JP5032774B2 - 記録用インク及びインクセット、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
このため、前記特許文献4には、カラーインクとして少なくとも4つの異なる色相を有するインクを用いることにより、双方向色差を低減することができるとされている。しかし、この提案には、レッドインク、グリーンインク、及びブルーインクは使用しておらず、インクセットの構成が異なるものである。
また、本発明は、二次色を用いた場合の文字品位の低下、階調性の低下を是正でき、双方向色差を解消することで印字速度の向上を図り、単独の赤色顔料を用いても付着量により色相の変化しない色再現域が広く高彩度な記録用インク及びインクセット、並びにこれらを用いたインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
<1> 少なくとも、顔料と、分散剤と、水溶性溶剤と、浸透剤と、水とを含有してなり、
前記顔料が、ジケトピロロピロール系赤色顔料及びフタロシアニン系緑色顔料の少なくともいずれかを含むことを特徴とする記録用インクである。
<2> ジケトピロロピロール系赤顔料がC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264及びC.I.ピグメントレッド272から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の記録用インクである。
<3> フタロシアニン系緑色顔料が、C.I.ピグメントグリーン7及びC.I.ピグメントグリーン36の少なくともいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の記録用インクである。
<4> 分散剤が、下記構造式(11)で表される化合物及び下記構造式(12)で表される化合物の少なくともいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の記録用インクである。
A1−O−(CH2CH2O)k−SO3M1 ・・・構造式(11)
ただし、前記構造式(11)中、A1は、炭素数8〜12の分岐していてもよいアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、ベンジル基、スチレン化フェノール基、ジスチレン化フェノール基、及びβ−ナフチル基のいずれかを表す。kは、5〜30の整数を表す。M1は、アルカリ金属、アンモニウム、ホスホニウム、及びアルカノールアミンのいずれかを表す。
A1-O−(CH2CH2O)i−H ・・・構造式(12)
ただし、前記構造式(12)中、A1は、炭素数8〜12の分岐していてもよいアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、ベンジル基、スチレン化フェノール基、ジスチレン化フェノール基、及びβ−ナフチル基のいずれかを表す。iは20〜60の整数を表す。
<5> 分散剤の添加量が、顔料100質量部に対し、1〜100質量部である前記<1>から<4>のいずれかに記載の記録用インクである。
<6> アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリエステル樹脂の少なくともいずれかの水溶解物又は水分散物を含有し、該樹脂は、質量平均分子量が5,000〜100,000であり、かつ酸価が50〜200KOHmg/gである前記<1>から<5>のいずれかに記載の記録用インクである。
<7> 記録用インク中における、分散剤の質量(X)と、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリエステル樹脂の少なくともいずれかの水溶解物又は水分散物の固形分の質量(Y)とが、次式、Y/X≦1を満たす前記<1>から<6>のいずれかに記載の記録用インクである。
<8> 浸透剤が、炭素数8〜11のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物のいずれかを含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の記録用インクである。
<9> 水溶性溶剤が、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、及びトリメチロールプロパンから選択される少なくとも1種である前記<1>から<8>のいずれかに記載の記録用インクである。
<10> フッ素系界面活性剤を含有し、かつ該フッ素系界面活性剤がパーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルベタインの少なくともいずれかである前記<1>から<9>のいずれかに記載の記録用インクである。
<11> ポリマー微粒子を含有し、該ポリマー微粒子の体積平均粒子径が5〜200nmであり、かつ該ポリマー微粒子は、記録媒体に印字後に造膜性を有し、最低造膜温度が30℃以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載の記録用インクである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクを少なくとも含むインクセットにおいて、
記録デューティ90%以上の赤色を記録する場合には、記録デューティ90%以上のレッドインクと記録デューティ10%未満のマゼンタインクとを併用し、かつ記録デューティ90%未満の赤色を記録する場合には、記録デューティ90%以上のレッドインクと記録デューティ10%未満のイエローインクとを併用することを特徴とするインクセットである。
<13> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<14> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<15> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<14>に記載のインクジェット記録装置である。
<16> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<17> 前記<12>に記載のインクセットにおける各インクに刺激を印加し、該インクセットにおける各インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<18> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<16>から<17>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<19> 記録デューティ90%以上の赤色を記録する場合には、記録デューティ90%以上のレッドインクと記録デューティ10%未満のマゼンタインクとを併用し、かつ記録デューティ90%未満の赤色を記録する場合には、記録デューティ90%以上のレッドインクと記録デューティ10%未満のイエローインクとを併用する前記<16>から<18>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<20> 記録媒体上に前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクを用いて記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
