JP2014168014A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造しやすく、また、発光効率および寿命にも優れた有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】陽極7と、基板上に形成された陰極2との間に複数の層が積層された構造を有する有機電界発光素子であって、該有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に金属酸化物層3を有し、該金属酸化物層上に、窒素含有膜からなり、平均厚さが3〜150nmの層4を有することを特徴とする有機電界発光素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機電界発光素子に関する。より詳しくは、電子機器の表示部等の表示装置や照明装置等としての利用可能な有機電界発光素子に関する。
表示用デバイスや照明に適用できる新しい発光素子として有機電界発光素子(有機EL素子)が期待されている。
有機EL素子は、陽極と陰極との間に発光性有機化合物を含んで形成される発光層を含む1種または複数種の層を挟んだ構造を持ち、陽極から注入されたホールと陰極から注入された電子が再結合する時のエネルギーを利用して発光性有機化合物を励起させ、発光を得るものである。有機EL素子は電流駆動型の素子であり、流れる電流をより効率的に活用するため、素子構造が種々改良され、また、素子を構成する層の材料についても種々検討されている。
陽極から注入されたホールと陰極から注入された電子との再結合時のエネルギーを利用して発光性有機化合物を励起させ、発光を得る有機電界発光素子では、陽極からのホール注入、陰極からの電子注入がともにスムーズに行われることが重要であるため、よりスムーズなホール注入、電子注入が行われるよう、正孔注入層、電子注入層の材料についても種々検討され、最近では塗布できる電子注入層の材料として、ポリエチレンイミンやポリエチレンイミンを修飾した化合物を用いた順構造の有機電界発光素子が報告されている(非特許文献1〜3参照。)。
ところで、陰極と陽極との間の層が全て有機化合物で形成された有機電界発光素子は、結果として酸素や水によって劣化しやすく、これらの侵入を防ぐために厳密な封止が不可欠である。このことは、有機電界発光素子の製造工程を煩雑なものとする原因となっている。これに対し、陰極と陽極との間の層の一部が無機酸化物で形成された有機無機ハイブリッド型の電界発光素子(HOILED素子)が提案されている(特許文献1参照。)。この素子では、正孔輸送層、電子輸送層を無機酸化物に変えることで、陰極として導電性酸化物電極であるFTOやITO、陽極として金を使用することが可能になった。このことは素子駆動の観点からは電極に対する制約がなくなったことを意味する。結果、アルカリ金属やアルカリ金属化合物等、仕事関数の小さな金属を用いる必要がなくなり、厳密な封止無しで発光させることが可能となっている。加えてこのHOILED素子は、陰極が基板直上にあることが標準であり、上部電極に陽極がくる逆構造という特徴を有している。酸化物TFTの発展に伴い、大型有機ELディスプレイへの適用が検討される中、n型である酸化物TFTの特徴から逆構造の有機ELが注目されて来ている。本HOILED素子は逆構造有機EL素子の候補として発展が期待されている。
特開2009−70954号公報
タオ シオン(Tao Xiong)外3名「アプライド フィジクス レターズ(Applied Physics Letters)」93巻、2008年、pp123310−1 インファ ジョウ(Yinhua Zhou)外21名「サイエンス(Science)」336号、2012年、pp327 ジャンシャン チェン(Jianshan Chen)外6名「ジャーナル オブ マテリアルズ ケミストリー(Journal or Materials Chemistry)」2012年、22巻、pp5164
上記のように、厳密な封止を必要としない有機無機ハイブリッド型の有機電界発光素子が提案されている。しかしながら、有機無機ハイブリッド型の有機電界発光素子では、陽極からの正孔の注入に比べて陰極からの電子の注入が少なく、陽極から注入される正孔を発光のために充分に活用できていないという課題がある。
表示装置や照明装置等の用途への利用の拡大が期待される有機電界発光素子は、製造しやすいことも重要な要素であるため、厳密な封止を必要としない有機無機ハイブリッド型の有機電界発光素子への期待は高く、有機無機ハイブリッド型の有機電界発光素子の発光効率および寿命を更に高める方法が求められている。加えて、ディスプレイ用途においては、逆構造を有するHOILED素子は回路上有用であり、その発展が待ち望まれている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、製造しやすく、また、発光効率および寿命にも優れた有機電界発光素子を提供することを目的とする。
本発明者は、厳密な封止を必要としない有機無機ハイブリッド型の有機電界発光素子の発光効率および寿命を更に高める方法について種々検討したところ、陽極と陰極との間に有する金属酸化物層上に所定の厚みの窒素含有膜を形成すると、電子注入特性が向上し、素子が長寿命化することを見出した。中でも、窒素含有膜を構成する原子中の窒素原子比率が高い窒素含有膜や窒素含有化合物を分解させて窒素含有膜を形成する方法により形成した窒素含有膜を有するものがより好適であることも見出し、さらに、窒素含有化合物の分解により形成され、かつ、窒素含有膜を構成する原子中の窒素原子比率が高いものが更に好適であることを見いだした。本発明者は、有機無機ハイブリッド型の有機電界発光素子を構成する層としてこのような窒素含有膜を用いると、発光効率に優れるだけでなく、駆動安定性が高く、駆動寿命の長い有機電界発光素子となることを見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、陽極と、基板上に形成された陰極との間に複数の層が積層された構造を有する有機電界発光素子であって、上記有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に金属酸化物層を有し、上記金属酸化物層上に、窒素含有膜からなり、平均厚さが3〜150nmの層を有することを特徴とする有機電界発光素子である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と、基板上に形成された陰極との間に複数の層が積層された構造を有する逆構造の有機電界発光素子であって、陽極と陰極との間に金属酸化物層を有し、該金属酸化物層上に、窒素含有膜からなり、平均厚さが3〜150nmの層を有するものである限り、他の層の数、他の層を構成する材料や積層する順番は特に制限されないが、金属酸化物層と窒素含有化合物層とが、陰極と発光層との間にあることが好ましい。窒素含有化合物は、電子注入特性に優れたものであり、このような層構成を有する有機電界発光素子は、高い電子注入特性を有することになり、発光効率に優れた素子となる。
本発明の有機電界発光素子に用いられる窒素含有膜には、(1)金属酸化物層上で窒素含有化合物により形成された窒素含有膜、(2)金属酸化物層上で窒素含有化合物により形成された高窒素含有膜、(3)金属酸化物層上で窒素含有化合物を分解させることで形成された窒素含有膜、(4)金属酸化物層上で窒素含有化合物を分解させることで形成された高窒素含有膜の合計4種類が存在する。
このような膜を形成することで有機電界発光素子の性能が向上する理由については以下のように推定される。
まず第一に窒素原子を含む場合、その孤立電子対は基材中の金属原子と結合を作る傾向にある。その金属-窒素結合間の分極が、強い電子注入特性を発現することになる。上記(1)〜(4)全ての窒素含有膜において、それは満たされる。より好適には、孤立電子対を有する窒素原子比率が高い上記(2)が適している。
上記(3)、(4)では、膜生成に関わる分解の現象により高密度に窒素原子が基材上に存在する膜となる事が期待され、結果として、多彩な金属−窒素結合が出現することが期待される。そしてその中には、従来よりも強固な金属−窒素結合も存在すると考えられる。さらに、分解の状況によっては、不要な炭素等の他の成分が消失する事により、相対的に窒素原子分率が上昇し、結果として、より好適な環境が実現される場合もある(4)。これらの窒素含有膜では、主たる窒素の起源が金属−窒素結合になることから、通常の分子の物理吸着よりも高密度に窒素原子が集積されていると期待される。これらの要因により、このような窒素含有膜を有することで、有機電界発光素子が、発光効率に優れ、素子駆動安定性と素子寿命に優れたものとなると考えられる。実際、上記窒素含有化合物の分解に起因する現象は、表面分析手法の一つであるX線光電子分光法により立証できる。具体的な結果は実施例で示すが、窒素含有化合物として窒素と炭素とを構成元素として含む化合物を用い、この化合物を分解させる処理をすることにより、炭素:窒素比(CN比)が2:1から1:1にまで高窒素比率になっている事が観測されている。また同時に、上記処理により、窒素のスペクトルの半値幅の増加が観測されており、この事は、化学環境の広がりを示しており、より強固な金属−窒素結合の出現も示唆されている。
したがって、窒素含有膜からなる層の下地が金属元素を含む膜であることも上記のような本発明の有機電界発光素子が奏する効果の発現に大きく寄与していると考えられる。
上記(1)、(2)の窒素含有膜は、金属酸化物層上に形成された窒素含有化合物からなる膜、すなわち、窒素含有化合物が分解することなく膜を形成したものである。上記(2)の窒素含有膜は、窒素含有化合物として、窒素含有化合物を構成する全原子数に対する窒素原子数の割合が高いものを用いて形成されるものである。
上記(1)、(2)の窒素含有膜の形成方法は特に制限されないが、窒素含有化合物の溶液を金属酸化物層上に塗布した後、溶媒を揮発させる方法が好適に用いられる。
上記(3)、(4)の窒素含有膜は、金属酸化物層上で窒素含有化合物を分解させることで形成される膜であるが、窒素含有化合物の一部に分解されないものが残っていてもよい。好ましくは、窒素含有化合物の全てが分解されることである。
上記(3)、(4)の窒素含有膜の形成方法は特に制限されないが、窒素含有化合物の溶液を金属酸化物層上に塗布した後、窒素含有化合物を分解して形成する方法が好適に用いられる。
上記窒素含有膜は、金属酸化物層上に窒素含有化合物を含む溶液を塗布する工程を含む方法により形成されたものであることが好ましい。このような工程を含む方法で窒素含有膜を形成することで、以下のような効果も得られる。
