JP6099584B2 - 白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents

白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6099584B2
JP6099584B2 JP2014047526A JP2014047526A JP6099584B2 JP 6099584 B2 JP6099584 B2 JP 6099584B2 JP 2014047526 A JP2014047526 A JP 2014047526A JP 2014047526 A JP2014047526 A JP 2014047526A JP 6099584 B2 JP6099584 B2 JP 6099584B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin composition
mass
white pigment
thermosetting epoxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014047526A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015172104A (ja
Inventor
吉弘 堤
吉弘 堤
富田 忠
忠 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2014047526A priority Critical patent/JP6099584B2/ja
Publication of JP2015172104A publication Critical patent/JP2015172104A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6099584B2 publication Critical patent/JP6099584B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、成形時の流動性に優れ、かつ、二次硬化(ポストキュア)後に高い反射率及び白色度を有する硬化物を与える熱硬化性エポキシ樹脂組成物、及び該組成物の硬化物で受光素子その他の半導体素子を封止した半導体装置に関する。
LED(Light Emitting Diode)等の光半導体素子は、街頭ディスプレイや自動車ランプ、住宅用照明など種種のインジケータや光源として利用されるようになっている。中でも、白色LEDは、二酸化炭素削減や省エネルギーをキーワードとして、各分野で応用した製品の開発が急速に進んでいる。
LED等の半導体・電子機器装置の材料のひとつとして、光リフレクター材料にポリフタルアミド樹脂(PPA)が現在広く使用されている。PPAを用いたリフレクター材は高い強度、たわみ性を持ち合わせている点から優れている(特許文献1)。しかし、近年、光半導体装置の高出力化及び短波長化が進み、PPAでは、光半導体素子の周辺に使用すると変色を起こすなど劣化が激しく、光出力低下等を引き起こすので適していない。
特許文献2には、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を構成成分とするBステージ状の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物が記載され、上記構成成分が分子レベルで均一に混合されている樹脂組成物の硬化体を有する光半導体装置が記載されている。エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂が主として用いられ、トリグリシジルイソシアネート等を使用し得ることも記載されている。しかし特許文献2に記載のBステージ状半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、特に高温・長時間の放置で黄変するという問題がある。
特許文献3には、環状オレフィンを酸化して得られる脂環式エポキシ樹脂を用いて封止したLEDが記載されている。特許文献4には、トリアジン誘導体エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤を含む発光素子封止用エポキシ樹脂組成物が記載されている。特許文献5には、(A)水素化エポキシ樹脂、トリアジン環含有エポキシ樹脂、及び脂環式オレフィンをエポキシ化して得られる脂環式エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂、及び(B)酸無水物硬化剤を含む発光素子封止用エポキシ樹脂組成物が記載されている。しかし特許文献3〜5に記載の発光素子封止用エポキシ樹脂組成物もまた、高温・長時間の放置で黄変するという問題解決が十分ではない。
特開2006−257314号公報 特許第2656336号 特開2000−196151号公報 特開2003−224305号公報 特開2005−306952号公報
近年、光半導体装置は照明用途への使用頻度が高くなり、光反射材(リフレクター)の初期反射率及び光半導体装置自体の初期輝度の改善が望まれている。光反射材(リフレクター)の一般的な成形方法は、トランスファー成形や圧縮成形である。いずれの方法においても、加熱硬化により成形した後に、例えば150℃〜185℃で0.5〜20時間、二次硬化(ポストキュア)を行うことがある。しかし従来の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は、該二次硬化(ポストキュア)により反射率や白色度が低下することがある。そのため、光反射材(リフレクター)や光半導体装置など製品の初期反射率や初期輝度が劣ることが問題視されている。そこで、二次硬化(ポストキュア)を経ても高い反射率及び白色度を維持できる硬化物を与える熱硬化性エポキシ樹脂組成物が要求されている。
そこで、本発明は、成形時の流動性に優れ、かつ、二次硬化(ポストキュア)後に高い反射率及び白色度を有する硬化物を与える熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供すること、及び該組成物の硬化物で受光素子などの半導体素子を封止した半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、トリアジン誘導体エポキシ樹脂と酸無水物との混合物またはこれらを反応させて得られるプレポリマーを含む熱硬化性エポキシ樹脂組成物に、有機シロキサンで表面処理された白色顔料を特定量配合することにより上記課題を達成できることを見出した。
