本発明の実施形態の定着制御装置に関し以下図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら本実施形態に限定されるものではない。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
本発明の実施形態の定着制御装置を備える画像形成装置100の概略構成について図1を参照して説明する。
本実施形態の画像形成装置100は、スキャナ部110と、プリンタ部120とを有する。本実施形態の画像形成装置100においてスキャナ部110は、読み取った原稿の反射光を電気信号に変換し、さらにそのアナログ電気信号をデジタル画像信号に変換してプリンタ部120に出力する。プリンタ部120は、スキャナ部110から入力された画像データ、又は画像形成装置100と接続されたコンピュータ等から送信された画像データに基づき画像形成動作を行う。
本実施形態のプリンタ部120は、感光体ドラム121、帯電器122、書き込み装置123、現像装置124、給紙装置125、転写装置126、分離装置127、定着装置128等を有する。
本実施形態において、感光体ドラム121は帯電器122により均一に帯電される。画像形成装置100に入力された画像データは、後述する画像処理部で各種補正、各種変換・変倍等の処理がされた後に書き込み装置123に入力される。書き込み装置123は、入力された画像データに基づいてレーザ光を感光体ドラム121に照射する。感光体ドラム121上に形成された静電潜像は現像装置124により加熱溶融性のトナーにより現像され可視像化される。
一方、給紙装置125から図示しない記録材が給紙ローラ131により給紙され、搬送ローラ132を介してレジストローラ133へ搬送される。レジストローラ133は感光体ドラム121上のトナー像に同期して記録材を送出する。この記録材に、転写装置126の作用により感光体ドラム121上のトナー像が転写される。
そして、分離装置127の作用により記録材が感光体ドラム121から分離され、搬送ガイド134に案内されて定着装置128に導かれる。記録材上の未定着トナー像が定着装置128により加熱定着され、記録材は排紙ローラ135により機外に排出される。また、感光体ドラム121は記録材の分離後にクリーニング装置136により残留トナーが除去され、除電器137により残留電荷が消去される。
本実施形態の画像形成装置100では、書き込み装置123に入力される画像データを用いて、定着装置128における定着制御を行う。すなわち本実施形態の画像形成装置100は、画像データに基づき感光体ドラム121上に形成されたトナー像を記録材に定着させることで、記録材に画像を形成する。
以下に本実施形態の定着装置128について説明する。本実施形態の定着装置128は、定着ローラ129と加圧ローラ130と、定着ベルト138を有する。本実施形態の定着装置128では、定着ローラ129と加圧ローラ130とにより、記録材が挟持搬送されることで、未定着トナー像が記録材に定着される。
次に、本実施形態の定着ローラ129の概略構成について図2を参照して説明する。図2(A)は、定着ローラ129の構成の概略を説明する図であり、図2(B)は、加熱体200を説明する図である。
本実施形態の定着ローラ129は、内部に加熱体200が設けられている。加熱体200は、例えば複数の加熱体30Nを含む。
図2(B)を参照して加熱体200について説明する。本実施形態の加熱体200は、複数の加熱体30Nを有する。本実施形態の複数の加熱体30Nは、それぞれの大きさが異なってもよいし、それぞれの大きさが同じであってもよい。図2(B)の例では、それぞれの加熱体30Nの大きさが異なる例を示す。具体的には加熱体30Nは、それぞれの主走査方向の幅が異なる。
本実施形態では、定着ローラ129の主走査方向の中央部分にある加熱体304の主走査方向の幅A4を定着ローラ129の端部に近い加熱体30Nの主走査方向の幅ANよりも広くした。具体的には、定着ローラ129の主走査方向の一方の端部にある加熱体301の幅A1、加熱体302の幅A2、定着ローラ129の主走査方向の他方の端部にある加熱体30Nの幅ANは、加熱体304の主走査方向の幅A4よりも狭い。加熱体303の主走査方向の幅A3は、加熱体302の主走査方向の幅A2より広く、加熱体304の主走査方向の幅A4よりも狭くした。
定着ローラ129の主走査方向における中央部分では、未定着トナー像が形成されている可能性が高い。よって本実施形態では、中央部分に主走査方向に幅の広い加熱体304を配置した。このように加熱体を配置することで、配置する加熱体30Nの数を削減でき、加熱体30Nの制御を簡単にすることができる。また本実施形態では、定着ローラ129の主走査方向における両端部の加熱体の幅を狭くした。これにより、記録材の主走査方向における両端部において、未定着トナー像が形成されていない領域に合わせて加熱体をオフさせたままとすることができる。
本実施形態の加熱体30Nは、主走査方向の幅AN×副走査方向の長さWの領域を加熱する。本実施形態では、それぞれの加熱体30Nの副走査方向の長さWは全て同じとする。本実施形態では、加熱体200の主走査方向の幅Hと記録材の主走査方向の幅とが一致するように、加熱体30Nの主走査方向の幅ANと数が決定されていることが好ましい。各加熱体は個々にオン・オフ制御される。
本実施形態の複数の加熱体30Nは、例えばIH(Induction Heating)コイルやサーマルヘッドアレイ等により実現されてもよい。
次に本実施形態の画像形成装置100の構成について図3を参照して説明する。本実施形態の画像形成装置100は、コントローラ制御部210、エンジン制御部220、HDD(Hard Disk Drive)230、FAXユニット231、操作制御部232、読取制御部233、ARDF(自動両面反転原稿送り装置)234、書込制御部235、電装品236、DC(Direct Current)電源237、AC(Alternating Current)電源238を有する。
