JP6864639B2 - 白色熱硬化性エポキシ樹脂の高強度硬化物、光半導体素子用リフレクター基板、及びこれらの製造方法、並びに硬化物の高強度化方法 - Google Patents

白色熱硬化性エポキシ樹脂の高強度硬化物、光半導体素子用リフレクター基板、及びこれらの製造方法、並びに硬化物の高強度化方法 Download PDF

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本発明は、白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化して成る高強度硬化物及び該硬化物の製造方法、並びに、該高強度硬化物より成る光半導体素子用リフレクター基板、及び該高強度硬化物により封止された光半導体素子を有する光半導体装置に関する。更には、白色熱硬化性エポキシ樹脂硬化物の高強度化方法に関する。
LED(Light Emitting Diode)等の光半導体素子は、街頭ディスプレイや自動車ランプ、住宅用照明などの種々のインジケーターや光源として利用されるようになっている。特に、二酸化炭素削減や省エネルギーを達成するため、各分野で光半導体素子を応用した製品の開発が急速に進んでいる。
LED等の各種光半導体素子を封止するための封止材は、透明性、耐湿性、耐熱性及び耐光性を有していなければならないので、その材料として、昔からビスフェノールA型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂とともに酸無水物系の硬化剤とを用いた熱硬化性エポキシ樹脂が用いられている(特許文献1)。
従来より、光半導体素子封止材の経時変化を低減すべく様々な検討がされている。例えば、特許文献2には、エポキシ樹脂組成物硬化物中のイオン性不純物、つまり加水分解性塩素、及び硬化促進剤等の微量添加剤に起因するハロゲンイオンの量を低減することで、経時劣化を低減することが記載されている。また、特許文献3には、特定のLEDチップを利用した場合にも経時変化が極めて少なく光利用効率に優れた発光ダイオードが記載され、発光素子を被覆する樹脂として非芳香族エポキシ樹脂を用いることが記載されている。
さらに、特許文献4は、長時間の通電においても光度低下が非常に小さい光半導体装置を記載しており、光半導体素子の周りを、脂環式エポキシ化合物とモノアリルジグリシジルイソシアヌレートとポリカーボネートポリオールと、アクリルブロック共重合体を含む硬化性樹脂組成物を用いて封止した後、更にその封止樹脂の周りを、エポキシ化合物と脂環式ポリエステル樹脂を含む硬化性樹脂組成物を用いて封止することを記載している。
特開平7−309927号公報 特開平9−213997号公報 特開2000−196151号公報 特開2012−222229号公報
しかし、上記特許文献に記載のように多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、又は芳香族を持たない酸無水物硬化剤を単純に溶融させて用いた場合、封止樹脂として強度低下を引き起こしやすく、このような熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止して成形した際に、樹脂クラックが発生しやすいという問題がある。また、LEDリフレクター用白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物には白色顔料が含有されており、該白色顔料は補強性に乏しいため、白色顔料を含まない半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物と比較しても白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物は強度に乏しいという問題もある。
そこで本発明は、白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化して成る硬化物であって、成形物の強度が向上し、パッケージを個片化した際にクラックが発生しにくく、高いハンドリング性を有する高強度硬化物及びその製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物で受光素子その他の半導体素子を封止した半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ね、耐熱性維持等の目的で従来よりエポキシ樹脂組成物に添加されていた酸化防止剤に着目したところ、ある硬度以下の酸化防止剤又は液状の酸化防止剤を添加したエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は、酸化防止剤を含まない硬化物に比較して硬度が低下するのに対し、特定の硬度以上を有する酸化防止剤を添加することにより硬化物の硬度が高くなることを見出した。更に、エポキシ樹脂組成物における酸化防止剤の添加量は少量であるが硬化物の硬度に大きく影響していることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、下記(A)〜(E)成分を含有する熱硬化型エポキシ樹脂組成物を硬化して成る高強度硬化物を提供する。
