JP2014162877A - 光半導体ケース成形用樹脂組成物及び光半導体用ケース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この光半導体ケース成形用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充填材、(E)白色顔料、及び(F)シリコーンゲルを含有する。
【選択図】なし
Description
1.(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充填材、(E)白色顔料、及び(F)シリコーンゲルを含有する、光半導体ケース成形用樹脂組成物。
2.前記(F)シリコーンゲルのJIS K2220(1/4コーン)に準拠した針入度が20〜200である、上記1に記載の光半導体ケース成形用樹脂組成物。
3.前記(B)硬化剤が酸無水物である、上記1又は2に記載の光半導体ケース成形用樹脂組成物。
4.前記(A)エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、当該エポキシ基と反応可能な前記(B)硬化剤中の酸無水物基が0.1〜0.5当量である、上記1〜3のいずれかに記載の半導体ケース成形用樹脂組成物。
5.前記(F)シリコーンゲルの含有量が、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び(C)硬化促進剤の合計100質量部に対して、2〜25質量部である、上記1〜4のいずれかに記載の半導体ケース成形用樹脂組成物。
6.前記(F)シリコーンゲルが、2液付加反応型シリコーンゲルである、上記1〜5のいずれかに記載の光半導体ケース成形用樹脂組成物。
7.前記(F)シリコーンゲルが、2液付加反応型シリコーンゲルであって、2液混合後の25℃における粘度が0.5〜1000Pa・sである、上記1〜6のいずれかに記載の光半導体ケース成形用樹脂組成物。
8.上記1〜7のいずれかに記載の光半導体ケース成形用樹脂組成物を成形してなる光半導体用ケースであって、水との接触角が100度以上である、光半導体用ケース。
本発明に係る光半導体ケース成形用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充填材、(E)白色顔料、及び(F)シリコーンゲルを含有する。
(A)エポキシ樹脂としては、本発明の効果を奏するものであれば、特に制限はなく、エポキシ樹脂形成材料として一般的なものを使用できる。(A)エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのフェノール類とアルデヒド類とのノボラック樹脂をエポキシ化した樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換ビスフェノールなどのグリシジルエーテル;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸などのポリアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸などの過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物などの脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
このような脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素に由来する構造単位を有する脂環式エポキシ樹脂が好ましく、シクロヘキサンに由来する構造単にを有する脂環式エポキシ樹脂がより好ましい。
これらの中でも、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物が更に好ましい。
なお、環式脂肪族炭化水素としては、ハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されたものであってもよい。
(B)硬化剤としては、(A)エポキシ樹脂と反応可能な化合物であれば特に制限はない。また、(B)硬化剤としては、(B)成分の他の成分への分散性を向上させる観点から、数平均分子量が100〜600のものが好ましく、120〜400程度のものがより好ましい。数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析によって測定される分子量を、標準ポリスチレンに換算することにより求めることができる。GPC分析は、例えば、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液として用いて行うことができる。
(C)硬化促進剤(硬化触媒)としては、特に制限はなく、公知の化合物を用いることができる。(C)硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物、イミダゾール化合物、有機リン化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及び第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの(C)硬化促進剤の中でも、アミン化合物、イミダゾール化合物又は有機リン化合物を用いることが好ましい。
