JP2023001586A - 現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】規制部材25に対して最も近接して配置される規制磁極N1の法線方向の磁束密度が2つの極大値(ピーク)を有する磁束密度分布において、規制部材により規制される現像剤量の変動を抑制できる構成を提供する。【解決手段】規制磁極N1の磁束密度Brの分布は、上流ピークP1と下流ピークP2を有する。上流ピークP1と下流ピークP2の間の角度が20°以上50°未満である。規制磁極N1において、上流ピークP1と下流ピークP2との間に、現像スリーブの外周面上の接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oを有する。規制部材25は、上流ピークP1と、接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oとの間に対向するように配置されている。接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oは、上流ピークP1と下流ピークP2との中点に対して±2°の範囲或いはこの範囲よりも下流側に位置する。【選択図】図8

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複数の機能を有する複合機などの画像形成装置に用いられる現像装置に関する。
現像装置では、従来から、非磁性粒子のトナーと磁性粒子のキャリアを含む2成分現像剤(以下、現像剤と略称する)を用いるものが知られている。このような現像装置では、内側にマグネットローラを配置した現像スリーブ(現像剤担持体)の表面に現像剤を担持し、現像スリーブが回転することで現像剤が搬送される。現像剤は、現像スリーブに近接して配置された規制部材により現像剤量(層厚)が規制されて、感光ドラム(像担持体)と対向する現像領域に搬送される。そして、感光ドラム上に形成された静電潜像を現像剤中のトナーにより現像する。
このような構成の場合、マグネットローラの磁束密度の分布と規制部材との位置関係がずれると、規制部材により規制され現像部に搬送される現像剤量が変化してしまう。特許文献1には、マグネットローラが有する複数の磁極のうち、規制部材と対向する規制磁極の法線方向の磁束密度Brが2つの極大値(ピーク)を有する磁束密度分布を有し、規制部材が2つのピーク位置の間に対向して配置されている構成が記載されている。
特開2017-146398号公報
特許文献1の場合、規制磁極の法線方向の磁束密度Brが2つの極大値(ピーク)を有する磁束密度分布を有するため、規制磁極の法線方向の磁束密度Brの分布が現像スリーブの回転方向(θ方向)に関して緩やかにできる。このため、マグネットローラの磁束密度の分布と規制部材との位置関係がずれても、規制部材により規制され現像部に搬送される現像剤量の変動を抑えられる。
しかしながら、規制部材により規制される現像剤量は、法線方向の磁束密度Brだけでなく接線方向の磁束密度Bθの影響も受ける。ここで、現像スリーブの回転方向(下流方向)をθ軸(接線方向)の正とすると、一般的に磁極の上流では磁束密度の接線成分Bθが負、磁極の下流側では磁束密度の接線成分Bθが正になりやすい。これは磁極のピーク位置から磁束線が放射線状に伸びるため、磁極の上流は上流方向(負の方向)に、磁極の下流は下流方向(正の方向)に磁束線が伸びるからである。
本発明者らの検討によれば、規制部材が対向した位置での接線方向の磁束密度Bθが正の場合は、負の場合よりも、規制部材との位置関係がずれた時の現像剤量変動が大きくなり易いことが分かった。このため、規制磁極の法線方向の磁束密度Brが2つの極大値(ピーク)を有する磁束密度分布であっても、接線方向の磁束密度Bθとの関係では、マグネットローラの磁束密度の分布と規制部材との位置関係がずれた場合に、規制部材により規制される現像剤量の変動が大きくなる虞がある。
本発明は、規制部材に対して最も近接して配置される規制磁極の法線方向の磁束密度が2つの極大値(ピーク)を有する磁束密度分布において、規制部材により規制される現像剤量の変動を抑制できる構成を提供することを目的とする。
本発明の現像装置は、回転可能に設けられ、像担持体に形成された静電潜像を現像する位置にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対して非接触に対向して配置され、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、前記現像剤担持体の内部に非回転に固定して配置され、前記規制部材に対して最も近接して配置される規制磁極を含む複数の磁極を有し、前記現像剤を前記現像剤担持体に担持させるための磁界を発生するマグネットと、を備え、前記規制磁極において、前記現像剤担持体の外周面上の法線方向の磁束密度Brが、前記現像剤担持体の回転方向上流側から下流側にかけて上流極大値P1と極小値Bと下流極大値P2とがこの順に存在する磁束密度分布を有し、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置の間の角度が20°以上50°未満であり、前記規制磁極において、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置との間に、前記現像剤担持体の外周面上の接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oを有し、前記規制部材は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と、前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oとの間に対向するように配置されており、前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oは、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置との中点に対して±2°の範囲或いはこの範囲よりも下流側に位置することを特徴とする。
また、本発明の現像装置は、回転可能に設けられ、像担持体に形成された静電潜像を現像する位置にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対して非接触に対向して配置され、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、前記現像剤担持体の内部に非回転に固定して配置され、前記規制部材に対して最も近接して配置される規制磁極を含む複数の磁極を有し、前記現像剤を前記現像剤担持体に担持させるための磁界を発生するマグネットと、を備え、前記規制磁極において、前記現像剤担持体の外周面上の法線方向の磁束密度Brが、前記現像剤担持体の回転方向上流側から下流側にかけて上流極大値P1と極小値Bと下流極大値P2とがこの順に存在する磁束密度分布を有し、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置の間の角度が20°以上50°未満であり、前記規制磁極において、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置との間に、前記現像剤担持体の外周面上の接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oを有し、前記規制部材は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と、前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oとの間に対向するように配置されており、前記マグネットの前記複数の磁極は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記規制磁極の上流側に前記規制磁極と隣接して配置された上流側磁極と、前記規制磁極の下流側に前記規制磁極と隣接して配置された下流側磁極とを含み、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流側磁極の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|は、前記下流側磁極の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|よりも小さく、前記上流極大値P1の絶対値|Br|は、前記下流極大値P2の絶対値|Br|よりも小さいことを特徴とする。
また、本発明の現像装置は、回転可能に設けられ、像担持体に形成された静電潜像を現像する位置にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対して非接触に対向して配置され、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、前記現像剤担持体の内部に非回転に固定して配置され、前記規制部材に対して最も近接して配置される規制磁極を含む複数の磁極を有し、前記現像剤を前記現像剤担持体に担持させるための磁界を発生するマグネットと、を備え、前記規制磁極において、前記現像剤担持体の外周面上の法線方向の磁束密度Brが、前記現像剤担持体の回転方向上流側から下流側にかけて上流極大値P1と極小値Bと下流極大値P2とがこの順に存在する磁束密度分布を有し、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置の間の角度が20°以上50°未満であり、前記規制磁極において、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置との間に、前記現像剤担持体の外周面上の接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oを有し、前記規制部材は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と、前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oとの間に対向するように配置されており、前記マグネットの前記複数の磁極は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記規制磁極の上流側に前記規制磁極と隣接して配置された上流側磁極を含み、前記上流側磁極の法線方向の磁束密度の極大値の絶対値|Br|が前記上流極大値P1の絶対値|Br|よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の現像装置は、回転可能に設けられ、像担持体に形成された静電潜像を現像する位置にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対して非接触に対向して配置され、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、前記現像剤担持体の内部に非回転に固定して配置され、前記規制部材に対して最も近接して配置される規制磁極を含む複数の磁極を有し、前記現像剤を前記現像剤担持体に担持させるための磁界を発生するマグネットと、を備え、前記規制磁極において、前記現像剤担持体の外周面上の法線方向の磁束密度Brが、前記現像剤担持体の回転方向上流側から下流側にかけて上流極大値P1と極小値Bと下流極大値P2とがこの順に存在する磁束密度分布を有し、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置の間の角度が20°以上50°未満であり、前記規制磁極において、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置との間に、前記現像剤担持体の外周面上の接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oを有し、前記規制部材は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値と、前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oとの間に対向するように配置されており、前記マグネットの前記複数の磁極は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記規制磁極の上流側に前記規制磁極と隣接して配置された上流側磁極と、前記規制磁極の下流側に前記規制磁極と隣接して配置された下流側磁極とを含み、前記上流側磁極の法線方向の磁束密度の極大値の絶対値|Br|が前記下流側磁極の法線方向の磁束密度の極大値の絶対値|Br|よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、規制部材に対して最も近接して配置される規制磁極の法線方向の磁束密度が2つの極大値(ピーク)を有する磁束密度分布において、規制部材により規制される現像剤量の変動を抑制できる。
