JP2014186220A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 現像ロール22が有する磁石ロール22aに着磁された複数の磁極の内の第1の搬送磁極N1から、スリーブ22bの回転方向における下流側に隣接して設けられ、第1の搬送磁極と異極性である吸着磁極S2までの、スリーブの周面上において現像剤に作用する磁気吸引力の分布を次のように設定する。第1の搬送磁極が設けられた位置から周方向における下流側に向かって磁気吸引力が減少し、減少する勾配が一旦増大した下流側で磁気吸引力が変化する勾配が小さくなって、現像剤をスリーブの周面上に保持することができない程度に磁気吸引力が低減された吸引力低減領域が存在する。該領域の下流側では、磁気吸引力が変化する勾配が増大して吸着磁極が設けられた位置まで磁気吸引力が増加するものとする。
【選択図】図3
Description
一方、異極性の磁極間で現像剤の剥離を行うには、ブレード等を現像ロールの周面に接触するように配置し、又は近接して配置し、機械的に現像ロール上の現像剤を剥離することが考えられる。
前記静電潜像にトナーを転移して現像する、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の現像装置と、 前記像保持体上における現像で形成されたトナー像を、記録媒体に転写する転写手段と、 前記記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体上に定着する定着手段と、を備える画像形成装置を提供する。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
この画像形成装置は、4色のトナーを用いてカラー画像を形成する画像形成装置であり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、これらと対向する中間転写ベルト11とを備えている。
中間転写ベルト11は、無端状となっており、回転駆動される対向ロール15と、中間転写ベルト11の幅方向への偏りを調整する調整ロール16と、二つの支持ロール17、18とに張架されている。そして、上記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと対向するように配置され、対向ロール15が駆動されることによって図中に示す矢印Xの方向に周面が周回駆動されるものである。
この二次転写ロール12が中間転写ベルト11と対向する二次転写位置13には記録シート収容部8から搬送路9を経て、記録媒体である記録シートが送り込まれる。記録シートの搬送経路における二次転写位置13の下流側には、トナー像を加熱及び加圧して記録シート上に圧着する定着装置7が設けられている。
さらに下流側にはトナー像が定着された記録シートを重ねて保持する排紙保持部14が設けられている。
この現像装置は、二成分現像剤を収容する現像剤収容室26,27を備えたハウジング21と、上記感光体ドラム1と近接対向するように配置された現像ロール22と、上記現像剤収容室内で二成分現像剤を攪拌するとともに搬送する第1のオーガ23及び第2のオーガ24と、上記現像ロール22上に吸着した二成分現像剤の量を規制する層厚規制部材25と、を備えている。
トナーは、例えば粒径約3μm〜9μm、磁性キャリアは、体積平均粒径が20〜50μmのものを使用することができる。また、トナーは、粉砕分級法、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法等、一般に知られている製法によって得られたものを用いることができるが、懸濁重合法で得られたトナー等、スリーブの表面に擦りつけられたときの摩擦力が小さいトナーを使用したときに、本発明の効果がより顕著に得られる。
図3(a)の実線は、スリーブ22bの周面上における該周面と垂直な方向の磁束密度の分布Vを示す。また、破線はスリーブ22bの周面に沿った方向の磁束密度の分布Hを示す。一方、図3(b)はスリーブ22bの周面上における該周面と垂直な方向の磁気吸引力の分布Fを示すものである。また、図4は、上記スリーブ22bの周面上における磁束密度分布を、横軸が周方向の位置を示すものとして表したものである。
