JP4687706B2 - 液冷ジャケット - Google Patents

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Description

本発明は、CPUなどの熱発生体を冷却する液冷ジャケットに関する。
近年、パーソナルコンピュータに代表される電子機器は、その性能が向上するにつれて、搭載されるCPU(熱発生体)の発熱量が増大し、CPUの冷却が益々重要になっている。従来、CPUを冷却するために、空冷ファン方式のヒートシンクが使用されてきたが、ファン騒音や、空冷方式での冷却限界といった問題がクローズアップされるようになり、次世代冷却方式として、液冷ジャケット(水冷ジャケット、液冷モジュールとも称される)が注目されている。
このような技術について、例えば特許文献1では、蛇行状に形成され、その両端に取込口、排出口が設けられた金属管を内蔵する液冷ジャケットが提案されている。
特開昭63−293865号公報(第2頁右上欄第2行目〜左下欄第 15行目、第1図、第2図)
しかしながら、特許文献1に記載の液冷ジャケットのように、冷却水が流通する流路が1本であると、冷却水が受ける圧力損失が大きくなる。これにより、CPUを効率的に冷却できないだけでなく、冷却水を供給するポンプの出力を大きくしなければならないという問題があった。
そこで、本発明は、前記問題を解決すべく、CPUなどの熱発生体を効率的に冷却できる液冷ジャケットを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、熱発生体が所定位置に取り付けられ、当該熱発生体が発生する熱を、外部の熱輸送流体供給手段から供給され内部を流通する熱輸送流体に伝達させる液冷ジャケットであって、内部に前記熱輸送流体が流れると共に金属製のフィンを収容するフィン収容室と挿通孔を有する脚部とを有するジャケット本体と、前記フィン収容室を封止する封止体と、を備え、前記フィン収容室を取り囲む前記ジャケット本体の周壁と前記封止体との合わせ部が摩擦攪拌接合されており、摩擦攪拌接合において使用するツールの抜き位置は前記合わせ部から外されて前記挿通孔に相当する部分であると共に、前記金属製のフィンは、前記封止体に立設されており、当該封止体と一体であることを特徴とする液冷ジャケットである。
このような液冷ジャケットによれば、フィンと封止体とが一体であるため、両者間における熱伝達性は高い。よって、封止体にCPU等の熱発生体を取り付ければ、熱発生体の熱が封止体を介して、複数のフィンに良好に伝達する。その結果として、液冷ジャケットにおける熱発生体の放熱性能は高くなる。
また、複数の金属製のフィンと封止体とが一体であることにより、封止体でフィン収容室を封止すると同時に、複数の金属製のフィンをフィン収容室の所定位置に配置させることができる。すなわち、液冷ジャケットの生産工程を減らすことができ、容易に生産可能であると共に、その生産コストを下げることができる。また、このように複数の金属製のフィンと封止体とが一体であるものは、例えば、後記する第5実施形態に記載するように、アルミニウム合金製のプレート(板材)をスカイブ加工することで得ることができる。
また、このように、スカイブ加工等によって、フィンと封止体とが一体で成形されたものであれば、当然に、フィンと封止体とをロウ材等によって接合する必要はなく、これにより、熱輸送流体の汚染等を防止することができる。
さらに、ロウ材等を使用せずに、摩擦攪拌接合によって、封止体とジャケット本体とを接合するため、ロウ材等によって熱輸送流体(冷媒)が汚染されるおそれは全くなく、さらに、液冷システムを構成するマイクロポンプやラジエータ等の機器類が、ロウ材等によって腐食するおそれは全くない。
また、このような液冷ジャケットによれば、ツールの抜き位置が合わせ部から外されていることにより、ピンの抜け跡が合わせ部に形成されることはない。これにより、ジャケット本体と封止体とを好適に接合することができる。
また、前記摩擦攪拌接合における始端と終端とがオーバーラップしていることを特徴とする。
このような液冷ジャケットによれば、摩擦攪拌接合における始端と終端とがオーバーラップしていることにより、ジャケット本体の周壁と、封止体とを良好に接合することができる。これにより、熱輸送流体が外部に漏れにくくなる。
また、前記周壁が外側に変形しないように前記周壁に治具を当てながら前記摩擦攪拌接合されたことを特徴とする。
このような液冷ジャケットによれば、周壁に治具を当てながら摩擦攪拌接合することにより、摩擦攪拌接合によって周壁が外側に変形しにくくなる。また、このように治具を当てることにより、周壁が薄く、摩擦攪拌接合に使用するツールにおけるショルダーの外周面と、周壁の外周面との距離(隙間)が、例えば、2.0mm以下であっても、周壁を変形させずに、摩擦攪拌接合することができる。
また、前記摩擦攪拌接合において使用するツールのピンの長さは、前記封止体の厚さの60%以下であることを特徴とする。
このような液冷ジャケットによれば、ツールのピンの長さが封止体の厚さの60%以下であることにより、摩擦攪拌接合によって封止体がフィン収容室側に変形しにくくなる。これにより、フィン収容室の容積が小さくなることは防止される。
本発明によれば、CPUなどの熱発生体を効率的に冷却できる液冷ジャケットを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を適宜参照して詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
まず、第1実施形態に係る液冷システムおよび液冷ジャケットについて、図1から図8を参照して説明する。なお、本実施形態は参考の実施形態として説明する。図1は、第1実施形態に係る液冷システムの構成図である。図2は、第1実施形態に係る液冷ジャケットの全体斜視図である。図3は、第1実施形態に係る液冷ジャケットの下方からの全体斜視図である。図4は、第1実施形態に係る液冷ジャケットの斜視図であり、蓋ユニットを省略した状態を示す。図5は、第1実施形態に係る液冷ジャケットの平面図であり、取込パイプおよび排出パイプを省略している。図6は、図2に示す第1実施形態に係る液冷ジャケットのX−X断面図である。図7は、第1実施形態に係る液冷ジャケットの分解斜視図である。図8は、第1実施形態に係る液冷ジャケットの効果を模式的に示すグラフである。
≪液冷システムの構成≫
図1に示すように、第1実施形態に係る液冷システムS1は、タワー型のパーソナルコンピュータのパーソナルコンピュータ本体120(電子機器)に搭載されるシステムであって、パーソナルコンピュータ本体120を構成するCPU101(熱発生体)を冷却するシステムである。液冷システムS1は、CPU101が所定位置に取り付けられる液冷ジャケットJ1(図3参照)と、冷却水(熱輸送流体)が輸送する熱を外部に放出するラジエータ121(放熱手段)と、冷却水を循環させるマイクロポンプ122(熱輸送流体供給手段)と、温度変化による冷却水の膨張/収縮を吸収するリザーブタンク123と、これらを接続するフレキシブルチューブ124…と、熱を輸送する冷却水とを主に備えている。冷却水としては、例えば、エチレングリコール系の不凍液が使用される。
そして、マイクロポンプ122が作動すると、冷却水がこれら機器を循環するようになっている。
≪液冷ジャケットの構成≫
次に、液冷システムS1を構成する液冷ジャケットJ1について、詳細に説明する。
