JP2019098378A - 液冷ジャケットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度を高めることができるとともに製造コストを低減することができる液冷ジャケットの製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】周壁部11の内周縁に、段差底面13a及び段差側面13bを有する周壁段差部13を形成するとともに、支柱12の支柱端面12aを段差底面13aよりも若干高い位置に形成する準備工程と、段差側面13bと封止体3の外周側面3cとの間に隙間を設けつつ、支柱端面12aに封止体3を載置する載置工程と、支柱端面12aと封止体3の裏面3bとを近接する方向に押圧した状態で、ジャケット本体2及び封止体3を相対的かつ直線的に往復移動させる摩擦圧接工程と、回転する第一回転ツールFを封止体3の周りに一周させて、第二重合部J2を摩擦攪拌接合する本接合工程と、を含み、準備工程では、摩擦圧接が可能なように前記隙間を設定することを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、液冷ジャケットの製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、発熱体を冷却する液冷ジャケットが記載されている。当該液冷ジャケットは、底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部及び前記底部から立ち上がる複数の支柱を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成されている。ジャケット本体と封止体とを接合する際には、周壁部の段差側面と封止体の外周側面とが突き合わされた第一突合せ部に対して、摩擦攪拌を行う第一摩擦攪拌工程を行う。また、支柱の突起部と封止体の孔部とが突き合わされた第二突合せ部に対して支柱ごと摩擦攪拌を行う第二摩擦攪拌工程と行う。第一突合せ部に加え、第二突合せ部も各支柱ごとに摩擦攪拌接合することにより、液冷ジャケットの強度をより高めることができる。
特開2016−87649号公報
従来の液冷ジャケットの製造方法では、支柱の本数の分だけ第二摩擦攪拌工程の工数が増えるため、製造コストが増加するという問題がある。
そこで、本発明は、強度を高めることができるとともに製造コストを低減することができる液冷ジャケットの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部及び前記底部から立ち上がる支柱を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを接合する液冷ジャケットの製造方法であって、前記周壁部の内周縁に、段差底面及び段差底面から立ち上がる段差側面を有する周壁段差部を形成するとともに、前記支柱の支柱端面を前記段差底面よりも若干高い位置に形成する準備工程と、前記段差側面と前記封止体の外周側面との間に隙間を設けつつ、前記支柱端面に前記封止体を載置する載置工程と、前記支柱端面と前記封止体の裏面とを近接する方向に押圧した状態で、少なくとも前記周壁段差部の前記段差底面と前記封止体の裏面の周縁部とが接触するまで前記ジャケット本体及び前記封止体を相対的かつ直線的に往復移動させる摩擦圧接工程と、回転する前記回転ツールを前記封止体の周りに一周させて、前記段差底面と前記封止体の裏面とが重ね合わされた重合部及び前記段差側面と前記封止体の外周側面とが突き合わされた突合せ部のうち、少なくとも前記重合部を摩擦攪拌接合する本接合工程と、を含み、前記準備工程では、摩擦圧接が可能なように前記隙間を設定することを特徴とする。
かかる製造方法によれば、支柱と封止体とを摩擦圧接で接合するため、支柱の本数に関わらず一の工程で接合することができる。これにより、液冷ジャケットの強度を高めることができるとともに、製造コストを低減することができる。また、段差底面と封止体の裏面とが重ね合わされた重合部に対しては摩擦攪拌接合を行うことにより、気密性及び水密性を高めることができる。
また、前記封止体の板厚を前記段差側面の高さ寸法よりも大きくなるように形成することが好ましい。
かかる製造方法によれば、ジャケット本体と封止体との間の隙間を好適に埋めることができる。
また、前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記準備工程では、前記周壁段差部の前記段差側面を開口部に向かって外側に傾斜するように形成し、前記回転ツールの攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、前記本接合工程では、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記封止体のみに接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。
材種の異なるジャケット本体と封止体とを摩擦攪拌接合すると、各部材から回転ツールが受ける材料抵抗が異なるため、バランス良く攪拌することが困難となり、接合後の塑性化領域に空洞欠陥が発生し接合強度が低下するという問題がある。