本件発明の構成を備えずに磁気吸引力の分布が徐々に低減されるものである現像装置では、図5に示すように、スリーブ122bの回転速度が変更され、回転速度が大きく遠心力が大きく作用するときには、図5中に符号Aで示すようにスリーブ122bの回転方向における上流側で早期に現像剤が剥離される。回転速度が小さく遠心力の作用が小さいときには、図5中に符号Bで示すように下流側まで現像剤がスリーブ122bに吸着されたまま搬送されて、スリーブ122bの表面からの剥離が遅れる。そして、スリーブ122bの表面から現像剤が剥離されるのが遅れると、現像剤が下流側にある吸着磁極S2の近くまで搬送されて剥離されるので、剥離された現像剤が、オーガ123,124によって充分に攪拌されるまでに再びスリーブ122b上に供給される虞が生じる。現像剤がオーガ123,124によって充分に攪拌されていないと現像剤中のトナー濃度が低下し、現像されたトナー像に濃度ムラが生じることになる。
本発明に係る現像装置では、第1の搬送磁極N1と吸着磁極S2との間で磁気吸引力が急激に減少していることによって、上記のような問題点が生じるのが抑制される。
なお、スリーブ22bの回転速度の変更は、例えば、トナー像を転写する記録シートの種類、厚さ等によってプロセス速度つまり画像形成時における感光体ドラム1、現像ロール22、中間転写ベルト11、定着ロール7等の駆動速度を変更するとき等において行われる。
図6(a)に示すように、2つの同極性の磁極を隣り合うように設け、これらの磁極間に生じる反発磁界によって現像剤をスリーブ222bの表面から剥離するものでは、図6(a)中に磁力線で示すように、2つの磁極間には反発磁界が生じ、現像剤に含まれる磁性粒子が存在しにくくなる領域Cが生じる。スリーブ222b上に保持されて搬送されてきた現像剤が、上記領域Cに送り込まれることによってスリーブ222bの表面から離れ、現像剤収容室に戻されるものであるが、上記領域に至る直前で磁性粒子に搬送方向への移動を押しとどめようとする力が反発磁界によって生じる。このため、図6(b)に示すように、反発磁界が作用する上記領域の直前で現像剤230が滞留し、スリーブ222b上で継続して搬送される現像剤によって滞留量が増加してゆく。この滞留した現像剤230の集合体には、反発磁界による押し留めようとする力F1と駆動されるスリーブ222bの周面との摩擦によってスリーブの回転方向に搬送しようとする力F2とが作用する。そして、滞留量が増大すると突然に滞留した現像剤の集合体が崩れ、スリーブ222bの表面から剥離される。このようにスリーブの表面上で滞留する現像剤量が急変すると、滞留している現像剤230とスリーブ222bの表面との間に作用している摩擦力が急変し、スリーブ222bの駆動負荷が変動する。駆動負荷が変動すると、スリーブ222bの回転速度にムラが発生して画像に濃度ムラが生じることがある。
これに対し、異極性の磁極間で現像剤をスリーブから剥離する現像装置では、上記のような現像剤の滞留が生じないので、現像剤の滞留は生じにくく、スリーブの回転ムラによる画像欠陥が抑制される。
上記第1の搬送磁極N1が設けられた位置は、第1の搬送磁極N1の中心であって、スリーブ22bの表面と直角方向の磁束密度がピーク値となる位置である。また、吸引力低減領域W2は、スリーブ22bの周面上に現像剤を保持することができない程度に磁気吸引力が低減された領域であり、その領域を下方に向けたときにスリーブ22b上の現像剤が重力で落下してスリーブ22b上に保持することができない領域とする。
上記第1の搬送磁極が設けられた位置からスリーブ22bの回転方向に吸引力低減領域W2に至るまでのスリーブ22bの中心角W1が、第1の搬送磁極N1の着磁の状態によって異なる複数の磁石ロールを製作し、上記実施の形態の現像装置20内でスリーブ22bを回転駆動する。そして、スリーブ22b上への現像剤の供給及びスリーブ22b上からの剥離を行って現像剤が落下する位置を調査した。スリーブ22bの回転速度は、この現像装置20が使用されるときの最大速度とその1/3の速度で駆動し、双方の速度で現像剤が落下する位置の差を計測している。
なお、現像剤が落下する位置は、第1のオーガ23の外周縁の最も高い位置とする。
落下位置及び落下位置のずれ量は、スリーブの径、回転速度、使用する現像剤等によって変動する可能性はあるが、これらの要因が変化しても、磁性現像剤で現像する現像装置において用いる一般的なパラメータの範囲内であれば、ほぼ同様の傾向が生じる。
この実験では、第1の搬送磁極N1と吸着磁極S2の位置を変えて、これらの磁極間で生じる吸引力低減領域W2が異なる複数の磁石ロールを製作し、上記実施の形態の現像装置20内に組み込んでテスト画像の現像を繰り返し行った。このとき、スリーブ22bの回転速度は、この現像装置が使用されるときの最低速度に設定する。