(D)無機充填材としては、特に制限はなく、例えば、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸バリウムからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。シリカとしては、(D)無機充填材の樹脂組成物への分散性を向上させる観点から、溶融シリカを用いることが好ましい。なお、溶融シリカとしては、市販品(商品名:FB−940A、電気化学工業社製、中心粒径25μm)を用いることもできる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)白色顔料とは、(D)無機充填材とは異なる無機化合物である。(E)白色顔料としては、特に制限はなく、公知の化合物を用いることもできる。(E)白色顔料としては、例えば、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び無機中空粒子などが挙げられる。酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタンのいずれを用いることもできる。これらの中でも、光反射特性の観点から、ルチル型酸化チタンが好ましい。これらの(E)白色顔料は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(F)シリコーンゲルとは、シリコーンオイルをゲル化して固体状になったものを意味し、液体のシリコーンオイルとは区別し得るものである。本発明においては、JIS K2220(1/4コーン)に準拠した針入度が20〜200の範囲を満たし、硬さが所定範囲となる(F)シリコーンゲルを用いることが好ましい。当該針入度が、上記範囲内となる場合には、樹脂組成物中における(F)シリコーンゲルの分散性が悪化を防ぐことができ、成形品の表面における水との接触角が小さくなり、また反射率の加熱劣化が増大する。また、(F)シリコーンゲルの針入度は、20以上であると成形時に金型に汚れが生じるおそれがなく、200以下であると離型荷重が減少して成形性の悪化を防ぐことができる。(F)シリコーンゲルの針入度は、これらの悪影響を防ぐ観点から、30〜150がであることが好ましく、55〜100であることが更に好ましく、30〜80であることがより更に好ましい。
なお、樹脂組成物は、上述した(A)〜(F)成分の他に、必要に応じてカップリング剤、酸化防止剤又は離型剤などの各種添加物を含有するものであってもよい。カップリング剤としては、エポキシシランなどが挙げられる。酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)などが挙げられる。離型剤としては、カルナバ1号などが挙げられる。なお、カップリング剤、酸化防止剤又は離型剤は、これらに限定されるものではない。
本発明に係る光半導体用ケースは、上記樹脂組成物の硬化物を成形することによって得られる。この光半導体用ケースにおいては、水との接触角が100度以上とすることができる。この場合には、硬化物の表面に(F)シリコーンゲル由来の保護膜が形成され、熱雰囲気に晒されても反射率の低下を少なくすることができる。
以下の成分を常温で混合し、さらに2軸ロール混練機を使用して、80〜100℃にて混練してこれを冷却、粉砕して樹脂組成物を製造した。
(A)エポキシ樹脂:(A−1)脂環式エポキシ樹脂(商品名:EHPE3150、ダイセル化学社製、エポキシ当量180)45質量部
(B)硬化剤:テトラヒドロフタル酸無水物(商品名:リカシッドTH、新日本理化学社製、酸無水物当量152、数平均分子量152)12質量部
(C)硬化促進剤としてイミダゾール化合物(商品名:C11Z−A、四国化成社製)1質量部
(D)無機充填材:溶融シリカ(商品名:FB−940A、電気化学工業社製、中心粒径25μm)325質量部
(E)白色顔料:ルチル型酸化チタン(商品名:CR−58、石原産業社製、平均粒径0.28μm)100質量部
(F)シリコーンゲル:(F−1)及び(F−2)2液付加反応型シリコーン(商品名:XE−14−685(A)及びXE14−685(B)、モメンティブ社製、針入度55,25℃における混合後の粘度:0.9Pa・s)を各3質量部
(G)カップリング剤:エポキシシラン(商品名:S−510、チッソ社製)3質量部
(G)離形剤:カルナバ1号(商品名、東洋ペトロライト社製)2質量部
(G)酸化防止剤:BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)(商品名:アイオノールCP、ジャパンケムテック社製)3質量部
(A−1)成分45質量部に代えて、(A−1)成分40質量部及び(A−2)トリグリシジルイソシアヌレート(製品名:TEPIC−S、日産化学社製)5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
(A−1)成分40質量部、(B)成分16質量部としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
(A−1)成分50質量部、(B)成分6質量部としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
