JP2014177665A - 成膜マスクおよび成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の基板に対し、厚みが極薄のマスクにおいても、皺や撓みを生じることなくマスク本体を加張できる成膜マスクおよび成膜装置を提供することを目的とする。
【解決手段】この成膜マスクは、シート状の長方形マスク(19a,19b,19c)と、マスク補強板(21,21)と、長方形マスク(19a,19b,19c)の両端を支持するマスク枠(8)と、長方形マスク(19a,19b,19c)の両端に設けられたマスク補強板(21,21)に形成された円形の貫通孔(20)に挿通され周面が貫通孔(20)の内周面に点接触するピン(23)を有し、マスク枠(8)から支持され、かつピン(23)の基端に対して先端を、装着された長方形マスク(19a,19b,19c)の長手方向に回動させた設定位置で保持するマスク加張機構(22)とを設けたことを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、蒸着やスパッタリングなどの真空プロセスによる薄膜の製造方法において、成膜処理する基板にマスクを密着させて成膜する際に用いられる、成膜用マスクおよび成膜装置に関するものである。
真空プロセスによる薄膜製造方法は、半導体、太陽電池、テレビディスプレイ、光学素子などの色々な分野で利用されている。薄膜製造方法には、電子ビーム蒸着法、熱蒸着法、CVD法、スパッタリング法などがある。
例えば、次世代のディスプレイとして有望視されている有機ELディスプレイの場合、駆動素子としてTFT(Thin Film Transistor)の形成されたガラスやフィルム等からなる基板上に、陽極層(下部電極)を形成し、その上に有機発光層を形成し、さらにその上に透明導電膜からなる陰極層(上部電極)を、蒸着やスパッタリング法により薄膜形成して製造している。
これらの薄膜層は、厚みが数十nm〜数μmの薄い膜であり、その薄膜層を形成する際、基板上の所定の位置に薄膜形成するために、1つあるいは複数の開口部の設けられた成膜用のマスクが使用される。膜を形成する材料を、この成膜マスクの開口を通過させて基板上に堆積させることで、位置や形状などを調整し、所望のパターンの膜を得ることができる。
近年では、生産性やコスト面を考慮し、1m〜2m程度のガラス基板に、所定の薄膜を成膜することが多く、ガラス基板の大型化にともない、所定の位置に薄膜を形成するための成膜マスクも大型化の傾向にある。所定の薄膜を滲みなく、成膜対象の基板に高精度に成膜するには、大型化した基板と同等の寸法である極薄の成膜マスクを、撓みや皺なくマスク枠により加張・保持し、成膜マスクを基板に密着させることが重要である。
撓みや皺なく成膜マスクを加張し、マスク枠にマスクを保持する方法としては、マスク端面の全体をクランプし、そのクランプ部を圧縮バネとスライダ機構により、一方向に加張する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図12は、特許文献1に記載された成膜マスクを加張する方法を示す図である。図12を用いて、成膜マスクを撓みなく加張する方法の概要を説明する。
ウインドウ34を備えたベースプレート35に、多数のスリットを形成した有効部36Aを有したマスク36を配置し、マスク36の一端をマスククランプ37でベースプレート35に固定し、他端を移動自在なスライダ38に固定し、スライダ38に圧縮コイルバネ39でばね力を付与して、マスク36を加張する。加張されたマスク36の上に、基板クランプ手段40により基板41を取り付けて、成膜を行う。
また、別のマスク加張手段として、マスク枠に搭載した、マスクの巻付軸にマスクの端部を巻きつけて加張することで、マスクを撓みなく加張する方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
図13は、特許文献2に記載された、マスク端部を巻きつけて加張する方法の概念図である。マスク開口42aを有したマスク42に、取り付け部42b,差し込み部42cを設け、それを支持するためのベースプレート43の四方には、マスク差込用のスリット44を備えた巻付軸45を設けておき、スリット44にマスクの差し込み部42cを挿入し、巻付軸45を回転させて、取り付け部42cを巻き上げることでマスク42を加張し、ベースプレート43にマスクを固定する。その後、マスク42に基板を密着させて、所定の位置に薄膜を成膜する。また、マスク42を1枚でなく、X方向のみに加張するマスクとY方向のみに加張するマスクの2枚に分割し、それぞれのマスク端面をスリット44に差し込み、マスク巻付軸45を回転して加張することで、それぞれの方向に加張する。
特開2003−68453号公報 特開2003−332056号公報
しかしながら、マスク端部全体を固定し、対向する辺全体を一方向に加張する方法では、辺の長さが1m〜2m程度の大型マスクや、多品種生産を考慮して多数の開口部を有するマスク、あるいは開口が広いため長方形でないマスクを、皺や撓みなく一様に加張することは困難である。
上記課題の一例を、図14〜図16を用いて説明する。
