JP2014186314A - 定着制御装置、画像形成装置及び定着制御方法 - Google Patents

定着制御装置、画像形成装置及び定着制御方法 Download PDF

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修 木崎
Noboru Sugiura
昇 杉浦
Katsunori Kume
勝法 久米
Hiroshi Tokumaru
弘 徳丸
Shiho Shimozaka
詩帆 下坂
Hiroo Umezawa
寛朗 梅澤
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Abstract

【課題】定着装置の交換回数及びダウンタイムを低減させることが可能な着制御装置、画像形成装置及び定着制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の加熱体を有し、画像データに基づき形成された未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置を制御する定着制御装置であって、前記画像データを複数のエリアに分割した際の前記エリア毎の画像の有無を判断する画像有無判断部と、前記複数の加熱体から、前記画像が有るエリアに対応する位置にある加熱体を選択する加熱体選択部と、選択された前記加熱体において故障した加熱体が含まれるとき、故障した前記加熱体の近傍に配置された加熱体における定着時の温度を補正する温度補正部と、を有する。
【選択図】図14

Description

本発明は、複数の加熱体を有し、画像データに基づき形成された未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置を制御する定着制御装置、画像形成装置及び定着制御方法に関する。
従来の画像形成装置では、熱応答性の良いサーマルヘッドやレーザ光線等を用いた定着装置を備えたものがある。定着装置を備える画像形成装置では、例えば特許文献1に記載されているように、デジタルの画像データに基づいて、記録材上のトナーが乗っている所のみ、あるいはその近傍のみを選択的に加熱して未定着トナーを定着させる技術が知られている。
上記従来の定着装置では、加熱体が主走査方向に沿って複数配置されているため、1つの加熱体に不具合が発生した場合でも、定着装置全体の不具合と判断される。よって従来の定着装置では、定着装置の交換回数が増える可能性がある。また画像形成装置において定着装置の交換回数が増えると、それに伴い画像形成装置のダウンタイムが増加する虞がある。
本発明は、上記事情を鑑みてこれを解決すべく成されたものであり、定着装置の交換回数及びダウンタイムを低減させることが可能な着制御装置、画像形成装置及び定着制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の如き構成を採用した。
本発明は、複数の加熱体を有し、画像データに基づき形成された未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置を制御する定着制御装置であって、前記画像データを複数のエリアに分割した際の前記エリア毎の画像の有無を判断する画像有無判断部と、前記複数の加熱体から、前記画像が有るエリアに対応する位置にある加熱体を選択する加熱体選択部と、選択された前記加熱体において故障した加熱体が含まれるとき、故障した前記加熱体の近傍に配置された加熱体における定着時の温度を補正する温度補正部と、を有する。
本発明によれば、定着装置の交換回数及びダウンタイムを低減させることができる。
第一の実施形態の画像形成装置の構成の概略を示す図である。 第一の実施形態の定着ローラを説明する図である。 第一の実施形態の画像形成装置の構成を説明する図である。 画像領域判断部の機能を説明する図である。 画像データにおけるエリアの判断を説明する図である。 画像有無判定部による判定を説明する図である。 加熱体に対するエリアの割り当ての例を示す図である。 加熱体の温度制御を説明する図である。 第一の実施形態の故障時処理部の機能を説明する図である。 画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。 第一の実施形態における定着制御の処理を説明するフローチャートである。 加熱体選択部の処理を説明するフローチャートである。 隣接する加熱体が正常に動作する場合を説明する図である。 温度補正について説明する第一の図である。 温度補正について説明する第二の図である。 隣接状況判断部により印刷停止と判断される場合の例を示す図である。 その他の定着ローラの構成を示す図である。 第二の実施形態の故障時処理部の機能を説明する図である。 第二の実施形態における定着制御の処理を説明するフローチャートである。 故障エリアの細分化を説明する第一の図である。 補完レベルテーブルの一例を示す図である。 画像位置パターンと加熱体の温度補正を説明する第一の図である。 画像位置パターンと加熱体の温度補正を説明する第二の図である。 故障エリアの細分化を説明する第二の図である。
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態の画像形成装置の構成の概略を示す図である。
本実施形態の画像形成装置100は、スキャナ部110と、プリンタ部120とを有する。本実施形態の画像形成装置100においてスキャナ部110は、読み取った原稿(図示せず)の反射光を電気信号に変換し、さらにそのアナログ電気信号をデジタル画像信号に変換してプリンタ部120に出力する。プリンタ部120は、スキャナ部110から入力された画像データ、又は画像形成装置100と接続されたコンピュータ等から送信された画像データに基づき画像形成動作を行なう。
本実施形態のプリンタ部120は、感光体ドラム121、帯電器122、書き込み装置123、現像装置124、給紙装置125、転写装置126、分離装置127、定着装置128等を有する。
本実施形態において、感光体ドラム121は帯電器122により均一に帯電される。画像形成装置100に入力された画像データは、後述する画像処理部で各種補正、各種変換・変倍等の処理がされた後に書き込み装置123に入力される。書き込み装置123は、入力された画像データに基づいてレーザ光を感光体ドラム121に照射する。感光体ドラム121上に形成された静電潜像は現像装置124により加熱溶融性のトナーにより現像され可視像化される。一方、給紙装置125から記録材(図示せず)が給紙ローラ131により給紙され、搬送ローラ132を介してレジストローラ133へ搬送される。レジストローラ133は感光体ドラム121上のトナー像に同期して記録材を送出する。この記録材に、転写装置126の作用により感光体ドラム121上のトナー像が転写される。
そして、分離装置127の作用により記録材が感光体ドラム121から分離され、搬送ガイド134に案内されて定着装置128に導かれる。記録材上の未定着トナー像が定着装置128により加熱定着され、記録材は排紙ローラ135により機外に排出される。また、感光体ドラム121は記録材の分離後にクリーニング装置136により残留トナーが除去され、除電器137により残留電荷が消去される。
本実施形態の画像形成装置100では、書き込み装置123に入力される画像データを用いて、定着装置128における定着制御を行う。すなわち本実施形態の画像形成装置100は、画像データに基づき感光体ドラム121上に形成されたトナー像を記録材に定着させることで、記録材に画像を形成する。
以下に本実施形態の定着装置128について説明する。本実施形態の定着装置128は、定着ローラ129と加圧ローラ130と、定着ベルト138を有する。本実施形態の定着装置128では、定着ローラ129と加圧ローラ130とにより、記録材が挟持搬送されることで、未定着トナー像が記録材に定着される。
図2は、第一の実施形態の定着ローラを説明する図である。図2(A)は、定着ローラ129の構成の概略を説明する図であり、図2(B)は、加熱体200を説明する図である。
本実施形態の定着ローラ129は、内部に加熱体200が設けられている。加熱体200は、例えば複数の加熱体30Nを含む。
図2(B)を参照して加熱体200について説明する。本実施形態の加熱体200は、複数の加熱体30Nを有する。本実施形態の複数の加熱体30Nは、それぞれの大きさが同じであることが好ましいが、大きさは異なっても良い。本実施形態の加熱体200は、主走査方向の幅Aと、副走査方向の長さWとが同じ加熱体301〜30Nが並べられて配置されている。
本実施形態の加熱体30Nは、定着ローラ129において主走査方向の幅A×副走査方向の長さWの領域を加熱する。本実施形態では、加熱体200の主走査方向の幅Hと記録材の主走査方向の幅とが一致するように、加熱体30Nの主走査方向の幅Aと数が決定されていることが好ましい。加熱体30Nは個々にオン・オフ制御される。
本実施形態の複数の加熱体30Nは、例えばIH(Induction Heating)コイルやサーマルヘッドアレイ等により実現されても良い。