(A)(A−1)エポキシ樹脂及び(A−2)酸無水物硬化剤、及び/又は、(A−1)エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物硬化剤との反応物であるプレポリマー :100質量部
該(A)成分において、前記(A−2)成分中の酸無水物基の個数に対する前記(A−1)成分中のエポキシ基の個数の比が0.6〜2.0であり、
(B)白色顔料:3〜300質量部
(C)無機充填材(ただし、(B)白色顔料を除く):80〜600質量部
(D)硬化促進剤:0.05〜5質量部、及び
(E)リン系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤から選ばれる1種以上を含む、25℃で固体の酸化防止剤 0.01〜10質量部
前記酸化防止剤がJIS K 7215:1986に準拠した25℃でのタイプD硬度計による硬さ40以上を有することを特徴とする、前記高強度硬化物(ただし、前記熱硬化型エポキシ樹脂組成物は、25℃でのタイプD硬度計による硬さ40未満を有する酸化防止剤を含まない)。
なお、本発明において高強度硬化物とは、厚さ4mmの硬化物において、JIS K 6911:2006規格に準拠した強度95MPa以上を有することを意味する。好ましくは96MPa以上140MPa未満、更に好ましくは98MPa以上135MPa未満である。
さらに、本発明は下記(A)〜(D)成分
(A)(A−1)エポキシ樹脂及び(A−2)酸無水物硬化剤、及び/又は、(A−1)エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物硬化剤との反応物であるプレポリマー :100質量部
該(A)成分において、前記(A−2)成分中の酸無水物基の個数に対する前記(A−1)成分中のエポキシ基の個数の比が0.6〜2.0であり、
(B)白色顔料:3〜300質量部
(C)無機充填材(ただし、(B)白色顔料を除く):80〜600質量部、及び
(D)硬化促進剤:0.05〜5質量部
を含有する熱硬化性エポキシ樹脂組成物に、(E)25℃で固体でありJIS K 7215:1986に準拠した25℃でのタイプD硬度計による硬さ40以上を有することを特徴とする酸化防止剤を、前記(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部で添加することにより、前記熱硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化して成る硬化物の強度を高める方法を提供する。
本発明の硬化物は高強度を有し、従って、パッケージを個片化した際にクラックが発生しにくくなるなど高いハンドリング性を有することができる。更に、本発明の硬化物は長期耐熱性にも優れ、受光素子又はその他の半導体素子を封止するのに好適であり、信頼性に優れた半導体装置を提供することができる。
更に好ましい態様として、上記(A)成分としてプレポリマーを含む熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、室温で加圧成形可能であり、シート状又はタブレット状等に成形することができる。該成形された組成物により取り扱い性及び作業性を向上することができる。
熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用いたリフレクター基板(一例)の模式図である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(A)成分
本発明において(A)成分は、(A−1)エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物硬化剤との混合物及び/またはこれらの反応物であるプレポリマーであり、(A−2)成分中の酸無水物基の個数に対する(A−1)成分中のエポキシ基の個数の比が0.6〜2.0であるような混合物及び/またはプレポリマーである。以下、さらに詳細に説明する。
(A−1)エポキシ樹脂
本発明で用いられる(A−1)成分のエポキシ樹脂としては従来の熱硬化性光反射用樹脂組成物やエポキシ樹脂成型材料として通常配合されているものであれば、特に制限されることないが、耐熱性、耐光性の観点からイソシアヌル環を有するエポキシ樹脂を使用することが好ましい。イソシアヌル環を有するエポキシ樹脂と酸無水物とを特定の割合で反応させて得られる反応物を樹脂成分として含有することにより、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の黄変を抑制し、且つ経時劣化の少ない半導体発光装置を提供することができる。かかるイソシアヌル環を有するエポキシ樹脂としては2価の、より好ましくは3価のエポキシ基を有することが望ましい。例えばトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート、及びトリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート等を用いることができる。また、該エポキシ樹脂は、1種単独で用いても、2種以上併用しても構わない。