前記顔料が、ジケトピロロピロール系赤色顔料及びフタロシアニン系緑色顔料の少なくともいずれかを含む。本発明によれば、発色に優れるジケトピロロピロール系赤顔料やフタロシアニン系緑顔料を水系に安定に分散でき、長期保存によっても物性が変化せず、インクジェットによる吐出安定性に優れた赤色インク又は緑色インクなどの記録用インクを提供できる。
本発明のインクジェット記録方法は、第2形態では、本発明の前記インクセットにおける各インクに刺激を印加し、該インクセットにおける各インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含んでなる。
前記第1及び第2形態に係るインクジェット記録方法においては、二次色を用いた場合の文字品位の低下、階調性の低下を是正でき、双方向色差を解消することで印字速度の向上を図り、単独の赤色顔料を用いても付着量により色相の変化しない色再現域が広く高彩度な画像を記録できる。
本発明の記録用インクは、少なくとも顔料と、分散剤と、水溶性溶剤と、浸透剤と、水とを含有してなり、水溶性乃至水分散性樹脂、ポリマー微粒子、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記顔料としては、ジケトピロロピロール系赤色顔料及びフタロシアニン系緑色顔料の少なくともいずれかを含み、更に必要に応じてその他の顔料を含んでなる。
前記ジケトピロロピロール系赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264及びC.I.ピグメントレッド272から選択される少なくとも1種が好適である。
前記フタロシアニン系緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7及びC.I.ピグメントグリーン36の少なくともいずれかが好ましい。
前記黒色用の顔料としてはカーボンブラックが好ましい。このカーボンブラックは色調に優れるとともに、耐水性、退光性、分散安定性に優れ、且つ安価である。
その他顔料(例えば、カーボン)の表面を樹脂等で処理し、水中に分散可能としたグラフト顔料や、顔料(例えば、カーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした加工顔料等が使用できる。
また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該顔料を水中に分散可能なものとしたものであってもよい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、顔料分散液の調製時に用いられる分散剤の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、下記構造式(11)及び(12)で表される化合物、などが挙げられる。これら分散剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
A1−O−(CH2CH2O)k−SO3M1 ・・・ 構造式(11)
ただし、前記構造式(11)中、A1は、炭素数8〜12の分岐していてもよいアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、ベンジル基、スチレン化フェノール基、ジスチレン化フェノール基、及びβ−ナフチル基のいずれかを表す。kは、5〜30の整数を表す。M1は、アルカリ金属、アンモニウム、ホスホニウム、及びアルカノールアミンのいずれかを表す。
A1-O−(CH2CH2O)i−H ・・・構造式(12)
ただし、前記構造式(12)中、A1は、炭素数8〜12の分岐していてもよいアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、ベンジル基、スチレン化フェノール基、ジスチレン化フェノール基、及びβ−ナフチル基のいずれかを表す。iは20〜60の整数を表す。
C12H25−O−(CH2CH2O)43H ・・・構造式(13)
C12H25−O−(CH2CH2O)42H ・・・構造式(13’)
本発明の記録用インクには、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリエステル樹脂の少なくともいずれかの水溶解物又は水分散物を加えることで、保存安定性を向上することができる。これらは、顔料をビーズミルやアトライター等の分散装置を用いて分散する時、あるいは記録用インクを調製する時に水溶性溶剤、界面活性剤等と共に添加することができるが、記録用インクを調製時に添加するほうがより好ましい。
前記メタクリル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリメタクリル酸、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
前記ポリウレタン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレタン骨格中にカルボキシル基、スルホン基等の親水成分を導入することで水に可溶化したもの、又は水に分散したもの等が挙げられる。
前記ポリウレタン樹脂としては、市販されているものを用いてもよく、例えば、大日本インキ化学工業(株)製ハイドランHW−970、HW−940、三井武田ケミカル(株)製タケラックW−6010、W−6061、W−5025、第一工業製薬(株)製SF−107M、SF−460等が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル骨格の側鎖にカルボキシル基、スルホン基等の親水基を導入することで水に可溶化したもの、又は水に分散したもの等が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂としては、市販されているものをもちいてもよく、例えば、高松油脂(株)製ベスレジンA−210、A−520、A−620等が挙げられる。
ここで、前記樹脂の質量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法)により測定することができる。
本発明の記録用インクは水を液媒体として使用するものであるが、インクの乾燥を防止するため、また、分散安定性を向上するため等の目的で、下記の水溶性溶剤が使用される。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、などが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、などが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、などが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、などが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、などが挙げられる。
前記その他の水溶性溶剤としては、糖を含有してなるのが好ましい。該糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH2(CHOH)nCH2OH(ただし、n=2〜5の整数を表わす。)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
これら水溶性溶剤の中でも、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパンが、保存安定性、吐出安定性の点から特に好ましい。