かかる製造方法によれば、攪拌ピンのみを封止体のみに接触させて摩擦攪拌を行うため、ジャケット本体から封止体への第一アルミニウム合金の混入は殆どない。これにより、重合部においては主として封止体側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。また、ジャケット本体の段差側面を外側に傾斜させているため、接合強度の低下を招くことなく攪拌ピンとジャケット本体との接触を容易に回避することができる。
また、前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記準備工程では、前記周壁段差部の前記段差側面を開口部に向かって外側に傾斜するように形成し、前記回転ツールの攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、前記本接合工程では、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記封止体に接触させるとともに、前記ジャケット本体の前記段差側面にもわずかに接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。
かかる製造方法によれば、攪拌ピンの外周面をジャケット本体の段差側面にわずかに接触させるに留めるため、ジャケット本体から封止体への第一アルミニウム合金の混入を極力小さくすることができる。これにより、突合せ部においては主として封止体側の第二アルミニウム合金が摩擦攪拌されるため、接合強度の低下を抑制することができる。また、ジャケット本体の段差側面を外側に傾斜させているため、攪拌ピンがジャケット本体側に大きく侵入することなく突合せ部を接合することができる。
また、前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記準備工程では、前記周壁段差部の前記段差側面を開口部に向かって外側に傾斜するように形成し、前記回転ツールの攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、前記本接合工程では、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記段差底面よりも深く挿入するとともに、前記攪拌ピンの外周面と前記段差側面とを離間させた状態で摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。
かかる製造方法によれば、ジャケット本体から封止体への第一アルミニウム合金の混入を極力小さくすることができる。また、ジャケット本体の段差側面を外側に傾斜させているため、接合強度の低下を招くことなく攪拌ピンとジャケット本体との接触を容易に回避することができる。また、攪拌ピンを段差底面よりも深く挿入することにより、重合部を確実に摩擦攪拌できるため接合強度を高めることができる。
また、前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、前記準備工程では、前記周壁段差部の前記段差側面を開口部に向かって外側に傾斜するように形成し、前記回転ツールの攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、前記本接合工程では、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記段差底面よりも深く挿入するとともに、前記攪拌ピンの外周面と前記段差側面とをわずかに接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。
かかる製造方法によれば、攪拌ピンと段差側面とはわずかに接触させるに留めるため、ジャケット本体から封止体への第一アルミニウム合金の混入を極力小さくすることができる。また、攪拌ピンを段差底面よりも深く挿入することにより、重合部を確実に摩擦攪拌できるため接合強度を高めることができる。
本発明に係る液冷ジャケットの製造方法によれば、強度を高めることができるとともに製造コストを低減することができる。
本発明の第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の準備工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の載置工程、摩擦圧接工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の摩擦圧接工程後を示す断面図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す断面図である。 第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す断面図である。 第四実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す断面図である。
〔第一実施形態〕
