JP3973609B2 - 刈取収穫機 - Google Patents
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Description
本発明は刈取収穫機において、刈取部に伝達される動力を変速する刈取変速装置を備えた場合、刈取変速装置の操作が適切に行われるように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、刈取収穫機において次のように構成することにある。
走行変速装置と、人為的に操作される変速操作具とを備えて、変速操作具により走行変速装置が操作されるように構成する。刈取部に伝達される動力を変速する刈取変速装置と変速操作具の操作位置を検出する位置センサーと、アクチュエータとを備える。位置センサーの検出に基づいて変速操作具が低速の走行側に操作されると、アクチュエータにより刈取変速装置が低速側に操作されるように構成する。位置センサーの検出に基づいて変速操作具が高速の走行側に操作されると、アクチュエータにより刈取変速装置が高速側に操作されるように構成する。アクチュエータにより刈取変速装置が低速側から高速側及び高速側から低速側に操作される際の変速操作具の操作位置を低速側及び高速側に変更自在な変更手段を備える。
本発明の第1特徴によれば、刈取収穫機において、刈取部に伝達される動力を変速する刈取変速装置を備えた場合、運転者が変速操作具を低速の走行側に操作すると、アクチュエータにより自動的に刈取変速装置が低速側に操作される。これにより、刈取部で刈取処理される作物の量が少ない状態であるのに刈取変速装置が高速で作動して、作物を傷めてしまうと言うことがない。
これにより、本発明の第1特徴によると、圃場の作物の状態(例えば圃場の作物の倒伏度合いや濡れ度合い等)に応じて、アクチュエータにより刈取変速装置が低速側から高速側(高速側から低速側)に操作される際の変速操作具の操作位置を、低速側及び高速側に適切に変更することが可能になる(例えば運転者が変速操作具を低速側から高速側に操作する場合、比較的早い段階でアクチュエータにより刈取変速装置が低速側から高速側に操作されたり、比較的遅い段階でアクチュエータにより刈取変速装置が低速側から高速側に操作されたりするように構成することが可能になる)。
本発明の第1特徴によると、刈取収穫機において刈取変速装置を備えた場合、変速操作具の操作位置に基づき、アクチュエータにより自動的に刈取変速装置が低速側及び高速側に操作されるように構成することによって、刈取部で刈取処理される作物の量が少ない状態であるのに刈取変速装置が高速で作動して、作物を傷めてしまうと言う状態、及び刈取部で刈取処理される作物の量が多い状態であるのに刈取変速装置が低速で作動して、刈取部での刈取処理が遅れて作物の詰まりに発展すると言う状態を防止することができるようになって、作業能率を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、刈取収穫機において次のように構成することにある。
走行変速装置と、人為的に操作される変速操作具とを備えて、変速操作具により走行変速装置が操作されるように構成する。刈取部に動力を伝達する刈取クラッチと、刈取部に伝達される動力を変速する刈取変速装置と、変速操作具の操作位置を検出する位置センサーと、アクチュエータとを備える。位置センサーの検出に基づいて変速操作具が中立停止位置に操作されると、アクチュエータにより刈取クラッチが遮断状態に操作されるように構成する。位置センサーの検出に基づいて変速操作具が低速の走行側に操作されると、アクチュエータにより刈取クラッチが伝動状態に操作され、アクチュエータにより刈取変速装置が低速側に操作されるように構成する。位置センサーの検出に基づいて変速操作具が高速の走行側に操作されると、アクチュエータにより刈取クラッチが伝動状態に操作されアクチュエータにより刈取変速装置が高速側に操作されるように構成する。アクチュエータにより刈取変速装置が低速側から高速側及び高速側から低速側に操作される際の変速操作具の操作位置を低速側及び高速側に変更自在な変更手段を備える。
本発明の第2特徴によれば、刈取収穫機において、刈取部に動力を伝達する刈取クラッチ、及び刈取部に伝達される動力を変速する刈取変速装置を備えた場合、運転者が変速操作具を低速の走行側に操作すると、アクチュエータにより自動的に刈取クラッチが伝動状態に操作され、アクチュエータにより自動的に刈取変速装置が低速側に操作される。これにより、運転者が作業クラッチを伝動状態に操作するのを忘れて、機体が走行しているのに刈取部による刈取処理が行われないと言うことがなく、刈取部で刈取処理される作物の量が少ない状態であるのに刈取変速装置が高速で作動して、作物を傷めてしまうと言うことがない。
これにより、本発明の第2特徴によると、圃場の作物の状態(例えば圃場の作物の倒伏度合いや濡れ度合い等)に応じて、アクチュエータにより刈取変速装置が低速側から高速側(高速側から低速側)に操作される際の変速操作具の操作位置を、低速側及び高速側に適切に変更することが可能になる(例えば運転者が変速操作具を低速側から高速側に操作する場合、比較的早い段階でアクチュエータにより刈取変速装置が低速側から高速側に操作されたり、比較的遅い段階でアクチュエータにより刈取変速装置が低速側から高速側に操作されたりするように構成することが可能になる)。