図2、図3に示すように、液冷ジャケットJ1は、その下方側(裏面側)の中央(所定位置)に、熱拡散シート102(ヒートスプレッダ)を介してCPU101が取り付けられている。このようにCPU101が取り付けられた状態で、液冷ジャケットJ1内を冷却水が流通することにより、液冷ジャケットJ1はCPU101が発生する熱を受熱すると共に、内部を流通する冷却水と熱交換することで、CPU101から受け入れた熱を冷却水に伝達し、その結果として、CPU101が効率的に冷却されるようになっている。なお、熱拡散シート102は、CPU101の熱を、後記するジャケット本体10の底壁11に効率的に伝達させるためのシートであり、例えば銅などの高熱伝導性を有する金属から形成されている。
このような液冷ジャケットJ1は、図4から図7に示すように、ジャケット本体10と、扁平管束20(管束)と、蓋ユニット30とを主に備えている。ジャケット本体10、扁平管束20、蓋ユニット30は、特に記載しない限り、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されている。これにより、液冷ジャケットJ1は軽量化が図られており、取り扱い容易となっている。
<ジャケット本体>
ジャケット本体10は、上方側(一方側)が開口した浅底の箱体であり(図7参照)、底壁11と、周壁12とを有しており、その内側に扁平管束20を収容する収容室を備えている(図7参照)。このようなジャケット本体10は、例えば、ダイキャスト(ダイカスト)、鋳造、鍛造などによって作製される。また、ジャケット本体10は、その開口縁の一部に、後記する蓋本体31の切欠部31cに対応した形状の位置合わせ部14を有している。
<扁平管束>
扁平管束20は、ジャケット本体10内において、その両端側にスペース10aおよびスペース10cを確保しつつ(図4、図5参照)、Al−Si−Zn系などのアルミニウム合金からなるロウ材等によって、ジャケット本体10の底壁11に熱交換(熱移動)可能に接合・固定されている(図6参照)。スペース10aは第1流路A1として機能しており、スペース10cは第3流路C1として機能している。
扁平管束20は、所定本数の扁平管21が、その厚み方向に束ねられ、接合されたものである(図6、図7参照)。各扁平管21は、1本または複数本(第1実施形態では2本)の中空部21aを有している。そして、各中空部21aは、冷却水が流通する第2流路B1aとして機能している。すなわち、各第2流路B1aは、その断面視が矩形であり、その両側に位置する扁平管21の周壁21b、21bからなる側壁部(第2流路構成部)と、その上下側に位置する周壁21bまたは仕切壁21cからなる上壁部(第2流路構成部)または下壁部(第2流路構成部)と、によって取り囲まれている。したがって、扁平管束20は複数の第2流路B1a、つまり、複数の第2流路B1aからなる第2流路群B1を有している。
ここで、CPU101は、前記したように、底壁11の下側(外側)の略中央位置に取り付けられている(図3参照)。これにより、CPU101の熱は、底壁11を介して、各扁平管21の中空部21a(第2流路B1a)を取り囲む周壁21bと、隣り合う中空部21aを仕切る仕切壁21cとに伝達するようになっている。そして、周壁21bおよび仕切壁21c(熱交換部)に伝達した熱が、各第2流路B1aを流通する冷却水に伝達するようになっている。このようにして、CPU101は、第2流路群B1部分を流通する冷却水と主に熱交換するようになっている。
また、複数本の扁平管21を束ねて扁平管束20を構成したことにより、CPU101からの熱が伝達し、かつ、冷却水と直接的に熱交換する周壁21b(熱交換部)が増加するため、CPU101と冷却水との間で効率的に熱交換させることができる。これにより、CPU101を効率的に冷却可能となっている。
[第1流路、第2流路群(複数の第2流路)、第3流路]
ここで、第1流路A1、第2流路群B1(複数の第2流路B1a)、第3流路C1について、さらに説明する。
第1流路A1は、マイクロポンプ122から冷却水が供給される流路であり、マイクロポンプ122側(第2流路群B1よりも上流側)に配置されている。
第2流路群B1は、第1流路A1の下流側に配置されており、第2流路群B1を構成する各第2流路B1aは、第1流路A1から分岐している。これにより、冷却水が、第1流路A1から分配されて、各第2流路B1aに流れ込むようになっている。
第3流路C1は、第2流路群B1、つまり、複数の第2流路B1aの下流側に配置されており、複数の第2流路B1aを集合させている。これにより、各第2流路B1aから流れ出た冷却水は、第3流路C1で集合した後、液冷ジャケットJ1の外部に排出されるようになっている。
第1流路A1および第3流路C1の流路断面積は、各第2流路B1aの流路断面積より大きく設定されている。各第2流路B1aの流路長(各扁平管21の長さ)は、従来の技術に係る扁平管束20に相当する部分の全てを経由して蛇行する1本の流路に対して、飛躍的に短くなっている。
したがって、第1流路A1、各第2流路B1a、第3流路C1の順で流通する冷却水が受ける圧力損失は、第1流路A1および第3流路C1では殆んど発生せず、各第2流路B1aでは、前記蛇行する1本の流路から受ける圧力損失に対して、飛躍的に小さくなる。これにより、液冷ジャケットJ1に冷却水を供給するマイクロポンプ122の定格出力を下げることができ、マイクロポンプ122の小型化や、その騒音が低減される。
<蓋ユニット>
蓋ユニット30は、図7に示すように、蓋本体31と、取込パイプ32と、排出パイプ33とを主に備えている。
[蓋本体]
蓋本体31は、扁平管束20を収容したジャケット本体10に蓋をするように、ジャケット本体10に接合・固定されている。蓋本体31には、第1流路A1(スペース10a)に連通する取込口31aと、第3流路C1(スペース10c)に連通する排出口31bが形成されている(図7参照)。
また、蓋本体31は、切り欠かれてなる切欠部31cを有しており、切欠部31cの形状は、ジャケット本体10の位置合わせ部14と一致している。これにより、蓋本体31(蓋ユニット30)は、所定の向きでのみ、ジャケット本体10と組み合わさるようになっている。
(取込口、排出口)
取込口31aおよび排出口31bは、図5に示すように、平面視において、CPU101を中心として点対称に配置されると共に、相対的に遠ざかるように配置されている。言い換えると、取込口31a、排出口31b、CPU101は、平面視が正方形を呈する液冷ジャケットJ1の対角線上に配置されている。さらに説明すると、取込口31aは、図5における左上側に配置しており、一方、排出口31bは図5における右下側に配置しており、取込口31aと排出口31bの略中間位置(正方形を呈する液冷ジャケットJ1の略中心)に、CPU101が配置している。
したがって、取込パイプ32からの冷却水は、取込口31a、第1流路A1を介して、第2流路群B1の全体(複数の第2流路B1aの全体)に略均等に供給されるようになっている。そして、第2流路群B1全体を流通する冷却水の全体と、CPU101との間で、効率的に熱交換されるようになっている。
次いで、複数の第2流路B1aから流出した冷却水は、第3流路C1で集合した後、排出口31b、排出パイプ33を介して、液冷ジャケットJ1の外部に排出されるようになっている。
[取込パイプ、排出パイプ]
取込パイプ32は、蓋本体31に固定されている。取込パイプ32には、液冷ジャケットJ1の上流側のマイクロポンプ122(図1参照)に通じるフレキシブルチューブ124が接続される。そして、マイクロポンプ122からの冷却水は、取込パイプ32の中空部および取込口31aを介して、第1流路A1に供給されるようになっている。
排出パイプ33は、蓋本体31に固定されている。排出パイプ33には、液冷ジャケットJ1の下流側のラジエータ121(図1参照)に通じるフレキシブルチューブ124が接続される。そして、第3流路C1で集合した冷却水は、排出口31bおよび排出パイプ33の中空部を介して、液冷ジャケットJ1の外部に排出されるようになっている。
