JP2006328188A - 光半導体用樹脂組成物および光半導体装置 - Google Patents

光半導体用樹脂組成物および光半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外光を発光する光半導体素子を封止するために好適に用いられる光半導体用樹脂組成物であって、封止の際のボイド等の発生が抑制され、またその硬化物が透明性に優れ、紫外光の照射による透明性の低下も抑制された光半導体用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】エポキシ樹脂成分を主体とする光半導体用樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂成分は光路長1mmにおける波長400nmの光透過率が80%以上であり、かつ、25℃における粘度が1Pa・s以下であるもの。
【選択図】なし

Description

本発明は半導体素子の外周部を樹脂封止するために用いられる光半導体用樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置に係り、特に成形性に優れ、実装後の光半導体用樹脂組成物が透明でかつ紫外線による劣化が少ない光半導体用樹脂組成物に関する。
従来、バックライト、表示板、ディスプレイ、各種インジケーター等に使用されている発光ダイオード(LED)等の光半導体素子は、透明な樹脂組成物による封止が一般的であり、このような樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主剤とし、これに硬化物として酸無水物を配合したものが、耐熱性、機械的強度、電気特性等が良好で、かつ透明性に優れることから多用されている。
しかしながら、近年、発光効率の良い青色や白色等の短波長を発光するLEDが実用化され、それに伴い、次のような問題が生じている。すなわち、上記のような青色や白色等の短波長の光を発光する素子においては、副次的に紫外光を発光する。一方、従来の樹脂組成物に使用されているビスフェノールA型エポキシ樹脂はベンゼン環を含んでいる。不飽和結合をもつベンゼン環等は紫外線を吸収しやすいため、光半導体素子から発生する紫外線により樹脂が劣化し、着色により透明性が低下する。また、酸無水物も紫外線吸収をする不飽和結合をもつため、透明性低下の要因となっている。
このような透明性の低下を解消する為に、潜在性触媒を用いてエポキシ樹脂を熱カチオン重合させることにより酸無水物の使用を不要とし、樹脂中の不飽和結合の割合を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この潜在性触媒を用いた樹脂組成物は、酸無水物硬化の樹脂組成物に比べ耐紫外線性は良好となるものの、耐熱性が低く熱劣化により着色するため、酸無水物硬化の樹脂組成物に比べて透明性の低下が激しい。
また、一般に熱劣化による着色は酸化によるものであるため、不活性雰囲気下で樹脂硬化を行えばある程度着色を抑えることが可能である。しかし、実際の製造工程において不活性雰囲気環境を作るのは手間やコストの面から容易でなく、大気中で硬化させることが好ましい。
特開2003−73452号公報
上述したように、紫外光を発光するLEDが実用化されるに伴い、紫外線によって透明性が損なわれることのない耐紫外線性に優れた光半導体用樹脂組成物が提案されている。しかしながら、このような光半導体用樹脂組成物においては熱劣化により着色し、透明性が大きく低下するという課題がある。また、従来の他の光半導体用樹脂組成物においては、紫外線によって透明性が損なわれやすく、また光半導体素子を封止して光半導体装置を製造する際にボイドやはくりが発生しやすいという課題がある。
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたものであって、透明性に優れ、紫外線の照射による透明性の低下も少なく、かつ、封止する際のボイド等の発生が少なく成形性に優れた光半導体用樹脂組成物およびこれを用いて製造される光半導体装置を提供することを目的としている。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、光半導体用樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂成分として、特定の波長における光透過率および特定の温度における粘度が所定の範囲内となるものを用いることにより、光半導体用樹脂組成物の硬化物の透明性、耐紫外線性を向上できると共に、その成形性を向上できることを見いだし本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の光半導体用樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分を主体とする光半導体用樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂成分の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率が80%以上であり、かつ、25℃における粘度が1Pa・s以下であることを特徴とするものである。
