JP2014179206A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ素系溶媒が正極表面で酸化分解して発生するHFを効率良く捕捉して、例えば高温環境下における保存特性を向上させる。
【解決手段】非水電解質二次電池10は、正極集電体21上に正極活物質層22が形成されてなる正極20と、負極30と、セパレータ40と、フッ素系溶媒を含む非水電解質と、を備える。そして、正極活物質層22とセパレータ40との間、又は正極活物質層22中にシリカを含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関し、特にリチウムイオン二次電池に関する。
非水溶媒中の水分と電解質塩との反応により発生するフッ酸(HF)を捕捉して、保存特性(熱的安定性)を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。具体的に、特許文献1には、有機高分子及び主成分がシリカ(SiO2)であるガラスからなり、ガラスを50重量%〜90重量%含む非水電解質二次電池用セパレータが開示されている。また、特許文献2には、シリカが分散したポリフッ化ビニリデン系の薄膜層を負極に対向配置したリチウムポリマー二次電池が開示されている。
特開2005−11614号公報 特開2002−33128号公報 特表2007−504628号公報
ところで、高温環境下における保存特性をさらに改善するため、フルオロエチレンカーボネートを非水溶媒として用いることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。非水溶媒としてフッ素系溶媒を含む場合、正極表面でフッ素系溶媒が酸化分解してHFが発生する。かかるHFの発生は、フッ素系溶媒としてフルオロエチレンカーボネート等のフッ素化環状カーボネートを用いた場合に顕著であり、正極電位が金属リチウム基準で4.50Vを超えた場合に特に顕著である。正極表面で発生したHFは、正極活物質を構成するCoやNiを溶かすため、保存特性を悪化させる原因となる。
なお、特許文献1,2に開示された技術では、フッ素系溶媒が正極表面で酸化分解して発生するHFの捕捉を想定しておらず、かかるHFを効率良く捕捉することができない。
本発明に係る非水電解質二次電池は、正極集電体上に正極活物質層が形成されてなる正極と、負極と、セパレータと、フッ素系溶媒を含む非水電解質と、を備える非水電解質二次電池であって、正極活物質層とセパレータとの間又は正極活物質層中にシリカを含有することを特徴とする。
本発明に係る非水電解質二次電池によれば、フッ素系溶媒が正極表面で酸化分解して発生するHFを効率良く捕捉して、例えば高温環境下における保存特性を向上させることができる。
本発明の実施形態の一例である非水電解質二次電池を構成する電極体の断面図である。 電極体の変形例を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態の一例である非水電解質二次電池10は、正極20と、負極30と、セパレータ40と、フッ素系溶媒を含む非水電解質(図示せず)とを備える。非水電解質二次電池10の電極体の構造は、特に限定されず、正極20及び負極30がセパレータ40を介して巻回されてなる巻回型であってもよいし、正極20及び負極30がセパレータ40を介して交互に積層されてなる積層型であってもよい。電極体及び非水電解質を収容する外装体も特に限定されず、金属製ケースであってもよいし、ラミネート包材であってもよい。
また、非水電解質二次電池10は、正極20の正極活物質層22とセパレータ40との間、又は正極活物質層22中にシリカを含有することを特徴とする。詳しくは後述するように、シリカは、正極20の表面で発生するHFを捕捉する役割を果たす。
〔正極20〕
正極20は、正極集電体21と、当該集電体上に形成された正極活物質層22とを有する。正極活物質層22は、正極集電体21の両面に形成されることが好適である。正極集電体21の厚みは、例えば10μm〜40μmである。正極活物質層22の厚みは、例えば20μm〜100μmである。正極活物質層22に含まれる正極活物質の体積平均粒子径(Dv50)は、例えば5μm〜20μmである。
正極集電体21には、導電性を有する薄膜シート、特に正極20の電位範囲で安定な金属箔や合金箔、金属表層を有するフィルム等を用いることができる。正極集電体21を構成する金属は、アルミニウムを主成分とする金属、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましい。
正極活物質層22は、正極活物質の他に、導電材及び結着剤を含むことが好ましい。正極活物質としては、Co、Mn、Ni等の遷移金属元素を含有するリチウム含有遷移金属酸化物が例示できる。リチウム含有遷移金属酸化物は、例えばLixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1-y2、LixCoy1-yz、LixNi1-yyz、LixMn24、LixMn2-yy4、LiMPO4、Li2MPO4F(M;Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bのうち少なくとも1種)である。ここで、0<x≦1.2(活物質作製直後の値であり、充放電により増減する)、0<y≦0.9、2.0≦z≦2.3である。