有機電界発光素子の金属酸化物層は、後述するようにスプレー熱分解法、ゾルゲル法、スパッタ法等の方法で成膜され、表面は平滑ではなく凹凸を持つ。この金属酸化物層の上に、真空蒸着等の方法で発光層を成膜した場合、発光層の原料となる成分の種類によっては、金属酸化物層の表面の凹凸が結晶核となり、金属酸化物層に接する発光層を形成する材料の結晶化が促進される。このため、有機電界発光素子を完成させたとしても、大きなリーク電流が流れ、発光面が不均一化して、実用に耐える素子が得られない場合がある。
しかし、溶液を塗布して層を形成すると、表面の平滑な層を形成することができるため、金属酸化物層と発光層との間に塗布により窒素含有化合物層を形成すると、発光層を形成する材料の結晶化が抑制され、これによって、金属酸化物層を有する有機電界発光素子がリーク電流の抑制と、均一な面発光を得ることができることになる。
上記窒素含有膜は、膜を構成する元素として窒素元素と炭素元素とを含み、該膜を構成する窒素原子と炭素原子との存在比率が
窒素原子数/(窒素原子数+炭素原子数)>1/8
の関係を満たすことが好ましい。
このように窒素含有膜中における窒素原子数の割合が高いと、金属−窒素結合の総数が増加し、結果としてより強い分極により電子注入特性が更に高いものとなる。窒素含有膜における窒素原子数/(窒素原子数+炭素原子数)は、1/5より大きいことがより好ましい。
窒素含有膜中における窒素元素、炭素元素の存在比率は、光電子分光法(XPS)により測定することができる。
上記(3)、(4)の窒素含有膜は、金属酸化物層上で窒素含有化合物を分解させることで形成されるものである限り、窒素含有化合物を分解させる方法は特に制限されないが、窒素含有化合物を加熱により分解させることで形成されるものであることが好ましい。
窒素含有化合物を加熱により分解させると、金属酸化物層中の金属原子と窒素原子との結合が強化され、これにより、有機電界発光素子が、より長期にわたって高い駆動安定性を発揮するものとなる。
したがって、上記窒素含有膜は、金属酸化物層上に窒素含有化合物を含む溶液を塗布した後、窒素含有化合物を加熱により分解させることで形成する方法により形成されるものが最も好ましく、このような方法で形成することで、リーク電流の抑制と、均一な面発光を得る効果、及び、有機電界発光素子が、より長期にわたって高い駆動安定性を発揮するものとする効果が得られることになる。
このようなHOILED素子の製造方法、すなわち、陽極と、基板上に形成された陰極との間に複数の層が積層された構造を有する有機電界発光素子の製造方法であって、上記製造方法は、金属酸化物層上に、窒素含有化合物を含む溶液を塗布する工程と、該窒素含有化合物が分解する温度で加熱処理をして本発明の窒素含有膜からなる層を製造する工程とを含む有機電界発光素子の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記窒素含有化合物を分解させるための加熱処理は、大気下で行うことが好ましい。大気下で行うことで、窒素含有化合物の分解を充分に促進し、有機電界発光素子を長期にわたってより高い駆動安定性を発揮するものとすることができる。
上記窒素含有化合物を分解させるための加熱処理の温度は、80〜200℃であることが好ましく、時間は、1〜30分であることが好ましい。
加熱処理の温度や時間は、上記範囲の中で、窒素含有化合物の種類により適宜設定すればよい。例えば、窒素含有化合物として下記ポリアルキレンイミン構造を主鎖骨格に有する重合体を用いる場合、重合体の分子量が大きくなるほど分解温度は高くなるため、重合体の分子量を考慮し、後述する実施例での加熱処理条件を参考にして加熱処理の温度、及び、時間を適宜設定することができる。
窒素含有化合物が分解しているか否かはX線光電子分光法(XPS)測定により確認することができる。
上記窒素含有膜は、金属酸化物層上で窒素含有化合物を分解させる工程を行った後に、エタノール、メトキシエタノール等の有機溶媒で膜の表面を洗浄する工程を行って形成されるものであってもよい。
上記窒素含有化合物としては、例えば、ポリビニルピロリドンのようなピロリドン類、ポリピロールのようなピロール類又はポリアニリンのようなアニリン類、又はポリビニルピリジンのようなピリジン類、同様に、ピロリジン類、イミダゾール類、ピペリジン類、ピリミジン類、トリアジン類などの含窒素複素環を有する化合物や、アミン化合物が挙げられる。その中でも、窒素含有率の多い化合物が好ましく、ポリアミン類又はトリアジン環含有化合物が好ましい。
ポリアミン類は、化合物を構成する全原子数に対する窒素原子数の比率が高いため、有機電界発光素子を高い電子注入性と駆動安定性を有するものとする点から適している。
ポリアミン類としては、塗布により層を形成することができるものが好ましく、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。低分子化合物としては、ジエチレントリアミンのようなポリアルキレンポリアミンが好適に用いられ、高分子化合物では、ポリアルキレンイミン構造を有する重合体が好適に用いられる。特にポリエチレンイミンが好ましい。
なお、ここで低分子化合物とは、高分子化合物(重合体)ではない化合物を意味し、分子量の低い化合物を必ずしも意味するものではない。
上記ポリアミン類の中でも、ポリアルキレンイミン構造を主鎖骨格に有する直鎖状構造の重合体を用いることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
ポリアミン類の中でも、このような構造の重合体を用いることで、素子駆動安定性と素子寿命により優れたものとなる。これは、このようなポリアルキレンイミン構造を主鎖骨格に有する重合体は直鎖状構造であることから固体であり、これにより、デバイス中で安定に存在することによるものと推定される。
このようなポリアルキレンイミン構造を主鎖骨格に有する直鎖状構造の重合体によって金属酸化物層上に形成された窒素含有膜は、上記(1)の窒素含有膜となる。
なお、ポリアルキレンイミン構造を主鎖骨格に有する直鎖状構造の重合体は、主鎖骨格を形成するポリアルキレンイミン構造の大半が直鎖状に連結したものであればよく、一部に分岐構造を有するものであってもよい。好ましくは、主鎖骨格を形成するポリアルキレンイミン構造の80%以上が直鎖状に連結したものであり、より好ましくは、90%以上が直鎖状に連結したものであり、更に好ましくは、95%以上が直鎖状に連結したものであり、最も好ましくは、主鎖骨格を形成するポリアルキレンイミン構造の100%以上が直鎖状に連結したものである。
上記ポリアルキレンイミン構造を有する重合体のポリアルキレンイミン構造は、炭素数2〜4のアルキレンイミンにより形成された構造であることが好ましい。より好ましくは、炭素数2又は3のアルキレンイミンにより形成された構造である。
上記ポリアルキレンイミン構造を有する重合体は、主鎖骨格にポリアルキレンイミン構造を有するものであればよく、ポリアルキレンイミン構造以外の構造を有する共重合体であってもよい。
上記ポリアルキレンイミン構造を有する重合体がポリアルキレンイミン構造以外の構造を有する場合、ポリアルキレンイミン構造以外の構造の原料となる単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、アセチレン、アクリル酸、スチレン、又は、ビニルカルバゾール等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。また、これらの単量体の炭素原子に結合した水素原子が他の有機基に置換された構造のものも好適に用いることができる。水素原子と置換する他の有機基としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基等が挙げられる。
上記ポリアルキレンイミン構造を有する重合体は、重合体の主鎖骨格を形成する単量体成分100質量%のうち、ポリアルキレンイミン構造を形成する単量体が50質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、66質量%以上であり、更に好ましくは、80質量%以上である。最も好ましくは、ポリアルキレンイミン構造を形成する単量体が100質量%であること、すなわち、ポリアルキレンイミン構造を有する重合体がポリアルキレンイミンのホモポリマーであることである。
上記ポリアルキレンイミン構造を有する重合体は、重量平均分子量が100000以下であることが好ましい。このような重量平均分子量のものを用い、重合体が分解する温度での加熱処理を行って層を形成することで、有機電界発光素子をより駆動安定性に優れたものとすることができる。より好ましくは、10000以下であり、更に好ましくは、100〜1000である。
また、ポリアルキレンイミン構造を有する重合体が上述した直鎖状構造の重合体である場合には、重合体の重量平均分子量は、より好ましくは、250000以下であり、更に好ましくは、10000〜50000である。
重量平均分子量は、以下の条件でGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定により求めることができる。
測定機器:Waters Alliance(2695)(商品名、Waters社製)
分子量カラム:TSKguard column α、TSKgel α−3000、TSKgel α−4000、TSKgel α−5000(いずれも東ソー社製)を直列に接続して使用
溶離液:100mMホウ酸水溶液14304gに50mM水酸化ナトリウム水溶液96gとアセトニトリル3600gを混合した溶液
検量線用標準物質:ポリエチレングリコール(東ソー社製)
測定方法:測定対象物を固形分が約0.2質量%となるように溶離液に溶解し、フィルターにてろ過した物を測定サンプルとして分子量を測定する。
上記トリアジン環含有化合物としては、メラミンやグアナミン類が、窒素含有環状化合物であって、化合物を構成する全原子数に対する窒素原子数の比率が高いことと、剛直であることにより適している。金属酸化物層上にメラミンやグアナミン類からなる膜を形成した場合、上記(2)の高窒素含有膜となる。
上記トリアジン環含有化合物としては、メラミンやベンゾグアナミン/アセトグアナミン等のグアナミン類の他、メチロール化されたメラミンやグアナミン類、メラミン樹脂/グアナミン樹脂等のメラミン/グアナミン骨格を有する化合物の1種又は2種以上を用いることができるが、これらの中でも、化合物を構成する全原子中の窒素原子の割合が高い点でメラミンが好ましい。
また上記含窒素複素環を有する化合物やアミン化合物としては、下記式(1)〜(9)で表される構造の繰り返し単位を有する重合体や、式(10)のトリエチルアミン、式(11)のエチレンジアミンも好適に用いることができる。
