JP2014176892A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱性に優れるとともに、小型軽量であり、生産性に優れた熱交換器を提供する。
【解決手段】天板部2及び底板部3と、複数の側面板4と、これらに囲まれた冷媒流路内に配されるヒートシンク部5と、冷媒導排口31と、一対の冷媒導排管6とを有する熱交換器1である。天板部2は冷媒流路と反対側に発熱体を搭載するための発熱体搭載面21を有している。天板部2及び底板部3を構成するアルミニウム板は、心材と心材の少なくとも内面側に積層されたブレージング材とからなるクラッド材よりなる。ブレージング材は、心材よりも融点が低く、かつ、側面板4及びヒートシンク部5の各々を構成する材料よりも融点が低い。ブレージング材により複数の側面板4が天板部2及び底板部3の双方とろう付け接合され、かつ、ヒートシンク部5が少なくとも天板部2とろう付け接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の発熱体を冷却するための熱交換器に関する。
現在広く使用されるようになってきたハイブリッド自動車や、次世代の環境対策自動車として注目される電気自動車には、駆動用モータを制御するための電子部品としてインバーターユニットが用いられている。インバーターユニットには、スイッチング機能を果たすIGBTが備えられている。IGBTは、使用時に発熱するが、高温になれば本来の機能を発揮し得ないため、冷却を十分に行う必要がある。一方、高速スイッチング機能等のIGBTに求められる特性が年々高まり、これに伴って発熱量も増大してきており、IGBTを冷却するシステムの機能向上がますます重要視されている。
IGBTの冷却には、ヒートシンクを用いるのが効果的である。ヒートシンクは、熱伝導性のよい材料を用いて作製され、単位面積当たりの表面積を大きくすることにより、接触配置された発熱体からの熱を放熱する機能を有する。表面積を大きくする形態としては、フィンタイプ、コルゲートタイプなどの様々な形態がある。
また、放熱性能をさらに向上させるため、ヒートシンクのフィン部分を冷却液が流通する冷媒流路内に配置することによって、冷却液を媒体として効率よく放熱する液冷式の冷却システムが知られている。例えば、特許文献1には、冷却液の流通する冷媒流路と、冷却液の入口及び出口とがヒートシンクとしてのアッパーケースを受けるロワケースに形成された熱交換器が提案されている。特許文献1に記載された熱交換器は、ヒートシンクのフィン部分をロワケースの冷媒流路部分に配置した状態で、アッパーケースとロワケースとを摩擦撹拌接合により接合している。このようにして作製した熱交換器は、アッパーケースのフィン部と反対側の面にIGBTなどの発熱体を接触配置させることで、その冷却機能が発揮されることとなる。
また、車載用のIGBTを冷却するための熱交換器には、放熱性能のみならず、小型かつ軽量であることが求められている。このような要求に対応するため、アルミニウム合金を採用した熱交換器がある。
特開2010−69503号公報
しかしながら、特許文献1に開示された熱交換器は、アッパーケース及びロワケースの双方とも比較的複雑な形状を呈している。このようなアッパーケース及びロワケースを形成する方法としては、一般的にはダイキャスト成形などの鋳造や、鍛造が採用されている。しかしながら、鋳造や鍛造によってハウジングを形成する方法は必ずしも生産性に優れるとは言えず、他の製法の開発が望まれていた。
また、上記ハウジング部を鍛造により形成する場合には、流路の壁面や底面等の肉厚を薄くすることは困難であるため、ハウジング部の軽量化及び小型化には限界があるという問題があった。
本発明は上記の背景に鑑みてなされたものであって、放熱性に優れるとともに、小型軽量であり、生産性に優れた熱交換器を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、アルミニウム板をプレス加工して形成された天板部及び底板部と、
アルミニウム板を曲げ加工して形成され、上記天板部と上記底板部との間に配される複数の側面板と、
上記天板部と、上記底板部と、上記複数の側面板とに囲まれた冷媒流路内に配されるヒートシンク部と、
上記天板部または底板部に設けられた上記冷媒流路に連通する一対の冷媒導排口と、
該一対の冷媒導排口に接続される一対の冷媒導排管とを有し、
上記天板部は、上記冷媒流路と反対側に発熱体を搭載するための発熱体搭載面を有しており、
上記天板部及び上記底板部を構成する上記アルミニウム板は、心材と該心材の少なくとも内面側に積層されたブレージング材とからなるクラッド材よりなり、上記ブレージング材は、上記心材よりも融点が低く、かつ、上記側面板及び上記ヒートシンク部の各々を構成する材料よりも融点が低く、
該ブレージング材により、上記複数の側面板が上記天板部及び上記底板部の双方とろう付け接合され、かつ、上記ヒートシンク部が少なくとも上記天板部とろう付け接合されていることを特徴とする熱交換器にある(請求項1)。
上記熱交換器は、上記ヒートシンク部と上記天板部とがろう付け接合されている。そのため、発熱体から発生する熱が上記発熱体搭載面から上記ヒートシンク部に伝達されやすくなり、上記冷媒流路内に冷媒液が流通した場合に、上記冷媒流路の壁面と上記冷媒液との間での熱交換がより効率よく行われる。その結果、上記冷媒液が放熱フィン部から効率よく熱を除去することができるため、上記熱交換器は放熱性能に優れたものとなる。
また、上記天板部及び上記底板部は、アルミニウム板を素材として、これをプレス加工することにより形成されている。板材のプレス加工は肉厚の薄い部材を形成しやすい加工方法であるため、上記天板部及び上記底板部の肉厚を容易に薄肉化することができる。その結果、上記熱交換器を容易に軽量化することができる。
また、上記複数の側面板は、アルミニウム板を素材として、比較的加工が容易な曲げ加工により形成されている。そのため、素材の板厚を容易に薄肉化することができ、上記熱交換器を容易に軽量化することができる。
また、上記天板部、上記底板部及び上記複数の側面板の素材をアルミニウム板とすることにより、主要な部品の作製工程に、鋳造あるいは鍛造を用いる必要がなくなる。そのため、主要な部品の作製工程を短縮化することが容易となり、上記熱交換器全体の生産性を容易に向上させることができる。
また、上記天板部及び上記底板部を構成する上記アルミニウム板は上記クラッド材よりなり、上記ブレージング材が上記熱交換器の少なくとも内面側に配されている。そのため、上記天板部及び上記底板部の各々の上記ブレージング材に上記複数の側面板を当接させるとともに、少なくとも上記天板部の上記ブレージング材に上記ヒートシンク部を当接させた状態で上記ブレージング材を溶融させることにより、上記天板部及び上記底板部の双方と上記複数の側面板との間のろう付け接合と、上記天板部と上記ヒートシンク部との間のろう付け接合とを一度に行うことができる。その結果、上記熱交換器は生産性に優れたものとなる。
以上のごとく、上記熱交換器は、放熱性に優れるとともに、小型軽量であり、生産性に優れたものとなる。
実施例1における、熱交換器の部品展開図。 実施例1における、熱交換器の斜視図。 実施例1における、熱交換器の上面図。 実施例1における、熱交換器の側面図。 実施例1における、側面板同士の接合部を示す説明図。 図3のVI−VI線矢視断面図。 図3のVII−VII線矢視断面図。 実施例1における、ヒートシンク部の斜視図。 実施例2における、パイプ状の冷媒導排管を有する熱交換器の側面図。 図9のX−X線矢視断面図。 実施例3における、波形板を用いたヒートシンク部を有する熱交換器の断面図(図6に相当する断面図)。 実施例4における、押出多穴管を用いたヒートシンク部を有する熱交換器の断面図(図6に相当する断面図)。 実施例5における、別途準備したろう材を一対の側面板の間に配置した状態の説明図。