第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成断面図。 第1の実施形態に係る現像装置の概略構成断面図。 実施例1及び比較例1に係る現像スリーブの規制部材配置領域を中心とする角度と、法線方向の磁束密度Br及び接線方向の磁束密度Bθの関係を示すグラフ。 実施例1及び比較例1に係る現像スリーブに関して、規制部材の対向位置を変化させながら、規制部材を通過後の現像スリーブ上の現像剤量を測定した結果を示すグラフ。 現像スリーブの規制磁極の接線方向の磁束密度Bθが負となる領域に規制部材を対向させた場合の、(a)現像スリーブ上の磁気穂の挙動を示す模式図、(b)現像剤溜まり付近の現像剤の流動層を示す模式図。 現像スリーブの規制磁極の接線方向の磁束密度Bθが正となる領域に規制部材を対向させた場合の、(a)現像スリーブ上の磁気穂の挙動を示す模式図、(b)現像剤溜まり付近の現像剤の流動層を示す模式図。 比較例1に係る現像スリーブの規制部材配置領域を中心とする角度と、法線方向の磁束密度Br及び接線方向の磁束密度Bθの関係を示すグラフ。 実施例1に係る現像スリーブの規制部材配置領域を中心とする角度と法線方向の磁束密度Br及び接線方向の磁束密度Bθの関係を示すグラフ。 第2の実施形態において、実施例2、2´及び比較例1に係る現像スリーブの規制部材配置領域を中心とする角度と、法線方向の磁束密度Br及び接線方向の磁束密度Bθの関係を示すグラフ。 第3の実施形態において、実施例3、3´及び比較例1に係る現像スリーブの規制部材配置領域を中心とする角度と、法線方向の磁束密度Br及び接線方向の磁束密度Bθの関係を示すグラフ。
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1ないし図8を用いて説明する。なお、本実施形態では、現像装置を、画像形成装置の一例としてタンデム型のフルカラープリンタに適用した場合について説明している。
[画像形成装置]
まず、図1を用いて画像形成装置1の概略構成について説明する。本実施形態では、画像形成装置1は、中間転写ベルト44bを有し、感光ドラム81y~81kから中間転写ベルト44bに各色のトナー像を一次転写した後、各色の複合トナー像をシートSに一括して二次転写する方式としている。但し、これには限られず、シート搬送ベルトで搬送されたシートに感光ドラムから直接に転写する方式を採用してもよい。
また、本実施形態では、現像剤として、非磁性のトナーと磁性のキャリアとの混合物である二成分現像剤を使用している。トナーは、ポリエステル、スチレン等の樹脂に着色料、ワックス成分などを内包し、粉砕あるいは重合によって生成している。キャリアは、フェライト粒子や磁性粉を混錬した樹脂粒子からなるコアの表層に樹脂コートを施して生成している。
図1に示すように、画像形成装置1は、筐体としての画像形成装置本体(以下、装置本体という)10を備えている。装置本体10は、画像読取部11と、シート給送部30と、画像形成部40と、シート搬送部50と、シート排出部60と、制御部70と、を備えている。なお、記録材であるシートSは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等がある。
画像読取部11は、装置本体10の上部に設けられている。画像読取部11は、原稿載置台としての不図示のプラテンガラスと、プラテンガラスに載置された原稿に光を照射する不図示の光源と、反射光をデジタル信号に変換する不図示のイメージセンサ等を備えている。
シート給送部30は、装置本体10の下部に配置されており、記録紙等のシートSを積載して収容するシートカセット31a,31bと、給送ローラ32a,32bとを備え、収容されたシートSを画像形成部40に給送する。
画像形成部40は、画像形成ユニット80と、トナーホッパ41と、トナー容器42と、レーザスキャナ43と、中間転写ユニット44と、二次転写部45と、定着装置46とを備えている。画像形成部40は、画像情報に基づいてシートSに画像を形成可能である。
なお、本実施形態の画像形成装置1は、フルカラーに対応するものであり、画像形成ユニット80y,80m,80c,80kは、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。トナーホッパ41y,41m,41c,41k及びトナー容器42y,42m,42c,42kも同様に、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。このため、図1中では4色の各構成について同符号の後に色の識別子を付して示すが、図2及び明細書中では色の識別子を付さずに符号のみで説明する場合がある。
トナー容器42は、例えば円筒形状のボトルであり、トナーが収容され、各画像形成ユニット80の上方に、トナーホッパ41を介して連結して配置されている。レーザスキャナ43は、帯電ローラ82により帯電された感光ドラム81の表面を露光して、感光ドラム81の表面上に静電潜像を形成する。
画像形成ユニット80は、4色のトナー画像を形成するための4個の画像形成ユニット80y,80m,80c,80kを含んでいる。各画像形成ユニット80は、トナー画像を形成する感光ドラム(像担持体)81y,81m,81c,81kと、帯電ローラ82y,82m,82c,82kと、現像装置20y,20m,20c,20kと、クリーニングブレード84y,84m,84c,84kとを備えている。また、感光ドラム81y,81m,81c,81kと、帯電ローラ82y,82m,82c,82kと、現像装置20y,20m,20c,20kと、クリーニングブレード84y,84m,84c,84kと、後述する現像スリーブ24とについても、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。このため、図1中では4色の各構成について同符号の後に色の識別子を付して示すが、図2及び明細書中では色の識別子を付さずに符号のみで説明する場合がある。
像担持体としての感光ドラム81は、アルミニウムシリンダの外周面に負極性の帯電極性を持つよう形成された感光層を有し、所定のプロセススピード(周速度)で矢印方向に回転する。帯電部材としての帯電ローラ82は、感光ドラム81の表面に接触して、感光ドラム81の表面を、例えば、一様な負極性の暗部電位に帯電させる。感光ドラム81の表面では、帯電後、露光装置としてのレーザスキャナ43によって画像情報に基づいて静電潜像が形成される。感光ドラム81は、形成された静電潜像を担持して、周回移動し、現像装置20によってトナーで現像される。現像装置20の詳細な構成については、後述する。
現像されたトナー像は、後述する中間転写ベルト44bに一次転写される。一次転写後の感光ドラム81は、不図示の前露光部によって表面を除電される。清掃部材としてのクリーニングブレード84は、感光ドラム81の表面に接して配置され、一次転写後の感光ドラム81の表面に残留する転写残留トナー等の残留物を清掃する。
中間転写ユニット44は、画像形成ユニット80y,80m,80c,80kの上方に配置されている。中間転写ユニット44は、駆動ローラ44aや従動ローラ44d、1次転写ローラ44y,44m,44c,44k等の複数のローラ(張架部材)と、これらのローラに巻き掛けられた中間転写体としての中間転写ベルト44bとを備えている。1次転写ローラ44y,44m,44c,44kは、感光ドラム81y,81m,81c,81kにそれぞれ対向して配置され、中間転写ベルト44bに当接する。
中間転写ベルト44bに1次転写ローラ44y,44m,44c,44kによって正極性の転写バイアスを印加することにより、感光ドラム81y,81m,81c,81k上のそれぞれの負極性を持つトナー像が順次中間転写ベルト44bに多重転写される。これにより、中間転写ベルト44bは、外周面上にフルカラー画像が形成された状態で周回移動する。
二次転写部45は、二次転写内ローラ45aと、二次転写外ローラ45bとを備えている。二次転写外ローラ45bに正極性の二次転写バイアスを印加することによって、中間転写ベルト44bに形成されたフルカラー画像をシートSに転写する。定着装置46は、定着ローラ46a及び加圧ローラ46bを備えている。定着ローラ46aと加圧ローラ46bとの間をシートSが挟持され搬送されることにより、シートSに転写されたトナー像は加熱及び加圧されてシートSに定着される。
シート搬送部50は、二次転写前搬送経路51と、定着前搬送経路52と、排出経路53と、再搬送経路54とを備え、シート給送部30から給送されたシートSを画像形成部40からシート排出部60に搬送する。
シート排出部60は、排出経路53の下流側に配置された排出ローラ対61と、排出ローラ対61の下流側に配置された排出トレイ62とを備えている。排出ローラ対61は、排出経路53から搬送されるシートSをニップ部から給送し、装置本体10に形成された排出口10aを通して排出トレイ62に排出する。排出トレイ62は、フェイスダウントレイになっており、排出口10aから矢印X方向に排出されたシートSを積載する。
制御部70はコンピュータにより構成され、例えばCPUと、各部を制御するプログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、外部と信号を入出力する入出力回路とを備えている。CPUは、画像形成装置1の制御全体を司るマイクロプロセッサであり、システムコントローラの主体である。CPUは、入出力回路を介して、画像読取部11、シート給送部30、画像形成部40、シート搬送部50、シート排出部60、操作部に接続され、各部と信号をやり取りすると共に動作を制御する。
次に、このように構成された画像形成装置1における画像形成動作について説明する。画像形成動作が開始されると、まず感光ドラム81が回転して表面が帯電ローラ82により帯電される。そして、レーザスキャナ43により画像情報に基づいてレーザ光が感光ドラム81に対して発光され、感光ドラム81の表面上に静電潜像が形成される。この静電潜像にトナーが付着することにより、現像されてトナー画像として可視化され、中間転写ベルト44bに転写される。
一方、このようなトナー像の形成動作に並行して給送ローラ32a,32bが回転し、シートカセット31a,31bの最上位のシートSを分離しながら給送する。そして、中間転写ベルト44bのトナー画像にタイミングを合わせて、二次転写前搬送経路51を介してシートSが二次転写部45に搬送される。更に、中間転写ベルト44bからシートSに画像が転写され、シートSは、定着装置46に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱及び加圧されてシートSの表面に定着され、排出ローラ対61により排出口10aから排出されて排出トレイ62に積載される。
[現像装置]
次に、現像装置20について、図2に基づいて詳細に説明する。現像装置20は、現像剤を収容する現像容器21と、第1搬送スクリュ22及び第2搬送スクリュ23と、現像スリーブ24と、規制部材(本実施形態では、規制ブレード)25とを有している。現像容器21は、感光ドラム81に対向する位置に、現像スリーブ24が露出する開口部21aを有している。
現像容器21には、トナーが充填されたトナー容器42(図1参照)からトナーが供給される。現像容器21は、略中央部にて長手方向に延在する隔壁27を有している。現像容器21は、この隔壁27によって水平方向に現像室21bと攪拌室21cとに区画されている。現像剤は、これら現像室21b及び攪拌室21cに収容されている。現像室21bは、現像スリーブ24に現像剤を供給する。攪拌室21cは、現像室21bに連通し、現像スリーブ24からの現像剤を回収して攪拌する。