図14に示すように、所定の位置に成膜するためのマスク開口46を有した大型マスク47の片方の端面を固定側マスククランプ48にクランプし、ボルト49により固定側マスククランプ48をベースプレート(図示せず)に固定することで、マスク端面を固定する。このあと、固定したマスク端面と対面の辺全体を移動側マスククランプ50によりクランプし、一定の加張力を大型マスク47に付与した状態で、ボルト51により移動側マスククランプ50を前記ベースプレートに固定することで、大型マスク47が加張される。
ここで、対向するマスク辺の端面全体をクランプし、皺なく加張するには、固定側平面に対し、移動側平面を平行に配置し、加張方向は固定側平面と垂直の方向とする必要がある。図示する加張方向に各加張力Ta〜Teが平行に加張される構成であれば、移動側マスククランプ50は、加張方向に移動しようとするが、図14のように、移動側マスククランプ50が固定側平面と平行に取り付けられていない場合、加張力Teが作用しているマスク縁辺の撓みが最も少なく、加張力Teが作用することで、マスク縁辺の撓みが無くなると、移動側マスククランプ50は、加張方向へそれ以上、移動できない。このため、加張力Taが作用しているマスク辺には、撓みが生じたままとなる。
図15の場合は、固定側マスククランプ48と移動側マスククランプ50が平行に配置され、さらに加張方向も、固定側平面と垂直に作用でき、加張力Ta〜Teは、均一の大きさで移動側マスククランプ50を加張できるとする。このとき、多品種生産を考慮して多数の開口部を有するマスク52において、マスク開口46が隣接している箇所はマスク強度が低くなるため、加張力Ta〜Teが移動側マスククランプ50に均一に作用する場合、加張力が大きい場合は、マスク開口46が隣接する箇所が変形し、皺が発生する。また、マスク開口46が隣接する箇所が変形しない程度の張力であれば、張力が弱いために、加張力Taを作用させるマスク辺の側に撓みが生じる。
図16は、開口が広いため長方形でないマスク53を加張する場合である。開口が広いため、マスク中央部と比較し、周辺のマスク部は細い構造である。そのため、加張方向に加張した場合でも、マスク中央部が撓んでしまう。図16には図示していないが、移動側マスククランプ50とは別に、マスク53を上下に加張するクランプ機構を利用した場合でも、周辺のマスク部は細く、マスク端部に十分な加張を付与することができない。また、マスク端部に十分な加張を行うために、マスクをクランプするための領域をマスク周辺に付与したマスクを作成することもできるが、加張方向が2方向になるため、マスク全体に撓みが生じないように加張力の調整が必要となる。また、マスク開口の配置によっては、マスク強度の分布が異なるため、撓みが生じないように適切な加張ができない場合がある。
上記のように、マスクに撓みや皺なく加張するためには、マスク寸法やマスク開口の形状により、加張する方向と加張力の調整が重要となる。
前記特許文献1に記載された従来の構成のように、極薄のマスク端面全体をクランプし、スライダ機構により一方向に加張する方式では、1m以上の寸法がある大型マスクの固定端全体に対して、垂直な方向に加張できるスライダ機構を設けるには、固定側クランプと高精度の平行度を維持できる移動側クランプの固定機構や、非常に高精度かつ剛性の高いスライダ機構の機械加工と組み付け加工が必要となる。また、マスク形状によっては、マスクの個々の箇所の強度が異なるため、スライダ機構によりマスク端部全体を同一方向に、一定の荷重で加張すると、マスクに皺や撓みが生じる。
また、特許文献2に記載した方法では、大面積の1枚のマスク、あるいは特許文献2の実施の形態に記載されているように、X方向とY方向の単一方向に加張するためにマスクを2枚に分割した場合であっても、マスク端面全体をスリットに差込み、巻付軸を回転させる方式では、1m〜2m程度の、厚さ0.1mm程度の極薄である大型マスクの固定端全体に対し、撓み量を同一にしたまま、加張側の巻付軸に差し込むことは困難である。このため、マスクの撓み量が異なる状態で、巻付軸によりマスク端部を巻き上げるため、必ずマスクのいずれかの箇所に、撓みが残る。さらに巻付軸の回転量によりマスク端部に均一に加張する方式では、マスクの個々の箇所の強度バラツキを考慮し、マスク開口の位置により加張力を個別に調整することも困難であるため、端部を巻き上げたマスクには、皺や撓みが生じる。
以上のように従来のマスク加張方法では、大型マスクの端面を加張する際に、適切な荷重や、加張する方向の調整ができず、マスクに皺や撓みが発生する。このため、基板とマスクを密着させることができず、薄膜の成膜時に、マスク撓み部から成膜材料が基板側に入り込み、所望の位置に高精度に薄膜を形成することが困難になるという課題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、基板辺の寸法が1mから2m程度の大型の基板に対しても、皺や撓みを生ずることなく、0.1mm程度の厚さである極薄のマスクを加張し、加張したマスクと基板を密着させて成膜を行うことで、高精細なパターン成膜を可能とする成膜マスクおよび成膜装置を提供することを目的とする。