(A−2)酸無水物
本発明で用いられる(A−2)成分の酸無水物は、エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものである。酸無水物としては特に制限されることはないが、耐光性を与えるために非芳香族であり、且つ炭素−炭素二重結合を有さないものが好ましく、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物などが挙げられ、これらの中でもヘキサヒドロ無水フタル酸及び/またはメチルヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの酸無水物系硬化剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
(A)成分を、(A−1)エポキシ樹脂と、(A−2)酸無水物との混合物として含有する場合には、(A−2)酸無水物の配合量としては、上記した(A−2)酸無水物基1モルに対し、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂中の総エポキシ基が0.6〜2.0モルであり、好ましくは0.8〜2.0モル、更に好ましくは1.0〜1.8モルである。(総エポキシ基のモル数)/(酸無水物のモル数)が上記下限値未満では未反応硬化剤が硬化物中に残り、得られる硬化物の耐湿性を悪化させる場合がある。また上記上限値超では硬化不良が生じ、得られる半導体装置の信頼性が低下する場合がある。尚、エポキシ樹脂及び酸無水物硬化剤を予めプレポリマー化せずに混合した組成物は室温でペースト状となる。
またエポキシ樹脂組成物が(A)成分を、(A−1)エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物との反応物であるプレポリマーとして含有する場合には、(A−1)エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを、〔(A−1)成分が有するエポキシ基〕/〔(A−2)成分が有する酸無水物基〕のモル比0.6〜2.0、好ましくは0.8〜2.0、更に好ましくは1.0〜1.8で配合し、必要に応じて(E)成分として後述する酸化防止剤及び/又は(D)成分として後述する硬化促進剤の存在下において、反応させて得られた固体生成物(即ち、プレポリマー)を(A)樹脂成分とすればよい。このとき、該固体生成物は粉砕等により微粉末状態で用いることが好ましい。該微粉末の粒子径は5μm〜3mmの範囲が好ましい。上記のモル比が上述した下限値未満では未反応硬化剤が硬化物中に残り、得られる硬化物の耐湿性を悪化させる場合がある。また上記上限値超では硬化不良が生じ、得られる半導体装置の信頼性が低下する場合がある。
(A−1)エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物との反応は、例えば、60〜120℃、好ましくは70〜110℃にて4〜20時間、好ましくは6〜15時間反応させればよい。あるいは、(A−1)成分、(A−2)成分及び(D)硬化促進剤を、予め30〜80℃、好ましくは40〜70℃にて2〜12時間、好ましくは3〜8時間反応させる方法でもよい。該工程において、(E)酸化防止剤を添加しておくこともできる。
上記反応により得られるプレポリマーは、室温で固体状であり、軟化点40〜100℃、好ましくは45〜70℃を有する。該プレポリマーは、粉砕等により微粉状化して本発明のエポキシ樹脂組成物に配合するのが好ましい。上記プレポリマーの軟化点が40℃未満では室温で固体とはならず、100℃を超えるとエポキシ樹脂組成物に配合した後、成型時に必要な流動性が低くなりすぎるおそれがある。該プレポリマーを配合することにより、得られるエポキシ樹脂組成物は室温で加圧成形しやすくなりタブレット化が容易になるため好ましい。
(A)成分は、上記(A−1)成分及び(A−2)成分の混合物のみ、上記(A−1)成分と(A−2)成分との反応物であるプレポリマーのみ、又はこれらの併用であればよい。併用する場合は、前記混合物とプレポリマーを別々に準備して用いてもよいし、プレポリマーの合成において意図的に反応を途中で停止し、生成したプレポリマーと未反応の(A−1)成分及び(A−2)成分の混合物とが混在した状態で用いてもよい。
(B)白色顔料
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、白色度を高めるために白色顔料を配合する。これにより、得られる硬化物は光半導体装置のリフレクター(反射板)等として有用となる。ここで、白色顔料とは(A)成分の熱硬化性エポキシ樹脂に5質量%加えたとき、450nmにおける反射率が80%以上の値を示すものと定義し、それ以下の値を示すものは(C)成分の無機充填材とする。かかる白色顔料としては、酸化チタン、酸化イットリウムを代表とする希土類酸化物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等が挙げられるが、白色度をより高めるために酸化チタンが好ましい。白色顔料は1種類でも、2種以上の併用であってもよい。