上記熱交換器において、上記複数の側面板の互いに対向する一対の端面の接合は、溶接で行ってもよく、ろう付け接合で行ってもよい。一対の端面の接合をろう付け接合で行う場合には、上記ブレージング材をろう材として用いてもよく、別途ろう材を供給してもよいが、上記ブレージング材をろう材として用いることが好ましい。この場合には、別途ろう材を準備することなく上記一対の端面のろう付け接合を行うことができるため、作製工程を短縮化することができる。
すなわち、上記複数の側面板の互いに対向する一対の端面は上記ブレージング材によりろう付け接合されており、上記一対の端面はいずれも、外面側に面する角部と内面側に面する角部との少なくとも一方が面取り形状を呈していることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記熱交換器のろう付け接合を行う際に、上記天板部に配されたブレージング材及び上記底板部に配されたブレージング材の双方が上記一対の端面の間により流入しやすくなる。その結果、上記複数の側面板の間の接合の健全性をより高くすることができる。
また、上記複数の側面板の互いに対向する端面の間隔が0.2mm以下であることが好ましい(請求項3)。この場合には、上記熱交換器のろう付け接合を行う際に、上記天板部に配されたブレージング材及び上記底板部に配されたブレージング材の双方が上記一対の端面の間により流入しやすくなる。その結果、上記複数の側面板の間の接合の健全性をより高くすることができる。また、この場合には、上記複数の側面板同士をろう付け接合するために、別途ろう材を準備する必要がなくなるので、部品点数の増大を防ぐ効果も期待することができる。ブレージング材をより流入しやすくする観点からは、上述した端面の間隔は小さいほど好ましく、互いに対向する端面を当接させることがより好ましい。
また、上記冷媒導排管は、上記冷媒導排口に接続されるニップル部と、該ニップル部に接続されるパイプ部とから構成されていてもよい(請求項4)。この場合には、上記ニップル部をろう付け接合した後に上記パイプ部を上記ニップル部と接続させることができる。その結果、ろう付け接合の際に上記パイプ部の形状を考慮する必要がなくなるため、上記パイプ部の形状をより自由に選択することができる。
また、上記底板部と上記ニップル部とは、両者の間に介在させたブレージングシートによりろう付け接合されていることが好ましい(請求項5)。
この場合には、ろう付け接合の際に上記ニップル部と上記ブレージングシートとの間に充分な量のろう材が供給される。その結果、上記底板部と上記ニップル部との接合をより確実に行うことができる。ここで、上記ブレージングシートとしては、例えば、いわゆる心材とその両面に積層されたブレージング材とからなる3層クラッド材等を用いることが可能である。
また、上記一対の冷媒導排口は、上記底板部から外方に向けて立設された筒状のカラー部を有し、該カラー部の内周面に上記ブレージング材が配されており、上記カラー部内に挿入された冷媒導排管の一端が、上記ブレージング材によりろう付け接合されていてもよい(請求項6)。この場合には、上記冷媒導排管と上記底板部とのろう付け接合に、別途ろう材を準備する必要がなくなる。また、上記冷媒導排管と上記底板部とのろう付け接合を、上記ヒートシンク部及び上記複数の側面板のろう付け接合と同時に行うことができる。その結果、上記熱交換器は、より生産性の高いものとなる。
上記ヒートシンク部としては種々の態様を採用することができるが、冷媒液との接触面積が大きく、かつ、冷媒液の流通抵抗が小さいものが好ましい。上記ヒートシンク部と冷媒液との接触面積が大きいほど冷媒液が熱を除去しやすくなるため、熱交換器の放熱性能がより向上する。また、冷媒液の流通抵抗が小さいほど、冷媒液の流量を大きくしやすくなるため、熱交換器の放熱性能がより向上する。
上記ヒートシンク部の一態様としては、板状のベース部と、該ベース部の一方の面から立設された放熱フィン部とからなるものを採用することができる(請求項7)。このように構成された上記ヒートシンク部は、寸法精度を容易に高くすることができる。また、上記ヒートシンク部は、上記冷媒流路に配置する際の位置合わせを上記ベース部により行うことができるため、冷媒流路内の位置ずれを低減しやすくなる。その結果、上記ヒートシンク部を用いた上記熱交換器は、冷媒液の流通抵抗を低減しやすくなり、放熱性能を向上させやすくなる。
また、上記ベース部と上記放熱フィン部とを有するヒートシンク部を用いる場合には、上記ベース部と上記底板部とが上記ブレージング材によりろう付け接合され、上記放熱フィン部の先端と上記天板部とが上記ブレージング材によりろう付け接合されていることが好ましい(請求項8)。上記ヒートシンク部をこのように配置することにより、冷媒流路と発熱体搭載面との間には天板部のみが配されることとなる。そのため、上記冷媒流路と上記発熱体搭載面との間の金属の厚みを低減しやすくなり、熱抵抗を低減することができる。その結果、上記熱交換器の放熱性能をより向上させることができる。
なお、上記放熱フィン部の形状には、例えば多数の放熱板がその厚み方向に配列され、断面が櫛歯状を呈するプレートフィンや、円柱や角柱等の多数の柱状体が立設されたピンフィン、あるいは断面が波形となるコルゲートフィン等の種々の態様を採用することができる。
また、上記ヒートシンク部の他の態様として、断面が波形を呈する波形板を採用し、少なくとも該波形板の一方の面の頂点と上記天板部とが上記ブレージング材によりろう付け接合されていてもよい(請求項9)。上記波形板は、板厚を容易に薄くすることができるため、比較的少ない材料で冷媒液との接触面積を増大させることができる。そのため、上記熱交換器を容易に軽量化できるとともに、その放熱性能をより向上させることができる。
また、上記ヒートシンク部のさらに他の態様として、押出加工により形成され内部に複数の冷媒流通穴を有する押出多穴管を採用し、該押出多穴管は上記天板部及び上記底板部の双方と上記ブレージング材によりろう付け接合されていてもよい(請求項10)。押出成形は生産性に優れた加工方法であるため、上記押出多穴管は生産性に優れたものとなる。その結果、上記熱交換器全体の生産性を容易に向上させることができる。さらに、上記押出多穴管の長さを自由に選択できるため、上記熱交換器は、冷却能力の変更等の設計変更が容易なものとなる。
また、上記冷媒流路は、上記天板部と上記底板部との間に配される中央壁部によって複数の流路領域に区画されており、該複数の流路領域に各々ヒートシンク部が配設されていてもよい(請求項11)。この場合には、上記熱交換器は、複数列に並べた発熱体を冷却する場合に好適なものとなる。また、上記複数の流路領域は、各々の幅を個々の流路領域に流通する冷媒液の流速分布を一様とするのに適切な範囲とすることができる。これにより、冷媒液が上記ヒートシンク部全体に均一に接触しやすくなるため、上記ヒートシンク部全体から均一に放熱することが可能となる。その結果、上記熱交換器は、複数の発熱体を均一に冷却することが可能なものとなる。