次に本実施形態の画像形成装置100の構成について説明する。図3は、第一の実施形態の画像形成装置の構成を説明する図である。
本実施形態の画像形成装置100は、コントローラ制御部210、エンジン制御部220、HDD(Hard Disk Drive)230、FAXユニット231、操作制御部232、読取制御部233、ARDF(自動両面反転原稿送り装置)234、書込制御部235、電装品236、DC(Direct Current)電源237、AC(Alternating Current)電源238を有する。
本実施形態のコントローラ制御部210は、画像形成動作の指定を受け付け、画像形成動作を設定する。具体的にはコントローラ制御部210は、画像形成、ユーザインターフェイスやモード設定、コピーやプリンタといったアプリケーションの制御などを司る。
エンジン制御部220は、プリンタエンジンの駆動制御等を行う。
HDD230は、例えば処理対象のデータ等が格納される。FAXユニット231は、画像形成装置100においてFAX機能を実現する。操作制御部232は、ユーザインターフェイスとなるタッチパネル(操作部)等の制御を行う。
読取制御部233は、スキャナ部110を制御するものであり、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介して読み取った画像をコントローラ制御部210の画像処理部214に伝達する。
書込制御部235は、コントローラ制御部210や読取制御部233からPCIバスを介して送られてきた画像データを、画像形成を行うLD(Laser Diode)ユニットやLED(Light Emitting Diode)ユニットに送信することで、用紙にパターンを書込み、プリントやコピーといった動作を行う。
電装品236は、例えば温度センサ、モータ、ソレノイド等を含む。DC電源237とAC電源238とは、各制御部へ電源を供給する。
次に本実施形態のコントローラ制御部210の構成を説明する。本実施形態のコントローラ制御部210は、CPU(Central Processing Unit)211、RAM(Random Access Memory)212、ROM(Read Only Memory)213、画像処理部214、画像メモリ215、I/F(インターフェイス)216を有する。
CPU211は、各種の処理動作を行う。RAM212は、各種情報を一時的に記憶する。ROM213は、制御プログラムを固定的に記憶する。画像処理部214は、例えば画像処理を行うASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により実現される。画像メモリ215は、画像処理部214により処理された画像データが格納される。また本実施形態のコントローラ制御部210は、図示しないNVRAM(Non Volatile RAM)等を備えており、NVRAMには画像形成装置100の動作条件の設定情報等が格納されていても良い。
本実施形態のコントローラ制御部210は、外部通信機器からネットワークを介してLAN(Local Area Network)等で情報を送受信するインターフェイス216、ユーザインターフェイスとなる操作制御部232や所定の処理対象のデータを格納するHDD230と接続されている。
本実施形態のコントローラ制御部210は、FAXユニット231や、エンジン制御部220とインターフェイスとPCIバスで結ばれている。コントローラ制御部210は、操作制御部232や外部機器からインターフェイス216を介して画像形成動作の指示を受け付け、画像形成動作を実行し、作成した画像をエンジン制御部220にPCIバスを介して伝達する。
本実施形態のエンジン制御部220は、CPU300、RAM221、ROM222、電装制御部223を有する。CPU300は、エンジン制御部220の各種処理を行う。また本実施形態のCPU300は、定着装置128による定着制御を行う。CPU300による定着制御の詳細は後述する。
RAM221は、各種情報を一時的に記憶する。ROM222は制御プログラムが格納されている。本実施形態では、ROM222に定着制御プログラムが格納されていても良い。また本実施形態のROM222には、後述する加熱体情報22が格納されていても良い。電装制御部223は、電装品236を制御する。
以下にCPU300の機能について説明する。本実施形態のCPU300は、定着制御部350を有する。
定着制御部350は、画像領域判断部310、加熱体選択部320、加熱体駆動部330、故障時処理部340を有する。
画像領域判断部310は、コントローラ制御部210から受け取った画像データを所定の領域(エリア)毎のデータとし、エリア毎に各エリアにおける画像の有無を判断する。画像領域判断部310の処理の詳細は後述する。加熱体選択部320は、画像の有るエリアに合わせて実際に加熱させる加熱体30Nを選択する。加熱体駆動部330は、選択された加熱体30Nを加熱する。故障時処理部340は、加熱体30Nのうち何れかが故障した場合の処理を行う。故障時処理部340の処理の詳細は後述する。
本実施形態の画像形成装置100では、画像処理部214から出力された画像データを、画像領域判断部310により予め設定された所定エリア毎のデータとし、エリア毎の画像の有無を判断する。次に加熱体選択部320は画像が有るエリアと対応する加熱体30Nを選択し、対応する加熱体30Nにエリアを割り当てる。加熱体駆動部330は、選択された加熱体30Nを駆動して加熱させる。故障時処理部340は、選択された加熱体30Nに故障した加熱体が含まれる場合、故障時の処理を行う。
尚本実施形態の画像形成装置100は、図示しない機能として、加熱体200の温度状態を監視する温度センサによる加熱体温度監視機能も備えている。
また本実施形態では、画像領域判断部310をエンジン制御部220内に搭載する構成としたが、画像領域判断部310はコントローラ制御部210の画像処理部214内に搭載されても良い。この場合画像領域判断部310による処理の結果は、コントローラ制御部210からエンジン制御部220に通知されても良い。
次に図4を参照して本実施形態の画像領域判断部310の処理の詳細について説明する。図4は、画像領域判断部の機能を説明する図である。
本実施形態の画像領域判断部310は、画像読み込み部311、画素カウント部312、画像有無判定部313、加熱位置決定部314を有する。
本実施形態の画像読み込み部311は、コントローラ制御部210を介して入力される画像データを読み込む。読み込まれた画像データは、一時的にエンジン制御部220内のRAM221に格納されても良い。
画素カウント部312は、画像データの画素をカウントする。画素カウント部312の詳細は後述する。
画像有無判定部313は、画像データに含まれる所定のエリア毎に、エリア内の画像の有無を判定する。画像有無判定部313による判定の詳細は後述する。加熱位置決定部314は、画像が有るエリアに対応する加熱体30Nを加熱位置に決定する。
以下に画素カウント部312について説明する。
本実施形態の画素カウント部312は、主走査カウント部315、副走査カウント部316を有する。主走査カウント部315は、画像データの主走査方向に画素をカウントする。副走査カウント部316は、画像データの副走査方向に画素をカウントする。
本実施形態の画素カウント部312は、画像読み込み部311が画像データを読み込むと、主走査カウント部315により主走査方向に画素をカウントする。すなわち主走査カウント部315は、画像データにおける1ラインの幅をカウントする。副走査カウント部316は、画像データの副走査方向に画素をカウントする。すなわち副走査カウント部316は、画像データにおけるラインの本数をカウントする。
本実施形態の画像領域判断部310は、画素カウント部312により、主走査方向と副走査方向にそれぞれ画素をカウントすることで、画像データを予め設定されたエリアの集合と判断する。
以下に図5を参照して本実施形態におけるエリアの判断について説明する。図5は、画像データにおけるエリアの判断を説明する図である。
本実施形態では、画像データを予め設定した所定のエリアEのm行×n列の集合Emnと捉える。本実施形態では、所定のエリアEをX×Yの領域とした。尚X,Yの単位はミリメートルである。
また本実施形態では、例えばCPU300の有する記憶領域に、所定のエリアE毎に対応したレジスタが設けられている。図5の例では、画像データはエリアEのm行×n列の集合であるから、CPU300の記憶領域には、エリアE11〜エリアEmnのそれぞれに対応したレジスタが設けられている。このレジスタには、画素カウント部312によるカウント値が格納される。
本実施形態の画素カウント部312は、画像データの左上から順に画像データの画素のカウントを開始する。
画素カウント部312の主走査カウント部315は、図5に示す画像データGの左上から主走査方向に画素のカウントを行い、各画素のカウント値をエリアE毎に対応したレジスタに格納する。