本発明の光半導体用樹脂組成物は、25℃における粘度が1Pa・s以下であり、その硬化物の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率が80%以上であり、かつ、ガラス転移温度が110℃以上であることが好ましい。
また、本発明の光半導体用樹脂組成物は、その硬化物に、350nm以下の波長をフィルターカットした水銀灯を用いて、波長365nm、照度30mW/cmで100時間の照射を行ったときに、その硬化物の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率が80%以上であることが好ましい。
このような本発明の光半導体用樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂成分に加え硬化促進剤としての有機アルミニウム化合物および水酸基を有する有機ケイ素化合物を含有し、前記エポキシ樹脂成分は脂環式エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
本発明の光半導体装置は、光半導体素子を光半導体用樹脂組成物で封止してなる光半導体装置であって、この光半導体用樹脂組成物として上述したような光半導体用樹脂組成物を用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、光半導体素子を封止するために用いられるエポキシ樹脂成分を主体とする光半導体用樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として特定の波長における光透過率および粘度が所定の範囲内のものを用いることにより、透明で耐紫外線性に優れた硬化物が得られると共に、成形時のボイドやはくりの発生が抑制された光半導体用樹脂組成物とすることができる。また、このような光半導体用樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止して光半導体装置とすることにより、長期にわたって光束減退が少なく、信頼性に優れた光半導体装置とすることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光半導体用樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分を主体とする光半導体用樹脂組成物であって、このエポキシ樹脂成分の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率が80%以上であり、かつ、25℃における粘度が1Pa・s以下であることを特徴とするものである。
本発明では、光半導体用樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂成分として、特定の波長における光透過率、粘度が上記範囲内のものを用いることにより、その光半導体用樹脂組成物の硬化物を透明で耐紫外線性に優れたものとすると共に、封止する際のボイドや他部材とのはくりを抑制し成形性に優れたものとすることができる。
すなわち、光半導体用樹脂組成物におけるエポキシ樹脂成分の光透過率が上記光透過率の範囲外となる場合、その硬化物の透明性が十分でなくなるおそれがあり、さらにその硬化物に紫外線等が照射された場合の透明性が十分でなくなるおそれがある。また、光半導体用樹脂組成物におけるエポキシ樹脂成分の粘度が上記粘度の範囲外となる場合、この光半導体用樹脂組成物により光半導体素子を封止して光半導体装置を製造する際に光半導体素子、フレームあるいはケースに対する濡れ性が不十分なため充分な密着性が得られず、さらには流動性が不十分となるためボイド等の不具合が発生し、光半導体装置の信頼性が低下するおそれがある
ここで、エポキシ樹脂成分とは、エポキシ樹脂成分が1種類のエポキシ樹脂のみからなる場合にはそのエポキシ樹脂自体を指し、2種類以上のエポキシ樹脂からなる場合にはそれらの混合物のことを指す。すなわち、エポキシ樹脂成分の光透過率、粘度は、エポキシ樹脂成分が2種類以上のエポキシ樹脂からなる場合には、それらの混合物について測定を行う。
また、光路長1mmにおける波長400nmの光透過率が80%以上のエポキシ樹脂成分とは、厚み1mmのエポキシ樹脂成分について分光光度計を用いて波長400nmの光透過率を測定したときに、その光透過率が80%以上となるエポキシ樹脂成分のことをいう。光透過率の測定は、例えばエポキシ樹脂成分自体の厚みが1mmとなるような適当なセルにエポキシ樹脂成分を入れて行うことができる。光透過率の測定に用いる機器としては、例えば分光光度計V−530(日本分光社製 商品名)を用いることができる。
さらに、25℃における粘度が1Pa・s以下のエポキシ樹脂成分とは、例えばE型回転粘度計を用いて25℃での粘度を測定した場合に、その粘度が1Pa・s以下となるエポキシ樹脂成分をいう。