また、上記天板部及び上記底板部における、上記心材は、Mg:1.3%(質量%、以下同様)以下を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる化学成分を有し、かつ、上記ブレージング材は、Si:6〜13%、Li:0.004〜0.1%を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる化学成分を有していてもよい(請求項12)。このように構成された上記クラッド材を上記天板部及び上記底板部の素材として用いることにより、上記熱交換器のろう付け接合を、不活性ガス雰囲気下においてフラックスを用いずに行うことが可能となる。その結果、上記熱交換器のろう付け工程における生産性を向上させやすくなるため、上記熱交換器全体の生産性をより向上させることができる。
上記ブレージング材は、6〜13%のSiを含有している。これにより、上記ブレージング材の接合部への流入量を十分に多くすることができ、不活性ガス雰囲気下でフラックスを使用しないろう付け接合を行う場合にも接合の健全性をより高めることができる。Siの含有量が6%未満の場合には、ブレージング材の流入量が不足しやすくなり、また、ブレージング材の流動性が低下するおそれがある。そのため、この場合には接合の健全性が低下するおそれがある。一方、Siの含有量が13%を超える場合には、母材の溶解量が過剰になるおそれがあり、また、ブレージング材中に粗大な初晶Siが形成されやすくなる。そのため、この場合にはろう付け接合の際に溶融穴が発生するおそれがある。
また、上記ブレージング材は、0.004〜0.1%のLiを含有している。そして、上記心材は、1.3%以下のMgを含有している。Liを含有するブレージング材とMgを含有する心材とが互いに隣接して積層されていることにより、不活性ガス雰囲気下でフラックスを使用しないろう付け接合を行う場合にも接合の健全性をより向上させることができる。Li及びMgによる接合の健全性向上のメカニズムは完全に解明されているわけではないが、現時点において妥当と考えられるメカニズムは以下の通りである。
Mgは、上記ブレージング材により外気と接触しにくくなっているため、反応性の低いMgOの存在比率が少なくなっている。この状態においてろう付け接合のための加熱が開始されると、Mgが上記ブレージング材側へゆっくりと拡散し始め、該ブレージング材の溶融開始とともに該ブレージング材の溶融液内へ急速に拡散する。このとき、ブレージング材の溶融液内に存在するMg及びLiは、不活性ガス雰囲気のため酸化されにくくなっており、反応性の高い状態となっている。
上記溶融液内のMgは、接合するべき部分に存在する酸化皮膜(Al)と接触すると、酸化皮膜と反応してAlMgOのスピネル型化合物を生成する。これにより、酸化皮膜を脆弱化させることができる。また、上記溶融液内のLiも、酸化皮膜を脆弱化させる作用を有している。そのため、上記ブレージング材の溶融液と接触した酸化皮膜は、MgとLiとの相乗効果により破壊されやすくなり、接合すべき部分に新生面を露出させやすくなる。
また、Mg及びLiは、酸化皮膜を脆弱化させるほかに、溶融液の表面張力を低下させ、流動性を改善する作用を有している。そのため、MgとLiとの相乗効果により、フィレットの大きさを十分に大きくすることができるとともに、狭い隙間に対しても上記ブレージング材が浸入しやすいものとなる。以上のように、上記クラッド材は、酸化皮膜の脆弱化と、流動性改善との双方の作用により接合の健全性をより向上させることができると考えられる。
Liの含有量が0.004%未満の場合には、流動性が不十分となるおそれがあり、また、酸化皮膜の脆弱化が不十分となるおそれがある。そのため、この場合には接合の健全性が低下するおそれがある。一方、Liの含有量が0.1%を超える場合には、ろう付け接合中に形成されるLiOが過剰となるため、接合の健全性が低下するおそれがある。
また、Mgの含有量が1.3%を超える場合には、心材の融点が過度に下がるおそれがあり、ろう付け接合が困難となるおそれがある。一方、Mgの含有量の下限は特に限定されないが、ろう付け接合の健全性をより向上させるためには、含有量が0.2%以上であることがより好ましい。この場合には、ブレージング材の流動性をより向上させやすくなり、また、酸化皮膜の脆弱化を十分に行うことができる。
上記心材は、さらにMn:0.05〜1.8%、Si:1.0%以下、Fe:1.0%以下、Cu:0.9%以下、Zn:6.5%以下、Ti:0.2%以下、Zr:0.5%以下よりなる群より選択される1種または2種以上の化学成分を含有していてもよい(請求項13)。このような化学成分を有するアルミニウム合金としては、例えば3000系(Al−Mn系)、5000系(Al−Mg系)、6000系(Al−Mg−Si系)または7000系(Al−Zn系)に属する合金を用いることができる。これらのアルミニウム合金は、強度や耐食性、成形性等の熱交換器に要求される特性に応じて適宜選択することができる。
また、上記天板部及び上記底板部の素材として、上述した2層クラッド材以外に3層クラッド材を使用することもできる。すなわち、上記天板部及び上記底板部を構成する上記クラッド材は、上記心材と上記ブレージング材との間に中間材が積層されており、該中間材はMg:1.3%以下を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる化学成分を有しており、かつ、上記ブレージング材はSi:6〜13%、Li:0.004〜0.1%を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる化学成分を有していてもよい(請求項14)。この場合にも、Liを含有するブレージング材とMgを含有する中間材とが互いに隣接して積層されているため、上述と同様に、不活性ガス雰囲気下でフラックスを使用しないろう付け接合を行う場合にも接合の健全性をより向上させることができる。
上記中間材は、さらにMn:0.05〜1.8%、Si:1.0%以下、Fe:1.0%以下、Cu:0.9%以下、Zn:6.5%以下、Ti:0.2%以下、Zr:0.5%以下からなる群より選択される1種または2種以上の化学成分を含有していてもよい(請求項15)。このような化学成分を有するアルミニウム合金としては、例えば3000系(Al−Mn系)、5000系(Al−Mg系)、6000系(Al−Mg−Si系)または7000系(Al−Zn系)に属する合金を用いることができる。
また、上記天板部及び上記底板部の素材として3層クラッド材を用いる場合には、上記心材は、Mn:0.05〜1.8%を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる化学成分を有していてもよい(請求項16)。また、この場合には、上記心材が、さらにSi:1.0%以下、Fe:1.0%以下、Cu:0.9%以下、Zn:6.5%以下、Ti:0.2%以下、Zr:0.5%以下からなる群より選択される1種または2種以上の化学成分を含有していてもよい(請求項17)。このような化学成分を有するアルミニウム合金としては、例えば3000系(Al−Mn系)、7000系(Al−Zn系)に属する合金を用いることができる。これらのアルミニウム合金は、強度や耐食性、成形性等の熱交換器に要求される特性に応じて適宜選択することができる。
また、上記ブレージング材は、さらにBi:0.004〜0.2%、Mg:0.05〜0.4%からなる群より選択される1種または2種の化学成分を含有していてもよい(請求項18)。これらの化学成分は、上記ブレージング材の溶融液の表面張力を低下させ、流動性を向上させる作用を有している。また、これらの化学成分は、単独で添加してもよく、複合して添加してもその作用を発揮する。そのため、この場合には、上記ブレージング材の流動性をより向上させることができ、接合の健全性をより向上させることができる。
