以下に図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置の構成の概略を示す図である。
本実施形態の画像形成装置100は、スキャナ部110と、プリンタ部120とを有する。本実施形態の画像形成装置100においてスキャナ部110は、読み取った原稿(図示せず)の反射光を電気信号に変換し、さらにそのアナログ電気信号をデジタル画像信号に変換してプリンタ部120に出力する。プリンタ部120は、スキャナ部110から入力された画像データ、又は画像形成装置100と接続されたコンピュータ等から送信された画像データに基づき画像形成動作を行なう。
本実施形態のプリンタ部120は、感光体ドラム121、帯電器122、書き込み装置123、現像装置124、給紙装置125、転写装置126、分離装置127、定着装置128等を有する。
本実施形態において、感光体ドラム121は帯電器122により均一に帯電される。画像形成装置100に入力された画像データは、後述する画像処理部で各種補正、各種変換・変倍等の処理がされた後に書き込み装置123に入力される。書き込み装置123は、入力された画像データに基づいてレーザ光を感光体ドラム121に照射する。感光体ドラム121上に形成された静電潜像は現像装置124により加熱溶融性のトナーにより現像され可視像化される。一方、給紙装置125から記録材(図示せず)が給紙ローラ131により給紙され、搬送ローラ132を介してレジストローラ133へ搬送される。レジストローラ133は感光体ドラム121上のトナー像に同期して記録材を送出する。この記録材に、転写装置126の作用により感光体ドラム121上のトナー像が転写される。
そして、分離装置127の作用により記録材が感光体ドラム121から分離され、搬送ガイド134に案内されて定着装置128に導かれる。記録材上の未定着トナー像が定着装置128により加熱定着され、記録材は排紙ローラ135により機外に排出される。また、感光体ドラム121は記録材の分離後にクリーニング装置136により残留トナーが除去され、除電器137により残留電荷が消去される。
本実施形態の画像形成装置100では、書き込み装置123に入力される画像データを用いて、定着装置128における定着制御を行う。すなわち本実施形態の画像形成装置100は、画像データに基づき感光体ドラム121上に形成されたトナー像を記録材に定着させることで、記録材に画像を形成する。
以下に本実施形態の定着装置128について説明する。本実施形態の定着装置128は、定着ローラ129と加圧ローラ130と、定着ベルト138を有する。本実施形態の定着装置128では、定着ローラ129と加圧ローラ130とにより、記録材が挟持搬送されることで、未定着トナー像が記録材に定着される。
図2は、本実施形態の定着ローラを説明する図である。図2(A)は、定着ローラ129の構成の概略を説明する図であり、図2(B)は、加熱体200を説明する図である。
本実施形態の定着ローラ129は、内部に加熱体200が設けられている。加熱体200は、例えば複数の加熱体30Nを含む。
図2(B)を参照して加熱体200について説明する。本実施形態の加熱体200は、複数の加熱体30Nを有する。本実施形態の複数の加熱体30Nは、それぞれの大きさが異なっても良いし、それぞれの大きさが同じであっても良い。図2(B)の例では、それぞれの加熱体30Nの大きさが異なる例を示す。具体的には加熱体30Nは、それぞれの主走査方向の幅が異なる。
本実施形態では、定着ローラ129の主走査方向の中央部分にある加熱体304の主走査方向の幅A4を定着ローラ129の端部に近い加熱体30Nの主走査方向の幅ANよりも広くした。具体的には、定着ローラ129の主走査方向の一方の端部にある加熱体301の幅A1、加熱体302の幅A2、定着ローラ129の主走査方向の他方の端部にある加熱体30Nの幅ANは、加熱体304の主走査方向の幅A4よりも狭い。加熱体303の主走査方向の幅A3は、加熱体302の主走査方向の幅A2より広く、加熱体304の主走査方向の幅A4よりも狭くした。
定着ローラ129の主走査方向における中央部分では、未定着トナー像が形成されている可能性が高い。よって本実施形態では、中央部分に主走査方向に幅の広い加熱体304を配置した。このように加熱体を配置することで、配置する加熱体30Nの数を削減でき、加熱体30Nの制御を簡単にすることができる。また本実施形態では、定着ローラ129の主走査方向における両端部の加熱体の幅を、主走査方向の中央部分に配置された加熱体の幅よりも狭くした。これにより、記録材の主走査方向における両端部において、未定着トナー像が形成されていない領域に合わせて加熱体をオフさせたままとすることができる。
本実施形態の加熱体30Nは、定着ローラ129において主走査方向の幅ANと同じ幅×副走査方向の長さWの領域を加熱する。本実施形態では、それぞれの加熱体30Nの副走査方向の長さWは全て同じとする。本実施形態では、加熱体200の主走査方向の幅Hと記録材の主走査方向の幅とが一致するように、加熱体30Nの主走査方向の幅ANと数が決定されていることが好ましい。各加熱体は個々にオン・オフ制御される。
本実施形態の複数の加熱体30Nは、例えばIH(Induction Heating)コイルやサーマルヘッドアレイ等により実現されても良い。
次に本実施形態の画像形成装置100の構成について説明する。図3は、本実施形態の画像形成装置の構成を説明する図である。
