JP2011037996A - 透明樹脂組成物およびその製造方法、並びに光半導体装置 - Google Patents

透明樹脂組成物およびその製造方法、並びに光半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】粒子径の小さい無機充填剤が十分に分散された、透明性が高く、かつ耐熱性、寸法安定性等にも優れる透明樹脂組成物およびその製造方法、並びにそのような組成物の硬化物で封止された光半導体装置を提供する。
【解決手段】(A)平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤とエポキシ樹脂とを予備混合してなる予備混合物と、(B)平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤を酸無水物硬化剤とを予備混合してなる予備混合物と、(C)硬化促進剤とを混合して透明樹脂組成物とする。また、そのような透明樹脂組成物の硬化物によって光半導体素子を封止する。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明で、耐熱性、寸法安定性等に優れた透明樹脂組成物およびその製造方法、並びにそのような組成物の硬化物で封止された光半導体装置に関する。
従来、発光ダイオード(LED)、フォトダイオード、フォトランジスタ(PTr)、フォトIC、電荷結合素子(CDD)等の光半導体素子は、透明な樹脂による封止が一般的である。透明樹脂としては、エポキシ樹脂を主剤とし、これに硬化剤として酸無水物を配合したものが、耐熱性、耐水性、機械的強度、電気特性等が良好で、かつ、透明性にも優れることから多用されている。
近時、光半導体装置の小型化、薄型化、鉛フリー半田を用いた表面実装化等の進展により、上記透明樹脂において、耐熱性や寸法安定性等の一層の向上が求められるようになり、この要求に応えるべく、シリカ等の無機充填剤を高い比率で充填することが提案されてきている。この場合、透明性を維持するため、無機充填剤には粒子径の小さい(数nmから100nm程度)ものを、十分に分散させて使用する必要がある。
すなわち、無機充填剤の多くは粒子径が大きくなると透明性が低下してしまう。粒子径の小さい(数nmから100nm程度)ものを使用すれば透明性は維持されるが、粒子径が小さくなると二次凝集しやすくなり、結果的に粒子径の大きいものを使用した場合と変わらなくなる。したがって、透明性を維持するためには、粒子径の小さい無機充填剤を樹脂中に十分に分散させる必要がある。
そこで、無機充填剤を混合するにあたり、加熱混合法を適用したり、無機充填剤を予め溶剤に分散させ、この分散液にエポキシ樹脂および酸無水物を混合した後、溶剤を揮発除去したり、さらには、無機充填剤と樹脂成分とを溶融混合し、この溶融混合物を湿式ビーズミルで処理した後、残りの成分を混合し、加熱混練する等の対策が講じられている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、加熱混合や加熱混練を行うと、酸無水物の揮発や吸湿を誘発して所期の特性が得られないおそれがある。また、無機充填剤を予め溶剤に分散させる方法では、手間やコストがかかる上に、組成物中に残留する溶剤が成形時に揮発して硬化物に気泡を発生させるおそれがある。
特開2001−342325号公報
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、粒子径の小さい無機充填剤が十分に分散された、透明性が高く、かつ耐熱性、寸法安定性等にも優れる透明樹脂組成物およびその製造方法、並びにそのような透明樹脂組成物の硬化物で封止された実装信頼性に優れた光半導体装置を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る透明樹脂組成物は、(A)平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤とエポキシ樹脂とを予備混合してなる予備混合物と、(B)平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤を酸無水物硬化剤とを予備混合してなる予備混合物と、(C)硬化促進剤とを混合してなることを特徴としている。
本発明の他の態様に係る透明樹脂組成物の製造方法は、エポキシ樹脂と、酸無水物硬化剤と、平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤と、硬化促進剤とを含有する透明樹脂組成物の製造方法であって、前記平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤の少なくとも一部を前記エポキシ樹脂の少なくとも一部と前記酸無水物硬化剤の少なくとも一部に予め混合しておき、その後、これらの予備混合物と残りの成分とを混合することを特徴としている。
本発明のさらに他の態様に係る光半導体装置は、上記透明樹脂組成物の硬化物によって光半導体素子を封止してなることを特徴としている。
