JP2007035355A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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修 蛭田
Itsuki Sasaki
厳 佐々木
Hironori Kondo
広規 近藤
Yoji Takeuchi
要二 竹内
Yuichi Ito
勇一 伊藤
Naruaki Okuda
匠昭 奥田
Shigehiro Kawauchi
滋博 川内
Kazuhiko Mukai
和彦 向
Yoshio Ukiyou
良雄 右京
Shoichi Tsujioka
辻岡  章一
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Abstract

【課題】高温環境下において充放電を繰り返し行っても、優れた難燃性及び高い充放電容量を発揮できるリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】正極活物質を含む正極と、負極活物質を含有する負極と、非水溶媒中に電解質を溶解してなる非水電解液とを少なくとも備えたリチウムイオン二次電池1である。非水電解液は、非水溶媒として、カーボネート系有機溶媒10〜90容量%とリン酸エステル90〜10容量%とを含有する。また、非水電解液は、下記の一般式(1)で表されるアニオン化合物を含有する。
Figure 2007035355

(但し、Mは、遷移金属、周期律表のIII族、IV族、又はV族元素、bは、1〜3、mは1〜4、nは0〜8、qは0又は1をそれぞれ表す)
【選択図】なし

Description

本発明は、電解液として、有機溶媒等の非水溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液を含有するリチウムイオン二次電池に関する。
正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物、負極活物質として炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧と高エネルギー密度を有することから、ハイブリッド自動車用電池等として検討されている。このようなリチウムイオン二次電池においては、電解液として、一般的に、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系有機溶媒にリチウム塩を溶解した非水系電解液が用いられている。
上記非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池においては、電池が破損したり、何らかの原因によって電池内部における圧力が上昇し、電解液が漏洩した場合に、有機溶媒が引火燃焼する危険性がある。特に、自動車用電池等の用途においては、高温環境下での使用が避けられないため、引火の危険性を回避することが重要な課題となっている。
そこで、非水電解液に難燃化剤を配合し、電解液に難燃性を付与する研究が進められている。具体的には、リチウムイオン二次電池用難燃性電解液として、種々のリン酸エステルを配合したものを用いることが検討されている(特許文献1〜5参照)。
しかしながら、リン酸トリメチル等のリン酸エステルを配合した電解液は、優れた難燃性を発揮する一方で、負極の材質によっては、使用中に還元分解され、難燃性の効果が低減するという問題があった。また、電池の充放電特性に悪影響を及ぼし、充放電サイクルの初期段階において充分な放電容量が得られなかったり、充放電を繰り返し行うことにより放電容量が低下し易くなるという問題があった。
また、上記難燃化剤として、分子中にハロゲン原子を有するリン酸エステルを用いた場合には、不純物として存在する微量の遊離ハロゲンイオンが、微量の水により酸を形成し、正極集電体として用いるアルミニウム箔を腐食して電池特性を低下させるおそれがあった。
一般に、車載用電池の特性としては、−30℃程度の低温から60℃程度の高温の温度環境下において優れた電池特性を発揮できることが求められている。しかし、リン酸エステル等の難燃化剤を添加した電解液を含有するリチウムイオン二次電池においては、上述の難燃化剤による電池特性への悪影響が高温使用時にはさらに顕著になるという問題があった。さらに高温環境下においては、電池特性だけでなく難燃性効果も低下し易くなるという問題があった。
特開昭58−206078号公報 特開昭60−23973号公報 特開昭61−284070号公報 特開平4−184870号公報 特開平8−88023号公報
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、高温環境下において充放電を繰り返し行っても、優れた難燃性及び高い充放電容量を発揮できるリチウムイオン二次電池を提供しようとするものである。
本発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物からなる正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物又は炭素系材料からなる負極活物質を含有する負極と、非水溶媒中に電解質を溶解してなる非水電解液とを少なくとも備えたリチウムイオン二次電池において、
上記非水電解液は、上記非水溶媒として、カーボネート系有機溶媒10〜90容量%とリン酸エステル90〜10容量%とを含有し、