本実施形態の画像形成装置100は、コントローラ制御部210、エンジン制御部220、HDD(Hard Disk Drive)230、FAXユニット231、操作制御部232、読取制御部233、ARDF(自動両面反転原稿送り装置)234、書込制御部235、電装品236、DC(Direct Current)電源237、AC(Alternating Current)電源238を有する。
本実施形態のコントローラ制御部210は、画像形成動作の指定を受け付け、画像形成動作を設定する。具体的にはコントローラ制御部210は、画像形成、ユーザインターフェイスやモード設定、コピーやプリンタといったアプリケーションの制御などを司る。
エンジン制御部220は、プリンタエンジンの駆動制御等を行う。
HDD230は、例えば処理対象のデータ等が格納される。FAXユニット231は、画像形成装置100においてFAX機能を実現する。操作制御部232は、ユーザインターフェイスとなるタッチパネル(操作部)等の制御を行う。
読取制御部233は、スキャナ部110を制御するものであり、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介して読み取った画像をコントローラ制御部210の画像処理部214に伝達する。
書込制御部235は、コントローラ制御部210や読取制御部233からPCIバスを介して送られてきた画像データを、画像形成を行うLD(Laser Diode)ユニットやLED(Light Emitting Diode)ユニットに送信することで、用紙にパターンを書込み、プリントやコピーといった動作を行う。
電装品236は、例えば温度センサ、モータ、ソレノイド等を含む。DC電源237とAC電源238とは、各制御部へ電源を供給する。
次に本実施形態のコントローラ制御部210の構成を説明する。本実施形態のコントローラ制御部210は、CPU(Central Processing Unit)211、RAM(Random Access Memory)212、ROM(Read Only Memory)213、画像処理部214、画像メモリ215、I/F(インターフェイス)216を有する。
CPU211は、各種の処理動作を行う。RAM212は、各種情報を一時的に記憶する。ROM213は、制御プログラムを固定的に記憶する。画像処理部214は、例えば画像処理を行うASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により実現される。画像メモリ215は、画像処理部214により処理された画像データが格納される。また本実施形態のコントローラ制御部210は、図示しないNVRAM(Non Volatile RAM)等を備えており、NVRAMには画像形成装置100の動作条件の設定情報等が格納されていても良い。
本実施形態のコントローラ制御部210は、外部通信機器からネットワークを介してLAN(Local Area Network)等で情報を送受信するインターフェイス216、ユーザインターフェイスとなる操作制御部232や所定の処理対象のデータを格納するHDD230と接続されている。
本実施形態のコントローラ制御部210は、FAXユニット231や、エンジン制御部220とインターフェイスとPCIバスで結ばれている。コントローラ制御部210は、操作制御部232や外部機器からインターフェイス216を介して画像形成動作の指示を受け付け、画像形成動作を実行し、作成した画像をエンジン制御部220にPCIバスを介して伝達する。
本実施形態のエンジン制御部220は、CPU300、RAM221、ROM222、電装制御部223を有する。CPU300は、エンジン制御部220の各種処理を行う。また本実施形態のCPU300は、定着装置128による定着制御を行う。CPU300による定着制御の詳細は後述する。
RAM221は、各種情報を一時的に記憶する。ROM222は制御プログラムが格納されている。本実施形態では、ROM222に定着制御プログラムが格納されていても良い。また本実施形態のROM222には、後述する加熱体情報22が格納されていても良い。電装制御部223は、電装品236を制御する。
以下にCPU300の機能について説明する。本実施形態のCPU300は、定着制御部350を有する。
定着制御部350は、画像領域判断部310、加熱体選択部320、加熱体駆動部330、故障時処理部340を有する。
画像領域判断部310は、コントローラ制御部210から受け取った画像データを所定の領域(エリア)毎のデータとし、エリア毎に各エリアにおける画像の有無を判断する。画像領域判断部310の処理の詳細は後述する。加熱体選択部320は、画像の有るエリアに合わせて実際に加熱させる加熱体30Nを選択する。加熱体駆動部330は、選択された加熱体30Nを加熱する。故障時処理部340は、加熱体30Nのうち何れかが故障した場合の処理を行う。故障時処理部340の処理の詳細は後述する。
本実施形態の画像形成装置100では、画像処理部214から出力された画像データを、画像領域判断部310により予め設定された所定エリア毎のデータとし、エリア毎の画像の有無を判断する。次に加熱体選択部320は画像が有るエリアと対応する加熱体30Nを選択し、対応する加熱体30Nにエリアを割り当てる。加熱体駆動部330は、選択された加熱体30Nを駆動して加熱させる。故障時処理部340は、選択された加熱体30Nに故障した加熱体が含まれる場合、故障時の処理を行う。
尚本実施形態の画像形成装置100は、図示しない機能として、加熱体200の温度状態を監視する温度センサによる加熱体温度監視機能も備えている。
また本実施形態では、画像領域判断部310をエンジン制御部220内に搭載する構成としたが、画像領域判断部310はコントローラ制御部210の画像処理部214内に搭載されても良い。この場合画像領域判断部310による処理の結果は、コントローラ制御部210からエンジン制御部220に通知されても良い。