現像するテスト画像は、図8(a)に示すように、画像を形成する方向つまり記録シートを搬送する方向の前半部には搬送方向に長い帯画像31を形成し、後半部に上記帯画像より広い幅で印字率30%の中間調画像32つまりトナーを転移する部分の面積率が30%となる画像を形成する。そして、図8(b)に示すように帯画像の後方部分32aにおける中間調画像の濃度と、帯画像31がない部分の中間調画像32bの濃度とに差が生じたときに、これらを比較する。
このような濃度差が生じる程度は、現像装置における現像ロール、オーガ等の配置等によって変動する可能性はあるが、これらの要因が変化してもほぼ同様の傾向が生じるものと推定される。
例えば、上記実施の形態で示した現像ロール22の磁気吸引力分布及び磁束密度分布は一例であり、本発明の範囲内で他の分布であってもよい。
10:画像形成ユニット、 11:中間転写ベルト、 12:二次転写ロール、 13:二次転写位置、 14:排紙保持部、 15:対向ロール、 16:調整ロール、 17,18:支持ロール、
20:現像装置、 21:ハウジング、 22:現像ロール、 22a:磁石ロール、 22b:スリーブ、 23:第1のオーガ、 24:第2のオーガ、 25:層厚規制部材、 26,27:現像剤収容室、 28:隔壁、
120:現像装置、 122:現像ロール、 122a:磁石ロール、 122b,222b:スリーブ、 123:第1のオーガ、 124:第2のオーガ、 230:現像剤、
S1:現像磁極、 S2:吸着磁極、 N1:第1の搬送磁極、 N2:第2の搬送磁極、
V:スリーブ22bの周面上における周面と垂直な方向の磁束密度分布、
H:スリーブ22bの周面上における周面の接線方向の磁束密度分布、
F:スリーブ22bの周面上において周面と垂直な方向に作用する磁気吸引力
Claims (7)
- 静電潜像が形成される像保持体と対向するように配置され、周方向に回転駆動される円筒状のスリーブと、
前記スリーブの内側に固定支持され、周方向に複数の磁極が設けられて、磁性材料を含む現像剤を磁気的な吸引力によって前記スリーブの周面上に保持する磁石ロールと、を有し、
前記磁石ロールに着磁された複数の磁極の内の第1の磁極から、前記スリーブの回転方向における下流側に隣接して設けられ、第1の磁極と異極性である第2の磁極までの、前記スリーブの周面上において現像剤に作用する磁気吸引力の分布が、前記第1の磁極が設けられた位置から周方向における下流側に向かって磁気吸引力が減少し、減少する勾配が一旦増大した下流側で磁気吸引力が変化する勾配が小さくなって、前記現像剤を前記スリーブの周面上に保持することができない程度に磁気吸引力が低減された吸引力低減領域があり、該領域の下流側で磁気吸引力が変化する勾配が増大して第2の磁極が設けられた位置まで磁気吸引力が増加するものであることを特徴とする現像装置。 - 前記第1の磁極が設けられた位置から吸引力低減領域に至るまでの、前記スリーブの中心角が 50°以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記吸引力低減領域は、前記スリーブの中心角で90°以上の範囲に及ぶものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
- 前記吸引力低減領域は、前記スリーブの周面の接線が鉛直となる位置の前後にわたって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の現像装置。
- 前記磁石ロールに設けられた複数の磁極は、4極以上で偶数の磁極であり、前記吸引力低減領域の両側にある第1の磁極が設けられた位置と第2の磁極が設けられた位置との中心角は、他の磁極間の中心角より大きく設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の現像装置。
- 現像剤を収容する現像剤収容部から前記スリーブの周面上に供給される現像剤は、重合製法によって形成されたトナーと、磁性キャリアとを含む二成分現像剤であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の現像装置。
- 無端状の周面に静電潜像が形成される像保持体と、
前記静電潜像にトナーを転移して現像する、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の現像装置と、
前記像保持体上における現像で形成されたトナー像を、記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体上に定着する定着手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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