上記非水電解液は、下記の一般式(1)で表されるアニオン化合物を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池にある(請求項1)。
Figure 2007035355
{但し、Mは、遷移金属、周期律表のIII族、IV族、又はV族元素、bは1〜3、mは1〜4、nは0〜8、qは0又は1をそれぞれ表し、R1は、C1〜C10のアルキレン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、C6〜C20のアリーレン、又はC6〜C20のハロゲン化アリーレン(これらのアルキレン及びアリーレンはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、またm個存在するR1はそれぞれが結合してもよい。)、R2は、ハロゲン、C1〜C10のアルキル、C1〜C10のハロゲン化アルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C20のハロゲン化アリール、又はX33(これらのアルキル及びアリールはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、またn個存在するR2はそれぞれが結合して環を形成してもよい。)、X1、X2、X3は、O、S、又はNR4、R3、R4は、それぞれが独立で、水素、C1〜C10のアルキル、C1〜C10のハロゲン化アルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C20のハロゲン化アリールをそれぞれ示す(これらのアルキル及びアリールはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、また複数個存在するR3、R4はそれぞれが結合して環を形成してもよい。)。}
本発明のリチウムイオン二次電池において最も注目すべき点は、上記非水電解液は、カーボネート系有機溶媒10〜90容量%とリン酸エステル90〜10容量%とを含有すると共に、上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物を含有することにある。
そのため、上記リチウムイオン二次電池は、優れた難燃性を発揮することができ、例えば60℃という高温環境下において繰り返し充放電を行っても優れた難燃性を維持することができる。また、上記リチウムイオン二次電池は、高温環境下において充放電を繰り返し行っても放電容量が低下し難く、高い放電容量を発揮することができる。
この理由は次のように考えられる。
即ち、上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物は、活物質表面に、電気化学的に安定な被膜等の被覆物を形成することができる。該被覆物の形成により、上記リチウムイオン二次電池においては、高温環境下で充放電を繰り返し行ってもリチウムイオンの挿入・脱離がスムーズに行われ、容量の低下を抑制することができると考えられる。さらに、上記被覆物の形成により、上記負極活物質等の表面において、上記リン酸エステルが還元分解することを抑制し、高温環境下において充放電を繰り返しても優れた難燃性を持続させることができると考えられる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、非水溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液とを有する。
上記リチウムイオン二次電池は、上記正極及び負極と、これらの正極と負極との間に狭装されるセパレータと、正極と負極との間でリチウムを移動させる上記非水電解液等を主要構成要素として構成することができる。
正極としては、例えば上記正極活物質に導電材及び結着材を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを金属箔製の集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮形成したシート電極等を用いることができる。また、上記正極としては、上記正極合材をプレス成形して得られるペレット電極等を用いることもできる。
上記正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物を用いることができる。具体的には、例えばリチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物を用いることができる。また、例えばリチウム鉄リン酸等のリチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることができる。
また、上記導電材は、電気伝導性を確保するためのものであり、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類等の炭素物質粉末状体の1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
上記結着剤は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴムの水分散体等を用いることもできる。
これら活物質、導電材、結着剤を分散させる溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