Figure 2014168014
Figure 2014168014
また、金属酸化物層上でこれら窒素含有化合物を分解させると、上記(3)の窒素含有膜や(4)の高窒素含有膜となる。窒素含有化合物として、ポリアミン類やトリアジン環含有化合物等のような窒素含有割合の高い化合物を用いることで金属酸化物層上に窒素含有化合物の分解物をより緻密に堆積させることができると考えられる。このような金属酸化物上の窒素含有薄膜も本特許の発明の一つである。窒素含有薄膜については、更に後で述べる。
本発明における窒素含有膜の平均厚さは、3〜150nmである。窒素含有膜がこのような平均厚さであると、上述した窒素含有膜を有することの効果を良好に発揮することができる。窒素含有膜の平均厚さは、5〜100nmであることが好ましい。より好ましくは5〜50nmである。特に窒素含有化合物が分解してなる窒素含有膜である場合には、5〜100nmであることが好ましく、より好ましくは5〜50nmである。
窒素含有膜の平均厚さは、接触式段差計により成膜時に測定することができる。接触式段差計は、極薄膜の測定時、測定環境に大きく依存して、測定値のバラツキが大きくなる。そのため、本特許内の平均厚さを測定する際は、複数回の測定の平均値により決定している。
本発明の有機電界発光素子は、陽極および陰極と、前記陽極と前記陰極とに挟まれた1層または複数層の有機化合物層とを有し、前記陰極と前記有機化合物層との間に、金属酸化物層を有し、更に、前記金属酸化物層と前記有機化合物層との間に本発明の窒素含有膜からなる層を有することが好ましい。ここで有機化合物層は、発光層を含み、必要に応じてその他に電子輸送層や正孔輸送層を含む層である。
その中でも、本発明の有機電界発光素子は、基板上に隣接して陰極が形成され、陽極と陰極との間に金属酸化物層を有する有機無機ハイブリッド型の有機電界発光素子であって、発光層と陽極とを有し、陰極と発光層との間に、電子注入層と、必要に応じて電子輸送層とを有し、陽極と発光層との間に正孔輸送層及び/又は正孔注入層を有する構成の素子であることが好ましい。本発明の有機電界発光素子は、これらの各層の間に他の層を有していてもよいが、これらの各層のみから構成される素子であることが好ましい。すなわち、陰極、電子注入層、必要に応じて電子輸送層、発光層、正孔輸送層及び/又は正孔注入層、陽極の各層がこの順に隣接して積層された素子であることが好ましい。なお、これらの各層は、1層からなるものであってもよく、2層以上からなるものであってもよい。
上述したように、窒素含有膜は、電子注入特性に優れたものであるから、電子注入側、つまり陰極側に用いられることが好ましい。また金属酸化物層は、後述するように、陰極の一部若しくは電子注入層の一層、及び/又は、陽極の一部若しくは正孔注入層の一層として積層されることが好ましい。
上記構成の有機電界素子において、素子が電子輸送層を有さない場合は、電子注入層と発光層とが隣接することになる。また、素子が正孔輸送層、正孔注入層のいずれか一方のみを有する場合には、当該一方の層が発光層と陽極とに隣接して積層されることになり、素子が正孔輸送層と正孔注入層の両方を有する場合には、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順にこれらの層が隣接して積層されることになる。
本発明の有機電界発光素子において、発光層を形成する材料としては、発光層の材料として通常用いることができるいずれの化合物も用いるができ、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよく、これらを混合して用いてもよい。
なお、本発明において低分子材料とは、高分子材料(重合体)ではない材料を意味し、分子量が低い有機化合物を必ずしも意味するものではない。
上記発光層を形成する高分子材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン、ポリ(ジ−フェニルアセチレン)(PDPA)、ポリ(アルキル,フェニルアセチレン)(PAPA)のようなポリアセチレン系化合物;ポリ(パラ−フェンビニレン)(PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレンビニレン)(RO−PPV)、シアノ−置換−ポリ(パラ−フェンビニレン)(CN−PPV)、ポリ(2−ジメチルオクチルシリル−パラ−フェニレンビニレン)(DMOS−PPV)、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチルヘキソキシ)−パラ−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物;ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)、ポリ(オキシプロピレン)トリオール(POPT)のようなポリチオフェン系化合物;ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、ポリ(ジオクチルフルオレン−アルト−ベンゾチアジアゾール)(F8BT)、α,ω−ビス[N,N’−ジ(メチルフェニル)アミノフェニル]−ポリ[9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジル](PF2/6am4)、ポリ(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)のようなポリフルオレン系化合物;ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)、ポリ(1,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレン)(RO−PPP)のようなポリパラフェニレン系化合物;ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物;ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)、ポリ(ナフチルフェニルシラン)(PNPS)、ポリ(ビフェニリルフェニルシラン)(PBPS)のようなポリシラン系化合物;更には特願2010−230995号、特願2011−6457号に記載のホウ素化合物系高分子材料等が挙げられる。
上記発光層を形成する低分子材料としては、例えば、配位子に2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸を持つ、3配位のイリジウム錯体、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8キノリノレート) アルミニウム(III)(Almq)、8−ヒドロキシキノリン 亜鉛(Znq)、(1,10−フェナントロリン)−トリス−(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−ブタン−1,3−ジオネート)ユーロピウム(III)(Eu(TTA)(phen))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィン プラチナム(II)のような各種金属錯体;ジスチリルベンゼン(DSB)、ジアミノジスチリルベンゼン(DADSB)のようなベンゼン系化合物;ナフタレン、ナイルレッドのようなナフタレン系化合物;フェナントレンのようなフェナントレン系化合物;クリセン、6−ニトロクリセンのようなクリセン系化合物;ペリレン、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ジ−カルボキシイミド(BPPC)のようなペリレン系化合物;コロネンのようなコロネン系化合物;アントラセン、ビススチリルアントラセンのようなアントラセン系化合物;ピレンのようなピレン系化合物;4−(ジ−シアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)のようなピラン系化合物;アクリジンのようなアクリジン系化合物;スチルベンのようなスチルベン系化合物;2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェンのようなチオフェン系化合物;ベンゾオキサゾールのようなベンゾオキサゾール系化合物;ベンゾイミダゾールのようなベンゾイミダゾール系化合物;2,2’−(パラ−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール系化合物;ビスチリル(1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)、テトラフェニルブタジエンのようなブタジエン系化合物;ナフタルイミドのようなナフタルイミド系化合物;クマリンのようなクマリン系化合物;ペリノンのようなペリノン系化合物;オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物;アルダジン系化合物;1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP)のようなシクロペンタジエン系化合物;キナクリドン、キナクリドンレッドのようなキナクリドン系化合物;ピロロピリジン、チアジアゾロピリジンのようなピリジン系化合物;2,2’,7,7’−テトラフェニル−9,9’−スピロビフルオレンのようなスピロ化合物;フタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物;更には特開2009−155325号公報および特願2010−230995号、特願2011−6458号に記載のホウ素化合物材料等が挙げられる。
上記発光層の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであることが好ましい。より好ましくは、20〜100nmであり、更に好ましくは、40〜100nmである。
発光層の平均厚さは、低分子化合物の場合は水晶振動子膜厚計により、高分子化合物の場合は接触式段差計により測定することができる。
本発明の有機電界発光素子が、電子輸送層を有する場合、その材料としては、電子輸送層の材料として通常用いることができるいずれの化合物も用いるができ、これらを混合して用いてもよい。
