JP2005265051A - 作業車の走行変速構造 - Google Patents

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Tadashi Hamanishi
正 浜西
Mineyoshi Motomura
峰義 本村
Masayuki Kumagai
熊谷  雅行
Harumichi Makizono
晴充 牧園
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Abstract

【課題】 本発明は前進及び後進に操作自在な主変速装置と、複数段に変速自在なギヤ変速式の副変速装置とを備えた作業車の走行変速構造において、副変速装置の変速位置を変えずに前後進を繰り返す場合、変速レバーの操作が重いものにならないようにする。
【解決手段】 第1及び第2前進経路26,27、中立経路28、後進経路29を備え、変速レバー17を中立経路28に沿って操作すると副変速装置が操作されるように構成する。変速レバー17を第1及び第2前進経路26,27に沿って操作すると、主変速装置が前進の高速側に操作され、変速レバー17を後進経路29に沿って操作すると、主変速装置が後進の高速側に操作されるように構成する。変速レバー17を中立経路28における第1前進経路26の部分と後進経路29の部分との間28aに沿って操作しても、副変速装置が操作されないようにする融通機構を備える。
【選択図】 図6

Description

本発明は、前進及び後進に操作自在な主変速装置と、複数段に変速自在なギヤ変速式の副変速装置とを備えた作業車の走行変速構造に関する。
作業車では、例えば特許文献1に開示されているように、前進及び後進に操作自在な主変速装置(特許文献1の図7の46)、複数段に変速自在なギヤ変速式の副変速装置(特許文献1の図7の61)を備えたものがある。特許文献1では、平行に配置された第1前進経路(特許文献1の図27の133)、及び第2前進経路(特許文献1の図27の133)、第1及び第2前進経路の端部に亘って接続された中立経路(特許文献1の図27の135)、中立経路における第1及び第2前進経路の部分とは異なる部分から延出された後進経路(特許文献1の図27の134)を備えている。
これにより特許文献1では、変速レバー(特許文献1の図22及び図27の125)を中立経路に操作すると、主変速装置が中立停止位置に操作される。変速レバーを第1及び第2前進経路に沿って操作すると、主変速装置が前進側に操作されて高速側に操作され、変速レバーを後進経路に沿って操作すると、主変速装置が後進側に操作されて高速側に操作される。
特許文献1では変速レバーと副変速装置のシフトギヤとが機械的に連係されている。これにより、変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と第2前進経路の部分との間(特許文献1の図27の139)に沿って操作すると、副変速装置のシフトギヤがスライド操作されて、副変速装置が操作される。変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間(特許文献1の図27の140)に沿って操作すると、副変速装置のシフトギヤは少しスライド操作されるのであるが、副変速装置の変速位置は変わらない。
特開2003−136986号公報(図7,22,27)
複数段に変速自在なギヤ変速式の副変速装置を備えた場合、走行装置(車輪式やクローラ式等の走行装置)からの走行負荷が副変速装置に掛かっていると、副変速装置においてシフトギヤとシフトギヤが咬合するギヤとの間の面圧が高いものになっているので、副変速装置のシフトギヤの操作抵抗が大きなものとなり、副変速装置のシフトギヤのスライド操作が重いものになることがある。
これにより、特許文献1において、例えば変速レバーを第1前進経路と後進経路とに亘って操作する場合(副変速装置の変速位置を変えずに前後進を繰り返す場合)、変速レバーが中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間(特許文献1の図27の140)を通過することになるので、この際に副変速装置のシフトギヤが少しスライド操作されることになって、副変速装置のシフトギヤの操作抵抗が変速レバーに掛かり、変速レバーの操作が重いものになることがある。
本発明は前進及び後進に操作自在な主変速装置と、複数段に変速自在なギヤ変速式の副変速装置とを備えた作業車の走行変速構造において、副変速装置の変速位置を変えずに前後進を繰り返す場合、変速レバーの操作が重いものにならないように構成することを目的としている。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は作業車の走行変速構造において次のように構成することにある。
前進及び後進に操作自在な主変速装置と、複数段に変速自在なギヤ変速式の副変速装置と、主及び副変速装置を操作可能な変速レバーとを備える。並べて配置された第1前進経路及び第2前進経路と、第1及び第2前進経路の端部に亘って接続された中立経路と、中立経路における第1及び第2前進経路の部分とは異なる部分から延出された後進経路とを備える。変速レバーを中立経路に沿って操作すると、副変速装置が操作されるように、変速レバーと副変速装置とを機械的に連係する。変速レバーを中立経路に操作すると、主変速装置が中立停止位置に操作され、変速レバーを第1及び第2前進経路に沿って操作すると、主変速装置が前進側に操作されて高速側に操作され、変速レバーを後進経路に沿って操作すると、主変速装置が後進側に操作されて高速側に操作されるように、変速レバーと主変速装置とを連係する。変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間に沿って操作しても、副変速装置が操作されないようにする融通機構を備える。
(作用)
本発明の第1特徴によると、変速レバーを中立経路に沿って操作すると副変速装置が操作されるように、変速レバーと副変速装置とが機械的に連係されている。この場合、本発明の第1特徴によると、変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と第2前進経路の部分との間に沿って操作すると、副変速装置が操作されるのであり、副変速装置のシフトギヤの操作抵抗により変速レバーの操作が重いものになることがある。これに対し、変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間に沿って操作しても、融通機構の機能により副変速装置は操作されないのであり、副変速装置のシフトギヤの操作抵抗が変速レバーに掛かることはなく、変速レバーの操作が重いものになることはない。
