JP2014162863A - インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】着色剤、水および水溶性溶剤を含有するインクジェット記録用インクにおいて、前記着色剤として、液体クロマトグラフィーで展開した際、少なくとも2つのピークを持ち、高極性な第1のピーク面積S1に対する低極性な第2のピーク面積S2の比S2/S1が0.90未満であるC.I. Acid Orange 33を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
【選択図】なし
Description
このような色数を増やすことで、印字画像の粒状感を低減し、色空間を拡大することが可能となってきている。
このような染料の褪色に対して、特許文献1〜4などに記載されているように高耐侯性染料が開発され耐侯性に大きな進歩が得られている。
即ち、上記課題は次の発明によって解決される。
さらに本発明は、上記インクと特定のノズル部材との組合せで効果的な撥インク性を発現しノズル面のワイピング性を良好にし、吐出信頼性はもとより、信頼性維持機構のメンテナンス性にも優れた画像形成方法、装置を得ることができる。
本発明では、展開した液体クロマトグラフィーで染料C.I. Acid Orange 33の精製度を規定している。高極性なピーク面積S1に対する低極性なピーク面積S2の比S2/S1が0.90未満とすることで、ノズル部材に対する撥インク性を確保することができ、噴射曲がりの改善となる。さらにTLCによるピーク面積比S2/S1が0.7未満とすることで、フィルター通液性を確保することができ、長期吐出信頼性や装置寿命の改善となる。S2/S1の下限は、分離、精製のために要する工数の制約がなければ特にないものと考えられる。
好ましい展開溶媒としてはクロロホルム:メタノール:水=7:2:1の溶媒を挙げることができる。
多量の染料精製には、一般的に活性炭処理、カラムクロマトグラフィ、抽出、再結晶等の単独または複合処理により行うことが可能であるがこれらに限定されるものではない。
本発明のインクには着色剤としてその他の水溶性染料を用いることも可能である。
本発明に用いるその他の染料としては、プロセスカラーであるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに対しては耐候性が高い染料を用いることで、画像の耐久性を高めることが出来る。このような高耐候性の染料としては、公知の染料を用いることができる。
一例として下記のものを挙げることができる。
C.I.Direct Orange 6、8、10、26、29、39、41、49、51、62、102
C.I.Acid Orange 7、8、10、56、64
C.I.Food Yellow 3、4、5
上記のうち、色相と発色面からC.I.Acid Orange 33やC.I.Food Yellow 5を用いることが好ましい。
酸性染料及び食用染料としては下記のものを挙げることができる。
C.I..アシッド・イエロー 17、23、42、44、79、142
C.I..アシッド・レッド 1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289
C.I..アシッド・ブルー 9、29、45、92、249
C.I..アシッド・ブラック 1、2、7、24、26、94
C.I..フード・イエロー 2、3、4
C.I..フード・レッド 7、9、14
C.I..フード・ブラック 1、2
C.I..ダイレクト・イエロー 1、12、24、26、33、44、50、120、132、142、144、86
C.I..ダイレクト・レッド 1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227
C.I..ダイレクト・ブルー 1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202
C.I..ダイレクト・ブラック 19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171
C.I..ベーシック・イエロー 1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、465、67、70、73、77、87、91
C.I..ベーシック・レッド 2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112
C.I..ベーシック・ブルー 1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155
C.I..ベーシック・ブラック 2、8
C.I..リアクティブ・ブラック 3、4、7、11、12、17
C.I..リアクテイブ・イエロー 1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67
C.I..リアクティブ・レッド 1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97
C.I..リアクティブ・ブルー 1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95
また上記染料は水溶性染料のため有機塩として水中でイオン解離して可溶化しているが、溶解度の限界があり、インクには有機溶剤を含むため染料の溶解性を低下させる場合も多い。インク中の水分が揮発すると水溶成分として可溶化していた染料が析出してしまい、インク粘度の増加やノズル詰まりを引き起こしてしまう。さらに高濃度にすることでインク一滴当たりの着色力が上がってしまい、ドットの認識性が上がるため画像の粒状性を悪化させる傾向にある。
以上のことを鑑みて、インクへの染料総添加量は2質量%〜6質量%がより好ましい。
本発明に用いる画像保存性向上剤としては、ヒンダートアミン、紫外線吸収剤、酸化防止剤などがある。インクジェット記録画像は光やガスによる影響が大きいため、ヒンダートアミンや紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
本発明に用いるヒンダートアミンとしては、N−CH3タイプ、N−Hタイプ、N−ORタイプの何れも利用可能であるが、好ましくはN−CH3タイプ、N−ORタイプである。このようなヒンダートアミンはブチルカルビトールやブチルセルソルブと混合することで水混和可能なものもあるが、好ましくは水難溶性の液体、もしくは粉体を分散させたものである。
このように水分散されたヒンダートアミンは、BASF社のTINUVIN 123DW、ADEKA社のアデカノールUC−5225、アデカノールUC−606があり、樹脂分散を行っているTINUVIN 123DWが特に好ましい。
これらヒンダートアミンのインクへの添加量は、保護するべき染料濃度に依存しており、染料の固形分に対して有効成分量が1質量%〜10質量%が望ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
このような水分散品としては、BASF社のTINUVIN 1130、TINUVIN 99DW、TINUVIN 400DW、TINUVIN 477DW、ADEKA社のUC−3140があり、この中ではTINUVIN 477DWが特に好ましい。
これら紫外線吸収剤のインクへの添加量は、保護するべき染料濃度に依存しており、染料の固形分に対して有効成分量が1質量%〜10質量%が望ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