電子輸送層の材料として用いることができる化合物の例としては、トリス−1,3,5−(3’−(ピリジン−3’’−イル)フェニル)ベンゼン(TmPyPhB)のようなピリジン誘導体、(2−(3−(9−カルバゾリル)フェニル)キノリン(mCQ))のようなキノリン誘導体、2−フェニル−4,6−ビス(3,5−ジピリジルフェニル)ピリミジン(BPyPPM)のようなピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、バソフェナントロリン(BPhen)のようなフェナントロリン誘導体、2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−(4’−(2−ピリジニル)−4−ビフェニル)−[1,3,5]トリアジン(MPT)のようなトリアジン誘導体、3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)のようなトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)のようなオキサジアゾール誘導体、2,2’,2’’−(1,3,5−ベントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)(TPBI)のようなイミダゾール誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(Zn(BTZ))、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)などに代表される各種金属錯体、2,5−ビス(6’−(2’,2’’−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)等のシロール誘導体に代表される有機シラン誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、Alqのような金属錯体、TmPyPhBのようなピリジン誘導体が好ましい。
本発明の有機電界発光素子が、正孔輸送層を有する場合、正孔輸送層として用いる正孔輸送性有機材料には、各種p型の高分子材料や、各種p型の低分子材料を単独または組み合わせて用いることができる。
p型の高分子材料(有機ポリマー)としては、例えば、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等が挙げられる。
またこれらの化合物は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
上記p型の低分子材料としては、例えば、1,1−ビス(4−ジ−パラ−トリアミノフェニル)シクロへキサン、1,1’−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサンのようなアリールシクロアルカン系化合物、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD1)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD3)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)、TPTEのようなアリールアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(パラ−トリル)−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(メタ−トリル)−メタ−フェニレンジアミン(PDA)のようなフェニレンジアミン系化合物、カルバゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾールのようなカルバゾール系化合物、スチルベン、4−ジ−パラ−トリルアミノスチルベンのようなスチルベン系化合物、OZのようなオキサゾール系化合物、トリフェニルメタン、m−MTDATAのようなトリフェニルメタン系化合物、1−フェニル−3−(パラ−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンのようなピラゾリン系化合物、ベンジン(シクロヘキサジエン)系化合物、トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、イミダゾールのようなイミダゾール系化合物、1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アントラセン、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンのようなアントラセン系化合物、フルオレノン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニルカルバモイル)−1−ナフチルアゾ)フルオレノンのようなフルオレノン系化合物、ポリアニリンのようなアニリン系化合物、シラン系化合物、1,4−ジチオケト−3,6−ジフェニル−ピロロ−(3,4−c)ピロロピロールのようなピロール系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリンのようなポルフィリン系化合物、キナクリドンのようなキナクリドン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、銅ナフタロシアニン、バナジルナフタロシアニン、モノクロロガリウムナフタロシアニンのような金属または無金属のナフタロシアニン系化合物、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジンのようなベンジジン系化合物等が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子が、電子輸送層や正孔輸送層を有する場合、これらの層の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであることが好ましい。より好ましくは、20〜100nmであり、更に好ましくは、40〜100nmである。
電子輸送層や正孔輸送層の平均厚さは、低分子化合物の場合は水晶振動子膜厚計により、高分子化合物の場合は接触式段差計により測定することができる。
本発明の有機電界発光素子は、陰極から発光層までの間、陽極から発光層までの間のいずれか又は両方に金属酸化物層を有することになるが、陰極から発光層までの間との発光層から陽極までの間の両方に金属酸化物層を有することが好ましい。陰極から発光層までの間の金属酸化物層を第1の金属酸化物層、陽極から発光層までの間の金属酸化物層を第2の金属酸化物層とし、本発明の有機電界発光素子の好ましい素子の構成の一例を表すと、陰極、第1の金属酸化物層、窒素含有膜からなる層、発光層、正孔輸送層、第2の金属酸化物層、陽極がこの順に隣接して積層された構成である。なお、窒素含有膜からなる層と、発光層との間に必要に応じて電子輸送層を有していてもよい。金属酸化物層の重要性は、第1の金属酸化物層の方が高く、第2の金属酸化物層は、最低非占有分子軌道の極端に深い有機材料、例えば、HATCNでも置き換える事ができる。
上記第1の金属酸化物層は、単体の金属酸化物膜の一層からなる層、もしくは、単体又は二種類以上の金属酸化物を積層及び/又は混合した層である半導体もしくは絶縁体積層薄膜の層である。金属酸化物を構成する金属元素としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、インジウム、ガリウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、ケイ素からなる群から選ばれる。これらのうち、積層又は混合金属酸化物層を構成する金属元素の少なくとも一つが、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ジルコニウム、ハフニウム、ケイ素、チタン、亜鉛からなる層であることが好ましく、その中でも単体の金属酸化物ならば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛からなる群から選ばれる金属酸化物を含むことが好ましい。
上記単体又は二種類以上の金属酸化物を積層及び/又は混合した層の例としては、酸化チタン/酸化亜鉛、酸化チタン/酸化マグネシウム、酸化チタン/酸化ジルコニウム、酸化チタン/酸化アルミニウム、酸化チタン/酸化ハフニウム、酸化チタン/酸化ケイ素、酸化亜鉛/酸化マグネシウム、酸化亜鉛/酸化ジルコニウム、酸化亜鉛/酸化ハフニウム、酸化亜鉛/酸化ケイ素、酸化カルシウム/酸化アルミニウムなどの金属酸化物の組合せを積層及び/又は混合したものや、酸化チタン/酸化亜鉛/酸化マグネシウム、酸化チタン/酸化亜鉛/酸化ジルコニウム、酸化チタン/酸化亜鉛/酸化アルミニウム、酸化チタン/酸化亜鉛/酸化ハフニウム、酸化チタン/酸化亜鉛/酸化ケイ素、酸化インジウム/酸化ガリウム/酸化亜鉛などの三種の金属酸化物の組合せを積層及び/又は混合したものなどが挙げられる。これらの中には、特殊な組成として良好な特性を示す酸化物半導体であるIGZOやエレクトライドである12CaO・7Alも含まれる。
これら第1の金属酸化物層は、電子注入層ともいえ、また、電極(陰極)ともいえる。
なお、本発明においては、シート抵抗が100Ω/□より低い物は導電体、シート抵抗が100Ω/□より高い物は半導体または絶縁体として分類される。従って、透明電極として知られているITO(錫ドープ酸化インジウム)、ATO(アンチモンドープ酸化インジウム)、IZO(インジウムドープ酸化亜鉛)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、FTO(フッ素ドープ酸化インジウム)等の薄膜は、導電性が高く半導体または絶縁体の範疇に含まれないことから本発明の第1の金属酸化物層を構成する一層に該当しない。
上記第2の金属酸化物層を形成する金属酸化物としては、特に制限されないが、酸化バナジウム(V)、酸化モリブテン(MoO)、酸化タングステン(WO)、酸化ルテニウム(RuO)等の1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、酸化バナジウム又は酸化モリブテンを主成分とするものが好ましい。第2の金属酸化物層が酸化バナジウム又は酸化モリブテンを主成分とするものにより構成されると、第2の金属酸化物層が陽極から正孔を注入して発光層又は正孔輸送層へ輸送するという正孔注入層としての機能により優れたものとなる。また、酸化バナジウム又は酸化モリブテンは、それ自体の正孔輸送性が高いため、陽極から発光層又は正孔輸送層への正孔の注入効率が低下するのを好適に防止することもできるという利点がある。より好ましくは、酸化バナジウム及び/又は酸化モリブテンから構成されるものである。
上記第1の金属酸化物層の平均厚さは、1nmから数μm程度まで許容できるが、低電圧で駆動できる有機電界発光素子とする点から、1〜1000nmであることが好ましい。より好ましくは、2〜100nmである。