これにより、本発明の第1特徴によると、例えば変速レバーを第1前進経路と後進経路とに亘って操作する場合(副変速装置の変速位置を変えずに前後進を繰り返す場合)、変速レバーが中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間を通過しても、融通機構の機能により副変速装置は操作されないので、副変速装置のシフトギヤの操作抵抗が変速レバーに掛かることはなく、変速レバーの操作が重いものになることはない。
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、前進及び後進に操作自在な主変速装置と、複数段に変速自在なギヤ変速式の副変速装置とを備えた作業車の走行変速構造において、副変速装置の変速位置を変えずに前後進を繰り返す場合、変速レバーの操作が重いものにならないように構成するができて、変速レバーの操作性を向上させることができた。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車の走行変速構造において次のように構成することにある。
変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分及び後進経路の部分に操作すると、副変速装置が低速側に操作され、変速レバーを中立経路における第2前進経路の部分に操作すると、副変速装置が高速側に操作されるように構成する。
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
作業車では一般に、作業走行の状態で前後進を繰り返すことが多く、副変速装置を低速側に操作して走行することが多い。逆に路上走行の状態では前後進を繰り返すことは少なく、副変速装置を高速側に操作して走行することが多い。
これにより、本発明の第2特徴によると、変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分及び後進経路の部分に操作すると、副変速装置が低速側に操作されるように構成されているので、前後進を繰り返すことが多い状態(副変速装置を低速側に操作した状態)において、前項[I]に記載のように、例えば変速レバーを第1前進経路と後進経路とに亘って操作した際に、副変速装置のシフトギヤの操作抵抗が変速レバーに掛からないようにすることができ、変速レバーの操作が重いものにならないようにすることができる。
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、前後進を繰り返すことが多い状態(副変速装置を低速側に操作した状態)において、例えば変速レバーを第1前進経路と後進経路とに亘って操作した際に、副変速装置のシフトギヤの操作抵抗が変速レバーに掛からないようにすることができ、変速レバーの操作が重いものにならないようにすることができて、変速レバーの操作性を向上させることができた。
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の作業車の走行変速構造において次のように構成することにある。
変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間に操作した場合、変速レバーが中立経路における第1前進経路の部分に位置するように、変速レバーを付勢する付勢機構を備えている。
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[I][II]に記載のような融通機構を備えると、変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間に操作した場合、変速レバーから手を離すと、変速レバーの位置が安定しないことがある。
本発明の第3特徴によると、変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間に操作した場合、付勢機構により変速レバーが中立経路における第1前進経路の部分に位置するように付勢されるのであり、変速レバーから手を離しても、付勢機構により変速レバーの位置が安定する。
本発明の第3特徴によると、変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間に操作して変速レバーから手を離すと、付勢機構により変速レバーが中立経路における第1前進経路の部分に位置するので、この後に変速レバーを持って操作する場合、変速レバーを無理なく第1前進経路に操作することができる。
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間に操作した場合、変速レバーから手を離しても、付勢機構により変速レバーの位置が安定する点、及び、この後に変速レバーを持って操作する場合、変速レバーを無理なく第1前進経路に操作することができる点により、変速レバーの操作性を向上させることができた。
[1]
図1に示すように、右及び左のクローラ式の走行装置1によって支持された機体の前部の左部に刈取部2、機体の前部の右部に運転部3が備えられ、機体の後部の左部に脱穀装置4、機体の後部の右部にグレンタンク5が備えられて、作業車の一例である稲用のコンバインが構成されている。これにより、圃場の穀稈が刈取部2によって刈り取られ、脱穀装置4により脱穀処理されて、脱穀装置4で回収された穀粒がグレンタンク5に供給される。
図2に示すように、走行用のミッションケース6が備えられて、静油圧式無段変速装置7(主変速装置に相当)がミッションケース6に連結されており、エンジン8の出力軸8aの動力が、ベルトテンション型式の主クラッチ9を介して静油圧式無段変速装置7の入力軸7aに伝達されている。静油圧式無段変速装置7は中立停止位置、前進の高速側及び後進の高速側に無段階に変速自在に構成されている。
