JP2008305574A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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修 蛭田
Itsuki Sasaki
厳 佐々木
Hironori Kondo
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Yoshinari Makimura
嘉也 牧村
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勇一 伊藤
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良雄 右京
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Abstract

【課題】安全性に優れ、高温環境下でのサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】リチウム複合酸化物を正極活物質とする正極2と、リチウムを吸蔵・放出可能な物質を負極活物質とする負極3と、有機溶媒と常温溶融塩との混合溶媒に電解質を溶解した非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池1であり、常温溶融塩を有機溶媒と常温溶融塩との合計量100体積%中に、10〜40体積%含有する。電解質としては、リチウム塩の第1電解質と、一般式(1)の第2電解質とが採用されている。
Figure 2008305574

(但し、Aは、Na又はK)
【選択図】図1

Description

本発明は、有機溶媒等の非水溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池に関する。
非水系電解液を用いたリチウムイオン二次電池は、高電圧・高エネルギー密度が得られるだけでなく、小型・軽量化が図れるため、パソコンや携帯電話等の情報通信機器の関連分野ではすでに実用化されている。また、近年、環境問題や資源問題から電気自動車やハイブリッド電気自動車が注目を集めており、上記リチウムイオン二次電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車に搭載する電源としても用いられている。
リチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、これらの正極及び負極間でリチウムイオンを移動させる非水電解液とを主要な構成としている。具体的には、正極は、例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMn24等のリチウム遷移金属複合酸化物を主成分とする正極活物質をアルミニウム等からなる正極集電体に圧着してなる。負極は、例えば黒鉛やコークス等の炭素材料を主成分とする負極活物質を銅等からなる負極集電体に圧着してなる。また、非水電解液は、例えば有機溶媒に電解質としてLiPF6等のリチウム塩を溶解してなる。
また、リチウムイオン二次電池においては、安全性を向上させるために、電解液として、難燃性、不揮発性、及び耐熱性に優れた常温溶融塩を用いた電池が提案されている(特許文献1参照)。常温溶融塩のみを電解液に用いると、粘度が高いため、イオン導電率が低い。そのため、カーボネート系溶媒と常温溶融塩とを混合してなる電解液を用いた電池が提案されている(特許文献2〜6参照)。
ところで、リチウムイオン二次電池において、電解質としては、高い電気伝導性を有するリチウム塩LiPF6を電解質の主成分とすることが必須条件となりつつある。
ところが、LiPF6は、二次電池の製造時又は使用中に電池内に侵入する微量の水分と反応し、HF(フッ化水素)を生成することが知られている(非特許文献1参照)。そして、生成したHFは、電池内の構成材料に悪影響を与え、出力や寿命等の電池特性を低下させるおそれがあった。特に高温環境下においては、電池内の構成材料に悪影響を与える副反応が起こりやすいという問題があった。
具体的には、HFは、特に高温環境下等において、例えば集電体や電池外装材料等のアルミニウムからなる電池部材を腐食してしまうおそれがあった。アルミニウムは両性金属であり、酸やアルカリに容易に侵されやすいからである。したがって、電池出力が低下したり、充放電を繰り返すことにより容易に電池容量が劣化したりするおそれがあった。
そこで、HFによる劣化を抑制するために、電解液中に、LiPF6の他に、特定構造のリチウム塩等からなる添加剤を添加した電池が開発されている(特許文献7〜特許文献12)。
しかしながら、上記特定構造のリチウム塩等からなる添加剤を用いた電池においては、充放電を繰り返したときにおける耐久性は、いまだ改善の余地があった。即ち、充放電を繰り返し行ったときにおける容量の低下については比較的充分に抑制できるが、出力の低下を充分に抑制することはできなかった。
また、安全性向上のため、上述の常温溶融塩を用いたリチウム二次電池においては、出力が低下するという問題があった。そして、常温溶融塩は還元耐久性が低いため、電解液中に常温溶融塩を含有するリチウムイオン二次電池は、充放電を繰り返し行うと、電池の内部抵抗が増大し、出力が低下するおそれがあった。
