JP2007321987A - 動力車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】多種多様な状況に対応できる変速モードに変更できる変速制御装置を備えた動力車両を提供する。
【解決手段】
エンジン2の回転動力を主変速装置43と副変速装置45に順次伝達し後輪20,20を駆動するように構成し、主変速装置43の変速は変速レバー16のグリップ部に設けたアップダウンスイッチで変速位置を1段ずつ切り替え、副変速装置45は変速レバー16のシフト操作で変速位置を高低切り替える構成とし、かつアクセルペダル9の踏み込み量に応じて前記主変速装置43の変速位置を自動的に切り替える自動変速制御装置を構成し、前記自動変速制御装置の変速シフトパターンを変更する変速位置設定スイッチ61を設け、該変速位置設定スイッチ61で設定された変速シフトパターン内で前記変速装置43の変速位置を自動的に切り替える。
【選択図】図3

Description

この発明は、トラクタや乗用芝刈機等の動力車両において、走行用の多段の変速位置を運転者の意志により、または走行状態に応じて自動的に変更する自動変速制御装置を備えた動力車両に関する。
エンジンの出力を変速装置を介して走行車輪に伝動するよう構成した動力車両において、手動で直進時又は旋回時に走行変速制御を行う手動変速制御装置と、アクセルペタルの踏込み量などに応じて自動的に走行条件に合った変速制御を行う自動変速制御装置の両方を備えた動力車両が知られている。
下記特許文献には、アクセルペダルの踏込み量とエンジン回転数により変速装置を最適出力状態に自動的に変速する自動変速モードのいずれかを選択して出力する変速モード変更手段を備えた構成が開示されている。
特開2004−76873号公報
前記特許文献のアクセルペダルの踏み込み量とエンジン回転数により変速装置を最適出力状態に自動的に変速する自動変速モードは、変速段数が限られており、多種多様な状況に対応できなかった。
本発明の課題は、多種多様な状況に対応できる変速モードに変更できる変速制御装置を備えた動力車両を提供することである。
本発明の上記課題は、次の構成により解決される。
請求項1記載の発明は、エンジン2の回転動力を主変速装置43と副変速装置45に順次伝達し後輪20,20を駆動するように構成し、前記主変速装置43は変速レバー16のグリップ部に設けたアップダウンスイッチで変速位置を1段ずつ切り替える手動変速操作手段と、アクセルペダル9の踏み込み量に応じて前記主変速装置43の変速位置を自動的に切り替える自動変速操作手段とを備え、副変速装置45は変速レバー16のシフト操作で変速位置を高低切り替える構成とした動力車両において、前記自動変速操作手段の変速シフトパターンを変更する変速位置設定スイッチ61を設けたことを特徴とする動力車両とする。
上記によれば、変速位置設定手段61を用いてユーザが自分の運転技量などに合わせて変速シフトパターンを選択設定できる。
本発明によれば、主変速装置43の自動変速位置は、ユーザが自分の運転技量などに合わせて予め設定した変速パターン位置に設定できるので、各ユーザに適した動力車両の走行安全性とスムーズな走行性が確保できる。
本発明の実施の形態を図面と共に以下作業車両の一例である農業用トラクタ(以下、「トラクタ」という。)について説明する。
図1は本発明の一実施の形態のトラクタの側面図を示す。図2は図1のトラクタの変速装置の動力伝達線図である。
トラクタは車体1の前部にエンジン2を載置し、このエンジン2からクラッチハウジング(図示せず)、ミッションケース3等を一体的に連結して車体1の主枠としている。エンジン2の回転動力をミッションケース3内の変速装置にユニバーサルジョイントを介して伝達する。また、車体1の後部に昇降自在に作業機6を連結している。
フロア8の右側(以下、左、右側とは前進方向に向かっての側方をいい、ここでは前進方向に向かって右側をいう。)に設けられたアクセルペダル9の踏み込み量に応じてエンジン2のスロットルバルブの開度が変わり、変速装置へ入力される動力軸の回転数が増減する。