例えば主走査カウント部315は、画像データGの左上から1ライン目の画素のカウントを開始する。このときカウントされる画素は、エリアE11内の画素である。よって主走査カウント部315は、カウント値をエリアE11に対応したレジスタに格納する。すなわち主走査カウント部315は、主走査方向にXミリメートル分の画素をカウントするまで、カウント値をエリアE11と対応したレジスタに格納する。したがってレジスタの値は、エリアE11内の1ライン目を形成する画素のカウント値の和となる。
続いてカウント対象の画素がエリアE12内の画素となると、主走査カウント部315は、エリアE12に対応したレジスタにカウント値を格納する。そして主走査カウント部315は、エリアE12内の最初の画素から主走査方向にXミリメートル分の画素をカウントするまで、カウント値をエリアE12に対応するレジスタに格納する。したがってレジスタの値は、エリアE12内の1ライン目を形成する画素のカウント値の和となる。
同様にして、主走査カウント部315が主走査方向に1ライン、すなわちX×nミリメートル分カウントすると、副走査カウント部316は、副走査方向にカウントしたライン数をカウントする。この場合、ライン数は1である。よってこのときは、エリアE11〜エリアE1nに対応するレジスタには、エリアE11〜エリアE1nそれぞれの1ライン目の画素のカウント値の和が格納されたことになる。
主走査カウント部315は、1ラインカウントが終了すると、次のラインの左端の画素からカウントを再開する。主走査カウント部315は、2ライン目の左端の画素からカウントを開始し、1ライン目と同様の処理を行う。
本実施形態では、副走査カウント部316が副走査方向にYミリメートル分のライン数のカウントが終了すると、エリアE11〜エリアE1nは、それぞれがXミリメートル×Yミリメートルの領域内の画素がカウントされたことになる。このときエリアE11〜エリアE1nのそれぞれに対応するレジスタには、エリアE11〜エリアE1n内の全ての画素のカウント値の累積値が格納される。
本実施形態では、エリアE21以降に対しても同様の処理を行い、エリアE11〜エリアEmnそれぞれの画素のカウント値の累積値を得る。
すなわち本実施形態の画像領域判断部310は、画素カウント部312により、画像データをXミリメートル×Yミリメートルのエリアに分割した際のエリア毎の画素カウント値の累積値を得る。
尚本実施形態では、画像データGに含まれるエリア数と同数のレジスタを有していても良い。この場合レジスタの数は、m×n個となる。また本実施形態では、レジスタの数を主走査方向に設けられたエリアの数と同様のn個としても良い。この場合CPU300は、エリアE1nまでのカウントが終了すると、n個のレジスタに格納された値を例えばRAM221等に一時的に格納させ、全てのレジスタに格納された値を消去しても良い。本実施形態のレジスタの数は、画像データの幅(すなわち記録材の幅)と、エリアEの大きさとに応じて決められる。例えば画像形成装置100において印刷可能な記録材の最大の幅をW10ミリメートルとした場合のレジスタの数は、W10ミリメートル/Xミリメートル以上であれば良い。
本実施形態のレジスタに格納されるカウント値は、後述するように、エリア毎の画像の有無の判定にのみ使用される。したがって本実施形態では、各レジスタの大きさは2ビット以上であれば良い。
本実施形態では、X=Y=2ミリメートルとした。すなわち本実施形態では、画像データは2ミリメートル×2ミリメートルのエリアの集合となる。
本実施形態において、Xの値は、例えば複数の加熱体30Nのうち最も主走査方向の幅のせまい加熱体30Nの幅と同様の値にしても良い。
また本実施形態のYの値は、画像形成装置100における記録材の搬送速度をVとし、加熱体30Nの加熱応答時間をtとしたとき、V>Y/t1となれば良い。尚加熱応答時間とは、加熱体30Nの加熱を開始してから定着ローラ129の温度がトナーを記録材に定着させるために予め設定された所定温度になるまでの時間である。このようにYの値を決めれば、記録材の搬送速度よりも加熱応答時間が十分に早くなり、定着時に定着ローラ129を所定温度まで到達させることができる。
以下に図6を参照して、画像有無判定部313による画像の有無の判定を説明する。図6は、画像有無判定部による判定を説明する図である。
本実施形態の画像有無判定部313は、画素カウント部312により各エリアのカウント値の累積値が格納されたレジスタの値に基づき、各エリア内の画像の有無を判定する。具体的には画像有無判定部313は、レジスタの値が0のとき、対応するエリアを画像が無い非画像領域と判定する。また画像有無判定部313は、レジスタの値が0でないとき、対応するエリアを画像が有る画像領域と判定する。非画像領域とは、画像(未定着トナー)が存在しない領域であり、定着のための加熱が不要な領域である。画像領域とは、画像(未定着トナー)が存在する領域であり、加熱体30Nによる加熱対象となる領域である。
尚本実施形態では、カウント値の和が0のとき、そのエリアを非画像領域と判定するものとしたが、例えばカウント値が予め設定された所定値以下のときそのエリアを非画像領域と判定しても良い。
本実施形態の加熱位置決定部314は、画像領域を加熱位置に決定する。図6の例では、エリアE25、E35、E36、E42〜E46、E52〜E57、E66、E67、E77が画像領域であることがわかる。よって加熱位置決定部314は、この画像領域を加熱位置に決定する。
加熱位置が決定されると、本実施形態の加熱体選択部320は、加熱位置に対応する加熱体30Nを選択する。加熱体30Nが選択されると、本実施形態の加熱体駆動部330は、選択された加熱体30Nを加熱する。
以下に加熱体選択部320による加熱体30Nの選択について説明する。具体的には本実施形態の加熱体選択部320は、加熱体30Nに画像領域であるエリアEmnを割り当てることで、加熱位置に対応する加熱体30Nを選択する。
図7は、加熱体に対するエリアの割り当ての例を示す図である。図7(A)は割り当ての第1の例であり、図7(B)は割り当ての第2の例である。
図7(A)、(B)では、加熱体301〜30Nに対して、エリア21〜29がそれぞれ割り当てられる。図7の例では、1つの加熱体に対して1つのエリアが割り当てられる。
図7(A)の例では、エリアE21〜29のうち、画像領域であるエリアは、エリアE22,E26〜E29である。よってエリアE22,E26〜E29が割り当てられた加熱体30Nが加熱位置に対応する加熱体として選択される。
図7(B)の例では、エリアE21〜29のうち、画像領域であるエリアは、エリアE22〜E28である。よってエリアE22〜E2が割り当てられた加熱体30Nが加熱位置に対応する加熱体として選択される。
以下に加熱体駆動部330による加熱体30Nの温度制御について説明する。
図8は、加熱体の温度制御を説明する図である。
本実施形態の画像形成装置100の定着制御部350は、定着装置128による定着を行う際に、加熱体駆動部330により3つの温度領域を予め設定して温度制御を行う。3つの温度領域は、ベース温度領域、紙温度領域、定着温度領域である。ベース温度領域は、ベース温度H1以下の温度領域である。複数の加熱体30Nを含む加熱体200の温度は、画像形成装置100が画像形成動作を行わない場合にはベース温度領域内の温度となる。尚本実施形態では、加熱体200の温度を検出する温度センサが設けられており、画像形成装置100に設けられた加熱体温度監視機能により検出される。
紙温度領域は、ベース温度H1より高く紙温度H2以下の温度領域である。本実施形態では、画像形成装置100が印刷要求を受けると、加熱体200の温度を紙温度領域内まで加熱し、記録材が検出されたときに加熱体200の温度が紙温度H2に到達するように、加熱体200を加熱する。
定着温度領域は、紙温度H2より高い温度領域である。本実施形態では、画像形成において定着が開始されるとき、加熱体200に含まれる複数の加熱体30Nのうち、加熱対象として選択された加熱体30Nのみが加熱されて定着温度H3となる。
すなわち本実施形態では、加熱体200に含まれる複数の加熱体30Nは、紙温度H2まで加熱される。そして定着を開始するとき、選択された加熱体30Nのみをさらに加熱して定着温度H3とする。尚本実施形態では、ベース温度H1、紙温度H2、定着温度H3は、予め定着制御部350において設定された温度である。
図8(A)は、エリアの例であり、図8(B)は加熱体200を加熱する駆動信号と加熱体200の温度の例を示す図である。
図8の例では、エリアE22〜E25、エリアE27〜E28が画像領域である。よってエリアE22〜E25、エリアE27〜E28を加熱する加熱体30Nは定着温度H3まで加熱される。それ以外のエリア(エリアE21、E26)は、非画像領域である。よってエリアE21、E26に対応する加熱体30Nは、紙温度H2以下となる。
次に図9を参照して故障時処理部340について説明する。図9は、第一の実施形態の故障時処理部の機能を説明する図である。
本実施形態の故障時処理部340は、故障検知部341、隣接状態判断部342、温度補正部343を有する。
本実施形態の故障検知部341は、加熱体200において加熱体選択部320により選択された加熱体30Nに故障しているものが存在するか否かを検知する故障検知の処理を行う。具体的には本実施形態の故障検知部341は、加熱体30Nのそれぞれに電流を流し、電流が流れない加熱体30Nを故障と検知する。また本実施形態の故障検知部341は、加熱体30Nの故障を検知すると、故障した加熱体30Nの位置情報を取得し、保持する。ここでの位置情報は、主走査方向における故障した加熱体30Nの位置を示す情報である。