酸化防止剤のインクへの添加量は、0〜10質量%が望ましく、必要に応じて添加することが出来る。
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンが挙げられる。
したがって水溶性有機溶剤のインク中含有量は10〜50質量%程度とすることが好ましい。
このような水溶性有機溶剤はインクに対して0〜30質量%添加することが好ましい。
インクに用いられる界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が用いられる。色材の種類や湿潤剤、水溶性有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択する。
該市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越シリコーン株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社などから容易に入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(いずれも、信越化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
インクに用いる浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2質量%以上5.0質量%未満のポリオールの少なくとも1種を含有することが望ましい。
このようなポリオールのうち、脂肪族ジオールとしては具体的には以下のものが挙げられる。
2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
これらのなかで最も望ましいものは2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及びまたは2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールである。
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類
本発明に水分散性樹脂を添加しても構わない。
インクに用いられる水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えたものが、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用であり、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
このような水分散性樹脂を用いると画像の定着性、耐水性、耐ガス性を向上することが可能となるが、被記録媒体によっては樹脂が被膜化することで光沢性を変化させてしまう。また多量の添加はインクジェットヘッドのメニスカスの乾燥時に被膜を形成してしまうため、樹脂固形分5質量%以上の添加はノズルの目詰まりや光沢性の変化を引き起こすため好ましくない。
その他の成分としては特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えばpH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
pHが7未満か又は11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
インクは、染料、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤、水、必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、適宜攪拌混合して製造する。攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行なうことができ、通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうことができる。
インクの物性には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粘度や表面張力が下記の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は2〜20mPa・sが好ましい。吐出時のインク粘度を2mPa・s以上とすることによって、インクの吐出時の残留振動が起こりにくくなる効果があり、駆動波形による吐出後の振動抑制を行いやすくでき、短時間で次の吐出が出来るようになるため高速印字に適するようになる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を安定しやすくなる。使用環境に応じて粘度は変化するため、使用想定範囲でインク粘度が上記範囲を満たす事が好ましく、25℃における粘度は5〜10mPa・sがより好ましい。粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業社製)を使用して各温度に調温することで測定することができる。
・インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)
・発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)
・インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)
上記インクは、例えば印字時又は印字前後に記録媒体及び前記インクを50〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するプリンタ等に使用することもできる。
本発明の画像形成方法の対象となる記録媒体としては、支持体上に少なくとも1層以上のインク受容層を有する記録媒体であって、支持体上に、シリカ、ポリビニルアルコール及び架橋剤を含む下層をもち、アルミナもしくはコロイダルシリカとポリビニルアルコールを含み、かつ、ポリビニルアルコールの架橋剤を実質的に含有しない上層からなるインクジェット用記録媒体が好ましい。
また記録媒体表面に当たる上層は一次粒子径は小さく二次粒子径の大きなコロイダルシリカやアルミナを用いる事が好ましく、特にアルミニウム塩で処理したコロイダルシリカ粒子も好ましく使用することができる。
本発明の画像形成方法は、インクに刺激を印加し、記録媒体にインクを飛翔させて画像を形成する画像形成工程を有する。
画像形成工程は、インクに刺激(エネルギー)を印加し、処理液を塗布した記録媒体にインクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する工程である。
インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する方法としては、公知のあらゆるインクジェット記録方法を適用できる。このような方法としては、ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法や、ライン化されたヘッドを用いることにより、ある枚葉の記録媒体に画像記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
本発明のインクジェット記録装置は以下のタイプのものを含む。
・インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)
・発熱抵抗体を用いてインク流路内で熱エネルギーでインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)
・インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)
特に、振動板を変形させるピエゾ型のもの、熱エネルギーで吐出させるサーマル型のものが効果的である。
ノズル孔内壁面がシリコーン樹脂またはフッ素系撥水付与剤により形成された層に覆われている場合にも非常に効果的である。
フッ素系撥水付与剤は、低分子物質、樹脂などで特に限定されるものではないが、特開2002−145645号公報、特開平9−286639号公報、特開2000−94567号公報等に開示されたものが挙げられる。
そしてサブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジから所要量のインクがサブタンク135に補給される。
未精製のアシッドオレンジ33染料(Haihang Industry社製)7.0gを水100gに溶解し、約200gのベンジルアルコールで4回抽出した。エバポレータと減圧乾燥によりそれぞれ水相およびベンジルアルコール相の染料固体を得た。未精製品、水相精製品、ベンジルアルコール抽出品の染料を、クロロホルム:メタノール:水=7:2:1を展開溶媒として約5時間かけてシリカゲル担体にてTLC展開した。得られたクロマトグラムをスキャナに取り込み、各スポットの面積比を算出した。
同様に未精製のアシッドオレンジ33染料(Haihang Industry社製)7.0gを水100gに溶解し、これに50gの活性炭素(粒状)を入れ、1日攪拌した。
濾過で活性炭を除いた後、エバポレータと減圧乾燥により染料固体を得た。活性炭精製品のスポット面積比を算出した。
表1に算出結果を面積S2/S1の小さい順にまとめた。
インクの調製は表2−1、表2−2、表3に従って、以下の手順で行った。
まず水溶性溶剤、界面活性剤、水を混合し30分間攪拌を行い均一に混合する。この混合液に対して表1で得られた各染料の水溶液を添加し、合計95質量%となるように残量の水を添加し、30分間撹拌した。その混合液に対し水酸化リチウム10%水溶液を加えpHが9になるように調製し、合計100質量%となるように残量の水を添加し、30分間撹拌した。その後0.2μmセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子を除去し評価用インクとした。
(ノズル部材への撥インク性評価)
Ni電鋳ノズル表面上に、シリコーンレジン(東レダウコーニングシリコーン社製SR−2411)をディスペンサーにて塗布して大気中250℃1h熱処理して約0.5μmシリコーン層を形成した。前記ノズル部材を各インクに50℃で7日間浸漬した。浸漬後純水ですすぎ、自然乾燥させたノズル部材を、更に25℃にて各インクに30秒浸漬し引上げた後の撥インク性を下記の評価基準で評価した。
<評価基準>
○:引上げ後90秒経過前にほぼ撥インクするもの
△:引上げ後90秒後に浸漬した半分程度インクが残るものを
×:引上げ後90秒を経過しても浸漬した部分全体的にインクが残っているもの
各インクの再濾過性を0.2μmセルロースアセテートメンブランフィルターφ50にて空気圧1kgf/cm2にて加圧濾過を行い、濾過通液量に対する濾過速度の低下を直線近似した傾きの絶対値(減衰率)と最大濾過速度より評価した。評価基準は下記の通りとした。
<評価基準>
◎:減衰率が15[×10−4/秒]未満で、最大濾過速度が1.0[g/秒]
を超えるもの
○:減衰率が15[×10−4/秒]未満で、最大濾過速度が1.0[g/秒]未満
のもの
△:減衰率が15〜25[×10−4/秒]のもの
×:減衰率が25[×10−4/秒]より大きいもの
プリンタで、各インク1200dpi×1200dpiで単色ベタ画像を印字した。 出力した画像は23℃40%RHの環境下で24時間乾燥させ、反射分光測色計X−Rite 939にて測色し画像の色特性を測定した。評価基準は以下の通りとした。
<評価基準>
○:最高彩度が115を超えるもの
△:100以上115未満
×;100未満
プリンタを改造し、動作中にキャップ、クリ−ニング等が行われないでどれだけ印字休止しても復帰できるかを調べ、どれだけの時間で噴射方向が変化するかでその信頼性を評価した。
<評価基準>
23℃、50%RH環境に10min放置した場合、
◎:600秒以上
○:120秒以上、600秒未満
△:30秒以上、120秒未満
×:30秒未満
結果を表4に示す。
21 フレーム
23 供給ポンプユニット
33 キャリッジ
34 ヘッド
35 サブタンク
36 チューブ
42 用紙
51 搬送ベルト
91 維持装置
92a〜92d キャップ
93 ワイパーブレード
94 空吐出受け/ワイパークリーナー
96 クリーナーコロ
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 装置部
111 上カバー
112 前カバー
115 インクカートリッジ装填部カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙積載部(圧板)
142 用紙
143 半月コロ(給紙コロ)
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラー
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラー
157 搬送ローラー
158 テンションローラー
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラー
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
Claims (5)
- 着色剤、水および水溶性溶剤を含有するインクジェット記録用インクにおいて、前記着色剤として、液体クロマトグラフィーで展開した際、少なくとも2つのピークを持ち、高極性な第1のピーク面積S1に対する低極性な第2のピーク面積S2の比S2/S1が0.90未満であるC.I. Acid Orange 33を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
- 前記液体クロマトグラフィーがシリカゲルを担体とした薄層クロマトグラフィー(TLC)であり、ピーク面積比S2/S1が0.7未満であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用インク。
- インクにエネルギーを作用させてノズルから液滴を吐出するインクジェット記録方法において、前記インクが請求項1又は2に記載のインクであり、少なくとも一部がシリコーン樹脂で被覆されたノズル部材を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
- インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが請求項1又は2に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録用インクカートリッジ。
- インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジを備え、エネルギーを作用させてノズルから液滴を吐出するインクジェット記録装置において、前記インクが請求項1又は2に記載のインクであり、前記ノズルを形成するノズル部材が少なくとも一部がシリコーン樹脂で被覆されたノズル部材であることを特徴とするインクジェット記録装置。
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