JP3865312B2 - 刈取収穫機 - Google Patents
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Description
この場合、例えば特許文献1に開示されているように、変速レバー(特許文献1の図5中の21)により、走行用の無段変速装置(特許文献1の図3及び図5中の11)を操作する際、変速レバーを中立停止位置(特許文献1の図8中のN)から低速の領域(特許文献1の図8中のFX,FX1)に操作すると、変速レバーの操作位置の割りには走行用の無段変速装置が比較的高速に操作されるようにして、機体を超低速で走行させながら刈取作業を行うと言う状態を避けるように構成したものがある。
又、特許文献1の構造では、変速レバーの中立停止位置の近傍では機体を超低速で走行させることが可能なので、変速レバーを中立停止位置の近傍に操作すると、機体を超低速で走行させながら刈取作業が行われてしまうことがある。
本発明は刈取収穫機において、機体を超低速で走行させながら刈取作業を行うと言う状態を避けることができるようにし、且つ、刈取作業を行わない状態において機体を超低速で走行させながらの変速操作が容易に行えるように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、刈取収穫機において次のように構成することにある。
圃場の作物を刈り取る刈取部と、刈取部に動力を伝達する刈取クラッチと、走行用の無段変速装置と、人為的に操作される変速操作具とを備えて、変速操作具により走行用の無段変速装置が操作されるように構成する。変速操作具が中立停止位置と所定の低速位置と
の間に操作されると、刈取クラッチが遮断状態に操作されて機体の走行が阻止され、変速操作具が所定の低速位置を越えて高速の走行側に操作されると、刈取クラッチが伝動状態に操作されて機体の走行が許容される刈取状態を設定する。変速操作具が中立停止位置から走行側に操作されると、刈取クラッチが遮断状態に操作されて機体の走行が許容される非刈取状態を設定する。刈取状態及び非刈取状態を選択自在な選択手段を備える。
本発明の第1特徴によれば、刈取作業を行う場合、選択手段により刈取状態が選択されるようにすればよい。これにより、刈取状態において、変速操作具が中立停止位置と所定の低速位置との間に操作されると、機体の走行が阻止されて(刈取クラッチが遮断状態に操作されて機体の走行が阻止されて)、機体を超低速で走行させながら刈取作業を行うと言う状態が避けられる。
この場合、本発明の第1特徴によると、機体の走行が阻止されるのに加えて、刈取クラッチが自動的に遮断状態に操作されて刈取部が作動しないので、刈取作業を行わないのに刈取部を作動させてしまうことによる動力の損失がない。
この場合、本発明の第1特徴によると、機体の走行が許容されるのに加えて、刈取クラッチが自動的に伝動状態に操作されて刈取部が作動するので、機体が所定の低速位置以上の適切な機体の走行速度となっているのに、刈取部が作動していないと言う状態は生じない。
この場合、本発明の第1特徴によると、機体の走行が許容されるのに加えて、刈取クラッチが自動的に遮断状態に操作されて刈取部が作動しないので、刈取作業を行わないのに刈取部を作動させてしまうことによる動力の損失がない。
本発明の第1特徴によると、刈取状態において機体を超低速で走行させながら刈取作業を行うと言う状態を避けることができる点、刈取状態において所定の低速位置以上の適切な機体の走行速度により刈取作業が行われる点、及び非刈取状態において機体を超低速で走行させながらの変速操作が容易に行える点により、刈取収穫機の作業性能及び走行性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の刈取収穫機において次のように構成することにある。
機体に備えられた脱穀装置に動力を伝達する脱穀クラッチと、脱穀クラッチを伝動状態及び遮断状態に操作するもので人為的に操作されるクラッチ操作具とを備える。クラッチ操作具が伝動位置に操作されると刈取状態が選択され、クラッチ操作具が遮断位置に操作されると非刈取状態が選択されるように、選択手段を構成する。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
刈取収穫機では稲や麦用のコンバインや大豆等用のコンバインのように、脱穀装置及び脱穀クラッチを備えたものが多くあり、脱穀クラッチを伝動状態及び遮断状態に操作するもので人為的に操作されるクラッチ操作具を備えたものが多くある。この場合、刈取作業では脱穀クラッチを伝動状態に操作して脱穀装置を作動させ、非刈取状態では脱穀クラッチを遮断状態に操作して脱穀装置を停止させる。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前述の本発明の第1特徴の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によれば、刈取状態が設定されているのに脱穀装置が作動していないと言うような状態や、非作業状態が設定されているのに脱穀装置が作動していると言うような状態が生じないことによって、刈取収穫機の作業能率を向上させることができた。