本発明では、このようなエポキシ樹脂成分として脂環式エポキシ樹脂が好適に用いられる。エポキシ樹脂成分として脂環式エポキシ樹脂を用いることで、光半導体用樹脂組成物の硬化物の透明性、耐紫外性を良好なものとすることができる。ここで、脂環式エポキシ樹脂とは、環状の脂肪族基およびエポキシ基を有する化合物よりなる樹脂のことをいう。
このような脂環式エポキシ樹脂の中でも、エポキシ樹脂成分の光透過率および粘度を上記範囲内とし、また光半導体用樹脂組成物の硬化物の透明性、耐紫外性を良好なものにするものとして、下記一般式(1)で示される脂環式エポキシ樹脂が好適に用いられる。下記一般式(1)で示される脂環式エポキシ樹脂としては、市販されているものを用いることができ、このようなものとして例えばセロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製 商品名、エポキシ当量200、光透過率99%、粘度0.3Pa・s)が挙げられる。
Figure 2006328188
また、上記一般式(1)で示される脂環式エポキシ樹脂と共に、下記一般式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂を併用することもできる。下記一般式(2)で示されるエポキシ樹脂としては、市販されているものを用いることができ、このようなものとして例えばEHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製 商品名、エポキシ当量184、光透過率88.4%、固形物)が挙げられる。
Figure 2006328188
(但し、式(2)中、Rは水素原子およびアルキル基から選択される原子または基であり、nは1以上30以下の整数である。)
また、本発明におけるエポキシ樹脂成分には、エポキシ樹脂成分の光透過率および粘度が上記範囲内となる範囲において、上記一般式(1)あるいは(2)で示されるような脂環式エポキシ樹脂に加えて、または、これらに代えて他のエポキシ樹脂を用いることができる。
他のエポキシ樹脂としては具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネート等の多官能複素環式エポキシ樹脂、あるいはこれらを水素化したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの他のエポキシ樹脂は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。ただし、不飽和結合を多く含むエポキシ樹脂を用いると耐紫外線性が低下するため、耐紫外線性を害しない程度において用いることが好ましい。
本発明の光半導体用樹脂組成物には、上述したようなエポキシ樹脂成分に加えて、硬化促進剤成分として有機アルミニウム化合物および水酸基を有する有機ケイ素化合物(以下、単に有機ケイ素化合物と呼ぶ。)が含有されていることが好ましい。
有機アルミニウム化合物としては例えば、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、イソプロポキシアルミニウム、イソプロポキシジエトキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム等のアルコキシ化合物、トリアセトキシアルミニウム、トリステアラートアルミニウム、トリブチラートアルミニウム等のアシロオキシ化合物、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムtert−ブチレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリスヘキサフルオロアセチルアセトナートアルミニウム、トリスエチルアセトアセテートアルミニウムトリス(n−プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(iso−プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−ブチルアセトアセテート)アルミニウム、トリスサリチルアルデヒドアルミニウム、トリス(2−エトキシカルボニルフェノラート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)等のキレート化合物が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でもアルコキシ化合物、キレート化合物が好ましく、キレート化合物がより好ましい。
また、このような有機アルミニウム化合物とともに使用する有機ケイ素化合物は、少なくとも1つのケイ素原子に直接結合した少なくとも1つの水酸基を有することを特徴とするものである。このような有機ケイ素化合物としては、下記一般式(3)で示されるオルガノシランまたは下記一般式(4)で示されるポリシロキサン化合物が挙げられる。
Figure 2006328188