本実施形態のコントローラ制御部210は、画像形成動作の指定を受け付け、画像形成動作を設定する。具体的にはコントローラ制御部210は、画像形成、ユーザインターフェースやモード設定、コピーやプリンタといったアプリケーションの制御などを司る。
エンジン制御部220は、プリンタエンジンの駆動制御等を行う。
HDD230は、例えば処理対象のデータ等が格納される。FAXユニット231は、画像形成装置100においてFAX機能を実現する。操作制御部232は、ユーザインターフェースとなるタッチパネル等の制御を行う。
読取制御部233は、スキャナ部110を制御するものであり、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介して読み取った画像をコントローラ制御部210及びエンジン制御部220の画像処理部214に伝達する。
書込制御部235は、コントローラ制御部210や読取制御部233からPCIバスを介して送られてきた画像データを、画像形成を行うLD(Laser Diode)ユニットやLED(Light Emitting Diode)ユニットに送信することで、用紙にパターンを書込み、プリントやコピーといった動作を行う。
電装品236は、例えば温度センサ、モータ、ソレノイド等を含む。DC電源237とAC電源238とは、各制御部へ電源を供給する。
次に本実施形態のコントローラ制御部210の構成を説明する。本実施形態のコントローラ制御部210は、CPU(Central Processing Unit)211、RAM(Random Access Memory)212、ROM(Read Only Memory)213、画像処理部214、画像メモリ215、I/F(インターフェース)216を有する。
CPU211は、各種の処理動作を行う。RAM212は、各種情報を一時的に記憶する。ROM213は、制御プログラムを固定的に記憶する。画像処理部214は、例えば画像処理を行うASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により実現される。画像メモリ215は、画像処理部214により処理された画像データが格納される。また本実施形態のコントローラ制御部210は、図示しないNVRAM(Non Volatile RAM)等を備えており、NVRAMには画像形成装置100の動作条件の設定情報等が格納されていてもよい。
本実施形態のコントローラ制御部210は、外部通信機器からネットワークを介してLAN(Local Area Network)等で情報を送受信するインターフェース216、ユーザインターフェースとなる操作制御部232や所定の処理対象のデータを格納するHDD230と接続されている。
本実施形態のコントローラ制御部210は、FAXユニット231や、エンジン制御部220とインターフェースとPCIバスで結ばれている。コントローラ制御部210は、操作制御部232や外部機器からインターフェース216を介して画像形成動作の指示を受け付け、画像形成動作を実行し、作成した画像をエンジン制御部220にPCIバスを介して伝達する。
本実施形態のエンジン制御部220は、CPU300、RAM221、ROM222、電装制御部223を有する。CPU300は、エンジン制御部220の各種処理を行う。また本実施形態のCPU300は、定着装置128による定着制御を行う。CPU300による定着制御の詳細は後述する。
RAM221は、各種情報を一時的に記憶する。ROM222は制御プログラムが格納されている。本実施形態では、ROM222に定着制御プログラムが格納されていてもよい。また本実施形態のROM222には、後述する加熱体情報22が格納されていてもよい。電装制御部223は、電装品236を制御する。
以下にCPU300の機能について説明する。本実施形態のCPU300は、定着制御部350を有する。
定着制御部350は、画像領域判断部310、加熱体選択部320、加熱体駆動部330を有する。画像領域判断部310は、コントローラ制御部210から受け取った画像データを所定の領域(エリア)毎のデータとし、エリア毎に各エリアにおける画像の有無を判断する。加熱体選択部320は、画像の有るエリアに合わせて実際に加熱させる加熱体30Nを選択する。加熱体駆動部330は、選択された加熱体30Nを加熱する。
すなわち本実施形態の画像形成装置100では、画像処理部214から出力された画像データを、画像領域判断部310により予め設定された所定エリア毎のデータとし、エリア毎の画像の有無を判断する。次に加熱体選択部320は画像が有るエリアと対応する加熱体30Nを選択し、対応する加熱体30Nにエリアを割り当てる。加熱体駆動部330は、選択された加熱体30Nを駆動して加熱させる。
なお、本実施形態の画像形成装置100は、図示しない機能として、加熱体200の温度状態を監視する温度センサによる加熱体温度監視機能も備えている。
また本実施形態では、画像領域判断部310をエンジン制御部220内に搭載する構成としたが、画像領域判断部310はコントローラ制御部210の画像処理部214内に搭載されてもよい。この場合、画像領域判断部310による処理の結果はコントローラ制御部210からエンジン制御部220に通知されてもよい。
次に、本実施形態の画像領域判断部310の機能の詳細について図4を参照して説明する。本実施形態の画像領域判断部310は、画像読み込み部311、画素カウント部312、画像エリア判定手段としての画像エリア判定部313、セル画像判定手段としてのセル画像判定部314、画像エリア補正手段としての画像エリア補正部315、加熱開始位置決定部316を有する。