図1に示すように、右及び左のクローラ式の走行装置1によって支持された機体の前部の左部に作業装置である刈取部2、機体の前部の右部に運転部3が備えられ、機体の後部の左部に脱穀装置4、機体の後部の右部にグレンタンク5が備えられて、作業車の一例である稲用のコンバインが構成されている。これにより、圃場の穀稈が刈取部2によって刈り取られ、脱穀装置4により脱穀処理されて、脱穀装置4で回収された穀粒がグレンタンク5に供給される。
右及び左のサイドクラッチとの間の伝動軸15に備えられている。
次に静油圧式無段変速装置7及び副変速装置10を操作する変速操作具17について説明する。
図3,4,7,8に示すように、運転部3の左横側部に操作パネル18が備えられており、操作パネル18に変速操作具としての変速レバー17が配置されている。板材を平面視コ字状に折り曲げられて構成された支持部材20が、操作パネル18の下側に備えられた固定部19の左右軸芯P1周りに揺動自在に支持され、支持部材20の前後軸芯P2周りに変速レバー17が揺動自在に支持されている。支持部材20の下部から前方にアーム20aが延出されており、静油圧式無段変速装置7のトラニオン軸7cのアーム部7dと、支持部材20のアーム部20aとに亘って連係ロッド21が接続されている。
9による支持部材20の摩擦保持によって、変速レバー17が第1前進経路26の手を離した位置に保持される。
次に駐車ブレーキ16、刈取クラッチ14及び刈取変速装置13について説明する。
図3,7,8に示すように、操作パネル18の下側に固定部30,31が備えられ、固定部30,31に操作部材を構成する操作軸32が左右軸芯P4周りに回転自在に支持されている。固定部30にアクチュエータとしてのモータ33及びギヤケース34が取り付けられており、制御装置35(図2参照)によりモータ33が作動されて、モータ33及びギヤケース34を介して操作軸32が左右軸芯P4周りに回転駆動される。操作軸32の操作位置(角度)を検出するセンサー36が固定部31に取り付けられており、センサー36の検出信号が制御装置35(図2参照)に入力されている。
を回転駆動することによって、駐車ブレーキ16を制動状態(図15参照)及び解除状態(図16,17,18参照)に操作することができる。この場合、図16,17,18に示すように、駐車ブレーキ16が解除状態(駐車ブレーキ16のアーム部16aの解除位置)に操作されると、駐車ブレーキ16からモータ33に操作抵抗は掛からず、図15に示すように、駐車ブレーキ16が制動状態(駐車ブレーキ16のアーム部16aの制動位置)に操作されると、駐車ブレーキ16からモータ33に操作抵抗が掛かる(駐車ブレーキ16のアーム部16aから、操作軸32を図15の紙面反時計方向に回転させようとする力が掛かる)。
次にモータ33による駐車ブレーキ16、刈取クラッチ14及び刈取変速装置13の操作構造について説明する。
図7,8,13,14に示すように、操作軸32のアーム部32aに保持板44が固定され、保持板44において後述する第1,2,3,4位置に対応する位置に凹部44aが形成されており、ボール及びバネを備えて構成されたデテント機構45が固定部31に備えられている。
変速装置13が高速位置(刈取変速装置13のアーム部13aの高速位置)に操作された状態である。操作軸32が第4位置に位置している状態において、駐車ブレーキ16(解除状態)からモータ33に操作抵抗は掛からず、刈取クラッチ14(伝動状態)からモータ33に操作抵抗は掛からず(操作軸32のアーム部32bと接続部材41との接続部分が、操作軸32の上側を越える状態となり(上死点を越える状態となり)、操作軸32の図18の紙面反時計方向の回転がストッパー(図示せず)によって止められて、刈取クラッチ14から操作軸32に操作抵抗は掛かるが、刈取クラッチ14からモータ33に操作抵抗は掛からない)、刈取変速装置13(低速位置)からモータ33に操作抵抗が掛かる(刈取変速装置13のアーム部13aから、操作軸32を図18の紙面時計方向に回転させようとする力が掛かる)
次に刈取状態(標準モード)において変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した場合について説明する。
図19に示すように、選択スイッチ49により標準モードを選択し、クラッチレバー46を伝動位置に操作している状態(刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。操作軸32が第1位置に位置している状態において、前項[4]に記載のように、駐車ブレーキ16が制動状態に操作されて、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
6(副変速装置10の低速位置))、刈取部2が作動する(刈取変速装置13の低速位置)。変速レバー17を前進側の所定の低速位置F3と前進側の中間位置F4との間に操作すると(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、モータ33により操作軸32が第3位置に操作された状態で、変速レバー17の操作位置に対応する位置に静油圧式無段変速装置7が操作される。