上記白色顔料としては、上述の通り、硬化物の白色度をより高めるために酸化チタンが好ましい。該酸化チタンの単位格子はルチル型、アナタース型、及びブルカイト型のいずれでもよい。また、平均粒径や形状は限定されるものでなく、平均粒径は通常0.05〜5.0μmであり、好ましくは1.0μm以下であり、より好ましくは0.30μm以下である。なお、本発明において、白色顔料の平均粒径とは、レーザー光回折法による粒度分布測定において質量平均値D50(又はメジアン径)として求められるものである。
上記酸化チタンの製造方法は特に制限されるものでない。硫酸法、塩素法などいずれの方法により製造されたものであってもよいが、白色度の観点から塩素法が特に好ましい。
上記白色顔料、特に酸化チタンは、凝集性や光触媒活性を低下させるために表面をアルミナで表面処理されたものを用いるのがよい。さらに、樹脂や他の無機充填材との相溶性、分散性を高めるため、シリカ、アルミナ、ジルコニア、ポリオール及び有機ケイ素化合物のうち少なくとも1つ以上でさらに表面処理されたものが好ましい。中でも、白色顔料の分散性を高めるためには、アルミナで表面処理された白色顔料表面を、アルミナ、シリカ、又はジルコニアなどの含水酸化物等でさらに表面処理することが好ましい。エポキシ樹脂との濡れ性や相溶性を高めるためには、ポリオール処理することが好ましい。また、白色熱硬化性エポキシ樹脂から得られる硬化物の初期反射率の向上、流動性を高めるためには、有機ケイ素化合物で処理することが好ましい。有機ケイ素化合物の例としては、クロロシランやシラザン、エポキシ基やアミノ基などの反応性官能基を有するシランカップリング剤などの単量体有機ケイ素化合物、シリコーンオイルやシリコーンレジンなどのオルガノポリシロキサンなどが挙げられる。なお、ステアリン酸のような有機酸など、通常酸化チタンの表面処理に用いられる他の処理剤を用いてもよく、上記の処理以外の方法で表面処理を行っても構わなく、また、複数の表面処理を行っても構わない。
組成物中、白色顔料の量は、(A)成分100質量部に対し、3〜300質量部、好ましくは5〜250質量部がよい。上記下限値未満では、硬化物が十分な白色度を有さない場合がある。また、上記上限値を超えると機械的強度向上の目的で添加する他成分の割合が少なくなるだけでなく、成形性が著しく低下することがある。なお、該白色顔料の配合量は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物全体に対して1〜50質量%であるのがよく、好ましくは3〜40質量%の範囲であるのがよい。
(C)無機充填材
(C)成分は上記(B)成分以外の無機充填材である。該無機充填材は、従来公知のエポキシ樹脂組成物に配合されるものであればよい。例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、三酸化アンチモン等が挙げられるが、上記した(B)成分の白色顔料(白色着色剤)は除かれる。これら無機充填剤の平均粒径や形状は特に限定されないが、平均粒径は通常3〜50μmである。なお、本発明において、無機充填剤の平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における累積質量平均値D50(又はメジアン径)として求められるものである。
特に、破砕シリカ、溶融球状シリカ等のシリカ系無機充填材が好適に用いられ、その粒径は特に限定されるものではないが、成形性、流動性からみて、溶融球状シリカが好ましく、平均粒径は4〜40μm、特には7〜35μmが好ましい。また、高流動化を得るには、0.1〜3μmの微細領域、4〜8μmの中粒径領域、10〜50μmの粗領域のものを組み合わせるのが好ましい。
上記(C)無機充填材は、(A)樹脂成分及び(B)白色顔料との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤で予め表面処理されたものが好ましい。
カップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどが挙げられる。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではないが、150℃以上に放置した場合に処理フィラーが変色しないものが好ましい。
(C)無機充填材の配合量は、(A)成分100質量部に対し、80〜600質量部、特に200〜600質量部が好ましい。上記下限値未満では、硬化物が十分な強度を有することができないおそれがある。上記上限値を超えると、組成物の増粘による未充填不良や柔軟性が失われるため、該組成物の硬化物で半導体素子を封止する際に、剥離等の不良が発生する場合がある。なお、(C)無機充填材の配合量は、組成物全体の10〜90質量%であるのが好ましく、特には、20〜80質量%の範囲であることが好ましい。
(D)硬化促進剤