取込パイプ32および排出パイプ33は、蓋本体31の上面側に立設状態で固定されている。これにより、液冷ジャケットJ1の上面側のみから、フレキシブルチューブ124、124を取込パイプ32、排出パイプ33に接続可能となっている。すなわち、スペースの限られたパーソナルコンピュータ本体120内において(図1参照)、液冷ジャケットJ1に接続するフレキシブルチューブ124、124(図1参照)の取り回しが容易となっている。
≪液冷ジャケットの作用効果≫
次に、液冷ジャケットJ1の作用効果について説明する。
パーソナルコンピュータ本体120(図1)の電源がONされると、CPU101が作動し、発熱し始める。そして、CPU101の熱は、熱拡散シート102を介して、ジャケット本体10の底壁11に伝達し、さらに、主として扁平管束20を構成する各扁平管21の周壁21bおよび仕切壁21cに伝達する。
一方、パーソナルコンピュータ本体120の電源のONに連動して、マイクロポンプ122が作動し、冷却水が循環する。そうすると、液冷ジャケットJ1において、冷却水が、第1流路A1、第2流路群B1(複数の第2流路B1a)、第3流路C1の順で流通する。
そして、各扁平管21の周壁21bおよび仕切壁21cと各第2流路B1aを流通する冷却水との間で、熱交換され、周壁21bおよび仕切壁21cに伝達したCPU101の熱が、冷却水に伝達(移動)し、冷却水は受熱する。
次いで、各第2流路B1aで受熱した冷却水は、第3流路C1で集合した後、排出口31b、排出パイプ33を経由して、液冷ジャケットJ1の外部に排出される。排出された冷却水は、フレキシブルチューブ124を通って、ラジエータ121に供給され、ラジエータ121において冷却水の熱が放熱される。そして、温度が低下した冷却水は、リザーブタンク123、フレキシブルチューブ124を経由して、マイクロポンプ122に流れた後、再び、液冷ジャケットJ1に供給される。
このような、(1)CPU101から熱拡散シート102、底壁11、各扁平管21の周壁21bおよび仕切壁21cへの熱の伝達と、(2)周壁21bおよび仕切壁21cから冷却水への熱の伝達と、(3)ラジエータ121における冷却水の放熱とが連続することにより、CPU101が効率的に冷却される。
また、CPU101の熱が、複数の扁平管21の周壁21bおよび仕切壁21cに分散して伝達し、この各周壁21bおよび仕切壁21cの熱が各第2流路B1aを流通する冷却水に伝達するため、CPU101を効率的に冷却することができる。
さらに、液冷ジャケットJ1に供給された冷却水は、液冷ジャケットJ1内において、流路断面積の大きい第1流路A1を介して、流路長が短く、かつ、主に熱交換する複数の第2流路B1a(第2流路群B1)を流通した後、流路断面積の大きい第3流路C1で集合して排出されるため、液冷ジャケットJ1において冷却水が受ける圧力損失が小さくなっている。これにより、マイクロポンプ122を小型化することができ、液冷システムS1の適用範囲が広くなる。
さらにまた、このような液冷ジャケットJ1(本実施形態品)によれば、図8に示すように、1本の長い蛇行した第2流路を有する従来に係る液冷ジャケット(従来品)よりも、低い圧力損失かつ高い流量で、冷却水を通流させることができる。すなわち、図8に示すように、1つのマイクロポンプの圧力損失−流量曲線と、従来品に係る流量曲線との交点M1に対して、前記圧力損失−流量曲線と本実施形態品に係る流量曲線との交点M2は、右下側にシフトしており、液冷ジャケットJ1(本実施形態品)によれば、圧力損失が小さく、流量が高くなることがわかる。
≪液冷ジャケットの作製方法≫
次に、液冷ジャケットJ1の作製(製造)方法について、図7を主に参照して説明する。液冷ジャケットJ1の作製方法は、扁平管束20を作製する第1工程と、扁平管束20をジャケット本体10に接合・固定する第2工程とを主に含んでいる。
<第1工程>
複数本の扁平管21を適宜な手段で接合しながら束ねる。次いで、束ねられたものの両端を、切断・研削して揃え、扁平管束20を作製する。
<第2工程>
扁平管束20を、ジャケット本体10の底壁11の所定位置に、適宜な手段(Al−Si−Zn等のロウ材とフラックス)で、熱交換可能に接合・固定する。なお、扁平管束20をジャケット本体10に固定する際、扁平管束20の両端側に、前記したスペース10a(第1流路A1)、スペース10c(第3流路C1)を確保する。
その後、取込パイプ32、排出パイプ33が所定位置に固定された蓋本体31を、適宜な手段によって、ジャケット本体10に接合・固定する。このようにして、液冷ジャケットJ1を得ることができる。
なお、蓋本体31をジャケット本体10に固定した後に、取込パイプ32、排出パイプ33を蓋本体31に固定してもよい。
このように、第1実施形態に係る液冷ジャケットJ1の作製方法によれば、複数の扁平管21を扁平管束20として、この扁平管束20をジャケット本体10に固定し、蓋本体31を固定するという簡易な工程によって、液冷ジャケットJ1を得ることができる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る液冷ジャケットについて、図9、図10を参照して説明する。なお、本実施形態は参考の実施形態として説明する。図9は、第2実施形態に係る液冷ジャケットの全体斜視図であり、蓋ユニットを省略した状態を示す。図10は、図9に示す第2実施形態に係る液冷ジャケットのY−Y断面図である。
図9、図10に示すように、第2実施形態に係る液冷ジャケットJ2は、第1実施形態に係る液冷ジャケットJ1の扁平管束20に代えて、扁平管束23を備えたことを特徴とする。扁平管束23は、その外形寸法が第1実施形態に係る扁平管束20と同一であるものの、薄板状の扁平管24を複数枚(図9、図10では3枚)で重ね束ねられることで構成されている。各扁平管24は、その内部に、複数の(図9、図10では12本)の中空部24aを有しており、各中空部24aが第2流路B2aとなっている。その結果として、扁平管束23は、複数の第2流路B2aからなる第2流路群B2を有している。
ここで、各扁平管24は薄板状であるため、その内部に形成された中空部24aの本数(図9では12本)は、第1実施形態に係る扁平管21内に形成された中空部21aの本数(2本)よりも多い。これにより、扁平管束23を構成する扁平管24の数(3枚)は、第1実施形態に係る扁平管束20を構成する扁平管21の数(図7参照、20本)より少なくなる。すなわち、第2実施形態に係る扁平管束23は、第1実施形態に係る扁平管束20に対して、束ねる(重ねる)扁平管24の数を減らすことができ、手間をかけずに容易に構成することができる。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態に係る液冷ジャケットについて、図11、図12を参照して説明する。なお、本実施形態は参考の実施形態として説明する。図11は、第3実施形態に係る液冷ジャケットの全体斜視図である。図12は、第3実施形態に係る液冷ジャケットの平面図である。
≪液冷ジャケットの構成≫
図11、図12に示すように、第3実施形態に係る液冷ジャケットJ3は、第1実施形態に係る液冷ジャケットJ1と比較して、取込口34aと排出口34bが異なる位置に形成された蓋本体34を備えている。
取込口34aは、スペース10a(第1流路A1)の略中央位置に連通しており、冷却水がスペース10aの略中央位置に供給されるようになっている。排出口34bは、スペース10c(第3流路)の略中央位置に連通しており、この略中央位置から冷却水が排出されるようになっている。取込口34aと排出口34bは、平面視において、CPU101と中心として対称に配置されると共に、CPU101に近づく位置に配置されている。
なお、蓋本体34も、第1実施形態に係る蓋本体31と同様に、ジャケット本体10の位置合わせ部14に対応した形状の切欠部34cを有している。