特開2003−331918号公報 特開2003−288939号公報 特開2003−203674号公報 特開2005−183195号公報 特開2006−260952号公報 特開2005−229103号公報 特開2001−155769号公報 特開2002−110235号公報 特開2004−146071号公報 特開2005−5114号公報 特開2005−26203号公報 特開2005−32715号公報 「ジャーナル オブ パワーソースィズ(Journal of Power Sources)」米国、エルセビア(ELSEVIER)、1997年、第68巻、p.91−98
本発明はかかる従来の問題点を鑑みてなされたものであって、安全性に優れ、高温環境下で充放電を繰り返し行っても優れた容量及び出力を維持できるリチウムイオン二次電池を提供しようとするものである。
本発明は、リチウムと遷移金属とを含有する化合物を正極活物質とする正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な物質を負極活物質とする負極と、有機溶媒と常温溶融塩との混合溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池において、
上記混合溶媒は、上記有機溶媒と上記常温溶融塩との合計量100体積%中に、上記常温溶融塩を10体積%超えかつ40体積%未満含有し、
上記電解質としては、リチウム塩からなる第1電解質と、下記の一般式(1)で表される第2電解質とが採用され、上記電解質は、上記第1電解質:上記第2電解質=85〜99:15〜1というモル比で上記混合溶媒に溶解していることを特徴とするリチウムイオン二次電池にある(請求項1)。
Figure 2008305574
本発明のリチウムイオン二次電池は、有機溶媒と常温溶融塩との混合溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液とを有し、上記混合溶媒は、上記有機溶媒と上記常温溶融塩との合計量100体積%中に、上記常温溶融塩を10体積%超えかつ40体積%未満含有する。
そのため、難燃性及び難揮発性である上記常温溶融塩の特性を生かして、上記リチウムイオン二次電池の安全性を向上させることができる。また、上記有機溶媒と上記常温溶融塩との配合割合を上記のごとく特定の範囲にすることにより、上記混合溶媒は、難燃性及び難揮発性を維持しつつ、内部抵抗の上昇を抑制することができる。
また、一般に、常温溶融塩を含有する非水電解液においては、例えば炭素材料を負極活物質とする負極の還元電位で常温溶融塩が分解し、電池の耐久性能が低下してしまうおそれがある。本発明のリチウムイオン二次電池においては、上記第1電解質と、上記一般式(1)で表される上記第2電解質とが上記混合溶媒中に上記特定のモル比で溶解された上記非水電解液が採用されている。上記第2電解質は、その少なくとも一部が分解して、正極及び/又は負極上で安定な被覆物を形成することできる。そのため、上記常温溶融塩が正極及び/又は負極に直接接触することを抑制し、上記常温溶融塩の分解を抑制することができる。さらに、上記被覆物により、上記正極及び/又は上記負極において、リチウムイオン挿入及び脱離をスムーズに行うことができる。そのため、充放電を繰り返したときにおける、容量の低下及び内部抵抗の上昇を抑制することができる。
また、上記第2電解質は、HFの捕獲作用を有している。そのため、上記第1電解質のリチウム塩として、導電性に優れる例えばLiPF6等のフッ素を含有するリチウム塩を用いることができる。
一般に、電解質として、フッ素を含有するリチウム塩を用いると、特に高温環境下において、リチウム塩と微量の水分とが反応してHFが発生し、HFによりリチウムイオン二次電池を構成する正極、負極等が腐食され、容量や出力等の電池特性が低下するおそれがある。本発明のリチウムイオン二次電池においては、上記第2電解質は、HFを捕獲することができるため、上記第1電解質として導電性に優れたフッ素を含有するリチウム塩を用いても、電池特性の低下を抑制することができる。
また、上記非水電解液においては、上記第2電解質として、カリウム塩及び/又はナトリウム塩が採用されている。即ち、上記第1電解質(リチウム塩)とは異なるカチオン種を有する第2電解質が採用されている。そのため、上記リチウムイオン二次電池の出力特性をさらに向上させることができると共に、充放電を繰り返したときの出力の低下を抑制することができる。この理由は定かではないが、リチウムイオン以外に、電解液中にカリウムイオン及び/又はナトリウムイオンが介在することにより、上記第2電解質が分解して形成される被覆物中にカリウムイオン及び/又はナトリウムイオンが含有され、被覆物を安定化すると共によりスムーズなリチウムイオンの挿入脱離が実現されるためであると考えられる。
以上のように、本発明によれば、安全性に優れ、高温環境下で充放電を繰り返し行っても優れた容量及び出力を維持できるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、有機溶媒と常温溶融塩との混合溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液とを有する。
具体的には、上記リチウムイオン二次電池は、例えば上記正極及び上記負極と、これらの正極と負極との間に狭装されるセパレータと、正極と負極との間でリチウムを移動させる上記非水電解液等を主要構成要素として構成することができる。