(D)硬化促進剤は、熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させるために機能する。該硬化促進剤としては、エポキシ樹脂組成物の硬化触媒として公知のものであればよく、特に限定されない。例えば、第三級アミン類、イミダゾール類、それらの有機カルボン酸塩、有機カルボン酸金属塩、金属−有機キレート化合物、芳香族スルホニウム塩、有機ホスフィン化合物類、ホスホニウム化合物類等のリン系硬化触媒、これらの塩類等の1種又は2種以上を使用することができる。これらの中でも、イミダゾール類、リン系硬化触媒、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール又はメチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェイト、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、第三級アミンのオクチル酸塩が更に好ましい。また、第四級ホスホニウムブロマイドとアミンの有機酸塩の併用も好ましく用いられる。
硬化促進剤の量は、(A)成分100質量部に対して0.05〜5質量部、特には0.1〜2質量部の範囲内で配合することが好ましい。上記範囲を外れると、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性及び耐湿性のバランスが悪くなったり、成形時の硬化速度が遅すぎたり、速すぎたりして、所望の硬化速度が得られないおそれがある。
(E)酸化防止剤
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、初期反射率向上及び長期での反射率維持のために(E)25℃で固体の酸化防止剤を含有し、該酸化防止剤が特定の硬度を有することを特徴とする。即ち、JIS K 7215:1986記載の方法で測定した酸化防止剤の硬さが、タイプD硬度で40以上であることを特徴とする。なお、本発明において、酸化防止剤の硬さとは、固体状もしくは結晶状の酸化防止剤1.5gを直径16mmのタブレット形状に25℃雰囲気下、荷重30kNで加圧成形し、その成形体の硬さをデュロメータ タイプD硬度計で測定することで得られた数値である。硬度が上記40未満である酸化防止剤や室温で液状である酸化防止剤を添加すると、添加量が少量であっても、酸化防止剤を添加しない硬化物に比較して、硬化物の硬度を低下させてしまう。これは、低硬度の酸化防止剤や液状の酸化防止剤が可塑剤のように機能してしまうためと考えられる。これに対し、室温(25℃)で上記タイプD硬度40以上を有する酸化防止剤をエポキシ樹脂組成物に添加することで、高強度を有する硬化物を提供することができる。
酸化防止剤の配合量は(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部、特に0.03〜8質量部とすることが好ましい。配合量が少なすぎると十分な耐熱性が得られず、変色する場合があり、多すぎると硬化阻害を起こし、得られる硬化物が十分な強度を有さない場合がある。
(E)酸化防止剤としては、上述した硬度を有するものであればよいが、例えば、フェノール系、リン系、又は硫黄系酸化防止剤が挙げられる。これらは1種単独であっても、2種以上の併用であってもよい。また、特性を損なわない範囲で、25℃でまた、これら高硬度を有する酸化防止剤に併せて、液状の酸化防止剤又は硬さがタイプD硬度で40より低い酸化防止剤を添加することもできる。その場合の配合量は、酸化防止剤の合計量として上述した範囲を満たし、本発明の効果を損なわない範囲の量であればよい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート][(株)ADEKA製商品名:アデカスタブAO−60(タイプD硬度:67)、BASF製商品名:IRGANOX 1010(タイプD硬度:63)]や、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン[(株)ADEKA製商品名:AO−80(タイプD硬度:60)、住友化学(株)製商品名:SUMILIZER GA−80(タイプD硬度:68)]などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン[(株)ADEKA製商品名:アデカスタブPEP−36(タイプD硬度:45)]や9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド[三光(株)製商品名:HCA(タイプD硬度:67)]などが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、2,2−ビス{[3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロポキシ]メチル}プロパン−1,3−ジイル ビス[3−(ドデシルチオ)プロピオネート][(株)ADEKA製商品名:アデカスタブAO−412S(タイプD硬度:41)]などが挙げられる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分に加え、更に下記の成分を含有してもよい。
(F)離型剤