そしてボンネット15の左右両側には、ホイール式の左右一対の前輪21,21をセンターピボット(図示せず)を中心に対してローリング自在に設けている。また、フロア8の上方には、ステアリングハンドル11、操縦席12、クラッチペタル14などが設けられ、操縦席12の側方には変速レバー16が設けられている。
ミッションケース3内には主・副変速装置が設けられ、この変速装置で最終的に減速された回転動力が左右一対の後輪20,20に伝達される。ミッションケース3の前部には前輪21,21を駆動するための前輪駆動軸22が軸支されている。
ミッションケース3の後上部には油圧シリンダケース25が取り付けられ、この油圧シリンダケース25の左右両側部にはリフトアーム26,26が回動自在に枢着されている。リフトアーム26、26とロワーリンク27,27との間にはリフトロッド28が設けられ、トップリンク23とロワーリンク27,27の後端にロータリなどの作業機6を連結し、リフトアーム26,26を回動させると作業機6が昇降するように構成している。
図2は、本発明に係る実施の形態の変速装置を有するトラクタの走行伝動系を表した線図である。エンジン2の回転動力は前記クラッチペダル14で操作する主クラッチ44に伝えられた後、機体の進行方向を前後方向に切換える前後進切替装置42と油圧アクチュエータ(図示せず)により多段変速が可能な主変速装置43と副変速装置45に順次伝達され、後輪デフ装置46と最終減速ギヤ機構47を介して後輪20,20を駆動するように構成している。また、前輪21,21へは後輪デフ装置46の伝動上手から動力を分岐させて前輪駆動系49を駆動する。
なお、前記主変速装置43は変速レバー16のクリップに設けたアップダウンスイッチで変速位置を1段ずつ切り替える手動操作手段を備え、副変速装置45は変速レバー16のシフト操作で変速位置を適宜切り替える構成となっている。また、コントローラ100には、アクセルペダル9の踏み込み量に応じて主変速装置43の変速位置を自動的に切り替える自動変速操作手段を構成している。
前記主変速装置43と副変速装置45の変速位置は図3(a)に示す通りである。主変速段は1〜4段あり、また副変速段は低速段、中速段及び高速段があり、前記主変速段と副変速段の組み合わせで合計12段の変速位置を選択できる構成である。この合計12段の変速位置は圃場などでの作業走行時に選択可能な走行変速段である。
本実施例の自動変速制御装置は作業機6を牽引しながら圃場などを走行する作業走行時および路上を走行する路上走行時においてユーザが自分の運転技量などに合わせて自由に変速位置を選択設定できることに特徴がある。
図4に上記変速制御装置の構成図を示す。コントローラ100には変速位置設定スイッチ61の他にアクセルペタル回動角センサ(ポテンショメータ)62、エンジン回転センサ63、変速位置センサ64、レバー位置センサ65、作業機保持圧センサ66、前後輪回転センサ67、及びドラフトセンサ68などを備えている。
変速位置設定スイッチ61で選択された変速位置に関する信号とセンサ62〜68などからの信号がコントローラ100に入力されると、コントローラ100の指令により変速装置43内に設けられた複数の制御弁のソレノイド(図示せず)内の中で適切なソレノイドが作動して図5に示す表示パネル60(図1)の液晶モニタ71に設定された変速位置が表示される構成になっている。
従って、ユーザは液晶モニタ71を見ながら自由に適切な変速位置を選択設定できる。例えば図3(b)には3人のユーザがそれぞれの運転技量に合わせて路上走行時の変速位置を変速位置設定スイッチ61を操作して選択する一例を示す。
こうして、ユーザの任意の設定でそれぞれ変速シフトパターンを適切な状態に設定できる。しかも図6に示すようにユーザは、自分の設定した走行モードを液晶モニタ71で確認しながら変速位置を変えることができるので、各ユーザに適した動力車両の走行安全性とスムーズな走行性が確保できる。