第1搬送スクリュ22は、現像室21bに現像スリーブ24の軸方向に沿って現像スリーブ24と略平行に配置され、現像室21b内の現像剤を攪拌しつつ搬送する。第2搬送スクリュ23は、攪拌室21c内に第1搬送スクリュ22の軸と略平行に配置され、攪拌室21c内の現像剤を第1搬送スクリュ22と反対方向に搬送する。即ち、現像室21bと攪拌室21cとは、現像剤を撹拌しつつ搬送する現像剤の循環経路を構成している。トナーは、各スクリュ22,23によって攪拌されることにより、キャリアと摺擦して負極性に摩擦帯電される。
現像容器21の現像剤は、回転可能な現像スリーブ24の内部において固定配置されたマグネットローラ24mにより現像スリーブ24上に担持される。その後、現像スリーブ24上の現像剤は規制部材25により現像剤量(層厚)を規制され、現像スリーブ24が回転することによって感光ドラム81と対向した現像領域に搬送される。現像剤を感光ドラム81に接触させることにより、トナーを感光ドラム81に供給することで、感光ドラム81上の静電潜像をトナー像として現像する。この時、感光ドラム81と現像スリーブ24の間には、トナーが静電潜像に飛翔するように直流電圧と交流電圧が重畳された現像バイアスが印加される。
現像剤担持体としての現像スリーブ24は、非磁性のトナー及び磁性のキャリアを有する現像剤を担持して、感光ドラム81に対向する現像領域に回転搬送する。現像スリーブ24は、例えば直径25mmの円筒状で、例えばアルミニウムや非磁性ステンレス等の非磁性材料で構成され、本実施形態ではアルミニウム製としている。
規制部材25は、マグネットローラ24mの規制磁極N1に対向して、現像容器21に設けられている。そして、規制部材25は、現像スリーブ24に対して非接触に対向配置され現像スリーブ24に担持される現像剤の量を規制する。即ち、規制部材25は、先端を現像スリーブ24に対して所定の隙間を空けた状態で現像容器21に固定され、規制磁極N1による磁力(磁気吸引力)によって現像スリーブ24の表面に担持された現像剤の磁気穂の穂切りによって層厚を規制する。
このような規制部材25は、現像スリーブ24の長手方向に配置した金属板(例えばSUS板)からなり、規制部材25の先端部と現像スリーブ24との間を現像剤が通過して現像領域へ送られる。なお、規制部材25は磁性部材でも非磁性部材でもどちらでも構わないが、以下の観点で磁性部材であることが好ましい。磁性部材の場合は、規制部材25の先端部と現像スリーブ24間で磁界が形成され、規制部材25の表面に磁気吸引力が働く。その結果、現像剤がより摺り切りやすくなる。また、規制部材25の先端と現像スリーブ24の間隔を大きくでき、異物が詰まりにくいというメリットもある。
一方で、磁性部材の場合は、規制部材25の先端部と現像スリーブ24間の磁界に現像剤が拘束され、摺擦による現像剤劣化が発生しやすくなる虞がある。なお、非磁性部材の一部に磁性部材を貼り付けた規制部材でも構わない。こうすることで、磁性部材のメリットは多少失われるが、現像剤劣化を抑えることが可能である。本実施形態においては、規制部材25は磁性部材のみからなるものを用いた。そのため、現像剤劣化が懸念となるが、後述する本実施形態のマグネットローラ24mを併用することで、剤劣化を抑制することが可能となる。
現像スリーブ24の内側には、ローラ状のマグネットローラ(磁界発生手段、マグネット)24mが、現像容器21に対して非回転状態で固定設置されている。マグネットローラ24mは、複数の磁極を有し、現像剤を現像スリーブ24に担持させるための磁界を発生する。本実施形態では、マグネットローラ24mは、7つのマグネットピースを有し、それぞれ現像スリーブ24に対向する表面に汲み上げ磁極S1、規制磁極N1、搬送磁極S2、現像磁極N2、搬送磁極S3、搬送磁極N3、剥離磁極S4を有している。なお、本実施形態は7極からなるマグネットローラを用いているが、7極以外でも構わなく、例えば5極からなるマグネットローラであっても良い。
但し、本実施形態のようにマグネットローラ24mが7つ以上の磁極を有する場合は、1つ1つのマグネットピースが小さくなりやすく、規制磁極に対する規制部材の位置ずれの影響が発生しやすい。そのため、本実施形態のようにマグネットローラ24mが7つ以上の磁極を有する場合、後述するような構成を採用する効果がより高くなる。
汲み上げ磁極S1は、現像室21bに対向して配置されている。規制磁極N1は、規制部材25に対向して配置されている。搬送磁極S2は、現像領域の回転方向上流側に配置されている。現像磁極N2は、現像領域に対向して配置されている。搬送磁極S3及びに搬送磁極N3は、現像領域の回転方向下流側に配置されている。剥離磁極S4は、汲み上げ磁極S1の回転方向上流側に隣接して配置されている。特に、第1磁極としての規制磁極N1は、規制部材25に対して最も近接して配置される。また、第2磁極(上流側磁極)としての汲み上げ磁極S1は、現像スリーブ24の回転方向に関して、規制磁極N1の上流側に規制磁極N1と隣接して配置される。更に、第3磁極(下流側磁極)としての搬送磁極S2は、現像スリーブ24の回転方向に関して、規制磁極N1の下流側に規制磁極N1と隣接して配置される。
次に、本実施形態の現像スリーブ24の動作について、図2に基づいて説明する。現像スリーブ24は矢印方向に回転し、現像室21bに収容された現像剤は、現像室21bに対向する汲み上げ磁極S1により吸着され規制部材25の方向へ搬送される。現像剤は、規制部材25に対向する規制磁極N1によって穂立ちされ、規制部材25によって層厚が規制され、現像スリーブ24と規制部材25との間隙を通過することで現像スリーブ24上に所定の層厚の現像剤層が形成される。
現像剤層は、搬送磁極S2を経て、感光ドラム81と対向する現像領域に担持搬送され、現像領域に対向する現像磁極N2によって磁気穂を形成した状態で、感光ドラム81の表面に形成されている静電潜像を現像する。
現像に供された後の現像剤は、現像領域の回転方向下流側に配置された搬送磁極S3、N3を経て、剥離磁極S4及び汲み上げ磁極S1が反発することによって作られた剥離領域にて現像スリーブ24から剥離される。剥離された現像剤は、攪拌室21cで攪拌及び搬送され、再び現像室21bから現像スリーブ24に供給される。
[規制磁極周辺の磁束密度分布]
次に、本実施形態のマグネットローラ24mの規制磁極N1周辺の磁束密度分布について説明する。本実施形態のマグネットローラ24mは、第1磁極としての規制磁極N1において、現像スリーブ24の外周面上の法線方向の磁束密度Brが、現像スリーブ24の回転方向上流側から下流側にかけて上流極大値P1と極小値Bと下流極大値P2とがこの順に存在する磁束密度分布を有する。このような磁束密度分布を、以下では、2ピークと呼ぶ場合もある。なお、マグネットローラの規制磁極の磁束密度分布が1つの極大値を有するものを、以下では、1ピークと呼ぶ場合もある。本実施形態の場合、2ピークのマグネットローラ24mを用いており、規制部材25が、上流極大値P1と下流極大値P2の間に対向するように配置されている。なお、以下では、上流極大値P1と下流極大値P2をそれぞれ上流ピークP1、下流ピークP2とも呼ぶ。また、上流ピークP1の位置、下流ピークP2の位置を、それぞれ単に上流ピークP1、下流ピークP2という場合もある。
以下、本実施形態のマグネットローラ24mの規制磁極N1有する実施例1について、比較例1と比較しつつ、図3を参照して説明する。図3は、マグネットローラ24mによる現像スリーブ24上における法線方向の磁束密度Br及び接線方向の磁束密度Bθの分布を概略的に示す図である。なお、磁束密度Brは正確には磁束密度Bの現像スリーブに対する法線方向成分を指す。今後、「法線方向の磁束密度Br」を慣例に従い単に「磁束密度」と呼ぶ場合がある。単に「磁束密度」という場合は、「法線方向の磁束密度Br」のことを指すこととする。実施例1、比較例1の各マグネットローラの(法線方向の)磁束密度Brは、磁場測定器(F.W.BELL社製「MS-9902」)を用いて、磁場測定器の部材であるプローブと現像スリーブ24の表面との距離を約100μmとして測定した。
図3には、現像スリーブ24の外周面上の接線方向の磁束密度Bθも同時に示した。接線方向の磁束密度Bθは、上記の方法で測定した法線方向の磁束密度Brの値を用いて、以下の式1から求める。
Figure 2023001586000002
図3には規制磁極N1に加え、規制磁極N1の現像スリーブ24回転方向上流側の汲み上げ磁極S1と下流側の搬送磁極S2も同時に示した。ここでは、マグネットローラ24mとして、本実施形態のマグネットローラ24mを使用したもの(即ち、2ピークからなる規制磁極N1を用いたマグネットローラを使用したもの)を実施例1とした。
また、実施例1とは磁束密度分布が異なるが、実施例1と同様に2ピークからなる規制磁極N1を用いたマグネットローラを使用したものを比較例1とした。2ピークからなる規制磁極N1においては、法線方向の磁束密度Brが、現像スリーブ24の回転方向上流側から下流側にかけて上流極大値(上流ピーク)P1と極小値Bと下流極大値(下流ピーク)P2とがこの順に存在する磁束密度分布を有する。
図3に、実施例1として本実施形態の規制磁極N1の法線方向の磁束密度Br(実線)、比較例1の法線方向の磁束密度Br(破線)を示す。また、図3には、現像スリーブ24の回転方向(下流方向)をθ軸(接線方向)の正とした場合の各々の接線方向の磁束密度Bθも太線で同時に示した。
実施例1、比較例1ともに規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの形状(分布)は2ピークであり、現像スリーブ24の回転方向上流側の極大値(ピーク)である上流ピークP1と下流側の極大値(ピーク)である下流ピークP2を持ち、2つのピークP1、P2の間には極小値を持つ。即ち、実施例1及び比較例1の規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの形状は2ピークである。規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brが2ピークの磁束密度分布形状とすることで、磁束密度分布の現像スリーブ24の回転方向の変化(θ方向変化)が緩やかな領域をより広げることが可能となる。このため、規制磁極N1の磁束密度Brの2つのピークの間に対向するように規制部材25を配置することで、1ピークの磁束密度Br形状の場合と比べ、規制部材25との位置関係がずれても磁束密度が変化しづらく、現像剤量が変動しにくい。即ち、極位置(規制磁極N1と規制部材25との位置関係の)ラチチュードを広くすることが可能である。
しかしながら、前述したように、規制部材25により規制される現像剤量はマグネットローラ24mの法線方向の磁束密度Brだけでなく接線方向の磁束密度Bθにも影響される。図3を見ると、実施例1、比較例1ともに、規制磁極N1の上流側では接線方向の磁束密度Bθが負、規制磁極N1の下流側では接線方向の磁束密度Bθが正になっている。即ち、第1磁極としての規制磁極N1において、現像スリーブ24の回転方向に関して上流ピークP1の位置と下流ピークP2の位置との間に、現像スリーブ24の外周面上の接線方向の磁束密度Bθが0(ゼロ)となる位置を有する(後述する要件(B))。これは磁束線が磁極から放射線状に伸びるため、磁極の上流は上流方向(負の方向)に、磁極の下流は下流方向(正の方向)に磁束線が伸びるからである。
図4には、実施例1、比較例1のマグネットローラの各々に関して、規制部材25の対向位置を10°刻みで変化させながら、規制部材25を通過後の現像スリーブ24上の現像剤量を測定した結果を示す。図4から分かる実施例1、比較例1の共通の特徴として、以下のことが分かる。即ち、規制磁極N1の上流側(200°付近)で接線方向の磁束密度Bθが負の領域に規制部材25が対向している場合は、極位置に対する現像剤量変化が比較的小さい。一方、規制磁極N1の下流側(250°付近)で接線方向の磁束密度Bθが正の領域に規制部材25が対向している場合は、極位置に対する現像剤量の変化が比較的大きい。