本発明の成膜マスクは、材料源と成膜対象の基板の間に配置されて、前記基板の表面の成膜領域を露出させるとともに前記成膜領域以外を複数枚の長方形マスクで覆う成膜マスクであって、形状が長方形でシート状の前記長方形マスクと、前記長方形マスクの長手方向の両端に設けられたマスク補強板と、前記マスク補強板を介して複数枚の前記長方形マスクの両端を支持するマスク枠と、前記長方形マスクの両端に設けられた前記マスク補強板に形成された円形の貫通孔に挿通され周面が前記貫通孔の内周面に点接触するピンを有し、マスク枠から支持され、かつ前記ピンの基端に対して先端を、装着された前記長方形マスクの長手方向に回動させた設定位置で保持するマスク加張機構とを設けたことを特徴とする。
また、本発明の成膜装置は、上記の成膜マスクを、材料源と成膜対象の基板の間に配置したことを特徴とする。
本発明の成膜マスクによれば、0.1mmm程度の厚みである極薄マスクを、皺なく撓みなく加張保持することが可能となるため、成膜マスクと大型の基板との高精度な位置決め、および、基板とマスクを密着させることができる。そのため、大型基板に対しても、高精度な位置に薄膜パターンを成膜することができる。
本発明の実施の形態1における成膜マスクを用いた成膜装置の概略断面図 (a)本発明の実施の形態1における基板周辺のマスク領域を説明する平面図と(b)マスク本体を基板とは反対側から見た平面図 本発明の実施の形態1におけるマスク加張機構の概略断面図 本発明の実施の形態1におけるマスク加張時の平面図 (a)本発明の実施の形態1における別のマスク領域を説明する平面図と(b)この場合に使用するマスク本体を基板とは反対側から見た平面図 前記別のマスク領域のマスクに使用する(a)開口のない長方形マスクの平面図と(b)開口を有する長方形マスクの平面図 前記別のマスク領域の場合の成膜マスクの分解斜視図 前記別のマスク領域の場合の成膜マスクの分解斜視図 複数マスク加張時のマスク撓みの課題を説明する成膜マスクの断面図 本発明の実施の形態2における成膜マスクを用いた成膜装置の概略断面図 本発明の実施の形態2における制御装置のフロー図 特許文献1に記載された従来のマスク加張治具を示す図 特許文献2に記載された従来のマスク加張治具を示す図 従来のマスク加張治具により大型マスクを加張した時の課題の説明図 従来のマスク加張治具によりマスク開口が隣接し、マスクの強度分布が異なるマスクを加張した時の課題の説明図 従来のマスク加張治具によりマスクを加張した時の課題の説明図
以下、本発明の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図8は本発明の実施の形態1を示す。
図1は、本発明の成膜マスクを用いた成膜装置を示す。
この成膜装置は、基板取り出し室1、マスク位置合わせ室2、成膜室3を有しており、それぞれの部屋は、個別に真空度を調整できるように、第1ゲート4、第2ゲート5、第3ゲート6により区分けされている。
図1においてマスク位置合わせ室2に搬入した状態で図示されている成膜マスクは、マスク本体7と、マスク枠8などで構成されている。
マスク本体7がセットされているマスク枠8は、搬送キャリア9にネジなどの着脱可能な構成により、固定されている。マスク枠8と同等もしくはそれ以上に広い開口を有している搬送キャリア9は、マスク枠8,基板支持台10,磁石プレート11を載せてこれを搬送するための十分な剛性と強度を有している。
薄膜の成膜対象となる基板12は、縦横寸法が1000mm〜1500mmの大型基板である。この基板12は、基板12の成膜面が下向きになるように粘着材により基板支持台10に保持されている。その保持方法は、基板12の成膜面を下向きにして基板支持台10に保持できる方法であれば、粘着材以外の手段を用いてもかまわない。
基板取り出し室1からマスク位置合わせ室2に搬入されるマスク枠8には、磁石プレート11がセットされていない。マスク位置合わせ室2には上昇下降機構13が設けられている。
基板取り出し室1からマスク位置合わせ室2に搬入された搬送キャリア160に対して、マスク位置合わせ室2に設けられている上昇下降機構13が下降して、上昇下降機構13が把持していた磁石プレート11を、搬送キャリア9にセットされた基板支持台10の上にセットする。磁石プレート11は、下面に磁石14が設けられている。また、上昇下降機構13は、成膜室3からマスク位置合わせ室2に搬入された搬送キャリア9にセットされている磁石プレート11を把持して、磁石プレート11を搬送キャリア9から取り外す。
マスク位置合わせ室2における搬送キャリア9と、その上にセットされているマスク枠8,基板支持台10,基板12,磁石プレート11などは、マスク位置合わせ室2に設けられたキャリア上下機構15の上に載置されている。キャリア上下機構15を、所定の位置まで下降させることによって、マスク位置合わせ室2から成膜室3の間に敷設された搬送レールに搬送キャリア9に乗せることができる。
搬送レールに乗せられた搬送キャリア9は、搬送レールの長手方向に形成されているラックに歯車をかみ合わせた歯車を回転駆動させることで、搬送レール上を移動させることができる。搬送レール上の搬送キャリア9の搬送方法は、この手段に限ることなく、別の所定の手段を用いることも可能である。
搬送レールに乗せられた搬送キャリア9は、搬送経路C1を通過し、第3ゲート6を開いて、成膜室3に移動する。その後、第3ゲート6を閉じることにより、成膜室3を薄膜が形成できる真空環境に調整する。