また、前記ユーザが任意に設定した変速シフトパターンを図4の制御装置のイメージ図に示すように走行車両メーカ又は修理会社等のホストコンピュータ72で管理するシステムを採用することもできる。このときユーザは携帯電話などの通信手段でホストコンピュータ72と通信できると更に便利である。
ユーザが任意に変速シフトパターンを設定できることはユーザにとって使い易くなるが、自分の設定した走行モードを忘れることもあり、ユーザが設定した変速位置をメーカ等のホストコンピュータで管理できれば、走行車両メーカ又は修理会社等はユーザからの問い合わせやクレームにも迅速に対応できる。また前記メーカ等はユーザの好みの傾向をデータベース化できる利点もある。
さらに、路上走行時と作業走行時の変速シフトパターンを予め数種類設定しておき、状況をコントローラ100が自動的に判断し、変速シフトパターンを自動的に変更する構成を採用してもよい。このように数種類の変速シフトパターンを採用する理由は、路上走行といっても舗装路での走行又は悪路での走行など走行状況が様々であり、また、トラクタが作業機6などの重量物を取り付けている場合あるいは作業機6を取り付けてない場合の牽引走行など各種の作業走行状況があるためである。
すなわち、1つの変速シフトパターンでは上記全ての路上走行状況や作業走行状況でスムーズな変速が難しいので本実施例では図7に示すような各種の走行モードを各種センサの検出値に基づき予め設定できるようにしている。図7に示す通常の路上走行モードは速度を重視した走行モードであり、悪路走行モードは速度を抑えた安全走行が可能な走行モードあり、作業機装着走行モードは圃場でのあらゆる変速位置での走行ができる走行モードであり、重負荷走行モードは作業機6などを牽引する牽引力を重視した走行モードであり、また軽負荷走行モードは高速走行を重視した走行モードである。
図4には前記車両の路上走行状況や作業走行状況に応じた変速シフトパターンに切り換えるための機能も備えた制御装置の構成を示している。制御装置には前記車両の路上走行状況や作業走行状況に応じた条件を検出して前記走行モードを判定するためのセンサが設けられており、例えば作業機6を上昇させた時にシリンダへどれ位の圧がかかっているかを検出する保持圧センサ66、前後輪の各回転センサ67及び牽引装置の歪みセンサ68である。コントローラ100は前記作業機6の保持圧センサ66の検出値により作業機6の有無の判定を行い、後輪駆動車両における前輪と後輪の各回転センサ67の検出値により後輪回転数が前輪回転数より大きいと悪路走行中であると判定し、牽引装置の歪みセンサ68の検出値により作業機6の軽重が判定できる。
このように、図4に示す制御装置により車両の路上走行状況や作業走行状況に応じた変速シフトパターンに切り換えることで、よりスムーズな走行が可能となる。
また、前記主変速装置43及び副変速装置44を全てアクチュエータで操作する場合は、図8のように、変速レバー16を直線的に作動させて、該レバー16の位置をアクセルペタル回動角センサ62で読み取り、該レバー16の変速位置に相当する油圧バルブ(図示せず)を作動する機構を採用する場合もある。
このような構成では図8に示すように、通常の変速シフトではレバーガイド74の中立位置(N)から12段まで変速レバー16を操作して変速段を決める。そして最も増速側に変速レバー16を倒す位置に該レバー16の基部を挟み付ける板バネ76を設けておく。そして、路上走行位置にするためには板バネ76の反力に打ち勝つように変速レバー16を倒すことでユーザは該レバー16を見なくても路上走行位置に該レバー16があることを確認できる。また、変速レバー16を最も増速側に倒した位置に入れるときには該レバー16の握りも設けたスイッチ(図示せず)を押したままで倒されたときだけ路上走行位置に入ることができる構成にしてもよい。
さらに、図9に示すように変速レバー16を最も増速側に倒したときにレバーガイド74の突起74aを乗り越えることができると路上走行位置となる構成にしてもユーザは該レバー16を見なくても路上走行位置にレバー16があることを確認できる。