次に図4を参照して本実施形態の画像領域判断部310の処理の詳細について説明する。図4は、画像領域判断部の機能を説明する図である。
本実施形態の画像領域判断部310は、画像読み込み部311、画素カウント部312、画像有無判定部313、加熱位置決定部314を有する。
本実施形態の画像読み込み部311は、コントローラ制御部210を介して入力される画像データを読み込む。読み込まれた画像データは、一時的にエンジン制御部220内のRAM221に格納されても良い。
画素カウント部312は、画像データの画素をカウントする。画素カウント部312の詳細は後述する。
画像有無判定部313は、画像データに含まれる所定のエリア毎に、エリア内の画像の有無を判定する。画像有無判定部313による判定の詳細は後述する。加熱位置決定部314は、画像が有るエリアに対応する加熱体30Nを加熱位置に決定する。
以下に画素カウント部312について説明する。
本実施形態の画素カウント部312は、主走査カウント部315、副走査カウント部316を有する。主走査カウント部315は、画像データの主走査方向に画素をカウントする。副走査カウント部316は、画像データの副走査方向に画素をカウントする。
本実施形態の画素カウント部312は、画像読み込み部311が画像データを読み込むと、主走査カウント部315により主走査方向に画素をカウントする。すなわち主走査カウント部315は、画像データにおける1ラインの幅をカウントする。副走査カウント部316は、画像データの副走査方向に画素をカウントする。すなわち副走査カウント部316は、画像データにおけるラインの本数をカウントする。
本実施形態の画像領域判断部310は、画素カウント部312により、主走査方向と副走査方向にそれぞれ画素をカウントすることで、画像データを予め設定されたエリアの集合と判断する。
以下に図5を参照して本実施形態におけるエリアの判断について説明する。図5は、画像データにおけるエリアの判断を説明する図である。
本実施形態では、画像データを予め設定した所定のエリアEのm行×n列の集合Emnと捉える。本実施形態では、所定のエリアEをX×Yの領域とした。尚X,Yの単位はミリメートルである。
また本実施形態では、例えばCPU300の有する記憶領域に、所定のエリアE毎に対応したレジスタが設けられている。図5の例では、画像データはエリアEのm行×n列の集合であるから、CPU300の記憶領域には、エリアE11〜エリアEmnのそれぞれに対応したレジスタが設けられている。このレジスタには、画素カウント部312によるカウント値が格納される。
本実施形態の画素カウント部312は、画像データの左上から順に画像データの画素のカウントを開始する。
画素カウント部312の主走査カウント部315は、図5に示す画像データGの左上から主走査方向に画素のカウントを行い、各画素のカウント値をエリアE毎に対応したレジスタに格納する。
例えば主走査カウント部315は、画像データGの左上から1ライン目の画素のカウントを開始する。このときカウントされる画素は、エリアE11内の画素である。よって主走査カウント部315は、カウント値をエリアE11に対応したレジスタに格納する。すなわち主走査カウント部315は、主走査方向にXミリメートル分の画素をカウントするまで、カウント値をエリアE11と対応したレジスタに格納する。したがってレジスタの値は、エリアE11内の1ライン目を形成する画素のカウント値の和となる。
続いてカウント対象の画素がエリアE12内の画素となると、主走査カウント部315は、エリアE12に対応したレジスタにカウント値を格納する。そして主走査カウント部315は、エリアE12内の最初の画素から主走査方向にXミリメートル分の画素をカウントするまで、カウント値をエリアE12に対応するレジスタに格納する。したがってレジスタの値は、エリアE12内の1ライン目を形成する画素のカウント値の和となる。
同様にして、主走査カウント部315が主走査方向に1ライン、すなわちX×nミリメートル分カウントすると、副走査カウント部316は、副走査方向にカウントしたライン数をカウントする。この場合、ライン数は1である。よってこのときは、エリアE11〜エリアE1nに対応するレジスタには、エリアE11〜エリアE1nそれぞれの1ライン目の画素のカウント値の和が格納されたことになる。
主走査カウント部315は、1ラインカウントが終了すると、次のラインの左端の画素からカウントを再開する。主走査カウント部315は、2ライン目の左端の画素からカウントを開始し、1ライン目と同様の処理を行う。
本実施形態では、副走査カウント部316が副走査方向にYミリメートル分のライン数のカウントが終了すると、エリアE11〜エリアE1nは、それぞれがXミリメートル×Yミリメートルの領域内の画素がカウントされたことになる。このときエリアE11〜エリアE1nのそれぞれに対応するレジスタには、エリアE11〜エリアE1n内の全ての画素のカウント値の累積値が格納される。
本実施形態では、エリアE21以降に対しても同様の処理を行い、エリアE11〜エリアEmnそれぞれの画素のカウント値の累積値を得る。
すなわち本実施形態の画像領域判断部310は、画素カウント部312により、画像データをXミリメートル×Yミリメートルのエリアに分割した際のエリア毎の画素カウント値の累積値を得る。
尚本実施形態では、画像データGに含まれるエリア数と同数のレジスタを有していても良い。この場合レジスタの数は、n×m個となる。本実施形態のレジスタの数は、画像データの幅(すなわち記録材の幅)と、エリアEの大きさとに応じて決められる。例えば画像形成装置100において印刷可能な記録材の最大の幅をW10ミリメートルとした場合のレジスタの数は、W10ミリメートル/Xミリメートル以上であれば良い。