(但し、式(3)中、Rはアルキル基、フェニル基、アラルキル基、ビニル基、アリル基から選択される基を示し、Rは同一または異なって、アルキル基、フェニル基、アラルキル基、ビニル基、アリル基および水酸基から選択される基を示し、少なくとも1つは水酸基である)
Figure 2006328188
(但し、式(4)中、Rは同一または異なって、アルキル基、フェニル基、アラルキル基、ビニル基、アリル基もしくは水酸基であり、少なくとも1つは水酸基である。また、nは0または1以上の整数を示す)
これらの例として具体的には、ジフェニルジシラノール、ジフェニルメチルシラノール、トリメチルシラノール、トリフェニルシラノール等のアルキルシラノール化合物などが挙げられる。上記の有機ケイ素化合物は1種のみで用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
これらの硬化促進剤は、エポキシ樹脂成分100重量部あたり、有機アルミニウム化合物が0.005重量部以上、10重量部以下、有機ケイ素化合物が0.01重量部以上、20重量部以下の範囲で含有させることが好ましい。
有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物のいずれか一方でも含有量が前記範囲に満たないと、エポキシ樹脂成分の硬化が不十分となり、また接着性が十分に発現しないおそれがある。また、逆に有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物のいずれか一方でも前記範囲を超えて含有された場合には、反応が加速して極度の発熱または発火のおそれがある。含有量のより好ましい範囲は、有機アルミニウム化合物が0.01重量部以上、5重量部以下、有機ケイ素化合物が0.01重量部以上、10重量部以下である。
また、本発明の効果を阻害しない範囲で前記有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物以外の硬化促進剤を併用することができる。併用する硬化促進剤としては、一般的にエポキシ樹脂の硬化促進剤として用いられるものが挙げられ、例えばトリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン等の有機ホスフィン化合物、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン化合物、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4、5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
本発明の光半導体用樹脂組成物は、上述したエポキシ樹脂成分、硬化促進剤成分に加えて、無機充填材、反応希釈剤、消泡剤、カップリング剤等の添加剤を、本発明の趣旨に反しない範囲で必要に応じて含有させることができる。
無機充填材としては、溶融シリカ、結晶シリカ、酸化チタン、アルミナ等が挙げられる。無機充填材の形状は球状でも破砕状でもよいが、透明性の観点からは微細な球状のものが好ましい。
また、カップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤や、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。
本発明の光半導体用樹脂組成物を成形材料として調製するにあたっては、上述したようなエポキシ樹脂成分、硬化促進剤成分に加えて、必要に応じて無機充填材、反応希釈剤、消泡剤、カップリング剤等の添加剤を配合した後、ミキサー等によって十分に攪拌混合すればよい。その際、有機アルミニウム化合物および水酸基を有する有機ケイ素化合物はそれぞれ個別にエポキシ樹脂成分に予め混合しておいてもよい。
本発明では、上述したような構成とすることで光半導体用樹脂組成物の硬化物の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率を80%以上とし透明性に優れたものとすることができると共に、光半導体用樹脂組成物の25℃における粘度を1Pa・s以下とし成形性に優れたものとすることができる。また、上述したような構成とすることで光半導体用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を110℃以上とすることができる。
光半導体用樹脂組成物の硬化物の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率を80%以上とすることで、これを用いて光半導体素子を封止して光半導体装置を製造した場合に、光束減退の少ないものとすることができる。また、光半導体用樹脂組成物の粘度が1Pa・sを超えると、光半導体素子を封止して光半導体装置を製造する際に光半導体素子、フレームあるいはケースに対する濡れ性が不十分なため充分な密着性が得られず、さらには流動性が不十分であるためボイド等の不具合が発生し、光半導体装置の信頼性が低下するおそれがあるが、光半導体用樹脂組成物の粘度を1Pa・s以下とすることで、光半導体素子等との充分な密着性を確保し、ボイド等の発生を抑制し、信頼性に優れた光半導体装置とすることができる。