また、正極集電体の材質としては、アルミニウム、チタン等の金属、又はその合金等を用いることができる。好ましくは、アルミニウム又はその合金を用いることがよい。この場合には、軽量化が図れ、エネルギー密度を向上させることができる。
次に、負極としては、負極活物質に必要に応じて導電剤や結着剤を混合し、分散材として適当な溶媒を加えてスラリー状にした負極合材を、金属箔製の集電体の表面に塗布、乾燥し、その後に圧縮形成したシート電極等を用いることができる。また、上記負極としては、上記負極合材をプレス成形して得られるペレット電極等を用いることもできる。
上記負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物又は炭素系材料を用いることができる。
上記負極活物質に用いる化合物としては、例えばリチウムバナジウム複合酸化物、リチウムチタン複合酸化物、水酸化鉄、及びスズ合金等がある。また、上記炭素系材料としては、黒鉛、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、及び非晶質炭素等から選ばれる1種以上を用いることができる。
また、上記正極の場合と同様に、負極活物質に混合する結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等を、溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
また、負極集電体の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス等の金属を用いることができる。薄膜等の形状に加工し易く低コストであるという観点から、好ましくは銅がよい。
また、上記セパレーターとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる多孔性シート、又は不織布等を用いることができる。
次に、上記非水電解液は、上記一般式(1)表される上記アニオン化合物を含有する。
上記一般式(1)において、アニオンの価数bは1〜3である。bが3より大きい場合には、上記アニオン化合物の塩の結晶格子エネルギーが大きくなるため、上記アニオン化合物の塩を上記非水溶媒に溶解して上記アニオン化合物を形成することが困難になる。そのため、b=1が最も好ましい。
また、同様の理由により、上記アニオン化合物の塩を構成するカチオンの価数も1〜3がよく、最も好ましくはカチオンの価数は1がよい。このようなカチオンとしては、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、カリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、プロトン等がある。
また、上記一般式(1)で表されるアニオン化合物は、イオン性金属錯体構造をとっており、その中心となるMは、遷移金属、周期律表のIII族、IV族、又はV族元素から選ばれる。
上記非水電解液においては、上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物とカチオンとからなる電解質化合物が電離しており、上記一般式(1)におけるMは、Al、B、V、Ti、Si、Zr、Ge、Sn、Cu、Y、Zn、Ga、Nb、Ta、Bi、P、As、Sc、Hf、またはSbのいずれかであり、上記カチオンはLi+又はNa+の少なくとも一方であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記電解質化合物、即ち上記アニオン化合物の塩を上記非水溶媒に溶解させることにより、上記アニオン化合物を含有する上記非水電解液を容易に作製することができる。またこの場合には、上記アニオン化合物又は上記電解質化合物の合成を容易に行うことができる。
より好ましくは、上記一般式(1)のMは、Al、B又は、Pがよい。この場合には、上記アニオン化合物又は上記電解質化合物の合成が容易になることに加えて、毒性を低くすることができ、また、製造コストを低減することができる。
また、上記非水電解液には、上記電解質として、上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物とカチオンとからなる電解質化合物以外にも、他の電解質が添加されており、上記電解質化合物の添加量は、全電解質量中の2重量%〜80重量%であることが好ましい(請求項3)。
上記電解質化合物の添加量が2重量%未満の場合には、充放電容量の低下や難燃性の低下を抑制する効果を充分に発揮することができないおそれがある。この理由としては、上記アニオン化合物によって活物質に表面に形成される被膜等の被腹物が充分に形成されないからであると考えられる。一方、上記電解質化合物の添加量が80重量%を越える場合には、上記リチウムイオン二次電池の初期放電容量が低下するおそれがある。この理由としては、活物質の表面に形成される被覆物の厚みが必要以上に大きくなるためであると考えられる。
また、上記非水電解液には、上記電解質化合物以外の他の電解質として、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、又はLiSbF6から選ばれる1種以上が添加されていることが好ましい(請求項4)。
LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、及びLiSbF6は、比較的イオン伝導度が優れ、電気化学的に安定であるため、この場合には、上記リチウムイオン二次電池の充放電容量をより向上させることができる。