本実施形態のレジスタに格納されるカウント値は、後述するように、エリア毎の画像の有無の判定にのみ使用される。したがって本実施形態では、各レジスタの大きさは2ビット以上であれば良い。
本実施形態では、X=Y=2ミリメートルとした。すなわち本実施形態では、画像データは2ミリメートル×2ミリメートルのエリアの集合となる。
本実施形態において、Xの値は、例えば複数の加熱体30Nのうち最も主走査方向の幅のせまい加熱体30Nの幅と同様の値にしても良い。
また本実施形態のYの値は、画像形成装置100における記録材の搬送速度をVとし、加熱体30Nの加熱応答時間をtとしたとき、V>Y/t1となれば良い。尚加熱応答時間とは、加熱体30Nの加熱を開始してから定着ローラ129の温度がトナーを記録材に定着させるために予め設定された所定温度になるまでの時間である。このようにYの値を決めれば、記録材の搬送速度よりも加熱応答時間が十分に早くなり、定着時に定着ローラ129を所定温度まで到達させることができる。
以下に図6を参照して、画像有無判定部313による画像の有無の判定を説明する。図6は、画像有無判定部による判定を説明する図である。
本実施形態の画像有無判定部313は、画素カウント部312により各エリアのカウント値の累積値が格納されたレジスタの値に基づき、各エリア内の画像の有無を判定する。具体的には画像有無判定部313は、レジスタの値が0のとき、対応するエリアを画像が無い非画像領域と判定する。また画像有無判定部313は、レジスタの値が0でないとき、対応するエリアを画像が有る画像領域と判定する。非画像領域とは、画像(未定着トナー)が存在しない領域であり、定着のための加熱が不要な領域である。画像領域とは、画像(未定着トナー)が存在する領域であり、加熱体30Nによる加熱対象となる領域である。
尚本実施形態では、カウント値の和が0のとき、そのエリアを非画像領域と判定するものとしたが、例えばカウント値が予め設定された所定値以下のときそのエリアを非画像領域と判定しても良い。
本実施形態の加熱位置決定部314は、画像領域を加熱位置に決定する。図6に示す画像データG10の例では、エリアE25、E35、E36、E42〜E46、E52〜E57、E66、E67、E77が画像領域であることがわかる。よって加熱位置決定部314は、この画像領域を加熱位置に決定する。加熱位置が決定されると、本実施形態の加熱体選択部320は、加熱位置に対応する加熱体30Nを選択し、選択された加熱体30Nにより加熱対象の画像領域を加熱する。
次に、本実施形態の画像形成装置100による画像形成の際の定着装置128の温度制御について説明する。
図7は、画像形成の際の定着装置の温度制御を説明する図である。
本実施形態の画像形成装置100の定着制御部350では、定着装置128による定着を行う際に、加熱体駆動部330により3つの温度領域を予め設定して温度制御を行う。3つの温度領域は、ベース温度領域、紙温度領域、定着温度領域である。ベース温度領域は、ベース温度H1以下の温度領域である。複数の加熱体30Nを含む加熱体200の温度は、画像形成装置100が画像形成動作を行わない場合にはベース温度領域内の温度となる。尚本実施形態では、加熱体200の温度を検出する温度センサが設けられており、画像形成装置100に設けられた加熱体温度監視機能により検出される。
紙温度領域は、ベース温度H1より高く紙温度H2以下の温度領域である。本実施形態では、画像形成装置100が印刷要求を受けると、加熱体200の温度を紙温度領域内まで加熱し、記録材が検出されたときに加熱体200の温度が紙温度H2に到達するように、加熱体200を加熱する。
定着温度領域は、紙温度H2より高い温度領域である。本実施形態では、画像形成において定着が開始されるとき、加熱体200に含まれる複数の加熱体30Nのうち、加熱対象として選択された加熱体30Nのみが加熱されて定着温度H3となる。
すなわち本実施形態では、加熱体200に含まれる複数の加熱体30Nは、紙温度H2まで加熱される。そして定着を開始するとき、選択された加熱体30Nのみをさらに加熱して定着温度H3とする。
図7(A)は、エリアの例であり、図7(B)は加熱体200を加熱する駆動信号と加熱体200の温度の例を示す図である。
図7の例では、エリアE2〜E5、エリアE7〜E8が画像領域である。よってエリアE2〜E5、エリアE7〜E8を加熱する加熱体30Nは定着温度H3まで加熱される。それ以外のエリア(エリアE1、E6)は、非画像領域である。よってエリアE1、E6に対応する加熱体30Nは、紙温度H2以下となる。
次に図8を参照して故障時処理部340について説明する。図8は、故障時処理部の機能を説明する図である。
本実施形態の故障時処理部340は、故障検知部341、フラグセット部342、画像領域変換部343を有する。
本実施形態の故障検知部341は、加熱体200において、加熱体選択部320により選択された加熱体30Nに故障しているものが存在するか否かを検知する故障検知の処理を行う。具体的には本実施形態の故障検知部341は、加熱体30Nのそれぞれに電流を流し、電流が流れない加熱体30Nを故障と検知する。また本実施形態の故障検知部341は、加熱体30Nの故障を検知すると、故障した加熱体30Nの位置情報を取得し、保持する。ここでの位置情報は、主走査方向における故障した加熱体30Nの位置を示す情報である。