本発明によれば、粒子径の小さい無機充填剤が十分に分散された、透明性が高く、かつ耐熱性、寸法安定性等にも優れる透明樹脂組成物およびその製造方法、並びにそのような透明樹脂組成物の硬化物で封止された実装信頼性に優れた光半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明で用いられるエポキシ樹脂は、1分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されることなく使用されるが、透明性の観点から着色、変色の少ないエポキシ樹脂を使用することが好ましい。エポキシ樹脂の具体例としては、例えばグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、これらを水素化したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらのなかでも、透明性、耐熱性等の観点から、着色が少ない上に熱安定性の良好なビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネート、脂環型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂の使用が好ましい。
本発明で用いられる酸無水物硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応するものであれば特に制限されることなく使用されるが、透明性の観点から着色の少ないものを使用することが好ましい。酸無水物硬化剤の具体例としては、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水コハク酸、無水ドデセニルコハク酸等が挙げられる。これらの酸無水物硬化剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらのなかでも、透明性、耐熱性等の観点から、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸の使用が好ましい。
この酸無水物硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂のエポキシ基(a)と酸無水物硬化剤の酸無水物基(b)との当量比[(a)/(b)]が0.1〜2.0となる範囲が好ましく、0.5〜1.5となる範囲がより好ましく、0.8〜1.3となる範囲が特に好ましい。当量比[(a)/(b)]が0.1未満または2.0を超えると、耐熱性、耐湿性、成形作業性および硬化物の電気特性がいずれも不十分となる。
本発明で用いられる、平均一次粒子径が5〜40nmの無機充填剤は、平均一次粒子径が5〜40nmのものであれば、特にその種類が制限されるものではない。無機充填剤の種類を具体的に例示すると、例えば合成シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、ガラス等が挙げられる。これらは、表面がシランカップリング剤で処理されていてもよい。このようなシランカップリング剤で表面処理された無機充填剤を使用することにより、耐熱性、耐リフロー性をより向上させることができる。シランカップリング剤としては、例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの無機充填剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。無機充填剤としては、透明性、熱安定性等の観点から、粒子径のバラツキの少ない合成シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましい。
なお、無機充填剤の平均一次粒子径が5nm未満では、凝集しやすいため均一分散が難しく、40nmを超えると硬化物が白濁しやすくなる。無機充填剤は、平均一次粒子径が10〜30nmであるとより好ましい。この無機充填剤の平均一次粒子径は、例えばレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
また、この無機充填剤の配合量は、組成物全体の30〜75質量%となる範囲が好ましく、30〜50質量%となる範囲がより好ましい。無機充填剤の配合量が組成物全体の30質量%未満では、硬化物の耐熱性、寸法安定性、機械的強度を十分に向上させることができず、また、75質量%を超えると、十分に分散させることが困難になり、成形性(流動性)、や硬化物の耐熱性、機械的強度、寸法安定性等が低下する。
本発明で用いられる硬化促進剤としては、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進させる作用を有するものであれば特に制限されることなく使用されるが、透明性の観点から着色性の低いものを使用することが好ましい。硬化促進剤の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン化合物、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4、5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン等の有機ホスフィン化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。硬化促進剤としては、なかでも、イミダゾール化合物、アミン化合物が好ましく、有機ホスフィン化合物はそれらの併用成分として使用することが好ましい。
この硬化促進剤の配合量は、組成物全体の0.01〜2質量%となる範囲が好ましく、0.05〜0.5質量%となる範囲がより好ましい。配合量が0.01質量%未満では、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を十分に促進させることができず、硬化が不十分となるおそれがある。また、2質量%を超えると、エポキシ樹脂と硬化剤の反応が加速して、着色したりポットライフが短くなるおそれがある。