≪液冷ジャケットの作用効果≫
次に、液冷ジャケットJ3の作用効果について簡単に説明する。
取込口34aと排出口34bが、CPU101に近づく位置に配置された構成としたことにより、取込口34aから第1流路A1(スペース10a)に供給された冷却水が、CPU101の近傍の第2流路B1aに優先的に流通しやすくなる。これにより、冷却水とCPU101との間で、好適に熱交換することができ、CPU101を効率的に冷却することができる。
≪第4実施形態≫
次に、第4実施形態に係る液冷ジャケットについて、図13から図20を参照して説明する。なお、本実施形態は、摩擦攪拌接合におけるツールの動きを本発明に係る実施形態として説明する。図13は、第4実施形態に係る液冷ジャケットの全体斜視図であり、蓋ユニットを省略した状態を示す。図14は、図13に示す第4実施形態に係る液冷ジャケットのZ−Z断面図である。図15は、図14に示すZ−Z断面図の拡大図である。図16は、第4実施形態に係る液冷ジャケットのフィン部材の第1作製方法を示す斜視図であり、(a)は切断前、(b)は切断後を示す。図17は、第4実施形態に係る液冷ジャケットのフィン部材の第2作製方法を示す斜視図であり、(a)は切削前、(b)は切削後を示す。図18は、第4実施形態に係る摩擦攪拌接合を示す斜視図である。図19は、第4実施形態に係る摩擦攪拌接合を示す断面図である。図20は、第4実施形態に係る摩擦攪拌接合におけるツールの動きを示す平面図である。
≪液冷ジャケットの構成≫
図13、図14に示すように、第4実施形態に係る液冷ジャケットJ4は、第1実施形態に係る液冷ジャケットJ1の扁平管束20に代えて、アルミニウムまたはアルミニウム合金製のフィン部材25を備えたことを特徴とする。
なお、第4実施形態に係るジャケット本体10は、その内側にフィン部材25を収容するフィン収容室を備えており、このフィン収容室は周壁12に取り囲まれている。そして、フィン部材25は底壁11にロウ付け固定されると共に、フィン収容室に収容されており、蓋本体31(封止体)がジャケット本体10の開口に蓋をすることで、フィン収容室は封止されている(図14参照)。
<フィン部材>
フィン部材25は、図14に示すように、ベース板25aと、これに立設した複数のフィン25bとを備えている。ベース板25aは、ジャケット本体10の底壁11に熱交換可能に接合・固定されている。したがって、CPU101の熱が、熱拡散シート102、底壁11を介して、各フィン25bに伝達するようになっている。また、各フィン25bの上側先端は、蓋本体31の裏面に当接している。なお、ベース板25aとジャケット本体10とは、Al−Si−Zn系などのアルミニウム合金からなるロウ材によって、確実に熱交換可能に接合されることが好ましい。
そして、隣り合うフィン25b、25bの間が、それぞれ第2流路B3aとなっている。すなわち、フィン部材25は、複数の第2流路B3a、つまり、複数の第2流路B3aからなる第2流路群B3を有している。
図15に示すように、隣り合うフィン25b、25bの距離、つまり、第2流路B3aの幅である溝幅W1は、0.2〜1.1mmに設計されている。これにより、液冷ジャケットJ4の熱抵抗と、その内部を通る冷却水が受ける圧力損失とを、後記する実施例で説明するように、良好な範囲とすることができる。
また、溝幅W1と、フィン25bの厚さT1、つまり、隣り合う第2流路B3a、B3aの間のフィン25bの厚さT1とは、次の式(1)の関係を満たしている。これにより、液冷ジャケットJ4の熱抵抗が小さくなり、CPU101と冷却水との間で、良好に熱交換することができる。
−0.375×W1+0.875≦T1/W1≦−1.875×W1+3.275・・・(1)
さらに、溝幅W1と、深さD1(第2流路B3aの深さ)とは、次の式(2)の関係を満たしている。これにより、液冷ジャケットJ4の熱抵抗を最適とすることができる。
5×W1+1≦D1≦16.25×W1+2.75・・・(2)
≪液冷ジャケットの作用効果≫
次に、液冷ジャケットJ4の作用効果について簡単に説明する。
冷却水が、第1流路A1、第2流路群B3(複数の第2流路B3a)、第3流路C1の順に流通する。そして、第2流路群B3を流通する冷却水と、複数のフィン25bとの間で主に熱交換される。その結果として、CPU101を効率的に冷却することができる。
≪液冷ジャケットのフィン部材の作製方法≫
次に、液冷ジャケットJ4のフィン部材25の作製(製造)方法について例示する。
<フィン部材の第1作製方法>
まず、フィン部材25の第1作製方法について、図16を参照して説明する。
図16(a)に示すように、所定の金型を使用して、底板42と、底板42に立設した複数の条43とを有する金属製の押し出し型材41を作製する。そして、押し出し型材41を所定の切断面で切断することによって、ベース板25a(底板42の一部)と、複数のフィン25b(複数の条43の一部)とを備えるフィン部材25を作製することができる(図16(b)参照)。
<フィン部材の第2作製方法>
次に、フィン部材25の第2作製方法について、図17を参照して説明する。
図17(a)に示すように、フィン部材25の外形に対応した大きさの金属製のブロック44に、適宜な切削工具を使用して、複数の溝44aを形成する。そうすると、ベース板25aと、複数のフィン25bとを備えるフィン部材25を作製することができる(図17(b)参照)。
≪液冷ジャケットの組み付け≫
次に、液冷ジャケットJ4の組み付けにおいて、フィン部材25が固定されたジャケット本体10と、蓋ユニット30との摩擦攪拌接合について、図18から図20を主に参照して説明する。
図18に示すように、フィン部材25がロウ付け固定されたジャケット本体10に、切欠部31cと位置合わせ部14とを合わせながら、蓋ユニット30を被せる。なお、図19に示すように、ジャケット本体10の開口縁は段違いとなっており、一段下がった段差部15の上に、蓋本体31が載せられる。段差部15の幅W11は、冷却水が流れる第1流路A1及び第3流路C1等の容積を確保するため、なるべく小さく、具体的には0.1〜0.5mm程度に設定することが好ましい。
そして、周壁12と蓋本体31との合わせ部P1を、摩擦攪拌接合用のツール200を使用して、摩擦攪拌接合する。そうすると、ツール200の後方に、摩擦攪拌接合部K(図15参照)が形成され、周壁12と蓋本体31とが接合される。ここで、ツール200のピン201の長さL5は、被接合部材である蓋本体31の厚さT2の60%以下とすることが好ましい。このように60%以下とすることで、蓋本体31の材質にもよるが、前記した段差部15の幅W11が小さくても、ツール200の押圧力により、合わせ部P1がジャケット本体10の内側に変形しにくくなる。
なお、ツール200は、NC等の工作機械(図示しない)によって制御され、自転されると共に、合わせ部P1に沿って動かされる(図18参照)。
また、摩擦攪拌接合する際、ジャケット本体10の周壁12の周面に、適宜な治具210を当てる。これにより、周壁12が薄く、ツール200のショルダー202の外周面と、周壁12の外周面との距離L6(隙間)が、例えば、2.0mm以下であっても、ツール200の押圧力によって周壁12が外側に変形しにくくなる。
これに加えて、このように周壁12が薄い場合、ツール200と治具210との接触を避けるため、治具210の表面を、合わせ部P1の表面に対して、1.0〜2.0mm程度下げておくことが好ましい。
さらに、図20に示すように、摩擦攪拌接合における始端と終端とがオーバーラップ(符号Q参照)するように、ツール200を動かす。これにより、ジャケット本体10と蓋本体31とは隙間なく接合され、冷却水が外部に漏れにくくなる。次いで、ツール200を合わせ部P1から外して、ピン201を抜く。これにより、ピン201の抜き跡が、合わせ部P1に形成されない。