次に、上記アニオン化合物の配位子の部分について説明する。
以下、本明細書においては上記一般式(1)において、Mに結合している有機又は無機の部分を配位子とよぶ。
一般式(1)中のR1は、C1〜C10のアルキレン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、C6〜C20のアリーレン、又はC6〜C20のハロゲン化アリーレンから選ばれるものよりなる。これらのアルキレン及びアリーレンはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよい。具体的には、アルキレン及びアリーレン上の水素の代わりに、ハロゲン、鎖状又は環状のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基、カルボニル基、アシル基、アミド基、水酸基、また、アルキレン及びアリーレン上の炭素の代わりに、窒素、硫黄、酸素が導入された構造を挙げることができる。
さらには、R1が複数存在する場合(q=1、m=2〜4の場合)には、それぞれが結合してもよく、例えばエチレンジアミン四酢酸のような配位子を挙げることもできる。
2は、ハロゲン、C1〜C10のアルキル、C1〜C10のハロゲン化アルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C20のハロゲン化アリール、又はX33から選ばれるものよりなる。これらもR1と同様に、アルキル又はアリールはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、またR2が複数個存在する場合(n=2〜8の場合)R2はそれぞれが結合して環を形成してもよい。
好ましくは、R2としては、電子吸引性の基がよく、特にフッ素がよい。この場合には、上記アニオン化合物の塩の溶解度や解離度が向上し、これに伴ってイオン伝導性が向上するという効果を得ることができる。さらにこの場合には、耐酸化性が向上し、これにより副反応の発生を防止することができる。
1、X2、X3はそれぞれ独立で、O、S、又はNR4であり、これらのヘテロ原子を介して配位子がMに結合する。ここで、O、S、N以外で結合することが不可能でないが、合成上非常に煩雑なものとなる。上記一般式(1)で表される化合物の特徴として、同一の配位子内におけるX1とX2によるMとの結合があり、これらの配位子はMとキレート構造を形成している。この配位子中の定数qは、0又は1である。q=0の場合には、キレートリングが五員環となり、上記アニオン化合物の錯体構造が安定化する。そのため、この場合には、上記アニオン化合物が上記被覆物の形成以外の副反応を起こすことを防ぐことができる。
3、R4は、それぞれが独立で、水素、C1〜C10のアルキル、C1〜C10のハロゲン化アルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C20のハロゲン化アリールであり、これらのアルキル及びアリールはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、またR3、R4が複数個存在する場合には、それぞれが結合して環を形成してもよい。
また、上述した配位子の数に関係する定数m及びnは、中心のMの種類によって決まってくるものであるが、mは1〜4、nは0〜8である。
また、上述のR1、R2、R3、R4において、C1〜C10は炭素数が1〜10であることを示し、C6〜C20は炭素数が6〜20であることを示す。
また、上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物としては、下記の式(2)〜(5)で表される1種以上を用いることができる(請求項5)。
この場合には、上記アニオン化合物の塩の溶解度や解離度が向上し、上記非水電解液のイオン伝導度を向上させることができる。さらにこの場合には、耐酸化性を向上させることができる。
Figure 2007035355
Figure 2007035355
Figure 2007035355
Figure 2007035355
好ましくは、上記アニオン化合物としては、上記式(4)で表される化合物を用いることがよい(請求項6)。
上記式(4)で表される化合物においては、構造中のキレートリングが対象に配置されているため、錯体構造が安定化する。そのためこの場合には、上記アニオン化合物は、より一層優れた放電容量等の電池特性の向上効果を発揮することができる。
上記アニオン化合物の合成方法としては、例えば次の式(2)で表される化合物の場合には、非水溶媒中でLiBF4と2倍モルのリチウムアルコキシドを反応させたあと、シュウ酸を添加して、ホウ素に結合しているアルコキシドをシュウ酸で置換する方法等がある。この場合には、下記の式(2)で表されるアニオン化合物のリチウム塩を得ることができる。
Figure 2007035355
また、上記非水電解液は、上記非水溶媒として、カーボネート系有機溶媒10〜90容量%とリン酸エステル90〜10容量%とを含有する。
上記カーボネート系有機溶媒が10容量%未満の場合又は上記リン酸エステルが90容量%を越える場合には、溶媒の導電性が低くなるおそれがある。その結果、電池抵抗が高くなり、また放電容量が低下するおそれがある。一方、カーボネート系有機溶媒が90容量%を越える場合又はリン酸エステルが10容量%未満の場合には、充分な難燃性が得られないおそれがある。