図2に示すように、高低2段に変速自在なギヤ変速式の副変速装置10がミッションケース6の内部に備えられており、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が副変速装置10、右及び左のサイドクラッチ(図示せず)を介して、右及び左の走行装置1に伝達されている。右及び左の走行装置1を制動可能な駐車ブレーキ16が、副変速装置10と右及び左のサイドクラッチとの間の伝動軸15に備えられている。
図2に示すように、副変速装置10は、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が伝達される伝動軸10c、スプライン構造により伝動軸10cに一体回転及びスライド自在に外嵌されたシフトギヤ10a、伝動軸15に固定された低速ギヤ15a及び高速ギヤ15b等により構成されている。図3及び図4に示すように、ミッションケース6の外部にアーム部10bが備えられ、シフトギヤ10aとアーム部10bとが機械的に連係されており、アーム部10bによってシフトギヤ10をスライド操作することができる。これにより、図2に示すように、シフトギヤ10aをスライド操作して低速ギヤ15a及び高速ギヤ15bに咬合させることにより、伝動軸10cの動力が高低2段に変速されて伝動軸15に伝達される。
図2に示すように、ミッションケース6に出力軸12が備えられており、静油圧式無段変速装置7の入力軸7aと出力軸12との間に、高低2段(低速位置及び高速位置)に変速自在なギヤ変速式の刈取変速装置13が備えられている。これにより、静油圧式無段変速装置7の入力軸7aの動力が、刈取変速装置13及び出力軸12、ベルトテンション型式の刈取クラッチ14を介して、刈取部2の入力軸2aに伝達されている。エンジン8の出力軸8aの動力が、ベルトテンション型式の脱穀クラッチ11を介して、脱穀装置4の入力軸4aに伝達されている。
[2]
次に静油圧式無段変速装置7及び副変速装置10を操作する変速レバー17について説明する。
図3,4,7,8に示すように、運転部3の左横側部に操作パネル18が備えられており、操作パネル18に変速レバー17が配置されている。板材を平面視コ字状に折り曲げられて構成された支持部材20が、操作パネル18の下側に備えられた固定部19の左右軸芯P1周りに揺動自在に支持され、支持部材20の前後軸芯P2周りに変速レバー17が揺動自在に支持されており、変速レバー17を図4の紙面左方に付勢するバネ53(付勢機構に相当)が、支持部材20の前後軸芯P2の位置に備えられている。支持部材20の下部から前方にアーム20aが延出されており、静油圧式無段変速装置7のトラニオン軸7cのアーム部7dと、支持部材20のアーム部20aとに亘って連係ロッド21が接続されている。
図3,4,7,9,10に示すように、正面視三角形状の操作部材22が固定部19の前後軸芯P3周りに揺動自在に支持されており、操作部材22と副変速装置10のアーム部10bとに亘って連係ロッド23が接続されている。変速レバー17の下部にアーム部17aが備えられて、変速レバー17のアーム部17aが操作部材22に係合しており、変速レバー17のアーム部17aが操作部材22に係合する部分が、図7に示す側面視で左右軸芯P1の位置に配置されている。
この場合、図4及び図22(イ)に示すように、副変速装置10のアーム部10bに長孔10d(融通機構に相当)が開孔されており、連係ロッド23の下部に固定されたピン23aが副変速装置10のアーム部10bの長孔10dに挿入されている。
図3,7,8,9に示すように、固定部19に円弧状の長孔19aが開口されており、支持部材20に備えられた保持軸24が固定部の長孔19aに挿入され、バネ25により保持軸24が図9の紙面右方付勢されて、保持軸24により支持部材20が固定部19に押圧されている。これにより、バネ25及び固定部19によって、支持部材20が摩擦保持されている。
図5及び図6に示すように、操作パネル18に第1前進経路26及び第2前進経路27が並んで平行に開口されており、操作パネル18に開口された中立経路28が第1及び第2前進経路26,27の端部に亘って接続されている。中立経路28が第1前進経路26の部分から第2前進経路27の反対側に延出されており、操作パネル18に開口された後進経路29が、中立経路28の延出された端部(中立経路28における第1及び第2前進経路26,27の部分とは異なる部分)に接続されて、第1及び第2前進経路26,27の反対側に延出されている。
[3]
次に変速レバー17の操作について説明する。
図3,4,5,6,7に示す状態は、変速レバー17を中立経路28における第1前進経路26の部分と後進経路29の部分との間28aに操作している状態であり、バネ53の付勢力により変速レバー17が中立経路28における第1前進経路26の部分に位置している状態である。この場合に、図4及び図22(イ)に示すように、副変速装置10のアーム部10bの長孔10dの下端に、連係ロッド23のピン23aが位置している。副変速装置10のシフトギヤ10a(図2参照)の操作抵抗が変速レバー17に掛かっており、バネ53の付勢力よりも副変速装置10のシフトギヤ10a(図2参照)の操作抵抗が大きいので、変速レバー17が中立経路28における第1前進経路26の部分を越えて図6の紙面上方に移動するようなことはない。
図3,4,5,6,7に示す状態において、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて、副変速装置10が低速位置に操作されている(副変速装置10のシフトギヤ10aが伝動軸15の低速ギヤ15aに咬合している(図2参照))。変速レバー17から手を離しても、バネ25及び固定部19による支持部材20の摩擦保持によって、変速レバー17が中立経路28に保持されており、バネ53の付勢力により変速レバー17が中立経路28における第1前進経路26の部分に保持される。
図3,4,5,6,7に示す状態から、変速レバー17を第1前進経路26に操作していくと、副変速装置10が低速位置に操作された状態で、静油圧式無段変速装置7が前進の高速側に操作されるのであり、変速レバー17を第1前進経路26の最高速位置F1に操作すると、静油圧式無段変速装置7が前進の最高速位置に操作される。変速レバー17を第1前進経路26に操作して、変速レバー17から手を離しても、バネ25及び固定部19による支持部材20の摩擦保持によって、変速レバー17が第1前進経路26の手を離した位置に保持される。