≪第5実施形態≫
次に、第5実施形態に係る液冷ジャケットについて、図21から図25を参照して説明する。なお、本実施形態は本発明に係る実施形態として説明する。図21は、第5実施形態に係る液冷ジャケットの断面図である。図22は、図21に示す断面図の拡大図である。図23は、第5実施形態に係る液冷ジャケットのフィン部材の作製方法を示す図であり、(a)はスカイブ加工中、(b)はスカイブ加工後を示す。図24は、第5実施形態に係る液冷ジャケットのフィン部材の作製方法を示す図であり、図23(b)に示すスカイブフィンの一部を取り除いた後を示す。図25は、第5実施形態に係る摩擦攪拌接合を示す断面図である。
なお、第4実施形態に係る液冷ジャケットJ4に対して、異なる部分を説明する。
≪液冷ジャケットの構成≫
図21に示すように、第5実施形態に係る液冷ジャケットJ5は、ジャケット本体10Cと、アルミニウムまたはアルミニウム合金製のフィン部材29とを主に備えており、CPU101がフィン部材29の底壁29a(封止体)に取り付けられる構成となっている。
ジャケット本体10Cは、図21の下側に開口しており、内部にフィン収容室を有する薄型の箱体である。
フィン部材29は、後記するように、1枚のプレート61をスカイブ加工したものであって(図23(a)参照)、底壁29aと、複数の金属製のフィン29bとを備えている。複数のフィン29bは、底壁29aの上に立設しており、底壁29aと一体に構成されている。これにより、底壁29aとフィン29bとの間において、熱が良好に伝達するようになっている。
また、底壁29aは、前記したフィン収容室を封止する封止体として機能している。さらに、隣り合うフィン29b、29bの間が第2流路B4aとして機能している(図22参照)。そして、液冷ジャケットJ5は、複数の第2流路B4aによって構成された第2流路群B4を有している。なお、フィン部材29がジャケット本体10Cに取り付けられた状態において、第4実施形態と同様に、液冷ジャケットJ5内には、第1流路A1及び第3流路C1が形成されるようになっている(図13参照)。
≪液冷ジャケットの作用効果≫
次に、液冷ジャケットJ5の作用効果について簡単に説明する。
冷却水が、第1流路A1(図13参照)、第2流路群B4(複数の第2流路B4a)、第3流路C1(図13参照)の順に流通する。そして、第2流路群B4を流通する冷却水と、複数のフィン25bとの間で主に熱交換され、CPU101を効率的に冷却することができる。ここで、底壁29aとフィン29bとは、一体に構成されているので、CPU101の熱が複数のフィン29bに良好に伝達し、その結果として、良好に放熱することができる。
≪液冷ジャケットのフィン部材の作製方法≫
次に、スカイブ加工を利用した、液冷ジャケットJ5のフィン部材29の作製(製造)方法について、図23及び図24を参照して説明する。
図23(a)に示すように、板状のプレート61を、特開2001−326308号公報、特開2001−352020号公報等に記載されるスカイブ加工する。詳細には、プレート61に切削工具62を鋭角に切り込んで、プレート61の一部を切り起こし、複数のスカイブフィン63を形成する。これを複数回繰り返し、複数のスカイブフィン63を有するスカイブ中間体64を作製する(図23(b)参照)。因みに、切り起こされないプレート61の部分は、フィン部材29の底壁29a(封止体)となる。
続いて、ジャケット本体10Cと組み付けて液冷ジャケットJ5を構成した際に、液冷ジャケットJ5内に第1流路A1及び第3流路C1が形成されるように、複数のスカイブフィン63の外周側部分を、切削工具で取り除く。そうすると、図24に示すように、底壁29aと、これに一体に立設した複数のフィン29bとを備えるフィン部材29を得ることができる。
ただし、フィン部材29の制作方法はこれに限定されず、第4実施形態に係る押し出し型材41を切断した後のフィン部材25(図16参照)、または、溝加工によって形成したフィン部材25(図17参照)における、フィン25bの一部を取り除くことによって構成してもよい。
≪液冷ジャケットの組み付け≫
そして、図25に示すように、ジャケット本体10Cと、フィン部材29とを組み合わせ、第4実施形態と同様にして、治具210を当てながら、その合わせ部P2を摩擦攪拌接合する。なお、ツール200のピン201の長さL5は、被接合部材であるフィン部材29の底壁29a(封止体)の厚さT3の60%以下とすることが好ましい。
≪第6実施形態≫
次に、第6実施形態に係る液冷ジャケットについて、図26を参照して説明する。なお、本実施形態は本発明に係る実施形態として説明する。図26は、第6実施形態に係る液冷ジャケットの断面図であり、(a)は組み付け後の完成状態、(b)は組み付け前を示す。
≪液冷ジャケットの構成≫
図26(a)に示すように、第6実施形態に係る液冷ジャケットJ6は、第1実施形態に係る液冷ジャケットJ1と比較して、ジャケット本体10A(第1フィン部材)と、蓋ユニット35(第2フィン部材)とを備えたことを特徴とする。ジャケット本体10Aは、底壁11(第1ベース板)と、底壁11に所定間隔を隔てて立設された複数のフィン13とを備えている。一方、蓋ユニット35は、蓋本体36(第2ベース板)と、蓋本体36に所定間隔を隔てて立設した複数のフィン37とを備えている。
ジャケット本体10Aと蓋ユニット35とは、複数のフィン13と複数のフィン37とが噛み合わさるようにして、組み合わされており、蓋本体36は、ジャケット本体10Aに接合・固定されている。液冷ジャケットJ6のフィン全体は、噛み合わさった複数のフィン13と複数のフィン37とから構成されている。そして、隣り合うフィン13とフィン37との間が第2流路B5aとなっており、液冷ジャケットJ6は複数の第2流路B5aからなる第2流路群B5を有している。
このように、複数のフィン13と複数のフィン37とを噛み合わせて、フィン全体を構成することにより、複数のフィン13の間隔d1と、複数のフィン37の間隔d2とを、それぞれ広くすることができ、切削工具などによる溝加工が容易となる。
複数のフィン13の底壁11からの突出長さL1は、図26(b)に示すように、複数のフィン37の蓋本体36からの突出長さL2と同一または短く設定されている。そして、複数のフィン37と、底壁11とは、適宜な手段によって、熱交換可能に接合・固定されており、熱的に接続している。これにより、ジャケット本体10A側(第1ベース板側)のCPU101の熱が、複数のフィン13だけでなく、複数のフィン37にも伝達するようになっている。
すなわち、複数のフィン13の突出長さL1を、複数のフィン37の突出長さL2と同一または短く設定したことにより、ジャケット本体10Aと蓋ユニット35とを組み付けた際に、複数のフィン37の先端(頂部)がジャケット本体10Aの底壁11に確実に当接し、複数のフィン37と底壁11とを確実に熱的に接続することができる。
≪液冷ジャケットの作用効果≫
次に、液冷ジャケットJ6の作用効果について簡単に説明する。
このような液冷ジャケットJ6によれば、第2流路群B5に冷却水が流通すると、複数のフィン13および複数のフィン37に伝達したCPU101の熱が、流通する冷却水に伝達し、CPU101が効率的に冷却される。
≪第7実施形態≫
次に、第7実施形態に係る液冷ジャケットについて、図27を参照して説明する。なお、本実施形態は参考の実施形態として説明する。図27は、第7実施形態に係る液冷ジャケットの断面図であり、(a)は組み付け後の完成状態、(b)は組み付け前を示す。
≪液冷ジャケットの構成≫
図27(a)、図27(b)に示すように、第7実施形態に係る液冷ジャケットJ7は、第1実施形態に係る液冷ジャケットJ1の扁平管束20に代えて、複数の細孔26aを有する金属製のハニカム体26を備えたことを特徴とする。
<ハニカム体>