前記顔料と前記水溶性溶剤との質量比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が高いのに湿潤剤の配合量が少ないとノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらすことがある。
前記浸透剤としては、炭素数8〜11のポリオール化合物、又はグリコールエーテル化合物が好適である。
前記グリコールエーテル化合物としては、例えば多価アルコールアルキルエーテル化合物、多価アルコールアリールエーテル化合物などが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記浸透剤の前記記録用インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、0.5〜4質量%が好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤が好ましく、これらの中でもフッ素系界面活性剤はより好ましい。色材の種類や湿潤剤、水溶性有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択する。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオール、グリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、下記構造式(7)で表される化合物、などが挙げられる。
前記アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485、TGなどを用いることができるが、これらの中でも、サーフィノール465、104やTGが良好な印字品質を示すので特に好ましい。
R3−O−(CH2CH2O)hCH2COOM ・・・構造式(2)
前記構造式(2)中、R3は、アルキル基を表し、炭素数6〜14の分岐していてもよいアルキル基が好適である。hは、3〜12の整数を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。
前記フッ素系化合物としては、市販されているものを使用してもよく、例えば、サーフロンS−111、S−112,S−113、S121、S131、S132、S−141、S−145(いずれも旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも大日本インキ化学工業社製)、Zonyl TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN,FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれもDuPont社製)、FT−110、250、251,400S(いずれも株式会社ネオス社製)等が挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性と、紙に対する均染性が著しく向上するため、FT−110,250,251,400S(いずれも株式会社ネオス社製)が好ましい。
本発明の記録用インクに、前記フッ素系界面活性剤を用いると、記録インクの表面張力が更に低下し、紙等の記録媒体にインク滴が着弾した後の記録媒体中への浸透が速くなるため、記録インク中の凝集粒子と凝集粒子との間に容易に浸透することが可能になり、凝集粒子を引離し、凝集を防ぐ働きを有し、フェザリングやカラーブリードを軽減する効果があると考えられる。
本発明の記録用インクは、体積平均粒子径が5〜200nmであるポリマー粒子を含有し、該ポリマー粒子が、記録媒体に印字後に造膜性を有し、最低造膜温度が30℃以下であることが好ましい。
前記ポリマー粒子の造膜性とは、ポリマー粒子を水に分散させエマルジョンの形態としたとき、この水性エマルジョンの水分を蒸発させていくと、樹脂皮膜が形成されることを意味する。
前記ポリマー粒子が添加されたインク組成物は、揮発成分を蒸発させていくと皮膜が形成され、インク中の色材顔料分を強固に記録媒体に固着することができるため、耐擦過性、耐水性に優れた画像を形成することが実現できる。
前記ポリマー粒子が添加されたインク組成物は、室温で皮膜を形成させるため、前記ポリマー粒子の最低造膜温度は30℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましい。
前記最低造膜温度は、ISO 2115、又はASTM D2354に準じて測定することができる。
前記ポリマー粒子の平均粒径は、5〜200nmが好ましく、10〜100nmがより好ましい。
前記ポリマー粒子は、特に制限はなく、公知の方法により得ることができ、例えば、不飽和ビニル単量体(不飽和ビニルモノマー)を重合触媒及び乳化剤を存在させた水中において、乳化重合する方法等が挙げられる。
前記ポリマー粒子の含有量は、前記記録用インク全量に対して、0.5〜20.0質量%が好ましく、1.0〜5.0質量%がより好ましい。前記ポリマー粒子の含有量が0.5質量%よりも少ない場合は、充分な耐擦過性、耐水性が得られない可能性があり、20質量%よりも多い場合は、乾燥による粘度上昇やポリマー成分の固着することがあり、インクの吐出が安定しなくなり、ノズルの目詰まりが発生してしまう可能性がある。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート試薬、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記消泡剤が前記記録用インク中に含有されていると、特に経時の保存安定性や吐出安定性に優れ、前記含有量が、0.001質量%未満であると、含有効果が十分でないことがあり、3質量%を超えると、目詰まりの原因となり易く、前記記録用インクの信頼性が悪くなることがある。
前記pH調整剤しては、アルコールアミン類として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。アルカリ金属元素の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。アンモニウムの水酸化物としては、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物が挙げられる。アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、等が挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
前記表面張力としては、20℃で、35mN/m以下が好ましい。
前記粘度としては、25℃で、2〜20mPa・sが好ましく、3〜10mPa・sがより好ましい。前記粘度が、2mPa・s未満であると、画像に滲みが生ずることがあり、20mPa・sを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
前記導電率としては、例えば、0.5S/m以下が好ましく、0.005〜0.4S/mがより好ましい。
前記pHとしては、例えば、7〜11が好ましい。
本発明のインクセットは、本発明の前記記録用インクを少なくとも含み、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及びブラックインクの少なくとも1種とを組み合わせてなる。