本発明の透明樹脂組成物を調製するにあたっては、少なくとも、平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤の一部とエポキシ樹脂の一部または全部とを、好ましくは質量比30:70〜70:30で、より好ましくは30:70〜50:50で予備混合して予備混合物を得る一方、平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤の一部と酸無水物硬化剤の一部または全部とを、好ましくは質量比30:70〜70:30で、より好ましくは30:70〜50:50で予備混合して予備混合物を得、この後、これらの予備混合物に、硬化促進剤および残りの成分(存在する場合)とを混合するようにする。このように平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤を、エポキシ樹脂および酸無水物硬化剤のそれぞれに予め混合しておくことにより、無機充填剤が組成物中に二次凝集することなく十分に分散され、硬化させた際に、透明性が高く、かつ耐熱性、寸法安定性等にも優れた硬化物を得ることができる。
なお、上記無機充填剤とエポキシ樹脂との予備混合には、加熱混合の他、遊星式撹拌装置や、3本ロール等の複数本ロールミルを用いることができるが、無機充填剤を均一に分散させる観点からは、なかでも、遊星式撹拌装置、3本ロール等の複数本ロールミルの使用が好ましく、遊星式撹拌装置がより好ましい。また、上記無機充填剤と酸無水物硬化剤との予備混合も、加熱混合の他、遊星式撹拌装置や、3本ロール等の複数本ロールミルを用いることができるが、酸無水物硬化剤の揮発や吸湿を抑え、かつ無機充填剤を均一に分散させる観点からは、なかでも遊星式撹拌装置が好ましい。無機充填剤と酸無水物硬化剤との予備混合を加熱混合で行う場合には、混合後に灰分を測定する等して酸無水物硬化剤の濃度を確認する必要がある。さらに、予備混合物と、硬化促進剤および残りの成分とを混合する際においても、加熱混合の他、遊星式撹拌装置や、3本ロール等の複数本ロールミルを用いることができるが、無機充填剤を均一に分散させる観点からは、なかでも、遊星式撹拌装置、3本ロール等の複数本ロールミルの使用が好ましく、遊星式撹拌装置がより好ましい。
また、エポキシ樹脂あるいは酸無水物硬化剤に予備混合する平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤の割合は、配合量全体の90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。予備混合する平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤の割合が90質量%未満では、最終的に得られる組成物中における無機充填剤の分散が不良となり、透明性が低下する。また、平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤のエポキシ樹脂に対する予備混合量と、酸無水物硬化剤に対する予備混合量の質量比は、30:70〜70:30であることが好ましい。
本発明の透明樹脂組成物には、上記各成分の他にさらに、この種の組成物に一般に配合される、酸化防止剤、カップリング剤、光安定剤、合成ワックス、天然ワックス、エステル類、直鎖脂肪族等の離型剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力付与剤等を、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて配合することができる。また、酸無水物硬化剤以外の硬化剤、例えばフェノール樹脂硬化剤等も本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t-ブチル−p−ヒドロトルエン、2,6−ジ−t-ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト等のリン系酸化防止剤、ジフェニルアミン等のアミノ系酸防止剤等が挙げられる。
カップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤や、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。
これらの必要に応じて配合される成分は、無機充填剤とともにエポキシ樹脂あるいは酸無水物硬化剤に予め混合するようにしてもよく、あるいは、予備混合物に硬化促進剤等とともに混合するようにしてもよい。
本発明の光半導体装置は、上記透明樹脂組成物を用いて各種の光半導体素子を封止することにより製造することができる。封止を行う光半導体素子としては、発光ダイオード、フォトダイオード、フォトランジスタ、フォトIC、電荷結合素子、フォトサイリスタ、フォトコンダクタ等が例示される。封止方法としては、低圧トランスファー法が一般的であるが、射出成形、圧縮成形、注型等による封止も可能である。透明樹脂組成物で封止後は、加熱して硬化させ、最終的にその硬化物によって封止された光半導体装置が得られる。このようにして得られた光半導体装置は、透明性が高い上に、優れた耐熱性、寸法安定性、耐リフロー性等を有している。