ハニカム体26は、ジャケット本体10の底壁11に、適宜な手段によって、熱交換可能に接合・固定されている。したがって、CPU101の熱は、細孔26aを取り囲む周壁26bに伝達するようになっている。各細孔26aは、冷却水が流通する第2流路B6aとして機能している。すなわち、ハニカム体26は、複数の第2流路B6aからなる第2流路群B6を有している。なお、ここでは図27に示すように、断面視が矩形を呈する細孔26aを有するハニカム体26を例示したが、細孔26aの形状はこれに限定されず、その他に六角形などであってもよい。また、ハニカム体26とジャケット本体10の底壁11とは、ロウ材によって、確実に熱交換可能に接合されることが好ましい。
≪液冷ジャケットの作用効果≫
次に、液冷ジャケットJ7の作用効果について簡単に説明する。
冷却水が、第1流路A1、第2流路群B6(複数の第2流路B6a)、第3流路C1の順で流通する。そして、ハニカム体26の周壁26bと、第2流路B5aを流通する冷却水との間で主に熱交換され、周壁26bの熱が冷却水に伝達するようになっている。その結果として、CPU101が効率的に冷却されるようになっている。
≪第8実施形態≫
次に、第8実施形態に係る液冷ジャケットについて、図28を参照して説明する。なお、本実施形態は参考の実施形態として説明する。図28は、第8実施形態に係る液冷ジャケットの断面図であり、(a)は組み付け後の完成状態、(b)は組み付け前を示す。
≪液冷ジャケットの構成≫
図28(a)、図28(b)に示すように、第8実施形態に係る液冷ジャケットJ8は、第1実施形態に係る液冷ジャケットJ1の扁平管束20に代えて、断面が波状の金属製の熱交換シート27(ブレージングシート)を備えたことを特徴とする。
<熱交換シート>
熱交換シート27は、Al−Mn系、Al−Fe−Mn系などのアルミニウム合金から形成されたシート本体27aと、この下面側にAl−Si−Zn系などのアルミニウム合金から形成されたロウ材層27bとを備えている。そして、熱交換シート27は、ロウ材層27bが部分的に溶融、硬化されることで、ジャケット本体10の底壁11に、熱交換可能に接合・固定されている。したがって、CPU101の熱は、底壁11を介して、熱交換シート27に伝達するようになっている。
そして、熱交換シート27と、ジャケット本体10または蓋本体31との間に、複数の第2流路B7aが形成されている。すなわち、液冷ジャケットJ8は、複数の第2流路B7aからなる第2流路群B7を有している。
≪液冷ジャケットの作用効果≫
次に、液冷ジャケットJ8の作用効果について簡単に説明する。
冷却水が、第1流路A1、第2流路群B7(複数の第2流路B7a)、第3流路C1の順で流通する。そして、熱交換シート27と、第2流路B7aを流通する冷却水との間で熱交換され、熱交換シート27の熱が冷却水に伝達するようになっている。その結果として、CPU101が効率的に冷却されるようになっている。
≪第9実施形態≫
次に、第9実施形態に係る液冷ジャケットについて、図29を参照して説明する。なお、本実施形態は参考の実施形態として説明する。図29は、第9実施形態に係る液冷ジャケットの平面図である。なお、図29では、分かりやすくするために、蓋本体を外した状態を描いている。
≪液冷ジャケットの構成≫
図29に示すように、第9実施形態に係る液冷ジャケットJ9は、第1実施形態に係る液冷ジャケットJ1は扁平管束20を1つ備えたが、3つの扁平管束20を備えている。そして、3つの扁平管束20は、ジャケット本体10B内に各扁平管束20の中空部21a(第2流路B1a)が同一方向となるように、一列状で配置されている。また、3つの扁平管束20は、ジャケット本体10B内に、上流の扁平管束20と中流の扁平管束20との間にスペース10dが、中流の扁平管束20と下流の扁平管束20との間にスペース10dが、それぞれ設けられた状態で、ジャケット本体10Bの底壁11に熱交換可能に接合・固定されている。
スペース10d、10dは、扁平管束20の第2流路群B1を直列に連通させる第4流路E1、E1(連結流路)として機能している。第4流路E1の流路断面積は、各第2流路群B1を構成する第2流路B1aの流路断面積より大きく設定されている。すなわち、液冷ジャケットJ9は、直列に配置された3つの第2流路群B1、B1、B1(第2流路群部)を有している。
≪液冷ジャケットの作用効果≫
次に、液冷ジャケットJ9の作用効果について簡単に説明する。
冷却水が、第1流路A1、上流の第2流路群B1、第4流路E1、中流の第2流路群B1、第4流路E1、下流の第2流路群B1、第3流路C1の順で流通する。すなわち、冷却水は、3つの第2流路群B1、B1、B1を直列的に流通する。ここで、冷却水が、隣り合う第2流路群B1、B1の間で、第4流路E1を経由することにより、第4流路E1において、冷却水が受ける圧力損失が低くなる。すなわち、第2流路群B1、B1間に、流路断面積の大きい第4流路E1を介在させたことにより、第4流路E1を介在しない流路長の長い第2流路群とした場合に比較して、マイクロポンプ122に作用する負荷を小さくすることができる。
≪第10実施形態≫
次に、第10実施形態に係る液冷ジャケットについて、図30、図31を参照して説明する。なお、本実施形態は参考の実施形態として説明する。図30は、第10実施形態に係る液冷ジャケットの平面図である。図31は、折り返し数と熱抵抗との関係を示すグラフである。
図30に示すように、第10実施形態に係る液冷ジャケットJ10は、第9実施形態に係る液冷ジャケットJ9と同様に、直列に接続された3つの第2流路群B1、B1、B1(第2流路群部)を有しており、冷却水の流通方向において、隣り合う第2流路群B1、B1は、第4流路E1(連結流路)を介して直列で接続されている。
ただし、液冷ジャケットJ10では、隣り合う第2流路群B1、B1が並設されると共に、隣り合う第2流路群B1のうち、上流側のものの下流端と、下流側のものの上流端とは、同一側に配置されており、前記下流端と上流端とが、第4流路E1を介して、直列で接続されている。具体的には、図30に示すように、上流位置の第2流路群B1と、中流位置の第2流路群B1とは、冷却水の流通方向において隣り合っていると共に、図30の横方向において並設されている。そして、例えば、上流位置の第2流路群B1の下流端と、中流位置の第2流路群B1の上流端とは、同一側である、図30における下側を向いている。
ここで、本明細書では、このように隣り合う第2流路群B1、B1が並んで配置されている状態を、第9実施形態に対して、「折り返されている」と表現する。
したがって、このような液冷ジャケットJ10によれば、冷却水が蛇行して、その内部を流れる。そうすると、液冷ジャケットJ10の熱抵抗は、折り返されていない液冷ジャケットJ9よりも小さくなる。
さらに説明すると、平面視における液冷ジャケットの大きさを一定とした場合、各第2流路群B1を構成する第2流路の本数を変えずに、折り返し数を増加させて、第2流路群B1の数を多くすれば、各第2流路群B1を構成する各第2流路の流路断面積が小さくなる。よって、液冷ジャケットを流通する冷却水の流量が一定とした場合、第2流路群B1の数が多くなれば、各第2流路を通る冷却水の流速が大きくなる。ゆえに、液冷ジャケットから冷却水に、熱が効率的に伝達し、液冷ジャケットの熱抵抗が下がる。
以上、本発明の好適な実施形態について一例を説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各種実施形態を適宜に組み合わせてもよいし、例えば以下のように変形することもできる。
前記した各実施形態では、熱発生体をCPU101とした場合について説明したが、熱発生体の種類はこれに限定されず、例えば、パワーモジュール、LEDランプなどであってもよい。