従来、熱硬化性エポキシ樹脂組成物に使用する白色顔料は樹脂や無機充填剤との分散性を高めるために予めアルミナやシリカ、ポリオール等で表面処理されることが多かった。しかし有機シロキサンで表面処理されることはなかった。本発明者らは、熱硬化性エポキシ樹脂組成物に有機シロキサンで表面処理された白色顔料を配合することにより、得られる硬化物は二次硬化(ポストキュア)後に高い反射率および白色度を維持できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、
(A)(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを反応させて得られるプレポリマーであり、(A−2)成分中の酸無水物基の合計個数に対する(A−1)成分中のエポキシ基の合計個数の比が0.6〜2である 100質量部、
(B)白色顔料 3〜300質量部、
(C)無機充填剤(但し、白色顔料を除く) 80〜600質量部、及び
(D)硬化促進剤 0.05〜5質量部
を含み、前記(B)成分の50〜100質量%が、有機シロキサンで表面処理された二酸化チタンであることを特徴とする、熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。さらに、本発明は、該熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物で受光素子その他の半導体素子を封止した半導体装置、及び、該熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物からなる光半導体素子ケースを備える光半導体装置を提供する。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、二次硬化(ポストキュア)を経ても高い反射率及び白色度を維持できる硬化物を与える。そのため、製品化後の初期反射率及び初期輝度が高い、光反射材(リフレクター)及び光半導体装置を提供することができる。また、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は成形温度での流動性に優れ成形性が良好である。従って、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、半導体装置に用いる光反射材(リフレクター)、あるいは光半導体素子封止用の樹脂組成物として有用である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(A)成分は、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物との混合物またはこれらを予め反応させて得られるプレポリマーである。硬化物が(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを反応させて得られる構造を有することにより、高温下に置いたときの硬化物の黄変を抑制することができる。また、該硬化物で光半導体素子を封止する、あるいは該硬化物からなる光反射部材を有することにより、経時劣化の少ない光半導体装置を提供する。
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物との混合物において、(A−1)成分と(A−2)成分の配合量は[(A−1)成分中のエポキシ基の合計個数/(A−2)成分中の酸無水物基の合計個数]が0.6〜2となる量であり、好ましくは0.8〜2.0となる量、更に好ましくは1.0〜1.8となる量である。配合比が上記下限値未満では未反応の酸無水物が硬化物中に残り、得られる硬化物の耐湿性を悪化させるおそれがある。また上記上限値超では硬化不良が生じ、信頼性が低下するおそれがある。
上記プレポリマーの調製において、反応させる(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物との比率は[(A−1)成分が有するエポキシ基の合計個数/(A−2)成分が有する酸無水物基の合計個数]が0.6〜2となる量であり、好ましくは0.8〜2.0となる量、更に好ましくは1.0〜1.8となる量である。配合比が上記下限値未満では未反応の酸無水物が硬化物中に残り、得られる硬化物の耐湿性を悪化させるおそれがある。また上記上限値超では硬化不良が生じ、信頼性が低下するおそれがある。(A−1)成分と(A−2)成分の反応は、好ましくは後述する(E)酸化防止剤及び/又は後述する(D)硬化促進剤の存在下にて反応させるのがよい。(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを上記比率で反応させて得られた固体生成物(すなわち、プレポリマー)を本発明の(A)成分とする。このとき、該固体生成物は粉砕等により微粉末状態にして用いることが好ましい。該微粉末の粒子径は5μm〜3mmの範囲が好ましい。
プレポリマーの調製は、より詳細には(A−1)成分と(A−2)成分を、好ましくは60〜120℃、より好ましくは70〜110℃にて、好ましくは4〜20時間、より好ましくは6〜15時間反応させればよい。上記した通り、(A−1)成分と(A−2)成分の混合物に後述する(E)酸化防止剤を予め添加しておいてもよい。あるいは(A−1)成分、(A−2)成分、及び後述する(D)硬化促進剤を、予め30〜80℃、好ましくは40〜70℃にて2〜12時間、好ましくは3〜8時間反応させればよい。このとき(E)酸化防止剤を上記混合物にあらかじめ添加しておいてもよい。上記反応によりプレポリマーである固体生成物が得られる。固体生成物の軟化点は40〜100℃、好ましくは45〜70℃であるのがよい。軟化点が40℃未満では固体とはならず、100℃超では組成物として成形の時に必要な流動性が低すぎるおそれがある。該固体生成物は、上記した通り、本発明の組成物に配合する前に粉砕等により微粉末状化しておくことが好ましい。