なお、上記透明樹脂組成物は、光半導体素子の封止材料としてのみならず、レンズや透明枠材等の成形材料としても使用することができる。近時、これらの成形品においても高い耐リフロー性が要求されるようになり、上記透明樹脂組成物を用いることにより、かかる要求に応える、透明性が高く、かつ耐リフロー性に優れた成形品を得ることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」は「質量部」を示すものとする。
(実施例1)
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製 商品名 YX−8000)70質量%および平均一次粒子径20nmのゾルゲル法シリカ30質量%を遊星式撹拌装置で2分間均一に撹拌混合してシリカ分散エポキシ樹脂(Ia)とした。また、酸無水物硬化剤(ヘキサヒドロ無水フタル酸とメチルヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物、新日本理化社製 商品名 MH−700)60質量%および平均一次粒子径20nmのゾルゲル法シリカ40質量%を遊星式撹拌装置で2分間均一に撹拌混合してシリカ分散硬化剤(IIa)とした。
上記シリカ分散エポキシ樹脂(Ia)50質量部と、シリカ分散硬化剤(IIa)50質量部と、硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール、四国化成社製 商品名 2E4MZ)0.12質量部とを、遊星式撹拌装置で2分間混合して透明樹脂組成物を得た。
なお、遊星式撹拌装置には、クラボウ社製の型式KK−V300を用い、25℃、公転900±50rpm、自転400±50rpmの条件で撹拌した(以下、同じ)。
(実施例2)
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YX−8000)65質量%および平均一次粒子径20nmのゾルゲル法シリカ35質量%を遊星式撹拌装置で2分間均一に混合してシリカ分散エポキシ樹脂(Ib)とした。また、酸無水物硬化剤(MH−700)65質量%および平均一次粒子径20nmのゾルゲル法シリカ35質量%を遊星式撹拌装置で2分間均一に混合してシリカ分散硬化剤(IIb)とした。
上記シリカ分散エポキシ樹脂(Ib)45質量部と、シリカ分散硬化剤(IIb)38質量部と、硬化促進剤(2E4MZ)0.12質量部とを、遊星式撹拌装置で2分間混合して透明樹脂組成物を得た。
(実施例3)
平均一次粒子径20nmのシリカを分散させた三官能エポキシ樹脂(シリカ含有量30質量%、日産化学工業社製 商品名 LENANOC−E;シリカ分散エポキシ樹脂(Ic))40質量部と、シリカ分散硬化剤(IIa)56質量部と、酸無水物硬化剤(MH−700)2質量部と、硬化促進剤(2E4MZ)0.12質量部とを、遊星式撹拌装置で2分間混合して透明樹脂組成物を得た。
(実施例4)
シリカ分散エポキシ樹脂(Ia)47質量部と、シリカ分散硬化剤(IIa)47質量部と、平均一次粒子径20nmのゾルゲル法シリカ5質量部と、硬化促進剤(2E4MZ)0.12質量部とを、遊星式撹拌装置で2分間混合して透明樹脂組成物を得た。
(比較例1)
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YX−8000)50質量%および平均一次粒子径20nmのゾルゲル法シリカ50質量%を遊星式撹拌装置で2分間均一に混合してシリカ分散エポキシ樹脂(Id)とした。このシリカ分散エポキシ樹脂(Id)60質量部と、酸無水物硬化剤(MH−700)26質量部と、硬化促進剤(2E4MZ)0.17質量部とを、遊星式撹拌装置で2分間混合して透明樹脂組成物を得た。
(比較例2)
酸無水物硬化剤(MH−700)51質量%および平均一次粒子径20nmのゾルゲル法シリカ49質量%を遊星式撹拌装置で2分間均一に混合してシリカ分散硬化剤(IIc)とした。このシリカ分散硬化剤(IIc)63質量部と、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YX−8000)40質量部と、硬化促進剤(2E4MZ)0.15質量部とを、遊星式撹拌装置で2分間混合して透明樹脂組成物を得た。
(比較例3)
三官能エポキシ樹脂(日産化学工業社製 商品名 TEPIC−S)24質量部と、シリカ分散硬化剤(IIa)74質量部と、硬化促進剤(2E4MZ)0.15質量部とを、遊星式撹拌装置で2分間混合して透明樹脂組成物を得た。
(比較例4)
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YX−8000)36質量部と、酸無水物硬化剤(MH−700)29質量部と、平均一次粒子径20nmのゾルゲル法シリカ35質量部と、硬化促進剤(2E4MZ)0.12質量部とを、遊星式撹拌装置で2分間混合して透明樹脂組成物を得た。
(比較例5)
平均一次粒子径20nmのゾルゲル法シリカ35質量部をメチルエチルケトン(MEK)100質量部に分散させたスラリーに、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YX−8000)20質量部と、酸無水物硬化剤(MH−700)8質量部を加え、50℃で加熱減圧してMEKを揮発させた後、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YX−8000)16質量部と、酸無水物硬化剤(MH−700)21質量部と、硬化促進剤(2E4MZ)0.12質量部とをさらに添加し、フラスコ内で20分間混合して透明樹脂組成物を得た。