前記イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及びブラックインクのいずれかとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記インクセットでは、記録デューティ90%以上の赤色を記録する場合には、記録デューティ90%以上のレッドインクと記録デューティ10%未満のマゼンタインクとを併用し、かつ記録デューティ90%未満の赤色を記録する場合には、記録デューティ90%以上のレッドインクと記録デューティ10%未満のイエローインクとを併用することが好ましい。
ここで、前記記録デューティとは、単位記録領域内に付与される色材の比率を言い、一時色の場合は最大100%、二次色の場合は最大200%となる。なお、記録デューティの詳細については、後述する。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
インクカートリッジ7は、図2に示すように、カートリッジ本体41内に所要の色のインクを吸収させたインク吸収体42を収容してなる。カートリッジ本体41は、上部に広い開口を有するケース43の上部開口に上蓋部材44を接着又は溶着して形成したものであり、例えば、樹脂成型品からなる。また、インク吸収体42は、ウレタンフォーム体等の多孔質体からなり、カートリッジ本体41内に圧縮して挿入した後、インクを吸収させている。
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば刺激発生工程、制御工程等を含んでなる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記インク飛翔工程は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
4色のインクを使用して画像を形成するインクジェット記録装置においてフルカラー記録を実施するには、これら4色のインク滴を適当なバランスで記録媒体上に着弾させ、混色しながらそれら以外の色を作り出していく。ここで、グリーン(G)の画像を記録する場合、シアン(C)とイエロー(Y)を混色させて記録する。つまり同一画素にCとYのドットが置かれることになる。
逆に、図5Bでは、先に記録されたYが表面を覆い、後から記録されたCは、Yに比べより深く浸透している。これらの記録物を表面から見ると(a)は、よりシアンっぽいグリーンに見え、(b)は、よりイエローっぽいグリーンに見える。このため同一のCY混色によっても往復記録の場合には全く別の色味になってしまい、図6に示すように改行毎に交互に色ムラが発生してしまう。
即ち、印刷速度を極力低下させずに双方向色差を解消することは、色差が目立つ高デューティの記録領域では片方向印字を行い、色差が目立たない低デューティの記録領域では双方向印字を行うことで達成できる。例えば、デューティ75%以上では片方向印字を行い、デューティ75%以下では双方向印字を行えば効果的に高速印刷と双方向色差解消を両立できる。この閾値に関しては、インク組成、色材などによって異なるため、機種毎に適宜設定することが好ましい。
ウインドウA61は(横方向の解像度は1インチ当たり600ドット=600dpi)の大きさで記録ヘッドの記録幅全体にわたる記録デューティ(画像領域の記録媒体搬送方向での全幅にわたるデューティ)を算出するためのもので本実施例では縦300ドット×横128ドットの大きさのウインドウとしている。
ウインドウBは各走査によって記録を行う画像領域の境界(隣接バンドとの境界)に近い領域の記録デューティを算出するためのもので本実施例においては縦32ドット×横128ドットの大きさのウインドウとしている。
ウインドウA61の場合には、ヘッドの走査方向と直交する方向の幅(バンド幅)全体のデューティを読取れる幅のウインドウであることが望ましいが、バンド幅の記録デューティが反映されれば良く、境界63から数ドットをはずして位置を設定してもよい。
また、ヘッド走査方向(バンドの長さ方向)のウインドウA,Bの長さは128ドット分としているがこれに限られるものではなく、ウインドウの記録デューティを算出しやすい長さであればよい。
しかしながら、この点はウインドウを上述のように境界部とバンド幅を反映するような位置に指定することでも、効果を得ることができるため、必ずしも本実施例のような画像データ数の関係にしなくてもよい。
これらのウインドウ内の記録デューティの算出は、記録制御部のバッファ内に記憶された画像データを用いて行っている。
ウインドウ内のシアン画像の記録デューティDc、マゼンタ画像の記録デューティDm、イエロー画像の記録デューティDyを各々カウントし、足し合わせたDc+Dm+Dyをあるウインドウ位置でのウインドウ内の記録デューティとする。
即ち、記録デューティとは、単位記録領域内に付与される色材の比率を言い、一時色の場合は最大100%、二次色の場合は最大200%となる。
なお、本実施例でウインドウAの記録デューティのしきい値をウインドウBのしきい値より小さくしているのは、ウインドウBは境界部の記録デューティであるため少ないむらでも目立つ傾向にあり、逆にウインドウAのしきい値を小さくして厳しくすると片方向記録の割合が大きくなりすぎて、記録速度の低下を招くためである。
続いてステップ2で次の走査(第2バンドの記録)に移るためにn=n+1とする。
ステップ3では、次の走査(例えば第2走査目)のある位置でのウインドウA及びウインドウBの記録デューティを各色の記録デューティから算出し、ステップ4ではウインドウAの記録デューティが100%以下か否かを判別する。100%以下のときはステップ5へ進み、100%を超えるときはステップ7へ進む。100%以下の場合にはステップ5に進み、ウインドウBの記録デューティが75%以下か否かを判別し、75%以下のときはステップ6へ進み、75%を超える場合はステップ7へ進む。ステップ6では、前回(ここでは第1走査)の記録方向とは逆方向の記録、即ち往復記録を行うよう設定が成される。ステップ7では前回の記録方向と同じ方向の記録、即ち片方向記録を行うよう設定がなされる。
ステップ6の後、各ウインドウがnバンド内ですべてのシフトを終えたかをステップ8で判断し、終えていなければステップ9で次の位置にウインドウをシフトさせる。シフト後ステップ3に戻り、全シフトが終わるまで記録デューティが基準値を超える個所がないか読取り計算を行う。
ウインドウのすべてのシフトが終了しても基準値を越えたウインドウがなかった場合には、第(n−1)バンドとは逆方向での記録を行う(ステップ10)。
ステップ7で先のバンドと同方向での記録が設定されると、本実施例においては、次のウインドウの記録デューティを計算することなく記録を行う。
以上の動作を全ての記録が終了するまで繰り返す。
このインクジェット記録装置の機構部は、両側の側板1、2間に主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4を略水平な位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4でキャリッジユニット5を主走査方向に摺動自在に支持している。
そして、キャリッジユニット5は主走査モータ8で回転される駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)9と従動プーリ(アイドラプーリ)10との間に張装したタイミングベルト11に連結して、主走査モータ8を駆動制御することによってキャリッジ5、即ち4個のヘッド6を主走査方向に移動するようにしている。