本実施形態の画像読み込み部311は、コントローラ制御部210を介して入力される画像データを読み込む。読み込まれた画像データは、一時的にエンジン制御部220内のRAM221に格納されてもよい。
画素カウント部312は、画像データの画素をカウントする。画素カウント部312の詳細は後述する。
画像エリア判定部313は、画像データに含まれる所定のエリア毎に、エリア内の画像の有無を判定する。画像エリア判定部313による判定の詳細は後述する。
セル画像判定部314は、エリア毎に細分化されたセル毎のセル画像の有無を判定する。セル画像判定部314による判定の詳細は後述する。
画像エリア補正部315は、セル画像判定部314によりセル画像が有ると判定されたエリア内にセル画像が予め定められた値以上あるときセル画像が有ると判定されたエリアを画像エリアとして補正する。画像エリア補正部315による補正の詳細は後述する。加熱開始位置決定部316は、画像が有るエリアに対応する加熱体30Nを加熱位置に決定する。
以下に画素カウント部312について説明する。
本実施形態の画素カウント部312は、主走査カウント部3121、副走査カウント部3122を有する。主走査カウント部3121は、画像データの主走査方向に画素をカウントする。副走査カウント部3122は、画像データの副走査方向に画素をカウントする。
本実施形態の画素カウント部312は、画像読み込み部311が画像データを読み込むと、主走査カウント部3121により主走査方向に画素をカウントする。すなわち主走査カウント部3121は、1ラインの幅をカウントする。副走査カウント部3122は、画像データの副走査方向に画素をカウントする。すなわち副走査カウント部3122は、ラインの本数をカウントする。
本実施形態の画像領域判断部310は、画素カウント部312により、主走査方向と副走査方向にそれぞれ画素をカウントすることで、画像データを予め設定されたエリアの集合と判断する。
以下に本実施形態におけるエリアの判断について図5を参照して説明する。本実施形態では、画像データGを予め設定した所定のエリアの集合と捉える。本実施形態では、所定のエリアをX×Yの領域とした。なおX、Yの単位はミリメートルである。
また本実施形態では、例えばCPU300の有する記憶領域に、所定のエリア毎に対応したレジスタが設けられている。このレジスタには、画素カウント部312によるカウント値が格納される。
本実施形態の画素カウント部312は、画像データの左上から順に画像データGの画素のカウントを開始する。
画素カウント部312の主走査カウント部3121は、図5に示す画像データGの左上から主走査方向に画素のカウントを行い、各画素のカウント値をエリア毎に対応したレジスタに格納する。
例えば主走査カウント部3121は、画像データGの左上から1ライン目の画素のカウントを開始し、エリアE11内の画素のカウント値をエリアE11に対応したレジスタに格納する。すなわち主走査カウント部3121は、主走査方向にXmm分の画素をカウントするまで、カウント値を対応するレジスタに格納する。したがってレジスタの値は、エリアE11内の画素のカウント値の和となる。
続いて主走査カウント部3121は、カウント対象の画素がエリアE12内の画素となると、エリアE12に対応したレジスタにカウント値を格納する。そして主走査カウント部3121は、エリアE12内の最初の画素から主走査方向にXmm分の画素をカウントするまで、カウント値をエリアE12に対応するレジスタに格納する。したがってレジスタの値は、エリアE12内の画素のカウント値の和となる。
同様にして、主走査カウント部3121が主走査方向に1ラインカウントすると、副走査カウント部3122は、副走査方向にカウントしたライン数をカウントする。この場合、ライン数は1である。
主走査カウント部3121は、1ラインカウントが終了すると、次のラインの左端の画素からカウントを再開する。主走査カウント部3121は、2ライン目の左端の画素からカウントを開始し、1ライン目と同様の処理を行う。
ここで、副走査方向にYmm分のライン数のカウントが終了すると、エリアE11からエリアE1mのm個のエリアの画素カウントが完了したことになる。また各エリアに対応するレジスタには、各エリアのカウント値の累積値が格納されることになる。
本実施形態では、エリアE21以降に対しても同様の処理を行い、エリア毎のカウント値の累積値を得る。
すなわち本実施形態の画像領域判断部310は、画素カウント部312により、画像データをXmm×Ymmのエリアに分割した際のエリア毎の画素カウント値の累積値を得る。
なお本実施形態では、画像データGに含まれるエリア数と同数のレジスタを有していてもよい。この場合レジスタの数は、m×n個となる。また本実施形態では、レジスタの数をm個としてもよい。この場合CPU300は、エリアE1m分のカウントが終了すると、m個のレジスタに格納された値を例えばRAM222等に一時的に格納させ、全てのレジスタに格納された値を消去してもよい。
本実施形態のレジスタの数は、画像データの幅すなわち記録材の幅と、エリアの大きさとに応じて決められる。例えば画像形成装置100において印刷可能な記録材の最大の幅をW10mmとした場合のレジスタの数は、W10mm/Xmm以上であればよい。
また本実施形態のレジスタに格納されるカウント値は、後述するように、エリア毎の画像の有無の判定にのみ使用される。したがって本実施形態では、各レジスタの大きさは2ビット以上であればよい。
また本実施形態では、X=Y=2mmとした。すなわち本実施形態では、画像データは2mm×2mmのエリアの集合となる。
本実施形態において、Xの値は、例えば複数の加熱体30Nのうち最も主走査方向の幅のせまい加熱体30Nの幅と同様の値にしてもよい。