このような振る舞いの差は、規制部材25の上流側に形成される現像剤溜まり部での現像剤の挙動の差によると考えられる。この点に関して、図5、図6を用いて説明する。図5には、規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが負となる領域に規制部材25を対向させた場合の現像剤溜まり付近の現像剤の様子を示した。図5(a)には現像スリーブ24上の磁気穂の挙動を模式的に示した。図5(b)には現像剤溜まりで現像剤が動いている流動層と現像剤がほぼ停止している不動層との境界面を点線で模式的に示した。図6には、図5と同様に、規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが正となる領域に規制部材25を対向させた場合の現像剤溜まり付近の現像剤の様子を模式的に示した。
図5(a)に示すように、規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが負となる領域では、磁束線が上流方向に伸びているため、現像剤の磁気穂は上流方向に寝た状態(磁気穂の先端に向かう程、上流側に傾斜した状態)で形成される。上流方向に寝た形状の磁気穂は下流に搬送され、規制部材25に近づくにつれて徐々に立ちあがるような挙動となる。このような現像剤挙動を反映して、規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが負となる領域に対向して規制部材25を配置した場合は、図5(b)に示したように、規制部材25の先端部よりも現像スリーブ24寄りの狭い領域が現像剤流動層となる。
一方、図6(a)に示したように、規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが正となる領域では、磁束線が下流方向に伸びているため、現像剤の磁気穂は下流方向にやや寝た状態(磁気穂の先端に向かう程、下流側に傾斜した状態)で形成される。下流方向に寝た形状の磁気穂は下流に搬送されるにつれてより寝るような挙動となる。このような現像剤挙動を反映して、規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが正となる領域に対向して規制部材25を配置した場合は、図6(b)に示したように、規制部材25の上流側のより広い領域が現像剤流動層となる。
磁束密度の分布と規制部材25との位置関係がずれた場合に規制後の現像剤量が変動する一因は、現像剤流動層の変動と考えられる。接線方向の磁束密度Bθが負の位置に規制部材25を対向させた場合は、図5(b)に示したように、元々現像剤流動層が狭いので、規制部材25との位置関係がずれた場合の現像剤流動層の変動も小さくなりやすい。一方、接線方向の磁束密度Bθが正の位置に規制部材25を対向させた場合は、図6(b)に示したように、現像剤流動層が広いので、規制部材25との位置関係がずれた場合の現像剤流動層の変動も大きくなりやすい。そのため、規制部材25が対向した位置での接線方向の磁束密度Bθが正の場合は、負の場合よりも、規制部材25との位置関係がずれた時の現像剤量変動が大きくなりやすい。
図4に示したような、規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが負の領域(200°付近)に規制部材25が対向している場合の方が、規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが正の領域(250°付近)に規制部材25が対向している場合よりも、極位置に対する現像剤量変化が比較的小さくなるような振る舞いは、上記のような理由によると考えられる。
このため、磁束密度の分布と規制部材25との位置関係のずれに対する現像剤量の変動を抑えるためには、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brが緩やかに変化するとともに、接線方向の磁束密度Bθが負となる領域に対向して規制部材25を配置するのがよい。
そこで、本実施形態では、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの2つのピークP1、P2間で、かつ、規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが負の領域に、規制部材25を対向させて配置することとした。別の言い方をすれば、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と、その下流で規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oとの間に、規制部材25を対向させて配置することとした(後述する要件(C))。こうすることで、極位置に対する規制後の現像剤量変化を小さく抑えることが可能となる。
この際、上流ピークP1と接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oとの間の角度が狭いと、詳しくは後述するが、広い極位置ラチチュードが得られにくい。したがって、本実施形態では、上流ピークP1と接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oとの間の角度を広くするようにしている。
具体的には、次のように、(A)~(H)の要件を満たすような構成としている。なお、これらの要件のうち、(D)´~(H)は少なくとも何れかを満たすようにしている。
(A) 現像スリーブ24の回転方向に関して、上流ピークP1の位置と下流ピークP2の位置の間の角度が20°以上50°未満である。
(B) 第1磁極(規制磁極N1)において、現像スリーブ24の回転方向に関して上流ピークP1の位置と下流ピークP2の位置との間に、現像スリーブ24の外周面上の接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oを有する。
(C) 規制部材25は、現像スリーブ24の回転方向に関して、上流ピークP1の位置と、接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oとの間に対向するように配置されている。
(D) 接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oは、現像スリーブ24の回転方向に関して、上流ピークP1の位置と下流ピークP2の位置との中点に対して±2°の範囲或いはこの範囲よりも下流側に位置する。
(D)´ 接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oは、現像スリーブ24の回転方向に関して、上流ピークP1の位置と下流ピークP2の位置との中点よりも下流側に位置する。
(E) 現像スリーブ24の回転方向に関して、上流ピークP1の位置から接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oまでの角度は、15°以上50°未満である。
(F) 上流ピークP1の絶対値|Br|は、下流ピークP2の絶対値|Br|よりも小さい。
(G) 上流ピークP1の絶対値|Br|と、接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oの法線方向の磁束密度の絶対値|Br|の差分は、10mT以下である。
(H) 現像スリーブ24の回転方向に関して、上流側磁極(汲み上げ磁極S1)の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|は、下流側磁極(搬送磁極S2)の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|よりも小さい。
上述の各要件について詳しく説明する。なお、要件(B)については上述した。まず、比較例1の説明のために、図7には比較例1の法線方向の磁束密度Brと接線方向の磁束密度Bθを同時に示した。図7には、比較例1のマグネットローラの規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と下流ピークP2の間の中点Mも示した。図7から、比較例1のマグネットローラの規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oは、先の中点Mよりも上流に位置していることが分かる。そのため、法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と接線方向の磁束密度Bθ=0の位置Oとの間の角度が12°と狭くなっている。
このことから、比較例1のマグネットローラは法線方向の磁束密度Brが2ピーク形状を有しているが、想定ほど広い極位置ラチチュードが得られないことが予想される。実際、図4を確認すると、比較例1は横軸に対する現像剤量の変動が緩やかな領域が比較的狭くなっている。そのため、規制部材25との位置関係がずれた時の現像剤量変動に対するラチチュードが比較的狭い。そこで、実施例1では、接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oを比較例1よりも下流側に位置させるようにしている。
[接線方向の磁束密度Bθが0となる位置O(要件(D)、(D)´)]
実施例1の説明のために、図8には実施例1の法線方向の磁束密度Brと接線方向の磁束密度Bθを同時に示した。図8には、実施例1のマグネットローラ24mの規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と下流ピークP2の間の中点Mも同時に示した。図8から、比較例1とは異なり、実施例1のマグネットローラ24mの規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oは、先の中点Mよりも下流に位置していることが分かる。そのため、法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と接線方向の磁束密度Bθ=0の位置Oとの間の角度は、比較例1よりも広い。
このことから、実施例1のマグネットローラ24mは比較例1よりも広い極位置ラチチュードが得られることが予想される。実際、図4を確認すると、実施例1は比較例1よりも横軸に対する現像剤量の変動が緩やかな領域が広くなっている。そのため、実施例1は規制部材25との位置関係がずれた時の現像剤量変動に対するラチチュードが広い構成が達成できている。
以上から、マグネットローラ24mの規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが0になる位置Oが、法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と下流ピークP2の間の中点Mよりも上流に位置するか下流に位置するかが極位置ラチチュードの指標となると考えられる。図7、図8には比較例1および実施例1の主要な位置の角度や法線方向の磁束密度Brの値を示した。
図7によると、比較例1のマグネットローラ24mの規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが0になる位置Oは、法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と下流ピークP2の間の中点Mよりも5°上流に位置している。一方、図8によると、実施例1のマグネットローラ24mの規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが0になる位置Oは、法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と下流ピークP2の間の中点Mよりも3°下流に位置している。
規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brを2ピーク形状にしたことによる極位置ラチチュードアップの効果を十分に得るためには、マグネットローラ24mの規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが0になる位置Oは、法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と下流ピークP2の間の中点M近傍(±2°の範囲)かそれよりも下流に位置していることが望ましい(要件(D))。より好ましくは、中点Mよりも下流であるほうがよい(要件(D)´)。このような構成とすることで、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brを2ピーク形状にしたことによる極位置ラチチュードアップの効果を十分得ることが可能となる。