本発明の第一実施形態に係る液冷ジャケット及び液冷ジャケットの製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る液冷ジャケット1は、ジャケット本体2と、封止体3とで構成されている。液冷ジャケット1は、内部に流体を流通させ、載置される発熱体と熱交換を行う部材である。ジャケット本体2は、底部10と、周壁部11と、複数の支柱12とで主に構成されている。なお、以下の説明における「表面」とは「裏面」の反対側の面という意味である。
底部10は、矩形を呈する板状部である。周壁部11は、底部10の周縁から立ち上がる矩形枠状部である。底部10と周壁部11とで凹部14が形成される。支柱12は、底部10から立ち上がる柱状部である。支柱12の形状は特に制限されないが、本実施形態では円柱になっている。支柱12の本数も特に制限されるものではない。周壁部11の内周縁には、段差底面13aと、段差底面13aから立ち上がる段差側面13bとで構成される周壁段差部13が形成されている。図2に示すように、段差側面13bは、ジャケット本体2の開口部に向かうにつれて(上方に向かうにつれて)外側に傾斜している。段差側面13bの傾斜角度βは適宜設定すればよいが、本実施形態では攪拌ピンF2(図5参照)の外周面の傾斜角度αと同一に設定されている。
封止体3は、ジャケット本体2の開口部を封止する部材である。本実施形態では、図3に示すように、摩擦圧接工程を行った後に、封止体3の板厚が、段差側面13bの高さ寸法(鉛直方向の高さ寸法)よりも大きくなるように設定されている。
ジャケット本体2及び封止体3は、摩擦圧接及び摩擦攪拌接合が可能な金属材料で形成されている。ジャケット本体2は、本実施形態ではアルミニウム合金(JIS:ADC12 アルミニウム合金鋳造材)で形成されている。また、封止体3は、本実施形態ではアルミニウム合金(JIS:A6063 アルミニウム合金展伸材)で形成されている。本実施形態では、ジャケット本体2及び封止体3のアルミニウム合金の材種が異なっているが共通でもよい。
本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、準備工程と、載置工程と、摩擦圧接工程と、本接合工程とを行う。準備工程は、図1に示すように、ジャケット本体2及び封止体3を用意する工程である。ジャケット本体2の支柱12の支柱端面12aは、周壁段差部13の段差底面13aよりも若干高くなるように形成する。また、ジャケット本体2の周壁段差部13は、図2に示すように、ジャケット本体2に封止体3を載置した際に、封止体3の外周側面3cと段差側面13bとの間に隙間が形成されるように形成する。当該隙間は、後記する摩擦圧接工程の際に、ジャケット本体2及び封止体3を摩擦圧接が可能な程度(振幅可能な程度)に設定する。
載置工程は、図2に示すように、ジャケット本体2に封止体3を載置する工程である。載置工程では、支柱12の支柱端面12aと封止体3の裏面3bとを重ね合わせることにより第一重合部J1がそれぞれ形成される。支柱12の支柱端面12aは、段差底面13aよりも若干高くなるように形成されているため、載置工程では周壁部11の段差底面13aと封止体3の裏面3bの周縁部とはわずかな隙間をあけて離間している。
摩擦圧接工程は、図2に示すように、ジャケット本体2と封止体3とを相対的かつ直線的に往復移動させて摩擦圧接を行う工程である。摩擦工程では、ジャケット本体2と封止体3とを互いに近接する方向に押圧した状態で、ジャケット本体2及び封止体3を相対的に往復移動させる。移動方向は、特に制限されないが、本実施形態では、周壁部11の長辺部と平行に直線的に移動させる。また、本実施形態では、ジャケット本体2は移動させず、封止体3のみを直線的に往復移動させている。
摩擦工程における条件は適宜設定すればよいが、例えば、周波数100〜260Hz、振幅1.0〜2.0mm、摩擦圧力20〜60MPa、に設定する。摩擦工程の時間は5〜10秒程度に設定する。
圧接工程では、摩擦工程が終わった後に、ジャケット本体2及び封止体3を相対移動させずに互いに近接する方向に押圧する。圧接工程における条件は適宜設定すればよいが、例えば、圧力を60〜80MPaに設定する。圧接工程の時間は3〜5秒程度に設定する。図3に示すように、摩擦圧接工程によって、支柱12と封止体3とが接合されるが、その際に支柱12の先端側が摩擦圧接によってわずかに短くなり、第一重合部J1にはそれぞれバリVが形成される。
摩擦圧接工程によって、周壁段差部13の段差底面13aと封止体3の裏面3bとが重ね合わされて第二重合部J2が形成される。摩擦圧接工程では、第一重合部J1及び第二重合部J2の両方が接合されるように設定してもよいが、本実施形態では、第一重合部J1のみ摩擦圧接され、第二重合部J2は周壁段差部13の段差底面13aと封止体3の裏面3bとは接触しているのみである。つまり、摩擦圧接工程では、少なくとも周壁段差部13の段差底面13aと封止体3の裏面3bの周縁部とが接触するまで摩擦圧接を行う。図3に示すように、摩擦圧接工程後、封止体3の表面3aは、周壁部11の周壁端面11aよりも高い位置にある。また、段差側面13bと封止体3の外周側面3cとは隙間をあけて対向し突合せ部U1が形成される。
