刈取変速装置13の操作構造について説明する。
図7,8,13,14に示すように、操作軸32のアーム部32aに保持板44が固定され、保持板44において後述する第1,2,3,4位置に対応する位置に凹部44aが形成されており、ボール及びバネを備えて構成されたデテント機構45が固定部31に備えられている。
次に刈取状態(標準モード)において変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した場合について説明する。
図19に示すように、選択スイッチ49により標準モードを選択し、クラッチレバー46を伝動位置に操作している状態(刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。操作軸32が第1位置に位置している状態において、前項[4]に記載のように、駐車ブレーキ16が制動状態に操作されて、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
次に刈取状態(倒伏モード)において変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した場合について説明する。
図20に示すように、選択スイッチ49により倒伏モードを選択し、クラッチレバー46を伝動位置に操作している状態(刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、前項[5]の場合と同様に、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。
次に刈取状態(低速モード)において変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した場合、刈取状態(標準モード)、刈取状態(倒伏モード)及び刈取状態(低速モード)において変速レバー17を後進経路29に操作した場合について説明する。
図21に示すように、選択スイッチ49により低速モードを選択し、クラッチレバー46を伝動位置に操作している状態(刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、前項[5]の場合と同様に、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。
刈取状態(標準モード)、刈取状態(倒伏モード)及び刈取状態(低速モード)において、変速レバー17を第2前進経路27に操作することは可能であるが、このような操作は実際には行わない。
次に非刈取状態において、変速レバー17を第1又は第2前進経路26,27、後進経路29に操作した場合について説明する。
図22に示すように、クラッチレバー46を遮断位置に操作している状態(非刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、前項[5]の場合と同様に静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。
次にメインスイッチ50を切り操作した場合について説明する。
図2に示すように、エンジン8を始動及び停止操作するキー型式のメインスイッチ50が備えられており、メインスイッチ50の操作位置が制御装置35に入力されている。
前項[5]に記載のように、刈取状態(標準モード)で変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した状態、及び変速レバー17を後進経路29に操作した状態(操作軸32が第2,3,4位置に位置している状態)において、メインスイッチ50が切り操作されてエンジン8が停止すると、モータ33により操作軸32が第1位置に操作されて(バッテリー(図示せず)の電力による)、駐車ブレーキ16が制動状態に操作され、刈取クラッチ14が遮断状態に操作されて、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、刈取変速装置13を静油圧式やベルト式等の無段変速型式に構成してもよい。一つの選択スイッチ49に代えて、刈取状態(標準モード)、刈取状態(倒伏モード)及び刈取状態(低速モード)の各々を別々のスイッチの操作により設定するように構成してもよい。刈取変速装置13を操作するモータ(アクチュエータ)と、刈取クラッチ14を操作するモータ(アクチュエータ)とを別々に備えるように構成してもよい。
7 走行変速装置
13 刈取変速装置
14 刈取クラッチ
17 変速操作具
33 アクチュエータ
37 位置センサー
49 高速設定手段、低速設定手段
N 中立停止位置
F4 操作位置
Claims (3)
- 走行変速装置と、人為的に操作される変速操作具とを備えて、前記変速操作具により走行変速装置が操作されるように構成し、
刈取部に伝達される動力を高低2段に変速する刈取変速装置と、前記変速操作具の操作位置を検出する位置センサーと、アクチュエータとを備えて、
前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が低速の走行側に操作されると、前記アクチュエータにより刈取変速装置が低速位置に操作され、前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が高速の走行側に操作されると、前記アクチュエータにより刈取変速装置が高速位置に操作される標準モードと、
前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が低速の走行側に操作されても高速の走行側に操作されても、前記アクチュエータにより刈取変速装置が前記高速位置に操作される倒伏モードとを備えてある刈取収穫機。 - 前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が低速の走行側に操作されても高速の走行側に操作されても、前記アクチュエータにより刈取変速装置が前記低速位置に操作される低速モードを備えてある請求項1に記載の刈取収穫機。
- 刈取部に動力を伝達する刈取クラッチを備えて、
前記変速操作具が中立停止位置に操作されると、前記アクチュエータにより刈取クラッチが遮断状態に操作されるように構成し、
前記変速操作具が低速及び高速の走行側に操作されると、前記アクチュエータにより刈取クラッチが伝動状態に操作されるように構成してある請求項1又は2に記載の刈取収穫機。
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