正極としては、例えば上記正極活物質に導電材及び結着材を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状又はスラリー状の正極合材としたものを金属箔製の集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮形成したシート電極等を用いることができる。また、上記正極としては、上記正極合材をプレス成形して得られるペレット電極等を用いることもできる。
上記正極活物質としては、リチウムと遷移金属とを含有する化合物を用いることができる。具体的には、上記正極活物質として、例えばリチウムマンガン複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物を用いることができる。また、例えばリチウム鉄リン酸等のリチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることができる。
より具体的には、上記正極活物質としては、例えばLiMn24、LiCoO2、LiNiO2、LiFePO4を基本組成とするリチウム遷移金属複合酸化物を用いることができる。これらの正極活物質は、いずれか1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、上述の「〜を基本組成とする」とは、その組成式で表される組成のものだけでなく、結晶構造におけるLi、Mn、Co、Ni、Fe等のサイトの一部を他の元素で置換したものも含むことを意味する。さらに、化学量論組成のものだけでなく、一部の元素が欠損等した非化学量論組成のものも含むことを意味する。
また、上記導電材は、電気伝導性を確保するためのものであり、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類等の炭素物質粉末状体の1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
上記結着剤は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴムの水分散体等を用いることもできる。
これら活物質、導電材、結着剤を分散させる溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
また、正極集電体の材質としては、アルミニウム、チタン等の金属、又はその合金等を用いることができる。好ましくは、アルミニウム又はその合金を用いることがよい。この場合には、軽量化が図れ、エネルギー密度を向上させることができる。
次に、負極としては、負極活物質に必要に応じて導電材や結着剤を混合し、分散材として適当な溶媒を加えてスラリー状にした負極合材を、金属箔製の集電体の表面に塗布、乾燥し、その後に圧縮形成したシート電極等を用いることができる。また、上記負極としては、上記負極合材をプレス成形して得られるペレット電極等を用いることもできる。
上記負極活物質としては、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素系材料等を用いることができる。具体的には、黒鉛、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、及び非晶質炭素等から選ばれる1種以上を用いることができる。
上記負極活物質として、炭素系材料を用いた場合には、上記第2電解質の少なくとも一部が電位1.8V(vs.Li/Li+)程度
で負極上で分解し、導電性の高い安定な被覆物を正極と負極の活物質表面により確実に形成することができる。
また、上記負極活物質としては、炭素系材料の他に、例えば、Si系合金、Sn系合金、及び酸化物系材料等を用いることができる。
また、上記正極の場合と同様に、負極活物質に混合する結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等を、溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。また、必要に応じて、上記正極の場合と同様の導電材を混合することもできる。
また、負極集電体の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス等の金属を用いることができる。薄膜等の形状に加工し易く低コストであるという観点から、好ましくは銅がよい。
また、上記セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる多孔性シート、又は不織布等を用いることができる。
次に、上記非水電解液は、有機溶媒と常温溶融塩との混合溶媒に、電解質として、リチウム塩からなる第1電解質と、上記一般式(1)で表される第2電解質とを溶解してなる。上記非水電解液においては、上記第1電解質としての上記リチウム塩の少なくとも一部が、Li+イオン、及びこれと対をなすアニオンに電離している。また、上記非水電解液においては、上記一般式(1)で表される上記第2電解質の少なくとも一部がカチオン(K+及び/又はNa+)、及びこれと対をなすアニオンに電離している。
上記有機溶媒としては、非プロトン性の有機溶媒等を用いることができる。