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂は、1,3,5−トリアジン核誘導体エポキシ樹脂が好ましい。イソシアヌレート環を有するエポキシ樹脂は、耐光性や電気絶縁性に優れており、1つのイソシアヌレート環に対して、2価の、より好ましくは3価のエポキシ基を有することが望ましい。例えば、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート、及びトリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート等を用いることができる。トリアジン誘導体エポキシ樹脂の軟化点は40〜125℃であることが好ましい。なお、本発明において上記トリアジン誘導体エポキシ樹脂はトリアジン環を水素化したものは包含しない。
(A−2)酸無水物は(A−1)エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものである。硬化物に耐光性を与えるために非芳香族であり、且つ炭素−炭素二重結合を有さないものが好ましい。例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物などが挙げられる。中でも、ヘキサヒドロ無水フタル酸及び/またはメチルヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。酸無水物は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
上記プレポリマーを合成する際には、必要に応じて、上記(A−1)成分以外のエポキシ樹脂を本発明の効果を損なわない範囲で併用することができる。該エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂、及び4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂等のビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、トリスフェニロールメタン型エポキシ樹脂、テトラキスフェニロールエタン型エポキシ樹脂、及びフェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂の芳香環を水素化したエポキシ樹脂、及び脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や耐紫外線性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、芳香環を水素化したエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、及びシリコーン変性したエポキシ樹脂が好ましい。上記エポキシ樹脂は、プレポリマー化のしやすさやハンドリング性の向上の点から、軟化点50〜100℃を有するのが好ましい。
上記プレポリマーとしては、例えば下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006099584
式中、Rは酸無水物の残基であり、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物などの残基である。mは0〜200の整数である。
(B)白色顔料
白色顔料は、硬化物の白色度を高め、硬化物表面における光反射性を高めるために熱硬化性エポキシ樹脂組成物に配合する。これにより光半導体装置の反射板(リフレクター)等の用途向けに有用になる。白色顔料としては、二酸化チタン、アルミナ、酸化イットリウムを代表とする希土類酸化物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは一種単独でも又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。白色顔料の平均粒径や形状は特に制限されず、従来公知の白色顔料に従えばよい。通常、白色顔料の平均粒径は0.05〜5μm、好ましくは0.05μm以上5μm未満である。平均粒径の上限は、特には1μm以下であり、さらには0.3μm以下である。該平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。
硬化物の白色度をより高めるためには二酸化チタンが特に好ましい。二酸化チタンの単位格子はルチル型、アナタース型、及びブルカイト型のいずれでもよい。二酸化チタン以外の白色原料を使用する場合は、二酸化チタンと併用するのが好ましい。二酸化チタンは、硫酸法、塩素法など従来公知の方法により製造したものを使用できるが、白色度をより高めるためには塩素法により製造された二酸化チタンが好ましい。二酸化チタンの平均粒径は、好ましくは1μm以下であり、さらに好ましくは0.3μm以下である。
本発明は、(B)成分の50〜100質量%、好ましくは70〜100質量%が、有機シロキサンで表面処理された白色顔料であることを特徴とする。組成物が有機シロキサンで表面処理された白色顔料を上記量で含むことにより、得られる硬化物が二次硬化(ポストキュア)後に高い反射率および白色度を維持することができる。
有機シロキサンは種々のものが適用される。例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、あるいはそれらの共重合体などのポリシロキサン類、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、などのシクロシロキサン類、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシランなどのクロロシラン類、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するシラン類、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するシラン類、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニル基を有するシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン等のアルキル基を有するシラン類、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のその他のシラン類等の各種シラン類で例示されるシランカップリング剤や、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどを挙げることができる。特には、有機シロキサンは炭素−炭素二重結合を含まないものであることが好ましい。炭素−炭素二重結合を含むと耐熱性が低下しやすくなるおそれがある。