次に刈取状態(倒伏モード)において変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した場合、刈取状態(標準モード)及び刈取状態(倒伏モード9において後進経路29に操作した場合について説明する。
図20に示すように、選択スイッチ49により倒伏モードを選択し、クラッチレバー46を伝動位置に操作している状態(刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、前項[5]の場合と同様に、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。
が解除状態に操作されて、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。これにより、変速レバー17を中立停止位置Nと後進経路29の最高速位置R1との間に操作した場合(副変速装置10の低速位置)、変速レバー17の操作位置に対応する位置に静油圧式無段変速装置7が操作されるのであり、機体の走行速度が0の状態から連続的に後進の高速側に操作される。
刈取状態(標準モード)及び刈取状態(倒伏モード)において、変速レバー17を第2前進経路27に操作することは可能であるが、このような操作は実際には行わない。
次に非刈取状態において、変速レバー17を第1又は第2前進経路26,27、後進経路29に操作した場合について説明する。
図21に示すように、クラッチレバー46を遮断位置に操作している状態(非刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、前項[5]の場合と同様に静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。
次にメインスイッチ50を切り操作した場合について説明する。
図2に示すように、エンジン8を始動及び停止操作するキー型式のメインスイッチ50が備えられており、メインスイッチ50の操作位置が制御装置35に入力されている。
前項[5]に記載のように、刈取状態(標準モード)で変速レバー17を第1前進経路
26(副変速装置10の低速位置)に操作した状態、及び変速レバー17を後進経路29に操作した状態(操作軸32が第2,3,4位置に位置している状態)において、メインスイッチ50が切り操作されてエンジン8が停止すると、モータ33により操作軸32が第1位置に操作されて(バッテリー(図示せず)の電力による)、駐車ブレーキ16が制動状態に操作され、刈取クラッチ14が遮断状態に操作されて、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
作業変速装置13に対する操作部材に連係している連係ロッド43、並びに作業クラッチ14に対する操作部材に連係している接続部材41及び連係用のバネ42を以って連係部材と総称する。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、刈取状態(標準モード)(倒伏モード)で変速レバー17を中立停止位置Nと前進側の所定の低速位置F3に操作している場合(第1前進経路26(副変速装置10の低速位置))、駐車ブレーキ16が制動状態に操作されるのではなく、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されることにより、機体の走行が阻止されるように構成してもよい。
本発明は、稲や麦用のコンバインや大豆等用のコンバイン、藺草収穫機等の刈取収穫機にも適用できる。
4 脱穀装置
7 走行用の無段変速装置
11 脱穀クラッチ
14 刈取クラッチ
17 変速操作具
46 クラッチ操作具
49 選択手段
N 中立停止位置
F3 所定の低速位置
Claims (2)
- 圃場の作物を刈り取る刈取部と、前記刈取部に動力を伝達する刈取クラッチと、走行用の無段変速装置と、人為的に操作される変速操作具とを備えて、前記変速操作具により走行用の無段変速装置が操作されるように構成すると共に、
前記変速操作具が中立停止位置と所定の低速位置との間に操作されると、前記刈取クラッチが遮断状態に操作されて機体の走行が阻止され、前記変速操作具が前記所定の低速位置を越えて高速の走行側に操作されると、前記刈取クラッチが伝動状態に操作されて機体の走行が許容される刈取状態を設定し、
前記変速操作具が中立停止位置から走行側に操作されると、前記刈取クラッチが遮断状態に操作されて機体の走行が許容される非刈取状態を設定して、
前記刈取状態及び非刈取状態を選択自在な選択手段を備えてある刈取収穫機。 - 機体に備えられた脱穀装置に動力を伝達する脱穀クラッチと、前記脱穀クラッチを伝動状態及び遮断状態に操作するもので人為的に操作されるクラッチ操作具とを備えて、
前記クラッチ操作具が伝動位置に操作されると刈取状態が選択され、前記クラッチ操作具が遮断位置に操作されると非刈取状態が選択されるように、前記選択手段を構成してある請求項1に記載の刈取収穫機。
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