(F−1)及び(F−2)成分を各1質量部としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
(F−1)及び(F−2)成分を各6質量部としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
(F−1)及び(F−2)成分に代えて、(F−3)1液付加反応型シリコーンゲル(商品名:KE1056、モメンティブ社製、針入度90、25℃における混合後の粘度:0.8Pa・s)6質量部としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
(F−1)及び(F−2)成分を配合しないこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
(F−1)及び(F−2)成分に代えて、シリコーンオイル(F−4)TSF−451−500(針入度測定不能、25℃における粘度:97.6Pa・s)を6質量部配合したこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
(F−1)及び(F−2)成分を配合しないこと以外は実施例2と同様にして樹脂組成物を製造した。
(F−1)及び(F−2)成分を配合しないこと以外は実施例3と同様にして樹脂組成物を製造した。
(F−1)及び(F−2)成分に代えて、シリコーンオイル(F−5)TSF−451−10M(針入度測定不能)を6質量部配合した以外は実施例3と同様にして樹脂組成物を製造した。
成形金型(20mm×20mm×1.0mm)を使用し、金型温度175℃、成形圧力7.0MPa、硬化時間120秒の条件にて、作製した樹脂組成物を20ショット連続成形した。成形した金型表面の汚れを目視で観察し、金型の表面積全体に対する目視で確認できる汚れの割合に応じて成形性を評価した。成形性の評価基準を下記に示す。
A:汚れの割合が20%未満
B:汚れの割合が20%以上60%未満
C:汚れの割合が60%以上
175℃に加熱した金型で作製した樹脂組成物を成形し、金型から離型する際の荷重(離型荷重)をプッシュ・プル・ゲージにより測定し、測定した離型荷重値に応じて下記の基準で評価した。
A:3kgf以下
B:3kgf超え〜5kgf以下
C:5kgf超え
エルマ光学社製の接触角計を用い、成形品の表面に純水20μlを滴下し、液滴法(静的接触角)JIS R3257:99に準拠して接触角を測定した。
金型温度175℃、成形圧力7MPa、硬化時間120秒の条件で作製した樹脂組成物を成形し、後硬化を150℃にて6時間行って、大きさ30mm×30mm、厚さ1.5mmの試験片を作製した。分光光度計「V−570」(日本分光社製)を用いて、各試験片の波長460nmにおける光反射率を測定し、これを初期反射率とした。
金型温度175℃、成形圧力7MPa、硬化時間120秒の条件で成形し、金型を開放した直後にバーコール硬度計により成形品の熱時硬度を測定した。
加熱及処理後の熱劣化を小さくすることができることが分かる。これに対して、比較例1〜5の樹脂組成物は、成形性及び離型性が低下し、かつ、加熱処理後の反射率の低下が大きく、熱劣化が大きいことが分かる。これは、(F)シリコーンゲルを含まないので、(F)成分が樹脂組成物内に適度に分散されなかったためと考えられる。
Claims (8)
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充填材、(E)白色顔料、及び(F)シリコーンゲルを含有する、光半導体ケース成形用樹脂組成物。
- 前記(F)シリコーンゲルのJIS K2220(1/4コーン)に準拠した針入度が20〜200である、請求項1に記載の光半導体ケース成形用樹脂組成物。
- 前記(B)硬化剤が酸無水物である、請求項1又は2に記載の光半導体ケース成形用樹脂組成物。
- 前記(A)エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、当該エポキシ基と反応可能な前記(B)硬化剤中の酸無水物基が0.1〜0.5当量である、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体ケース成形用樹脂組成物。
- 前記(F)シリコーンゲルの含有量が、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び(C)硬化促進剤の合計100質量部に対して、2〜25質量部である、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体ケース成形用樹脂組成物。
- 前記(F)シリコーンゲルが、2液付加反応型シリコーンゲルである、請求項1〜5のいずれかに記載の光半導体ケース成形用樹脂組成物。
- 前記(F)シリコーンゲルが、2液付加反応型シリコーンゲルであって、2液混合後の25℃における粘度が0.5〜1000Pa・sである、請求項1〜6のいずれかに記載の光半導体ケース成形用樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光半導体ケース成形用樹脂組成物を成形してなる光半導体用ケースであって、水との接触角が100度以上である、光半導体用ケース。
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