上記第2の金属酸化物層の平均厚さは、特に限定されないが、1〜1000nmであることが好ましい。より好ましくは、5〜50nmである。
第1の金属酸化物層の平均厚さは、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定することができる。
第2の金属酸化物層の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定することができる。
本発明の有機電界発光素子において、陽極及び陰極としては、公知の導電性材料を適宜用いることができるが、光取り出しのために少なくともいずれか一方は透明であることが好ましい。公知の透明導電性材料の例としてはITO(錫ドープ酸化インジウム)、ATO(アンチモンドープ酸化インジウム)、IZO(インジウムドープ酸化亜鉛)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、FTO(フッ素ドープ酸化インジウム)などが上げられる。不透明な導電性材料の例としては、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、錫、インジウム、銅、銀、金、白金やこれらの合金などが挙げられる。
陰極としては、この中でも、ITO、IZO、FTOが好ましい。
陽極としては、これらの中でも、Au、Ag、Alが好ましい。
上記のように、一般に陽極に用いられる金属を陰極及び陽極に用いる事ができる事から、上部電極からの光の取り出しを想定する場合(トップエミッション構造の場合)も容易に実現でき、上記電極を種々選んでそれぞれの電極に用いる事ができる。例えば、下部電極としてAl、上部電極にITOなどである。
上記陰極の平均厚さは、特に制限されないが、10〜500nmであることが好ましい。より好ましくは、100〜200nmである。陰極の平均厚さは、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定することができる。
上記陽極の平均厚さは、特に限定されないが、10〜1000nmであることが好ましい。より好ましくは、30〜150nmである。また、不透過な材料を用いる場合でも、例えば平均厚さを10〜30nm程度にすることで、トップエミッション型及び透明型の陽極として使用することができる。
陽極の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定することができる。
本発明の有機電界発光素子において、有機化合物から形成される層の成膜方法は特に限定されず、材料の特性に合わせて種々の方法を適宜用いることができるが、溶液にして塗布できる場合はスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、スリットコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いて成膜することができる。このうち、膜厚をより制御しやすいという点でスピンコート法やスリットコート法が好ましい。塗布しない場合や溶媒溶解性が低い場合は真空蒸着法や、ESDUS(Evaporative Spray Deposition from Ultra−dilute Solution)法などが好適な例として挙げられる。
上記有機化合物から形成される層を、有機化合物溶液を塗布して形成する場合、有機化合物を溶解するために用いる溶媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
これらの中でも、溶媒としては、非極性溶媒が好適であり、例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。
上記窒素含有化合物として、ポリアミン類を用いる場合、窒素含有化合物を含む溶液の溶媒として水又は低級アルコールを用いることができる。低級アルコールとしては、炭素数1〜4のアルコールを用いることが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、エトキシエタノール、メトキシエタノール等を単独または混合して用いることができる。
上記陰極、陽極、及び、酸化物層は、スパッタ法、真空蒸着法、ゾルゲル法、スプレー熱分解(SPD)法、原子層堆積(ALD)法、気相成膜法、液相成膜法等により形成することができる。陽極、陰極の形成には、金属箔の接合も用いることができる。これらの方法は各層の材料の特性に応じて選択するのが好ましく、層ごとに作製方法が異なっていても良い。第2の金属酸化物層は、これらの中でも、気相製膜法を用いて形成するのがより好ましい。気相製膜法によれば、有機化合物層の表面を壊すことなく清浄にかつ陽極と接触よく形成することができ、その結果、上述したような第2の金属酸化物層を有することによる効果がより顕著なものとなる。
本発明の有機電界発光素子の特性をさらに向上させる等の理由から、必要に応じて例えば正孔阻止層、電子素子層などを有していてもよい。これらの層を形成するための材料としては、これらの層を形成するために通常用いられる材料を用い、また、これらの層を形成するために通常用いられる方法により層を形成することができる。
本発明の有機電界発光素子は、素子を構成する全ての層が有機化合物で構成された有機電界発光素子に比べると厳密な封止は必要ないが、必要であれば封止を施しても良い。封止工程としては、通常の方法を適宜使用できる。例えば、不活性ガス中で封止容器を接着する方法や、有機EL素子の上に直接封止膜を形成する方法などが挙げられる。これらに加えて、水分吸収材を封入する方法を併用してもよい。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に陰極が隣接して形成される逆構造の有機電界発光素子である。本発明の有機電界発光素子は、基板がある側とは反対側に光を取り出すトップエミッション型のものであってもよく、基板がある側に光を取り出すボトムエミッション型のものであってもよい。
上記基板の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
また、トップエミッション型の場合には、不透明基板も用いることができ、例えば、アルミナのようなセラミックス材料で構成された基板、ステンレス鋼のような金属基板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したもの、樹脂材料で構成された基板等も用いることができる。
上記基板の平均厚さは、0.1〜30mmであることが好ましい。より好ましくは、0.1〜10mmである。
基板の平均厚さはデジタルマルチメーター、ノギスにより測定することができる。
本発明の電界発光素子は、陽極と陰極との間に電圧(通常は15ボルト以下)を印加することによって発光させることができる。通常は直流電圧を印加するが、交流成分が含まれていても良い。
本発明の有機電界発光素子は、有機化合物層の材料を適宜選択することによって発光色を変化させることができるし、カラーフィルター等を併用して所望の発光色を得ることもできる。そのため、表示装置の発光部位や照明装置として好適に用いることができる。特に、逆構造という特性から、酸化物TFTと組み合わせた表示装置が好適である。
このような、本発明の有機電界発光素子を備えることを特徴とする表示装置や、本発明の有機電界発光素子を備えることを特徴とする照明装置もまた、本発明の1つである。
本発明の有機電界発光素子は、上述したとおり、金属酸化物層上に窒素含有膜からなる層を有することで、電子注入特性が向上して発光効率に優れるとともに、素子の駆動安定性及び素子寿命にも優れたものとなる。
このような電子注入特性向上の効果は、有機電界発光素子に限らず、太陽電池や有機半導体等の他の光電子デバイスにおいても、性能向上に寄与する有益なものである。このような光電子デバイスの性能向上に寄与する窒素含有膜、すなわち、
窒素を含有する膜であって、該膜は、金属を含有する基材上に形成され、固体の窒素含有化合物で形成されるか、又は、膜を構成する元素として窒素元素と炭素元素とを含み、該膜を構成する窒素原子と炭素原子との存在比率が
窒素原子数/(窒素原子数+炭素原子数)>1/8
の関係を満たすことを特徴とする窒素含有膜もまた、本発明の1つである。
本発明の窒素含有膜の好ましい形態や製造方法は、上述した本発明の有機電界発光素子における窒素含有膜からなる層と同様である。
本発明の有機電界発光素子は、上述の構成よりなり、厳密な封止を必要としない有機無機ハイブリッド型の逆構造を有した有機電界発光素子であって、発光効率に優れるとともに、発光の繰り返し安定性と発光の均一性に優れた高い駆動安定性を有し、素子の寿命も長いものである。これらの特徴を有する本発明の有機電界発光素子は、表示装置や証明装置等に好適に用いることができる。
本発明で示される有機電界発光素子の積層構造の一例を示した概略図である。 実施例1で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例1で作製した有機電界発光素子の(c−1)定電流密度下(100cd/m相当)での連続駆動特性、及び、(c−2)定電流密度下(1000cd/m相当)での連続駆動特性の測定結果を示した図である。 比較例1で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、及び、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例2で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例2で作製した有機電界発光素子の(c−2)定電流密度下(1000cd/m相当)での連続駆動特性の測定結果を示した図である。 実施例3で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例3で作製した有機電界発光素子の(c−2)定電流密度下(1000cd/m相当)での連続駆動特性の測定結果を示した図である。 実施例4で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、及び、(c−1)定電流密度下(100cd/m相当)での連続駆動特性の測定結果を示した図である。 実施例5で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例5で作製した有機電界発光素子(c−1)定電流密度下(100cd/m相当)での連続駆動特性の測定結果を示した図である。 実施例6で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例6で作製した有機電界発光素子の(c−1)定電流密度下(100cd/m相当)での連続駆動特性の測定結果を示した図である。 