上記カーボネート系有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状炭酸エステル、γ-ブチルラクトン(GBL)、γ-バレロラクトン(GVL)等環状カルボン酸エステル等がある。なお、これらは単独で、又は二種以上混合して用いることができる。
また、上記リン酸エステルとしては、上記カーボネート系有機溶媒と相溶するものを用いることができる。具体的には、例えばリン酸トリメチル(TMP)、リン酸ジメチルエチル(EDMP)、リン酸メチルジエチル(DEMP)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリフェニル(TPP)等の鎖状リン酸エステル、リン酸エチレンメチル(EMP)、リン酸エチレンエチル(EEP)等の環状リン酸エステル、リン酸トリフルオロエチルジメチル、リン酸エチレントリフルオロエチル等のリン酸エステルのハロゲン置換リン酸エステル等がある。なお、これらは単独で、又は二種以上混合して用いることができる。
また、上記リチウムイオン二次電池の形状としては、例えばシート電極及びセパレータをスパイラル状にした円筒型、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造の円筒型、ペレット電極及びセパレータを積層したコイン型等がある。
(実施例1)
次に、本発明の実施例にかかるリチウムイオン二次電池について図1を用いて説明する。図1に示すごとく、本例のリチウムイオン二次電池1は、正極2と負極3と非水電解液とを備える。正極2は、正極活物質としてニッケル酸リチウム(LiNiO2)を含有する。負極3は、負極活物質として炭素材を含有する。また、非水電解液は、非水溶媒中に電解質を溶解してなる。
非水電解液は、非水溶媒として、カーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとを含有する。また、非水電解液は、下記の式(4)で表されるアニオン化合物を含有する。
Figure 2007035355
以下、本例のリチウムイオン二次電池1につき、図1を用いて詳細に説明する。
図1に示すごとく、本例のリチウムイオン二次電池1は、正極2、負極3、セパレータ4、ガスケット59、及び電池ケース6等よりなっている。電池ケース6は、18650型の円筒形状の電池ケースであり、キャップ63及び外装缶65よりなる。電池ケース6内には、シート状の正極2及び負極3が、該正極2及び負極3の間に挟んだセパレータ4と共に捲回した状態で配置されている。
また、電池ケース6のキャップ63の内側には、ガスケット59が配置されており、電池ケース6の内部には、非水電解液が注入されている。
また、正極2は、正極活物質としてLiNiO2を含有し、負極3は負極活物質として炭素材を含有している。
正極2及び負極3には、それぞれ正極集電リード23及び負極集電リード33が熔接により設けられている。正極集電リード23は、キャップ63側に配置された正極集電タブ235に熔接により接続されている。また、負極集電リード33は、外装缶65の底に配置された負極集電タブ335に熔接により接続されている。
また、非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とリン酸トリブチル(TBP)とを含有する非水溶媒に、LiPF6及び上記式(4)で表されるアニオン化合物のリチウム塩(以下適宜LPFOという)を溶解してなり、電池ケース内に注入されている。
次に、本例のリチウムイオン二次電池1の製造方法につき、図1を用いて説明する。
まず、以下のようにして、上記非水電解液を準備した。
即ち、まずエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とTBPとを30:40:30の体積比で混合した非水溶媒を準備した。即ち、この非水溶媒は、カーボネート系有機溶媒(EC及びDEC)70容量%とリン酸エステル(TBP)30容量%とからなる。次いで、電解質として、LiPF6とLPFOとを95:5の重量比で混合した混合支持塩を準備した。この混合支持塩を濃度1Mとなるように非水溶媒に溶解し非水電解液を作製した。
次に、以下のようにして、正極2及び負極3を作製した。
正極2の作製にあたっては、まず正極活物質として、LiNiO2(ニッケル酸リチウム)を準備し、該正極活物質と、導電材としてのカーボンブラックと、結着材としてのポリフッ化ビニリデンとを混合し、分散材としてのN−メチル−2−ピロリドンを適量添加し、分散させてスラリー状の正極合材を作製した。正極活物質と導電材と結着材の混合比は、重量比で、正極活物質:導電材:結着材=85:10:5とした。
次いで、上記のようにして得られた正極合材を、厚さ20μmのアルミニウム箔集電体の両面に塗布して乾燥させた。その後、ロールプレスで高密度化し、52mm幅×450mm長の形状に切り出し、シート状の正極2を作製した。なお、正極活物質の付着量は、片面当り7mg/cm2程度とした。
一方、負極3の作製にあたっては、まず、負極活物質としての炭素材料と結着材としてのポリフッ化ビニリデンとを混合し、分散材としてN−メチル−2−ピロリドンを適量添加し、分散させてスラリー状の負極合材を得た。負極活物質と結着材との混合比は、重量比で、負極活物質:結着材=95:5とした。
次いで、上記のようにして得られた負極合材を、厚さ10μmの銅箔集電体の表面に塗布し、乾燥させた。その後、ロールプレスで高密度化し、54mm幅×500mm長の形状に切り出し、シート状の負極3を作製した。なお、負極活物質の付着量は、片面当り、5mg/cm2程度とした。
