JP6256029B2 - インクとそれを用いたインクカートリッジおよびインクジェット画像形成装置 - Google Patents
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Description
このようなインク中の色材の沈降による吐出ノズルでの目詰まり問題点を改善するため、色材と溶剤との比重の差を小さくすることが検討されている。
例えば、特許文献2では色材を有機物(特定構造の化合物)とする白色顔料組成物が提案されている。
また、色材を有機物とする別の方法として、中空構造を有する有機樹脂を用いることが検討されている。例えば、特許文献3では高架橋重合体からなる中空基材粒子の表面に不飽和カルボン酸モノマーと他のモノマーの共重合体が被覆された中空体を白色インクの色材に用いることが提案されている。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、印字した画像の隠蔽率が高く、かつ、光沢が高く鮮明な白色画像が得られるインクを提供することを目的とする。
すなわち、上記課題は、水性媒体、分散剤および色材を組成分として含んでなるインクであって、前記色材として中空樹脂粒子と下記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料とを含有し、前記有機白色顔料と中空樹脂粒子との配合割合[有機白色顔料]/[中空樹脂粒子](質量比)が、0.5/1〜3/1であることを特徴とするインクにより解決される。
なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における実施の形態の例を例示するものであって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明のインク(インクジェット記録用インク)の組成分として、水性媒体、分散剤および色材を含むが、該色材(以下、「白色色材」と称することがある。)として、中空樹脂粒子と前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料とを用いるのが特徴である。
このように、白色色材として中空樹脂粒子と前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料とを併用することにより、印字画像の隠蔽性と光沢が両立する。すなわち、これら中空樹脂粒子と有機白色顔料から構成される色材(白色色材)はインク中で分散安定性が高く、インクの保存期間中に色材が沈降することなく、かつ印字した画像は色材の隠蔽率が向上して光沢感の高い鮮明な白色画像が得られる。
以下、本発明のインクを構成する成分について説明する。なお、前記「一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料」は、「顔料」と略称することがある。
本発明のインクに用いられる中空樹脂粒子はインク中で沈殿しないことが望まれるため、インクの比重とほぼ同等の比重を有するものが好ましい。
中空構造を有しない樹脂微粒子を使用する場合、特に沈降を回避するためには、樹脂微粒子の比重をインクに合わせる必要があるが、この場合、樹脂組成の検討と重合(架橋)反応の制御ならびに粒径の制御を包括的に行う必要があるため、技術的障壁が高くなってしまう。
これに対して、中空樹脂粒子を用いれば、インク中において、乾燥時には中空であった部分はインク、つまりビヒクルにより満たされるので、中空樹脂粒子の密度はインクとほぼ同一とみなすことができ沈降がより抑制される。
中空樹脂粒子の体積平均粒子径は、印字した画像の隠蔽性、およびインクジェット画像形成装置内におけるインク流路や記録ヘッドのノズルでの詰まりを生じさせないことを考慮すると、0.2μm〜1.0μmが好ましく、さらには0.3μm〜0.8μmがより好ましい。
なお、体積平均粒子径の測定は、例えば、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)により行うことができる。
本発明で用いられる有機白色顔料としては、下記構造式(I)で示される化学構造を有するビススチルベン系顔料が好ましく用いられる。
まず、前記一般式(I)の陰イオン成分(ビススチリルビフェニル構造を有する化合物)のナトリウム塩を水に加えて攪拌下で加熱溶解(60℃程度)する。次に、この加熱溶解物中に、水に溶解した第4アンモニウム化合物[前記一般式(I)において陽イオン成分とされる]を注入する。この場合、第4アンモニウム化合物の添加量はビススチリルビフェニル構造を有する化合物のナトリウム塩に対して当量または過剰量とする。第4アンモニウム化合物の注入後、凡そ1時間加熱攪拌(60℃程度)して反応を完結させる。白色の沈殿が析出する。次いで、析出した沈殿をろ別し、十分に水洗して乾燥すると目的の複合塩が得られる。
なお、前記一般式(I)の陽イオン成分とされる第4アンモニウム化合物としては、R1がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ドデシル基、オクタデシル基などのアルキル基、エチレン基、プロピレン基などのアルケニル基、ベンジル基のようなアラルキル基、フェニル基のようなアリール基またはシクロヘキシル基のようなシクロアルキル基、あるいはピロリジン、ピペリジン、モルフォリンもしくはピリジンなどのN原子と共に形成する5員または6員の複素環式基であるもの、R2、R3およびR4が相互に独立して水素原子またはR1で挙げられた基であるもの、またはR2、R3およびR4の2つまたは3つの置換基が共同して窒素原子と共に形成した複素環基であるもの、などが用いられる。第4アンモニウム化合物はハロゲン原子、好ましくは塩素原子を有し塩を形成するものからなる。
なお、体積平均粒子径の測定は、例えば、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)により行うことができる。
有機白色顔料と中空樹脂粒子との配合割合が前記範囲であれば、印字した画像の隠蔽性と、光沢性がバランス良く保たれる。
また、前記有機白色顔料と中空樹脂粒子との合計配合量が、全インク組成分100質量部中、5.0〜12.0質量部であることが好ましい。
有機白色顔料と中空樹脂粒子との合計配合量が前記範囲であれば、印字した画像の隠蔽率が高く、かつ、光沢が高く鮮明な白色画像が得られる。
上記に挙げた有機白色顔料(略称、顔料)は分散剤を用いて水性媒体(水および水溶性有機溶剤)に分散させることでインクとすることができる。このような有機顔料からなる粉体を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や界面活性剤(水溶性界面活性剤)を用いることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、またはこれらの塩等の高分子分散剤が挙げられる。
これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、これらの中でも重量平均分子量3000〜20000のものが、インクジェット記録用インクとして用いた場合に、分散液の低粘度化が可能であり、かつ分散も容易であるという利点があるので特に好ましい。