Biの含有量が0.004%未満の場合にはBi添加による流動性向上効果を得にくくなる。一方、Biの含有量が0.2%を超えるとブレージング材の変色が著しくなり、接合性の向上も認められなくなる。また、Mgの含有量が0.05%未満の場合にはMg添加による流動性向上効果を得にくくなる。一方、Mgの含有量が0.4%を超える場合には、ブレージング材表面に反応性の低いMgOが形成されやすくなり、Mgの添加に見合った効果を得にくくなる。
また、上記ブレージング材は、さらにSr:0.002〜0.05%、Sb:0.003〜0.07%からなる群より選択される1種または2種の化学成分を含有していてもよい(請求項19)。これらの化学成分は、上記ブレージング材内部に含まれるAl−Si共晶組織を微細化させ、流動性を向上させる作用を有している。また、これらの化学成分は、単独で添加してもよく、複合して添加してもその作用を発揮する。そのため、この場合には、Al−Si共晶組織が微細化されることにより、上記ブレージング材の流動性がより向上し、接合の健全性をより高めることができる。
Srの含有量が0.002%未満の場合には、Al−Si共晶組織を微細化する効果が不十分となるおそれがある。一方、Srの含有量が0.05%を超える場合には、Al−Si共晶組織を微細化する効果が飽和し始め、添加量に見合った効果を得ることができない。Sbの含有量が0.003%未満の場合には、Al−Si共晶組織を微細化する効果が不十分となるおそれがある。一方、Sbの含有量が0.07%を超える場合には、ブレージング材が狭い隙間へ充填されにくくなるおそれがある。
また、上記ブレージング材は、さらにFe:0.05〜0.8%、Mn:0.05〜0.2%、Ti:0.01〜0.15%からなる群より選択される1種または2種以上の化学成分を含有していてもよい(請求項20)。これらの元素は、上記ブレージング材の溶融液の粘度を高める作用を有している。また、これらの元素は単独で添加してもよく、複合して添加してもその作用を発揮する。これらの化学成分を添加することにより、上記ブレージング材の溶融液の粘度が高くなるため、上記ブレージング材の溶融液が自重によって下方に垂れ落ちることをより抑制しやすくなる。その結果、接合の健全性をより高めることができる。
(実施例1)
上記熱交換器の実施例について、図1〜図8を用いて説明する。図1に示すように、熱交換器1は、天板部2と、底板部3と、複数の側面板4と、ヒートシンク部5とを有している。天板部2及び底板部3は、アルミニウム板をプレス加工して形成されている。また、複数の側面板4は、アルミニウム板を曲げ加工して形成され、図4に示すように天板部2と底板部3との間に配されている。ヒートシンク部5は、図1及び図6に示すように、天板部2と、底板部3と、複数の側面板4とに囲まれた冷媒流路12内に配されている。また、底板部3には、図1に示すように、冷媒流路12に連通する一対の冷媒導排口31が設けられており、図7に示すように、一対の冷媒導排口31には一対の冷媒導排管6が接続されている。天板部2は、図1〜図3に示すように、冷媒流路12と反対側に発熱体を搭載するための発熱体搭載面21を有している。
また、図6に示すように、天板部2及び底板部3を構成するアルミニウム板は、心材Aと、その少なくとも内面側に積層されたブレージング材Bとからなるクラッド材Cより形成されている。ブレージング材Bは、心材Aよりも融点が低く、かつ、側面板4及びヒートシンク部5の各々を構成する材料よりも融点が低い。そして、図6に示すように、ブレージング材Bにより、複数の側面板4が天板部2及び底板部3の双方とろう付け接合され、かつ、ヒートシンク部5が少なくとも天板部2とろう付け接合されている。
図2及び図3に示すように、熱交換器1は、天板部2と底板部3との重なり方向(以下、この方向を「高さ方向Z」という。)から見て略長方形状を呈している。また、図1、図3及び図6に示すように、天板部2と底板部3との間には、2個のヒートシンク部5が互いに並んで配されている(以下、ヒートシンク部5の並び方向を「横方向Y」といい、横方向Y及び高さ方向Zの双方と直交する方向を「縦方向X」という。)。
また、図1及び図6に示すように、2個のヒートシンク部5の間には、冷媒流路12を区画する中央壁部13が配されている。これにより、冷媒流路12は、図6に示すように天板部2と底板部3との間に配される中央壁部13によって2つの流路領域120に区画されており、2つの流路領域120の各々に1個ずつのヒートシンク部5が配設されている。また、図には示さないが、冷媒流路12の縦方向Xにおける両端部には、2つの流路領域120の間に冷媒液を分配させる連通路が形成されている。
また、図2及び図3に示すように、熱交換器1を高さ方向Zから見た略長方形における互いに向かい合う角部100のそれぞれには、縦方向Xに向けて突出した一対の突出部11が形成されている。そして、図2〜図4に示すように、一対の突出部11における底板部3側には、それぞれ冷媒導排管6が配設されている。
また、図2及び図3に示すように、熱交換器1を高さ方向Zから見た略長方形における外周部分には、熱交換器1を搭載位置に締結するための複数の固定部14が設けられている。固定部14は、図1及び図4に示すように、円板状の補強部材140を天板部2と底板部3との間に配して構成されている。また、補強部材140の両端面は、天板部2及び底板部3のブレージング材Bにより、これらとろう付け接合されている。また、複数の固定部14は、図3に示すように、熱交換器1を締結するためのボルトを挿通するボルト挿通穴141を有している。
天板部2及び底板部3は、図1及び図2に示すように、熱交換器1を高さ方向Zから見た形状と略同一の形状を呈している。また、図6及び図7に示すように、天板部2及び底板部3は、心材Aと、その片面に5〜15%のクラッド率で積層されたブレージング材Bとからなるクラッド材Cより構成されており、ブレージング材Bは内面側(冷媒流路12側)に配されている。本例においては、心材AにJIS6063合金を用い、ブレージング材BにJIS4004合金を用いた。
また、図1に示すように、底板部3は、突出部11を構成する部分に、厚み方向(高さ方向Z)に貫通形成された冷媒導排口31を有している。冷媒導排口31には、図7に示すように冷媒導排管6が接続されており、冷媒流路12と冷媒導排管6との間に冷媒液を流通可能に構成されている。
複数の側面板4は、幅10mmのアルミニウム板を天板部2及び底板部3の外周形状に倣って曲げ加工して形成されている。本例では、一対の突出部11の各々における縦方向Xの突出端110(図3参照)を分割点として天板部2及び底板部3の外周形状を2つに分割し、分割された各々の外周形状に沿うように2つの側面板4を作成している(図1参照)。
また、複数の側面板4は、図4に示すように、その幅方向を高さ方向Zに向けて天板部2及び底板部3の双方と当接するよう配置されている。そして、複数の側面板4と天板部2とが天板部2のブレージング材Bによりろう付け接合され、複数の側面板4と底板部3とが底板部3のブレージング材Bによりろう付け接合されている。
また、図5に示すように、2つの側面板4は、互いに対向する端面41の間隔Dが0.2mm以下となるよう配置されている。そして、2つの側面板4の互いに対向する一対の端面41はブレージング材Bによりろう付け接合されており、各々の端面41における外面側に面する角部42が面取り形状を呈している。一対の端面41の接合に用いられるブレージング材Bは、天板部2及び底板部3から供給されたものである。