表面処理される白色顔料に対する有機シロキサンの質量割合は、特に制限されるものでないが、表面処理される白色顔料100質量部に対し有機シロキサン0.2〜5質量部で処理されるのがよい。また該白色顔料は、上記した有機シロキサンでの表面処理と併せて、有機シロキサン以外の表面処理剤、例えば、AlやSiなどの含水酸化物、ポリオールなどの有機物で表面処理されていてよい。但し、ポリオール等の有機物で表面処理する場合、ポリオールでの処理が最後に行われるのは好ましくない。ポリオールが白色顔料の表面に露出していると、耐熱性が低下するおそれがある。特には、アルミナ、シリカ、及び有機シロキサンで表面処理された白色顔料が好ましい。白色顔料に対するアルミナやシリカの質量割合は特に制限されるものでなく、従来公知の方法に従えばよい。有機シロキサンの質量割合は上記の通りである。白色顔料がアルミナ、シリカ、及び有機シロキサンで表面処理されるときは、有機シロキサンでの処理を最後に行うのが好ましい。これにより、有機シロキサンが白色顔料の表面に露出するため耐熱性向上効果が得られやすい。
白色顔料の表面を処理する方法は特に制限されない。例えば、有機シロキサンによる表面処理は、白色顔料と有機シロキサンを混合する乾式法にて行うことができる。アルミナやシリカなどによる表面処理は、アルミン酸ナトリウムやケイ酸ナトリウムの水溶液中にて硫酸で中和しながら白色顔料の表面に層を形成する湿式法にて行うことができる。白色顔料の表面をアルミナ、シリカ、及び有機シロキサンで処理する場合は、先ず、上記した湿式法にてアルミナ及びシリカでの表面処理をして、次いで上記した乾式法にて有機シロキサンでの表面処理をすればよい。
(B)成分は、有機シロキサンで表面処理された白色顔料と、アルミナやシリカで表面処理された白色顔料、又は、アルミナ、シリカ、及びポリオールで表面処理された白色顔料の混合であってもよい。ポリオールで表面処理された白色顔料を使用する場合は、上記の通り、ポリオールが表面に露出していない(ポリオール処理が最後に行われていない)ものを使用するのが好ましい。これらの白色顔料の配合量は特に制限されるものでなく、本発明の効果を妨げない範囲で適宜調整すればよい。例えば(B)成分中に35質量%以下、特には15〜30質量%で配合できる。
組成物中の(B)白色顔料の量は、(A)成分100質量部に対し、3〜300質量部、好ましくは5〜250質量部がよい。上記下限値未満では十分な白色度が得られない場合がある。また、上記上限値を超えると、機械的強度向上の目的で添加する、後記無機充填剤の割合が少なくなるだけでなく、成形性が著しく低下することがある。該白色顔料の量は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物全体に対して1〜50質量%が好ましく、さらに好ましくは3〜40質量%の範囲がよい。
(C)無機充填剤
(C)成分は上記(B)成分、つまり白色顔料以外の無機充填剤である。該無機充填剤は、エポキシ樹脂組成物に従来配合されているものを使用できる。例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、三酸化アンチモン等が挙げられる。これら無機充填剤の平均粒径や形状は特に限定されないが、通常3μm以上50μm以下、特には5μm以上50μm以下、更には8μm以上50μm以下である。アルミナやシリカは白色顔料としても使用できるが、平均粒径5μm以上を有するものを無機充填剤として使用し、平均粒径5μm未満を有するものを上記白色顔料として使用すればよい。なお、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における累積質量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。
特に、破砕シリカ、溶融球状シリカ等のシリカ系無機充填剤が好適に用いられる。粒径は特に限定されるものではない。中でも、成形性、流動性の観点から、溶融球状シリカが好ましく、平均粒径は4〜40μm、特には7〜35μmが好ましい。また、高流動化を得るには、0.1〜3μmの範囲にある微細粒径を有する粒子、4〜8μmの範囲にある中粒径を有する粒子、及び10〜50μmの範囲にある粗粒径を有する粒子を組み合わせて使用するのが好ましい。
(C)無機充填剤は、(A)樹脂成分及び(B)白色顔料との結合強度を強くするために、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤で予め表面処理したものを配合してもよい。
カップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどを用いることが好ましい。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではないが、150℃以上に放置した場合に処理フィラーが変色しないものが好ましい。
(C)無機充填剤の配合量は、(A)成分100質量部に対し80〜600質量部、特に200〜600質量部が好ましい。上記下限値未満では、十分な強度を得ることができないおそれがある。また、上記上限値を超えると、増粘による未充填不良や柔軟性が失われることで、素子内の剥離等の不良が発生する場合がある。なお、(C)無機充填剤の配合量は、組成物全体の10〜90質量%、特に20〜80質量%の範囲であることが好ましい。
(D)硬化促進剤
(D)成分は上記(A)成分を硬化させるための硬化促進剤である。該硬化促進剤は、エポキシ樹脂組成物の硬化触媒として公知のものが使用でき、特に限定されない。例えば、第三級アミン類、イミダゾール類、それらの有機カルボン酸塩、有機カルボン酸金属塩、金属−有機キレート化合物、芳香族スルホニウム塩、有機ホスフィン化合物類、ホスホニウム化合物類等のリン系硬化触媒、これらの塩類等の1種又は2種以上が挙げられる。中でも、イミダゾール類、リン系硬化触媒、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール又はメチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェイト、第三級アミンのオクチル酸塩が更に好ましい。また、第四級ホスホニウムブロマイドとアミンの有機酸塩の併用も好ましく用いられる。