実施例7で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例7で作製した有機電界発光素子の(c−2)定電流密度下(1000cd/m相当)での連続駆動特性の測定結果を示した図である。 実施例8で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例8で作製した有機電界発光素子の(c−2)定電流密度下(1000cd/m相当)での連続駆動特性の測定結果を示した図である。 実施例9で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例9で作製した有機電界発光素子の(c−1)定電流密度下(100cd/m相当)での連続駆動特性の測定結果を示した図である。 実施例10で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例10で作製した有機電界発光素子の(c−2)定電流密度下(1000cd/m相当)での連続駆動特性の測定結果を示した図である。 製造例1で作製した窒素含有膜の光電子分光測定を行った結果を示した図である。 製造例2で作製した窒素含有膜の光電子分光測定を行った結果を示した図である。 製造例3で作製した窒素含有膜の光電子分光測定を行った結果を示した図である。 製造例4で作製した窒素含有膜の光電子分光測定を行った結果を示した図である。 実施例11−1で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、及び、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例11−2で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、及び、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 実施例12で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、及び、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。 比較例2で作製した有機電界発光素子の(a)電圧−電流密度・輝度特性、及び、(b)電流密度−電流効率特性の測定結果を示した図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
(有機電界発光素子の作製)
(実施例1)
[1]市販されている平均厚さ0.7mmのITO電極層付き透明ガラス基板1を用意した。この時、基板のITO電極2は幅2mmにパターニングされているものを用いた。この基板をアセトン中、イソプロパノール中でそれぞれ10分間超音波洗浄後、イソプロパノール中で5分間煮沸した。この基板をイソプロパノール中から取り出し、窒素ブローにより乾燥させ、UVオゾン洗浄を20分行った。
[2]この基板を、亜鉛金属ターゲットを持つミラトロンスパッタ装置の基板ホルダーに再度固定した。約1×10−4Paまで減圧した後、アルゴンと酸素を導入した状態でスパッタし、第1の金属酸化物層3として、膜厚約2nmの酸化亜鉛層を作成した。この時にメタルマスクを併用して、電極取り出しのためITO電極の一部は酸化亜鉛が成膜されないようにした。
[3]この基板を、再度[1]の洗浄工程(アセトン中、イソプロパノール中でそれぞれ10分間超音波洗浄後、イソプロパノール中で5分間煮沸、その後窒素ブローにより乾燥させ、UVオゾン洗浄を20分行う)の後、400℃のホットプレート上で1時間アニールを行った。
[4]次に窒素含有膜の層4を形成するため、日本触媒社製ポリエチレンイミン(登録商標:エポミン)をエタノールにより0.5重量%に希釈したものを2000rpm、30秒の条件でスピンコートした。
ここで用いたエポミンは分子量300のsp003であった。
[5][4]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、5分間アニールを行った。アニール後に測定した窒素含有膜の層の平均厚みは5nmであった。
[6]次に、[5]の処理を行った基板を真空装置に導入し、1×10−4Pa以下まで減圧する。有機化合物層5として、発光層としてAlqを正孔輸送層としてα−NPDをそれぞれ順番に32.5nm、60nm真空蒸着法により積層した。
[7]次に、有機化合物層5の上に、第2の金属酸化物層6を形成した。ここでは、酸化モリブデンを10nm気相製膜法である真空蒸着法により形成した。
[8]次に、最終工程として第2の金属酸化物層6上に陽極7を形成した。ここでは、アルミニウムを150nm真空蒸着法により製膜した。
[9]下記(有機電界発光素子の発光特性測定)および(有機電界発光素子の寿命特性測定)により有機電界発光素子特性(電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、定電流密度下(100cd/m相当、1000cd/m相当)での連続駆動特性)を測定した。測定結果をそれぞれ図2−1、2−2の(a)、(b)、(c−1)及び(c−2)に示す。
(有機電界発光素子の発光特性測定)
ケースレー社製の「2400型ソースメーター」により、素子への電圧印加と、電流測定を行った。トプコン社製の「BM−7」により、発光輝度を測定した。測定はアルゴン雰囲気下で行った。
(有機電界発光素子の寿命特性測定)
システム技研社製の「有機EL寿命測定装置」により、素子への電圧印加と、相対輝度測定を行った。この装置では素子に一定電流が流れるように電圧を自動的に調整しながら、フォトダイオードによる相対輝度測定が行える。測定開始時の輝度が100cd/mおよび1000cd/mになるように素子ごとに電流値を設定した。これらの結果をそれぞれの実施例および比較例において(c−1)、(c−2)に示す。
なお、図(c−1)、(c−2)の欄外の例えば、「t1/2=200h@1000cd/m」等の記載は、半減寿命を表し、上記の場合、初期1000cd/m相当の電流密度を定電流で与え続けた時の輝度半減寿命が200時間であることを意味する。
(比較例1)
実施例1の工程[4][5]を省略した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、及び、電流密度−電流効率特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図3(a)、(b)に示す。
(実施例2)
実施例1の工程[4]の工程を以下の[4−2]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(1000cd/m相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図4−1、4−2の(a)、(b)及び(c−2)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、6nmであった。
[4−2]次に窒素含有膜の層4を形成するため、日本触媒社製ポリエチレンイミン(登録商標:エポミン)をエタノールにより0.5重量%に希釈したものを2000rpm、30秒の条件でスピンコートする。ここで用いたエポミンは分子量70000のP1000である。
(実施例3)
実施例1の工程[4][5]の工程を以下の[4−3][5−3]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(1000cd/m相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図5−1、5−2の(a)、(b)及び(c−2)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、5nmであった。
[4−3]次に窒素含有膜の層4を形成するため、ジエチレントリアミンをエタノールにより1.0重量%に希釈したものを2000rpm30秒の条件でスピンコートする。
[5−3][4−3]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で100℃、2分間アニールを行った。
(実施例4)
実施例1の工程[5]を省略した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、及び、定電流密度下(100cd/m相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図6(a)及び(c−1)に示す。なお、窒素含有膜の層の膜厚は、アニールを行っていないため、本薄膜は固化しておらず測定できなかったが、実施例1におけるアニール後の窒素含有膜の層の膜厚および大気下のアニールにより膜厚が減少することがわかっていることから、10nm程度と推測される。
(実施例5)
実施例1の工程[4]の工程を上記[4−2]に変更し、[5]の工程を以下の[5−5]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(100cd/m相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図7−1、7−2の(a)、(b)及び(c−1)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、8nmであった。
[5−5][4−2]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で100℃、10分間アニールを行った。
(実施例6)
実施例1の工程[4]の工程を上記[4−2]に変更し、[5]の工程を以下の[5−6]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(100cd/m相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図8−1、8−2の(a)、(b)及び(c−1)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、7nmであった。
[5−6][4−2]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、10分間アニールを行った。
(実施例7)