また本実施形態のYの値は、画像形成装置100における記録材の搬送速度をVとし、加熱体30Nの加熱応答時間をtとしたとき、V>Y/t1となればよい。なお加熱応答時間とは、加熱体30Nの加熱にかかる時間である。このようにYの値を決めれば、記録材の搬送速度よりも加熱応答時間が十分に早くなる。
以下に、画像エリア判定部313による画像の有無の判定を、図6を参照して説明する。本実施形態の画像エリア判定部313は、画素カウント部312により各エリアのカウント値の累積値が格納されたレジスタの値に基づき、各エリア内の画像の有無を判定する。
具体的には画像エリア判定部313は、レジスタの値が0のとき、対応するエリアを画像がない非画像エリアと判定する。また画像エリア判定部313は、レジスタの値が0でないとき、対応するエリアを画像がある画像エリアと判定する。非画像エリアとは、画像つまり未定着トナーが存在しない領域であり、定着のための加熱が不要な領域である。画像エリアとは、画像つまり未定着トナーが存在する領域であり、加熱体200による加熱対象となる領域である。
なお本実施形態では、カウント値の和が0のとき、そのエリアを非画像エリアと判定するものとしたが、例えばカウント値が所定値以下のときそのエリアを非画像エリアと判定してもよい。
セル画像判定部314によるセル画像の有無の判定、及び画像エリア補正部315による補正処理について図6から図8を参照して説明する。
上記のとおり、セル画像判定部314は、エリア毎に細分化されたセル毎のセル画像の有無を判定する。また、画像エリア補正部315は、セル画像判定部314によりセル画像が有ると判定されたエリア内にセル画像が予め定められた値以上あるときセル画像が有ると判定されたエリアを画像エリアとして補正する。
なお、本実施形態において、セル画像とは上述した各エリアをさらに細分化したエリア単位(以下「セル」という)における画像のことをいう。また、画像エリアの補正とは、本実施形態における全体的な概念を総称する意味で用いている。つまり、以下に説明する『カウントデータ判定セル』は、セル画像の有無を判定するために用いられ、『画像エリアの補正』は境界カウントデータ補正を含む概念として用いている。
本実施形態の境界カウントデータ補正処理の概略について図6を参照して説明する。なお、図6において、エリア幅Xを上述した加熱体30Nのうち最も主走査方向の狭い加熱体30Nの幅と同様であるものとして説明する。
理想的には、上記Xは最も主走査方向の狭い加熱体30Nと同一の位置関係であることが望ましい。しかし、実際は、紙の斜行、搬送時のずれ、メカ組立て時の取り付け誤差といった装置内のばらつきにより、加熱体とXの位置がずれ、加熱予定のないエリアに画像がずれ定着が不十分という不具合が発生する。そこで、本実施形態によりかかる不具合を解消する。
図6に示すように、セル画像判定部314は、X×Yで分割された各エリアをエリア毎にさらに細かく分割されたセルのうち、エリア間の境界部のセルにセル画像が有るかどうかを判定する。なお、セルの大きさとしては、例えばX×Yで示されるエリアの1/2以下であればよい。各セルにセル画像が有るかどうかは、図に示すように、例えばカウントデータ判定セル501を用いる。カウントデータ判定セル501の大きさを、各セルを判定するため、例えばエリアの1/2サイズとしている。
なお、本実施形態においては、エリア間の境界部のセルにおけるセル画像の有無を判定することとしている。これは図6(b)に示すように、搬送方向にエリアの1/4幅だけずれた場合に、本来の画像エリアC1に隣接するエリアC2の端面に画像データdがずれているため、エリア間の境界部のセル、つまりエリアの端面のセルにおけるセル画像データを判定すればよいからである。しかし、これは一例であり、本発明がかかる構成に限定される趣旨の説明ではない。
セル画像のカウント方法としては、セル画像判定部314にかかるカウントデータ判定セル501により端面セル内のセル画像データを加算し、セル画像が予め定められた一定値以上有ると判定されたとき、画像エリア補正部315は、そのセル画像が有ると判定されたエリアも画像エリアとして補正をかける。
例えば、Xnのセルに対して、XnのXn−1側の端面のセルが画像エリアと判定された場合、Xn−1のエリアも画像エリアとして補正する。また、Xnのセルに対して、Xn+1側の端面のセルが画像エリアと判定された場合、Xn+1エリアも画像エリアとして補正する。そして、図6(c)に示すように、画像エリアとして補正されたエリアに対応する加熱体を駆動することで、画像データの未定着を防止することができる。
なお、端面のセルは必ずしも1列とは限らず、複数列であってもよい。例えば、セルが10分割された場合、各左右の3列づつを端面セルとしてもよい。また、セルカウント値を格納するレジスタは、エリアの説明と同様、セルの総数に対応したレジスタをもつものとしてよい。
本実施形態によれば、装置内のばらつきにより、画像エリアと、対応する加熱領域にずれが生じ、その場合、端面セルに画像データがあるにもかかわらず対応する加熱体がONされず、加熱体の境界部における確実な定着が行えないといった事態を防ぐことができる。なお、X=2mmの場合も、境界面のセルを抽出して判定する為、本発明の目的を達成することが可能である。
次に、境界面のカウントデータに重み付けして加熱体の制御を行い、重み付け数値が低い場合には、加熱体を駆動しない、つまり非駆動とする制御について図7を参照して説明する。ここでは、30Nを基準の加熱体とし、これに隣接する加熱体を30N−1とした場合、この2つの加熱体の境界面に対応するエリアにカウントデータとしてのセル画像がある例を用いて説明する。
すなわち、本実施形態においては、上述した構成に加え、セル画像毎に重み付けを行う重み付け手段と、重み付け手段によるセル画像毎の重み付け数値を比較してその高低を判定する比較手段を備えている。そして、加熱体駆動部330は、比較手段により重み付け数値が低いと判定されたセル画像が含まれる画像エリアに対応する位置にある加熱体を非駆動とする。一方、比較手段により重み付け数値が高いと判定されたセル画像が含まれる画像エリアに対応する位置にある加熱体を駆動する。