硬化促進剤の量は(A)成分100質量部に対して0.05〜5質量部、特には0.1〜2質量部が好ましい。上記範囲を外れると、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性及び耐湿性のバランスが悪くなる、あるいは成形時の硬化が遅くなり過ぎる又は速くなり過ぎるおそれがある。
(E)酸化防止剤
本発明のエポキシ樹脂組成物には、製品化したときの初期反射率を向上するため、及び長期間高い反射率を維持するために、(E)酸化防止剤をさらに配合するのが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、及び硫黄系酸化防止剤を使用できる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニルアルキル、亜リン酸フェニルジアルキル、亜リン酸トリ(ノニルフェニル)、亜リン酸トリラウリル、亜リン酸トリオクタデシル、トリフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ジ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト及びテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニルジホスホネート等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジウラリルチオプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、ジベンジルジサルフィド、トリスノニルフェニルホスファイト等が挙げられる。
上記酸化防止剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。酸化防止剤の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部、特に0.03〜8質量部とすることが好ましい。配合量が少なすぎると十分な耐熱性が得られず、変色する場合がある。配合量が多すぎると硬化阻害を起こし、十分な硬化性及び硬化物の機械的強度を得ることができない場合がある。
本発明の組成物には、上記(A)〜(E)成分に加え、更に下記の成分を配合してもよい。
(F)離型剤
本発明のエポキシ樹脂組成物には成形時の離型性を高めるために(F)離型剤を配合することができる。該離型剤としては、カルナバワックスなどの天然ワックス、酸ワックス、ポリエチレンワックス、及び脂肪酸エステルなどの合成ワックスが挙げられる。離型剤の中には、高温条件下や光照射下で、容易に黄変したり、経時劣化したりして、離型性を有しなくなるものがある。そのため、変色の少ないグリセリン誘導体、脂肪酸エステル、又は、初期に着色することはあるが経時での変色は少ないカルナバワックスが好ましい。
(F)離型剤の量は、(A)成分100質量部に対して0.05〜7.0質量部、特には0.1〜5.0質量部が好ましい。添加量が上記下限値未満では、十分な離型性を得られない場合があり、上記上限値を超えると、沁み出し不良や接着性不良等が起こる場合がある。
(G)カップリング剤
本発明のエポキシ樹脂組成物には、樹脂と無機充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤を配合することができる。カップリング剤は従来公知のものが使用できる。例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどを用いることが好ましい。アミン系のシランカップリング剤は150℃以上に放置した場合に熱樹脂が変色するため、あまり好ましくない。
(G)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜8.0質量部、好ましくは0.5〜6.0質量部である。前記下限値未満では、基材への接着効果が十分でなく、また上記上限値を超えると、粘度が極端に低下して、ボイドの原因になる可能性がある。
(H)アミン系光安定剤
本発明のエポキシ樹脂組成物は、長期間高い反射率を維持するためにアミン系光安定剤を含有することができる。アミン系光安定剤は、特に制限されず、公知のものを使用することができる。例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、N,N’−ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−1,3−ベンゼンジカルボキシアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−1,3−ベンゼンジカルボキシアミド、及びテトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等が挙げられる。より好ましくは、N,N’−ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−1,3−ベンゼンジカルボキシアミドである。アミン系光安定剤は硬化促進剤の作用も有することが多く、塩基性の低いものを使用するのが好ましい。
(H)成分の量は、(A)成分100質量部に対して好ましくは1質量部以下であり、より好ましくは0.01〜1質量部であり、さらに好ましくは0.1〜1質量部である。上記の範囲内であれば光安定性を一層向上させることができる。
その他の添加剤
本発明のエポキシ樹脂組成物には更に、必要に応じて上記(A)〜(H)成分以外のその他の添加剤を配合することができる。例えば、樹脂の性質を改善する目的でガラス繊維やチタン酸カリウム等の補強材、シリコーンパウダー、シリコーンオイル、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム等の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加配合することができる。