また、光半導体用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が110℃未満であると、光半導体装置を製造した場合にそれを高温環境下で使用し、またそれ自体の動作により高温となったとき、その光半導体装置におけるリード等と光半導体用樹脂組成物(硬化物)との密着性が不十分となり信頼性が低下するため好ましくないが、ガラス転移温度を110℃以上とすることでそれらの密着性を向上させ、信頼性を向上させることができる。
さらに、本発明では、上述したような構成とすることで光半導体用樹脂組成物の硬化物に、350nm以下の波長をフィルターカットした水銀灯を用いて、波長365nm、照度30mW/cmで100時間の照射を行ったときに、その硬化物の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率を80%以上とすることができ、耐紫外線性に優れたものとすることができる。なお、このような水銀灯の照射前後の光半導体用樹脂組成物の硬化物の光透過率の測定は、例えば分光光度計V−530(日本分光社製 商品名)を用いて行われる。
光半導体用樹脂組成物の硬化物に、350nm以下の波長をフィルターカットした水銀灯を用いて、波長365nm、照度30mW/cmで100時間の照射を行ったときに、その硬化物の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率が80%以上となるようにすることで、このような光半導体用樹脂組成物(硬化物)により光半導体素子を封止して光半導体装置とした場合に、光半導体用樹脂組成物(硬化物)の劣化による光束減衰を抑制し、長寿命なものとすることができる。
本発明の光半導体装置は、このように調製された光半導体用樹脂組成物で光半導体素子を封止することにより製造されるものである。封止される光半導体素子としては、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトサイリスタ、フォトコンダクタ等が例示されるが、紫外発光素子のように紫外光を発光するものに用いた場合に特に顕著な効果が得られる。光半導体素子の封止方法は特に限定されるものではなく、低圧トランスファー法をはじめ、射出成形、圧縮成形、注型等により行うことができる。
以下、本発明について実施例を参照して更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
表1に示すような配合割合で各成分を配合し、真空脱泡することにより、実施例1〜6の光半導体用樹脂組成物を得た。また、同様に、表2に示すような配合割合で各成分を配合し、真空脱泡することにより、比較例1〜3の光半導体用樹脂組成物を得た。
表1、2中、エポキシ樹脂成分の透過率は分光光度計V−530(日本分光社製 商品名)を用いて、光路長1mmにおける波長400nmの光透過率を測定し、粘度はE型回転粘度計VM−150III(東機産業製 商品名)を用いて25℃+/−2℃で測定した。なお、エポキシ樹脂成分が複数のエポキシ樹脂からなるものについては、これら複数のエポキシ樹脂からなる混合物について光透過率および粘度を測定した。
また、光半導体用樹脂組成物の製造に用いた原料は以下に示す通りである。以下の原料において、エポキシ樹脂の光透過率は分光光度計V−530(日本分光社製 商品名)を用いて光路長1mmにおける波長400nmの光透過率を測定したものであり、また粘度はE型回転粘度計VM−150III(東機産業製 商品名)を用いて25℃+/−2℃での粘度を測定したものである。
*1 セロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製 商品名、エポキシ当量200、光透過率99%、粘度0.3Pa・s)
*2 EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製 商品名、エポキシ当量184、光透過率88.4%、固形物)
*3 EPICRON−1055(大日本インキ化学工業(株)製 商品名、エポキシ当量477、光透過率88.2%、固形物)
*4 リカシッドTH(新日本理化(株)製 商品名)
*5 エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート ALCH−TR(川研ファインケミカル(株)製 商品名)
*6 水酸基を有する有機ケイ素化合物 SH6018(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 商品名)
*7 EOCN−1020(日本化薬(株)製 商品名、エポキシ当量198、光透過率87%、固形物)
*8 U−CAT5003(サンアプロ製 商品名)
次に、実施例および比較例の光半導体用樹脂組成物について、以下の特性の測定、評価を行った。
(光透過率)