本接合工程は、図4に示すように、封止体3の表面3aから第一回転ツールFを挿入して摩擦攪拌接合を行う工程である。第一回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されている。連結部F1は、摩擦攪拌装置の回転軸に連結される部位である。連結部F1は円柱状を呈し、ボルトが締結されるネジ孔(図示省略)が形成されている。
攪拌ピンF2は、連結部F1から垂下しており、連結部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2は連結部F1から離間するにつれて先細りになっている。攪拌ピンF2の長さは、封止体3の板厚よりも大きくなっている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝が刻設されている。本実施形態では、第一回転ツールFを右回転させるため、螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。言い換えると、螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て左回りに形成されている。
なお、第一回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。言い換えると、この場合の螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て右回りに形成されている。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝によって攪拌ピンの先端側に導かれる。これにより、被接合金属部材(ジャケット本体2及び封止体3)の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
本接合工程では、封止体3の表面3aに設定した開始位置Spから第一回転ツールFを挿入し、第二重合部J2に沿って第一回転ツールFを相対移動させる。第一回転ツールFは高速で右回転させ、封止体3に対して右回りに相対移動させる。図5に示すように、本接合工程では、第一回転ツールFの攪拌ピンF2のみを封止体3のみに接触させた状態で、封止体3の回りを一周させる。第一回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域Wが形成される。本接合工程において、塑性化領域Wの始端と終端とを重複させたら封止体3から第一回転ツールFを引き抜く。第一回転ツールFを引き抜くことによって発生した引き抜き穴には肉盛り溶接を行って補修工程を行ってもよいし、引き抜き穴が発生しないように、第一回転ツールFを徐々に上方に引き抜いてもよい。本接合工程では、攪拌ピンF2と封止体3との摩擦熱で第二重合部J2が塑性流動化し接合される。また、本接合工程後に、封止体3の表面3aに残存するバリを切除するバリ除去工程を行ってもよい。
以上説明した本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法によれば、支柱12と封止体3とを摩擦圧接で接合するため、支柱12の本数に関わらず一の工程で接合することができる。これにより、従来のように支柱12と封止体3とをそれぞれ摩擦攪拌接合する場合と比べて工数を少なくすることができるため、製造コストを低減することができる。また、周壁段差部13の段差底面13aと封止体3の裏面3bとが重ね合わされた第二重合部J2に対しては摩擦攪拌接合を行うことにより、液冷ジャケット1の気密性及び水密性を高めることができる。第二重合部J2及び突合せ部U1は、少なくとも第二重合部J2が摩擦攪拌接合するように設定すればよい。また、第二重合部J2に加え、全ての支柱12と封止体3とを接合することにより、液冷ジャケット1の強度を高めることができる。
また、本接合工程では、第一回転ツールFの攪拌ピンF2のみを被接合金属部材に接触させるため、回転ツールのショルダ部を封止体3に接触させる場合と比べて摩擦攪拌装置に作用する負荷を軽減することができる。
また、封止体3の板厚を、段差側面13bの高さ寸法よりも大きくすることにより、摩擦圧接工程の際にジャケット本体2及び封止体3の両方を摩擦圧接装置に好適に保持させることができる。