隣接状態判断部342は、故障検知部341により検知された加熱体30Nと隣接する加熱体に故障が検知されたか否かを判断する。
具体的には隣接状態判断部342は、加熱体30Nが加熱体200の端部の加熱体301又は加熱体30Nである場合、加熱体301又は加熱体30Nと隣接する加熱体302又は30(N−1)が故障しているか否かを判断する。
また隣接状態判断部342は、故障検知部341により検知された加熱体30Nが加熱体302又は30(N−1)以外であった場合、故障と検知された加熱体30Nの両側に隣接する加熱体が故障しているか否かを判断する。すなわち隣接状態判断部342は、故障が検知された加熱体30Nの両側に隣接する加熱体のうち、少なくとも何れか一方の側の加熱体が正常に動作するか否かを判断する。
本実施形態の温度補正部343は、故障検知部341により故障が検知された加熱体30Nと隣接し、且つ正常に動作する加熱体の温度制御における定着温度H3を補正する。より具体的には温度補正部343は、故障した加熱体30Nと隣接する加熱体の定着時の温度として、定着温度H3より高い温度である補完温度H4を設定する。本実施形態の温度補正部343の処理の詳細は後述する。
次に図10を参照して本実施形態の画像形成装置100の動作を説明する。図10は、画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
本実施形態の画像形成装置100が印刷要求を受け付けると(ステップS1001)、定着制御の処理と、記録材検出の処理と、温度制御の処理とを並行して行う。定着制御の処理は、コントローラ制御部210とCPU300の定着制御部350により実行される。温度制御の処理は、CPU300の定着制御部350により実行される。記録材検出の処理は、電装制御部223により実行される。
始めに記録材の検出の処理について説明する。
本実施形態の画像形成装置100において、電装制御部223は、記録材の搬送を開始する(ステップS1002)。続いて電装制御部223は、記録材が定着装置128に到達したか否かを判断する(ステップS1003)。尚本実施形態では、例えば定着装置128に記録材の到着を検出する到着検出センサが設けられており、記録材検出センサにより定着装置128への記録材の到着を検出しても良い。ステップS1003において、記録材が定着装置128に到達すると、電装制御部223は、記録材検出信号をCPU300へ出力する(ステップS1004)。記録材が検出されると、CPU300において定着制御部350は、後述するステップS1008へ進む。
また記録材が検出されると、電装制御部223は、記録材が定着装置128を通過したか否かを判断する(ステップS1005)。尚本実施形態では、例えば定着装置128を記録材が通過したか否かを検出する通過検出センサが設けられており、通過検出センサにより定着装置128からの記録材の通過を検出しても良い。ステップS1005において記録材が定着装置128を通過すると、電装制御部223は、次の印刷要求の有無を判断する(ステップS1006)。ステップS1006において次の印刷要求がある場合、後述するステップS1010へ進む。ステップS1006において次の印刷要求がない場合、後述するステップS1011へ進む。
次に温度制御の処理について説明する。
本実施形態の定着制御部350は、印刷要求を受け付けると、加熱体駆動部330により加熱体200を加熱し、加熱体200の温度をベース温度H1とする(ステップS1007)。続いて定着制御部350は、印刷要求を受け付けているため、加熱体駆動部330によりさらに加熱体200を加熱し、加熱体200の温度を紙温度H1とする(ステップS1008)。
続いて定着制御部350は、後述する定着制御の処理において選択された加熱体30Nにおいて、温度補正対象ではない加熱体30Nを温度が定着温度H3となるまで加熱する。また定着制御部350は、温度補正対象である加熱体30Nを温度が補完温度H4となるまで加熱する(ステップS1009)。
続いて定着制御部350は、次の印刷要求がある場合は加熱体200の温度をベース温度H1に維持する(ステップS1010)。また定着制御部350は、次の印刷要求がない場合は加熱体200の加熱を停止し、定着を停止する(ステップS1011)。
次に定着制御の処理について説明する。
本実施形態の画像形成装置100は、印刷要求を受けると、後述する定着制御の処理を行い(ステップS1012)、ステップS1009へ進む。
以下に図11を参照して本実施形態の画像形成装置100における定着制御について説明する。図11は、第一の実施形態における定着制御の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の画像形成装置100は、コントローラ制御部210により、読み取った画像データを読み出す(ステップS1101)。続いてコントローラ制御部210は、画像処理部214により読み出した画像データに対して画像処理を行う(ステップS1102)。画像処理部214による画像処理は、画像データをプリンタ部120から出力するために必要な画像処理である。
続いてコントローラ制御部210は、画像処理後の画像データをCPU300へ送信する(ステップS1103)。続いてCPU300の定着制御部350は、画像領域判断部310により、コントローラ制御部210から受信した画像データの画素をカウントし、画像データを所定エリアの集合と判断する(ステップS1104)。言い換えれば本実施形態の画像領域判断部310は、画像データを所定エリアの画像データに分割する。画素のカウントの方法は、上述した通りである。
続いて画像領域判断部310は、画像有無判定部313により、画像データにおける全てのエリアについて、画像領域であるか又は非画像領域であるかを判定する(ステップS1105)。
続いて定着制御部350は、画像領域を複数の加熱体30Nに割り当て、画像領域が割り当てられた加熱体30Nを選択する(ステップS1106)。ステップS1106の処理の詳細は後述する。
続いて定着制御部350は、故障時処理部340の故障検知部341により、ステップS1106で選択された加熱体30Nそれぞれについて、故障検知の処理を行う(ステップS1107)。続いて故障検知部341は、故障検知の処理の結果から、選択された加熱体30Nに故障した加熱体が含まれるか否かを判断する(ステップS1108)。
ステップS1108において、選択された加熱体30Nに故障した加熱体が含まれない場合、定着制御部350は図10のステップS1009へ進む。
ステップS1108において選択された加熱体30Nに故障した加熱体が含まれる場合、隣接状況判断部342は、故障した加熱体30Nの位置情報を取得し、故障した加熱体30Nと隣接する加熱体に故障が検知されたか否かを判断する(ステップS1109)。
ステップS1109において、隣接する加熱体も故障している場合、画像形成装置100は印刷を停止し(ステップS1110)、処理を終了する。具体的には画像形成装置100は、故障した加熱体30Nが加熱体200の端部に位置する加熱体でない場合には、故障した加熱体30Nの両側に隣接する加熱体が故障していた場合に、印刷を停止する。
ステップS1109において故障した加熱体30Nと隣接する加熱体が故障していない場合、温度補正部343は、隣接する加熱体を温度補正対象の加熱体に選択する(ステップS1111)。続いて温度補正部343は、温度補正対象の加熱体の温度補正を行い(ステップS1112)、図10のステップS1009へ進む。尚本実施形態の温度補正部343による温度補正とは、温度補正対象の加熱体の定着時の温度として、定着温度H3以外に後述する補完温度H4を設定することである。
次に図12を参照して本実施形態の加熱体選択部320による加熱体の選択について説明する。図12は、加熱体選択部の処理を説明するフローチャートである。図12は、図11のステップS1106の処理の詳細を示している。
本実施形態の加熱体選択部320は、記録材の幅を検出する(ステップS1201)。記録材の幅は、例えば定着装置128に記録材が到着した際に、定着装置128に設けられている到着検出センサ等により検出されても良い。
続いて加熱体選択部320は、記録材の幅に合わせて使用する加熱体30Nを選択する(ステップS1202)。具体的には例えば、記録材が加熱体200の中央部分に配置され、加熱体200の両端部に対応する記録材が存在しない場合には、対応する記録材が存在しない加熱体30Nは使用しない。例えば図2に示す加熱体200において、加熱体301と加熱体30Nと対応する位置に記録材が存在しない場合、加熱体選択部320は、加熱体301と加熱体30N以外の加熱体を使用する加熱体として選択する。