実施例および比較例の光半導体用樹脂組成物を、大気中、金型温度70℃〜150℃、キュア時間1時間で成形し、厚み1mmの板状の成形物(以下、透明性評価用試験片と呼ぶ。)を得た。この透明性評価用試験片の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率を分光光度計V−530(日本分光社製 商品名)を用いて測定した。
(紫外線照射後の光透過率)
上記透明性評価用試験片に対して、高圧水銀ランプHANDY UV−800(オーク製作所製 商品名)を用い、350nm以下の波長をフィルターカットし、波長365nm、約30mW/cmの照度で100時間の照射を行った後、この透明性評価用試験片の光透過率を分光光度計V−530(日本分光社製 商品名)を用いて測定した。
(粘度)
実施例および比較例の光半導体用樹脂組成物を混合・真空脱泡後、E型回転粘度計VM−150III(東機産業製 商品名)を用いて25℃+/−2℃での粘度を測定した。
(ガラス転移温度)
実施例および比較例の光半導体用樹脂組成物を、大気中、金型温度70℃〜150℃、キュア時間1時間で成形したものを切り出し、昇温速度5℃/min、周波数10Hzの条件でDMA(第二精工社製 EXTAR−6000熱分析システム)測定を行い、tanδピーク温度をガラス転移温度とした。
(成形性および冷熱サイクル試験(TCT))
実施例および比較例の光半導体用樹脂組成物をLEDパッケージ用ケース(ポリフタルアミド製)に注型・硬化させ、内部の気泡の有無、ケースとのはくりの有無、表面粘着性を観察した。さらに、この成形品について−40℃(30分)、−25℃(5分)、100℃(30分)、25℃(5分)の順に冷熱処理を行う冷熱サイクル試験を行い、LEDパッケージ用ケースとのはくりの有無を観察した。
なお、表中、成形性における「OK」は内部のボイドやLEDパッケージ用ケースとのはくり等が発生しなかったことを示し、「ボイド」は内部にボイドが発生したことを示す。また、冷熱サイクル試験における「OK」はLEDパッケージ用ケースとの間にはくりが発生しなかったことを示す。
Figure 2006328188
Figure 2006328188
表1、2に示す結果から明らかなように、粘度が1Pa・sを超えるエポキシ樹脂成分を用いた比較例1〜3の光半導体用樹脂組成物は、それらの粘度がいずれも1Pa・sを超え、成形時にボイドが発生し、成形性が不十分であることが認められた。これらの中でも特にエポキシ樹脂成分の光透過率が80%に満たず、硬化促進剤として酸無水物のみを用いた比較例1の光半導体用樹脂組成物は、成形直後の硬化物の光透過率が80%に満たず、その後の紫外線照射により光透過率が大きく低下することが認められた。
これに対して、光透過率が80%以上、粘度が1Pa・s以下のエポキシ樹脂成分を用いた実施例1〜6の光半導体用樹脂組成物は、粘度が1Pa・s以下となり、成形時のボイドの発生が抑制され、成形性に優れると共に、成形直後の硬化物の光透過率が80%を超えると共に、その後の紫外線照射によっても光透過率は80%以上を維持できることが認められ、透明性、耐紫外線性に優れることが認められた。

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂成分を主体とする光半導体用樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂成分の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率が80%以上であり、かつ、25℃における粘度が1Pa・s以下であることを特徴とする光半導体用樹脂組成物。
  2. 前記光半導体用樹脂組成物は25℃における粘度が1Pa・s以下であり、その硬化物の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率が80%以上であり、かつ、ガラス転移温度が110℃以上であることを特徴とする請求項1記載の光半導体用樹脂組成物。
  3. 前記光半導体用樹脂組成物は、その硬化物に、350nm以下の波長をフィルターカットした水銀灯を用いて、波長365nm、照度30mW/cmで100時間の照射を行ったときに、その硬化物の光路長1mmにおける波長400nmの光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の光半導体用樹脂組成物。
  4. 前記光半導体用樹脂組成物は前記エポキシ樹脂成分に加え硬化促進剤としての有機アルミニウム化合物および水酸基を有する有機ケイ素化合物を含有し、前記エポキシ樹脂成分は脂環式エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の光半導体用樹脂組成物。
  5. 光半導体素子を光半導体用樹脂組成物で封止してなる光半導体装置であって、前記光半導体用樹脂組成物として請求項1乃至4のいずれか1項記載の光半導体用樹脂組成物を用いたことを特徴とする光半導体装置。
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