更に、ホルダ23の側方には、インクジェットヘッド6の吐出面6aをワイピングする繊維部材、発泡部材あるいはゴム等の弾性部材からなるワイピング手段であるワイパブレード28をブレードアーム29に取付け、このブレードアーム29は揺動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカムの回転によって揺動させるようにしている。
記録ユニット30は、シリアルタイプのものであり、ヘッド6と、このヘッド6に供給されるインクを収容するインクタンク33と、このインクタンク33内を密閉する蓋部材34とで主要部が構成される。
記録ユニット30のヘッド6には、インクを吐出するための多数のノズル32が形成されている。インクはインクタンク33から、図示を省略しているインク供給管を介して、共通液室(不図示)へと導かれ、電極31より入力される記録装置本体からの電気信号に応じて、ノズル32より吐出される。このようなタイプの記録ユニット30は、構成上、安価に製造できるタイプのヘッド、いわゆるサーマル方式、バブル方式と呼ばれる、熱エネルギーを駆動の動力源とするヘッドに適した構造である。本発明のインクは、バブルやサーマル方式等の記録方法において、優れた浸透性を有するインクを用いるため、熱素子への濡れ性が改良され、吐出安定性及び周波数安定性が得られ、かつ安全性も高く、非常に適している。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録された記録物は、本発明のインク記録物である。本発明のインク記録物は、記録媒体上に本発明の前記記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
[イエローインクの調製]
<ミルベース処方>
・ファーストイエロー 031(大日精化株式会社製、C.I.ピグメントイエロー74 水分30質量%添加品)・・・18質量部
・下記構造式で表されるポリオキシエチレンラウリルエーテル(ノニオン性界面活性剤)・・・5質量部
C12H25−O−(CH2CH2O)43H
・イオン交換水・・・77質量部
<インク処方>
・上記ミルベース・・・100質量部
・グリセリン・・・10質量部
・1,3−ブタンジオール・・・30質量部
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・4質量部
・下記構造式で表される界面活性剤・・・4質量部
C13H27−O−(CH2CH2O)3CH2COONa
・プロキセルLV(防腐防黴剤)・・・0.2質量部
・イオン交換水・・・51.8質量部
次に、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、上記構造式で表される界面活性剤、プロキセルLVをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、ミルベースと混合した後、平均孔径1μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、平均粒径75nmのインクジェット記録用イエローインクを得た。粒径測定は、粒径測定器(マイクロトラック社製、UPA150)を用いた。
[マゼンタインクの調製]
<ミルベース処方>
・HOSTAFINE MAGENTA E−PT(クラリアントジャパン(株)製、C.I.ピグメントレッド122)・・・15質量部
・下記構造式で表されるポリオキシエチレンラウリルエーテル(ノニオン性界面活性剤)・・・5質量部
C12H25−O−(CH2CH2O)43H
・イオン交換水・・・80質量部
[シアンインクの調製]
<ミルベース処方>
・IRGALITE Blue 8700(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、C.I.ピグメントブルー15:3)・・・13質量部
・下記構造式で表されるポリオキシエチレンラウリルエーテル(ノニオン性界面活性剤)・・・5質量部
C12H25−O−(CH2CH2O)43H
・イオン交換水・・・82質量部
−レッドインクの調製−
<ミルベース処方>
・IRGZIN DPP Red BTR(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、C.I.ピグメントレッド254)・・・14質量部
・下記構造式で表されるポリオキシエチレンラウリルエーテル・・・5質量部
C12H25−O−(CH2CH2O)43H
・イオン交換水・・・81質量部
<インク処方>
・前記ミルベース・・・100質量部
・グリセリン・・・10質量部
・1,3−ブタンジオール・・・30質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・4質量部
・下記構造式で表される界面活性剤・・・4質量部
C13H27−O−(CH2CH2O)3CH2COONa
・プロキセルLV(防腐防黴剤)・・・0.2質量部
・イオン交換水・・・51.8質量部
次に、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、上記構造式で表される界面活性剤、及びプロキセルLVをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、ミルベースと混合した後、平均孔径1μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、体積平均粒径156nmのレッドインクを作製した。
−レッドインクの調製−
<ミルベース処方>
・IRGZIN DPP Red BTR(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、C.I.ピグメントレッド254)・・・14質量部
・下記構造式(A)で表される分散剤(アニオン性界面活性剤)・・・5質量部
−インクセットの調製−
インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用いて、調製例2のマゼンタインク、調製例1のイエローインクをカートリッジに充填して所定の場所にセットした。
次いで、実施例2で作製したレッドインクをカートリッジに充填してシアンインクの場所にセットした。赤色の印字は、記録デューティ50%、90%、100%で行い、各記録デューティでのインク比率は、記録デューティ50%でレッドインク95%とイエローインク5%、記録デューティ90%でレッドインク100%、記録デューティ100%でレッドインク95%とマゼンタインク5%で行った。
−グリーンインクの調製−
<ミルベース処方>
・IRGALITE Green 6G(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、C.I.ピグメントグリーン36)・・・15質量部
・下記構造式(A)で表される分散剤(アニオン性界面活性剤)・・・6質量部
<インク処方>
・前記ミルベース・・・100質量部
・グリセリン・・・15質量部
・1,3−ブタンジオール・・・30質量部
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・4質量部
・下記構造式で表される界面活性剤・・・4質量部
C13H27−O−(CH2CH2O)3CH2COONa
・プロキセルLV(防腐防黴剤)・・・0.2質量部
・イオン交換水・・・46.8質量部
<ミルベース処方>
・IRGALITE Green GFNP(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、C.I.ピグメントグリーン7)・・・14質量部