本実施形態の前提として、例えば、図7(a)に示すように、加熱体30Nと加熱体30N−1との境界面は断熱されておらず、お互いに余熱の影響を受ける。例えば、30N−1が非駆動で、30Nが駆動している場合、30N−1は非駆動のままであるが30Nからの余熱の影響を受ける。
ここで、余熱の影響は距離によって当然変わってくる。例えば図7(b)に示すように、境界面セルXnを基準として、このセルXnを含むエリア30nに対応する加熱体30Nが駆動され、エリア30n−1に対応する加熱体30N−1が非駆動の場合について説明する。
本実施形態では、エリア30n−1のセルが、エリア30nから近い順に、Xn−1、Xn−2、・・・・、Xn−4、・・・として定義されている。また、本実施形態では、重み付け手段が、セル画像が含まれる画像エリアとセル画像が含まれる画像エリアに隣接するエリアとの境界から離れるセル画像ほど重み付け数値を高くし、境界に近づくセル画像ほど重み付け数値を低くする。具体的には、Xn−1の方の重み付けが低く、Xn−4の方の重み付けが高いと定義する。
エリア30nのセルによる余熱は、エリア30nから近い順に影響があることから、セルの温度はXn−1>Xn−2>・・・・>Xn−4となる。つまり、エリア30nに近い側のセルは、定着するのに十分な余熱を受ける場合が生じる。
上述した図6の説明においては、加熱体30N及び加熱体30N−1を共に駆動し、確実に定着するようにした。これは、エリア30nの加熱体だけでなく、エリア30n−1の境界面のカウントデータも含めて確実に定着させるためである。
一方、本実施形態では、エリア30n−1のうち、エリア30nに近い数列のみにカウントデータがある場合、つまり重み付けが低い場合は余熱で十分定着できるため、この場合は加熱体30N−1を非駆動とし、加熱体30Nのみを駆動させて定着を行う。なお、エリア30nに近い数列を1列以上とし、最大何列かは、予め測定した測定データで判断してよい。つまり、本実施形態によれば、図6で説明したような画像エリアの補正処理が不要となる。
本実施形態によれば、加熱体Nと加熱体N−1又は加熱体N+1との境界面のカウントデータが加熱体Nの余熱により定着できる場合、加熱体N−1又は加熱体N+1を非駆動とするため、上記境界面にカウントデータがある場合は、上述した図6で説明した実施形態と比較して、確実な定着を行いながら、より消費電力を抑えることが可能となる。
次に、境界面からの距離に応じて、加熱量すなわち投入電力を制御する実施形態について説明する。上述したように、加熱体Nの余熱により、加熱体N−1又は加熱体N+1のセルは、加熱体Nに近い順に加熱体Nによる余熱の影響を受け、定着するのに十分な熱量を得ることができる場合がある。余熱量は、加熱体N自体の温度が高くなれば、当然高くなるため、加熱体Nの温度を高めれば余熱により、加熱体N−1又は加熱体N+1のセルは、加熱体Nから遠いセルに対しても余熱により定着可能温度に達することができる。
よって、本実施形態では、加熱体駆動部330が、重み付け数値が高いと判定されたセル画像の有無に応じて、セル画像が含まれる画像エリアに隣接するエリアに対応する位置にある加熱体の加熱量を制御する。加熱量を調整するとは、例えば加熱体駆動部330の出力を上げる、つまり供給電力をアップさせるなど、加熱量を高めることを意味する。
具体的には、境界面のカウントデータのうち重み付けの高いデータがあり、かつ、加熱体Nの余熱で定着が可能である場合、加熱体駆動部330は、加熱体N−1又は加熱体N+1を非駆動とする一方、加熱体Nの温度をあげ、重み付けの高いデータがα定着温度に達するように加熱量を高める(図11参照)。
次に、複数回の定着動作においてセル画像が含まれる画像エリアに隣接するエリアに対応する位置にある加熱体の駆動が2回以上継続するとき、該加熱体を非駆動とし、セル画像が含まれる画像エリアに対応する加熱体を駆動制御する実施形態について図8を参照して説明する。
本実施形態は、同じエリアの加熱体への駆動が続いた場合に、このエリアと隣り合う加熱体の駆動制御が可能かを判断し、可能と判断した場合に、隣り合う加熱体を駆動し、特定の加熱体が過昇温になることを防ぐものである。
一般的に、特定の加熱体を過熱しすぎると過昇温になることは知られている。過昇温が、定着ローラや周辺部材などに影響を与えることも知られている。そこで、本実施形態では、この過昇温を防止するため、特定の加熱体の駆動が継続される場合にこれを非駆動制御する代わりに、この加熱体Nに隣り合う加熱体N−1を駆動させることとする。
本実施形態の説明に際し、上述した、境界面のカウントデータに重み付けして加熱体の制御を行い、重み付けが低い場合には、加熱体を非駆動とする例を用いる。つまり、加熱体Nを基準とした場合で、境界面のカウントデータがあり、加熱体N−1又は加熱体N+1を非駆動とする場合である。なお、本実施形態では説明の簡略化のため、同じ画像を複数枚複写するケースについて説明する。
まず、上述した実施形態による制御の結果、1回目の印刷において、エリアnに対応する加熱体を駆動させ、エリアn−1に対応する加熱体を非駆動とすると決定したとする。
次に2回目の印刷において、本実施形態では全く同じ画像を印刷することになるため、上述した制御の場合、画像エリア補正部315は、1回目の画像と同様、エリアnに対応する加熱体を駆動させ、エリアn−1に対応する加熱体を非駆動とすることになる。
よって、本実施形態では、画像エリア補正部315でさらに補正制御を行う。すなわち、画像エリア補正部315は、エリアn−1に対応する加熱体N−1を駆動させ、エリアnに対応する加熱体Nを非駆動とする制御が可能か否かを判断する。かかる判断は、上述した実施形態と同様、エリアn−1の境界面セルXn−1を基準として行う。