また、ジャケット本体2の第一アルミニウム合金は、封止体3の第二アルミニウム合金よりも硬度の高い材料になっている。これにより、ジャケット本体2の耐久性を高めることができる。また、ジャケット本体2の第一アルミニウム合金をアルミニウム合金鋳造材とし、封止体3の第二アルミニウム合金をアルミニウム合金展伸材とすることが好ましい。第一アルミニウム合金を例えば、JISH5302 ADC12等のAl−Si−Cu系アルミニウム合金鋳造材とすることにより、ジャケット本体2の鋳造性、強度、被削性等を高めることができる。また、第二アルミニウム合金を例えば、JIS A1000系又はA6000系とすることにより、加工性、熱伝導性を高めることができる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。図6に示すように、本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、第一回転ツールFの挿入深さが第一実施形態と相違する。第二実施形態では、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の本接合工程では、第一回転ツールFの攪拌ピンF2が段差底面13aと接触するように挿入深さを設定する。これにより、第二重合部J2をより確実に摩擦攪拌接合することができる。また、第二実施形態によっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、攪拌ピンF2とジャケット本体2との接触代を小さくすればジャケット本体2の第一アルミニウム合金が封止体3内に混入するのを極力防ぐことができる。また、第一実施形態及び第二実施形態では、図6に示すように、第一回転ツールFが段差側面13bに接触しない範囲で、段差底面13aに対して段差側面13bが傾斜せず、垂直としてもよい。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。図7に示すように、本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、第一回転ツールFの挿入深さ及び挿入位置が第一実施形態と相違する。第三実施形態では、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の本接合工程では、第一回転ツールFの攪拌ピンF2が段差底面13aと接触するように挿入深さを設定する。また、攪拌ピンF2の外周面を段差側面13bとわずかに接触するように接合位置を設定する。
ここで、段差側面13bに対する攪拌ピンF2の外周面の接触代をオフセット量Nとする。本実施形態のように、攪拌ピンF2の外周面を段差側面13bに接触させ、かつ、攪拌ピンF2の先端を段差底面13aに接触させる場合は、オフセット量Nを、0<N≦0.5mmの間で設定し、好ましくは0<N≦0.25mmの間で設定する。
従来の液冷ジャケットの製造方法であると、ジャケット本体2と封止体3とで硬度が異なるため、第一回転ツールFの回転中心軸を挟んで一方側と他方側とで攪拌ピンF2が受ける材料抵抗も大きく異なる。そのため、塑性流動材がバランス良く攪拌されず、接合強度が低下する要因になっていた。しかし、本実施形態によれば、攪拌ピンF2の外周面とジャケット本体2との接触代を極力小さくしているため、攪拌ピンF2がジャケット本体2から受ける材料抵抗を極力小さくすることができる。また、本実施形態では、段差側面13bの傾斜角度βと、攪拌ピンF2の傾斜角度αとを同一(段差側面13bと攪拌ピンF2の外周面とを平行)にしているため、攪拌ピンF2と段差側面13bとの接触代を高さ方向に亘って均一にすることができる。これにより、本実施形態では、塑性流動材がバランス良く攪拌されるため、接合部の強度低下を抑制することができる。また、第二重合部J2及び突合せ部U1のうち、少なくとも第二重合部J2が接合されればよいが、本実施形態のように突合せ部U1も接合されることにより、接合強度をより高めることができる。
また、本実施形態では、攪拌ピンF2の先端を段差底面13aに接触させるため、第二重合部J2を確実に摩擦攪拌接合することができる。
また、本実施形態では、段差側面13bと封止体3の外周側面3cとの間の突合せ部U1に、摩擦圧接可能な程度の隙間が形成されているが、封止体3の厚さを段差側面13bの高さ寸法よりも大きく設定しているため、当該隙間に金属を補充することができる。
[第四実施形態]
次に、第四実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。図8に示すように、本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、第一回転ツールFの挿入深さが第三実施形態と相違する。第四実施形態では、第三実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の本接合工程では、第一回転ツールFの攪拌ピンF2と段差底面13aとが接触しない程度に第一回転ツールFの挿入深さを設定する。つまり、本接合工程では、攪拌ピンF2を段差側面13bにわずかに接触させつつ、攪拌ピンF2の先端を段差底面13aに接触させずに摩擦攪拌接合を行う。第四実施形態によっても、第三実施形態と概ね同等の効果を奏することができる。また、第四実施形態では、第一回転ツールFと封止体3との摩擦熱によって第二重合部J2の周りが塑性流動化し第二重合部J2が接合される。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、封止体3の板厚は、段差側面13bの高さ寸法と略同等としてもよい。
1 液冷ジャケット
2 ジャケット本体
3 封止体
3a 表面
3b 裏面
3c 外周側面
10 底部
11 周壁部
11a 周壁端面
12 支柱
12a 支柱端面
