JP3865313B2 - 作業車の操作構造 - Google Patents
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Description
本発明は作業車の操作構造において、アクチュエータを使用した場合、アクチュエータの多機能化を図ることを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、作業車の操作構造において次のように構成することにある。
走行変速装置と、人為的に操作される変速操作具とを備えて、変速操作具により走行変速装置が操作されるように構成する。機体に備えられた作業装置に動力を伝達する作業クラッチと、作業装置に伝達される動力を変速する作業変速装置と、変速操作具の操作位置を検出する位置センサーと、アクチュエータとを備える。位置センサーの検出に基づいて変速操作具が中立停止位置に操作されると、アクチュエータにより作業クラッチが遮断状態に操作されるように構成する。位置センサーの検出に基づいて変速操作具が低速の走行側に操作されると、アクチュエータにより作業クラッチが伝動状態に操作され、アクチュエータにより作業変速装置が低速側に操作されるように構成する。位置センサーの検出に基づいて変速操作具が高速の走行側に操作されると、アクチュエータにより作業クラッチが伝動状態に操作され、アクチュエータにより作業変速装置が高速側に操作されるように構成する。
作業装置を備えた作業車では、作業クラッチに加えて、作業装置に伝達される動力を変速する作業変速装置を備えたものがある。これにより、本発明の第1特徴によると、作業クラッチ及び作業変速装置を備えた場合、変速操作具の操作位置に基づいて、アクチュエータにより作業クラッチが伝動及び遮断状態に操作されるのに加えて、アクチュエータにより作業変速装置が低速側及び高速側に操作される。
操作具が中立停止位置に操作されると、作業クラッチが自動的に遮断状態に操作されて作業装置が停止する。これにより、本発明の第1特徴によると、機体が停止しているのに作業装置を不必要に作動させてしまうと言うことがない。
本発明の第1特徴によると、作業車の操作構造において作業クラッチ及び作業変速装置を備えた場合に、変速操作具の操作位置に基づき、アクチュエータにより作業クラッチが伝動及び遮断状態に操作されて、作業変速装置が低速側及び高速側に操作されるようになり、アクチュエータの多機能化を図ることができて、作業車の機能性を高めることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車の操作構造において次のように構成することにある。
アクチュエータにより軸芯周りに回転駆動される操作部材を備えて、操作部材と作業クラッチとに亘って連係部材を接続し、操作部材と作業変速装置とに亘って連係部材を接続する。アクチュエータにより操作部材が回転駆動されることによって、連係部材を介して作業クラッチが伝動及び遮断状態に操作され、作業変速装置が低速側及び高速側に操作されるように構成する。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、アクチュエータにより操作部材が回転駆動されることによって、作業クラッチ及び作業変速装置が操作されるので、スライド操作等に発生し易いコジレ現象を伴うことなく、アクチュエータにより操作部材及び連係部材を介して、作業クラッチ及び作業変速装置が円滑に操作されるようになる。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前述の本発明の第1特徴の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、スライド操作等に発生し易いコジレ現象を伴うことなく、アクチュエータにより操作部材及び連係部材を介して、作業クラッチ及び作業変速装置が円滑に操作されるようになり、作業クラッチ及び作業変速装置の操作の信頼性を高めることができた。
図1に示すように、右及び左のクローラ式の走行装置1によって支持された機体の前部の左部に作業装置である刈取部2、機体の前部の右部に運転部3が備えられ、機体の後部の左部に脱穀装置4、機体の後部の右部にグレンタンク5が備えられて、作業車の一例である稲用のコンバインが構成されている。これにより、圃場の穀稈が刈取部2によって刈り取られ、脱穀装置4により脱穀処理されて、脱穀装置4で回収された穀粒がグレンタンク5に供給される。
次に静油圧式無段変速装置7及び副変速装置10を操作する変速操作具17について説明する。
図3,4,7,8に示すように、運転部3の左横側部に操作パネル18が備えられており、操作パネル18に変速操作具としての変速レバー17が配置されている。板材を平面視コ字状に折り曲げられて構成された支持部材20が、操作パネル18の下側に備えられた固定部19の左右軸芯P1周りに揺動自在に支持され、支持部材20の前後軸芯P2周りに変速レバー17が揺動自在に支持されている。支持部材20の下部から前方にアーム20aが延出されており、静油圧式無段変速装置7のトラニオン軸7cのアーム部7dと、支持部材20のアーム部20aとに亘って連係ロッド21が接続されている。
次に駐車ブレーキ16、刈取クラッチ14及び刈取変速装置13について説明する。
図3,7,8に示すように、操作パネル18の下側に固定部30,31が備えられ、固定部30,31に操作部材を構成する操作軸32が左右軸芯P4周りに回転自在に支持されている。固定部30にアクチュエータとしてのモータ33及びギヤケース34が取り付けられており、制御装置35(図2参照)によりモータ33が作動されて、モータ33及びギヤケース34を介して操作軸32が左右軸芯P4周りに回転駆動される。操作軸32の操作位置(角度)を検出するセンサー36が固定部31に取り付けられており、センサー36の検出信号が制御装置35(図2参照)に入力されている。
タ33に操作抵抗は掛からない。
次にモータ33による駐車ブレーキ16、刈取クラッチ14及び刈取変速装置13の操作構造について説明する。
図7,8,13,14に示すように、操作軸32のアーム部32aに保持板44が固定され、保持板44において後述する第1,2,3,4位置に対応する位置に凹部44aが形成されており、ボール及びバネを備えて構成されたデテント機構45が固定部31に備えられている。