そして、エリアnに対応する加熱体Nを非駆動としてもよいと判断された場合、画像エリア補正部315は、エリアnに対応する加熱体Nを非駆動とし、エリアn−1に対応する加熱体N―1を駆動する制御を行う。図8に示すように、エリアnにはそもそも画像がないため加熱体Nを駆動させる必要がない。なお図示はしないが、2回目の印刷において加熱体N−1を駆動させる場合、エリアnにおいて、Xn−1を基準としてXn−1に近い数列のみに画像がある場合は、エリアnに対応する加熱体Nは非駆動のままでよいことになる。
つまり、1回目の画像ではエリアnに対応する加熱体Nが駆動され、エリアn−1が非駆動であったのに対し、画像エリア補正部315は、2回目の画像の状況によって、エリアnを非駆動とし、エリアn−1を駆動とすることが可能かを判断して、可能な場合は、両者の駆動を反転させることになる。3回目の印刷においても同様の制御が可能である。本実施形態により、特定の加熱体の過昇温を防止し、ローラや周辺部材への影響を軽減することが可能となる。
次に、本実施形態の加熱開始位置決定部316について図9を参照して説明する。本実施形態の加熱開始位置決定部316は、画像エリアを加熱位置に決定する。図9の例では、エリアE25、E35、E36、E42〜E46、E52〜E57、E66、E67、E77が画像領域であることがわかる。よって加熱開始位置決定部316は、この画像エリアを加熱位置に決定する。
加熱位置が決定されると、本実施形態の加熱体選択部320は、加熱位置に対応する加熱体30Nを選択し、選択された加熱体30Nに対し、加熱対象の画像エリアを割り当てる。
次に、本実施形態の画像形成装置100による画像形成の際の定着装置128の温度制御について図10を参照して説明する。図10(A)は、エリアの例であり、図10(B)は加熱体200を加熱する駆動信号と加熱体200の温度の例を示す図である。
本実施形態の画像形成装置100では、定着を行う際に、3つの温度領域を設定し、温度制御を行っている。本実施形態の3つの温度領域は、ベース温度領域、紙温度領域、定着温度領域である。ベース温度領域は、ベース温度H1以下の温度領域である。加熱体200の温度は、画像形成装置100が画像形成動作を行わない場合にはベース温度領域内の温度となる。なお本実施形態では、加熱体200の温度を検出する温度センサが設けられており、加熱体温度監視機能により検出される。
紙温度領域は、ベース温度H1より高く紙温度H2以下の温度領域である。本実施形態では、画像形成装置100が印刷要求を受けると、加熱体200の温度が紙温度領域に入り、記録材が検出されたとき、加熱体200の温度を紙温度H2とする。
定着温度領域は、紙温度H2より高い温度領域である。本実施形態では、画像形成において定着が開始されるとき、加熱体200に含まれる複数の加熱体30Nのうち、加熱対象として選択された加熱体30Nのみが加熱されて定着温度H3となる。
すなわち本実施形態では、加熱体200に含まれる複数の加熱体30Nは、紙温度H2まで加熱される。そして定着を開始するとき、選択された加熱体30Nのみをさらに加熱して定着温度H3とする。
図10の例では、エリアE2〜E5、エリアE7〜E8が画像エリアである。よってエリアE2〜E5、エリアE7〜E8を加熱する加熱体30Nは定着温度H3まで加熱される。それ以外のエリアE1、E6は、非画像エリアである。よってエリアE1、E6に対応する加熱体30Nは、紙温度H2以下となる。
次に図12を参照して本実施形態の画像形成装置100の動作を説明する。本実施形態の画像形成装置100が印刷要求を受け付けると(ステップS801)、定着制御の処理と、記録材検出の処理と、温度制御の処理とを並行して行う。定着制御の処理は、コントローラ制御部210とCPU300により実行される。温度制御の処理は、CPU300の定着制御部350により実行される。記録材検出の処理は、電装制御部223により実行される。
始めに記録材の検出の処理について説明する。
本実施形態の画像形成装置100において、電装制御部223は、記録材の搬送を開始する(ステップS802)。続いて電装制御部223は、記録材が定着装置128に到達したか否かを判断する(ステップS803)。ステップS803において、記録材が定着装置128に到達すると、電装制御部223は、記録材検出信号をCPU300へ出力する(ステップS804)。記録材が検出されると、CPU300において定着制御部350は、後述するステップS808へ進む。
また記録材が検出されると、電装制御部223は、記録材が定着装置128を通過したか否かを判断する(ステップS805)。ステップS805において記録材が定着装置128を通過すると、電装制御部223は、次の印刷要求の有無を判断する(ステップS806)。ステップS806において次の印刷要求がある場合、後述するステップS810へ進む。ステップS806において次の印刷要求がない場合、後述するステップS811へ進む。
次に温度制御の処理について説明する。
本実施形態の定着制御部350は、印刷要求を受け付けると、加熱体駆動部330により加熱体200を加熱し、加熱体200の温度をベース温度H1とする(ステップS807)。続いて定着制御部350は、加熱体駆動部330によりさらに加熱体200を加熱し、加熱体200の温度を紙温度H1とする(ステップS808)。
続いて定着制御部350は、後述するステップS817において選択された加熱体30Nを加熱し、定着温度H3とする(ステップS809)。加熱体30Nが定着温度H3となると、未定着トナーが記録材に定着される。
続いて定着制御部350は、次の印刷要求がある場合は加熱体200の温度をベース温度H1に維持する(ステップS810)。また定着制御部350は、次の印刷要求がない場合は加熱体200の加熱を停止し、定着を停止する(ステップS811)。