上記各実施例および各比較例で得られた光半導体封止用樹脂組成物について、下記に示す方法で各種特性を評価した。結果を、光半導体封止用樹脂組成物の配合等とともに、表1に示す。
[光透過率]
光半導体封止用樹脂組成物を150℃、2時間の条件で加熱成形して20mm×20mm×1mmの試験片を作製した。この試験片について、分光光度計V−570(日本分光社製)を用いて波長460nmの光透過率を測定した。
[線膨張係数]
光半導体封止用樹脂組成物を150℃、2時間の条件で加熱成形して10mm×5mm×2mmの試験片を作製した。この試験片について、熱機械測定装置TMA SS6000(セイコー社製)を用いて測定した。
[常温弾性率]
光半導体封止用樹脂組成物を150℃、2時間の条件で加熱成形して48mm×5mm×2mmの試験片を作製した。この試験片について、動的粘弾性測定装置DMS 110(セイコー社製)を用いて測定した。
[混合性]
実施例1〜4および比較例1〜4について、組成物の調製とは別に、その最終混合工程を遊星式撹拌装置または3本ロールを用いて行った後、混合物をスライドガラスに塗布し、その均一性を目視により、下記の基準で評価した。
◎:均一に分散、凝集物なし
○:僅かに凝集物あり
△:凝集物あり
×:分散が不均一
Figure 2011037996
表1から明らかなように、本発明の実施例では、無機充填剤をエポキシ樹脂と酸無水物硬化剤のそれぞれに遊星式撹拌装置を用いて予備混合したもの同士を混合したことにより、無機充填剤が良好に分散した透明性の高い樹脂組成物が得られた。

Claims (8)

  1. (A)平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤とエポキシ樹脂とを予備混合してなる予備混合物と、
    (B)平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤を酸無水物硬化剤とを予備混合してなる予備混合物と、
    (C)硬化促進剤と
    を混合してなることを特徴とする透明樹脂組成物。
  2. (D)エポキシ樹脂、(E)酸無水物硬化剤および(F)平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤のいずれか1つの成分をさらに混合してなることを特徴とする請求項1記載の透明樹脂組成物。
  3. 組成物全体に対し、平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤の含有量が30〜75質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の透明樹脂組成物。
  4. 前記(A)成分中の平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤とエポキシ樹脂との質量比が30:70〜70:30で、かつ前記(B)成分中の平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤と酸無水物硬化剤との質量比が30:70〜70:30であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載記載の透明樹脂組成物。
  5. 前記(A)成分中の平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤と前記(B)成分中の平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤との質量比が30:70〜70:30であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の透明樹脂組成物。
  6. 前記(A)成分および(B)成分の予備混合物は、いずれも遊星式撹拌装置により予備混合されたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の透明樹脂組成物。
  7. エポキシ樹脂と、酸無水物硬化剤と、平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤と、硬化促進剤とを含有する透明樹脂組成物の製造方法であって、
    前記平均一次粒子径5〜40nmの無機充填剤の少なくとも一部を前記エポキシ樹脂の少なくとも一部と前記酸無水物硬化剤の少なくとも一部に予め混合しておき、その後、これらの予備混合物と残りの成分とを混合することを特徴とする透明樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の透明樹脂組成物の硬化物によって光半導体素子を封止してなることを特徴とする光半導体装置。
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JP2014162877A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Kyocera Chemical Corp 光半導体ケース成形用樹脂組成物及び光半導体用ケース

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