16が解除状態(駐車ブレーキ16のアーム部16aの解除位置)に操作され、刈取クラッチ14はまだ伝動状態に操作されず(刈取クラッチ14のアーム部14aが伝動位置に達せず)、連係部材を構成する連係ロッド43の融通部43bにより刈取変速装置13が低速位置(刈取変速装置13のアーム部13aの低速位置)に操作された状態である。操作軸32が第2位置に位置している状態において、駐車ブレーキ16(解除状態)からモータ33に操作抵抗は掛からず、刈取クラッチ14(遮断状態)からモータ33に操作抵抗は掛からず、刈取変速装置13(低速位置)からモータ33に操作抵抗は掛からない。
次に刈取状態(標準モード)において変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した場合について説明する。
図19に示すように、選択スイッチ49により標準モードを選択し、クラッチレバー46を伝動位置に操作している状態(刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。操作軸32が第1位置に位置している状態において、前項[4]に記載のように、駐車ブレーキ16が制動状態に操作されて、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
次に刈取状態(倒伏モード)において変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した場合、刈取状態(標準モード)及び刈取状態(倒伏モード9において後進経路29に操作した場合について説明する。
図20に示すように、選択スイッチ49により倒伏モードを選択し、クラッチレバー46を伝動位置に操作している状態(刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、前項[5]の場合と同様に、静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。
前進の走行側に操作されているのに(静油圧式無段変速装置7が前進の高速側に操作されているのに)、駐車ブレーキ16が制動状態に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
刈取状態(標準モード)及び刈取状態(倒伏モード)において、変速レバー17を第2前進経路27に操作することは可能であるが、このような操作は実際には行わない。
次に非刈取状態において、変速レバー17を第1又は第2前進経路26,27、後進経路29に操作した場合について説明する。
図21に示すように、クラッチレバー46を遮断位置に操作している状態(非刈取状態)において、変速レバー17を中立停止位置Nに操作すると、前項[5]の場合と同様に静油圧式無段変速装置7が中立停止位置に操作されて機体が停止し(機体の走行速度が0)、モータ33により操作軸32が第1位置に操作される(図15参照)。
[4]に記載のように、駐車ブレーキ16が解除状態に操作されて、刈取クラッチ14が遮断状態に操作され、刈取変速装置13が低速位置に操作される。これにより、変速レバー17を中立停止位置Nと第2前進経路27の最高速位置F2との間に操作した場合(副変速装置10の高速位置)、変速レバー17の操作位置に対応する位置に静油圧式無段変速装置7が操作されるのであり、機体の走行速度が0の状態から連続的に前進の高速側に操作される。
次にメインスイッチ50を切り操作した場合について説明する。
図2に示すように、エンジン8を始動及び停止操作するキー型式のメインスイッチ50が備えられており、メインスイッチ50の操作位置が制御装置35に入力されている。
前項[5]に記載のように、刈取状態(標準モード)で変速レバー17を第1前進経路26(副変速装置10の低速位置)に操作した状態、及び変速レバー17を後進経路29に操作した状態(操作軸32が第2,3,4位置に位置している状態)において、メインスイッチ50が切り操作されてエンジン8が停止すると、モータ33により操作軸32が第1位置に操作されて(バッテリー(図示せず)の電力による)、駐車ブレーキ16が制動状態に操作され、刈取クラッチ14が遮断状態に操作されて、刈取変速装置13が低速位置に操作される。
作業変速装置13に対する操作部材に連係している連係ロッド43、並びに作業クラッチ14に対する操作部材に連係している接続部材41及び連係用のバネ42を以って連係部材と総称する。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、高低2段(低速位置及び高速位置)に変速自在なギヤ変速式の刈取変速装置13に代えて、静油圧式無段変速装置やベルト式無段変速装置を刈取変速装置13として使用してもよい。
本発明はコンバインばかりではなく、機体の後部に作業装置を昇降駆動自在に備えた農用トラクタや、乗用型田植機、乗用型管理機及び建設作業車にも適用できる。
7 走行変速装置
13 作業変速装置
14 作業クラッチ
17 変速操作具
32 操作部材
33 アクチュエータ
37 位置センサー
42,43 連係部材
N 中立停止位置
P4 軸芯
Claims (2)
- 走行変速装置と、人為的に操作される変速操作具とを備えて、前記変速操作具により走行変速装置が操作されるように構成すると共に、
機体に備えられた作業装置に動力を伝達する作業クラッチと、前記作業装置に伝達される動力を変速する作業変速装置と、前記変速操作具の操作位置を検出する位置センサーと、アクチュエータとを備えて、
前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が中立停止位置に操作されると、前記アクチュエータにより作業クラッチが遮断状態に操作されるように構成し、
前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が低速の走行側に操作されると、前記アクチュエータにより作業クラッチが伝動状態に操作され、前記アクチュエータにより作業変速装置が低速側に操作されるように構成し、
前記位置センサーの検出に基づいて、前記変速操作具が高速の走行側に操作されると、前記アクチュエータにより作業クラッチが伝動状態に操作され、前記アクチュエータにより作業変速装置が高速側に操作されるように構成してある作業車の操作構造。 - 前記アクチュエータにより軸芯周りに回転駆動される操作部材を備えて、前記操作部材と作業クラッチとに亘って連係部材を接続し、前記操作部材と作業変速装置とに亘って連係部材を接続して、
前記アクチュエータにより操作部材が回転駆動されることによって、前記連係部材を介して、前記作業クラッチが伝動及び遮断状態に操作され、前記作業変速装置が低速側及び高速側に操作されるように構成してある請求項1に記載の作業車の操作構造。
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