図3,4,5,6,7に示す状態から、変速レバー17を中立経路28における後進経路29の部分に操作したとする(図6の紙面下方)(変速レバー17を中立経路28における第1前進経路26の部分と後進経路29の部分との間28aに沿って操作したとする)。この場合、図22(イ)から図22(ロ)に示すように、変速レバー17が図4の紙面右方に操作され、連係ロッド23が図4及び図22(ロ)の紙面上方に操作されるのであるが、連係ロッド23のピン23aが副変速装置10のアーム部10bの長孔10dの下端から上端に移動するだけで、副変速装置10のアーム部10bは操作されず(副変速装置10のシフトギヤ10aはスライド操作されず)、副変速装置10は低速位置に残される。これにより、変速レバー17を中立経路28における第1前進経路26の部分と後進経路29の部分との間28aに沿って操作しても、副変速装置10のシフトギヤ10aの操作抵抗が変速レバー17に掛かることはなく、変速レバー17の操作が重いものになることはない。
図3,4,5,6,7に示すように、変速レバー17を後進経路29に操作していくと副変速装置10が低速位置に操作された状態で、静油圧式無段変速装置7が後進の高速側に操作されるのであり、変速レバー17を後進経路29の最高速位置R1に操作すると、静油圧式無段変速装置7が後進の最高速位置に操作される。変速レバー17を後進経路29に操作して、変速レバー17から手を離しても、バネ25及び固定部19による支持部材20の摩擦保持によって、変速レバー17が後進経路29の手を離した位置に保持される。
図3,4,5,6,7に示す状態から、変速レバー17を中立経路28における第2前進経路27の部分に操作したとする(図6の紙面上方)(変速レバー17を中立経路28における第1前進経路26の部分と第2前進経路27の部分との間28bに沿って操作したとする)。この場合、変速レバー17が図4の紙面左方に操作され、連係ロッド23及び副変速装置10のアーム部10bが図4及び図22(イ)の紙面下方に操作されて、副変速装置10のシフトギヤ10aがスライド操作されて伝動軸15の高速ギヤ15b(図2参照)に咬合し、副変速装置10が高速位置に操作される。
図3,4,5,6,7に示すように、変速レバー17を第2前進経路27に操作していくと、副変速装置10が高速位置に操作された状態で、静油圧式無段変速装置7が前進の高速側に操作されるのであり、変速レバー17を第2前進経路27の最高速位置F2に操作すると、静油圧式無段変速装置7が前進の最高速位置に操作される。変速レバー17を第2前進経路27に操作して、変速レバー17から手を離しても、バネ25及び固定部19による支持部材20の摩擦保持によって、変速レバー17が第2前進経路27の手を離した位置に保持される。
[4]
次に駐車ブレーキ16、刈取クラッチ14及び刈取変速装置13について説明する。
図3,7,8に示すように、操作パネル18の下側に固定部30,31が備えられ、固定部30,31に操作軸32が左右軸芯P4周りに回転自在に支持されている。固定部30にモータ33及びギヤケース34が取り付けられており、制御装置35(図2参照)によりモータ33が作動されて、モータ33及びギヤケース34を介して操作軸32が左右軸芯P4周りに回転駆動される。操作軸32の操作位置(角度)を検出するセンサー36が固定部31に取り付けられており、センサー36の検出信号が制御装置35(図2参照)に入力されている。
図2,3,9に示すように、変速レバー17及び支持部材20の操作位置(角度)を検出するセンサー37が固定部19に取り付けられており、センサー37の検出信号が制御装置35に入力されている。図2,3,7に示すように、固定部19にリミットスイッチ51及び板バネ製の操作板52が備えられ、支持部材20の上部に凸部20bが備えられており、リミットスイッチ51の検出信号が制御装置35に入力されるように構成されている。
これにより、図11(イ)に示すように、変速レバー17が中立経路28に操作されていると、支持部材20の凸部20bが操作板52に接当して押し上げ、リミットスイッチ51が入り操作される。図11(ロ)に示すように、変速レバー17が中立経路28N以外の位置に操作されていると、支持部材20の凸部20bが操作板52から離れ、操作板52が下方に変位して、リミットスイッチ51が切り操作される。このように、センサー37及びリミットスイッチ51により、変速レバー17及び支持部材20の操作位置(角度)が検出される。
図3,7,8,15に示すように、操作軸32にアーム部32aが固定され、操作軸32のアーム部32aに保持板44が固定されて、保持板44に接続部材38が揺動自在に接続されており、駐車ブレーキ16のアーム部16aと接続部材38とに亘って、融通用のバネ39及び連係ロッド40が接続されている。従って、モータ33により操作軸32を回転駆動することによって、駐車ブレーキ16を制動状態(図15参照)及び解除状態(図16,17,18参照)に操作することができる。この場合、図16,17,18に示すように、駐車ブレーキ16が解除状態(駐車ブレーキ16のアーム部16aの解除位置)に操作されると、駐車ブレーキ16からモータ33に操作抵抗は掛からず、図15に示すように、駐車ブレーキ16が制動状態(駐車ブレーキ16のアーム部16aの制動位置)に操作されると、駐車ブレーキ16からモータ33に操作抵抗が掛かる(駐車ブレーキ16のアーム部16aから、操作軸32を図15の紙面反時計方向に回転させようとする力が掛かる)。
図2及び図15に示すように、刈取クラッチ14はベルトテンション型式に構成されており、左右軸芯P5周りに揺動自在に支持されたアーム部14aに、テンションプーリー14bが備えられている。図3,7,8,15に示すように、操作軸32にアーム部32bが固定されて、操作軸32のアーム部32bの先端にL字状の接続部材41が揺動自在に接続されており、刈取クラッチ14のアーム部14aと接続部材41とに亘って、連係用のバネ42が接続されている。従って、モータ33により操作軸32を回転駆動することによって、刈取クラッチ14を伝動状態(図17及び図18参照)及び遮断状態(図15及び図16参照)に操作することができる。