[2ピーク形状]
本実施形態が対象としているマグネットローラ24mは、規制磁極N1の法線方向の磁束密度分布が2ピーク形状であり、2ピークとすることで規制磁極N1と規制部材25との位置関係がずれても法線方向の磁束密度Brが変化しづらく、現像剤量を変動しにくくでき、極位置ラチチュードを広くすることが可能である。ここで、「規制磁極N1の法線方向の磁束密度分布が2ピーク形状」とは、図7や図8に示したように、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brが2つのピークP1、P2を持ち、2つのピークP1、P2の間に凹状の極小値Bを持つ形状を指す(ここでの極大値や極小値は絶対値での極大値や極小値のことを言う)。この時、0.5mT以下の測定ノイズに伴うような極大値や極小値は無視することとする。
[上流ピークP1と位置Oの磁束密度Brの差分(要件(G))]
ここで、2つのピークP1、P2に対して極小値Bが小さすぎると、ピークP1、P2間で法線方向の磁束密度Brが変動してしまい、現像剤量変動の要因となりうる。先に述べたように、本実施形態は法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1とピークP1の下流で接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oの間の領域に規制部材25を配置することとしている(要件(C))。そのため、法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値と極小値Bの差分が10mT以内になることが好ましい。
また、接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oでの法線方向の磁束密度Brの値が上流ピークP1の法線方向の磁束密度Brよりも大きい可能性もありうる。従って、より好ましくは、上流ピークP1と接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oの間での法線方向の磁束密度Brの変動が10mT以内であることが好ましい(要件(G))。実施例1は、法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値と極小値Bの差分が2mTである。また、接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oでの法線方向の磁束密度Brの値は45mTであり、上流ピークP1と接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oの間での法線方向の磁束密度Brの変動が5mTである。よって、実施例1は上記条件を満たしている。
[2ピークの間隔要件(A)]
2つのピークP1、P2の間隔に関しては、大きくすることで極位置ラチチュードをより広げられる。そのため、ピークP1,P2間の角度が少なくとも20°以上(要件(A))、好ましくは25°以上、より好ましくは30°以上であれば、十分な極位置ラチチュードを得ることができる。ただし、50°以上とすると、広すぎて他の磁極の配置自由度に影響を与える可能性がある。したがって、ピークP1、P2の間隔は、50°未満にすることが好ましい。特に本実施例のようにマグネットローラ24mが7極以上の磁極を有する場合はより影響が出やすい。実施例1は30°であり上記条件を満たしている。
[上流ピークP1から位置Oまでの角度(要件(E))]
本実施形態の場合、法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oとの間隔を大きくすることがより重要である。比較例1の上流ピークP1と接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oとの間の角度は12°であり、実施例1は18°である。十分な極位置ラチチュードを得るためには、15°以上であることが好ましい(要件(E))。ただし、上流ピークP1と接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oとの間の角度を50°以上とすると、広すぎて他の磁極の配置自由度に影響を与える可能性がある。したがって、上流ピークP1と接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oとの間の角度は、50°未満にすることが好ましい。特に本実施例のようにマグネットローラ24mが7極以上の磁極を有する場合はより影響が出やすい。
以上述べたように、実施例1のマグネットローラ24mの規制磁極N1は、法線方向の磁束密度Brの2つのピーク間で、現像剤量変動の比較的小さい接線方向の磁束密度Bθ>0となる領域が15°以上の角度範囲で達成できている。また、この範囲内では法線方向の磁束密度Brが10mT以内である。さらに、規制部材25を上記領域に配置することで、広い極位置ラチチュードを得ることが可能となる。
[2つのピークの磁束密度(要件(F))]
ここで、実施例1のマグネットローラ24mの規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが0になる位置Oをより下流に配置することができた理由について述べる。接線方向の磁束密度Bθが0になる位置Oは、磁束線が法線方向(無限遠方向)のみに伸びている状態を意味する。通常、磁極から伸びる磁束線は、上下流の磁極に向かって放射線状に伸びていくが、磁極の法線方向の磁束密度Brが相対的に大きい位置では、上下流の磁極の影響が相対的に受けづらく、磁束線が法線方向(無限遠方向)に伸びやすい。
図7によれば、比較例1のマグネットローラ24mの規制磁極N1は法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の値が46mT、下流ピークP2の値が43mTであり、上流ピークP1の方が絶対値が大きい。そのため、磁束線が法線方向に伸びる位置、つまり、接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oは磁束密度Brがより大きい値の上流ピークP1方向にシフトしやすいと考えられる。実際、比較例1のマグネットローラ24mの規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが0になる位置Oは、法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と下流ピークP2の間の中点Mよりも5°上流に位置している。
一方、図8によれば、実施例1のマグネットローラ24mの規制磁極N1は法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の値が42mT、下流ピークP2の値が53mTであり、下流ピークP2の方が絶対値が大きい。そのため、磁束線が法線方向に伸びる位置、つまり、接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oは磁束密度Brがより大きい値の下流ピークP2方向にシフトしやすいと考えられる。したがって、上流ピークP1の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|は、下流ピークP2の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|よりも小さくすることが好ましい(要件(F))。実際、実施例1のマグネットローラ24mの規制磁極N1の接線方向の磁束密度Bθが0になる位置Oは、法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1と下流ピークP2の間の中点Mよりも3°下流に位置している。
このように、法線方向の磁束密度Brに関しては、上流ピークP1の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|よりも下流ピークP2の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|を大きくすることで、磁束線が法線方向に伸びる位置をより下流に配置することが可能となる。好ましくは、上流ピークP1の磁束密度の絶対値|Br|よりも下流ピークP2の磁束密度の絶対値|Br|が2mT以上大きくなるようにする。これは、マグネットローラの部品公差によっては、上流ピークP1の磁束密度の絶対値|Br|と下流ピークP2の磁束密度の絶対値|Br|の大小関係が逆転してしまうことを防止するためである。さらに効果を得るためには、5mT以上、より好ましくは10mT以上とすることが好ましい。
一方、上流ピークP1の磁束密度の絶対値|Br|よりも下流ピークP2の磁束密度の絶対値|Br|が25mT以上大きくなると、2つのピークP1,P2間の磁束密度Brの変動幅が大きくなり、極位置ラチチュードに影響を与える恐れがある。このため、25mT以内とするのが好ましい。即ち、上流ピークP1の磁束密度の絶対値|Br|と下流ピークP2の磁束密度の絶対値|Br|の差分は、2mT以上25mT以下とすることが好ましい。この時、先にも述べたように、上流ピークP1と接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oの間での法線方向の磁束密度Brの変動は10mT以内であることが好ましい。
[規制磁極の隣の磁極との関係(要件(H))]
ここで、規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置は、規制磁極N1の隣の磁極との関係も大きく影響する。これは、隣の磁極の磁束密度が大きいとその方向に磁束線が伸びやすくなるが、反対に隣の磁極の磁束密度が小さいとその方向には磁束線が伸びにくくなる、つまり、法線方向に伸びやすくなるためである。以上から、規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置は、規制磁極N1の上下流で隣接する磁極の法線方向の磁束密度Brの極大値を比較した時に、法線方向の磁束密度の絶対値Brがより小さい磁極のある方向にシフトしやすくなると考えられる。
図7によれば、比較例1のマグネットローラ24mは、規制磁極N1の上流に位置する汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|が44mTである。一方、規制磁極N1の下流に位置する搬送磁極S2の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|が88mTである。このため、汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|は、搬送磁極S2の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|よりも小さい。言い換えれば、搬送磁極S2の方が汲み上げ磁極S1よりも磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|が大きい。そのため、比較例1の規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置は、法線方向の磁束密度の絶対値Brがより小さい汲み上げ磁極S1のある上流方向にシフトしやすい。
実際、比較例1で、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの2つのピーク値が大きな差が無いにも関わらず、接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oが上流側に比較的大きくシフトしており、上記理由によるものと考えられる。