・下記構造式で表される分散剤・・・5質量部
C12H25−O−(CH2CH2O)43H
・イオン交換水・・・81質量部
<インク処方>
・ミルベース・・・100質量部
・グリセリン・・・12質量部
・プロピレングリコール・・・36質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・4質量部
・下記構造式で表される界面活性剤・・・4質量部
C13H27−O−(CH2CH2O)3CH2COONa
・プロキセルLV(防腐防黴剤)・・・0.2質量部
・イオン交換水・・・43.8質量部
次に、グリセリン、プロピレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、前記構造式で表される界面活性剤、及びプロキセルLVをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、ミルベースと混合した後、平均孔径1μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、平均粒径106nmのインクジェット記録用グリーンインクを作製した。
<ミルベース処方>
・IRGALITE Green 6G(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、C.I.ピグメントグリーン36)・・・14質量部
・下記構造式で表される分散剤・・・5質量部
C12H25−O−(CH2CH2O)11−SO3NH4
・イオン交換水・・・81質量部
<インク処方>
・上記ミルベース・・・100質量部
・グリセリン・・・14質量部
・1,6−ヘキサンジオール・・・32質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・4質量部
・ぺスレジンA−520(高松油脂株式会社製、水分散性ポリエステル樹脂、質量平均分子量14,000、固形分30質量%)・・・2.8質量部
・FT−150(株式会社ネオス製、下記構造式(16)で表されるフッ素系界面活性剤)・・・4質量部
・イオン交換水・・・43.0質量部
次に、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ぺスレジンA−520、FT−150、及びプロキセルLVをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、ミルベースと混合した後、平均孔径1μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、平均粒径99nmのインクジェット記録用グリーンインクを得た。
<ミルベース処方>
・IRGAZIN DPP Rubine TR(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、C.I.ピグメントレッド264)・・・15質量部
・下記構造式(17)で表される分散剤・・・5質量部
<インク処方>
・上記ミルベース・・・100質量部
・グリセリン・・・15質量部
・1,5−ペンタンジオール・・・30質量部
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・4質量部
・FT−400SW(株式会社ネオス製、固形分50質量%、下記構造式(18)で表されるフッ素界面活性剤)・・・5質量部
・プロキセルLV(防腐防黴剤)・・・0.2質量部
・イオン交換水・・・45.8質量部
次に、グリセリン、1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、FT−400SW、及びプロキセルLVをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、ミルベースと混合した後、平均孔径1μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、平均粒径87nmのインクジェット記録用レッドインクを作製した。
<ミルベース処方>
・IRGZAIN DPP Red BTR(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、C.I.ピグメントレッド254)・・・15質量部
・下記構造式(13)で表される分散剤・・・6質量部
C12H25−O−(CH2CH2O)43H
・イオン交換水・・・79質量部
<インク処方>
・上記ミルベース・・・100質量部
・グリセリン・・・12質量部
・トリエチレングリコール・・・32質量部
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・4質量部
・PF−151N(オムノバ・ソリューションズ社製、下記構造式(19)で表されるフッ素系界面活性剤)・・・2質量部
・アクリットWEM−321U(アクリル−ウレタン−コアシェル型水系エマルジョン、印字乾燥後自己架橋性有り、最低造膜温度10℃、平均粒径100nm、固形分38質量%、アクリル/ウレタン比=50/50、大成化工社製)・・・7質量部
・プロキセルLV(防腐防黴剤)・・・0.2質量部
・イオン交換水・・・42.8質量部
次に、グリセリン、トリエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、PF−151N、アクリットWEM−321U、及びプロキセルLVをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、ミルベースと混合した後、1μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、平均粒径95nmのインクジェット記録用レッドインクを作製した。
<ミルベース処方>
・IRGZAIN DPP Red BTR(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、C.I.ピグメントレッド254)・・・15質量部
・下記構造式(20)で表される分散剤・・・6質量部
<インク処方>
・上記ミルベース・・・100質量部
・グリセリン・・・12質量部
・3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・32質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・4質量部
・JC−05(星光PMC株式会社製、スチレン−アクリル共重合体、質量平均分子量20,000、固形分21質量%)・・・10質量部
・FT−110(株式会社ネオス製、下記構造式(21)で表されるフッ素系界面活性剤)・・・4質量部
・プロキセルLV(防腐防黴剤)・・・0.2質量部
・イオン交換水・・・37.8質量部
次に、グリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、JC−05、FT−110、及びプロキセルLVをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、ミルベースと混合した後、平均孔径1μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、平均粒径95nmのインクジェット記録用レッドインクを作製した。
インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用いて、調製例2のマゼンタ、調製例1のイエローインクをカートリッジに充填して所定の場所にセットし、実施例9で作製したレッドインクをカートリッジに充填してシアンインクの場所にセットした。赤色の印字は、記録デューティ50%、90%、100%で行い、各記録デューティでのインク比率は、記録デューティ50%でレッドインク95%とイエローインク5%、記録デューティ90%でレッドインク100%、記録デューティ100%でレッドインク95%とマゼンタインク5%で行った。
実施例1の分散剤を、下記構造式(22)で表されるラウリルエーテルサルフェートNa塩に代えた以外は、実施例1と同様にミルベースを得て、記録用インクを調製した。
C12H25−O−SO3Na ・・・構造式(22)
次に、インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用いて、調製例2のマゼンタインク、及び調製例1のイエローインクをカートリッジに充填して所定の場所にセットした。次いで、実施例1で作製したレッドインクをカートリッジに充填してシアンインクの場所にセットした。赤色は全ドット(100%)レッドインクのみを用いて印字を行った。
実施例1の2−エチル−1,3−ヘキサンジオールを、3−メチル−2,4−ヘプタンジオールに代えた以外は、実施例1と同様にしてミルベースを作製し、これを用いて記録用インクを調製した。
次に、インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用いて、調製例2のマゼンタインク、及び調製例1のイエローインクをカートリッジに充填して所定の場所にセットした。次いで、実施例1で作製したレッドインクをカートリッジに充填してシアンインクの場所にセットした。赤色は全ドット(100%)レッドインクのみを用いて印字を行った。
実施例1のグリセリン、及び1,3−ブタンジオールをN−メチル−2−ピロリドンに代えた以外は、実施例1と同様にミルベースを得て、記録用インクを調製した。
次に、インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用いて、調製例2のマゼンタインク、及び調製例1のイエローインクをカートリッジに充填して所定の場所にセットした。次いで、実施例1で作製したレッドインクをカートリッジに充填してシアンインクの場所にセットした。赤色は全ドット(100%)レッドインクのみを用いて印字を行った。
実施例6のぺスレジンA−520をタケラッタW−5025(三井武田ケミカル株式会社製、水分散性ポリウレタン樹脂、質量平均分子量18,000、固形分30質量%)に代えた以外は、実施例6と同様にミルベースを得て、記録用インクを調製した。
インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用いて、調製例2のマゼンタインク、調製例1のイエローインクをカートリッジに充填して所定の場所にセットした。次いで、実施例6で作製したグリーンインクをカートリッジに充填してシアンインクの場所にセットした。緑色は全ドット(100%)グリーンインクのみを用いて印字を行った。
インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用いて、調製例3のシアンインク、調製例2のマゼンタインク、及び調製例1のイエローインクをカートリッジに充填し、所定の場所にセットして印字を行った。
インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用いて、調製例2のマゼンタインク、調製例1のイエローインクをカートリッジに充填して所定の場所にセットし、調製例1のイエローインクと調製例2マゼンタインクを等量混合して作製した混合レッドインクをカートリッジに充填して、シアンインクの場所にセットして印字を行った。
実施例9において、顔料をCROMOPHTAL Red A2B(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、C.I.ピグメントレッド177、ジアンスラキノニル系レッド顔料)に変えた以外は、実施例9と同様のミルベース処方、インク処方を用いて、平均粒径106nmのインクジェット記録用レッドインクを得た。
インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用いて、調製例2のマゼンタインク、調製例1のイエローインクをカートリッジに充填して所定の場所にセットした。次いで、実施例9で作製したレッドインクをカートリッジに充填してシアンインクの場所にセットした。赤色は全ドット(100%)レッドインクのみを用いて印字を行った。
実施例1のミルベースに、2−エチル−1,3−へキサンジオールを入れない以外は、実施例1と同様にして、記録用インクを調製した。
次に、インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用いて、調製例2のマゼンタインク、及び調製例1のイエローインクをカートリッジに充填して所定の場所にセットした。次いで、実施例1で作製したレッドインクをカートリッジに充填してシアンインクの場所にセットした。赤色は全ドット(100%)レッドインクのみを用いて印字を行った。
−インクセットの調製−
インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用いて、調製例2のマゼンタインク、調製例1のイエローインクをカートリッジに充填して所定の場所にセットした。
次いで、比較例3で作製したレッドインクをカートリッジに充填してシアンインクの場所にセットした。赤色の印字は、記録デューティ50%、90%、100%で行い、各記録デューティでのインク比率は、記録デューティ50%でレッドインク95%とイエローインク5%、記録デューティ90%でレッドインク100%、記録デューティ100%でレッドインク95%とマゼンタインク5%で行った。
実施例1〜14、及び比較例1〜5で得られた各記録用インクについて、50℃の環境下で1ヶ月間密封保存したときの、粘度変化率(%)を表1に示す。粘度測定は、粘度測定器(東機産業株式会社製、RC−500)を用いた。
実施例1〜14、及び比較例1〜5で得られた各記録用インクについて、50℃の環境下で1ヶ月間密封保存したときの、平均粒径の変化率(%)を表1に示す。粒径測定は、粒径測定器(マイクロトラック社製、UPA150)を用いた。
実施例1〜14、及び比較例1〜5で得られた各記録用インクについて、インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)に充填し、プリンタ動作中にキャップ、クリーニング等が行われないでどれだけ印字休止しても復帰できるかを調べ、どれだけの時間(秒)で噴射方向がずれるか、あるいは吐出液滴の質量が変化するかをもって、その信頼性を下記評価基準で判定した。
〔評価基準〕
○:600秒以上
△:60秒以上、600秒未満
×:60秒未満
各記録用インクを用いて、印刷試験用紙としては下記の普通紙を使用して、インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用い、ワンパスで、べた印字を行い、印字乾燥後、明度を反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)で測定した。
−印刷試験用紙−
普通紙:マイペーパーSA(NBSリコー社製)
普通紙:XEROX4024(富士ゼロックスオフィスサプライ社製)
普通紙:PB紙(キヤノン社製)