次に、図1に示すごとく、上記のようにして得られたシート状の正極2及び負極3に、それぞれ正極集電リード23及び負極集電リード33を熔接した。これらの正極2及び負極3を、これらの間に幅56mm、厚さ25μmのポリエチレン製のセパレータ4を挟んだ状態で捲回し、ロール状の電極体を作製した。
続いて、このロール状の電極体を、外装缶65及びキャップ63よりなる18650型の円筒状の電池ケース6に挿入した。このとき、電池ケース6のキャップ63側に配置した正極集電タブ235に、正極集電リード23を熔接により接続すると共に、外装缶65の底に配置した負極集電タブ335に負極集電リード33を熔接により接続した。
次に、電池ケース6内に上記のようにして準備した非水電解液を含浸させた。そしてキャップ63の内側にガスケット59を配置すると共に、このキャップ63を外装缶65の開口部に配置した。続いて、キャップ63にかしめ加工を施すことにより電池ケース6を密閉し、リチウムイオン二次電池1を作製した。これを電池E1とした。
また、本例においては、上記非水電解液中のカーボネート系有機溶媒(EC及びDEC)とリン酸エステル(TBP)との配合割合や、電解質(LPFO及びLiPF6)の配合割合が上記電池E1とは異なる9種類のリチウムイオン二次電池(電池E2〜電池E7及び電池C1〜電池C3)を作製した。
具体的には、電池E2は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とTBPとを30:40:30の体積比、即ちカーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとを70:30の体積比で混合してなる非水溶媒中に、LiPF6とLPFOとを80:20の重量比で混合した混合支持塩を溶解させてなる非水電解液(混合支持塩濃度1M)を用いた点を除いては上記電池E1と同様にして作製した。
電池E3は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とTBPとを30:40:30の体積比、即ちカーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとを70:30の体積比で混合してなる非水溶媒中に、LiPF6とLPFOとを20:80の重量比で混合した混合支持塩を溶解させてなる非水電解液(混合支持塩濃度1M)を用いた点を除いては上記電池E1と同様にして作製した。
また、電池E4は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とTBPとを30:40:30の体積比、即ちカーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとを70:30の体積比で混合してなる非水溶媒中に、LiPF6とLPFOとを98:2の重量比で混合した混合支持塩を溶解させてなる非水電解液(混合支持塩濃度1M)を用いた点を除いては上記電池E1と同様にして作製した。
電池E5は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とTBPとを4:6:90の体積比、即ちカーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとを10:90の体積比で混合してなる非水溶媒中に、LiPF6とLPFOとを80:20の重量比で混合した混合支持塩を溶解させてなる非水電解液(混合支持塩濃度1M)を用いた点を除いては上記電池E1と同様にして作製した。
また、電池E6は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とTBPとを40:50:10の体積比、即ちカーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとを90:10の体積比で混合してなる非水溶媒中に、LiPF6とLPFOとを80:20の重量比で混合した混合支持塩を溶解させてなる非水電解液(混合支持塩濃度1M)を用いた点を除いては上記電池E1と同様にして作製した。
また、電池E7は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とTBPとを30:40:30の体積比、即ちカーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとを70:30の体積比で混合してなる非水溶媒中に、LiPF6とLPFOとを15:85の重量比で混合した混合支持塩を溶解させてなる非水電解液(混合支持塩濃度1M)を用いた点を除いては上記電池E1と同様にして作製した。
電池C1は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とTBPとを30:40:30の体積比、即ちカーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとを70:30の体積比で混合してなる非水溶媒中に、LiPF6のみを溶解させてなる非水電解液を用いた点を除いては上記電池E1と同様にして作製した。
また、電池C2は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とTBPとを40:55:5の体積比、即ちカーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとを95:5の体積比で混合してなる非水溶媒中に、LiPF6とLPFOとを80:20の重量比で混合した混合支持塩を溶解させてなる非水電解液(混合支持塩濃度1M)を用いた点を除いては上記電池E1と同様にして作製した。