ヒートシンク部5は、図8に示すように、板状のベース部51と、ベース部51の一方の面から立設された放熱フィン部52とから構成されている。本例のヒートシンク部5は、放熱フィン部52を構成する多数の放熱板520がその厚み方向(横方向Y)に配列され、縦方向Xにおける断面が櫛歯状(図6参照)を呈するプレートフィンである。また、ヒートシンク部5は、JIS6063合金を押出成形して形成されている。
また、ヒートシンク部5は、図6に示すように、ベース部51と底板部3とが当接し、放熱フィン部52の先端521と天板部2とが当接するように配されている。そして、ヒートシンク部5は、ベース部51と底板部3とがブレージング材Bによりろう付け接合され、放熱フィン部52の先端521と天板部2とがブレージング材Bによりろう付け接合されている。
ヒートシンク部5の間に配された中央壁部13は、図1及び図3に示すように、略直方体状を呈しており、アルミニウム合金により形成されている。また、中央壁部13は、図6に示すように、高さ方向Zの両端面において天板部2及び底板部3と当接しており、ブレージング材Bによりろう付け接合されている。これにより、冷媒流路12におけるヒートシンク部5が配設されている領域が2つの流路領域120に区画され、各々の流路領域120に1つずつのヒートシンク部5が配されている。
また、図には示さないが、中央壁部13の縦方向Xにおける両端面は、各々の端面と面している側面板4から離間した位置に配されている。これにより、熱交換器1の縦方向Xにおける両端部に連通路が形成され、連通路を通じて2つの流路領域120の間に冷媒液を分配させることができるよう構成されている。
冷媒導排管6は、図7に示すように、冷媒導排口31に接続されるニップル部61と、ニップル部61に接続されるパイプ部62とから構成されている。図7に示すように、ニップル部61は円筒状のニップル本体部610と、ニップル部61の一方の開口端611側に立設された流路挿入部613とを有している。流路挿入部613は、ニップル本体部610の一方の開口端611における内周縁部に沿って立設されており、冷媒導排口31の開口径と略同一の外径に形成されている。
また、図7に示すように、底板部3とニップル本体部610とは、両者の間に介在させたブレージングシート7によりろう付け接合されている。ブレージングシート7は、JIS6063合金よりなる板材の両面にJIS4004合金を積層して形成されている。また、ブレージングシート7は、ニップル本体部610の外径よりも径大な円板状に形成されており、その中央に冷媒導排口31と同一の開口径に形成された貫通穴72を有している。そして、図7に示すように、流路挿入部613が貫通穴72に挿入配置され、ニップル部61と底板部3とがブレージングシート7を介してろう付け接合されている。
また、図7に示すニップル本体部610の他方の開口端612には、開口部の内周面に雌ねじ(図示略)が形成されており、後述するようにパイプ部62の雄ねじを締結可能に構成されている。
パイプ部62は、円筒状を呈しており、その一端の外周面620(図7参照)に雄ねじが形成されている。これにより、パイプ部62の雄ねじとニップル部61の雌ねじとが締結され、図7に示すようにパイプ部62とニップル部61とが接続されている。
このように構成された熱交換器1には、一対の冷媒導排管6に各々外部配管が接続され、以下のごとく発熱体の冷却が行われる。まず、一方の冷媒導排管6から冷媒液が供給されると、冷媒液は連通路に流入する。次いで、冷媒液は中央壁部13により分配され、2つの流路領域120の各々に流入する。そして、各々の冷媒流路12に流入した冷媒液は、縦方向Xの他方の冷媒導排管6側へ向けて流通しつつ、流路内部において放熱フィン部52と接触する。これにより、放熱フィン部52との間で熱交換を行い、放熱フィン部52に蓄積される熱を除去する。そして、他方の冷媒導排管6側の連通路に到達した冷媒液は、冷媒導排管6を通過して外部配管へ排出される。
また、上述のごとく熱交換器1により冷却される発熱体としては、例えば、IGBT等のパワー半導体素子や、リアクトルやコンデンサ等の電子部品、あるいはこれらを組み合わせたパワーモジュール等、種々のものを発熱体として発熱体搭載面21に搭載することができる。
次に、本例の作用効果について説明する。熱交換器1は、図6に示すように、ヒートシンク部5と天板部2とがろう付け接合されている。そのため、発熱体から発生する熱が発熱体搭載面21からヒートシンク部5に伝達されやすくなり、冷媒流路12内に冷媒液が流通した場合に、冷媒流路12の壁面と冷媒液との間での熱交換がより効率よく行われる。その結果、冷媒液が放熱フィン部52から効率よく熱を除去することができるため、熱交換器1は放熱性能に優れたものとなる。
また、天板部2及び底板部3は、アルミニウム板を素材として、これをプレス加工することにより形成されている。板材のプレス加工は肉厚の薄い部材を形成しやすい加工方法であるため、天板部2及び底板部3の肉厚を容易に薄肉化することができる。その結果、熱交換器1を容易に軽量化することができる。
また、複数の側面板4は、アルミニウム板を素材として、比較的加工が容易な曲げ加工により形成されている。そのため、素材の板厚を容易に薄肉化することができ、熱交換器1を容易に軽量化することができる。
また、天板部2、底板部3及び複数の側面板4の素材をアルミニウム板とすることにより、主要な部品の作製工程に、鋳造あるいは鍛造を用いる必要がなくなる。そのため、主要な部品の作製工程を短縮化することが容易となり、熱交換器1全体の生産性を容易に向上させることができる。
また、図6に示すように、天板部2及び底板部3を構成するアルミニウム板はクラッド材Cよりなり、ブレージング材Bが熱交換器1の少なくとも内面側に配されている。そのため、天板部2及び底板部3の各々のブレージング材Bにヒートシンク部5及び複数の側面板4を当接させた状態でブレージング材Bを溶融させることにより、天板部2及び底板部3の双方とヒートシンク部5及び複数の側面板4とのろう付け接合を一度に行うことができる。その結果、熱交換器1は生産性に優れたものとなる。
また、図5に示すように、複数の側面板4の互いに対向する一対の端面41はブレージング材Bによりろう付け接合されており、一対の端面41はいずれも、外面側に面する角部42が面取り形状を呈している。また、複数の側面板4の互いに対向する端面41の間隔Dが0.2mm以下である。そのため、熱交換器1のろう付け接合を行う際に、天板部2に配されたブレージング材B及び底板部3に配されたブレージング材Bの双方が一対の端面41の間により流入しやすくなる。その結果、複数の側面板4の間の接合の健全性をより高くすることができる。また、複数の側面板4同士のろう付けのために、別途ろう材を準備する必要がなくなるので、部品点数の増大を防ぐことができる。
また、図7に示すように、冷媒導排管6は、冷媒導排口31に接続されるニップル部61と、ニップル部61に接続されるパイプ部62とから構成されている。そのため、ニップル部61をろう付け接合した後にパイプ部62をニップル部61と接続させることができる。その結果、ろう付け接合の際にパイプ部62の形状を考慮する必要がなくなるため、パイプ部62の形状をより自由に選択することができる。
また、底板部3とニップル部61とは、両者の間に介在させたブレージングシート7によりろう付け接合されている。そのため、ろう付け接合の際にニップル部61とブレージングシート7との間に充分な量のろう材が供給される。その結果、底板部3とニップル部61との接合をより確実に行うことができる。