本発明の熱硬化性エポキシ組成物の製造方法は、特に制限されるものでない。例えば、(A)〜(E)成分、及び、必要に応じて、(F)成分、(G)成分、(H)成分、並びにその他の添加物を、上記した所定の比率で配合し、ミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して熱硬化性エポキシ樹脂組成物からなる成形材料とすることができる。この際、(A)成分は、取り扱いの面からして、上記の方法に従い(A−1)成分と(A−2)成分を、必要に応じて(D)硬化促進剤や(E)酸化防止剤と混合して、予め反応させて得た固体生成物(すなわち、プレポリマー)として用いることが望ましい。(D)硬化促進剤及び(E)酸化防止剤をプレポリマーの調製時に混合する場合は、組成物を調製する際にこれらの成分を追加しなくてもよい。追加する場合には、合計の配合量が上記した量となるように調整すればよい。本発明の熱硬化性エポキシ組成物は成形温度での流動性にすぐれるため成形性が良好である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化条件や成形方法は特に制限されるものでなく、従来公知の方法に従えばよい。例えば、光反射材(リフレクター)を成形する方法としては、トランスファー成形法や圧縮成形法が挙げられる。トランスファー成形法では、トランスファー成形機を用い、成形圧力5〜20N/mm、成形温度120〜190℃で成形時間30〜500秒、特に成形温度150〜185℃で成形時間30〜180秒で行うことが好ましい。また、圧縮成形法では、コンプレッション成形機を用い、成形温度は120〜190℃で成形時間30〜600秒、特に成形温度130〜160℃で成形時間120〜300秒で行うことが好ましい。更に、いずれの成形法においても、二次硬化(ポストキュア)を150〜185℃で0.5〜20時間行うのがよい。本発明の組成物は上記した通り、二次硬化後でも高い反射率及び白色度を有する硬化物を与える。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、半導体用封止材や車載用各種モジュールなどの封止材として使用することもできる。その際は、着色剤としてカーボンブラックなどを添加するのがよい。カーボンブラックは市販されているものであればどのようなものも使用できる。特にはアルカリ金属やハロゲンを多く含まない、純度の高いものが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。下記において平均粒径はレーザー光回折法による粒度分布測定における累積質量平均値D50である。
実施例及び比較例で使用した各成分を以下に示す。
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂
(A−1):トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート(TEPIC(登録商標)−S、日産化学(株)製商品)
(A−2)酸無水物
(A−2−1):メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッド(登録商標)MH、新日本理化(株)製商品)
(A−2−2):ヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッド(登録商標)HH、新日本理化(株)製商品)
(B)白色顔料
(B−1):アルミナ、シリカ、及び有機シロキサン(ポリメチルハイドロジェンシロキサン)で表面処理された二酸化チタン(二酸化チタンの平均粒径0.21μm、商品名:PC−3、石原産業(株)製、全ての二酸化チタン粒子に有機シロキサンが付着している)
(B−2):アルミナで表面処理された二酸化チタン(二酸化チタンの平均粒径は0.21μm、商品名:CR−60、石原産業(株)製)
(B−3):アルミナ、シリカ、及びポリオールで表面処理された二酸化チタン(二酸化チタンの平均粒径は0.28μm、商品名:CR−95、石原産業(株)製)
(C)無機充填剤
(C−1):球状溶融シリカ((株)龍森製商品、平均粒径10μm)
(D)硬化促進剤
(D−1)第4級ホスホニウムブロマイド(U−CAT(登録商標)5003、サンアプロ(株)製商品)
(D−2)1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2PZ、四国化成工業(株)製商品)
(E)酸化防止剤
(E−1)ホスファイト系酸化防止剤(PEP−8、ADEKA(株)製商品)
(F)離型剤
(F−1)カルナバワックス(TOWAX(登録商標)−131、東亜化成(株)製商品)
(F−2)プロピレングリコールモノベヘネート(PB−100、理研ビタミン(株)製商品)
(G)カップリング剤
(G−1)シランカップリング剤:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学工業(株)製商品)
(H)アミン系安定剤
(H−1)ヒンダードアミン系光安定剤(アデカスタブ(登録商標)LA−81、ADEKA(株)製商品)
[合成例1]
(A)プレポリマーの調製
下記表1に示す各成分を、表1に記載の組成及び量にて配合し、表1に記載の温度及び時間加熱して反応させることにより、プレポリマーA〜Eを得た。
Figure 0006099584
[実施例1〜9、比較例1〜8]
下記表2及び表3に記載の量(質量部)で各成分を配合し、熱二本ロールにて溶融混合し、冷却、粉砕して熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。これらの組成物を以下に示す方法で評価した。結果を表2及び表3に示す。
組成物のハンドリング性
上記した通り熱二本ロールにより溶融混合した後の組成物の作業性を以下の基準で評価した。
○:溶融混合後、冷却することにより容易にタブレット化した。
×:溶融混合後、冷却することにより固化したがタックが残った、あるいは、冷却してもペースト状や半固体状でありタブレット化が困難であった。
スパイラルフロー値
各組成物をEMMI規格に準じた金型に充填し、成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm、成形時間90秒の条件で加熱成形した。得られた各成形物のスパイラルフロー値を測定した。
最低溶融粘度
高化式フローテスターを用い、10kgfの加圧下、直径1mmのノズルを用い、温度175℃で各組成物を溶融したときの粘度を測定した。最低溶融粘度を表2及び表3に示す。
室温での曲げ強度、曲げ弾性率
各組成物をJIS−K6911規格に準じた金型に充填し、成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm、成形時間90秒の条件で加熱成形し、次いで150℃で2時間ポストキュアした。ポストキュア後の硬化物の、室温(25℃)での曲げ強度、曲げ弾性率及びたわみを測定した。結果を表2及び表3に示す。
光反射率