上記導電剤は、正極活物質層の電気伝導性を高めるために用いられる。導電剤には、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素材料が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記結着剤は、正極活物質及び導電剤間の良好な接触状態を維持し、且つ正極集電体表面に対する正極活物質等の結着性を高めるために用いられる。結着剤には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、又はこれらの変性体等が用いられる。結着剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)等の増粘剤と併用されてもよい。
正極20の充電終止電位は、高容量化の観点から、4.25V(vs.Li/Li+)以上が好ましく、4.40V(vs.Li/Li+)以上がより好ましい。正極の充電終止電位の上限は、特に限定されないが、非水電解質の分解抑制等の観点から、4.8V(vs.Li/Li+)以下が好ましい。
〔負極30〕
負極30は、負極集電体31と、当該集電体上に形成された負極活物質層32とを有する。負極活物質層32は、負極集電体31の両面に形成されることが好適である。負極集電体31の厚みは、例えば5μm〜20μm程度である。負極活物質層32の厚みは、例えば20μm〜100μmである。
負極集電体31には、導電性を有する薄膜シート、特に負極30の電位範囲で安定な金属箔や合金箔、金属表層を有するフィルム等を用いることができる。負極集電体31を構成する金属は、銅を主成分とする金属が好ましい。
負極活物質層32は、例えば、リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な負極活物質の他に結着剤を含むことが好ましい。負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、リチウム、珪素、炭素、錫、ゲルマニウム、アルミニウム、鉛、インジウム、ガリウム、チタン酸リチウム及びこれらの合金並びに混合物が例示できる。結着剤としては、正極の場合と同様にPTFE等を用いることもできるが、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)又はこの変性体等を用いることが好ましい。結着剤は、CMC等の増粘剤と併用されてもよい。
〔セパレータ40〕
セパレータ40には、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータ40の材質としては、セルロース、又はポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂が好適である。セパレータ40の厚みは、例えば10μm〜40μmである。セパレータ40は、例えば30%〜70%の空孔率、10nm〜500nmの平均孔径を有する。
〔非水電解質〕
非水電解質は、フッ素系溶媒を含有する非水溶媒と、非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む。なお、非水電解質は、液体電解質(非水電解液)に限定されず、ゲル状ポリマー等を用いた固体電解質であってもよい。フッ素系溶媒には、少なくともフッ素化環状炭酸エステルが用いられ、好ましくはフッ素化鎖状エステルを併用する。或いは、非フッ素系溶媒を併用してもよい。
上記フッ素化環状炭酸エステルには、フルオロエチレンカーボネート又はその誘導体を用いることが好ましい。フルオロエチレンカーボネートとしては、4−フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,4,5−トリフルオロエチレンカーボネートが挙げられる。これらのうち、保存特性等の観点から、4−フルオロエチレンカーボネート(以下、「FEC」とする)が特に好ましい。
FEC等のフッ素化環状炭酸エステルの含有量は、保存特性等の観点から、非水電解質における非水溶媒の総体積に対して5体積%〜30体積%であることが好ましい。フッ素化環状炭酸エステルの含有量が5体積%未満であると、良好な保存特性が得られない場合がある。一方、30体積%を越えると、電解液中においてガスが多量に発生するおそれがあり、またコスト面でも不利になる。
上記フッ素化鎖状エステルは、フッ素化鎖状炭酸エステル及びフッ素化鎖状カルボン酸エステルから選択される少なくとも一種であることが好ましい。フッ素化鎖状炭酸エステルとしては、低級鎖状炭酸エステル、例えばジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、又はメチルイソプロピルカーボネート等の水素の一部又は全部をフッ素で置換したものが好適である。フッ素化鎖状カルボン酸エステルとしては、低級鎖状カルボン酸エステル、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、又はプロピオン酸エチル等の水素の一部又は全部をフッ素で置換したものが好適である。