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は離型剤を含有することができる。離型剤は成形時の離型性を高めるために機能する。離型剤は、従来公知のものであればよい。例えば、カルナバワックスをはじめとする天然ワックス、酸ワックス、ポリエチレンワックス、脂肪酸エステル等の合成ワックスが挙げられる。しかし、これらの中には高温条件下や光照射下で容易に黄変したり、経時劣化し、離型性を有しなくなるものがある。そのため、上記の中でも、変色の少ないグリセリン誘導体及び脂肪酸エステル、又は、経時で変色が少ないカルナバワックスが好ましい。
離型剤の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.05〜7.0質量部であるのがよく、特には0.1〜5.0質量部が好ましい。離型剤の量が上記範囲内にあれば良好な離型性を与えることができる。また、上記上限値を超えると、得られる硬化物は、沁み出し不良や接着性不良等が起こる場合がある。
(G)カップリング剤
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、樹脂と無機充填材との結合強度を強くしたり、金属との接着力を向上させたりするために、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤を配合することができる。カップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどを用いることが好ましい。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではないが、アミン系のシランカップリング剤のように、150℃以上に放置した場合に樹脂が変色するものは好ましくない。
(G)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜8.0質量部、好ましくは0.5〜6.0質量部であればよい。上記範囲内であれば十分な接着効果を与えることができる。また、上記上限値を超えると、粘度が極端に低下して、ボイドの原因になるおそれがある。
その他の添加剤
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、更に必要に応じてその他の添加剤を含有することができる。例えば、樹脂の性質を改善する目的でガラス繊維やチタン酸カリウム等の補強材、シリコーンパウダー、シリコーンオイル、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム等の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の製造方法としては、エポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、白色顔料、無機充填材、硬化促進剤、酸化防止剤、及びその他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して熱硬化性エポキシ樹脂組成物の成形材料とすることができる。粉砕した前記熱硬化性エポキシ樹脂組成物は室温で加圧成形可能である。たとえば、15〜40℃、好ましくは20〜30℃で加圧成型できることが好ましい。加圧成形により組成物をタブレット状又はシート状などに成形することで、以後の取り扱いがさらに容易になるため好ましい。この際、エポキシ樹脂は取り扱いの面からして、予めエポキシ樹脂と酸無水物硬化剤との反応物(プレポリマー)として混合するのがよい。プレポリマーとして混合することで、室温で組成物の加圧成形が容易となり、タブレット状へ成形しやすくなるため好ましい。また、上述した通りエポキシ樹脂と酸無水物硬化剤とを反応させる工程において酸化防止剤を添加することも好ましい。
本発明の組成物は加熱により硬化する。より好ましい態様としては、タブレット状又はシート状に成形した組成物を、トランスファー成形機や圧縮成形機等の金型に投入し、加熱・加圧成形することにより組成物を硬化して、リフレクター基板などの硬化物を得る。該硬化条件は特に制限されないが、120〜190℃、更には150〜185℃、特には130〜160℃で、30〜600秒、更には120〜300秒、特には30〜180秒、加熱することで硬化できる。更に、後硬化を150〜185℃で0.5〜20時間行ってよい。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物はリフレクターとして好適である。リフレクターの最も一般的な成形方法としては、トランスファー成形法や圧縮成形法が挙げられる。トランスファー成形法では、トランスファー成形機を用い、成形圧力5〜20N/mm、成形温度120〜190℃で成形時間30〜500秒、特に成形温度150〜185℃で成形時間30〜180秒で行うことが好ましい。また、圧縮成形法では、コンプレッション成形機を用い、成形温度は120〜190℃で成形時間30〜600秒、特に成形温度130〜160℃で成形時間120〜300秒で行うことが好ましい。更に、いずれの成形法においても、後硬化を150〜185℃で0.5〜20時間行ってよい。