フラグセット部342は、画素カウント部312によりカウントされた画素カウント値に基づき、エリアEの行及び列毎の画像の有無を示す識別情報(フラグ)をセットする。
画像領域変換部343は、故障した加熱体30Nの位置情報とフラグセット部342によりセットされたフラグとに基づき、画像領域を変換する画像領域変換モードを画像処理部214に設定する。画像領域の変換の詳細は後述する。
図9は、フラグセット部の処理を説明する図である。本実施形態のフラグセット部342は、画素カウント部312により各エリアのカウント値の累積値が格納されたレジスタの値に基づき、エリアEの行及び列毎の画像の有無を示すフラグをセットする。
本実施形態では、CPU300の記憶領域内に、エリアEのm行×n列の各行と各列に対応したフラグセット用のレジスタを有している。本実施形態のフラグセット部342は、画像データG10において、エリアEの行毎の画像の有無を判断し、画像が有ると判断された行と対応するレジスタにフラグをセットする。具体的にはフラグセット部342は、m行目のエリアEのカウント値を合算した値が0でないときm行には画像有りと判断し、合算した値が0のときn行には画像無しと判断する。
例えば図9においてm=1の場合、1行目のエリアE11〜E1nの全てのカウント値は0であるから、1行目のエリアEのカウント値を合算した値は0となる。よってフラグセット部342は、1行目には画像無しと判断し、1行目と対応するレジスタにはフラグをセットしない。
次にm=2の場合、2行目のエリアE21〜E2nには、カウント値が1のエリアが含まれるため、2行目のエリアEのカウント値を合算した値は0ではなくなる。よってフラグセット部342は、2行目には画像有りと判断し、2行目と対応するレジスタにフラグをセットする。
本実施形態のフラグセット部342は、画像データG10において、エリアEの列毎についても同様の処理を行う。図9の例では、n=1の場合、1列目のエリアE11〜Em1の全てのカウント値は0であるから、1列目のエリアEのカウント値を合算した値は0となる。よってフラグセット部342は、1列目には画像無しと判断し、1列目と対応するレジスタにはフラグをセットしない。
次にn=2の場合、2列目のエリアE12〜Em2には、カウント値が1のエリアが含まれるため、2列目のエリアEのカウント値を合算した値は0ではなくなる。よってフラグセット部342は、2列目には画像有りと判断し、2列目と対応するレジスタにフラグをセットする。
次に図10を参照して本実施形態の画像形成装置100の動作を説明する。図10は、画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
本実施形態の画像形成装置100が印刷要求を受け付けると(ステップS1001)、定着制御の処理と、記録材検出の処理と、温度制御の処理とを並行して行う。定着制御の処理は、コントローラ制御部210とCPU300の定着制御部350により実行される。温度制御の処理は、CPU300の定着制御部350により実行される。記録材検出の処理は、電装制御部223により実行される。
始めに記録材の検出の処理について説明する。
本実施形態の画像形成装置100において、電装制御部223は、記録材の搬送を開始する(ステップS1002)。続いて電装制御部223は、記録材が定着装置128に到達したか否かを判断する(ステップS1003)。尚本実施形態では、例えば定着装置128に記録材の到着を検出する到着検出センサが設けられており、記録材検出センサにより定着装置128への記録材の到着を検出しても良い。ステップS1003において、記録材が定着装置128に到達すると、電装制御部223は、記録材検出信号をCPU300へ出力する(ステップS1004)。記録材が検出されると、CPU300において定着制御部350は、後述するステップS1008へ進む。
また記録材が検出されると、電装制御部223は、記録材が定着装置128を通過したか否かを判断する(ステップS1005)。尚本実施形態では、例えば定着装置128を記録材が通過したか否かを検出する通過検出センサが設けられており、通過検出センサにより定着装置128からの記録材の通過を検出しても良い。ステップS1005において記録材が定着装置128を通過すると、電装制御部223は、次の印刷要求の有無を判断する(ステップS1006)。ステップS1006において次の印刷要求がある場合、後述するステップS1010へ進む。ステップS1006において次の印刷要求がない場合、後述するステップS1011へ進む。
次に温度制御の処理について説明する。
本実施形態の定着制御部350は、印刷要求を受け付けると、加熱体駆動部330により加熱体200を加熱し、加熱体200の温度をベース温度H1とする(ステップS1007)。続いて定着制御部350は、印刷要求を受け付けているため、加熱体駆動部330によりさらに加熱体200を加熱し、加熱体200の温度を紙温度H1とする(ステップS1008)。
続いて定着制御部350は、後述する定着制御の処理において選択された加熱体30Nを加熱し、定着温度H3とする(ステップS1009)。加熱体30Nが定着温度H3となると、未定着トナーが記録材に定着される。
続いて定着制御部350は、次の印刷要求がある場合は加熱体200の温度をベース温度H1に維持する(ステップS1010)。また定着制御部350は、次の印刷要求がない場合は加熱体200の加熱を停止し、定着を停止する(ステップS1011)。
次に定着制御の処理について説明する。
本実施形態の画像形成装置100は、印刷要求を受けると、後述する定着制御の処理を行い(ステップS1012)、ステップS1009へ進む。