電池C3は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とTBPとを2:3:95の体積比、即ちカーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとを5:95の体積比で混合してなる非水溶媒中に、LiPF6とLPFOとを80:20の重量比で混合した混合支持塩を溶解させてなる非水電解液(混合支持塩濃度1M)を用いた点を除いては上記電池E1と同様にして作製した。
以上のようにして作製した10種類のリチウムイオン二次電池(電池E1〜電池E7及び電池C1〜電池C3)の電解液の配合を、後述の表1に示す。
(実験例)
次に、本例では、上記実施例1において作製した各電池(電池E1〜電池E7、及び電池C1〜C3)について、放電容量と電解液の難燃性を調べ、さらに高温(60℃)において下記の充放電サイクル試験を行うとともに、充放電サイクル試験後の容量維持率及び電解液の難燃性の評価を行う。
「難燃性試験」
まず、各電池(電池E1〜電池E7、及び電池C1〜C3)に用いた10種類の非水電解液をそれぞれ準備し、この非水電解液にポリエチレン製のセパレータ(厚さ25μm、幅6mm、長さ12cm)を浸漬し、各種電解液を含浸させた10種類のセパレータを作製した。次いで、各セパレータの上端をピンセットで挟んで大気中にぶら下げ、下端にマッチの火を近づけた。このとき、着火の有無及び着火した場合のセパレータの燃焼状況を目視により観察した。着火しなかった場合を○とし、着火したがセパレータのほとんどが焼け残った場合を△とし、着火してセパレータの大半が焼け落ちた場合を×として評価した。その結果を表1に示す。
また、下記の充放電サイクル試験後の各電池を解体し、非水電解液が含浸したセパレータを取り出し、上記と同様にして着火の有無及び燃焼状況の評価を行った。その結果を表1に示す。
「充放電サイクル試験」
電池の実使用温度範囲の上限と目される60℃の温度条件下で、各電池(電池E1〜電池E7及び電池C1〜電池C3)を、電流密度2mA/cm2の定電流で、充電上限電圧4.1Vまで充電し、次いで電流密度2mA/cm2の定電流で放電下限電圧3.0Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計500サイクル行った。そして、サイクルごとに、それぞれのリチウム二次電池について放電容量を測定した。
なお、放電容量は、上記の各サイクル毎の放電電流値(mA)を測定し、この放電電流値に放電に要した時間(hr)を乗じて得られた値を、電池内の正極活物質の重量(g)で除することにより算出することができる。
「容量維持率」
充放電サイクル試験前の放電容量を容量A(初期放電容量)、充放電サイクル試験後の放電容量を容量Bとしたとき、下記の式(a)により算出した。その結果を表1に示す。
容量維持率(%)=容量B/容量A×100 ・・・・(a)
Figure 2007035355
表1より知られるごとく、上記電池E1〜電池E7のリチウムイオン二次電池は、充放電サイクルの初期段階(1サイクル目)において、130mAh/gを超える充分な放電容量を示し、さらに優れた難燃性を発揮できることがわかる。また、電池E1〜電池E7は、80%を超える高い容量維持率を示し、500サイクルの充放電後においても高い放電容量を維持できることがわかる。さらに、電池E1〜電池E7は、500サイクルの充放電後においても優れた難燃性を持続していた。
これに対し、アニオン化合物(LPFO)を含有していない電池C1においては、充放電サイクルの初期段階における放電容量は高いものの容量維持率が低く、充放電サイクル試験後においては、放電容量が大きく低下していた。また、電池C1においては、充放電サイクル試験前においては、優れた難燃性を示すが、500サイクルの充放電サイクル試験後においては、難燃性が低下していた。
また、5容量%という少量のリン酸エステルを含有する非水溶媒を用いて作製した電池C2は、充分な難燃性を発揮することができなかった。また、95容量%という多量のリン酸エステルを含有する非水溶媒を用いて作製した電池C3においては、放電容量及び容量維持率が低下していた。
よって、難燃性と放電容量とを両立するためには、非水溶媒におけるカーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとの混合比(容量比)を、10〜90:90〜10にすることが好ましい。
また、電池E1〜電池E6と、電池E7とを比較して知られるごとく、LPFOの添加量は、全電解質量(LiPF6とLPFOとの合計量)の80重量%以下が好ましい。85重量%という多量のLPFOが添加されたリチウムイオン二次電池(電池E7)においては、容量維持率や難燃性には優れているものの、初期放電容量が若干低下しているからである。
以上のように、非水溶媒としてカーボネート系有機溶媒とリン酸エステルとを特定の割合いで含有し、電解質として少なくともLPFOを含有する非水電解液を用いて作製したリチウムイオン二次電池(電池E1〜電池E7)は、高い放電容量及び容量維持率を示し、優れた難燃性を発揮できることがわかる。