具体的には有機溶媒として、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネート類、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネート、γ-ブチルラクトン(GBL)、γ-バレロラクトン(GVL)等のラクトン類、アセトニトリル等のニトリル類、酢酸メチル、ギ酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類等を用いることができる。これらは単独で用いることもできるが、二種以上を混合して用いることもできる。
また、上記常温溶融塩は、常温(25℃)において溶融しているイオン性液体である。
好ましくは、上記常温溶融塩は、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、又は脂肪族第4級アンモニウム塩から選ばれる1種以上であることがよい(請求項3)。
上記常温溶融塩として、イミダゾリウム塩、又はピロリジニウム塩を用いた場合には、上記第2電解質による上記常温溶融塩の分解抑制効果が顕著になる。即ち、上記常温溶融塩として、イミダゾリウム塩、又はピロリジニウム塩を用いた場合には、例えば炭素材料等からなる負極活物質を含有する負極側において、常温溶融塩が分解電位に達し易くなり、分解されて電池特性を劣化させてしまうおそれがあるが、上記一般式(1)で表される上記第2電解質が上述のごとく被覆物を形成できるため、上記常温溶融塩の分解を抑制することができる。
また、上記常温溶融塩として脂肪族第4級アンモニウム塩を用いた場合には、常温溶融塩の分解が起こり難い。そのため、上記リチウムイオン二次電池の充放電容量及び出力の安定性をより向上させることができる。
また、上記混合溶媒は、上記有機溶媒と上記常温溶融塩との合計量100体積%中に、上記常温溶融塩を10体積%超えかつ40体積%未満含有する。
上記常温溶融塩が10体積%以下の場合には、上記非水電解液の難燃性が不充分になるおそれがある。一方、40体積%以上の場合には、上記非水電解液のイオン伝導性が不充分になり、出力が低下するおそれがある。より好ましくは、上記混合溶媒は、上記有機溶媒と上記常温溶融塩との合計量100体積%中に、上記常温溶融塩を20体積%〜30体積%含有することがよい。
また、上記電解質としては、リチウム塩からなる第1電解質と、上記一般式(1)で表される第2電解質とが採用されている。
上記第1電解質としては、例えばLiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、又はLiSbF6から選ばれる1種以上を用いることができる。この場合には、比較的安定な電池特性を得ることができる。
また、上記第1電解質としては、少なくともLiPF6が採用されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記非水電解液の電気伝導性を向上させることができる。
また、上記一般式(1)で表される上記第2電解質において、A+は、K+又はNa+である。上記第2電解質としては、上記一般式(1)において、A+がK+である物質、又はA+がNa+である物質を用いることができるが、両者を併用することもできる。
また、上記第1電解質及び上記第2電解質は、上記第1電解質:第2電解質=85〜99:15〜1というモル比で上記混合溶媒に溶解している。
上記第1電解質がモル比で85未満の場合、又は上記第2電解質がモル比で15を越える場合には、上記第2電解質が分解されて上記正極及び/又は上記負極上に形成される被覆物量が多くなり過ぎて、上記リチウムイオン二次電池の内部抵抗の上昇を引き起こすおそれがある。一方、上記第1電解質がモル比で99を超える場合、又は上記第2電解質がモル比で1未満の場合には、上記正極及び/又は上記負極上の被覆物の形成量が不充分になり、充放電を繰り返したときにおける容量の低下及び内部抵抗の上昇を充分に抑制することができなくなるおそれがある。
また、上記リチウムイオン二次電池の形状としては、例えば円筒型、積層型、コイン型、角型等がある。正極、負極、及び非水電解液等を収容する電池ケースとしては、これらの形状に対応したものを用いることができる。
上記リチウムイオン二次電池は、例えば上記正極と上記負極との間に上記セパレータを狭装してなる電極体を、所定の形状の電池ケースに収納し、上記正極集電体及び上記負極集電体を、リード線を介して正極外部端子及び負極外部端子に電気的に接続し、上記電極体に上記非水電解液を含浸させて、電池ケース密閉することにより作製することができる。
また、上記電池ケースとしては、アルミラミネートフィルムからなるケースを用いることが好ましい。また、上記正極集電体としては、アルミニウムからなる集電体を用いることが好ましい。
この場合には、上記リチウムイオン二次電池の小型化及び軽量化を図ることができる。さらにこの場合には、上記第2電解質による上述の電池特性の低下抑制効果をより顕著に得ることができる。
即ち、一般に、アルミラミネートフィルムからなる電池ケースや、アルミニウムからなる集電体は、電解質としてLiPF6等のフッ素を含有するリチウム塩を用いた場合に生成するHFによって損傷を受けやすい。本発明において、上記非水電解液中には、上記一般式(1)で表される上記第2電解質を含有しており、該第2電解質によってHFを捕獲し、上記電池ケースや集電体の損傷を抑制することができる。したがって、上記電池ケースがアルミラミネートフィルムからなる場合や上記集電体がアルミニウムからなる場合には、上記第2電解質による本発明の効果をより顕著に発揮することができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例にかかるリチウムイオン二次電池について、図1を用いて説明する。