各組成物を、成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm、成形時間90秒の条件で加熱し、直径50mm×厚さ3mmを有する円板型硬化物を作成した。エス・デイ・ジー(株)製X−rite8200を使用して、該硬化物の450nmでの光反射率(一次硬化後)を測定した。その後、150℃2時間または175℃1時間でポストキュアを行った。同様にエス・デイ・ジー(株)製X−rite8200を使用して、ポストキュア後の硬化物の450nmでの光反射率(二次硬化後)を測定した。結果を表2及び表3に示す。
Figure 0006099584
Figure 0006099584
表3に示すように、従来の熱硬化性エポキシ樹脂組成物から得られた硬化物は、一次加熱硬化直後は高い反射率を有するが二次硬化(ポストキュア)により反射率が低下する。これに対し、表2に示す通り、有機シロキサン処理を行なった白色顔料を含有する本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物から得られた硬化物は、一次加熱硬化後の反射率が高く、かつ、二次硬化(ポストキュア)後に高い反射率を維持することができる。また、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物はスパイラルフロー値が大きく、最低溶融粘度が低い。そのため成形性に優れる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、二次硬化後にも高い反射率及び白色度を有する硬化物を与える。従って、製品化後の初期反射率及び初期輝度が高い光反射材(リフレクター)及び光半導体装置を提供することができる。また、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は成形温度での流動性に優れるため成形性が良好である。従って、LED用の光反射材(リフレクター)、あるいは光半導体素子封止用の樹脂組成物として有用である。

Claims (8)

  1. (A)(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを反応させて得られるプレポリマーであり、(A−2)成分中の酸無水物基の合計個数に対する(A−1)成分中のエポキシ基の合計個数の比が0.6〜2である 100質量部、
    (B)白色顔料 3〜300質量部、
    (C)無機充填剤(但し、白色顔料を除く) 80〜600質量部、及び
    (D)硬化促進剤 0.05〜5質量部
    を含み、前記(B)白色顔料の50〜100質量%が、有機シロキサンで表面処理された二酸化チタンであることを特徴とする、熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  2. (E)酸化防止剤を0.01〜10質量部の量で更に含む、請求項1記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3. (B)白色顔料の平均粒径が1μm以下である、請求項1または2記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4. (A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂が、1,3,5−トリアジン誘導体エポキシ樹脂である、請求項1〜のいずれか1項記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記プレポリマーが、下記一般式(1):
    Figure 0006099584
    (式中、Rは酸無水物残基であり、mは0〜200の整数である)
    で示される、請求項1〜のいずれか1項記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物が硬化されてなる硬化物。
  7. 請求項6記載の硬化物からなる光半導体素子ケースを備える光半導体装置。
  8. 請求項または記載の硬化物で半導体素子が封止されている光半導体装置。
JP2014047526A 2014-03-11 2014-03-11 白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 Active JP6099584B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014047526A JP6099584B2 (ja) 2014-03-11 2014-03-11 白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014047526A JP6099584B2 (ja) 2014-03-11 2014-03-11 白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015172104A JP2015172104A (ja) 2015-10-01
JP6099584B2 true JP6099584B2 (ja) 2017-03-22

Family

ID=54259626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014047526A Active JP6099584B2 (ja) 2014-03-11 2014-03-11 白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6099584B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017071708A (ja) * 2015-10-08 2017-04-13 信越化学工業株式会社 熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置
JP6580948B2 (ja) * 2015-11-04 2019-09-25 旭化成株式会社 リフレクター及び光半導体装置
JP2017095548A (ja) * 2015-11-19 2017-06-01 信越化学工業株式会社 光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体装置