続いて加熱体選択部320は、記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用するか否かを判断する(ステップS1203)。例えば画像が記録材の中央部に集中し、記録材の端部に画像が無い場合等がある。この場合には、記録材の端部に位置する加熱体30Nをオンさせる必要はない。本実施形態では、記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用するか否か、設定により予め決められていても良い。
例えば記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用する設定であった場合、加熱体選択部320は、ステップS1202で選択された全ての加熱体30Nを使用する。また記録材の端部に位置する加熱体30Nを使用しない設定であった場合、加熱体選択部320は、該当する加熱体30Nを選択しない。
続いて加熱体選択部320は、ROM222から加熱体情報22(図3参照)を取得する(ステップS1204)。本実施形態の加熱体情報22とは、加熱体200に関する情報であり、具体的には複数の加熱体30Nのそれぞれの幅、配置、温度上昇率、定着ベルト138の回転による温度低下率が含まれる。
続いて加熱体選択部320は、ステップS1202、ステップS1203で使用するものとして選択された加熱体30Nに対し、加熱体30Nの加熱体情報22を参照して画像データのエリアを割り当てる(ステップS1205)。本実施形態では、加熱体30Nにエリアを割り当てる際に、主に加熱体情報22に含まれる加熱体30Nの幅と配置を参照する。加熱体30Nに対するエリアの割り当ては、図7で説明した通りである。
続いて加熱体選択部320は、全ての加熱体30Nのオン/オフを決定したか否かを判断する(ステップS1206)。尚ここでの「加熱体30Nをオンさせる」とは、紙温度H2まで加熱された加熱体30Nをさらに定着温度H3まで加熱することを意味する。また「加熱体30Nをオフさせる」とは、加熱体30Nを定着温度H3まで加熱せずに紙温度H2に維持することを意味する。
加熱体30Nのオン/オフはまだ決定していない場合、定着制御部350は、次のステップS907へ進む。加熱体選択部320は、加熱体30Nに割り当てられたエリアにおいて、画像領域があるか否かを判断する(ステップS1207)。
ステップS1207において、割り当てられたエリアに画像領域が含まれる場合、加熱体選択部320は、加熱体30Nをオンさせるものとし(ステップS1208)、ステップS1206へ戻る。またステップS1207において割り当てられたエリアに画像領域が含まれない場合、加熱体選択部320は、加熱体30Nをオフさせるものとし(ステップS1209)、ステップS1206へ戻る。
ステップS1206において、全ての加熱体30Nのオン/オフが決定したら、図11のステップS1107の処理に進む。
以下に本実施形態の隣接状況判断部342と温度補正部343の処理についてさらに説明する。
図13は、隣接する加熱体が正常に動作する場合を説明する図である。図13(A)は故障した加熱体30Nが加熱体200の端部である場合を示し、図13(B)は故障した加熱体30Nが加熱体200の端部でない場合を示している。
図13(A)は、加熱体301に故障が検知された例である。この場合隣接状況判断部343は、加熱体301と隣接する加熱体302に故障が検知されたか否かを判断する。図13(A)の例では、加熱体302に故障は検知されず正常に動作する。したがって温度補正部343は、加熱体302を温度補正対象の加熱体に選択する。
図13(B)は、加熱体303に故障が検知された例である。この場合隣接状況判断部343は、加熱体303と隣接する加熱体302、304に故障が検知されたか否かを判断する。図13(B)の例では、加熱体302、304に故障は検知されず正常に動作する。したがって温度補正部343は、加熱体302、304を温度補正対象の加熱体に選択する。
尚本実施形態の温度補正部343は、加熱体302と加熱体304の何れか一方のみを温度補正対象の加熱体に選択しても良い。例えば温度補正部343は、加熱体302と加熱体304のうち、加熱体200の中心部に近い方の加熱体を温度補正対象の加熱体に選択しても良い。加熱体200では、端部に向かうほど加熱体30Nの放熱が大きくなり、温度が下がりやすくなる。よって本実施形態では、中央部に近い方の加熱体を選択して温度補正対象とすれば、効率良く加熱体303と対応する定着ローラ129の領域を加熱できる。
図14は、温度補正について説明する第一の図である。図14では、図13(A)における加熱体302の温度制御を説明する図である。加熱体302は、温度補正部343による温度補正対象の加熱体である。図14(A)は、エリアの例であり、図14(B)は加熱体302を加熱する駆動信号と加熱体302の温度の例を示す図である。
本実施形態では、故障した加熱体301により定着させるべきエリアEの画像を隣接する加熱体302により定着する。具体的には本実施形態では、加熱体302の温度を定着温度H3よりも高い補完温度H4まで加熱し、加熱体302により加熱体301が加熱すべき定着ローラ129の領域を加熱し、加熱体301により定着させるべきエリアEの画像を定着させる。
図14において、加熱体301により定着させるべきエリアの画像は、画像領域であるエリアE21,E31,E41,E51,E71,E81の画像である。よって加熱体302は、自身が定着させるべきエリアの画像以外に、上記の加熱体301により定着させるべきエリアの画像も定着させる。加熱体302により定着されるべきエリアの画像は、画像領域であるエリアE22,E32,E42,E52,E62,E72,E82の画像である。
本実施形態の温度補正部343は、加熱体302の定着温度領域に、定着温度H3の他に補完温度H4を設定する。本実施形態の補完温度H4は、定着温度H3より高い温度である。本実施形態の定着温度H3と補完温度H4は、例えば画像形成装置100における定着温度範囲内で設定された値である。具体的には例えば、定着温度H3は、定着温度範囲における下限値であり、補完温度H4は定着温度範囲における上限値に設定されていても良い。
本実施形態の補完温度H4は、定着ローラ129において。加熱体302により加熱体301により加熱されるべき領域を定着温度H3まで加熱することが可能な温度である。本実施形態では、このように補完温度H4を設定することで、例えば加熱体301が動作しない場合でも、加熱体301に割り当てられたエリアの画像を定着させることができる。
本実施形態の補完温度H4は、例えば加熱体30Nの特性や配置の位置により加熱体30N毎に設定されていても良い。例えば加熱体200の端部に近い加熱体30Nの補完温度H4は、加熱体200の中央部に近い加熱体30Nの補完温度H4よりも高い温度に設定されていても良い。
本実施形態の温度補正部343により加熱体302に補完温度H4が設定されると、加熱体駆動部330は、加熱体302を補完温度H4まで加熱するエリアを判断する。
図14の例では、エリアE22,E32,E42,E52と隣接するエリアE21,E31,E41,E51は画像領域である。すなわち加熱体302は、エリアE22,E32,E42,E52とエリアE21,E31,E41,E51を定着温度まで加熱する必要がある。
よって加熱体駆動部330は、加熱体302がエリアE22,E32,E42,E52を加熱する定着温度領域の温度を補完温度H4とする。すると加熱体302から発生する熱により、エリアE21,E31,E41,E51も定着温度領域となる。
また画像領域であるエリアE62と隣接するエリアE61は、非画像領域である。よって加熱体302は、エリアE62のみを定着温度H3とすれば良い。よって加熱体駆動部330は、エリアE62を加熱する期間は加熱体302の温度を定着温度H3まで下げる。
図15は、温度補正について説明する第二の図である。図15では、図13(B)における加熱体302、304の温度制御を説明する図である。加熱体302、304は、温度補正部343による温度補正対象の加熱体である。図15(A)は、エリアの例であり、図15(B)は加熱体302,304を加熱する駆動信号と加熱体302、304の温度の例を示す図である。
図15の例では、故障した加熱体303により定着させるべき画像を加熱体303と隣接する加熱体302、304により定着させる。
図15の例では、加熱体303により定着させるべき画像が有るエリアは、エリアE23,E33,E43,E53,E63,E73,E83である。本実施形態の加熱体駆動部330は、定着ローラ129において上記エリアと対応する領域が定着温度H3となるように、加熱体302、304を加熱する。
図15の例では、加熱体302により定着されるエリアは、エリアE22,E32,E42,E52,E72,E82である。また加熱体304により定着されるエリアは、エリアE24,4,E44,E54,E74,E84である。よって図15の例では、加熱体303により定着されるべきエリアE23,E33,E43,E53,E63は、加熱体302により定着されるエリアと加熱体304により定着されるエリアとに挟まれたエリアとなる。
よって加熱体駆動部330は、加熱体302と加熱体304がそれぞれに対応したエリアを加熱する際の定着温度領域の温度を補完温度H4とする。すると加熱体302、304から発生する熱により、エリアE23,E33,E43,E53も定着温度領域となる。