上記非水溶媒には、非フッ素系溶媒を併用することも可能である。非フッ素系溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)等の環状炭酸エステル、2−メチル−1−ピロリドン等のラクタム、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の環状カルバミン酸エステル、テトラメチレンスルホン等の環状スルホン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びメチルプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、イソ酪酸メチル、及びトリメチル酢酸メチル等の鎖状カルボン酸エステル、ピナコリン等のケトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、及び1,4−ジオキサン等のエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の鎖状アミド、N,N−ジメチルカルバミン酸メチル、N,N−ジメチルカルバミン酸メチル等の鎖状カルバミン酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、特に鎖状炭酸エステルを用いることが望ましい。
上記電解質塩は、リチウム塩であることが好ましい。リチウム塩には、従来の非水電解質二次電池において支持塩として一般に使用されているものを用いることができる。具体例としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3、CH3SO3Li、LiCF3SO3、LiCl、LiBr、LiB(C654、LiC(CF3SO23、LiB(C242等が挙げられる。これらのリチウム塩は、1種類で使用してもよく、また2種類以上組み合わせて使用してもよい。
〔シリカ層50〕
非水電解質二次電池10は、上記のように、正極活物質層22とセパレータ40との間、又は正極活物質層22中にシリカを含有する。シリカは、例えば正極活物質層22の表面、又はセパレータ40の正極20と対向する表面において層状に形成されることが好適である。図1に示す例では、正極活物質層22とセパレータ40との間にシリカ層50が介在している。
シリカ層50を構成するシリカ粒子は、SiO2を主成分(例えば、99%以上)とするものであり、Si以外の金属元素(Na、Fe、Ni,Cr等)を多少含んでいてもよい。なお、SiO2は、HFと下記のように反応する。これにより、フッ素系溶媒、特にフッ素化環状炭酸エステルの酸化分解により正極20の表面で発生するHFを効率良く捕捉することができ、正極活物質の劣化を抑制できる。
4HF+SiO2 → SiF4+2H2
SiF4+2HF → H2SiF6
シリカ層50は、例えば正極活物質層22の表面に設けられてもよいし、セパレータ40の正極20と対向する表面に設けられてもよいが、塗布の容易性の観点から後者が好適である。また、正極活物質層22及びセパレータ40の両方にシリカ層50を設けてもよいが、生産性等の観点から、いずれか一方(特にセパレータ40)に設けることが好ましい。いずれにしても、本実施形態おいて、シリカ層50は、セパレータ40の正極20と対向する表面と、正極活物質層22の表面との間に配置される(以下では、シリカ層50が、セパレータ40の表面に形成されているものとして説明する)。シリカ層50は、セパレータ40の表面のうち正極20と対向する部分の全域に亘って形成されることが好適である。
シリカ層50は、シリカのみで構成されてもよいが、シリカ粒子と、バインダ樹脂とで構成されることが好ましい。バインダ樹脂は、シリカ粒子をセパレータ40の表面に接着し、またシリカ粒子同士を接着する。バインダ樹脂としては、当該接着力を発現する樹脂であれば特に限定されず、例えばポリカルボン酸、ポリビニルアルコール等の親水性高分子を用いることができる。シリカ層50は、バインダ樹脂が溶解又は分散した水中にシリカ粒子を分散させて、これをセパレータ40上に塗工し、乾燥して形成することができる。
シリカ粒子のDv50は、セパレータ40の平均孔径よりも大きく、正極活物質のDv50よりも十分に小さいことが好ましい。具体的には、正極活物質のDv50の1/10以下が好ましく、1/20以下がより好ましい。シリカ粒子のDv50は、例えば50nm〜500nmであることが好ましく、100nm〜500nmがより好ましく、200nm〜400nmが特に好ましい。Dv50が当該範囲内であれば、セパレータ40を目詰まりさせることなく、HFとの反応性が向上する。シリカ粒子のDv50は、レーザー回折/散乱方式の粒度分布測定装置、又は電子顕微鏡観察により計測できる。