JP6459943B2 (ja) * 2015-12-10 2019-01-30 信越化学工業株式会社 光反射用白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体装置
WO2017131152A1 (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 クラスターテクノロジー株式会社 白色リフレクター用硬化性エポキシ樹脂組成物及びその硬化物、光半導体素子搭載用基板、並びに光半導体装置
KR101941888B1 (ko) * 2017-08-08 2019-01-25 대주전자재료 주식회사 열경화성 광반사용 수지 조성물의 제조 방법 및 이에 의하여 제조된 열경화성 광반사용 수지 조성물
JP6864639B2 (ja) * 2018-03-12 2021-04-28 信越化学工業株式会社 白色熱硬化性エポキシ樹脂の高強度硬化物、光半導体素子用リフレクター基板、及びこれらの製造方法、並びに硬化物の高強度化方法
JP2021080470A (ja) * 2021-02-12 2021-05-27 信越化学工業株式会社 白色熱硬化性エポキシ樹脂の高強度硬化物、光半導体素子用リフレクター基板、及びこれらの製造方法、並びに硬化物の高強度化方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012172012A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置
JP5917137B2 (ja) * 2011-12-27 2016-05-11 株式会社カネカ 表面実装型発光装置用樹脂成形体およびそれを用いた発光装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015172104A (ja) 2015-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6099584B2 (ja) 白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置
KR101725996B1 (ko) 광 반도체 기판 형성용 백색 열경화성 실리콘 에폭시 혼성 수지 조성물 및 그의 제조 방법, 및 프리몰드 패키지 및 led 장치
JP2008189827A (ja) 熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
US20100001311A1 (en) Heat-curable silicone resin-epoxy resin composition, and premolded package molded from same
JP2008189833A (ja) 熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2008192880A (ja) 発光装置及びその製造方法並びに発光装置用成形体
KR101869704B1 (ko) 열경화성 에폭시 수지 조성물 및 광반도체 장치
JP2016180071A (ja) Ledリフレクター用白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2018039956A (ja) 熱硬化性エポキシ樹脂組成物および半導体装置
TWI671325B (zh) 白色熱固性環氧樹脂組合物及以該組合物所形成的光半導體元件用反光罩以及具有該反光罩的光半導體裝置
JP6048367B2 (ja) Ledリフレクター用白色熱硬化性エポキシ・シリコーンハイブリッド樹脂組成物、及び該樹脂組成物の成形硬化物から成るプレモールドパッケージ
JP6459943B2 (ja) 光反射用白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体装置
JP6142782B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置
JP5281040B2 (ja) 熱硬化性エポキシ樹脂組成物、プレモールドパッケージ、led装置及び半導体装置
JP2014095039A (ja) 熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置
JP6094450B2 (ja) Ledリフレクター用白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物、及び該組成物の硬化物を含む光半導体装置
JP2014095051A (ja) 熱硬化性エポキシ樹脂組成物、該組成物を用いたled用リフレクター及びled装置
JP6864639B2 (ja) 白色熱硬化性エポキシ樹脂の高強度硬化物、光半導体素子用リフレクター基板、及びこれらの製造方法、並びに硬化物の高強度化方法
JP2021080470A (ja) 白色熱硬化性エポキシ樹脂の高強度硬化物、光半導体素子用リフレクター基板、及びこれらの製造方法、並びに硬化物の高強度化方法
JP5924840B2 (ja) 熱硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2019156991A (ja) 白色リフレクター用熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び該組成物の硬化物からなる白色リフレクター
JP6706219B2 (ja) 白色熱硬化性エポキシ・シリコーンハイブリッド樹脂組成物及び光半導体装置
JP6583156B2 (ja) 光半導体素子封止用白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体装置
JP2016079344A (ja) フォトカプラー一次封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置
JP2024066533A (ja) 白色リフレクター用熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び該組成物の硬化物からなる白色リフレクター

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6099584

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150