例えば、成膜方法がスパッタリング工法の場合は、10−5Pa程度の真空度になるように成膜室3を真空引きし、成膜室3が所定の真空度に到達したあと、成膜室3の内部にArなどのガスを流入し、0.6Pa前後に真空度を調圧しながら、材料源16に電圧を印加し、材料源16のスパッタリングを行う。
材料源16をスパッタリングし、材料源16の分子が成膜室3の内部で拡散している最中に、搬送キャリア9を、搬送経路C2を通過させることにより、マスク本体7に覆われていない基板12の所定の位置に、薄膜が成膜される。なお、成膜方法は、スパッタリング法に限定されず、蒸着法やCVD法などの一般的な成膜方法を用いることができる。
この後、搬送キャリア9は、搬送経路C3を通り、設備上側に上昇し、搬送経路C4により、マスク位置合わせ室2に移動できる。
マスク枠8と基板支持台10との相対位置がずれないように、マスク枠8は、基板支持台10が接触する箇所は、粗さを持たせるための表面処理、あるいはゴム状の構成を有しており、搬送キャリア9がマスク位置合わせ室2や成膜室3を移動中に、基板支持台10がマスク枠8上で位置ズレを起こすことはない。
1m以上の基板を支える基板支持台10は、基板保持構成にも依存するが、100kgf以上の構造体であり、多少の振動や搬送キャリア9の高速移動時であっても、基板支持台10の自重および、マスク枠8との接触面が表面処理されていることで、マスク枠8上の位置を保持できる。
マスク位置合わせ室2に戻ってきた搬送キャリア9は、成膜された基板12を保持した基板支持台10から、磁石プレート11とマスク枠8を分離させたのち、第2ゲート5を開き、基板支持台10を基板取り出し室1に移動させる。
基板取り出し室1では、基板支持台10を天地反転し、基板12の成膜面を上側に向けたのち、基板12を任意の方法で基板支持台10から分離させる。その後、第1ゲート4を開き、基板12を基板取り出し室1から搬出する。
引き続き基板に成膜する場合は、成膜対象となる基板を、第1ゲート4を通じて、基板取り出し室1に投入し、基板支持台10に保持させる。その後、基板取り出し室1内で、基板支持台10を天地反転し、基板の成膜面を下に向けた状態で、第2ゲート5を通じて、マスク位置合わせ室2に基板支持台10を投入し、マスク枠8と磁石プレート11を基板支持台10に密着させた後、搬送経路C1を通じて、順次、基板への成膜を行う。
基板12は、図2(a)に示すようにL1,L2が1000mm〜1500mmの寸法であって、図1におけるマスク本体7は、基板12の機種Aの成膜領域17aにだけ成膜を施し、その周囲に成膜されないように覆うものであって、ここでは基板12の一部をマスク領域18aによってマスクした状態で、成膜室3に投入して成膜処理を行っている。
マスク本体7は、図2(b)に示すように、基板12の寸法L1あるいはL2以上の長さを持つ長方形マスク19a,19b,19cを用いて、マスク領域18aをマスクする。長方形マスク19a,19b,19cは、42アロイなどで形成された長方形のマスクであり、厚みは、0.05mm〜0.1mm程度と極薄であり、両端には、貫通孔20を有している。
長方形マスク19a,19b,19cの支持は、次のように構成されている。
図3はマスク加張機構22の構成図である。
成膜マスクは、マスク本体7と、マスク枠8の他に、マスク補強板21とマスク加張機構22を有している。マスク本体7の各長方形マスク19a,19b,19cは、マスク加張機構22を介してマスク枠8から支持されている。ここでは長方形マスク19aの場合の支持構造を説明する。長方形マスク19b,19cの場合も長方形マスク19aの場合と同じである。
長方形マスク19aの端部をマスク補強板21により上下から挟みこむことで、長方形マスク19aは端部が補強されている。上下のマスク補強板21は、皿ネジなどの固定手段により長方形マスク19aの端部に固着されている。
長方形マスク19aをマスク加張機構22と接続するために、貫通孔20に、円柱状のピン23を通し、このピン23の先端を、マスク加張機構22のピン接続体24に接続する。例えば、ピン23の先端をネジ山に加工し、ピン接続体24にはネジタップを加工する。このとき、マスク補強板21とピン接続体24との間に隙間Sができている。ピン接続体24は、回転軸25によりマスク加張機構22に接続されている。張力調整用ネジ26を押し込むと、回転軸25の周りをピン接続体24が時計回りに回転する。
そのため、張力調整用ネジ26の押し込み量と、図に示す旋回半径との関係から算出される張力を、紙面左向きに長方形マスク19aに付与する。また、マスク加張機構22の位置調整ネジ27の押し込み量を調整することで、紙面垂直方向についてマスク加張機構22の位置決めしている。
このとき、貫通孔20に差し込んだピン23は、ピン23の基端に対して先端が、装着された長方形マスク19aの長手方向に回動して、設定位置で停止したピン23の周面が貫通孔20の内周面に1点で接するので、その接点を起点として、長方形マスク19a,19b,19cに加張力を一方向に付与することができる。
マスク補強板21は、厚さ0.1mm程度の極薄である。長方形マスク19a,19b,19cの両端に設けた貫通孔20の円弧上の1点をそれぞれ起点として一方向に加張すると、各長方形マスク19a〜19cの全体を一方向に、均一に加張できるので、加張時に長方形マスク19a〜19cの両端が変形することなく、皺なく撓みなく加張できる。