また、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、上記リフレクター以外にも、半導体用封止材や車載用各種モジュールなどの封止材としても有用である。この場合、エポキシ樹脂組成物は着色剤としてカーボンブラックなど含有するのがよい。カーボンブラックとしては市販品等公知のものであればよいが、アルカリ金属やハロゲンを多く含まない純度のよいものが好ましい。該封止材としての使用態様においても、上記の通り組成物を予めタブレット状又はシート状に加圧成形しておくことにより、作業性を向上することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例及び比較例で使用した各成分は以下の通りである。
(A−1)エポキシ樹脂
トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート(TEPIC−S:日産化学(株)製商品名)
(A−2)酸無水物
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH:新日本理化(株)製商品名)
(B)白色顔料
(B−1):アルミナ処理された表面をさらにポリオール処理された、平均粒径0.25μmの酸化チタン(CR−50−2:石原産業(株)製商品名)
(C)無機充填材
(C−1):平均粒径10μmの球状溶融シリカ((株)龍森製)
(D)硬化促進剤
(D−1)1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2PZ:四国化成工業(株)製商品名)
(E)酸化防止剤
(E−1)フェノール系酸化防止剤:SUMILIZER GA−80(タイプD硬度:68、住友化学(株)製商品名)
(E−2)リン系酸化防止剤:HCA(タイプD硬度:67、三光(株)製商品名)
(E−3)硫黄系酸化防止剤:アデカスタブAO−412S(タイプD硬度:41、(株)ADEKA製商品名)
(E−4)フェノール系酸化防止剤:IRGANOX 1130(タイプD硬度:19、BASF製商品名)
(E−5)リン系酸化防止剤:アデカスタブPEP−8(タイプD硬度:10以下、ADEKA(株)製商品名)
(E−6)リン系酸化防止剤:アデカスタブ3010(室温にて液状、ADEKA(株)製商品名)
(F)離型剤
(F−1)カルナバワックス(TOWAX−131:東亜化成(株)製商品名)
(G)カップリング剤
シランカップリング剤:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803:信越化学工業(株)製商品名)
[合成例1]
(A)エポキシ樹脂プレポリマーの製造
上記(A−1)成分 43.6質量部及び上記(A−2)成分 56.4質量部(エポキシ基当量/酸無水物基当量=1.3)を、ゲートミキサーに投入し、80℃8時間で加熱溶融混合することにより、プレポリマーを得た。
[実施例〜3、参考例1,4,比較例1〜4]
表1に示す配合(質量部)で各成分を熱二本ロールにて混合し、冷却、粉砕して熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。該熱硬化性エポキシ樹脂組成物につき、以下の諸特性を測定した。結果を表1に記載する。
<スパイラルフロー値>
EMMI規格に準じた金型を使用して、成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm、成形時間90秒の条件で、上記熱硬化性エポキシ樹脂組成物の成形体を作製し、スパイラルフロー値を測定した。
<曲げ強さ、曲げ弾性率>
JIS K 6911:2006規格に準じた金型を使用して、成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm、成形時間90秒の条件で上記熱硬化性エポキシ樹脂組成物を成形し、150℃で2時間ポストキュアーした。室温(25℃)にて各硬化物の曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。
<光反射率(初期光反射率、長期耐熱性試験)>
成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm、成形時間90秒の条件で、直径50mm×厚さ3mmの円板型硬化物を作成し、その後、150℃2時間の二次硬化を行い、エス・デイ・ジー(株)製X−rite8200を使用して450nmでの初期光反射率を測定した。反射率を測定したサンプルを180℃の雰囲気下に置き、336時間放置後の光反射率を測定し、長期耐熱性を評価した。
<パッケージ強度、耐クラック試験>
図1に示すように、各エポキシ樹脂組成物(図1の符号101)と全表面を銀メッキした銅リードフレーム(図1の符号102)とを用いて、下記の成形条件で、該組成物を全トランスファー成形して、マトリックスタイプの凹型リフレクター基板(図1の符号10)を作成した。
成形温度:175℃
成形圧力:100N/mm
成形時間:90秒
更にポストキュアーを150℃で2時間行った。