高分子分散剤を含有することで記録媒体(記録紙)への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有することで自己分散型顔料の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
〔水〕
水としてはイオン交換水が好ましく用いられ、下記のような水溶性有機溶剤と共に用いられる。
〔水溶性有機溶剤〕
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンが挙げられる。
好ましい水溶性有機溶剤としては、23℃、80%環境中の平衡水分量が30質量%以上の多価アルコール類が挙げられる。
前記環状エーテル類としては、エポキシ類、オキセタン類、テトラヒドロフラン類、テトラヒドロピラン類、クラウンエーテル等が挙げられる。本発明としてはオキセタン類、テトラヒドロフラン類が好ましく、水溶性の面からオキセタン類が望ましい。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、3−アミノプロピルジエチルアミンなどが挙げられる。
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドもアミド化合物として存在するが、有害性が高く使用することは好ましくない。
アミド化合物は染料を可溶化する作用を持ち、インク乾燥時の結晶析出を抑制する効果がある。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコールなどが挙げられる。
このような水溶性有機溶剤はインクに対して0〜30質量%添加することが好ましい。
本発明のインクは造膜性樹脂を含むことが好ましい。造膜性樹脂は、連続相としての水中に分散した樹脂エマルジョンとして存在していることが望ましい。
造膜性樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン‐ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
その場合の酸価は5〜100mgKOH/gとなる範囲でアニオン性基を含有すると水分散性の観点から好ましく、5〜50mgKOH/mgであることが、優れた耐擦過性や耐薬品性を付与する上で特に好ましい。
また、前記アニオン性基として、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基などを使用すると良好な水分散安定性を得ることができる。これらアニオン性基を樹脂中に導入するには、これらアニオン性基を持ったモノマーを使用すればよい。
ここで、前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
インクに用いる浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2質量%以上5.0質量%未満のポリオールの少なくとも1種を含有することが望ましい。
このようなポリオールのうち、脂肪族ジオールとしては、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが、具体例として挙げられる。これらのなかで最も望ましいものは2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及びまたは2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールである。
浸透剤の添加量は、インク総量に対して0.1〜4.0質量%の範囲が望ましい。添加量が0.1質量%以上であることにより、速乾性が得られるので滲んだ画像となることがない。また、添加量が4.0%以下であることにより、着色剤の分散安定性が良好となり、記録ヘッドのノズルが目詰まりすることがなく、また記録媒体への浸透性が必要以上に高くなることがなく、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題が発生しない。
本発明のインクに用いる画像保存性向上剤としては、ヒンダートアミン、紫外線吸収剤、酸化防止剤などがある。インクジェット記録画像は光やガスによる影響が大きいため、ヒンダートアミンや紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
本発明に用いるヒンダートアミンとしては、N−CH3タイプ、N−Hタイプ、N−ORタイプの何れも利用可能であるが、好ましくはN−CH3タイプ、N−ORタイプである。このようなヒンダートアミンはブチルカルビトールやブチルセルソルブと混合することで水混和可能なものもあるが、好ましくは水難溶性の液体、もしくは粉体を分散させたものである。
このように水分散されたヒンダートアミンの例としては、BASF社のTINUVIN 123DW、ADEKA社のアデカノールUC−5225、アデカノールUC−606などが挙げられる。
これらヒンダートアミンのインクへの添加量は、保護するべき染料濃度に依存しており、色材の固形分に対して有効成分量が1質量%〜10質量%が望ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
このような水分散品としては、BASF社のTINUVIN 1130、TINUVIN 99DW、TINUVIN 400DW、TINUVIN 477DW、ADEKA社のUC−3140があり、この中ではTINUVIN 477DWが特に好ましい。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
何れも水難溶性のため、水分散品を用いてインクに添加することが好ましい。このような水分散品としてはADEKA SDX−2855がある。
酸化防止剤のインクへの添加量は、インク総量に対して0〜10質量%が望ましく、必要に応じて添加することができる。
その他の成分としては特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えばpH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
pHが7未満かまたは11を超えるとインクジェット画像形成装置の記録ヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
〔キレート試薬〕
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
〔防錆剤〕
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
本発明のインクは、分散剤および色材〈中空樹脂粒子と前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料〉、および必要に応じて選択された他の成分を水性媒体中に分散または溶解して製造される。