本発明の第2特徴によると、刈取収穫機において刈取変速装置を備えた場合、変速操作具の操作位置に基づき、アクチュエータにより自動的に刈取変速装置が低速側及び高速側に操作されるように構成することによって、刈取部で刈取処理される作物の量が少ない状態であるのに刈取変速装置が高速で作動して、作物を傷めてしまうと言う状態、及び刈取部で刈取処理される作物の量が多い状態であるのに刈取変速装置が低速で作動して、刈取部での刈取処理が遅れて作物の詰まりに発展すると言う状態を防止することができるようになって、作業能率を向上させることができた。
図1に示すように、右及び左のクローラ式の走行装置1によって支持された機体の前部の左部に刈取部2、機体の前部の右部に運転部3が備えられ、機体の後部の左部に脱穀装置4、機体の後部の右部にグレンタンク5が備えられて、作業車の一例である稲用のコンバインが構成されている。これにより、圃場の穀稈が刈取部2によって刈り取られ、脱穀装置4により脱穀処理されて、脱穀装置4で回収された穀粒がグレンタンク5に供給される。
次に静油圧式無段変速装置7及び副変速装置10を操作する変速レバー17について説明する。
図3,4,7,8に示すように、運転部3の左横側部に操作パネル18が備えられており、操作パネル18に変速レバー17が配置されている。板材を平面視コ字状に折り曲げられて構成された支持部材20が、操作パネル18の下側に備えられた固定部19の左右軸芯P1周りに揺動自在に支持され、支持部材20の前後軸芯P2周りに変速レバー17が揺動自在に支持されている。支持部材20の下部から前方にアーム20aが延出されており、静油圧式無段変速装置7のトラニオン軸7cのアーム部7dと、支持部材20のアーム部20aとに亘って連係ロッド21が接続されている。
次に駐車ブレーキ16、刈取クラッチ14及び刈取変速装置13について説明する。
図3,7,8に示すように、操作パネル18の下側に固定部30,31が備えられ、固定部30,31に操作軸32が左右軸芯P4周りに回転自在に支持されている。固定部30にモータ33及びギヤケース34が取り付けられており、制御装置35(図2参照)によりモータ33が作動されて、モータ33及びギヤケース34を介して操作軸32が左右軸芯P4周りに回転駆動される。操作軸32の操作位置(角度)を検出するセンサー36が固定部31に取り付けられており、センサー36の検出信号が制御装置35(図2参照)に入力されている。
次にモータ33による駐車ブレーキ16、刈取クラッチ14及び刈取変速装置13の操作構造について説明する。
図7,8,13,14に示すように、操作軸32のアーム部32aに保持板44が固定され、保持板44において後述する第1,2,3,4位置に対応する位置に凹部44aが形成されており、ボール及びバネを備えて構成されたデテント機構45が固定部31に備えられている。
後述する[5]に記載の前進側の中間位置F4を低速側及び高速側に変更自在なダイヤル型式の変更スイッチ53が備えられており、変更スイッチ53の操作信号が制御装置35に入力されている。
次に刈取状態(標準モード)において変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した場合について説明する。
図19に示すように、選択スイッチ49により標準モードを選択し、クラッチレバー46を伝動位置に操作している状態(刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。操作軸32が第1位置に位置している状態において、前項[4]に記載のように、駐車ブレーキ16が制動状態に操作されて、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
これにより、変速レバー17を前進側の所定の低速位置F3側から第1前進経路26の最高速位置F1側に操作する場合(又は、変速レバー17を第1前進経路26の最高速位置F1側から前進側の所定の低速位置F3側に操作する場合)、比較的早い段階で変速レバー17が前進側の中間位置F4に達したり、比較的遅い段階で変速レバー17が前進側の中間位置F4に達したりと言う状態を現出することができる。
次に刈取状態(倒伏モード)において変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した場合、刈取状態(標準モード)及び刈取状態(倒伏モード9において後進経路29に操作した場合について説明する。
図20に示すように、選択スイッチ49により倒伏モードを選択し、クラッチレバー46を伝動位置に操作している状態(刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、前項[5]の場合と同様に、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。