また、図8に示すように、板状のベース部51と、ベース部51の一方の面530から立設された放熱フィン部52とからなるヒートシンク部5を用いている。そのため、ヒートシンク部5の寸法精度を容易に高くすることができる。また、ヒートシンク部5は、冷媒流路12に配置する際の位置合わせをベース部51により行うことができるため、冷媒流路12内の位置ずれを低減しやすくなる。その結果、熱交換器1は、冷媒液の流通抵抗を低減しやすくなり、放熱性能を向上させやすくなる。
また、図6に示すように、ベース部51と底板部3とがろう付け接合され、放熱フィン部52の先端521と天板部2とがろう付け接合されている。これにより、冷媒流路12と発熱体搭載面21との間には天板部2のみが配されるため、冷媒流路12と発熱体搭載面21との間の金属の厚みを低減しやすくなり、熱抵抗を低減することができる。その結果、熱交換器1の放熱性能をより向上させることができる。
また、図6に示すように、冷媒流路12は、天板部2と底板部3との間に配される中央壁部13によって複数の流路領域120に区画されており、複数の流路領域120に各々ヒートシンク部5が配設されている。そのため、熱交換器1は、複数列に並べた発熱体を冷却する場合に好適なものとなる。また、各々の流路領域120の幅を、流路領域120に流通する冷媒液の流速分布を一様とするのに適切な範囲とすることができる。これにより、冷媒液がヒートシンク部5全体に均一に接触しやすくなるため、ヒートシンク部5全体から均一に放熱することが可能となる。その結果、熱交換器1は、複数の発熱体を均一に冷却することが可能なものとなる。
以上のごとく、熱交換器1は、放熱性に優れるとともに、小型軽量であり、生産性に優れたものとなる。
なお、本例においては、ベース部51を底板部3とろう付け接合し、放熱フィン部52を天板部2とろう付け接合した例を示したが、ベース部51と放熱フィン部52との配置を逆にした構成も可能である。すなわち、本例において、ベース部51を天板部2とろう付け接合した構成も可能である。また、この場合には、放熱フィン部52の先端521は、底板部3にろう付け接合されていてもよく、底板部3から離間して配置されていてもよい。
また、本例においては、一対の端面41のいずれについても、外面側に面する角部42が面取り形状を呈している例を示したが、これ以外の構成も可能である。すなわち、一対の端面41のいずれについても内面側に面する角部を面取り形状としてもよく、また、外面側に面する角部42と内面側に面する角部との双方を面取り形状とすることもできる。また、一方の端面において内面側に面する角部を面取り形状とし、他方の端面において外面側に面する角部42を面取り形状とすることも可能である。
(実施例2)
本例は、実施例1におけるニップル部61を用いない熱交換器102の例である。図9及び図10に示すように、本例の熱交換器102における一対の冷媒導排口31は、底板部3から外方に向けて立設された筒状のカラー部32を有しており、カラー部32の内周面にブレージング材Bが配されている。そして、図10に示すように、カラー部32内に挿入された冷媒導排管602の一端が、ブレージング材Bによりろう付け接合されている。
本例において、底板部3に立設されたカラー部32は、プレス加工において冷媒導排口31を配する領域に貫通穴を形成した後に、当該貫通穴に対してバーリング加工を行うことにより形成されている。これにより、図10に示すように、底板部3に配されたブレージング材Bがカラー部32の内周面まで延設されている。
また、本例の冷媒導排管602は、図10に示すように、カラー部32の開口径と略同一の外径を有する円筒状のパイプを用いている。その他は実施例1と同様である。なお、図9及び図10において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものについては、特に示さない限り実施例1と同様の構成要素等を表すものとする。
本例のように、カラー部32内に挿入された冷媒導排管602の一端が、カラー部32内のブレージング材Bによりろう付け接合されている場合には、冷媒導排管602と底板部3とのろう付け接合に別途ろう材を準備する必要がなくなる。また、冷媒導排管602と底板部3とのろう付け接合を、ヒートシンク部5及び複数の側面板4のろう付け接合と同時に行うことができる。その結果、熱交換器102は、より生産性の高いものとなる。その他、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例3)
本例は、実施例1におけるベース部51と放熱フィン部52とを有するヒートシンク部5に替えて波形板53を用いた熱交換器103の例である。本例の熱交換器103は、図11に示すように、ヒートシンク部5として縦方向Xにおける断面が波形を呈する波形板53を用いている。波形板53は、アルミニウム合金よりなり、図11に示す波形の断面形状を維持しつつ縦方向Xに向けて延伸した形状を有している。そして、波形板53の一方の面530の頂点と天板部2とがブレージング材Bによりろう付け接合され、他方の面531の頂点と底板部3とがブレージング材Bによりろう付け接合されている。その他は、実施例1と同様である。なお、図11において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものについては、特に示さない限り実施例1と同様の構成要素等を表すものとする。
本例においては、ヒートシンク部5として、断面が波形を呈する波形板53を採用し、波形板53の一方の面530の頂点と天板部2とがろう付け接合されている。上述のように、波形板53は、板厚を容易に薄くすることができるため、比較的少ない材料で冷媒液との接触面積を増大させることができる。その結果、熱交換器103を容易に軽量化できるとともに、その放熱性能をより向上させることができる。
また、本例においては、波形板53の他方の面531の頂点と底板部3とがろう付け接合されている。これにより、波形板53が天板部2及び底板部3に対してより強固に接合されるため、波形板53を変形しにくくすることができる。その他、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例4)
本例は、実施例1におけるベース部51と放熱フィン部52とを有するヒートシンク部5に替えて押出多穴管54を用いた熱交換器104の例である。本例の押出多穴管54は、押出加工することにより形成されたアルミニウム合金押出材であり、図12に示すように、押出方向(縦方向X)における断面が長方形状を呈するとともに、その内部に複数の冷媒流通穴540を有している。そして、図12に示すように、押出多穴管54の高さ方向Zにおける両端面はそれぞれ天板部2または底板部3と当接しており、天板部2及び底板部3の双方とブレージング材Bによりろう付け接合されている。その他は、実施例1と同様である。なお、図12において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものについては、特に示さない限り実施例1と同様の構成要素等を表すものとする。
本例においては、ヒートシンク部5として、押出加工により形成され内部に複数の冷媒流通穴540を有する押出多穴管54を採用し、押出多穴管54は天板部2及び底板部3の双方とブレージング材Bによりろう付け接合されている。上述のように、押出成形は生産性に優れた加工方法であるため、押出多穴管54は生産性に優れたものとなる。その結果、熱交換器104全体の生産性を容易に向上させることができる。さらに、押出多穴管54の長さを自由に選択できるため、熱交換器104は、冷却能力の変更等の設計変更が容易なものとなる。その他、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例5)