シリカ粒子の含有量は、フッ素系溶媒の酸化分解により発生するHFに応じて決定されることが好ましい。本実施形態では、シリカ粒子の含有量に応じて、シリカ層50の厚みが適宜変更される。シリカ層50の好適な厚みは、シリカ粒子の含有量によって多少異なるが、一般的には1μm〜5μmである。シリカ層50におけるシリカ粒子の含有量(層の全重量に対して)は、例えば90重量%〜99.5重量%である。
フッ素系溶媒としてFECを用いる場合、電池全体におけるシリカ粒子の含有量は、1molのFECに対して1/6mol(FECに対して16.7mol%)の割合とする。これにより、長期間に亘ってHFを捕捉することができる。FECは特に高電位化において徐々に分解するが、当該割合でシリカ粒子を含有することにより、全てのFECが酸化分解した場合でも全てのHFを理論上捕捉できる。なお、フッ素化鎖状エステルは、フッ素化環状炭酸エステルよりも酸化分解され難いため、両者を併用する場合には、後者の含有量に基づいてシリカ粒子の含有量を決定することが好適である。
シリカ粒子の含有量は、保存特性や容量密度等の観点から、FECに対して5mol%〜25mol%が好ましく、5mol%〜17mol%(16.7mol%)がより好ましい。一般的な環境下で使用される電池の場合、シリカ粒子の含有量は、FECに対して5mol%を下限とし、17mol%を上限とすることが好適である。これにより、高温保存特性と容量密度とを効率良く両立できる。
以上のように、非水電解質二次電池10は、正極20とセパレータ40との間に、シリカ粒子を含むシリカ層50を備える。シリカ層50は、リチウムイオンの移動を阻害することなく、当該層中に含まれるシリカ粒子が正極表面で発生するHFを効率良く捕捉する。これにより、正極活物質の劣化が抑制され、良好な高温保存特性やサイクル特性を得ることができる。非水電解質二次電池10の構成は、非水溶媒としてフッ素化環状炭酸エステルを用いた場合に、特に好適である。
なお、上記実施形態は本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。
例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)等のシリケートのアルコール溶液、或いはシリカゾルをセパレータ40上に塗工して、多孔質のシリカ層50を形成してもよい。この場合、バインダ樹脂を用いることなくシリカ層を形成することができる。
また、図2に示すように、正極活物質層22がシリカ粒子60を含有する構成としてもよい。図2に例示する正極活物質層22は、正極活物質粒子23、結着剤24、導電材25、及びシリカ粒子60を有している。この場合も、フッ素系溶媒の含有量に基づいてシリカ粒子60の含有量を決定することが好ましい。シリカ粒子60を添加した正極スラリーを正極集電体21上に塗工して、正極活物質層22中にシリカ粒子60を分散させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
〔正極の作製〕
正極活物質であるLi1Ni0.5Co0.2Mn0.32と、導電材である炭素と、結着剤であるPVdFを、95:2.5:2.5の重量比となるように混合した後、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液中に添加して混練し、正極スラリーを作製した。当該スラリーを所定の塗布量となるように正極集電体であるアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後、所定の充填密度となるように圧延して正極を作製した。
〔負極の作製〕
負極活物質である黒鉛と、結着剤であるスチレンブタジエン(SBR)ゴムと、増粘剤であるCMCを、98:1:1の重量比となるように混合した後、水溶液中で混練して負極スラリーを作製した。当該負極スラリーを、所定の塗布量となるように負極集電体である銅箔の両面上に塗布し、乾燥後、所定の充填密度となるように圧延して負極を作製した。
〔非水電解液の作製〕
非水溶媒として、FECとフルオロエチルメチルカーボネート(FEMC)を、体積比25:75で混合した混合溶媒0.5mLを用いた。当該混合溶媒にリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させて、非水電解液を作製した。
〔シリカ層の形成〕
セパレータには、ポリエチレン製の多孔性シート(厚み;30μm)を用いた。そして、当該セパレータの一方の面上にシリカ層を形成した。シリカ層は、シリカ水分散体をグラビアコーターでセパレータ上に塗布し、乾燥して形成した。シリカ水分散体は、体積平均粒子径200nmのシリカ粒子(エムテック化学社製、オプティシリカSR−200P)と、バインダ樹脂であるポリアクリル酸(和光純薬工業社製、168−07375)と、水とを、9:89.7:1.3の重量比となるように混合して作製した。なお、シリカ粒子の含有量が10μg(FECに対して約20mol%)となるように、シリカ層の厚みを約2μmに調整した。
〔電池の作製〕
上記正極及び上記負極を、上記セパレータを介して対向するように配置して電極体を作製した。このとき、上記のように、セパレータのシリカ層が形成された面を正極側に向けて配置する。続いて、当該電極体をポリエチレンテレフタレート、アルミニウム等を積層して構成されたラミネート材からなる外装体に挿入した。このとき、外装体の端部から各電極タブが突き出た状態とする。