また、変速レバー16を最も増速側に倒しきった位置に板バネ76を設置しておき、ユーザが、その位置に該レバー16を1秒以上保持したら路上走行モードとなる構成にして、この場合には路上走行モードに入ったことが認識できるように音声を出す構成にしてもよい。その後、ユーザが変速レバー16から手を離すと該レバー16は路上走行位置に静止し、路上走行モードが継続する。もし作業モードに戻したいときは変速位置の変速位置12から1の範囲に変速レバー16を動かすことで変更される。
上記構成にすると、仮に作業モードにおいて単に変速レバー16を路上位置に入れただけでは受付ないので、ユーザが変速位置を認識せずにレバー操作したとき不用意に路上走行モードとなるトラブルを避けることができる。
こうして、ユーザが意識せずにレバー操作したとき不用意に路上走行モードとなるトラブルを避けることができ、しかも変速レバー16を最も増速側に倒したときに路上走行用の変速位置とすることでシフト操作の簡素化を図ることができる。
なお、図8と図9に示す構成を採用する場合にも路上走行位置では、図7に示すように予め設定したモードに応じてアクセルペタル9の踏み込み、即ちエンジン2の設定位置と同エンジン2の出力回転数に応じて自動変速する構成となっている。
この発明は、トラクタや乗用芝刈機等の動力車両において、走行用の多段の変速位置を運転者の意志により、または走行状態に応じて自動的に変更する自動変速制御装置を備えた動力車両に利用できる。
本発明の一実施例のトラクタの側面図である。 図1のトラクタの変速装置の動力伝達線図である。 図1のトラクタの作業モードと走行モードでの変速位置(図3(a))とユーザの設定した路上走行時の変速位置(図3(b))を示す構成図である。 図1のトラクタの変速制御装置の構成図である。 図1のトラクタの表示パネルを示す図である。 図5の表示パネルを用いて変速位置を設定する場合の画面の変化を示す図である。 図1のトラクタの路上走行時又は作業走行時の走行状況に応じた走行モードとその変速位置を示す構成図である。 本発明の一実施例のトラクタの変速レバーの作動を説明する図である。 本発明の一実施例のトラクタの変速レバーの作動を説明する図である。
符号の説明
1 車体 2 エンジン
3 ミッションケース
6 作業機
8 フロア
9 アクセルペダル
11 ステアリングハンドル
12 操縦席
14 クラッチぺダル
15 ボンネット
16 変速レバー
20 後輪
21 前輪
22 前輪駆動軸
23 トップリンク
25 油圧シリンダケース
26 リフトアーム
27 ロワーリンク
42 前後進切替装置
43 主変速装置
44 主クラッチ
45 副変速装置
46 後輪デフ装置
47 最終減速ギヤ機構
49 前輪駆動系
60 表示パネル
61 変速位置設定スイッチ
62 アクセルペタル回動角センサ(ポテンショメータ)
63 エンジン回転センサ
64 変速位置センサ
65 レバー位置センサ
66 作業機保持圧センサ
67 前後輪回転センサ
68 ドラフトセンサ(歪みセンサ)
71 液晶モニタ
72 ホストコンピュータ
74 レバーガイド
74a 突起
76 板バネ
100 コントローラ

Claims (1)

  1. エンジン(2)の回転動力を主変速装置(43)と副変速装置(45)に順次伝達し後輪(20,20)を駆動するように構成し、主変速装置(43)の変速は変速レバー(16)のグリップ部に設けたアップダウンスイッチで変速位置を1段ずつ切り替え、副変速装置(45)は変速レバー(16)のシフト操作で変速位置を高低切り替える構成とし、かつアクセルペダル(9)の踏み込み量に応じて前記主変速装置(43)の変速位置を自動的に切り替える自動変速制御装置を構成した動力車両において、前記自動変速制御装置の変速シフトパターンを変更する変速位置設定スイッチ(61)を設けたことを特徴とする動力車両。
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