実施例1の工程[4]の工程を上記[4−2]に変更し、[5]の工程を以下の[5−7]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(1000cd/m相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図9−1、9−2の(a)、(b)及び(c−2)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、5nmであった。
[5−7][4−2]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、30分間アニールを行った。
(実施例8)
実施例1の工程[5]の工程を以下の[5−8]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(1000cd/m相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図10−1、10−2の(a)、(b)及び(c−2)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、5nmであった。
[5−8][4]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で100℃、30分間アニールを行った。
(実施例9)
実施例1の工程[4]の工程を上記[4−2]に変更し、[5]の工程を以下の[5−9]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(100cd/m相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図11−1、11−2の(a)、(b)及び(c−1)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、8nmであった。
[5−9][4−2]で作製された薄膜(基板)を、窒素下ホットプレート上で150℃、10分間アニールを行った。
(実施例10)
実施例1の工程[5]の工程を以下の[5−11]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性、及び、定電流密度下(1000cd/m相当)での連続駆動特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図12−1、12−2の(a)、(b)及び(c−2)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、5nmであった。
[5−11][4]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、5分間アニールを行った。その後、エタノールにてリンスを行った。
(製造例1)
実施例1の[1]〜[5]までの操作で得られた窒素含有膜について、下記光電子分光測定を行った。
炭素1S軌道および窒素1S軌道の測定を同時期に行う事で定量分析を行った。
これらを図13(d)、(e)に示す。
(X線光電子分光法の測定)
日本電子製(JPS−9000MX)の光電子分光測定装置を用いて、以下の条件化で測定を行った。
X線源:MgKα
ビーム出力(加速電圧―電流量):10kV−10mA
PassEnergy:10eV
Step:0.1eV
(製造例2)
実施例1の[1]〜[4]までの操作で得られた窒素含有膜について、上記光電子分光測定を行った。
炭素1S軌道および窒素1S軌道の測定を同時期に行う事で定量分析を行った。
これらを図14(d)、(e)に示す。
(製造例3)
実施例1の[1]〜[3]の工程と下記[4−12]および[5−12]の工程により作製された窒素含有膜について、上記光電子分光測定を行った。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、10nmであった。
[4−12]次に窒素含有膜の層4を形成するため、アルドリッチ製ポリエチレンイミンエトキシレート(分子量:70000)をエトキシエタノールにより0.4重量%に希釈したものを5000rpm、60秒の条件でスピンコートする。
[5−12][4−12]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で100℃、10分間アニールを行った。
炭素1S軌道および窒素1S軌道の測定を同時期に行う事で定量分析を行った。
これらを図15(d)、(e)に示す。
(製造例4)
実施例1の[1]〜[3]、以下に示す[4−13]、そして[5]までの操作を順次行い、得られた窒素含有膜について、上記光電子分光測定を行った。なお、窒素含有膜の層の膜厚は複数回の測定によっても平均膜厚を見積もることができないぐらいの膜厚であった。このことから、3nm未満であると推察される。
[4−13]次に窒素含有膜の層4を形成するため、日本触媒社製ポリエチレンイミン(登録商標:エポミン)をエタノールにより0.125重量%に希釈したものを2000rpm、30秒の条件でスピンコートする。ここで用いたエポミンは分子量70000のP1000である。
炭素1S軌道および窒素1S軌道の測定を同時期に行う事で定量分析を行った。
これらを図16(d)、(e)に示す。
(実施例11−1)
実施例1の工程[4]および[5]の工程を以下の[4−18][5−18]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図17(a)および(b)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、10nmであった。
[4−18]次に窒素含有膜の層4を形成するため、直鎖ポリエチレンイミン(ポリサイエンス社より購入、分子量:25000)をエタノールにより0.1重量%に希釈したものを2000rpm30秒の条件でスピンコートする。
[5−18][4−18]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、5分間アニールを行った。
(実施例11−2)
実施例11−1の工程[5−18]を省略した以外はすべて同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図18(a)および(b)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、12nmであった。
(実施例12)
実施例1の工程[4]および[5]の工程を以下の[4−20][5−20]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図19(a)および(b)に示す。なお、窒素含有膜の層の平均膜厚は、10nmであった。
[4−20]次に窒素含有膜の層4を形成するための窒素含有化合物としてメラミン樹脂を適用するため、メラミンおよびホルムアルデヒドを1:3で混合し、メタノール:水=1:1の混合溶媒に0.1重量%で溶解させたものを2000rpm30秒の条件でスピンコートする。
[5−20][4−20]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で80℃、60分間アニールを行った。
(比較例2)
実施例1の工程[4]および[5]の工程を以下の[4−21][5−21]に変更した以外は同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例1と同様に有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性、電流密度−電流効率特性を測定した。これらの結果をそれぞれ図20(a)および(b)に示す。
[4−21]次に窒素含有膜の層4の代わりに、窒素を含有しない有機膜としてポリスチレン膜(10nm)を、トルエンを用いてスピンコートにより製膜した。
[5−21][4−21]で作製された薄膜(基板)を、大気下ホットプレート上で150℃、5分間アニールを行った。
図2〜図12および図17〜図20について、(a)〜(c)は、それぞれ以下の内容を示す。
(a)電圧−電流密度(黒丸)・輝度(白丸)特性である。第一に、輝度が高いことがよいことである。第二に、より低電圧で高い輝度を発現できる方が良い。
(b)電流密度−電流効率(黒菱形)特性である。第一に、電流効率(以下、「効率」と表現)が高いことが良い事である。第二に、それが一定であることも良い事である。特に高電流密度領域(高輝度領域)において高く一定であることは良い事である。
(c)一定電流下(ここでは初期輝度1000cd/mとなる電流値)での電圧経時変化および相対輝度経時変化を示したものである。第一に、相対輝度経時変化が小さい(長い時間初期の輝度が維持できる)もの(以下、「寿命が長い」と表現)の方が良い。これに関連する内容だが、第二に、その間の電圧上昇が小さい方が良い。
輝度、効率、寿命の3要素全てが重要であるが、その中でも実用上、寿命は第一に優先すべき事である。
上記を前提として、図2〜12の結果を説明していく。
図2:低電圧(2Vあたり)から発光し、6Vでは3000cd/mという高輝度に到達している。効率も総じて高く4cd/A以上である。また、長期変化に関しても、輝度が半減するまで200時間程度と高い信頼性を実現できた。初期輝度100cd/mの別駆動条件において、数千時間の半減寿命を有すると見積もられたことから、再現性も高いことが明らかとなった。
図3:図3は、金属酸化物層と発光層との間に層を有さない素子での測定結果である。輝度、効率ともに図2の1/10以下であることがわかる。図4以下の測定結果では、必ずこの図3の値より勝っている事から、窒素含有膜の層を有することに効果がある事が示される。
図4:効率は図2(実施例1の素子)に勝るものの、初期数時間での輝度の落ち込みがはげしく、寿命の点では、図2のほうが優れる結果となった。この結果から、膜としての酸化還元下における安定性では、実施例1の素子のほうが優れることが推察される。
図5:輝度、効率ともに図2(実施例1の素子)に匹敵する。寿命においても、初期10時間程度までの推移は図2と同等である。しかしながら、その後急激な劣化が起る結果となっている。
図4、5の結果から、分子量の異なるポリエチレンイミンを用いても初期の特性には大幅な差が生じず、いずれも窒素含有膜を有さないものに比べて優れた結果となっている。しかし、長期安定性については差が生じる結果となっている。
図6〜図12(実施例4〜10)では、窒素含有化合物を塗布して製膜した後のプロセス(アニール条件(温度、時間、雰囲気)およびリンス)の素子特性への影響(プロセス依存性)を確認した。加えて、それらに対する、分子量依存性を示した。
図6:液状である分岐ポリエチレンイミン(低分子量)をアニール無しで用いた場合の素子特性の測定結果である。ほとんど発光は見られず、特性と呼べる水準にない。