この場合、図15及び図16に示すように、刈取クラッチ14が遮断状態(刈取クラッチ14のアーム部14aの遮断位置)に操作されると、刈取クラッチ14からモータ33に操作抵抗は掛からない。図16から図17に示すように、刈取クラッチ14が遮断状態から伝動状態(刈取クラッチ14のアーム部14aの遮断状態から伝動位置)に操作される途中において、刈取クラッチ14からモータ33に操作抵抗が掛かる(刈取クラッチ14のアーム部14aから、操作軸32を図17の紙面時計方向に回転させようとする力が掛かる)。図18に示すように、刈取クラッチ14が伝動状態(刈取クラッチ14のアーム部14aの伝動位置)に操作されると、操作軸32のアーム部32bと接続部材41との接続部分が、操作軸32の上側を越える状態となり(上死点を越える状態となって)、操作軸32の図18の紙面反時計方向の回転がストッパー(図示せず)によって止められて、刈取クラッチ14から操作軸32に操作抵抗は掛かるが、刈取クラッチ14からモータ33に操作抵抗は掛からない。
図3,7,8,15に示すように、操作軸32にアーム部32cが固定されて、操作軸32のアーム部32cの先端にピン32dが備えられている。刈取変速装置13のシフトギヤ13c(図2参照)をスライド操作して刈取変速装置13を低速位置及び高速位置に変速するアーム部13aが備えられて、刈取変速装置13のアーム部13aにピン13bが備えられている。丸棒が折り曲げられて連係ロッド43が構成されて、連係ロッド43の両端部がフック状に折り曲げられて融通部43a,43bが構成されており、操作軸32のアーム部32cのピン32dが連係ロッド43の融通部43aに挿入され、図12に示すように刈取変速装置13のアーム部13aのピン13bが連係ロッド43の融通部43bに挿入されている。従って、モータ33により操作軸32を回転駆動することによって、刈取変速装置13を低速位置(図15,16,17参照)及び高速位置(図18参照)に操作することができる。
この場合、刈取変速装置13はバネ(図示せず)により低速位置に付勢されており、バネの付勢力に抗して刈取変速装置13を高速位置に操作する。刈取変速装置13が低速位置(刈取変速装置13のアーム部13aの低速位置)に操作されると、刈取変速装置13からモータ33に操作抵抗は掛からず、図18に示すように、刈取変速装置13が高速位置(刈取変速装置13のアーム部13aの高速位置)に操作されると、刈取変速装置13からモータ33に操作抵抗が掛かる(刈取変速装置13のアーム部13aから、操作軸32を図18の紙面時計方向に回転させようとする力が掛かる)。
[5]
次にモータ33による駐車ブレーキ16、刈取クラッチ14及び刈取変速装置13の操作構造について説明する。
図7,8,13,14に示すように、操作軸32のアーム部32aに保持板44が固定され、保持板44において後述する第1,2,3,4位置に対応する位置に凹部44aが形成されており、ボール及びバネを備えて構成されたデテント機構45が固定部31に備えられている。
これによって、モータ33により操作軸32が後述する第1,2,3,4位置に回転駆動された際、モータ33により操作軸32が例えば第1位置から第2位置に精度良く回転駆動されずに、操作軸32が第2位置の近傍で停止したとしても、デテント機構45のボールが保持板44の凹部44aに入り込んで行こうとする作用によって、操作軸32が第2位置に精度良く位置させられる。モータ33の停止状態でモータ33により操作軸32を例えば第1位置に保持する際、モータ33の保持力が不足気味になっても、デテント機構45の保持力がモータ33の保持力に加えられて、モータ33の保持力及びデテント機構45の保持力によって、操作軸32が第1位置に保持される。
図15に示す状態は、操作軸32が第1位置に位置している状態であり、駐車ブレーキ16が制動状態(駐車ブレーキ16のアーム部16aの制動位置)に操作され、刈取クラッチ14が遮断状態(刈取クラッチ14のアーム部14aの遮断位置)に操作され、刈取変速装置13が低速位置(刈取変速装置13のアーム部13aの低速位置)に操作された状態である。操作軸32が第1位置に位置している状態において、駐車ブレーキ16(制動状態)からモータ33に操作抵抗が掛かり(駐車ブレーキ16のアーム部16aから、操作軸32を図15の紙面反時計方向に回転させようとする力が掛かり)、刈取クラッチ14(遮断状態)からモータ33に操作抵抗は掛からず、刈取変速装置13(低速位置)からモータ33に操作抵抗は掛からない。
図16に示す状態は、操作軸32が第2位置に位置している状態であり、駐車ブレーキ16が解除状態(駐車ブレーキ16のアーム部16aの解除位置)に操作され、刈取クラッチ14はまだ伝動状態に操作されず(刈取クラッチ14のアーム部14aが伝動位置に達せず)、連係ロッド43の融通部43bにより刈取変速装置13が低速位置(刈取変速装置13のアーム部13aの低速位置)に操作された状態である。操作軸32が第2位置に位置している状態において、駐車ブレーキ16(解除状態)からモータ33に操作抵抗は掛からず、刈取クラッチ14(遮断状態)からモータ33に操作抵抗は掛からず、刈取変速装置13(低速位置)からモータ33に操作抵抗は掛からない。
図17に示す状態は、操作軸32が第3位置に位置している状態であり、駐車ブレーキ16が解除状態(駐車ブレーキ16のアーム部16aの解除位置)に操作され、刈取クラッチ14が伝動状態(刈取クラッチ14のアーム部14aの伝動位置)に操作され、連係ロッド43の融通部43bにより刈取変速装置13が低速位置(刈取変速装置13のアーム部13aの低速位置)に操作された状態である。操作軸32が第3位置に位置している状態において、駐車ブレーキ16(解除状態)からモータ33に操作抵抗は掛からず、刈取クラッチ14(伝動状態)からモータ33に操作抵抗が掛かり(刈取クラッチ14のアーム部14aから、操作軸32を図17の紙面時計方向に回転させようとする力が掛かり)、刈取変速装置13(低速位置)からモータ33に操作抵抗は掛からない。
図18に示す状態は、操作軸32が第4位置に位置している状態であり、駐車ブレーキ16が解除状態(駐車ブレーキ16のアーム部16aの解除位置)に操作され、刈取クラッチ14が伝動状態(刈取クラッチ14のアーム部14aの伝動位置)に操作され、刈取変速装置13が高速位置(刈取変速装置13のアーム部13aの高速位置)に操作された状態である。操作軸32が第4位置に位置している状態において、駐車ブレーキ16(解除状態)からモータ33に操作抵抗は掛からず、刈取クラッチ14(伝動状態)からモータ33に操作抵抗は掛からず(操作軸32のアーム部32bと接続部材41との接続部分が、操作軸32の上側を越える状態となり(上死点を越える状態となり)、操作軸32の図18の紙面反時計方向の回転がストッパー(図示せず)によって止められて、刈取クラッチ14から操作軸32に操作抵抗は掛かるが、刈取クラッチ14からモータ33に操作抵抗は掛からない)、刈取変速装置13(低速位置)からモータ33に操作抵抗が掛かる(刈取変速装置13のアーム部13aから、操作軸32を図18の紙面時計方向に回転させようとする力が掛かる)。