図8に示したように、実施例1のマグネットローラ24mも、比較例1の場合と同様に、規制磁極N1の上流に位置する汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|が44mTである。一方、規制磁極N1の下流に位置する搬送磁極S2の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|が88mTである。このため、汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|は、搬送磁極S2の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|よりも小さい(要件(H))。言い換えれば、搬送磁極S2の方が汲み上げ磁極S1よりも磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|が大きい。そのため、実施例1の規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置は、法線方向の磁束密度の絶対値Brがより小さい汲み上げ磁極S1のある上流方向にシフトしやすいといえる。
このような構成にも関わらず、実施例1のマグネットローラ24mは、接線方向の磁束密度Brに関して、上流ピークP1の接線方向の磁束密度の絶対値|Br|よりも下流ピークP2の接線方向の磁束密度の絶対値|Br|を大きくすることで(要件(F))、接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oを下流側にシフトできた。即ち、本実施形態のように、規制磁極N1の上流側の磁極(本実施形態では汲み上げ磁極S1)よりも、下流側の磁極(本実施形態では搬送磁極S2)の方が法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値が大きい場合には(要件(H))、規制磁極N1の上流ピークP1の磁束密度の絶対値|Br|よりも下流ピークP2の磁束密度の絶対値|Br|を大きくすることで(要件(F))、規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置を下流側にシフトすることができる。この場合、効果を得るためには、規制磁極N1の上流ピークP1の磁束密度の絶対値|Br|よりも下流ピークP2の磁束密度の絶対値|Br|を5mT以上、より好ましくは10mT以上大きくすることが好ましい。
なお、規制磁極N1の下流に配置された磁極S2は、現像磁極であることがよくあるが、本実施形態のように搬送磁極であることが好ましい。これは、現像磁極は現像工程の画像を決める重要な磁極なため、変更自由度が低いのに対し、搬送磁極の方が比較的変更自由度が高いからである。既に述べたように、本実施形態のマグネットローラ24mは7つの磁極からなる。そのため、規制磁極N1の下流に配置された磁極を搬送磁極S2とすることが容易にできている。但し、規制磁極N1の下流に配置された磁極が現像磁極であっても、本実施形態の適用は可能である。
[規制部材の配置(要件(C))]
規制部材25の配置位置に関して、マグネットローラ24mの規制磁極N1の磁束密度Brの上流ピークP1とその下流で接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oの間に配置することで、規制部材25の配置がずれたとしても現像剤量の変動を抑えることができるのは既に述べた。即ち、規制部材25は、現像スリーブ24の回転方向に関して、上流ピークP1と、接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oとの間に対向するように配置されている(要件(C))。
図8には、実施例1における規制部材25の配置位置を図示した。実施例1においては規制部材25を規制磁極N1の磁束密度Brの上流ピークP1(215°)とその下流で接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置O(233°)のほぼ中点(224°)に配置した。
ここで、規制部材25の現像スリーブ24に対向した先端の上流端位置と現像スリーブ24の中心を結ぶ線を規制部材25の配置位置と呼ぶこととする。上流端とした理由は、規制部材25によって現像剤量を実際に規制しているのが上流側であり、上流端の配置が重要だからである。
規制部材25の断面形状が四角でない場合も存在する。基本的には規制部材25の現像スリーブ24に対向した先端位置を対向位置とし、先端が回転方向に複数存在する場合は、より上流側の先端を対向位置とする。例えば断面形状が円形の規制部材25の場合は、現像スリーブ24の最近接位置を対向位置とする。
規制部材25の配置位置と磁束密度分布の関係に関しては、以下のように測定可能である。通常、現像スリーブ24のマグネットローラ24mは軸を備え、軸の端部は所謂Dカット形状をしており、所望の磁極配置となるようにDカット部を極決め部材で現像装置20に固定している。マグネットローラ24mのDカット(の平面角度)に対する磁束密度Brの分布は先に述べた磁場測定器で測定可能である。一方で、マグネットローラ24mの軸中心に対する規制部材25の配置位置を測定すれば、規制部材25の配置位置と磁束密度分布の関係を知ることができる。マグネットローラ24mの軸中心に対する規制部材25の配置位置は、分度器等の測定器具を用いても良いが、正確に知りたい場合は一般的な三次元測定機(例えばミツトヨ製三次元測定機CRYSTA‐ApexSシリーズ等)を用いればよい。
このような本実施形態の場合、上述のような構成を有することで、規制部材25に対して最も近接して配置される規制磁極N1が2つの極大値(ピーク)を有する磁束密度分布において、規制部材25により規制される現像剤量の変動を抑制できる。即ち、上述の各要件(A)~(D)を満たせば、規制磁極N1の磁束密度分布が2ピーク形状であっても、規制部材25により規制される現像剤量の変動を抑制できる。また、要件(D)´~(H)の少なくとも何れか1つの要件を加えることで、より好ましく規制部材25により規制される現像剤量の変動を抑制できる。但し、要件(H)満たす場合、要件(F)を満たすことが好ましい。或いは、要件(A)、(B)、(C)、(F)、(H)を満たすことでも、規制部材25により規制される現像剤量の変動を抑制できる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図2を参照しつつ、図9を用いて説明する。第1の実施形態では、要件(A)~(D)を満たすようにしている。これに対して本実施形態では、要件(A)~(C)に加えて、後述の要件(I)を満たすようにしている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同様の構成については同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の場合、上述の要件(A)~(H)のうち、少なくとも(A)~(C)を満たす。これに加えて、下記の要件(I)を満たす。また、下記の要件(J)や上述の要件(F)、(H)も満たすことが好ましい。
(I) 上流側磁極(汲み上げ磁極S1)の法線方向の磁束密度の極大値の絶対値|Br|は、上流ピークP1の絶対値|Br|よりも大きい。
(J) 上流側磁極(汲み上げ磁極S1)の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|と、上流ピークP1の絶対値|Br|の差分は、5mT以上である。
本実施形態のマグネットローラ24mの実施例2、実施例2′について、図9に示すように(実施例1の説明時に登場した)比較例1と比較しつつ説明する。実施例2およびに実施例2′の画像形成装置1及び現像装置20の概要は実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図9に、本実施形態の規制磁極N1の実施例2の法線方向の磁束密度Br(実線)、実施例2′の法線方向の磁束密度Br(点線)、比較例1の法線方向の磁束密度Br(破線)を示す。また、図9には、現像スリーブ24の回転方向の下流側を正とした場合の各々の接線方向の磁束密度Bθも太線で同時に示した。
まず、実施例2は、上述の要件(A)、(B)、(C)、(I)を満たし、好ましくは要件(J)を満たす。図9に示すように、実施例2は、比較例1と比較して規制磁極N1の上流に配置された汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの分布が異なっている。具体的には、比較例1に比べて実施例2は、汲み上げ磁極S1の極大値が大きい。実施例2の汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値は59mTである。即ち、汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度の極大値の絶対値|Br|は、上流ピークP1の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|よりも大きい(要件(I))。
比較例1と実施例2の接線方向の磁束密度Bθを比較すると、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの2つのピークP1、P2間で接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置(磁束線が法線方向に伸びる位置)が、実施例2の方が下流方向にシフトしていることが分かる。そのメカニズムの考察結果について以下に説明する。
第1の実施形態でも述べたように、規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置は、規制磁極N1の隣の磁極との関係も大きく影響する。比較例1のマグネットローラ24mは、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値が46mTに対して、規制磁極N1の上流に隣接する汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値は44mTであり、規制磁極N1の上流ピークP1の極大値の方が大きい。したがって、規制磁極N1の上流ピークP1近傍の磁束線は上流の汲み上げ磁極S1方向には比較的伸びにくく、逆に法線方向に伸びやすくなる。その結果、規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置は、上流ピークP1のある上流側にシフトしやすくなったと考えられる。
一方、実施例2のマグネットローラ24mは、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値が46mTに対して、規制磁極N1の上流に隣接する汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値は59mTであり、規制磁極N1の上流ピークP1の極大値の方が小さい。したがって、規制磁極N1の上流ピークP1近傍の磁束線は上流の汲み上げ磁極S1方向に比較的伸びやすく、逆に法線方向に伸びにくくなる。その結果、規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置は、下流ピークP2のある下流側にシフトしやすくなったと考えられる。
規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置、つまり、接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置が下流にシフトすると、現像剤量変化の小さい接線方向の磁束密度Bθが負の領域を増やすことができ、極位置ラチチュードを広げることが可能となる。
以上から、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値より、規制磁極の上流に隣接する汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値を大きくすることで、現像剤量変化の小さい接線方向の磁束密度Bθが負の領域を増やすことができ、さらに、この領域に規制部材25を配置することで、極位置ラチチュードを広げられる。