ピン23の直径が5mmの場合、貫通孔20の寸法は、ピン23と貫通孔20の内周面とが1点で接するように、直径10mm程度が望ましい。また、長方形マスク19a〜19cを長手方向に加張した際に、短辺が長すぎる場合は、短辺側に補強板を設けたとしても補強板の自重や平面度の影響を受けて長方形マスク19a〜19cが撓んでしまうので、短辺の長さは、各長方形マスク19a〜19cの長辺の寸法に対して3分の1程度の長さ以下にすることが望ましい。加張時にマスクが撓まない短辺の長さは、長方形マスク19a,19b,19cの寸法、材質、厚みにも依存するが、例えば材質が42アロイ、厚み0.1mm、長辺側の長さが1500mmの長方形マスク19a〜19cの場合、短辺の長さは、400mm以下であることが望ましい。
上記のような長方形マスク19a〜19cを用いて、マスク領域18aをマスクする。X方向が長手になるように、基板の上辺側に一枚、基板の下辺側に一枚、Y方向が長手になるように、基板の右辺側に一枚の、合計三枚の長方形マスク19a,19b,19cを配置する。
各長方形マスク19a,19b,19cが撓まないように、長方形マスク19a〜19cの幅に応じて、加張力T1,T2,T3の個別の加張力を、X方向,Y方向に付与できるため、マスク領域18aの形状によらず、X方向,Y方向について、各々の長方形マスク19a〜19cが撓まないように加張できる。
マスクへの張力とマスク位置の調整方法を、図4を用いて説明する。ここでは図3の場合と同様に、長方形マスク19aの場合を説明する。長方形マスク19b,19cの場合も長方形マスク19aの場合と同じである。
長方形マスク19aの両端に形成されている貫通孔20に挿通された各ピン23を回動させると、各ピン23が各貫通孔20の内周面の一点の接点A,Bで接して、長方形マスク19aに張力が付与される。その張力の方向は、接点Aと接点Bを結ぶ直線上の一方向(矢印F方向)のみに長方形マスク19aを加張できる。また、長方形マスク19aは、厚みが0.1mm程度の極薄の構造のため、マスク補強板21により長方形マスク19aの端部を補強することで、張力が作用した時のマスク端部の変形を防いでいる。
このとき、大きな寸法のマスク補強板21であると、マスクに付与する張力で、マスク補強板21の自重を支えることができなくなり、マスクを撓みなく加張することが困難となる。また、補強板の自重を保持するために、強い加張を付与すると、0.1mm程度の厚みである極薄マスク自体に変形が生じるので、長方形マスクの寸法や材質を考慮し、マスク補強板21は、極力小さな寸法であることが望ましい。
旋回動作により加張する方式では、マスク補強板21の幅は、図3に示す旋回半径rよりも短くし、旋回動作によるマスク補強板21の回転により、マスク自体に下方向の荷重が付与させないことが重要である。例えば、旋回半径30mmに対し、マスク補強板21の幅を25mmとした場合は、マスクを平面に保持する張力をマスクに作用させても、マスクが補強板により下側に撓むことなく、マスクを平面に保持することができる。上記のマスク補強板21の寸法、材質は一例であり、マスクへの加張時にマスクに変形を与えない寸法であれば、マスク補強板21の寸法、材質は問わない。
成膜対象の基板に対し、張力をかけた長方形マスク19aが所望の位置来るように長方形マスク19aの位置を調整するには、例えば、長方形マスク19aに位置決めマーク28を付与し、成膜対象となる基板上に付与されているマスク位置決めマークとの位置関係を所定の範囲内になるように、長方形マスク19aの位置を調整する方法がある。図4には図示していない撮像カメラにより、基板12に付与されたマーク(図示していない)位置を記録し、長方形マスク19aに付与した位置決めマーク28の位置と、基板12上のマーク位置とを比較しながら、互いの位置決めマークの相対位置が所定の範囲内に入るように、マスク加張機構22の位置の調整を行う。マスク加張機構22の位置決め方法の一例としては、圧縮バネ29のバネ力と位置調整ネジ27の押し込み量を調整する。マスク加張機構22の位置決め方法は、この方式によらず、マスク加張機構の移動と位置決めが可能であれば、マスク位置の調整方式は問わない。
次に、図5(a)に示すように、寸法L1×L2の基板に対し、機種Aの成膜領域17a、機種Bの成膜領域17b、小型試験片30に対して成膜するように、複数の開口をもつH型のマスク領域18bをマスクする場合について図5(b)を用いて説明をする。
このような場合、図2(b)の場合のように3枚の長方形マスク19a〜19cを使用した場合には、次のような問題が発生するので、4枚の長方形マスク19a〜19c,19dを使用することが好ましい。
具体的には、マスク領域18bの下側にある小型試験片30用の小さな開口31を含む領域を一枚の長方形マスクでマスクした場合、長方形マスク全体が撓まないように、長方形マスクの両端に設けた貫通孔をX方向に大きな力で加張すると、小型試験片用にマスク開口している周辺に大きな力が作用し、小さな開口31の周辺に変形が生じる。また、小さな開口31の周辺に変形が生じない程度の加張力で加張すると、一枚の長方形マスクの全体の加張力が弱く、撓みが生じる。