以下に図11を参照して定着制御の処理を説明する。図11は、定着制御の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の画像形成装置100は、コントローラ制御部210により、読み取った画像データを読み出す(ステップS1101)。続いてコントローラ制御部210は、後述する画像領域変換モードが設定されたか否かを判断する(ステップS1102)。
ステップS1102において画像領域変換モードが設定されていない場合、コントローラ制御部210は、画像処理部214により読み出した画像データに対して画像処理を行う(ステップS1103)。画像処理部214による画像処理は、画像データをプリンタ部120から出力するために必要な画像処理である。
ステップS1102において画像領域変換モードが設定されていた場合、画像処理部214は、設定された画像領域変換モードに対応する画像処理を行う(ステップS1104)。
続いてコントローラ制御部210は、画像処理後の画像データをCPU300へ送信する(ステップS1105)。続いてCPU300の定着制御部350は、画像領域判断部310により、コントローラ制御部210から受信した画像データの画素をカウントし、画像データを所定エリアの集合と判断する(ステップS1106)。言い換えれば本実施形態の画像領域判断部310は、画像データを所定エリアの画像データに分割する。画素のカウントの方法は、上述した通りである。
次に定着制御部350は、故障時処理部340のフラグセット部342により、画像データ内のエリアの行及び列毎の画像の有無を示すフラグをセットする(ステップS1107)。フラグのセットの方法は、上述した通りである。
続いて画像領域判断部310は、画像有無判定部313により、画像データにおける全てのエリアについて、画像領域であるか又は非画像領域であるかを判定する(ステップS1108)。
続いて定着制御部350は、画像領域を複数の加熱体30Nに割り当て、画像領域が割り当てられた加熱体30Nを選択する(ステップS1109)。ステップS1109の処理の詳細は後述する。
続いて定着制御部350は、故障時処理部340の故障検知部341により、ステップS1109で選択された加熱体30Nそれぞれについて、故障検知の処理を行う(ステップS1110)。続いて故障検知部341は、故障検知の処理の結果から、選択された加熱体30Nに故障した加熱体が含まれるか否かを判断する(ステップS1111)。
ステップS1111において、選択された加熱体30Nに故障した加熱体が含まれない場合、定着制御部350は図10のステップS1009へ進む。
ステップS1111において選択された加熱体30Nに故障した加熱体が含まれる場合、画像領域変換部343は、実行可能な画像領域変換モードが全て実施されたか否かを判断する(ステップS1112)。ステップS1112において、全て実施されていた場合、画像形成装置100は印刷を停止し(ステップS1113)、処理を終了する。
ステップS1112において、全て実施されていない場合、画像領域変換部343は、故障した加熱体30Nの位置情報を取得して画像領域変換モードを設定し(ステップS1114)、ステップS1101へ戻る。
以上のように本実施形態の画像領域変換部343は、選択された加熱体30Nに故障が検知されたとき、実行可能な画像領域変換モードの何れかを設定する。画像領域変換モードは、例えば画像領域をずらす(シフトさせる)モード、画像領域を回転させるモード、画像領域を縮小するモード、画像領域を集約させるモード等がある。
本実施形態の画像領域変換部343は、実施可能な全ての画像領域変換モードにおいて、選択された加熱体30Nに故障が検知された場合、画像データの出力不可と判断する。
以下にステップS1114における画像領域変換部343の処理について説明する。
また本実施形態の画像領域変換部343は、故障した加熱体30Nの位置情報とフラグセット部342によりセットされた画像データの行毎及び列毎のフラグの有無とを参照し、画像領域変換モードを設定する。
以下に図12ないし図15を参照して画像領域変換モードの設定について説明する。
図12は、画像領域変換部の処理を説明する第一の図である。図12の例では、画像領域変換モードの一例として、画像を回転させることで画像領域S10を変換させる。
図12の例では、加熱体302が故障している。図12の例において、画像データG20をエリアE11〜Emnの集合としたとき、m=1の行、m=2の行、m=3の行は、画像の有無を示すフラグは立っていない。またn=1の列、n=mの例は画像の有無を示すフラグは立っていない。
本実施形態の画像領域変換部343は、加熱体302に画像が有る列及び行を割り当てずに、画像領域S10を定着させることができるか否かを判断する。図12の例では、画像領域変換部343は、画像S10を回転させれば、加熱体302に対して画像の無い行及び列を割り当てることができると判断する。加熱体302に対して画像の無い行及び列を割り当てることができれば、加熱体302を使用せずに画像S10を定着させることができる。
図13は、画像領域変換部の処理を説明する第二の図である。図13の例では、画像領域変換モードの一例として、画像S10を主走査方向にシフト(移動)させることで画像領域を変換させる。尚図13では画像をシフトさせる方向を主走査方向としたが、これに限定されない。本実施形態では、例えば画像を副走査方向にシフトさせても良いし、主走査方向と副走査方向の両方にシフトさせても良い。
図14は、画像領域変換部の処理を説明する第三の図である。図14の例では、画像領域変換モードの一例として、画像S10を縮小させることで画像領域を変換させる。