規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値に対して、規制磁極N1の上流に隣接する汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値が大きくしていれば、多少なりの効果は得られるが、十分な効果を得るためには少なくとも5mT以上大きくすることが好ましい。より効果を得るためには10mT以上大きくすることがより好ましい。即ち、汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|と、上流ピークP1の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|の差分は、5mT以上とすることが好ましく(要件(J))、更に好ましくは10mT以上とする。実施例2は13mT大きくしている。これにより、実施例2は比較例1よりも現像剤量変化の小さい接線方向の磁束密度Bθが負の領域を増やすことができ、その領域に規制部材25を配置することで、極位置ラチチュードを広げることができた。
規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値に対して、規制磁極N1の上流に隣接する汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値を大きくしすぎるとBθの変化が大きくなる懸念があるため、50mT以内にとどめておくことが好ましい。即ち、汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|と、上流ピークP1の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|の差分は、50mT以下とすることが好ましい。
なお、実施例2は、比較例1と同様に、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値(46mT)よりも下流ピークP2の極大値(43mT)が小さかった。即ち、実施例2は、要件(F)を満たしていない。
次に、実施例2´は、上述の要件(A)、(B)、(C)、(I)に加えて、要件(F)を満たす。なお、これに加えて要件(J)を満たすことが好ましい。このような実施例2′は、実施例2のように規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値に対して、規制磁極N1の上流に隣接する汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値を大きくしている(要件(I))。これと同時に、実施例1のように規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値よりも下流ピークP2の極大値を大きくしている(要件(F))。この点が実施例2と異なる点である。
実施例2′の規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値は42mT、下流ピークP2の極大値は53mTである。ちなみに、実施例2′の汲み上げ磁極S1の磁束密度Brの極大値は59mTで実施例2と同じである。
実施例2′は実施例2に対して実施例1で述べた効果が足されるため、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの2つのピークP1、P2間で接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置(磁束線が法線方向に伸びる位置)が、実施例2よりもさらに下流方向にシフトすることが期待される。実際、図9の実施例2と実施例2′の接線方向の磁束密度Bθを比較すると、規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの2つのピークP1、P2間で接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置、つまり、磁束線が法線方向に伸びる位置が、実施例2′の方がより下流方向にシフトしていることが分かる。
このような本実施形態の場合、上述のような構成を有することで、規制部材25に対して最も近接して配置される規制磁極N1が2つの極大値(ピーク)を有する磁束密度分布において、規制部材25により規制される現像剤量の変動を抑制できる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態について、図2を参照しつつ、図10を用いて説明する。第1の実施形態では、要件(A)~(D)を満たすようにしている。これに対して本実施形態では、要件(A)~(C)に加えて、後述の要件(K)を満たすようにしている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同様の構成については同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の場合、上述の要件(A)~(H)のうち、少なくとも(A)~(C)を満たす。これに加えて、下記の要件(K)を満たす。また、下記の要件(L)や上述の要件(F)も満たすことが好ましい。但し、本実施形態では、上述の要件(H)は満たさない。
(K) 上流側磁極(汲み上げ磁極S1)の法線方向の磁束密度の極大値の絶対値|Br|が下流側磁極(搬送磁極S2)の法線方向の磁束密度の極大値の絶対値|Br|よりも大きい。
(L) 上流側磁極(汲み上げ磁極S1)の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|と、下流側磁極(搬送磁極S2)の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|の差分は、5mT以上である。
本実施形態のマグネットローラ24mの実施例3、実施例3′について、図10に示すように(実施例1の説明時に登場した)比較例1と比較しつつ説明する。実施例3およびに実施例3′の画像形成装置1及び現像装置20の概要は実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図10に、本実施の形態の規制磁極N1の実施例3の法線方向の磁束密度Br(実線)、実施例3′の法線方向の磁束密度Br(点線)、比較例1の法線方向の磁束密度Br(破線)を示す。また、図10には、現像スリーブ24の回転方向の下流側をθ軸の正とした場合の各々の接線方向の磁束密度Bθも太線で同時に示した。
まず、実施例3は、上述の要件(A)、(B)、(C)、(K)を満たし、好ましくは要件(L)を満たす。図10に示すように、実施例3は、比較例1と比較して規制磁極N1の上流に配置された汲み上げ磁極S1と下流に配置された搬送磁極S2の法線方向の磁束密度Brの分布が各々異なっている。
第1の実施形態で述べたように、規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置は、規制磁極N1の隣の磁極との関係も大きく影響する。先にも述べたように、規制磁極N1の磁束線が法線方向(無限遠方向)に伸びる位置は、規制磁極N1の上下流の磁極の法線方向の磁束密度Brの極大値を比較した時に、法線方向の磁束密度の絶対値Brがより小さい磁極のある方向にシフトしやすくなると考えられる。
比較例1のマグネットローラ24mは、規制磁極N1の上流に位置する汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値(44mT)よりも規制磁極N1の下流に位置する搬送磁極S2の法線方向の持続密度Brの極大値(88mT)のほうが大きい。そのため、比較例1の規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置は、法線方向の磁束密度の絶対値Brがより小さい汲み上げ磁極S1のある上流方向にシフトしやすい。実際、比較例1は接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oが上流側に比較的大きくシフトしている。
一方、図10に示したように、実施例3のマグネットローラ24mは、比較例1の場合とは異なり、規制磁極N1の上流に位置する汲み上げ磁極S1の法線方向の磁束密度Brの極大値(59mT)よりも規制磁極N1の下流に位置する搬送磁極S2の法線方向の磁束密度Brの極大値(46mT)のほうが小さい。(要件(K))そのため、実施例3の規制磁極N1の磁束線が法線方向に伸びる位置は、法線方向の磁束密度の絶対値Brがより小さい搬送磁極S2のある下流方向にシフトしやすい。実際、図10を見ると、実施例3は接線方向の磁束密度Bθ=0となる位置Oが比較例1と比較して下流側に大きくシフトしている。
以上から、規制磁極N1に上流側で隣接する磁極(本実施形態では汲み上げ磁極S1)の法線方向の磁束密度Brの極大値より、規制磁極の下流に隣接する磁極(本実施形態では搬送磁極S2)の法線方向の磁束密度Brの極大値を小さくすることで、現像剤量変化の小さい接線方向の磁束密度Bθが負の領域を増やすことができ、さらに、この領域に規制部材25を配置することで、極位置ラチチュードを広げられる。
なお、規制磁極N1に上流側で隣接する磁極(本実施形態では汲み上げ磁極S1)の法線方向の磁束密度Brの極大値より、規制磁極の下流に隣接する磁極(本実施形態では搬送磁極S2)の法線方向の磁束密度Brの極大値を小さくしていれば、多少なりの効果は得られるが、十分な効果を得るためには少なくとも5mT以上小さくすることが好ましい(要件(L))。より効果を得るためには10mT以上小さくすることがより好ましい。
次に、実施例3´は、上述の要件(A)、(B)、(C)、(K)に加えて、要件(F)を満たす。なお、これに加えて要件(L)を満たすことが好ましい。図10には、実施例3′のマグネットローラ24mも示した。実施例3′は、実施例3のように規制磁極N1に上流側で隣接する磁極(本実施形態では汲み上げ磁極S1)の法線方向の磁束密度Brの極大値より、規制磁極の下流に隣接する磁極(本実施形態では搬送磁極S2)の法線方向の磁束密度Brの極大値を小さくしている(要件(K))。これと同時に、実施例1のように規制磁極N1の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|を上流ピークP1よりも下流ピークP2が大きくなるようにしている(要件(F))。実施例3′の規制磁極N1の法線方向の磁束密度Brの上流ピークP1の極大値は42mT、下流ピークP2の極大値は53mTである。
このような本実施形態の場合、上述のような構成を有することで、規制部材25に対して最も近接して配置される規制磁極N1が2つの極大値(ピーク)を有する磁束密度分布において、規制部材25により規制される現像剤量の変動を抑制できる。
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、本発明をタンデム型の画像形成装置に用いられる現像装置に適用した場合について説明した。但し、本発明は、他の方式の画像形成装置に用いられる現像装置にも適用可能である。また、画像形成装置は、フルカラーであることにも限られず、モノクロやモノカラーであってもよい。あるいは、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施することができる。
また、現像装置の構成についても、上述のように、現像室と攪拌室が水平方向に配置された構成に限らず、現像室と攪拌室とが鉛直方向、或いは、水平方向に対して傾斜した方向に配置されている構成であっても良い。また、図2では、現像室から現像スリーブに現像剤を供給し、現像室で現像スリーブから現像剤を回収しているが、現像室から現像スリーブに現像剤を供給し、攪拌室で現像スリーブから現像剤を回収するような構成であっても良い。
20(20y、20m、20c、20k)・・・現像装置
24・・・現像スリーブ(現像剤担持体)
24m・・・マグネットローラ(マグネット)
25・・・規制部材
81(81y、81m、81c、81k)・・・感光ドラム(像担持体)
N1・・・規制磁極
S1・・・汲み上げ磁極(上流側磁極)
S2・・・搬送磁極(下流側磁極)
P1・・・規制磁極の磁束密度Brの上流ピーク(上流極大値)
P2・・・規制磁極の磁束密度Brの下流ピーク(下流極大値)

Claims (14)

  1. 回転可能に設けられ、像担持体に形成された静電潜像を現像する位置にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に対して非接触に対向して配置され、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、
    前記現像剤担持体の内部に非回転に固定して配置され、前記規制部材に対して最も近接して配置される規制磁極を含む複数の磁極を有し、前記現像剤を前記現像剤担持体に担持させるための磁界を発生するマグネットと、を備え、