本例は、図13に示すように、実施例1における側面板4の一対の端面41の間に、別途準備したブレージングシート70を配置してろう付け接合を行った熱交換器1の例である。本例のブレージングシート70は、板厚が0.2〜0.5mmであり、JIS6063合金よりなる板材の両面にJIS4004合金を積層して形成されている。また、本例の側面板4は、幅10mmを超えるアルミニウム板より形成されている。
また、本例では、図13に示すように、ろう付け接合前の状態における個々の端面41とブレージングシート70との間の間隔Hを0.2mm以下とした。その他は実施例1と同様である。
本例のように、別途準備したブレージングシート70を用いてろう付け接合を行うことにより、複数の側面板4の間の接合の健全性をより向上させやすくなる。また、ろう付け接合の際にブレージングシート70からもろう材が供給されるため、例えば幅が10mmを超えるような側面板4を用いる場合にも、健全なろう付け接合を行うことができる。
また、個々の端面41とブレージングシート70との間の間隔Hを0.2mm以下とすることがより好ましく、個々の端面41とブレージングシート70とを当接させることが更に好ましい。この場合には、溶融したブレージング材B等が端面41とブレージングシート70との間により流入しやすくなり、接合の健全性をより向上させやすくなる。
また、ブレージングシート70の厚みは、0.2〜0.5mmであることがより好ましい。ブレージングシート70の厚みが0.2mm未満の場合には、組み立て時に取り扱いがしにくくなるおそれがある。一方、ブレージングシート70の厚みが0.5mmを超える場合には、側面板4の端面41近傍を湾曲させた形状にする際に、湾曲部分の設計が困難となるおそれがある。
なお、実施例1〜5におけるブレージング材Bやブレージングシート7を用いたろう付け接合は、フラックスを用いて行ってもよく、フラックスを用いずに行ってもよい。フラックスを用いる場合には、アルミニウムのろう付け接合に用いる公知のフラックスを採用することができる。また、フラックスを用いない場合には、例えば真空雰囲気中でろう付けを行う真空ろう付け法を採用することができる。
また、実施例1〜5には、心材AとしてJIS6063合金を用いた例を示したが、心材Aの材質はこれに限定されることはなく、例えばJIS3003合金等の耐食性の良好な材質を用いることも可能である。
(実施例6)
本例は、実施例1における熱交換器1のろう付けを、フラックスを用いずに不活性ガス雰囲気下で行う例である。本例の熱交換器1は、天板部2及び底板部3の素材として、表1に示す種々の化学成分を有する2層もしくは3層に積層されたクラッド材Cを用いている。
2層クラッド材としては、全体の厚さを1mmとし、心材Aの片面に10%(厚さ0.1mm)のクラッド率でブレージング材Bが積層されたものを用いた。また、3層クラッド材は、全体の厚さを1mmとし、心材Aの片面に中間材Iとブレージング材Bとがこの順序で積層されたものを用いた。中間材Iのクラッド率は5%(厚さ0.05mm)とし、ブレージング材Bのクラッド率は10%(厚さ0.1mm)とした。これらのクラッド材は、熱間圧延、冷間圧延及び熱処理を適宜組み合わせることにより製造できる。
本例においては、表1に示す化学成分を有する心材A、ブレージング材B及び中間材Iを組み合わせることにより29種のクラッド材Cを作製し、各々のクラッド材を用いて表1に示す熱交換器1(試験体No.1〜No.29)を作製した。また、ブレージングシート7には、JIS6063合金よりなる板材の両面に、表1に示す試験体No.1において用いたブレージング材Bを積層したものを用いた。その他は実施例1と同様である。
本例におけるろう付け接合は、予熱室とろう付け室とを備えた二室型の窒素ガス炉を用いて以下の手順により行った。なお、予熱室及びろう付け室のそれぞれの内容積は0.4mであった。
まず、熱交換器1を窒素ガス炉のろう付け室内に装入し、窒素ガス炉の各室に20m/hの流量にて窒素ガスを送り込み、到達温度が595℃となるようにろう付け室内を昇温させた。このとき、ろう付け室内の温度が450℃から595℃に到達するまでの時間は約12分であった。
ろう付け室内の温度が595℃に到達した後、熱交換器1の温度が595℃に達した時点で加熱を終了し、熱交換器1を予熱室に移動させた。このとき、ろう付け室内の酸素濃度は7〜17ppmであった。次いで、予熱室にて熱交換器1を550℃まで冷却した後、窒素ガス炉から取り出して大気中で冷却した。
上述のようにして作製した各々の熱交換器1(試験体No.1〜No.29)について、ろう付け接合部のフィレットを目視及び実体顕微鏡にて観察した。さらに、熱交換器1の略中央部を切断して縦方向Xに垂直な断面を露出させ、実体顕微鏡を用いて当該断面を観察した。
フィレット及び断面を観察した結果を表1に示す。なお、表1における観察結果の欄に記載した記号は、以下の状態を示している。
A:ろう付け接合部の全長にわたって均一なフィレットを形成されている状態
B:ろう付け接合部の全長に渡って均一なフィレットを形成し、Aよりも形成されたフィレットが若干小さい状態
C:フィレットが形成されず、ろう付け接合がなされていない箇所がある状態
D:放熱フィン部の少なくとも一部に溶解した痕跡がある状態
E:心材Aもしくは中間材Iへのエロージョンが確認できる状態
F:クラッド材Cの圧延時に割れが発生し、製造できなかった状態
Figure 2014176892
表1より知られるように、試験体No.1〜No.21はいずれも、ろう付け接合部の全長にわたって均一なフィレットが形成され、健全なろう付け接合がなされていることが確認された。
試験体No.22は、ブレージング材BのSi含有量が少なすぎたため、フィレットが形成されていない部分があった。
試験体No.23は、ブレージング材BのSi含有量が多すぎたため、放熱フィン部に溶解した痕跡が見られた。
試験体No.24及びNo.25は、ブレージング材BのLi含有量が上記特定の範囲外であったため、フィレットが形成されていない部分があった。
試験体No.26は、心材AのMg含有量が多すぎたため、心材Aがエロージョンを受けていることが確認された。
試験体No.27及びNo.29は、心材Aまたは中間材IのMn含有量が多すぎたため、クラッド材Cを圧延した際に割れが発生し、製造できなかった。
試験体No.28は、中間材IのMg含有量が多すぎたため、中間材Iがエロージョンを受けていることが確認された。
なお、実施例1〜6には中央壁部13により冷媒流路12を2つの流路領域120に区画した例を示したが、発熱体搭載面21に複数列の発熱体を搭載する必要がない場合には、中央壁部13を用いず、冷媒流路12を複数の流路領域120に分割しない構成をとることも可能である。
また、実施例1〜6においては、ヒートシンク部5の材質にJIS6063合金を用いた例を示したが、その他の合金を用いることも可能であり、例えばJIS1050合金を用いることもできる。
1、102、103、104 熱交換器
12 冷媒流路
2 天板部
21 発熱体搭載面
3 底板部
31 冷媒導排口
4 側面板
5 ヒートシンク部
6、602 冷媒導排管
A 心材
B ブレージング材
C クラッド材

Claims (20)

  1. アルミニウム板をプレス加工して形成された天板部及び底板部と、
    アルミニウム板を曲げ加工して形成され、上記天板部と上記底板部との間に配される複数の側面板と、