また図15の例では、エリアE62とエリアE64は非画像領域であるが、エリアE62とエリアE64に挟まれるエリアE63は画像領域であり、エリアE63の画像を定着させる必要がある。よって加熱体駆動部330は、加熱体302、304をそれぞれ紙温度領域まで加熱し、その熱によりエリアE63の画像を定着させる。
尚図15の例では、2つの加熱体302、304により、故障した1つの加熱体303に対応する画像を定着させるため、この場合の加熱体302、304の補完温度H4は図14で説明した加熱体302の補完温度H4より低い温度となる。
また図15では、故障が検知された加熱体303の両隣の加熱体302、304を用いる例としたが、これに限定されない。例えば加熱体303の両側の加熱体302、304のうち何れか一方を選択し、選択した1つの加熱体により加熱体303に対応する画像を定着させても良い。この場合選択された加熱体の補完温度H4は、図14で示す補完温度H4と同程度であっても良い。
以上のように本実施形態では、主走査方向に配置された複数の加熱体において動作しない加熱体がある場合でも、隣接する加熱体を用いて画像を定着させることができる。よって本実施形態によれば、定着装置の交換回数及びダウンタイムを低減させることができる。
図16は、隣接状況判断部により印刷停止と判断される場合の例を示す図である。図16(A)では、並んで配置された加熱体302、303、304に故障が検知された例を示している。図16(B)は、並んで配置された加熱体301、302に故障が検知された例を示している。本実施形態では、並んで配置された複数の加熱体に故障が検知された場合は印刷停止と判断する。
以上の本実施形態では、複数の加熱体30Nが一列に主走査方向に配置された例を説明したが、本実施形態は、例えば副走査方向に複数列の加熱体30Nが配置された場合でも適用できる。
図17は、その他の定着ローラの構成を示す図である。
図17に示す定着ローラ129Aでは、加熱体30Nが副走査方向に複数列に配置されている。図17に示す構成の場合、故障が検知された加熱体と隣接する加熱体の代わりに、故障が検知された加熱体と副走査方向で重なる加熱体を温度補正対象の加熱体に選択する。例えば図17において、加熱体302に故障が検知された場合、加熱体302と副走査方向で重なる加熱体は加熱体302′と加熱体303′である。よってこの2つの加熱体のうち両方又は何れか一方が温度補正対象となる。
このように副走査方向に重なる加熱体を温度補正対象に選択することで、故障が検知された加熱体の近傍に配置された加熱体を温度補正対象に選択することができる。よって故障が検知された加熱体により定着されるべき画像を定着させることができる。
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。本発明の第二の実施形態は、選択された加熱体が故障していた場合に、故障した加熱体により加熱されるべきエリア内の画像の位置を判断し、その結果に基づき温度補正を行う点が第一の実施形態と相違する。よって以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、説明を省略する。
図18は、第二の実施形態の故障時処理部の機能を説明する図である。本実施形態の故障時処理部340Aは、温度補正部343A、画像位置判断部344を有する。
本実施形態の温度補正部343Aは、画像位置判断部344により判断された画像位置に基づき温度を制御する加熱体30Nを選択し、温度制御における定着温度を補正する。より具体的には本実施形態の温度補正部343Aは、加熱体情報22に含まれる補完レベルテーブルを参照し、温度補正対象として選択された加熱体30Nの定着温度を補正する。温度補正部343Aの処理及び補完レベルテーブルの詳細は後述する。
本実施形態の画像位置判断部344は、故障検知部341により故障が検知された加熱体30Nに割り当てられたエリア内における画像の位置を判断する。
以下の本実施形態の説明では、故障が検知された加熱体30Nに割り当てられたエリアを故障エリアと呼ぶ。本実施形態の温度補正部343Aは、画像位置判断部344により判断された故障エリア内の画像の位置に基づき、温度補正対象の加熱体の温度補正を行う。画像位置判断部344の処理の詳細は後述する。
以下に、図19を参照して本実施形態の定着制御の処理について説明する。図19は、第二の実施形態における定着制御の処理を説明するフローチャートである。
図19のステップS1901からステップS1910までの処理は、図11のステップS1101からステップS1110までの処理と同様であるから説明を省略する。
ステップS1909において、故障した加熱体30Nと隣接する加熱体が故障していない場合、画像位置判断部344は、画素カウント部312に故障エリア内の画素カウントを実行させる(ステップS1911)。続いて画像位置判断部344は、画素カウントの結果に基づき、故障エリアにおける画像領域/非画像領域の判断を行う(ステップS1912)。続いて画像位置判断部344は、故障エリアにおける画像領域の位置を判断する(ステップS1913)。
次に温度補正部343Aは、故障した加熱体30Nと隣接する加熱体を温度補正対象の加熱体に選択する(ステップS1914)。続いて温度補正部343Aは、故障エリア内の画像領域の位置に応じて温度補正対象の加熱体の温度補正を行い(ステップS1915)、図10のステップS1009へ進む。
以下に本実施形態の画像位置判断部344の処理を説明する。
本実施形態の画像位置判断部344は、故障エリアを細分化し、画素カウント部312により細分化したエリア毎の画素カウントを行う。本実施形態の故障エリアは、予め設定された所定エリアであり、画像有無判定部313により画像領域として判定されたエリアである。
本実施形態では、この故障エリアを、予め設定された数の細分化されたエリアの集合として捉え、細分化されたエリア毎に画像領域であるか非画像領域であるかを判定する。
図20は、故障エリアの細分化を説明する第一の図である。
図20では、図6に示すエリアE42が故障エリアであった場合を示している。本実施形態では、例えば故障エリアを2つのエリアに分割して画素カウント部312による画素カウントを行う。
具体的には本実施形態では、画像位置判断部344は、エリアE42を主走査方向の幅をXミリメートルとした場合、主走査方向の幅がX/2ミリメートル、副走査方向の幅がYミリメートルのエリアE42−1、E42−2とで形成されるエリアと捉える。そして画像位置判断部344は、画素カウント部312に対し、エリアE42−1、E42−2それぞれの画素をカウントさせる。尚、図20において、エリアE42−1は主走査方向においてE42−2の上流側に位置するものとした。
具体的には画素カウント部312は、主走査カウント部315により、エリアE42の左上からX/2ミリメートルのところまでの1ライン目の画素のカウントを開始する。このときカウントされる画素は、エリアE42−1内の画素である。本実施形態の主走査カウント部315は、カウント値をエリアE42−1に対応したレジスタに格納する。
すなわち主走査カウント部315は、主走査方向にX/2ミリメートル分の画素をカウントするまで、カウント値をエリアE42−1と対応したレジスタに格納する。
続いてカウント対象の画素がエリアE42−2内の画素となると、主走査カウント部315は、エリアE42−2に対応したレジスタにカウント値を格納する。そして主走査カウント部315は、エリアE42−2内の最初の画素から主走査方向にXミリメートル分の画素をカウントするまで、カウント値をエリアE42−2に対応するレジスタに格納する。
尚本実施形態では、エリアE42−1、E42−2に対応するレジスタがCPU300の有する記憶領域に設けられていても良い。
画素カウント部312は、主走査カウント部315がエリアE42−1及びエリアE42−2の1ライン目のカウントが終了すると、次のラインの左端の画素からカウントを再開する。主走査カウント部315は、2ライン目の左端の画素からカウントを開始し、1ライン目と同様の処理を行う。
本実施形態では、副走査カウント部316が副走査方向にYミリメートル分のライン数のカウントが終了すると、エリアE42においてX/2ミリメートル×YミリメートルのエリアE42−1、E42−2の画素がカウントされたことになる。このときエリアE42−1、E42−2のそれぞれに対応するレジスタには、エリアE42−1、E42−2内の全ての画素のカウント値の累積値が格納される。本実施形態の画像有無判定部313は、この累積値に基づき、エリアE42−1、E42−2のそれぞれに画像が有るか否かを判定する。
図20の例では、エリアE42−1には画像が無く、エリアE42−2には画像が存在する。したがってエリアE42−1に対応するレジスタには格納された累積値は0となり、エリアE42−2に対応するレジスタには格納された累積値は1以上となる。したがって画像有無判定部313は、エリアE42−1を非画像領域と判定し、エリアE42−2を画像領域と判定する。そして画像有無判定部313は、判定結果を画像位置判断部344へ通知する。