図2,3,4,5,6に示すように、変速レバー17の横隣にクラッチレバー46が備えられ、クラッチレバー46と脱穀クラッチ11(図2参照)とが機械的に連係されており、レバーガイド47に沿ってクラッチレバー46を伝動位置及び遮断位置に操作することにより、脱穀クラッチ11を伝動状態及び遮断状態に操作することができる。クラッチレバー46が伝動位置に操作されていることを検出するセンサー48が備えられており、センサー48の検出信号が制御装置35に入力されるように構成されている。
図2,5,6に示すように、刈取作業を行う状態では、クラッチレバー46を伝動位置に操作して、脱穀装置4を作動させ(刈取状態)、変速レバー17を第1前進経路26に操作する。例えば路上走行等のような刈取作業を行わない状態では、クラッチレバー46を遮断位置に操作して、脱穀装置4を停止させ(非刈取状態)、変速レバー17を第1又は第2前進経路26,27に操作する。刈取状態において標準モード及び倒伏モードが設定され、標準モード及び倒伏モードを選択するもので人為的に操作される選択スイッチ49が備えられており、選択スイッチ49の操作信号が制御装置35に入力されている。
[6]
次に刈取状態(標準モード)において変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した場合について説明する。
図19に示すように、選択スイッチ49により標準モードを選択して、クラッチレバー46を伝動位置に操作している状態(刈取状態)において、変速レバー17を中立経路28に操作すると、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。操作軸32が第1位置に位置している状態において、前項[5]に記載のように、駐車ブレーキ16が制動状態に操作されて、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
図19に示すように、変速レバー17を中立経路28と前進側の所定の低速位置F3との間に操作すると(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、モータ33により操作軸32が第1位置に操作されて、変速レバー17が前進の走行側に操作されているのに(静油圧式無段変速装置7が前進の高速側に操作されているのに)、駐車ブレーキ16が制動状態に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
図19に示すように、変速レバー17を前進側の所定の低速位置F3に操作すると(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、モータ33により操作軸32が第3位置に操作される(図17参照)。操作軸32が第3位置に位置している状態において、前項[5]に記載のように、駐車ブレーキ16が解除状態に操作されて、刈取クラッチ14が伝動状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。これにより、変速レバー17の前進側の所定の低速位置F3に対応する速度で機体が発進し(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、刈取部2が作動する(刈取変速装置13の低速位置)。変速レバー17を前進側の所定の低速位置F3と前進側の中間位置F4との間に操作すると(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、モータ33により操作軸32が第3位置に操作された状態で、変速レバー17の操作位置に対応する位置に静油圧式無段変速装置7が操作される。
図19に示すように、変速レバー17を前進側の中間位置F4に操作すると(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、モータ33により操作軸32が第4位置に操作される(図18参照)。操作軸32が第4位置に位置している状態において、前項[5]に記載のように、駐車ブレーキ16が解除状態に操作され、刈取クラッチ14が伝動状態に操作された状態で、刈取変速装置13が高速位置に操作される。変速レバー17を前進側の中間位置F4と第1前進経路26の最高速位置F1との間に操作している状態において(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、モータ33により操作軸32が第4位置に操作された状態で、変速レバー17の操作位置に対応する位置に静油圧式無段変速装置7が操作される。
[7]
次に刈取状態(倒伏モード)において変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した場合、刈取状態(標準モード)及び刈取状態(倒伏モード9において後進経路29に操作した場合について説明する。
図20に示すように、選択スイッチ49により倒伏モードを選択し、クラッチレバー46を伝動位置に操作している状態(刈取状態)において、変速レバー17を中立経路28に操作すると、前項[6]の場合と同様に、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。
図20に示すように、変速レバー17を中立経路28と前進側の所定の低速位置F3との間に操作すると(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、前項[5]の場合と同様に、モータ33により操作軸32が第1位置に操作されて、変速レバー17が前進の走行側に操作されているのに(静油圧式無段変速装置7が前進の高速側に操作されているのに)、駐車ブレーキ16が制動状態に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