13 周壁段差部
13a 段差底面
13b 段差側面
F 第一回転ツール(回転ツール)
F2 攪拌ピン
J1 第一重合部
J2 第二重合部
U1 突合せ部

Claims (6)

  1. 底部、前記底部の周縁から立ち上がる周壁部及び前記底部から立ち上がる支柱を有するジャケット本体と、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体とで構成され、前記ジャケット本体と前記封止体とを接合する液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記周壁部の内周縁に、段差底面及び段差底面から立ち上がる段差側面を有する周壁段差部を形成するとともに、前記支柱の支柱端面を前記段差底面よりも若干高い位置に形成する準備工程と、
    前記段差側面と前記封止体の外周側面との間に隙間を設けつつ、前記支柱端面に前記封止体を載置する載置工程と、
    前記支柱端面と前記封止体の裏面とを近接する方向に押圧した状態で、少なくとも前記周壁段差部の前記段差底面と前記封止体の裏面の周縁部とが接触するまで前記ジャケット本体及び前記封止体を相対的かつ直線的に往復移動させる摩擦圧接工程と、
    回転する回転ツールを前記封止体の周りに一周させて、前記段差底面と前記封止体の裏面とが重ね合わされた重合部及び前記段差側面と前記封止体の外周側面とが突き合わされた突合せ部のうち、少なくとも前記重合部を摩擦攪拌接合する本接合工程と、を含み、
    前記準備工程では、摩擦圧接が可能なように前記隙間を設定することを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  2. 前記封止体の板厚を前記段差側面の高さ寸法よりも大きくなるように形成することを特徴とする請求項1に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  3. 前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    前記準備工程では、前記周壁段差部の前記段差側面を開口部に向かって外側に傾斜するように形成し、
    前記回転ツールの攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、
    前記本接合工程では、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記封止体のみに接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  4. 前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    前記準備工程では、前記周壁段差部の前記段差側面を開口部に向かって外側に傾斜するように形成し、
    前記回転ツールの攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、
    前記本接合工程では、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記封止体に接触させるとともに、前記ジャケット本体の前記段差側面にもわずかに接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  5. 前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    前記準備工程では、前記周壁段差部の前記段差側面を開口部に向かって外側に傾斜するように形成し、
    前記回転ツールの攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、
    前記本接合工程では、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記段差底面よりも深く挿入するとともに、前記攪拌ピンの外周面と前記段差側面とを離間させた状態で摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  6. 前記ジャケット本体は第一アルミニウム合金によって形成されており、前記封止体は第二アルミニウム合金によって形成されており、前記第一アルミニウム合金は前記第二アルミニウム合金よりも硬度が高い材種であり、
    前記準備工程では、前記周壁段差部の前記段差側面を開口部に向かって外側に傾斜するように形成し、
    前記回転ツールの攪拌ピンの外周面は先細りとなるように傾斜しており、
    前記本接合工程では、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記段差底面よりも深く挿入するとともに、前記攪拌ピンの外周面と前記段差側面とをわずかに接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
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