図15は、画像領域変換部の処理を説明する第四の図である。図15の例では、画像領域変換モードの一例として、画像S10を集約させることで画像領域を変換させる。
本実施形態の画像領域変換部343は、例えば図12〜図15に示す画像領域変換モードに優先順位を付与しておき、優先順位に従って各処理毎に画像の出力が可能か否かを判断しても良い。そして画像領域変換部343は、画像の出力が可能と最初に判断された画像領域変換モードを設定しても良い。
本実施形態では、例えば画像をシフトさせる処理、画像の回転させる処理、画像を縮小する処理、画像を集約する処理の順に処理の優先順位を付与しても良い。また本実施形態では、例えば画像形成装置100における出力設定に基づき、画像領域の変換の処理の優先順位を付与しても良い。例えば出力設定にステープル処理が含まれている場合、画像を回転させることは好ましくない。よってこの場合は、画像を回転させる処理の優先順位を最下位としても良い。
以上のように本実施形態の画像形成装置100では、加熱体200を構成する個々の加熱体30Nのうち、何れかが故障した場合でも、他の加熱体30Nに画像領域を割り当てることで、画像を出力させることができる。よって本実施形態では、定着装置128の交換回数及びダウンタイムを低減させることができる。
次に図16を参照して本実施形態の定着制御部350の加熱体選択部320による加熱体30Nの選択について説明する。図16は、加熱体選択部の処理を説明するフローチャートである。図16は、図11のステップS1107の処理の詳細を示している。
本実施形態の加熱体選択部320は、記録材の幅を検出する(ステップS1601)。記録材の幅は、例えば定着装置128に記録材が到着した際に、定着装置128に設けられている到着検出センサ等により検出されても良い。
続いて加熱体選択部320は、記録材の幅に合わせて使用する加熱体30Nを選択する(ステップS1602)。具体的には例えば、記録材が加熱体200の中央部分に配置され、加熱体200の両端部に対応する記録材が存在しない場合には、対応する記録材が存在しない加熱体30Nは使用しない。例えば図2に示す加熱体200において、加熱体301と加熱体30Nと対応する位置に記録材が存在しない場合、加熱体選択部320は、加熱体301と加熱体30N以外の加熱体を使用する加熱体として選択する。
続いて加熱体選択部320は、記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用するか否かを判断する(ステップS1603)。例えば画像が記録材の中央部に集中し、記録材の端部に画像が無い場合等がある。この場合には、記録材の端部に位置する加熱体30Nをオンさせる必要はない。本実施形態では、記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用するか否か、設定により予め決められていても良い。
例えば記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用する設定であった場合、加熱体選択部320は、ステップS1602で選択された全ての加熱体30Nを使用する。また記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用しない設定であった場合、加熱体選択部320は、該当する加熱体30Nを選択しない。
続いて加熱体選択部320は、ROM222から加熱体情報22(図3参照)を取得する(ステップS1604)。本実施形態の加熱体情報22とは、加熱体200に関する情報であり、具体的には複数の加熱体30Nのそれぞれの幅、配置、温度上昇率、定着ベルト138の回転による温度低下率が含まれる。
続いて加熱体選択部320は、ステップS1602、ステップS1603で使用するものとして選択された加熱体30Nに対し、加熱体30Nの加熱体情報22を参照して画像データのエリアを割り当てる(ステップS1605)。本実施形態では、加熱体30Nにエリアを割り当てる際に、主に加熱体情報22に含まれる加熱体30Nの幅と配置を参照する。
以下に図17を参照して加熱体30Nに対する画像データのエリアの割り当てについて説明する。図17は、加熱体に対する画像データのエリアの割り当てを説明する図である。
図17では、加熱体200において加熱体301〜307が使用する加熱体として選択された例を示している。また図17では、加熱体200に対し、エリアE1〜エリアE21を割り当てる例を示している。
本実施形態の加熱体選択部320は、エリアE1のカウント値が格納されたレジスタのアドレスから、エリアE1が画像データにおいて主走査方向及び副走査方向のどの位置のエリアであるかを判断する。そして加熱体選択部320は、エリアE1の位置から、どの加熱体30NにエリアE1の加熱を行わせるかを判断する。
例えばエリアE1に対応する位置にある加熱体は、加熱体301である。よって加熱体選択部320は、加熱体301にエリアE1を割り当てる。次に加熱体選択部320は、エリアE1とエリアE2の合計幅We1が、加熱体301の幅W1以下となるか否かを判断する。そして合計幅We1≦幅W1であれば、加熱体選択部320は、エリアE2も加熱体301へ割り当てる。
以上のようにして、加熱体選択部320は、加熱体30Nの幅WNと、エリアの主走査方向の幅とに基づき、個々の加熱体30Nに対してエリアを割り当てる。
例えばエリアE3,E4の主走査方向の幅We2は、加熱体302の幅W2以下である。よって本実施形態の加熱体選択部320は、加熱体302にエリアE3,E4を割り当てる。同様にして、加熱体選択部320は、加熱体303にエリアE5〜E7を割り当て、加熱体304にエリアE8〜E14を割り当てる。さらに加熱体選択部320は、加熱体305にエリアE15〜E17、加熱体306にエリアE18,E19、加熱体307にエリアE20,E21を割り当てる。