図20に示すように、変速レバー17を前進側の所定の低速位置F3に操作すると(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、モータ33により操作軸32が第4位置に操作される(図18参照)。操作軸32が第4位置に位置している状態において、前項[5]に記載のように、駐車ブレーキ16が解除状態に操作されて、刈取クラッチ14が伝動状態に操作され、刈取変速装置13が高速位置に操作される。これにより、変速レバー17の前進側の所定の低速位置F3に対応する速度で機体が発進し(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、刈取部2が作動する(刈取変速装置13の高速位置)。変速レバー17を前進側の所定の低速位置F3と第1前進経路26の最高速位置F1との間に操作すると(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、モータ33により操作軸32が第4位置に操作された状態で、変速レバー17の操作位置に対応する位置に静油圧式無段変速装置7が操作される。
図19及び図20に示すように、刈取状態(標準モード)及び刈取状態(倒伏モード)において、変速レバー17を後進経路29に操作すると(副変速装置10の低速位置)、直ちにモータ33により操作軸32が第2位置に操作される(図16参照)。操作軸32が第2位置に位置している状態において、前項[5]に記載のように、駐車ブレーキ16が解除状態に操作されて、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。これにより、変速レバー17を中立経路28と後進経路29の最高速位置R1との間に操作した場合(副変速装置10の低速位置)、変速レバー17の操作位置に対応する位置に静油圧式無段変速装置7が操作されるのであり、機体の走行速度が0の状態から連続的に後進の高速側に操作される。
刈取状態(標準モード)及び刈取状態(倒伏モード)において、変速レバー17を第2前進経路27に操作することは可能であるが、このような操作は実際には行わない。
[8]
次に非刈取状態において、変速レバー17を第1又は第2前進経路26,27、後進経路29に操作した場合について説明する。
図21に示すように、クラッチレバー46を遮断位置に操作している状態(非刈取状態)において、変速レバー17を中立経路28に操作すると、前項[6]の場合と同様に静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止して(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。
図21に示すように、変速レバー17を第1前進経路26に操作すると(副変速装置10の低速位置)(図21の一点鎖線参照)、直ちにモータ33により操作軸32が第2位置に操作される(図16参照)。操作軸32が第2位置に位置している状態において、前項[5]に記載のように、駐車ブレーキ16が解除状態に操作されて、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。これにより、変速レバー17を中立経路28と第1前進経路26の最高速位置F1との間に操作した場合(副変速装置10の低速位置)、変速レバー17の操作位置に対応する位置に静油圧式無段変速装置7が操作されるのであり、機体の走行速度が0の状態から連続的に前進の高速側に操作される。
図21に示すように、変速レバー17を第2前進経路27に操作すると(副変速装置10の高速位置)(図21の二点鎖線参照)、直ちにモータ33により操作軸32が第2位置に操作される(図16参照)。操作軸32が第2位置に位置している状態において、前項[5]に記載のように、駐車ブレーキ16が解除状態に操作されて、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。これにより、変速レバー17を中立経路28と第2前進経路27の最高速位置F2との間に操作した場合(副変速装置10の高速位置)、変速レバー17の操作位置に対応する位置に静油圧式無段変速装置7が操作されるのであり、機体の走行速度が0の状態から連続的に前進の高速側に操作される。
図21に示すように、変速レバー17を後進経路29に操作すると(副変速装置10の低速位置)(図21の実線参照)、直ちにモータ33により操作軸32が第2位置に操作される(図16参照)。操作軸32が第2位置に位置している状態において、前項[5]に記載のように、駐車ブレーキ16が解除状態に操作されて、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。これにより変速レバー17を中立経路28と後進経路29の最高速位置R1との間に操作した場合(副変速装置10の低速位置)、変速レバー17の操作位置に対応する位置に静油圧式無段変速装置7が操作されるのであり、機体の走行速度が0の状態から連続的に後進の高速側に操作される。
[9]
次にメインスイッチ50を切り操作した場合について説明する。
図2に示すように、エンジン8を始動及び停止操作するキー型式のメインスイッチ50が備えられており、メインスイッチ50の操作位置が制御装置35に入力されている。
前項[6]に記載のように、刈取状態(標準モード)で変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した状態、及び変速レバー17を後進経路29に操作した状態(操作軸32が第2,3,4位置に位置している状態)において、メインスイッチ50が切り操作されてエンジン8が停止すると、モータ33により操作軸32が第1位置に操作されて(バッテリー(図示せず)の電力による)、駐車ブレーキ16が制動状態に操作され、刈取クラッチ14が遮断状態に操作されて、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