また、本例においては、上記アニオン化合物の塩として、LPFOを用いているが、上記一般式(1)で表されるアニオン化合物の塩を用いても類似の効果が得られる。また、本例においては、リン酸エステルとしてTBPを用いているが、例えばリン酸トリメチル、リン酸ジメチルエチル、リン酸メチルジエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル等の鎖状リン酸エステル、リン酸エチレンメチル、リン酸エチレンエチル等の環状リン酸エステル、リン酸トリフルオロエチルジメチル、リン酸エチレントリフルオロエチル等のリン酸エステルのハロゲン置換リン酸エステル等を用いても同様の効果が得られる。
実施例1にかかる、リチウムイオン二次電池の構成を示す説明図。
符号の説明
1 リチウムイオン二次電池
2 正極
3 負極
4 セパレータ
6 電池ケース

Claims (6)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物からなる正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物又は炭素系材料からなる負極活物質を含有する負極と、非水溶媒中に電解質を溶解してなる非水電解液とを少なくとも備えたリチウムイオン二次電池において、
    上記非水電解液は、上記非水溶媒として、カーボネート系有機溶媒10〜90容量%とリン酸エステル90〜10容量%とを含有し、
    上記非水電解液は、下記の一般式(1)で表されるアニオン化合物を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    Figure 2007035355
    {但し、Mは、遷移金属、周期律表のIII族、IV族、又はV族元素、bは1〜3、mは1〜4、nは0〜8、qは0又は1をそれぞれ表し、R1は、C1〜C10のアルキレン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、C6〜C20のアリーレン、又はC6〜C20のハロゲン化アリーレン(これらのアルキレン及びアリーレンはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、またm個存在するR1はそれぞれが結合してもよい。)、R2は、ハロゲン、C1〜C10のアルキル、C1〜C10のハロゲン化アルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C20のハロゲン化アリール、又はX33(これらのアルキル及びアリールはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、またn個存在するR2はそれぞれが結合して環を形成してもよい。)、X1、X2、X3は、O、S、又はNR4、R3、R4は、それぞれが独立で、水素、C1〜C10のアルキル、C1〜C10のハロゲン化アルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C20のハロゲン化アリールをそれぞれ示す(これらのアルキル及びアリールはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、また複数個存在するR3、R4はそれぞれが結合して環を形成してもよい。)。}
  2. 請求項1において、上記非水電解液においては、上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物とカチオンとからなる電解質化合物が電離しており、上記一般式(1)におけるMは、Al、B、V、Ti、Si、Zr、Ge、Sn、Cu、Y、Zn、Ga、Nb、Ta、Bi、P、As、Sc、Hf、またはSbのいずれかであり、上記カチオンはLi+又はNa+の少なくとも一方であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  3. 請求項1又は2において、上記非水電解液には、上記電解質として、上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物とカチオンとからなる電解質化合物以外にも、他の電解質が添加されており、上記電解質化合物の添加量は、全電解質量中の2重量%〜80重量%であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  4. 請求項3において、上記非水電解液には、上記電解質化合物以外の他の電解質として、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、又はLiSbF6から選ばれる1種以上が添加されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物としては、下記の式(2)〜(5)で表される1種以上を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    Figure 2007035355
    Figure 2007035355
    Figure 2007035355
    Figure 2007035355
  6. 請求項5において、上記アニオン化合物としては、上記式(4)で表される化合物を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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