図1に示すごとく、本例のリチウムイオン二次電池1は、正極2と負極3と非水電解液とを備える。正極2は、正極活物質として、層状構造のLiNi0.8Co0.15Al0.052を含有する。負極3は、負極活物質として繊維状黒鉛を含有する。また、非水電解液は、有機溶媒と常温溶融塩との混合溶媒中に、電解質を溶解してなる。
本例においては、電解質として、LiPF6からなる第1電解質と、下記の式(2)で表される物質(KP22(C24)2)からなる第2電解質とを用いる。
Figure 2008305574
以下、本例のリチウムイオン二次電池1につき、図1を用いて詳細に説明する。
図1に示すごとく、本例のリチウムイオン二次電池1は、正極2、負極3、セパレータ4、ガスケット59、及び電池ケース6等よりなっている。電池ケース6は、18650型の円筒形状の電池ケースであり、キャップ63及び外装缶65よりなる。電池ケース6内には、シート状の正極2及び負極3が、該正極2及び負極3の間に挟んだセパレータ4と共に捲回した状態で配置されている。
また、電池ケース6のキャップ63の内側には、ガスケット59が配置されており、電池ケース6の内部には、非水電解液が注入されている。
また、正極2は、正極活物質としてLiNi0.8Co0.15Al0.052を含有し、負極3は負極活物質として繊維状黒鉛を含有している。
正極2及び負極3には、それぞれ正極集電リード23及び負極集電リード33が熔接により設けられている。正極集電リード23は、キャップ63側に配置された正極集電タブ235に熔接により接続されている。また、負極集電リード33は、外装缶65の底に配置された負極集電タブ335に熔接により接続されている。
また、非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とからなる有機溶媒と1エチル3メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドからなる常温溶融塩との混合溶媒に、LiPF6及び上記式(2)で表される物質を溶解してなり、電池ケース6内に注入されている。
次に、本例のリチウムイオン二次電池1の製造方法につき、図1を用いて説明する。
まず、以下のようにして、上記非水電解液を準備した。
即ち、まず常温溶融塩(1エチル3メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒を準備した。即ち、この混合溶媒は、有機溶媒(EC及びDEC)80vol%と常温溶融塩20vol%とからなる。また、電解質として、LiPF6とKP22(C24)2とを95:5というモル比で混合した混合支持塩を準備した。
この混合支持塩を電解液中のLi濃度が1mol/Lとなるように非水溶媒に溶解し非水電解液を作製した。これを試料E1とする。試料E1の電解液組成を後述の表1に示す。
次に、以下のようにして、正極2及び負極3を作製した。
正極2の作製にあたっては、まず、正極活物質として、LiNi0.8Co0.15Al0.052を準備し、該正極活物質と、導電材としてのカーボンブラックと、結着材としてのポリフッ化ビニリデンとを混合し、分散材としてのN−メチル−2−ピロリドンを適量添加し、分散させてスラリー状の正極合材を作製した。正極活物質と導電材と結着材の混合比は、重量比で、正極活物質:導電材:結着材=85:10:5とした。
次いで、上記のようにして得られた正極合材を、厚さ20μmのアルミニウム箔集電体の両面に塗布して乾燥させた。その後、ロールプレスで高密度化し、52mm幅×450mm長の形状に切り出し、シート状の正極2を作製した。なお、正極活物質の付着量は、片面当り7mg/cm2程度とした。
一方、負極3の作製にあたっては、まず、負極活物質としての繊維状黒鉛と結着材としてのポリフッ化ビニリデンとを混合し、分散材としてN−メチル−2−ピロリドンを適量添加し、分散させてスラリー状の負極合材を得た。負極活物質と結着材との混合比は、重量比で、負極活物質:結着材=95:5とした。
次いで、上記のようにして得られた負極合材を、厚さ10μmの銅箔集電体の表面に塗布し、乾燥させた。その後、ロールプレスで高密度化し、54mm幅×500mm長の形状に切り出し、シート状の負極3を作製した。なお、負極活物質の付着量は、片面当り、5mg/cm2程度とした。
次に、図1に示すごとく、上記のようにして得られたシート状の正極2及び負極3に、それぞれ正極集電リード23及び負極集電リード33を熔接した。これらの正極2及び負極3を、これらの間に幅56mm、厚さ25μmのポリエチレン製のセパレータ4を挟んだ状態で捲回し、ロール状の電極体5を作製した。
続いて、このロール状の電極体5を、外装缶65及びキャップ63よりなる18650型の円筒状の電池ケース6に挿入した。このとき、電池ケース6のキャップ63側に配置した正極集電タブ235に、正極集電リード23を熔接により接続すると共に、外装缶65の底に配置した負極集電タブ335に負極集電リード33を熔接により接続した。