そのため、小さな開口31を含む領域については、長方形マスク19bと、長方形マスク19cの2枚のマスクを用いてマスクを行う。また、基板の上辺部は、長方形マスク19aで、基板のY方向は、長方形マスク19dでマスクを行う。上記の各長方形マスク19a〜19dの両端には、図2(b)における長方形マスク19a〜19cと同様に、貫通孔20を設けている。
このように、マスク領域18bを4枚の長方形の長方形マスク19a,19b,19c,19dに分割してマスクすると、各長方形マスクの幅やマスク開口の有無により、加張力T1,T2,T3,T4と、個別の加張力で、X方向,Y方向に加張することが可能になる。
小さな開口31を含む長方形マスク19bは、小さな開口31の周辺が変形しない程度の小さな加張力T2でX方向に加張し、その他のマスク開口を持たない長方形マスクは、加張力T2よりも大きな加張力T1,T3,T4で、それぞれのマスクをX方向,Y方向に加張する。このため、小さな開口31を含むマスク領域18bであっても、小さな開口31を含む長方形マスク19bとマスク開口を含まない長方形マスク19cに分割することで、それぞれのマスクに対して加張力と加張方向が調整可能となり、マスク領域18bを皺なく撓みなく加張した長方形マスクでマスクすることができる。
長方形マスクは、マスク両端を加張したときに、マスク全体に均等に張力がかかるように、例えば、図6(a)(b)に示すような寸法で構成される。
図6(a)に示すマスク長辺をLL1、マスク短辺をLL2の寸法を持つ長方形マスク19aは、マスク端面からX方向,Y方向にそれぞれ、d1,d2の位置に円の中心を持つように、直径Dの円形の貫通孔20が設けられており、長さLの領域により、基板をマスクできる。長方形マスク19aの長さLは、基板外形寸法のL1、あるいはL2以上の寸法を有しており、長方形マスク19aの各辺の寸法は、式(1)(2)で示される。
マスク長辺:LL1 = L + 2 × d1 + 2 × d1 ・・・(1)
マスク短辺:LL2 = 2 × d2 ・・・(2)
また、長方形マスク19aの両端には、X方向に2×d1、Y方向に2×d2で囲われる領域にマスクの補強板を取り付ける領域を設けている。X方向に加張した場合にY方向にマスクが撓まないように、0.1mm程度の厚みの極薄の長方形マスクの場合は、マスク短辺:LL2の長さは200mm以下であることが望ましい。
また、図6(b)に長方形マスク19bは、長方形マスク19aの内部にマスク開口を持つ長方形マスクの一例である。マスク両端に貫通孔20を有しており、長方形マスク19bの内部に小さな開口31を3個有している。マスク両端の補強板を取り付ける領域から、X方向に、d3だけ離れた位置から小さな開口31が設けられており、マスク長辺側の端面から小さな開口31までの距離は、それぞれd4,d5とする。また、3個の小さな開口31は、それぞれ、間隔d6,d7をあけて配置する。d3,d4,d5の寸法は、長方形マスクの素材や長方形マスクの長さLの寸法に依存するが、42アロイ製の長方形マスクであり、長方形マスクの長辺LL1が1500mm程度のマスクであれば、d3,d4,d5は5mm以上あることが望ましい。
小さな開口31が1つである場合は、長方形マスク19bの両端を加張したときに、マスク開口部に均等に加張力が付与されるように、d4とd5は同じ寸法であることが望ましい。寸法が異なるマスク開口を持つ場合は、右側に配置された小さい小さな開口31に対する間隔d4,d5が5mm以上になるようにマスク開口を設けることが望ましい。小さな開口31の間隔d6,d7は、長方形マスク19bを加張したときにd6,d7の寸法であるマスク部位に撓みが生じないような寸法とする。
図7は、図5(b)のように4枚の長方形マスク19a〜19dを配置して成膜する成膜マスクの概略斜視図である。図8は分解斜視図である。
マスクへの貫通孔20と同等の穴径をもつマスク補強板21によりマスク端部を上下から挟みこむことでマスク補強されており、貫通孔20に円柱状のピン23を通し、マスク加張機構22に接続し、各マスクをマスク枠8に保持する。なお、図8では、説明のために、これらを分離して図示しているが、実際にはこれらを重ね合わせてマスク本体7として用いる。
かかる構成の成膜マスクによれば、複数マスクを一方向に加張して皺や撓みが生じていないマスクを利用することが可能になり、大型の基板に対しても、基板とマスクを密着させて成膜することができるため、大型基板に滲みのない高精度な成膜を施すことができる。
(実施の形態2)
図10と図11は本発明の実施の形態2を示す。
実施の形態1では図2(b)に見られるように、X軸方向に長い長方形マスク19a,19bの上に、Y軸方向に長い1枚の長方形マスク19cが配置されていたが、この実施の形態2では図9のように、長方形マスク19a,19bの上に、Y軸方向に長い複数枚、ここでは5枚の長方形マスク19c1〜19c5を配置することで、多品種少量生産へ対応するために、基板の様々な場所に成膜、あるいはマスクにより非成膜とする場所を設けることが必要になり、多数のマスクを使用している点だけが異なっている。
なお、図9,図10,図11では、実施の形態1と同じ構成要素については同じ符号を用い、その説明を省略する。