本実施形態の画像位置判断部344は、この通知を受けて、エリアE42内の画像の位置を判断する。
具体的には本実施形態の画像位置判断部344は、エリアE42−1が非画像領域であり、エリアE42−2が画像領域であることを示す画像位置パターンを温度補正部343Aに通知する。
以下に画像位置パターンについて説明する。本実施形態の画像位置パターンは、例えば2ビットのデータで示され、故障エリア内の画像領域の有無と、画像領域の位置を示す。
具体的には画像位置パターンの各ビットと、故障エリアにおいて細分化されたエリアとが対応付けられており、各ビットの値が各ビットに対応するエリアが画像領域であるか否かを示す。本実施形態の画像位置パターンでは、ビットの値が「1」の場合は、このビットに対応するエリアが画像領域であることを示し、ビットの値が「0」の場合はこのビットに対応するエリアが非画像領域であることを示す。
具体的には例えば、故障エリア内で主走査方向において上流側にあるエリアE42−1、下流側にあるエリアE42−2において、画像位置データの1桁目のビットをエリアE42−1と対応付け、2桁目のビットをエリアE42−2と対応付ける。
図20の例では、エリアE42−2が画像領域であるから、画像位置パターン「01」が温度補正部343Aへ通知される。
尚、画像位置パターンは、エリアE42−1が画像領域であり、エリアE42−2が非画像領域である場合には「10」となり、エリアE42−1、エリアE42−2共に画像領域である場合には「11」となる。
本実施形態の温度補正部343Aは、通知された画像位置パターンから、温度補正対象の加熱体30Nの温度補正を行う。
次に温度補正部343Aは、後述する補完レベルテーブルを参照し、選択された加熱体30Nに対する温度補正を行う。
図21は、補完レベルテーブルの一例を示す図である。図21(A)は、故障した加熱体30Nに隣接し、且つ正常に動作する加熱体30Nが1つである場合の補完レベルテーブルの一例を示している。より具体的には、図21(A)は、故障した加熱体30Nの主走査方向における下流側で隣接する加熱体30Nが正常に動作する場合の補完レベルテーブルの例である。
図21(B)は、故障した加熱体30Nの両側に隣接する加熱体30Nが正常に動作する場合の補完レベルテーブルの一例を示している。すなわち図21(B)は、故障した加熱体30Nの主走査方向における上流側と下流側で隣接する加熱体30Nが正常に動作する場合の補完レベルテーブルである。
図21(A)に示す補完レベルテーブル21Aは、故障エリア内の画像の有無及び位置を示す画像位置パターンと、補完レベルが対応付けられている。補完レベルテーブル21Aでは、故障エリアにおいて細分化されたエリア全てが画像領域であったとき、温度補正対象の加熱体30Nの温度が最も高くなる。
図21(B)に示す補完レベルテーブル21Bは、故障エリア内の画像の有無及び位置を示す画像位置パターンと、補完レベルとが対応付けられている。補完レベルテーブル21Bでは、温度補正対象の加熱体30Nが故障エリア内の画像領域と隣接するとき、温度補正対象の加熱体30Nの温度が最も高くなる。
本実施形態の温度補正部343Aは、画像位置判断部344から通知された画像位置パターンと対応する補完レベルを取得し、温度補正対象の加熱体30Nを補完レベルと対応した温度まで加熱する。尚補完レベルと加熱体30Nの温度との関係は、予め加熱温体情報に含まれてる。
以下に本実施形態の画像位置パターンと温度補正について説明する図である。
図22は、画像位置パターンと加熱体の温度補正を説明する第一の図である。図22では、加熱体301が故障しており、加熱体301に隣接し、且つ正常に動作する加熱体302のみである場合を示している。この場合、加熱体302が温度補正対象として選択される。
図22(A)は、画像データにおける画像領域と非画像領域とを示す例であり、図22(B)は、加熱体302の温度制御を説明する図である。図22の例では、故障エリアはE51、E61、E71、E81、E91であり、この中の画像領域は、E61、E71、E91である。
エリアE61における画像位置パターンは01であり、エリアE71における画像位置パターンは10であり、エリアE91における画像位置パターンは11である。
温度制御部343Aは、加熱体302が、エリアE61よりも主走査方向において上流側と下流側の何れにあるかを判断する。加熱体302は、エリアE61よりも主走査方向において下流側にある。よって温度制御部343Aは、補完レベルテーブル21Aを参照し、画像位置パターン01と対応する補完レベルを取得する。
尚加熱体302がエリアE61よりも主走査方向において上流側にある場合、温度制御部343Aは、画像位置パターン01の0と1を逆にした画像位置パターン10に対応する補完レベルを取得しても良い。
補完レベルテーブル21Aにおいて、画像位置パターン01と対応する補完レベルは1である。よって温度制御部343Aは、加熱体駆動部330により、加熱体302の温度が、エリアE62を加熱するための温度からさらに補完レベル1に相当する温度を上昇させた温度H4となるまで加熱する。
図22では、エリアE62は画像領域であるから、加熱体302は定着温度H3まで加熱される。本実施形態では、この定着温度H3に、補完レベル1に相当する温度を加えた補完温度H4まで加熱体302を加熱する。すなわち補完レベル1に相当する温度とは、温度(H4−H3)である。
エリアE71における画像位置パターンは、10である。温度制御部343Aは、補完レベルテーブル21Aから、画像位置パターン10と対応する補完レベルを取得する。画像位置パターン10と対応する補完レベルは、2である。よって温度制御部343Aは、加熱体駆動部330により、加熱体302の温度が、エリアE72を加熱するための温度からさらに補完レベル2に相当する温度を上昇させた温度H5となるまで加熱する。図22では、エリアE72は画像領域であるから、加熱体302は定着温度H3まで加熱される。本実施形態では、この定着温度H3に、補完レベル2に相当する温度を加えた補完温度H5まで加熱体302を加熱する。すなわち補完レベル2に相当する温度とは、温度(H5−H3)である。
エリアE91における画像位置パターンは、11である。温度制御部343Aは、補完レベルテーブル21Aから、画像位置パターン11と対応する補完レベルを取得する。画像位置パターン11と対応する補完レベルは、3である。よって温度制御部343Aは、加熱体駆動部330により、加熱体302の温度が、エリアE92を加熱するための温度からさらに補完レベル3に相当する温度を上昇させた温度H6となるまで加熱する。図22では、エリアE92は画像領域であるから、加熱体302は定着温度H3まで加熱される。本実施形態では、この定着温度H3に、補完レベル3に相当する温度を加えた補完温度H6まで加熱体302を加熱する。すなわち補完レベル3に相当する温度とは、温度(H6−H3)である。
本実施形態では、温度(H4−H3)<温度(H5−H3)<温度(H6−H3)であることからわかるように、故障エリア内の画像領域が小さく、且つ温度補正対象の加熱体302と近いほど、温度補正により上昇させる加熱体302の温度は小さくて済む。
すなわち本実施形態では、故障エリア内の画像領域の位置と大きさに応じて、温度補正対象の加熱体の温度制御を行うため、故障エリア全てを加熱する場合と比べて温度補正に係る消費電力を削減できる。
図23は、画像位置パターンと加熱体の温度補正を説明する第二の図である。図23では、加熱体303が故障しており、加熱体303の両側に隣接する加熱体302、304が正常に動作する場合を示している。この場合、加熱体302、304が温度補正対象として選択される。
図23(A)は、画像データにおける画像領域と非画像領域とを示す例であり、図23(B)は、加熱体302の温度制御を説明する図であり、図23(C)は、加熱体304の温度制御を説明する図である。
図23でも、故障エリアはエリアE52、E62、E72、E82、E92であり、この中の画像領域は、E62、E72、E82、E92である。
エリアE62における画像位置パターンは01であり、エリアE72における画像位置パターンは10であり、エリアE82、エリアE92における画像位置パターンはそれぞれ11である。
最初に図23(B)を参照して加熱体302の温度制御について説明する。
まず温度制御部343Aは、加熱体302が、エリアE62よりも主走査方向における上流側と下流側の何れにあるかを判断する。加熱体302は、エリアE62に対し、主走査方向における上流側にある。よって温度制御部343Aは、補完レベルテーブル21Bを参照し、エリアE62の画像位置パターン01と逆の画像位置パターン10に対応する補完レベルを取得する。
補完レベルテーブル21Bにおいて、画像位置パターン10と対応する補完レベルは0である。よって温度制御部343Aは、加熱体駆動部330により、加熱体302の温度が、エリアE61を加熱するための温度である定着温度H3まで加熱する。すなわち図23の例では、故障エリアを細分化した際の画像領域が、温度補正対象の加熱体と隣接しない場合、温度補正対象の加熱体に対する温度補正は行わない。