次に、電池ケース6内に上記のようにして準備した非水電解液(試料E1)を含浸させた。そしてキャップ63の内側にガスケット59を配置すると共に、このキャップ63を外装缶65の開口部に配置した。続いて、キャップ63にかしめ加工を施すことにより電池ケース6を密閉し、リチウムイオン二次電池1を作製した。これを電池E1とした。
また、本例においては、常温溶融塩の種類や、第1電解質及び第2電解質の種類及び配合割合等が上記試料E1とは異なる13種類の非水電解液(試料E2〜試料E7及び試料C1〜試料C7)をさらに作製した。
具体的には、試料E2は、常温溶融塩(トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6とKP22(C24)2とを95:5というモル比で混合した混合支持塩をリチウム濃度が1Mとなるように溶解して作製した。試料E2の電解液組成を後述の表1に示す。
試料E3は、常温溶融塩(N−メチル−N’−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6とKP22(C24)2とを95:5というモル比で混合した混合支持塩をリチウム濃度が1Mとなるように溶解して作製した。試料E3の電解液組成を後述の表1に示す。
試料E4は、常温溶融塩(1エチル3メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6とKP22(C24)2とを90:10というモル比で混合した混合支持塩をリチウム濃度が1Mとなるように溶解して作製した。試料E4の電解液組成を後述の表1に示す。
試料E5は、常温溶融塩(トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6とKP22(C24)2とを90:10というモル比で混合した混合支持塩をリチウム濃度が1Mとなるように溶解して作製した。試料E5の電解液組成を後述の表1に示す。
試料E6は、常温溶融塩(N−メチル−N’−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6とKP22(C24)2とを90:10というモル比で混合した混合支持塩をリチウム濃度が1Mとなるように溶解して作製した。試料E6の電解液組成を後述の表1に示す。
試料E7は、常温溶融塩(1エチル3メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6と下記の式(3)で表される物質(NaP22(C24)2)とを95:5というモル比で混合した混合支持塩をリチウム濃度が1Mとなるように溶解して作製した。試料E7の電解液組成を後述の表1に示す。
Figure 2008305574
また、試料C1は、常温溶融塩(1エチル3メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6のみを溶解して作製した。試料C1の電解液組成を後述の表2に示す。
試料C2は、常温溶融塩(トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6のみを溶解して作製した。試料C2の電解液組成を後述の表2に示す。
試料C3は、常温溶融塩(N−メチル−N’−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6のみを溶解して作製した。試料C3の電解液組成を後述の表2に示す。
試料C4は、常温溶融塩(1エチル3メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6とKP22(C24)2とを80:20というモル比で混合した混合支持塩をリチウム濃度が1Mとなるように溶解して作製した。試料C4の電解液組成を後述の表2に示す。
試料C5は、常温溶融塩(1エチル3メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20:30:50という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6とLiP22(C24)2とを95:5というモル比で混合した混合支持塩をリチウム濃度が1Mとなるように溶解して作製した。試料C5の電解液組成を後述の表2に示す。
試料C6は、常温溶融塩(1エチル3メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを10:30:60という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6とKP22(C24)2とを95:5というモル比で混合した混合支持塩をリチウム濃度が1Mとなるように溶解して作製した。試料C6の電解液組成を後述の表2に示す。
試料C7は、常温溶融塩(1エチル3メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)とエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを40:30:30という体積比で混合した混合溶媒に、電解質として、LiPF6とKP22(C24)2とを95:5というモル比で混合した混合支持塩をリチウム濃度が1Mとなるように溶解して作製した。試料C7の電解液組成を後述の表2に示す。
次に、上記試料E1〜試料E7及び試料C1〜試料C7の14種類の非水電解液について、難燃性の評価を行った。