このように、長方形マスク19a,19bの上に、5枚の長方形マスク19c1〜19c5が配置されている場合には、長方形マスク19c1〜19c5に適切な加張を施した場合でも、各長方形マスク19c1〜19c5の重みが下側の長方形マスク19a,19bに影響し、長方形マスク19a,19bが図9のように下側に撓む。
更に具体的には、長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5の材質や、長方形マスクが有するマスク開口の形状や寸法の関係から、マスク自体に大きな加張力を付与できないため、長方形マスク19a,19bに撓みが生じる。
そこでこの実施の形態2では、図10に示すように、成膜装置のマスク位置合わせ室2に、長方形マスク19a,19bを下方から支えるマスク支持台32を設ける。そして、このマスク支持台32を含めて制御装置33によって、図11に示したフローチャートを実行して、基板12と長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5を密着させ、成膜を行う。
成膜動作に基づいて制御装置33の構成を図11に基づいて説明する。
ステップS1では、基板取り出し室1からマスク位置合わせ室2へ投入された基板支持台10を、基板12の成膜面を下向きになるように、マスク位置合わせ室2の所定の位置で、基板支持台10を保持する。
ステップS2では、基板12と対面するようにマスク枠8を配置する。このとき、上記の要因などにより、マスク枠8に加張されている長方形マスク19a,19bに、撓みが発生しているとする。
ステップS3では、キャリア上下機構15を上昇し、マスク枠8が固着された搬送キャリア9を持ち上げることで、基板12と長方形マスク19a,19bを近接させる。このとき、長方形マスク19a,19bが基板12の表面に接触しないように、0.3mm程度の間隔をあけて、キャリア上下機構15が停止できるように、あらかじめ、キャリア上下機構15の上昇距離を決定しておく。また、マスク枠8に、距離センサーなどの、長方形マスク19a,19bと基板12の表面との距離を測定できる機構を設け、所定の距離になると、キャリア上下機構15の動作を停止させてもよい。
ステップS4では、基板12と長方形マスク19a,19bを近接させた後、マスク支持台32を上昇させて、長方形マスク19a,19bの下側から接触させて、下側に撓んでいる部分を持ち上げて、水平に保持する。
ステップS5では、長方形マスク19a,19bと基板12の表面とに間隔がある状態で、長方形マスク19a,19bと基板12が所望の相対位置になるように、基板12の位置合わせを行う。この位置合わせは、例えば、図示していない撮像カメラにより基板12と長方形マスク19a,19bに付与された位置合わせマークの位置をそれぞれ撮像し、所定の相対関係になるように、基板支持台調整機構により基板支持台10を水平移動や回転移動させる。このとき、長方形マスク19a,19bに付与された位置合わせマークを撮像カメラで認識する際に、マスク支持台32により長方形マスク19a,19bを水平に保つことで、長方形マスク19a,19bに付与された位置マークの焦点がぼけることなく、正確に長方形マスク19a,19bの位置決めマークを撮像カメラにより認識できるので、基板12と長方形マスク19a,19bを高精度に位置合わせできる。
ステップS6では、基板12と長方形マスク19a,19bの相対位置を調整した後、キャリア上下機構15を上昇し、長方形マスク19a,19bと基板12を、さらに近接させ、マスク支持台32を上昇させて、長方形マスク19a,19bを水平に保持する。このとき、磁石プレート11に搭載されている磁石14の磁力にも依存するが、長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5と基板12の表面との距離は、0.1mm程度が望ましい。これは、磁石14にφ8mmのネオジム磁石を用いた場合に、磁石プレート11を基板支持台10の上に載せたときに、磁石14の磁力により長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5が吸着され、基板12と長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5が密着する距離から算出したものである。また、マスク支持台32を上昇させて、長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5を、基板12の表面に接触させると、基板12の成膜面が損傷する可能性があるので、長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5を基板12に接触させないことが望ましい。
ステップS7では、キャリア上下機構15とマスク支持台32を上昇させることで、長方形マスク19a,19bを水平に保持したまま、基板支持台10を搬送キャリア160で持ち上げて、基板支持台10の上に磁石プレート11を乗せる。