    上記天板部と、上記底板部と、上記複数の側面板とに囲まれた冷媒流路内に配されるヒートシンク部と、
    上記天板部または底板部に設けられた上記冷媒流路に連通する一対の冷媒導排口と、
    該一対の冷媒導排口に接続される一対の冷媒導排管とを有し、
    上記天板部は、上記冷媒流路と反対側に発熱体を搭載するための発熱体搭載面を有しており、
    上記天板部及び上記底板部を構成する上記アルミニウム板は、心材と該心材の少なくとも内面側に積層されたブレージング材とからなるクラッド材よりなり、上記ブレージング材は、上記心材よりも融点が低く、かつ、上記側面板及び上記ヒートシンク部の各々を構成する材料よりも融点が低く、
    該ブレージング材により、上記複数の側面板が上記天板部及び上記底板部の双方とろう付け接合され、かつ、上記ヒートシンク部が少なくとも上記天板部とろう付け接合されていることを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器において、上記複数の側面板の互いに対向する一対の端面は上記ブレージング材によりろう付け接合されており、上記一対の端面はいずれも、外面側に面する角部と内面側に面する角部との少なくとも一方が面取り形状を呈していることを特徴とする熱交換器。
  3. 請求項1または2に記載の熱交換器において、上記複数の側面板の互いに対向する端面の間隔が0.2mm以下であることを特徴とする熱交換器。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器において、上記冷媒導排管は、上記冷媒導排口に接続されるニップル部と、該ニップル部に接続されるパイプ部とからなることを特徴とする熱交換器。
  5. 請求項4に記載の熱交換器において、上記底板部と上記ニップル部とは、両者の間に介在させたブレージングシートによりろう付け接合されていることを特徴とする熱交換器。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器において、上記一対の冷媒導排口は、上記底板部から外方に向けて立設された筒状のカラー部を有し、該カラー部の内周面に上記ブレージング材が配されており、上記カラー部内に挿入された冷媒導排管の一端が、上記ブレージング材によりろう付け接合されていることを特徴とする熱交換器。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱交換器において、上記ヒートシンク部は、板状のベース部と、該ベース部の一方の面から立設された放熱フィン部とからなることを特徴とする熱交換器。
  8. 請求項7に記載の熱交換器において、上記ベース部と上記底板部とが上記ブレージング材によりろう付け接合され、上記放熱フィン部の先端と上記天板部とが上記ブレージング材によりろう付け接合されていることを特徴とする熱交換器。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱交換器において、上記ヒートシンク部は、断面が波形を呈する波形板であり、少なくとも該波形板の一方の面の頂点と上記天板部とが上記ブレージング材によりろう付け接合されていることを特徴とする熱交換器。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱交換器において、上記ヒートシンク部は、押出加工により形成され内部に複数の冷媒流通穴を有する押出多穴管であり、該押出多穴管は上記ブレージング材により上記天板部及び上記底板部の双方とろう付け接合されていることを特徴とする熱交換器。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱交換器において、上記冷媒流路は、上記天板部と上記底板部との間に配される中央壁部によって複数の流路領域に区画されており、該複数の流路領域に各々ヒートシンク部が配設されていることを特徴とする熱交換器。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱交換器において、上記天板部及び上記底板部における、上記心材は、Mg:1.3%(質量%、以下同様)以下を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる化学成分を有し、かつ、上記ブレージング材は、Si:6〜13%、Li:0.004〜0.1%を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる化学成分を有することを特徴とする熱交換器。
  13. 請求項12に記載の熱交換器において、上記心材は、さらにMn:0.05〜1.8%、Si:1.0%以下、Fe:1.0%以下、Cu:0.9%以下、Zn:6.5%以下、Ti:0.2%以下、Zr:0.5%以下よりなる群より選択される1種または2種以上の化学成分を含有していることを特徴とする熱交換器。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱交換器において、上記天板部及び上記底板部を構成する上記クラッド材は、上記心材と上記ブレージング材との間に中間材が積層されており、該中間材はMg:1.3%以下を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる化学成分を有しており、かつ、上記ブレージング材はSi:6〜13%、Li:0.004〜0.1%を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる化学成分を有していることを特徴とする熱交換器。
  15. 請求項14に記載の熱交換器において、上記中間材は、さらにMn:0.05〜1.8%、Si:1.0%以下、Fe:1.0%以下、Cu:0.9%以下、Zn:6.5%以下、Ti:0.2%以下、Zr:0.5%以下からなる群より選択される1種または2種以上の化学成分を含有していることを特徴とする熱交換器。
  16. 請求項14または15に記載の熱交換器において、上記心材は、Mn:0.05〜1.8%を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる化学成分を有していることを特徴とする熱交換器。
  17. 請求項16に記載の熱交換器において、上記心材は、さらにSi:1.0%以下、Fe:1.0%以下、Cu:0.9%以下、Zn:6.5%以下、Ti:0.2%以下、Zr:0.5%以下からなる群より選択される1種または2種以上の化学成分を含有していることを特徴とする熱交換器。
  18. 請求項12〜17のいずれか1項に記載の熱交換器において、上記ブレージング材は、さらにBi:0.004〜0.2%、Mg:0.05〜0.4%からなる群より選択される1種または2種の化学成分を含有していることを特徴とする熱交換器。
  19. 請求項12〜18のいずれか1項に記載の熱交換器において、上記ブレージング材は、さらにSr:0.002〜0.05%、Sb:0.003〜0.07%からなる群より選択される1種または2種の化学成分を含有していることを特徴とする熱交換器。
  20. 請求項12〜19のいずれか1項に記載の熱交換器において、上記ブレージング材は、さらにFe:0.05〜0.8%、Mn:0.05〜0.2%、Ti:0.01〜0.15%からなる群より選択される1種または2種以上の化学成分を含有していることを特徴とする熱交換器。
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