図7および図8:液状である分岐ポリエチレンイミン(高分子量)を用い、アニール温度を変えて得られた素子の特性を測定した結果である。温度が高い方が、輝度、効率共に良好な結果を得ている。アニール温度の影響は寿命においてやや顕著であり、半減寿命で2倍以上高温でのアニールの方が良好な結果を得ている。その差は、高温でのアニールの方が初期の輝度落ち込みが小さい事に起因しているように見える。図6を含め、このことは、アニールが長寿命化、つまり酸化還元の長期安定性に効果があることを示唆している。ここには記していないが、200℃でアニール行った場合、茶色に変色したため素子測定は行わなかった。このことから、アニールの温度に関しては最適値が存在する事が推察される。
図9:実施例7は、実施例4〜6(図6〜8)の結果から得られたアニール温度の最良値である150℃において、アニール時間を変えて窒素含有膜の作製を行った結果である。輝度・効率ともに図8(実施例6)に比べてやや低下している。また、寿命曲線に関しても、やや初期の劣化が強めに現れ始めていることがわかる。これらのことから、アニール時間についても最適値が存在することが推察される。
図11:最後に、アニールを行う雰囲気について、上記最良条件において検討を加えた結果である。図8(実施例6)の条件による窒素含有膜の作製を窒素下で行った場合、初期特性(輝度・効率)には図8との間に大きな差は見られない。このことから、ここでの窒素含有膜を有することの効果は、化学吸着ではない物理吸着での金属−窒素間の分極ならびに分子中の炭素−窒素間の分極による電子吸引効果であると推察される。注目すべきは、寿命が図11では極端に短くなっている事である。このことから、長寿命化を引き起こす本発明中のアニールプロセスは、脱溶媒やモルフォロジーの変化だけではなく、化学的な変化を伴っている可能性が高いと考えられる。(どのような化学変化であるかについては後述する)
図10:上記考察の結果から、アニール条件は、材料は元より分子量にも依存すると推察される事から、それを検討した結果である。
液状である分岐ポリエチレンイミン(低分子量)について、最良温度よりも低い温度にて長時間アニールを行った結果、初期特性において、輝度・効率ともに、図2に近い結果を得たが、発光以前の電圧において、また、逆バイアスにおいて、電流密度値が高い事を観測した。このことは、発光に寄与しない無駄な電流の流れ(以下、「リーク電流」と表現)が有る事を意味しており、多くの場合、長期安定性に問題を抱える。今回も、寿命は、初期から輝度が激しく落ちるなど短く、上記リーク電流が原因と考えられる。
この結果から、アニール条件の最良値は、材料は元より分子量にも依存することが明らかとなった。加えて、このように最良温度以下で長時間のアニールを行っても良い特性を得られない事から、材料や分子量に依存した温度の閾値も存在する事が示唆された。
図12:上記最良条件(実施例1の条件)下でのリンス効果を確認すると、初期特性(輝度・効率)は、図2(実施例1)とほぼ同等であるが、ややリーク電流が大きい。これが、図2(実施例1)よりも寿命特性を悪くしている要因と考えられる。しかしながら、この図には現れていないが、作製素子間の特性のばらつきが小さくなっており、再現性という点で向上している。このことは、実用化の観点から重要なプロセスと考えられる。寿命においても、よりよいリンス条件を見いだす事で改善すると考えられる。
図17および図18:窒素含有化合物として、直鎖ポリエチレンイミンを用いた結果である。アニール処理の有無を問わず、いずれも良好な初期特性(輝度・効率)を示している。このことは、分岐ポリエチレンイミンとは異なり、固体である事が要因であると考えている。つまり、アニールの効果は、以下の3点であると推察される。(i)固化させる。(ii)金属−窒素結合の多彩化により、強固な結合種を用意する。(iii)炭素元素:窒素元素比を変化させ、相対的に窒素元素存在比率を向上させる。
これらアニールの効果については、更に後述する。
図19:窒素比率の高い材料として、メラミン樹脂の適用を検討した結果である。図3に比べて、良好な結果を得ており、効果がある事は確認できた。発光にムラも存在する事から、詳細な良い条件が見いだせれば、より良好な結果が得られると考えられる。
図20:窒素を含有しない有機膜を適用した結果である。初期特性においても輝度・効率ともに図3よりも劣る事がわかる。このことから、この有機膜は、単なる絶縁層として機能したと考えられる。また、本素子の寿命は数分と極端に短く、電子注入の機構が発光層での電荷蓄積により発光層のバンド曲がりによるものと予想される。条件の詳細検討により、ポリスチレンにおいても初期特性の改善は可能だと思われるが、駆動機構は上記に示した通りのため、長期信頼性は本発明の素子のようには期待できないと考えられる。
次に、図13〜16(製造例1〜4)について説明する。
製造例1〜4において、窒素含有膜のアニール前においては、液状である分岐ポリエチレンイミンの全ての場合において、測定不能であった。一方、アニールにより測定は可能になった。このことから、アニールが何らかの効果(この結果だけからは分解であるといった結論には至ることはできない)により固化した事が示唆された(上記効果(i))。
図13〜16の炭素1s軌道のX線光電子分光測定の結果(d)および窒素1s軌道のX線光電子分光測定の結果(e)は、全てアニール後の測定結果である。アニール前は、図15を除いて、全てC:N≒2:1であることは確認されている。図15は、アニール前C:N≒4:1である。これらの比率は、化学構造から見積もられる化学両論比に一致した値である。この元素存在比率は、それぞれの軌道のピーク面積の比率から見積もっている。図13および図14の比較において、アニールの有無により比率の変化が有るものと無いものがあることが確認された。アニールにより、炭素および窒素ともにピーク面積は小さくなっているが、炭素ピークの現象の方が大きく、相対的に窒素元素比率の向上につながっている。図15において、アニール後もアニール前と(化学両論比と)変化が無い事から、大きな化学変化は無い事がわかる。このことは、上記非特許文献1〜3中に記されている、ポリエチレンイミンやポリエチレンイミンを修飾した化合物から形成された薄膜は、本発明内で行う液状である分岐ポリエチレンイミン(低分子量)をアニールにより変化させた薄膜による効果とは同等ではない事が示唆された。図16は、液状である分岐ポリエチレンイミン(高分子量)を低分子量のものと同等以上に薄膜化する事により、同様のアニール処理を行った結果である。本結果においても、高分子量ポリエチレンイミンは、元素存在比率が変化していない。このことから、炭素元素:窒素元素の存在比率は、ある条件下、例えば低分子量下でないと起らない事が示唆された(上記効果(iii))。
図13〜15の(f)は、窒素1s軌道のX線光電子分光測定の結果についてピーク分割を行った結果を示した図である。本系において、窒素原子の結合の種類は、炭素−窒素結合と金属−窒素結合の2種類が想定される。過去の文献より、最も低エネルギー側のピークが金属−窒素結合であると帰属されている。さらに、次にもう一つのピークに関しては炭素−窒素結合と帰属すると、全ての二つのピーク間のエネルギー差は0.6eV〜0.7eVとほぼ一致しており、これらのピーク分割と帰属が正しい事が示唆される。
なお、ここに示されていないが、アニール前は全ての図13〜図15の実施例において、半値幅は、全て1.2eVである。この事から、図13および図15の場合において半値幅は増大しており、これが長寿命化につながっていると考えられる(上記効果(ii))。
以上から、図13のケースでは、上記(i)〜(iii)全ての効果が発現されており、初期特性(輝度・効率)および長期信頼性(寿命)を実現できていると考えられる。図15においては、(i)と(ii)で初期特性とある程度の寿命が、同様に、図14においては、(i)の効果で、初期特性とまたある程度の寿命が実現できると推察される。これらのことは、X線光電子分光測定の結果はないものの、図17および図18で用いられた固体である直鎖ポリエチレンイミンは、(i)が実現されている事から、アニールの効果がなくともある程度の寿命を実現できると考えられる。図19においても、同様である。
以上の結果から、以下の事が明らかとなった。
図3と他の図との比較から、窒素含有薄膜が下部陰極上にある酸化物上に配した場合、輝度や効率などの有機電界発光素子の特性向上につながることが確認された。アニール処理については、図18より、材料によってはアニールを必要としない場合もあり、必ずしも必須ではないことが確認された。しかしながら、アニールを行う事により、多くの場合で長期信頼性に相当する寿命特性が向上している事が確認された。また、使用材料についても、ポリエチレンイミン(分子量が異なる、または形状が異なる<直鎖と分岐>)、ジエチレントリアミン、メラミン樹脂といった多彩な窒素含有化合物の使用が可能である事が確認された。また、それらは、材料だけではなく、分子量や形状に依存してプロセスを選ぶ必要が有る事も確認された。特に、直鎖のポリエチレンイミンは他のポリエチレンイミンとは異なり、固体である事から、アニールがなくとも効果が発現していると考えられる。また、製膜後リンスをすることも効果的である事も確認された。
1:基板
2:陰極
3:第1の金属酸化物層
4:窒素含有膜の層
5:有機化合物層
6:第2の金属酸化物層
7:陽極

Claims (4)

  1. 陽極と、基板上に形成された陰極との間に複数の層が積層された構造を有する有機電界発光素子であって、
    該有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に金属酸化物層を有し、
    該金属酸化物層上に、窒素含有膜からなり、平均厚さが3〜150nmの層を有する
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記窒素含有膜は、窒素含有化合物で形成されるか、又は、膜を構成する元素として窒素元素と炭素元素とを含み、該膜を構成する窒素原子と炭素原子との存在比率が
    窒素原子数/(窒素原子数+炭素原子数)>1/8
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記窒素含有膜は、窒素含有化合物を加熱により分解させることで形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記窒素含有化合物は、ポリアミン類又はトリアジン環含有化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機電界発光素子。


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