磁石プレート11は、基板支持台10から10mm程度だけ上側で上昇下降機構13により保持されている。基板支持台10の上に、磁石プレート11を乗せる場合、上昇下降機構13の、磁石プレートチャック機構を外して、磁石プレート11を基板支持台10へ落下させる手段もあるが、磁石プレート11が落下することで、基板支持台10に衝撃が加わり、長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5の位置ずれや、基板12の位置ずれなどの懸念がある。基板12と長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5の位置合わせには、基板支持台10を上昇させて、磁石プレート11が基板支持台10の上に載せた後、磁石14の磁力により、長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5と基板12が密着させることが望ましい。長方形マスク19a,19bが磁石14の磁力により基板12に密着する際、長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5に撓みが生じていると、長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5の予期せぬ箇所が磁石14に吸着されて、基板12と長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5の間に隙間が生じる要因となる。そのために、マスク支持台32により長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5を水平に保持した状態で、磁石14を基板支持台10に接触させるため、磁力に吸引される際、水平に保持したまま長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5は基板12の表面に吸着されるので、基板12と長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5は密着できる。
基板12と長方形マスク19a,19b,19c1〜19c5が密着した後は、マスク支持台32を下降させて、その後、キャリア上下機構15を下降させて、搬送キャリア9を搬送レールに乗せる。
ステップS8では、搬送キャリア9を搬送経路C1により成膜室3へ搬入し、成膜を実施する。
かかる構成の成膜装置によれば、複数のマスクに十分な加張力を作用させることできず、多少の撓みが長方形マスクに生じていても、マスク支持台32により水平に長方形マスクを保持したまま、基板12と長方形マスクの位置合わせ、および基板12と長方形マスクの密着が可能となるため、大型の基板12に対しても、滲みのない高精度な成膜を施すことができる。
本発明の成膜マスクおよび成膜装置は、皺や撓みなく加張した長方形のマスクを、複数組み合わせてマスク開口を調整できるので、大型基板に対してもマスクの密着を行い、高精度に成膜する機能を有しており、成膜工程を含む太陽電池や有機EL照明などの製造に適用が可能である。
1 基板取り出し室
2 マスク位置合わせ室
3 成膜室
4 第1ゲート
5 第2ゲート
6 第3ゲート
7 マスク本体
8 マスク枠
9 搬送キャリア
10 基板支持台
11 磁石プレート
12 基板
13 上昇下降機構
14 磁石
15 キャリア上下機構
16 材料源
17a 機種Aの成膜領域
17b 機種Bの成膜領域
18a,18b マスク領域
19a,19b,19c,19d,19c1〜19c5 長方形マスク
20 貫通孔
21 マスク補強板
22 マスク加張機構
23 ピン
24 ピン接続体
25 回転軸
26 張力調整用ネジ
27 位置調整ネジ
28 位置決めマーク
29 圧縮バネ
30 小型試験片
31 小さな開口
32 マスク支持台
33 制御装置

Claims (4)

  1. 材料源と成膜対象の基板の間に配置されて、前記基板の表面の成膜領域を露出させるとともに前記成膜領域以外を複数枚の長方形マスクで覆う成膜マスクであって、
    形状が長方形でシート状の前記長方形マスクと、
    前記長方形マスクの長手方向の両端に設けられたマスク補強板と、
    前記マスク補強板を介して複数枚の前記長方形マスクの両端を支持するマスク枠と、
    前記長方形マスクの両端に設けられた前記マスク補強板に形成された円形の貫通孔に挿通され周面が前記貫通孔の内周面に点接触するピンを有し、マスク枠から支持され、かつ前記ピンの基端に対して先端を、装着された前記長方形マスクの長手方向に回動させた設定位置で保持するマスク加張機構とを設けた
    成膜マスク。
  2. 前記マスク加張機構は、装着された前記長方形マスクの短手方向に位置変更が可能に前記マスク枠に取り付けられている
    請求項1記載の成膜マスク。
  3. 請求項1記載の成膜マスクを、材料源と成膜対象の基板の間に配置した
    成膜装置。
  4. 請求項1に記載されている成膜マスクの前記長方形マスクを下方から支持できる昇降可能なマスク支持台を有し、
    前記マスク支持台により前記長方形マスクを支持した状態で、基板と前記長方形マスクの位置合わせを行い、前記基板の被成膜面とは反対側から、前記長方形マスクを磁力により吸着して前記基板に密着させた後、成膜処理を実施するよう運転する制御装置を設けた
    請求項3に記載の成膜装置。
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