各記録用インクを用いて、印刷試験用紙は下記の普通紙を使用して、インクジェットプリンター(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用い、双方向でべた印字を行い、印字乾燥後、明度を反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)で測定した。なお、表1には、測定した色差の最大値を掲載した。
−印刷試験用紙−
普通紙:マイペーパーSA(NBSリコー社製)
普通紙:XEROX4024(富士ゼロックスオフィスサプライ社製)
普通紙:PB紙(キヤノン社製)
2 側板
3 主支持ガイドロッド
4 従支持ガイドロッド
5 キャリッジユニット
6 ヘッド
6a 吐出面(ノズル面)
7 インクカートリッジ
7y インクカートリッジ
7m インクカートリッジ
7c インクカートリッジ
7k インクカートリッジ
8 主走査モータ
9 駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)
10 従動プーリ(アイドラプーリ)
11 タイミングベルト
12 底板
13 サブフレーム
14 サブフレーム
15 搬送ローラー
16 用紙
17 副走査モータ
18 ギヤ
19 ギヤ
21 サブシステム
22 キャップ手段
23 ホルダ
24 リンク部材
25 係合部
26 吸引チューブ
27 吸引ポンプ
28 ワイパブレード
29 ブレードアーム
30 記録ユニット
31 電極
32 ノズル
33 インクタンク
41 カートリッジ本体
42 インク吸収体
43 ケース
44 上蓋部材
45 インク供給口
46 シールリング
47 大気開放口
50 キャップ部材
55 シール部材
A 空間
Claims (18)
- 少なくとも、顔料と、分散剤と、水溶性溶剤と、浸透剤と、水とを含有してなり、
前記顔料が、ジケトピロロピロール系赤色顔料及びフタロシアニン系緑色顔料の少なくともいずれかを含み、
前記浸透剤が、炭素数8〜11のポリオール化合物を含み、
前記水溶性溶剤が、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、及びトリメチロールプロパンから選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする記録用インク。 - ジケトピロロピロール系赤色顔料が、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264及びC.I.ピグメントレッド272から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の記録用インク。
- フタロシアニン系緑色顔料が、C.I.ピグメントグリーン7及びC.I.ピグメントグリーン36の少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の記録用インク。
- 分散剤が、下記構造式(11)で表される化合物及び下記構造式(12)で表される化合物の少なくともいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の記録用インク。
A1−O−(CH2CH2O)k−SO3M1 ・・・構造式(11)
ただし、前記構造式(11)中、A1は、炭素数8〜12の分岐していてもよいアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、ベンジル基、スチレン化フェノール基、ジスチレン化フェノール基、及びβ−ナフチル基のいずれかを表す。kは、5〜30の整数を表す。M1は、アルカリ金属、アンモニウム、ホスホニウム、及びアルカノールアミンのいずれかを表す。
A1−O−(CH2CH2O)i−H ・・・構造式(12)
ただし、前記構造式(12)中、A1は、炭素数8〜12の分岐していてもよいアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、ベンジル基、スチレン化フェノール基、ジスチレン化フェノール基、及びβ−ナフチル基のいずれかを表す。iは20〜60の整数を表す。 - 分散剤の添加量が、顔料100質量部に対し、1〜100質量部である請求項1から4のいずれかに記載の記録用インク。
- アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリエステル樹脂の少なくともいずれかの水溶解物又は水分散物を含有し、該樹脂は、質量平均分子量が5,000〜100,000であり、かつ酸価が50〜200KOHmg/gである請求項1から5のいずれかに記載の記録用インク。
- 記録用インク中における、分散剤の質量(X)と、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリエステル樹脂の少なくともいずれかの水溶解物又は水分散物の固形分の質量(Y)とが、次式、Y/X≦1を満たす請求項1から6のいずれかに記載の記録用インク。
- フッ素系界面活性剤を含有し、かつ該フッ素系界面活性剤がパーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルベタインの少なくともいずれかである請求項1から7のいずれかに記載の記録用インク。
- ポリマー微粒子を含有し、該ポリマー微粒子の体積平均粒子径が5〜200nmであり、かつ該ポリマー微粒子は、記録媒体に印字後に造膜性を有し、最低造膜温度が30℃以下である請求項1から8のいずれかに記載の記録用インク。
- 請求項1から9のいずれかに記載の記録用インクを少なくとも含むインクセットにおいて、
記録デューティ90%以上の赤色を記録する場合には、記録デューティ90%以上のレッドインクと記録デューティ10%未満のマゼンタインクとを併用し、かつ記録デューティ90%未満の赤色を記録する場合には、記録デューティ90%以上のレッドインクと記録デューティ10%未満のイエローインクとを併用することを特徴とするインクセット。 - 請求項1から9のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項1から9のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項12に記載のインクジェット記録装置。
- 請求項1から9のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項10に記載のインクセットにおける各インクに刺激を印加し、該インクセットにおける各インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項14から15のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
- 記録デューティ90%以上の赤色を記録する場合には、記録デューティ90%以上のレッドインクと記録デューティ10%未満のマゼンタインクとを併用し、かつ記録デューティ90%未満の赤色を記録する場合には、記録デューティ90%以上のレッドインクと記録デューティ10%未満のイエローインクとを併用する請求項14から16のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
- 記録媒体上に請求項1から9のいずれかに記載の記録用インクを用いて記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
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