刈取状態(標準モード)及び刈取状態(倒伏モード)において、変速レバー17を第2前進経路27に操作することは可能であるが、このような操作は実際には行わない。
次に非刈取状態において、変速レバー17を第1又は第2前進経路26,27、後進経路29に操作した場合について説明する。
図21に示すように、、クラッチレバー46を遮断位置に操作している状態(非刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、前項[5]の場合と同様に静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。
次にメインスイッチ50を切り操作した場合について説明する。
図2に示すように、エンジン8を始動及び停止操作するキー型式のメインスイッチ50が備えられており、メインスイッチ50の操作位置が制御装置35に入力されている。
前項[5]に記載のように、刈取状態(標準モード)で変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した状態、及び変速レバー17を後進経路29に操作した状態(操作軸32が第2,3,4位置に位置している状態)において、メインスイッチ50が切り操作されてエンジン8が停止すると、モータ33により操作軸32が第1位置に操作されて(バッテリー(図示せず)の電力による)、駐車ブレーキ16が制動状態に操作され、刈取クラッチ14が遮断状態に操作されて、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
前述の[発明を実施するための最良の形態]の[5]において、変速レバー17を前進側の所定の低速位置F3側から第1前進経路26の最高速位置F1側に操作する際に達する前進側の中間位置F4、及び変速レバー17を第1前進経路26の最高速位置F1側から前進側の所定の低速位置F3側に操作する際に達する前進側の中間位置F4を、互いに異なる位置に設定できるように構成してもよい(例えば、変速レバー17を前進側の所定の低速位置F3側から第1前進経路26の最高速位置F1側に操作する際に達する前進側の中間位置F4を少し高速側に設定し、変速レバー17を第1前進経路26の最高速位置F1側から前進側の所定の低速位置F3側に操作する際に達する前進側の中間位置F4を少し低速側に設定する)。
本発明はコンバインばかりではなく、機体の後部に作業装置を昇降駆動自在に備えた農用トラクタや、乗用型田植機、乗用型管理機及び建設作業車にも適用できる。
7 走行変速装置
13 刈取変速装置
14 刈取クラッチ
17 変速操作具
33 アクチュエータ
37 位置センサー
53 変更手段
N 中立停止位置
F4 操作位置
Claims (2)
- 走行変速装置と、人為的に操作される変速操作具とを備えて、前記変速操作具により走行変速装置が操作されるように構成すると共に、
刈取部に伝達される動力を変速する刈取変速装置と、前記変速操作具の操作位置を検出する位置センサーと、アクチュエータとを備えて、
前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が低速の走行側に操作されると、前記アクチュエータにより刈取変速装置が低速側に操作されるように構成し、
前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が高速の走行側に操作されると、前記アクチュエータにより刈取変速装置が高速側に操作されるように構成して、
前記アクチュエータにより刈取変速装置が低速側から高速側及び高速側から低速側に操作される際の変速操作具の操作位置を低速側及び高速側に変更自在な変更手段を備えてある刈取収穫機。 - 走行変速装置と、人為的に操作される変速操作具とを備えて、前記変速操作具により走行変速装置が操作されるように構成すると共に、
刈取部に動力を伝達する刈取クラッチと、前記刈取部に伝達される動力を変速する刈取変速装置と、前記変速操作具の操作位置を検出する位置センサーと、アクチュエータとを備えて、
前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が中立停止位置に操作されると、前記アクチュエータにより刈取クラッチが遮断状態に操作されるように構成し、
前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が低速の走行側に操作されると、前記アクチュエータにより刈取クラッチが伝動状態に操作され、前記アクチュエータにより刈取変速装置が低速側に操作されるように構成し、
前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が高速の走行側に操作されると、前記アクチュエータにより刈取クラッチが伝動状態に操作され、前記アクチュエータにより刈取変速装置が高速側に操作されるように構成して、
前記アクチュエータにより刈取変速装置が低速側から高速側及び高速側から低速側に操作される際の変速操作具の操作位置を低速側及び高速側に変更自在な変更手段を備えてある刈取収穫機。
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