次に定着制御の処理について説明する。
本実施形態の画像形成装置100は、コントローラ制御部210により、読み取った画像データを読み出す(ステップS812)。続いてコントローラ制御部210は、画像処理部214により読み出した画像データに対して画像処理を行う(ステップS813)。画像処理部214による画像処理は、画像データをプリンタ部120から出力するために必要な画像処理である。
続いてコントローラ制御部210は、画像処理後の画像データをCPU300へ送信する(ステップS814)。続いてCPU300の定着制御部350は、画像領域判断部310により、コントローラ制御部210から受信した画像データの画素をカウントし、画像データを所定エリアの集合と判断する(ステップS815)。言い換えれば本実施形態の画像領域判断部310は、画像データを所定エリアの画像データに分割する。画素のカウントの方法は、上述した通りである。
続いて画像領域判断部310は、画像エリア判定部313により、画像データにおける全てのエリアについて、画像エリアであるか又は非画像エリアであるかを判定する(ステップS816)。さらに、画像領域判断部310は、端面カウントデータ補正判断に従い、画像エリア/非画像エリアについて補正を行う(ステップ817)。
続いて定着制御部350は、画像エリアを複数の加熱体30Nに割り当て、画像エリアが割り当てられた加熱体30Nを選択する(ステップS818)。ステップS818の処理の詳細は後述する。
続いて定着制御部350は、選択された加熱体30Nを駆動させ、加熱する(ステップS819)。ステップS819の後に、ステップS809へ進む。
以下に図13を参照して本実施形態の加熱体選択部320の処理の詳細を説明する。図13の処理は、図12のステップS818の処理の詳細を示すものである。
本実施形態の加熱体選択部320は、記録材の幅を検出する(ステップS901)。記録材の幅は、例えば定着装置128に記録材が搬送された際に、定着装置128に設けられている記録材検出センサ等により検出されてもよい。
続いて加熱体選択部320は、記録材の幅に合わせて使用する加熱体30Nを選択する(ステップS902)。具体的には例えば、記録材が加熱体200の中央部分に配置され、加熱体200の両端部に対応する記録材が存在しない場合には、対応する記録材が存在しない加熱体30Nは使用しない。例えば図2に示す加熱体200において、加熱体301と加熱体30Nと対応する位置に記録材が存在しない場合、加熱体選択部320は、加熱体301と加熱体30N以外の加熱体を使用する加熱体として選択する。
続いて加熱体選択部320は、記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用するか否かを判断する(ステップS903)。例えば画像が記録材の中央部に集中し、記録材の端部に画像が無い場合等がある。この場合には、記録材の端部に位置する加熱体30Nをオンさせる必要はない。本実施形態では、記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用するか否か、設定により予め決められていてもよい。
例えば記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用する設定であった場合、加熱体選択部320は、ステップS902で選択された全ての加熱体30Nを使用する。また記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用しない設定であった場合、加熱体選択部320は、該当する加熱体30Nを選択しない。
続いて加熱体選択部320は、ROM222から加熱体情報22を取得する(ステップS904)。本実施形態の加熱体情報22とは、加熱体200に関する情報であり、具体的には複数の加熱体30Nのそれぞれの幅、配置、温度上昇率、定着ベルト138の回転による温度低下率が含まれる。
続いて加熱体選択部320は、ステップS902、ステップS903で使用するものとして選択された加熱体30Nに対し、加熱体30Nの加熱体情報22を参照して画像データのエリアを割り当てる(ステップS905)。本実施形態では、加熱体30Nにエリアを割り当てる際に、主に加熱体情報22に含まれる加熱体30Nの幅と配置を参照する。
以下に加熱体30Nに対する画像データのエリアの割り当てについて図14を参照して説明する。図14では、加熱体200において加熱体301〜307が使用する加熱体として選択された例を示している。また図14では、加熱体200に対し、エリアE1〜エリアE21を割り当てる例を示している。
本実施形態の加熱体選択部320は、エリアE1のカウント値が格納されたレジスタのアドレスから、エリアE1が画像データにおいて主走査方向及び副走査方向のどの位置のエリアであるかを判断する。そして加熱体選択部320は、エリアE1の位置から、どの加熱体30NにエリアE1の加熱を行わせるかを判断する。
例えばエリアE1に対応する位置にある加熱体は、加熱体301である。よって加熱体選択部320は、加熱体301にエリアE1を割り当てる。次に加熱体選択部320は、エリアE1とエリアE2の合計幅We1が、加熱体301の幅W1以下となるか否かを判断する。そして合計幅We1≦幅W1であれば、加熱体選択部320は、エリアE2も加熱体301へ割り当てる。
以上のようにして、加熱体選択部320は、加熱体30Nの幅WNと、エリアの主走査方向の幅とに基づき、個々の加熱体30Nに対してエリアを割り当てる。
例えばエリアE3、E4の主走査方向の幅We2は、加熱体302の幅W2以下である。よって本実施形態の加熱体選択部320は、加熱体302にエリアE3、E4を割り当てる。同様にして、加熱体選択部320は、加熱体303にエリアE5〜E7を割り当て、加熱体304にエリアE8〜E14を割り当てる。さらに加熱体選択部320は、加熱体305にエリアE15〜E17、加熱体306にエリアE18、E19、加熱体307にエリアE20、E21を割り当てる。