前記した第1実施形態では、扁平管束20は、複数の扁平管21がその厚さ方向に束ねられて構成されたとしたが、さらに幅方向に束ねられて構成されてもよい。
前記した第1実施形態に係る液冷ジャケットJ1は、扁平管21が複数本で束ねられて扁平管束20を備えた場合について説明したが(図6参照)、その他に例えば、図32に示すように、扁平管束20に代えて、複数の仕切壁で仕切られた複数の中空部28aを有する扁平管28を備えた液冷ジャケットJ11であってもよい。この場合、各中空部28aが第2流路B8aとして機能しており、扁平管28は、複数の第2流路B8aからなる第2流路群B8を有している。
前記した第1実施形態に係る液冷ジャケットJ1では、取込口31aおよび排出口31bが蓋本体31に形成された場合について説明したが、取込口31aおよび排出口31bの位置はこれに限定されず、例えば、ジャケット本体10の周壁12に形成された場合であってもよい。これに付随して、取込パイプ32および排出パイプ33の位置も、液冷ジャケットJ1の上面側に限定されず、側面側に位置してもよい。
前記した第6実施形態に係る液冷ジャケットJ6では、フィン13がジャケット本体10Aに、フィン37が蓋本体36に、それぞれ立設された構成としたが(図26参照)、図33(a)、図33(b)に示すように、第1ベース板51と、第1ベース板51に立設された複数の第1フィン52とを具える第1フィン部材50と、第2ベース板56と、第2ベース板56に立設された複数の第2フィン57とを具える第2フィン部材55と、を備えた液冷ジャケットJ12であってもよい。
図33に示す液冷ジャケットJ12について、さらに説明すると、第1フィン部材50と第2フィン部材55とは、複数の第1フィン52と複数の第2フィン57とが噛み合わさるようにして、組み合わされており、液冷ジャケットJ12における金属製の複数のフィン全体は、複数の第1フィン52と複数の第2フィン57とで構成されており、隣り合う第1フィン52と第2フィン57との間に第2流路B9aが形成されている。なお、第1フィン部材50は、CPU101側に位置しており、その第1ベース板51は、ジャケット本体10の底壁11に熱交換可能に固定されている。
そして、液冷ジャケットJ12は、複数の第2流路B9aからなる第2流路群B9を有している。また、複数の第1フィン52の第1ベース板51からの突出長さL3は、複数の第2フィン57の第2ベース板56からの突出長さL4と同一または短く設定されている。そして、複数の第2フィン57と、第1ベース板51とは、適宜な手段によって、熱交換可能に接合・固定されており、熱的に接続している。
前記した第1実施形態では、ジャケット本体10と、扁平管束20との間にスペース10a、10cを設けることで、第1流路A1、第3流路C1をそれぞれ形成したが(図5参照)、その他に例えば、スペース10a、10cを設けず、ジャケット本体10の外側であって、その上流側には分岐管を設け、その中空部を第1流路とし、下流側には集合管を設けて、その中空部を第3流路としてもよい。
前記した第4実施形態に係る液冷ジャケットJ4(図14参照)では、フィン部材25はジャケット本体10に固定された構成であったが、図34に示すように、蓋本体31のジャケット本体10側面にフィン部材25が固定された液冷ジャケットJ13であってもよい。また、図34に示すように、CPU101が蓋本体31に取り付けられる構成であってもよい。さらに、液冷ジャケットJ13内への冷却水の取り込み口となる取込パイプ32と、排出口となる排出パイプ33とが、ジャケット本体10に取り付けられた構成であってもよい。その他、蓋本体31のジャケット本体10側面に一体にフィンが形成された構成であってもよい。
さらにまた、図35に示すように、ジャケット本体10は挿通孔16aを有する脚部16を4つ備え、各挿通孔16aにビス125が挿通され、液冷ジャケットJ13がパーソナルコンピュータ本体120(図1参照)の筐体126に取り付けられる場合、ツール200の抜き位置は、挿通孔16aに相当する部分であることが好ましい。そして、このような位置でツール200を抜いた後、その抜け跡部分に挿通孔16aを形成することによって、ツール200の抜け跡を隠すことができる。
なお、図34は、図35のX1−X1断面である。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに具体的に説明する。
(1)実施例1、第2流路B3aの溝幅W1の検討
第4実施形態に係る液冷ジャケットJ4(図13等参照)について、第2流路B3aの溝幅W1(図15参照)を、0.2mm、0.5mm、1.0mmとしたアルミニウム合金製のものを作製した。表1に作製した液冷ジャケットJ4の仕様を示す。
なお、表1において、全体流路幅W0は、第1流路A1および第3流路C1の幅である。また、全体流路長L0は、第1流路A1の長さと、第2流路B3aの長さと、第3流路C1長さとの和である(図13、図14参照)。
Figure 0004687706
そして、冷却水として水を使用し、この水が5(L/min)で流れるように、マイクロポンプ122(図1参照)を稼動させ(表2参照)、第2流路B3aの溝幅W1と、液冷ジャケットJ4の熱抵抗および圧力損失との関係について検討した。熱抵抗および圧力損失は、適宜な方法で測定した。また、この仕様の液冷ジャケットJ4では、目標とする熱抵抗を0.008(℃/W)以下とした。
Figure 0004687706
図36に示すように、第2流路B3aの溝幅W1が小さくなるにつれて、液冷ジャケットJ4と冷却水との接触面積が大きくなるため、液冷ジャケットJ4の熱抵抗が小さくなった。一方、第2流路B3aの溝幅W1が1.1mmより大きくなると、熱抵抗が目標である0.008(℃/W)よりも大きくなることが確認された。
また、冷却水が液冷ジャケットJ4により受ける圧力損失は、第2流路B3aの溝幅W1が0.2mmより小さくなると、0.01(℃/W)よりも大きくなることが確認された。
したがって、第2流路B3aの溝幅W1は、0.2〜1.1mmであることが好ましいと考えられる。
(2)実施例2、フィン25bの厚さT1と第2流路B3aの溝幅W1との関係の検討
次に、実施例1と同様に、第2流路B3aの溝幅W1を0.2mm、0.5mm、1.0mmの3種類に設定し(表1参照)、各第2流路B3aの溝幅W1に対して、フィン25bの厚さT1を適宜に変化させて、「フィン25bの厚さT1と溝幅W1との比率(T1/W1)」と、「熱抵抗」との関係について検討した。
図37に示すように、各溝幅W1において、熱抵抗が小さくなる「T1/W1」の範囲があった。この範囲は、各溝幅W1おける最小熱抵抗の5%増しの値以下となる範囲とした。
具体的には、第2流路B3aの溝幅W1が1.0mmの場合、最小熱抵抗は0.0073(℃/W)であるので、その5%増しの値は、0.0073×1.05=0.0076(℃/W)となる。そして、0.0076(℃/W)以下となる範囲が、0.5≦T1/W1≦1.4となる。
これと同様にして、第2流路B3aの溝幅W1が0.5mmでは、前記範囲は、0.7≦T1/W1≦2.1となる。そして、第2流路B3aの溝幅W1が0.2mmでは、0.8≦T1/W1≦2.9となる。
そして、これに基づいて、X軸を「溝幅W1」、Y軸を「フィン厚さT1/溝幅W1」として書き換えると、図38に示すグラフが得られた。図38に示すように、「溝幅W1」と、「フィン厚さT1/溝幅W1」とは、次の式(1)を満たすことが好ましいと確認された。
−0.375×W1+0.875≦T1/W1≦−1.875×W1+3.275・・・(1)
(3)第3実施例、第2流路B3aの溝幅W1と深さD1との関係の検討
次に、第4実施形態に係る液冷ジャケットJ4において、第2流路B3aの溝幅W1を0.2mm、0.5mm、1.0mmの3種類に設定し(表1参照)、各第2流路B3aの溝幅W1に対して、その深さD1を適宜に変化させて、「深さD1」と「熱抵抗」との関係について検討した。