次に、不活性ガス雰囲気下のグローブボックス中にて、上記非水電解液を外装体内の電極体に含浸させるように注入し、その後、開口部をヒートシールした。なお、充電終止電圧が4.6V(正極電位4.7V(vs.Li/Li+))で50mAhの容量となるように、正極容量及び負極容量の比率を調整して、非水電解液二次電池である試験セルA1を作製した。
<実施例2>
FECに対するシリカの含有量を5mol%とした以外は、実施例1と同様にして試験セルA2を作製した。
<実施例3>
FECに対するシリカの含有量を25mol%とした以外は、実施例1と同様にして試験セルA3を作製した。
<実施例4>
FECに対するシリカの含有量を3mol%とした以外は、実施例1と同様にして試験セルA4を作製した。
<実施例5>
FECに対するシリカの含有量を1mol%とした以外は、実施例1と同様にして試験セルA5を作製した。
<比較例1>
シリカ層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして試験セルX1を作製した。
<比較例2>
シリカ層の形成位置をセパレータの正極に対向する表面から負極に対向する表面に変更した以外は、実施例2と同様にして試験セルX2を作製した。
〔電池電圧4.6V(金属リチウム基準4.7V)での充電保存特性の評価〕
各試験セルA1〜A4,X1,X2について、充電保存特性を評価した。
まず、25℃にて、定電流(0.5C)−定電圧(0.02C cut)で、電池電圧4.6Vまで充電し、定電流(0.5C)で電池電圧2.5Vまで放電することにより、保存前の放電容量D1を測定した。次に、定電流(0.5C)−定電圧(0.02C cut)で電池電圧4.6Vまで充電した後、各電池を80℃で5日間恒温槽内に保存した。保存試験後の電池を、定電流(0.5C)で電池電圧2.5Vまで放電することにより、保存後の残存容量D2を求めた。
保存後の容量残存率(%)は、保存前の放電容量D1及び保存後の残存容量D2から、下記の式により算出される。当該容量残存率が高い方が、充電保存特性に優れていることを意味する。評価結果を表1に示す。
保存後の容量残存率(%)=(D2/D1)×100
Figure 2014179206
表1に示すように、実施例の各試験セルA1〜A5では、シリカを含有しない比較例1の試験セルX1と比べて高温保存特性が向上している。特に、FECに対するシリカ量を多くすることで、高温保存特性が向上する。なお、シリカの含有量は、FECの量を基準として5mol%〜25mol%が好ましい。容量密度を考慮すると、5mol%が特に好ましい。
また、セパレータの負極と対向する面にシリカ層を形成した場合(比較例2)も、1%の保存特性の向上が確認されたが、正極と対向する面にシリカ層を形成した場合(実施例2)に比べて改善の程度が小さい。つまり、正極とセパレータとの間にシリカを介在させることで、高温保存特性を効率良く改善することが可能となる。
10 非水電解質二次電池、20 正極、21 正極集電体、22 正極活物質層、30 負極、31 負極集電体、32 負極活物質層、40 セパレータ、50 シリカ層

Claims (7)

  1. 正極集電体上に正極活物質層が形成されてなる正極と、負極と、セパレータと、フッ素系溶媒を含む非水電解質と、を備える非水電解質二次電池であって、
    前記正極活物質層と前記セパレータとの間又は前記正極活物質層中にシリカを含有する非水電解質二次電池。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池であって、
    前記フッ素系溶媒は、少なくとも4−フルオロエチレンカーボネートを含む非水電解質二次電池。
  3. 請求項2に記載の非水電解質二次電池であって、
    前記シリカは、1molの前記4−フルオロエチレンカーボネートに対して、少なくとも1/6molの割合で含有されている非水電解質二次電池。
  4. 請求項2に記載の非水電解質二次電池であって、
    前記シリカは、前記4−フルオロエチレンカーボネートに対して、5mol%〜25mol%の割合で含有されている非水電解質二次電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池であって、
    前記シリカは、前記正極活物質層の表面又は前記セパレータの表面において層状に形成されている非水電解質二次電池。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池であって、
    前記シリカは、体積平均粒子径が50nm〜500nmの粒子である非水電解質二次電池。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池であって、
    満充電時における前記正極の電位が、金属リチウム基準で4.25V以上である非水電解質二次電池。
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