本実施形態の加熱体選択部320は、以上のようにして、画像データに含まれる全てのエリアを加熱体30Nに割り当てる。
続いて加熱体選択部320は、全ての加熱体30Nのオン/オフを決定したか否かを判断する(ステップS906)。なおここでの「加熱体30Nをオンさせる」とは、紙温度H2まで加熱された加熱体30Nをさらに定着温度H3まで加熱することを意味する。また「加熱体30Nをオフさせる」とは、加熱体30Nを定着温度H3まで加熱せずに紙温度H2に維持することを意味する。
ここでは加熱体30Nのオン/オフはまだ決定していないため、次のステップS907へ進む。加熱体選択部320は、加熱体30Nに割り当てられたエリアにおいて、画像エリアがあるか否かを判断する(ステップS907)。
ステップS907において、割り当てられたエリアに画像エリアが含まれる場合、加熱体選択部320は、加熱体30Nをオンさせるものとし(ステップS908)、ステップS906へ戻る。またステップS907において割り当てられたエリアに画像エリアが含まれない場合、加熱体選択部320は、加熱体30Nをオフさせるものとし(ステップS909)、ステップS906へ戻る。
ステップS906において、全ての加熱体30Nのオン/オフが決定したら、図8のステップS818の処理に進む。
以下に、加熱体30Nのオン/オフの決定について図14を参照して説明する。図14において、加熱体301に割り当てられたエリアは、エリアE1、E2である。図14の例では、エリアE1には画像がなくカウント値は0である。よってエリアE1は非画像エリアである。またエリアE2は画像が有り、カウント値は1である。よってエリアE2は画像エリアである。したがって図14の例では、加熱体301に割り当てられたエリアにおいて、カウント値が0でないエリア、すなわち画像エリアが含まれることがわかる。よって本実施形態では、加熱体301をオンさせる。
同様に、加熱体302に割り当てられてエリアは、エリアE3、E4である。エリアE3、E4のカウント値は、それぞれ0である。すなわち加熱体302に割り当てられたエリアには、画像エリアが存在しないことがわかる。よって本実施形態の加熱体選択部320は、加熱体302をオフさせる。同様に図14の例では、加熱体303、304、305、306はオンされ、加熱体307はオフされる。
以上のように本実施形態では、画像が有るエリアが割り当てられた加熱体30Nのみを定着温度H3まで加熱するようにした。したがって本実施形態によれば、効率良くトナーを定着させることができる。また本実施形態では、読み込まれた画像データを所定エリアの集合と見なし、エリア毎の画素のカウント値に基づき定着制御を行うため、定着制御の際に取り扱うデータ量を低減することができる。
なお図13では、最初に全てのエリアを加熱体30Nに対して割り当て、その後にエリアにおける画像の有無を判断するものとしたが、これに限定されない。例えば最初に各エリアにおける画像の有無を判断し、画像が有るエリアだけを加熱体30Nに割り当てるようにしてもよい。
また図14では、加熱体30Nの幅がそれぞれ異なり、かつ加熱体30Nの幅とエリアの幅も異なるものとして説明したが、これに限定されない。例えば加熱体30Nは全て同じ大きさであってもよいし、エリアの幅が加熱体30Nの幅と同じであってもよい。
図15は、エリアの幅が加熱体の幅と同じ場合の加熱体に対するエリアを割り当ての例を示す図である。図11(A)は割り当ての第1の例であり、図11(B)は割当の第2の図である。
図15(A)、(B)では、加熱体301〜30Nに対して、エリア21〜32までが割り当てられる。図15の例では、1つの加熱体に対して1つのエリアが割り当てられる。
図15(A)の例では、エリアE21〜32のうち、画像エリアは、エリアE22、E26〜E31である。よってエリアE22、E26〜E31が割り当てられた加熱体30Nがオンされる。
図15(B)の例では、エリアE21〜32のうち、画像エリアは、エリアE22〜E28、エリアE30、E31である。よってエリアE22〜E28、エリアE30、E31が割り当てられた加熱体30Nがオンされる。
以上のように本実施形態では、画像データを所定エリアの集合と見なし、各エリアを複数の加熱体30Nに対して割り当てる。そして本実施形態では、割り当てられたエリアに画像エリアが含まれる加熱体30Nのみを定着温度H3まで加熱し、未定着トナーを定着させる。
また本実施形態では、画像データを所定エリアに分割するため、定着制御で取り扱うデータは、エリア毎のカウント値となる。よって本実施形態では、画像データをそのまま定着制御に用いる場合に比べて、定着制御の際に取り扱うデータ量を大幅に低減することができる。また本実施形態では、画像エリアが割り当てられた加熱体30Nのみを定着温度まで加熱させる。このため本実施形態によれば、定着にかかる電力を低減でき、効率良くトナーを定着させることができる。
また本実施形態は、画像データを所定エリアの集合と捉え、各エリアを加熱体に対して割り当てる。したがって本実施形態では、加熱体の形状や数が変わったとしても、加熱体情報22がROM222に格納されていれば、加熱体にエリアを割り当てることができる。したがって本実施形態では、加熱体の形状や構成に関わらず適用することができ、汎用性を高めることができる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
例えば、上述した本実施形態の画像処理装置における各処理を、上述した本実施形態の画像処理装置を構成する各部における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。