本実施形態の加熱体選択部320は、以上のようにして、画像データに含まれる全てのエリアを加熱体30Nに割り当てる。
続いて加熱体選択部320は、全ての加熱体30Nのオン/オフを決定したか否かを判断する(ステップS1606)。尚ここでの「加熱体30Nをオンさせる」とは、紙温度H2まで加熱された加熱体30Nをさらに定着温度H3まで加熱することを意味する。また「加熱体30Nをオフさせる」とは、加熱体30Nを定着温度H3まで加熱せずに紙温度H2に維持することを意味する。
加熱体30Nのオン/オフはまだ決定していない場合、定着制御部350は、次のステップS907へ進む。加熱体選択部320は、加熱体30Nに割り当てられたエリアにおいて、画像領域があるか否かを判断する(ステップS1607)。
ステップS1607において、割り当てられたエリアに画像領域が含まれる場合、加熱体選択部320は、加熱体30Nをオンさせるものとし(ステップS1608)、ステップS1606へ戻る。またステップS1607において割り当てられたエリアに画像領域が含まれない場合、加熱体選択部320は、加熱体30Nをオフさせるものとし(ステップS1609)、ステップS1606へ戻る。
ステップS1606において、全ての加熱体30Nのオン/オフが決定したら、図11のステップS1108の処理に進む。
以下に再度図17を参照して、加熱体30Nのオン/オフの決定について説明する。図17において、加熱体301に割り当てられたエリアは、エリアE1,E2である。図17の例では、エリアE1には画像がなくカウント値は0である。よってエリアE1は非画像領域である。またエリアE2は画像が有り、カウント値は1である。よってエリアE2は画像領域である。したがって図17の例では、加熱体301に割り当てられたエリアにおいて、カウント値が0でないエリア、すなわち画像領域が含まれることがわかる。よって本実施形態では、加熱体301をオンさせる。
同様に、加熱体302に割り当てられてエリアは、エリアE3,E4である。エリアE3,E4のカウント値は、それぞれ0である。すなわち加熱体302に割り当てられたエリアには、画像領域が存在しないことがわかる。よって本実施形態の加熱体選択部320は、加熱体302をオフさせる。
同様に図17の例では、加熱体303、304、305、306はオンされ、加熱体307はオフされる。
以上のように本実施形態では、画像が有る画像領域が割り当てられた加熱体30Nのみを定着温度H3まで加熱する。したがって本実施形態によれば、効率良くトナーを定着させることができる。また本実施形態では、読み込まれた画像データを所定エリアの集合と見なし、各エリア毎の画素のカウント値に基づき定着制御を行うため、定着制御の際に取り扱うデータ量を低減することができる。
尚図16では、最初に全てのエリアを加熱体30Nに対して割り当て、その後にエリアにおける画像の有無を判断するものとしたが、これに限定されない。例えば最初に各エリアにおける画像の有無を判断し、画像が有るエリアだけを加熱体30Nに割り当てるようにしても良い。
また図17では、加熱体30Nの幅がそれぞれ異なるものとして説明したが、これに限定されない。例えば加熱体30Nは全て同じ大きさであっても良いし、エリアの幅が加熱体30Nの幅と同じであっても良い。
図18は、エリアの幅が加熱体の幅と同じ場合の加熱体に対するエリアを割り当ての例を示す図である。図18(A)は割り当ての第1の例であり、図18(B)は割り当ての第2の例である。
図18(A)、(B)では、加熱体301〜30Nに対して、エリア21〜32までが割り当てられる。図18の例では、1つの加熱体に対して1つのエリアが割り当てられる。
図18(A)の例では、エリアE21〜32のうち、画像領域であるエリアは、エリアE22,E26〜E31である。よってエリアE22,E26〜E31が割り当てられた加熱体30Nがオンされる。
図18(B)の例では、エリアE21〜32のうち、画像領域であるエリアは、エリアE22〜E28,エリアE30,E31である。よってエリアE22〜E28,エリアE30,E31が割り当てられた加熱体30Nがオンされる。
以上のように本実施形態では、画像データを所定エリアの集合と見なし、各エリアを複数の加熱体30Nに対して割り当てる。そして本実施形態では、割り当てられたエリアに画像領域が含まれる加熱体30Nのみを定着温度H3まで加熱し、未定着トナーを定着させる。
また本実施形態では、画像データを所定エリアに分割するため、定着制御で取り扱うデータは、エリア毎のカウント値となる。よって本実施形態では、画像データに基づく書きく込み制御データをそのまま定着制御に用いる場合に比べて、定着制御の際に取り扱うデータ量を大幅に低減することができる。また本実施形態では、画像領域のエリアが割り当てられた加熱体30Nのみを定着温度まで加熱させる。このため本実施形態によれば、定着に係る電力を低減でき、効率良くトナーを定着させることができる。
また本実施形態は、画像データを所定エリアの集合と捉え、各エリアを加熱体に対して割り当てる。したがって本実施形態では、加熱体の形状や数が変わったとしても、加熱体情報22がROM222に格納されていれば、加熱体にエリアを割り当てることができる。したがって本実施形態は、加熱体の形状や構成に関わらず適用することができ、汎用性を高めることができる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。