    前記規制磁極において、前記現像剤担持体の外周面上の法線方向の磁束密度Brが、前記現像剤担持体の回転方向上流側から下流側にかけて上流極大値P1と極小値Bと下流極大値P2とがこの順に存在する磁束密度分布を有し、
    前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置の間の角度が20°以上50°未満であり、
    前記規制磁極において、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置との間に、前記現像剤担持体の外周面上の接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oを有し、
    前記規制部材は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と、前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oとの間に対向するように配置されており、
    前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oは、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置との中点に対して±2°の範囲或いはこの範囲よりも下流側に位置する
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oは、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置との中点よりも下流側に位置する
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置から前記接線方向の磁束密度Bθが0となる位置Oまでの角度は、15°以上50°未満である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記上流極大値P1の絶対値|Br|と、前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oの法線方向の磁束密度の絶対値|Br|の差分は、10mT以下である
    ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の現像装置。
  5. 前記上流極大値P1の絶対値|Br|は、前記下流極大値P2の絶対値|Br|よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の現像装置。
  6. 前記マグネットの前記複数の磁極は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記規制磁極の上流側に前記規制磁極と隣接して配置された上流側磁極と、前記規制磁極の下流側に前記規制磁極と隣接して配置された下流側磁極とを含み、
    前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流側磁極の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|は、前記下流側磁極の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|よりも小さい
    ことを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
  7. 回転可能に設けられ、像担持体に形成された静電潜像を現像する位置にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に対して非接触に対向して配置され、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、
    前記現像剤担持体の内部に非回転に固定して配置され、前記規制部材に対して最も近接して配置される規制磁極を含む複数の磁極を有し、前記現像剤を前記現像剤担持体に担持させるための磁界を発生するマグネットと、を備え、
    前記規制磁極において、前記現像剤担持体の外周面上の法線方向の磁束密度Brが、前記現像剤担持体の回転方向上流側から下流側にかけて上流極大値P1と極小値Bと下流極大値P2とがこの順に存在する磁束密度分布を有し、
    前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置の間の角度が20°以上50°未満であり、
    前記規制磁極において、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置との間に、前記現像剤担持体の外周面上の接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oを有し、
    前記規制部材は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と、前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oとの間に対向するように配置されており、
    前記マグネットの前記複数の磁極は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記規制磁極の上流側に前記規制磁極と隣接して配置された上流側磁極と、前記規制磁極の下流側に前記規制磁極と隣接して配置された下流側磁極とを含み、
    前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流側磁極の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|は、前記下流側磁極の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|よりも小さく、
    前記上流極大値P1の絶対値|Br|は、前記下流極大値P2の絶対値|Br|よりも小さい
    ことを特徴とする現像装置。
  8. 回転可能に設けられ、像担持体に形成された静電潜像を現像する位置にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に対して非接触に対向して配置され、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、
    前記現像剤担持体の内部に非回転に固定して配置され、前記規制部材に対して最も近接して配置される規制磁極を含む複数の磁極を有し、前記現像剤を前記現像剤担持体に担持させるための磁界を発生するマグネットと、を備え、
    前記規制磁極において、前記現像剤担持体の外周面上の法線方向の磁束密度Brが、前記現像剤担持体の回転方向上流側から下流側にかけて上流極大値P1と極小値Bと下流極大値P2とがこの順に存在する磁束密度分布を有し、
    前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置の間の角度が20°以上50°未満であり、
    前記規制磁極において、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置との間に、前記現像剤担持体の外周面上の接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oを有し、
    前記規制部材は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と、前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oとの間に対向するように配置されており、
    前記マグネットの前記複数の磁極は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記規制磁極の上流側に前記規制磁極と隣接して配置された上流側磁極を含み、
    前記上流側磁極の法線方向の磁束密度の極大値の絶対値|Br|が前記上流極大値P1の絶対値|Br|よりも大きい
    ことを特徴とする現像装置。
  9. 前記上流側磁極の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|と、前記上流極大値P1の絶対値|Br|の差分は、5mT以上である
    ことを特徴とする請求項8に記載の現像装置。
  10. 前記上流極大値P1の絶対値|Br|は、前記下流極大値P2の絶対値|Br|よりも小さい
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の現像装置。
  11. 前記マグネットの前記複数の磁極は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記規制磁極の下流側に前記規制磁極と隣接して配置された下流側磁極を含み、
    前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流側磁極の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|は、前記下流側磁極の法線方向の磁束密度Brの極大値の絶対値|Br|よりも小さい
    ことを特徴とする請求項10に記載の現像装置。
  12. 回転可能に設けられ、像担持体に形成された静電潜像を現像する位置にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に対して非接触に対向して配置され、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、
    前記現像剤担持体の内部に非回転に固定して配置され、前記規制部材に対して最も近接して配置される規制磁極を含む複数の磁極を有し、前記現像剤を前記現像剤担持体に担持させるための磁界を発生するマグネットと、を備え、
    前記規制磁極において、前記現像剤担持体の外周面上の法線方向の磁束密度Brが、前記現像剤担持体の回転方向上流側から下流側にかけて上流極大値P1と極小値Bと下流極大値P2とがこの順に存在する磁束密度分布を有し、
    前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置の間の角度が20°以上50°未満であり、
    前記規制磁極において、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記上流極大値P1の位置と前記下流極大値P2の位置との間に、前記現像剤担持体の外周面上の接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oを有し、
    前記規制部材は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記上流極大値と、前記接線方向の磁束密度Bθがゼロとなる位置Oとの間に対向するように配置されており、
    前記マグネットの前記複数の磁極は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記規制磁極の上流側に前記規制磁極と隣接して配置された上流側磁極と、前記規制磁極の下流側に前記規制磁極と隣接して配置された下流側磁極とを含み、
    前記上流側磁極の法線方向の磁束密度の極大値の絶対値|Br|が前記下流側磁極の法線方向の磁束密度の極大値の絶対値|Br|よりも大きい
    ことを特徴とする現像装置。
  13. 前記上流側磁極の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|と、前記下流側磁極の法線方向の磁束密度の絶対値|Br|の差分は、5mT以上である
    ことを特徴とする請求項12に記載の現像装置。
  14. 前記上流極大値P1の絶対値|Br|は、前記下流極大値P2の絶対値|Br|よりも小さい
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の現像装置。
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