前項[7]に記載のように、刈取状態(倒伏モード)で変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した状態、及び変速レバー17を後進経路29に操作した状態(操作軸32が第2,4位置に位置している状態)において、メインスイッチ50が切り操作されてエンジン8が停止すると、モータ33により操作軸32が第1位置に操作されて(バッテリー(図示せず)の電力による)、駐車ブレーキ16が制動状態に操作され、刈取クラッチ14が遮断状態に操作されて、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
前項[8]に記載のように、非刈取状態で変速レバー17を第1又は第2前進経路26,27、後進経路29に操作した状態(操作軸32が第2位置に位置している状態)において、メインスイッチ50が切り操作されてエンジン8が停止すると、モータ33により操作軸32が第1位置に操作されて(バッテリー(図示せず)の電力による)、駐車ブレーキ16が制動状態に操作され、刈取クラッチ14が遮断状態に操作されて、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図5及び図6において、中立経路28を第1及び第2前進経路26,27の端部に亘って接続した場合、中立経路28が第1前進経路26の部分から第2前進経路27の反対側に延出される構成を廃止して、中立経路28における第1前進経路26の部分と第2前進経路27の部分との間の部分(中立経路28の中間部分)から、後進経路29を第1及び第2前進経路26,27の反対側に延出するように構成してもよい。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、図4及び図22(イ)(ロ)に示す長孔10d等の融通機構を、図4に示す操作部材22と連係ロッド23との接続部分に備えたり、変速レバー17のアーム部17aと操作部材22との接続部分に備えたりしてもよい。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、副変速装置10を高中低の3段に変速自在なギヤ変速式に構成し、第1及び第2前進経路26,27に加えて、第3前進経路(図示せず)を備えてもよい。このように構成すると、変速レバー17を中立経路28の第1前進経路26の部分及び第2前進経路27の部分に操作すると、副変速装置10が低速位置及び中速位置に操作され、変速レバー17を中立経路28の第3前進経路の部分に操作すると、副変速装置10が高速位置に操作されるように構成する。
本発明はコンバインばかりではなく、機体の後部に作業装置を昇降駆動自在に備えた農用トラクタや、乗用型田植機、乗用型管理機及び建設作業車にも適用できる。
コンバインの全体側面図 コンバインの伝動系及び操作系を示す概略図 静油圧式無段変速装置及び変速レバーの付近の左側面図 静油圧式無段変速装置及び変速レバーの付近の正面図 操作パネルの付近の平面図 変速レバーの中立経路、第1及び第2前進経路、後進経路の平面図 静油圧式無段変速装置及び変速レバーの付近の右側面図 操作軸及びモータの付近の平面図 変速レバーのアーム部及び操作部材の付近の正面図 変速レバーのアーム部及び操作部材の付近の横断平面図 支持部材の凸部及びリミットスイッチの付近の側面図 連係ロッドの融通部及び刈取変速装置のアーム部の付近の正面図 操作板及びデテント機構の付近の側面図 操作板及びデテント機構の付近の平面図 第1位置での操作軸の付近の側面図 第2位置での操作軸の付近の側面図 第3位置での操作軸の付近の側面図 第4位置での操作軸の付近の側面図 刈取状態(標準モード)での各部の状態を示す図 刈取状態(倒伏モード)での各部の状態を示す図 非刈取状態での各部の状態を示す図 変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分から後進経路の部分に操作した状態を示す図
符号の説明
7 主変速装置
10 副変速装置
10d 融通機構
17 変速レバー
26 第1前進経路
27 第2前進経路
28 中立経路
28a 中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間
29 後進経路
53 付勢機構

Claims (3)

  1. 前進及び後進に操作自在な主変速装置と、複数段に変速自在なギヤ変速式の副変速装置と、前記主及び副変速装置を操作可能な変速レバーとを備え、
    並べて配置された第1前進経路及び第2前進経路と、前記第1及び第2前進経路の端部に亘って接続された中立経路と、前記中立経路における第1及び第2前進経路の部分とは異なる部分から延出された後進経路とを備えて、
    前記変速レバーを中立経路に沿って操作すると、前記副変速装置が操作されるように、前記変速レバーと副変速装置とを機械的に連係し、
    前記変速レバーを中立経路に操作すると、前記主変速装置が中立停止位置に操作され、前記変速レバーを第1及び第2前進経路に沿って操作すると、前記主変速装置が前進側に操作されて高速側に操作され、前記変速レバーを後進経路に沿って操作すると、前記主変速装置が後進側に操作されて高速側に操作されるように、前記変速レバーと主変速装置とを連係すると共に、
    前記変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間に沿って操作しても、前記副変速装置が操作されないようにする融通機構を備えてある作業車の走行変速構造。
  2. 前記変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分及び後進経路の部分に操作すると、前記副変速装置が低速側に操作され、前記変速レバーを中立経路における第2前進経路の部分に操作すると、前記副変速装置が高速側に操作されるように構成してある請求項1に記載の作業車の走行変速構造。
  3. 前記変速レバーを中立経路における第1前進経路の部分と後進経路の部分との間に操作した場合、前記変速レバーが中立経路における第1前進経路の部分に位置するように、前記変速レバーを付勢する付勢機構を備えてある請求項1又は2に記載の作業車の走行変速構造。
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CN104675932A (zh) * 2015-03-05 2015-06-03 福建威森机械科技有限公司 一种应用于户外动力机械的行走变速装置

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