図39に示すように、実施例2と同様に、各溝幅W1において、熱抵抗が小さくなる溝深さD1の範囲があることが確認された。そして、実施例2と同様にして、この範囲を求めると、溝幅W1が0.2mmでは2≦D1≦6、溝幅W1が0.5mmでは4≦D2≦11、溝幅W1が1.0mmでは6≦D1≦18となった。
そして、これに基づいて、X軸を「溝幅W1」、Y軸を「溝深さD1」として書き換えると、図40に示すグラフが得られた。図40に示すように、「溝幅W1」と「溝深さD1」とは、次の式(2)を満たすことが好ましいと確認された。
5×W+1≦D≦16.25×W+2.75・・・(2)
(4)実施例4、治具の有効性の検討
次に、第4実施形態におけるジャケット本体10と蓋本体31との摩擦攪拌接合において、ジャケット本体10の周壁12に治具210を当てることの有効性について検討した。なお、この検討では、表3に示す2種類のツール200を使用した。そして、表4に示すように、AツールまたはBツールにおけるショルダー202の外周面と、ジャケット本体10の周壁12の外周面との距離L6を変化させると共に(図19参照)、治具210の有り/無しを変えて、周壁12と蓋本体31とを摩擦攪拌接合した。そして、接合部の品質を目視により評価した。○は良好を、×は接合不良を示す。
なお、ツール200の回転数は6000rpm、接合速度は200mm/minとした。また、周壁12の厚さT11(図19参照)は4mmとした。
Figure 0004687706
Figure 0004687706
表4より明らかなように、治具210を使用した場合、周壁12が薄く、距離L6が0.5mmでも、周壁12を変形させずに、蓋本体31を良好に接合できることが確認された。
(5)実施例5、ピンの長さL5と蓋本体31の厚さT2との関係
次に、ツール200のピン201の長さL5と、蓋本体31の厚さT2との関係について検討した(図19参照)。この検討においては、表5に示すように、ピン201の長さL5を2.0mmに固定し、蓋本体31の厚さT2を変化させ、接合部品質を目視により評価した。
Figure 0004687706
表5に示すように、ピン201の長さL5が、被接合部材である蓋本体31の厚さT2の60.0%以下の範囲では、周壁12と蓋本体31とを良好に接合できることが確認された。
第1実施形態に係る液冷システムの構成図である。 第1実施形態に係る液冷ジャケットの全体斜視図である。 第1実施形態に係る液冷ジャケットの下方からの全体斜視図である。 第1実施形態に係る液冷ジャケットの斜視図であり、蓋ユニットを省略した状態を示す。 第1実施形態に係る液冷ジャケットの平面図である。 図2に示す第1実施形態に係る液冷ジャケットのX−X断面図である。 第1実施形態に係る液冷ジャケットの分解斜視図である。 第1実施形態に係る液冷ジャケットの効果を模式的に示すグラフである。 第2実施形態に係る液冷ジャケットの全体斜視図であり、蓋ユニットを省略した状態を示す。 図9に示す第2実施形態に係る液冷ジャケットのY−Y断面図である。 第3実施形態に係る液冷ジャケットの全体斜視図である。 第3実施形態に係る液冷ジャケットの平面図である。 第4実施形態に係る液冷ジャケットの全体斜視図であり、蓋ユニットを省略した状態を示す。 図13に示す第4実施形態に係る液冷ジャケットのZ−Z断面図である。 図14に示すZ−Z断面図の拡大図である。 第4実施形態に係る液冷ジャケットのフィン部材の第1作製方法を示す斜視図であり、(a)は切断前、(b)は切断後を示す。 第4実施形態に係る液冷ジャケットのフィン部材の第2作製方法を示す斜視図であり、(a)は切削前、(b)は切削後を示す。 第4実施形態に係る摩擦攪拌接合を示す斜視図である。 第4実施形態に係る摩擦攪拌接合を示す断面図である。 第4実施形態に係る摩擦攪拌接合におけるツールの動きを示す平面図である。 第5実施形態に係る液冷ジャケットの断面図である。 図21に示す断面図の拡大図である。 第5実施形態に係る液冷ジャケットのフィン部材の作製方法を示す図であり、(a)はスカイブ加工中、(b)はスカイブ加工後を示す。 第5実施形態に係る液冷ジャケットのフィン部材の作製方法を示す図であり、図23(b)に示すスカイブフィンの一部を取り除いた後を示す。 第5実施形態に係る摩擦攪拌接合を示す断面図である。 第6実施形態に係る液冷ジャケットの断面図であり、(a)は組み付け後、(b)は組み付け前を示す。 第7実施形態に係る液冷ジャケットの断面図であり、(a)は組み付け後、(b)は組み付け前を示す。 第8実施形態に係る液冷ジャケットの断面図であり、(a)は組み付け後、(b)は組み付け前を示す。 第9実施形態に係る液冷ジャケットの平面図である。 第10実施形態に係る液冷ジャケットの平面図である。 折り返し数と熱抵抗との関係を示すグラフである。 変形例に係る扁平管束の断面図である。 変形例に係る液冷ジャケットの断面図であり、(a)は組み付け後、(b)は組み付け前を示す。 変形例に係る液冷ジャケットの断面図である。 変形例に係る液冷ジャケットの斜視図である。 溝幅W1と、熱抵抗及び圧力損失との関係を示すグラフである。 フィンの厚さT1/溝幅W1と、熱抵抗との関係を示すグラフである。 溝幅W1と、フィンの厚さT1/溝幅W1との関係を示すグラフである。 溝の深さD1と、熱抵抗との関係を示すグラフである。 溝幅W1と、溝の深さD1との関係を示すグラフである。
符号の説明
A1 第1流路
B1 第2流路群
B1a 第2流路
C1 第3流路
J1 液冷ジャケット
10 ジャケット本体
10a スペース
10c スペース
11 底壁
12 周壁
15 段差部
20 扁平管束
21 扁平管
21a 中空部
21b 周壁
21c 仕切壁
31 蓋本体
31a 取込口
31b 排出口
101 CPU(熱発生体)
200 ツール
201 ピン
202 ショルダー
210 治具
K 摩擦攪拌接合部
L5 ピンの長さ
L6 ツールの外周面と周壁の外周面との距離
P1 合わせ部
Q オーバーラップ部分
T1 フィンの厚さ
T2 蓋本体の厚さ
T11 周壁の厚さ
W1 溝幅
W11 段差部の幅

Claims (4)

  1. 熱発生体が所定位置に取り付けられ、当該熱発生体が発生する熱を、外部の熱輸送流体供給手段から供給され内部を流通する熱輸送流体に伝達させる液冷ジャケットであって、
    内部に前記熱輸送流体が流れると共に金属製のフィンを収容するフィン収容室と挿通孔を有する脚部とを有するジャケット本体と、
    前記フィン収容室を封止する封止体と、
    を備え、
    前記フィン収容室を取り囲む前記ジャケット本体の周壁と前記封止体との合わせ部が摩擦攪拌接合されており、摩擦攪拌接合において使用するツールの抜き位置は前記合わせ部から外されて前記挿通孔に相当する部分であると共に、
    前記金属製のフィンは、前記封止体に立設されており、当該封止体と一体であることを特徴とする液冷ジャケット。
  2. 前記摩擦攪拌接合における始端と終端とがオーバーラップしていることを特徴とする請求項1に記載の液冷ジャケット。
  3. 前記周壁が外側に変形しないように前記周壁に治具を当てながら前記摩擦攪拌接合されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液冷ジャケット。
  4. 前記摩擦攪拌接合において使用するツールのピンの長さは、前記封止体の厚さの60%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液冷ジャケット。
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