このマトリックスタイプのリフレクター基板(符号10)をダイシングすることで個片化した。個片化した凹型リフレクター基板(図1の符号100)は、上部壁厚:1mm、縦38mm、横16mmを有した。個片化したリフレクター基板を開口部が上になるようにして三点曲げを実施し、パッケージ強度を測定した。JES022−B103規格に基づくクラック試験を行い、10個中クラック発生数が0のものを○、1つでも発生したものを×とした。
[参考例]
[タブレット作成]
実施例〜3、参考例1,4及び比較例1〜4の各熱硬化性エポキシ樹脂組成物において、金型温度10℃、25℃、40℃にて、直径16mm、重量7.0g、荷重30kNで加圧成形することでタブレット成形を行った。なお、タブレット成形には小型回転盤錠剤機(VELA5(株)菊水製作所製)を使用した。その結果、実施例〜3、及び参考例1及び4の組成物は10℃、25℃、及び40℃全ての温度条件にてタブレット化することができた。また、比較例1〜3の組成物も全ての温度条件でタブレット化できたが、比較例4の組成物は40℃の条件にて貼り付きが発生しやすく、安定的に打錠することができなかった。なお、参考例1と同じ組成及び配合比ではあるが、エポキシ樹脂及び酸無水物硬化剤を予めプレポリマー化せずに混合した組成物は、室温でペースト状であり、10℃、25℃、及び40℃では打錠できなかった。
Figure 0006864639
表1に示す通り、酸化防止剤を添加しない比較例1の組成物から得られる硬化物は、硬化物の曲げ強度や長期耐熱性に劣る。また、硬度が低い酸化防止剤を添加した比較例2及び3の組成物や液状の酸化防止剤を添加した比較例4の組成物から得られる硬化物は、比較例1の硬化物に対して長期耐熱性は改善されているが曲げ強度及び弾性率が低い。更に、該硬化物をリフレクター基板として個片化した際に、パッケージ強度及び耐クラック性にも劣る。これに対し、特定の硬度を有する酸化防止剤を添加した本発明のエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は、長期耐熱性に優れ、且つ、曲げ強度及び弾性率が高い。また、該硬化物をリフレクター基板として個片化した場合にもパッケージ強度が高く、耐クラック性に優れる(実施例1〜4)。
本発明の高強度硬化物は、曲げ強度及び曲げ弾性率が高く、反射率が高く、且つ、長期耐熱性に優れるため長期間反射率を維持できる。更に、リフレクター基板としたときのパッケージ強度にも優れる。従って、該硬化物はリフレクター基板として受光素子又はその他の半導体素子を封止するのに好適であり、信頼性に優れた半導体装置を提供することができる。
10:凹型リフレクター基板
100:個片化した凹型リフレクター基板
101:熱硬化性エポキシ樹脂組成物
102:リードフレーム

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(E)成分を含有する熱硬化型エポキシ樹脂組成物を硬化して成る高強度硬化物であって、
    (A)(A−1)エポキシ樹脂及び(A−2)酸無水物硬化剤、及び/又は、(A−1)エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物硬化剤との反応物であるプレポリマー :100質量部
    前記(A−2)成分中の酸無水物基の個数に対する前記(A−1)成分中のエポキシ基の個数の比が0.6〜2.0である、
    (B)白色顔料:3〜300質量部
    (C)無機充填材(ただし、(B)白色顔料を除く):80〜600質量部
    (D)硬化促進剤:0.05〜5質量部、及び
    (E)リン系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤から選ばれる1種以上を含む、25℃で固体の酸化防止剤 0.01〜10質量部
    前記酸化防止剤がJIS K 7215:1986に準拠した25℃でのタイプD硬度計による硬さ40以上を有することを特徴とする、前記高強度硬化物(ただし、前記熱硬化型エポキシ樹脂組成物は、25℃でのタイプD硬度計による硬さ40未満を有する酸化防止剤を含まない)。
  2. 前記硬化物が厚さ4mmにおいてJIS K 6911:2006規格に準拠して測定される25℃での曲げ強さ95MPa以上を有することを特徴とする、請求項1記載の高強度硬化物。
  3. 前記(E)酸化防止剤が、さらにフェノール系酸化防止剤を含む、請求項1又は2記載の高強度硬化物。
  4. 前記(A−1)成分がイソシアヌル環を有するエポキシ樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項記載の高強度硬化物。
  5. 前記(A−2)成分が、非芳香族であり、及び炭素−炭素二重結合を有さない酸無水物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高強度硬化物。
  6. (B)白色顔料が、アルミナで表面処理された酸化チタンの表面をさらにシリカ、アルミナ、ジルコニア、ポリオール、及びシロキサンから選ばれる少なくとも1種で処理されているものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の高強度硬化物。
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