具体的には、まず、各試料(試料E1〜試料E7及び試料C1〜試料C7)の非水電解液に、それぞれセパレータ(厚さ25μm、幅6mm、長さ120mm)を浸漬し、各試料を含浸させた14種類のセパレータを作製した。
次いで、各セパレータの上端をピンセットで挟んで大気中にぶら下げ、下端にマッチの火を近づけた。このとき、着火の有無及び着火した場合のセパレータの燃焼状況を目視により観察した。セパレータが収縮するが着火はしなかった場合を○とし、着火してセパレータの大半が焼け落ちた場合を×として評価した。その結果を表1及び表2に示す。
Figure 2008305574
Figure 2008305574
表1及び表2より知られるごとく、常温溶融塩を10体積%含有する試料C6の非水電解液を含浸させたセパレータにおいては、約1秒後にセパレータに着火した。その他の非水電解液(試料E1〜試料E7及び試料C1〜試料C5及び試料C7)については、セパレータの収縮は観察されたが、着火は起こらなかった。
次に、上述の難燃性の評価において、着火が起こらなかった非水電解液(試料E2〜試料E7、試料C1〜試料C5、及び試料C7)について、これらをそれぞれ電解液として用いて上記電池E1と同様のリチウムイオン二次電池(電池E2〜電池E7、電池C1〜電池C5、及び電池C7)を作製した。着火が確認された試料C6の非水電解液については、これを用いたリチウムイオン二次電池の作製を省略した。
電池E2〜電池E7、電池C1〜C5、及び電池C7は、それぞれ、試料E2〜試料E7、試料C1〜試料C5、及び試料C7の非水電解液を用いた点を除いては、上記電池E1と同様にして作製した。
次に、本例において作製した合計13種類のリチウムイオン二次電池(電池E1〜電池E7、電池C1〜電池C5、及び電池C7)について、その電池特性を評価した。
具体的には、電池特性として、各電池の容量維持率、初期IV抵抗(初期内部抵抗)、及び充放電サイクル試験後のIV抵抗(内部抵抗)を調べた。
「IV抵抗」
各電池(電池E1〜電池E7、電池C1〜C5、及び電池C7)を、電池容量50%(SOC=50%)の状態に調整し、0.5A、1A、2A、3A、5Aの電流を流して10秒後の電池電圧を測定した。各電池に流した電流と電圧とを直線近似し、その傾きからIV抵抗を求めた。
初期IV抵抗は、後述の充放電サイク試験を行う前の各電池について測定したIV抵抗である。
また、サイクル試験後のIV抵抗は、後述の充放電サイクル試験を行った後の各電池について測定したIV抵抗である。
なお、IV抵抗は、電池C1の初期IV抵抗値を1としたときの相対値として算出した。即ち、各電池の初期抵抗及びサイクル試験後のIV抵抗の結果を、電池C1の初期IV抵抗値を基準に規格化した値で表した。その結果を表3に示す。
「充放電サイクル試験」
電池の実使用温度範囲の上限と目される60℃の温度条件下で、上記電池E1〜電池E7、電池C1〜C5、及び電池C7を、電流密度2.0mA/cm2の定電流で充電上限電圧4.1Vまで充電し、次いで電流密度2.0mA/cm2の定電流で放電下限電圧3Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計100サイクル行った。
「容量維持率」
充放電サイクル試験前後に、各電池の放電電流値(mA)を測定し、この放電電流値に放電に要した時間(hr)を乗じて得られた値を、電池内の正極活物質の重量(g)で除することにより放電容量を算出した。そして、充放電サイクル試験前の放電容量を放電容量A、充放電サイクル試験後の放電容量を放電容量Bとしたとき、容量維持率を下記の式(a)により算出した。その結果を表3に示す。
容量維持率(%)=放電容量B/放電容量A×100 ・・・・(a)
Figure 2008305574
表3より知られるごとく、有機溶媒と上記常温溶融塩との合計量100体積%中に上記常温溶融塩を10体積%超えかつ40体積%未満含有する混合溶媒に、リチウム塩からなる第1電解質と、下記の一般式(1)で表される第2電解質とを、第1電解質:第2電解質=85〜99:15〜1というモル比で溶解してなる非水電解液(試料E1〜試料E7)を用いたリチウムイオン二次電池(電池E1〜電池E7)は、容量維持率が充分に高く、電池の内部抵抗が低く、さらに、充放電を繰り返し行った後においても内部抵抗の上昇が抑制されていた。
電池C1は、電解質として、第2電解質を用いずに、第1電解質のみを用いた非水電解液(試料C1)を含有する点を除いては、電池E1、電池E4、電池E7と同様のリチウムイオン二次電池である。これらを比較して知られるように、第2電解質を用いた電池E1、電池E4、及び電池E7は、電池C1に比べて、容量維持率が向上すると共に、初期IV抵抗(電池の内部抵抗)が低下していることがわかる。サイクル試験後のIV抵抗(内部抵抗)についても、電池E1、電池E4、及び電池E7は、電池C1に比べて充分に低い値を示し、内部抵抗の上昇がより抑制されていた。
電池C2は、電解質として、第2電解質を用いずに、第1電解質のみを用いた非水電解液(試料C1)を含有する点を除いては、電池E2及び電池E5と同様のリチウムイオン二次電池である。これらを比較して知られるように、第2電解質を用いた電池E2及び電池E5は、電池C2に比べて、容量維持率が向上すると共に、初期IV抵抗(電池の内部抵抗)が低下していることがわかる。サイクル試験後のIV抵抗(内部抵抗)についても、電池E2及び電池E5は、電池C2に比べて充分に低い値を示し、内部抵抗の上昇がより抑制されていた。