次に温度制御部343Aは、補完レベルテーブル21Bを参照し、エリアE72の画像位置パターン10と逆の画像位置パターン01に対応する補完レベル1を取得する。そしてて温度制御部343Aは、加熱体駆動部330により、加熱体302の温度が、エリアE71を加熱するための温度からさらに補完レベル1に相当する温度を上昇させた温度H4になるまで加熱する。
次に温度制御部343Aは、補完レベルテーブル21Bを参照し、エリアE82の画像位置パターン11に対応する補完レベル1を取得する。そして温度制御部343Aは、加熱体駆動部330により、加熱体302の温度が定着温度H3になるまで加熱する。図23の例では、エリアE81は非画像領域であるため、加熱体302は、温度補正をしない場合は紙温度H2までしか加熱されない。本実施形態では、温度補正により、紙温度H2から補完レベル1に対応する温度を上昇させた定着温度H3になるまで加熱体302を加熱することで、エリアE82内の画像領域であるエリアE82−1を加熱させる。
次に温度制御部343Aは、補完レベルテーブル21Bを参照し、エリアE92の画像位置パターン11に対応する補完レベルを取得する。ここでも温度制御部343Aは、加熱体302の温度が、エリアE91を加熱するための温度である定着温度H3からさらに補完レベル1に相当する温度を上昇させた温度H4になるまで加熱する。
次に図23(C)を参照して加熱体304の温度制御について説明する。
まず温度制御部343Aは、加熱体304が、エリアE62よりも主走査方向に向かう側にあるか否かを判断する。加熱体304は、エリアE62に対し、主走査方向に向かう側にある。よって温度制御部343Aは、補完レベルテーブル21Bを参照し、エリアE62の画像位置パターン01に対応する補完レベル1を取得する。
そしてて温度制御部343Aは、加熱体駆動部330により、加熱体304の温度が、エリアE63を加熱するための定着温度H3からさらに補完レベル1に相当する温度を上昇させた温度H4になるまで加熱する。
次に温度制御部343Aは、補完レベルテーブル21Bにおいて、エリアE72の画像位置パターン10と対応する補完レベル0を取得する。ここでは補完レベル0であるから、温度制御部343Aは、加熱体304の温度が、エリアE73を加熱するための定着温度H3になるまで加熱し、温度補正は行わない。
エリアE83、E93における加熱体304の温度制御は、図22(B)におけるエリアE81、E91における加熱体302の温度制御と同様であるから説明を省略する。
以上のように本実施形態では、故障した加熱体30Nにより加熱される予定であったエリア(故障エリア)をさらに細分化し、故障エリアを画像領域と非画像領域とに分ける。そして図23の例では、故障した加熱体30Nの両側に隣接する温度補正対象の加熱体のうち、故障エリア内の画像領域に隣接する方の加熱体のみ温度補正を行うことができる。
したがって本実施形態では、故障エリア内の画像領域の位置に応じた温度制御を行うことができ、故障エリア全てを加熱する場合と比べて温度補正に係る消費電力を削減できる。
尚本実施形態では、故障エリアを細分化する例として、故障エリアを主走査方向に2分割する例を説明したが、これに限定されない。故障エリアは、例えば偶数であればいくつに分割されても良い。
図24は、故障エリアの細分化を説明する第二の図である。故障エリアE42は、例えば図24に示すように、主走査方向に4分割されても良い。
この場合、故障エリアE42は、主走査方向の幅をXミリメートルとした場合、主走査方向の幅がX/4ミリメートル、副走査方向の幅がYミリメートルのエリアE42−1、E42−2、E42−3、E42−4で形成されるエリアと捉える。そして画像位置判断部344は、画素カウント部312に対し、エリアE42−1、E42−2、E42−3、E42−4のそれぞれの画素をカウントさせれば良い。
またこの場合、画像位置パターンは、4ビットのデータにより示せば良い。例えばエリアE42−1、E42−3が画像領域であり、エリアE42−2、E42−4が非画像領域であった場合には、画像位置パターンは1010となる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
100 画像形成装置
128 定着装置
129 定着ローラ
200、301〜30N 加熱体
210 コントローラ制御部
220 エンジン制御部
300 CPU
310 画像領域判断部
312 画素カウント部
313 画像有無判断部
314 加熱位置決定部
315 主走査カウント部
316 副走査カウント部
320 加熱体選択部
330 加熱体駆動部
340 故障時処理部
341 故障検知部
342 隣接状況判断部
343、343A 温度補正部
344 画像位置判断部
350 定着制御部
特開平7−225524号公報

Claims (10)

  1. 複数の加熱体を有し、画像データに基づき形成された未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置を制御する定着制御装置であって、
    前記画像データを複数のエリアに分割した際の前記エリア毎の画像の有無を判断する画像有無判断部と、
    前記複数の加熱体から、前記画像が有るエリアに対応する位置にある加熱体を選択する加熱体選択部と、
    選択された前記加熱体において故障した加熱体が含まれるとき、故障した前記加熱体の近傍に配置された加熱体における定着時の温度を補正する温度補正部と、を有する定着制御装置。
  2. 選択された前記加熱体において故障が検知された加熱体が含まれるか否かを検知し、故障が検知された加熱体が含まれる場合には、前記故障が検知された加熱体の位置を示す位置情報を保持する故障検知部を有する請求項1記載の定着制御装置。
  3. 前記位置情報に基づき、前記故障が検知された加熱体と隣接する加熱体が故障しているか否かを判断する隣接状況判断部を有し、
    前記温度補正部は、
    前記隣接する加熱体に故障していない場合、前記隣接する加熱体を温度補正対象の加熱体とする請求項2記載の定着制御装置。
  4. 前記温度補正部は、
    前記未定着トナー像を定着させる際の温度補正対象の加熱体の温度として、定着温度と、前記定着温度より高い温度である補完温度とを設定する請求項1ないし3に何れか一項に記載の定着制御装置。
  5. 前記温度補正部は、
    前記故障が検知された加熱体の両側に隣接する加熱体に故障が検知されていない場合、前記両側に隣接する加熱体の何れか一方の加熱体を温度補正対象に選択する請求項1ないし4の何れか一項に記載の定着制御装置。
  6. 前記温度補正部は、
    前記故障が検知された加熱体と対応する位置にある故障エリアを細分化した際の、細分化エリア毎の画像の有無に基づき、前記故障エリアにおける画像の位置を判断する画像位置判断部を有し、
    前記故障エリアにおける前記画像の位置に基づき、前記温度補正対象の加熱体の温度を補正する請求項3乃至5の何れか一項に記載の定着制御装置。
  7. 前記温度補正部は、
    前記故障が検知された加熱体と隣接する加熱体のうち、画像が有る前記細分化エリアの近傍にある加熱体を温度補正対象の加熱体とする請求項6記載の定着制御装置。
  8. 前記画像位置判断部は、
    前記画像がある前記細分化エリアの位置を示す画像位置パターンを生成して前記温度補正部へ通知し、
    前記温度補正部は、
    前記画像位置パターンと、前記温度補正対象の加熱体の補完温度に係る情報と、が対応付けらたれ加熱体情報を参照し、通知された前記画像位置パターンと対応する温度補正を行う請求項7記載の定着制御装置。
  9. 複数の加熱体を有し、画像データに基づき形成された未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置を制御する定着制御装置を有する画像形成装置であって、
    前記定着制御装置は、
    前記画像データを複数のエリアに分割した際の前記エリア毎の画像の有無を判断する画像有無判断部と、
    前記複数の加熱体から、前記画像が有るエリアに対応する位置にある加熱体を選択する加熱体選択部と、
    選択された前記加熱体において故障した加熱体が含まれるとき、故障した前記加熱体の近傍に配置された加熱体における定着時の温度を補正する温度補正部と、を有する画像形成装置。
  10. 複数の加熱体を有し、画像データに基づき形成された未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置を制御する定着制御装置により実行される定着制御方法であって、
    前記画像データを複数のエリアに分割した際の前記エリア毎の画像の有無を判断する画像有無判断手順と、
    前記複数の加熱体から、前記画像が有るエリアに対応する位置にある加熱体を選択する加熱体選択手順と、
    選択された前記加熱体において故障した加熱体が含まれるとき、故障した前記加熱体の近傍に配置された隣接する加熱体における定着時の温度を補正する温度補正手順と、を有する定着制御方法。
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