電池C3は、電解質として、第2電解質を用いずに、第1電解質のみを用いた非水電解液(試料C1)を含有する点を除いては、電池E3及び電池E6と同様のリチウムイオン二次電池である。これらを比較して知られるように、第2電解質を用いた、電池E3及び電池E6は、電池C3に比べて、容量維持率が向上すると共に、初期IV抵抗(電池の内部抵抗)が低下していることがわかる。サイクル試験後のIV抵抗(内部抵抗)についても、電池E3及び電池E6は、電池C3に比べて充分に低い値を示し、内部抵抗の上昇がより抑制されていた。
電池C4は、第1電解質:第2電解質=85〜99:15〜1(モル比)という範囲から外れる割合で第1電解質及び第2電解質を用いた電池である。即ち、電池C4は、第1電解質と第2電解質とを、第1電解質:第2電解質=80:20というモル比で混合溶媒に溶解してなる非水電解液を含有する点を除いては、電池E1及び電池E4と同様のリチウムイオン二次電池である。これらを比較して知られるように、第1電解質:第2電解質=85〜99:15〜1(モル比)という範囲で第1電解質と第2電解質とを用いた電池E1及び電池E4は、電池C4に比べて、容量維持率が顕著に向上すると共に、初期IV抵抗(電池の内部抵抗)が大きく低下していることがわかる。さらにサイクル試験後のIV抵抗(内部抵抗)についても、電池E1及び電池E4は、電池C4に比べて非常に低い値を示し、内部抵抗の上昇が充分に抑制されていた。
電池C5は、第1電解質と同じカチオン種(Li)を有する第2電解質(LiP22(C24)2)が用いられた点を除いては、電池E1及び電池E7と同様のリチウムイオン二次電池である。電池E1及び電池E7においては、第1電解質とは異なるカチオン種(K又はNa)を有する第2電解質(KP22(C24)2及びNaP22(C24)2)が用いられている。これらを比較して知られるように、第1電解質(リチウム塩)とは異なるカチオン種(K又はNa)を有する第2電解質が採用された電池E1及び電池E7は、第1電解質と同じカチオン種(Li)を有する第2電解質が採用された電池C5に比べて、同程度の優れた容量維持率を維持しつつ、サイクル試験後のIV抵抗の上昇が抑制されていることがわかる。
上記電池C7は、10体積%超えかつ40体積%未満という範囲から外れる含有量で常温溶融塩を含有する電池である。即ち、電池C7は、常温溶融塩を40体積%含有する混合溶媒を用いた点を除いては、電池E1と同様のリチウムイオン二次電池である。これらを比較して知られるように、10体積%超えかつ40体積%未満という範囲内で常温溶融塩を含有する混合溶媒を用いた電池E1は、電池C7に比べて、80%を超える優れた容量維持率を維持しつつ、初期IV抵抗(電池の内部抵抗)が大きく低下していることがわかる。さらにサイクル試験後のIV抵抗(内部抵抗)についても、電池E1は、電池C7に比べて非常に低い値を示し、内部抵抗の上昇が顕著に抑制されていた。
以上のように、本例によれば、有機溶媒と上記常温溶融塩との合計量100体積%中に、常温溶融塩を10体積%超えかつ40体積%未満含有する混合溶媒中に、リチウム塩からなる第1電解質と式(1)で表される第2電解質とを、第1電解質:上記第2電解質=85〜99:15〜1というモル比で溶解してなる非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池(電池E1〜電池E7)は、充放電を繰り返した後においても高い容量を維持できると共に、内部抵抗の上昇を抑制できることがわかる。
実施例1にかかる、リチウムイオン二次電池の構成を示す説明図。
符号の説明
1 リチウムイオン二次電池
2 正極
3 負極
4 セパレータ

Claims (3)

  1. リチウムと遷移金属とを含有する化合物を正極活物質とする正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な物質を負極活物質とする負極と、有機溶媒と常温溶融塩との混合溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池において、
    上記混合溶媒は、上記有機溶媒と上記常温溶融塩との合計量100体積%中に、上記常温溶融塩を10体積%超えかつ40体積%未満含有し、
    上記電解質としては、リチウム塩からなる第1電解質と、下記の一般式(1)で表される第2電解質とが採用され、上記電解質は、上記第1電解質:上記第2電解質=85〜99:15〜1というモル比で上記混合溶媒に溶解していることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    Figure 2008305574
    (但し、Aは、Na又はK)
  2. 請求項1において、上記第1電解質としては、少なくともLiPF6が採用されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  3. 請求項1又は2において、上記常温溶融塩は、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、又は脂肪族第4級アンモニウム塩から選ばれる1種以上であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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