すなわち、まず前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料、界面活性剤、および水(イオン交換水)を混合して一次顔料分散体とし、この一次顔料分散体に予め調製した高分子分散安定化剤溶液を加え十分に撹拌して顔料分散液を得る。次に、得られた顔料分散液と、中空樹脂粒子、造膜性樹脂(エマルジョン)、浸透剤、および必要に応じて他の成分を水性媒体(水および水溶性有機溶剤)中に分散または溶解し、適宜攪拌混合して製造する。
攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により行なうことができ、通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうことができる。
インクの物性には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粘度や表面張力が下記の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は2〜20mPa・sが好ましい。記録ヘッドから吐出する際のインク粘度を3mPa・s以上とすることによって、インクの吐出時の残留振動が起こりにくくなる効果があり、駆動波形による吐出後の振動抑制を行いやすくでき、短時間で次の吐出ができるようになる。これにより、高速印字に適するようになる。一方、インク粘度を15mPa・s以下に抑えることで、インク吐出性を安定しやすくする。使用環境に応じて粘度は変化するため、使用想定範囲でインク粘度が上記範囲を満たすことが好ましく、25℃における粘度は5〜10mPa・sがより好ましい。
粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業社製)を使用して各温度に調温することで測定することができる。
表面張力が40mN/m以下であることにより、光沢紙表層のサイズ性のためにドットの広がりが抑制されることがなく、また隠蔽性を高めるためにインク付着量が増えることがないので、印字コストの増加や乾燥時間の長時間化を招くことがない。一方、20mN/m以上であることにより、記録ヘッドのノズルプレートに濡れすぎることがなく、メンテナンスによるワイピング斑によってノズル孔周辺のインクの染み出しや濡れ性の不均一を引き起こしたり、インク滴の吐出曲がりや不吐出状態を引き起こしたりすることがない。
本発明のインク(白色インク)はインク収容部を備えたインクカートリッジに収容して用いることができる。その際、複数のインク収容部を備えたインクカートリッジを用い、他の色のインクと共に搭載する構成で用いることも可能である。
本発明の白色インクと共に用いるインクの色には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが用いられる。本発明の白色インクを含め、これらの色を2種以上併用したインクセットを用いて記録を行なうと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを用いて記録を行なうと、フルカラー画像を形成することができる。
また本発明の白色インクを含めたプロセスカラー以外のレッド、グリーン、ブルー、グレー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ダークイエローインクを用いることで、フルカラー画像の色域を広げ画像の粒状性を低減することができる。また2次色の付着総量を低減することが可能となるため記録媒体の吸収不良が引き起こしにくく、ビーディングやブリーディングを低減し、色相の曲がりや乾燥時の色相変化を低減することができる。
本発明のインクを用いた画像形成方法は、インク収容部に収容されたインクに刺激(エネルギー)を印加し、記録媒体にインク滴を記録ヘッドから吐出(飛翔)させて画像を形成する工程(画像形成工程)を有する。
インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する方法としては、公知のあらゆるインクジェット記録方法を適用できる。このような方法としては、記録ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法や、ライン化されたヘッドを用いることにより、ある枚葉の記録媒体に画像記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
本発明のインクジェット画像形成装置は、インク収容部に収容された前記本発明のインクにエネルギーを作用させ、該インク滴を記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするものである。
インクジェット画像形成装置には記録ヘッドが配備されるが、このような記録ヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(例えば、特公平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内で熱エネルギーでインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(例えば、特公昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(例えば、特開平6−71882号公報参照)などいずれの場合も含まれる。
特に、振動板を変形させるピエゾ型のもの、熱エネルギーで吐出させるサーマル型のものが効果的である。
ここで、インクカートリッジは、少なくとも本発明のインクを容器(インク収容部)中に収容するものであり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を構成することもできる。前記容器としては、その形状、構造、大きさ、材質に特に制限無く、目的に応じて適宜選択できる。例として、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルムなどで形成されたインク袋を少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
インクカートリッジは、例えば、図示しないインク注入口からインク袋内に充填され、排気した後、該インク注入口は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口に装置本体の針を刺して装置に供給される。インク袋は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋は、通常、プラスチックス製のカートリッジケース内に収容され、各種インクジェット画像形成装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
なお、図2は図1に示すインクジェット画像形成装置の機構部の全体構成を説明する概略断面図であり、図3は図2の機構部の要部平面概略図である。
記録ヘッド134を構成するヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエーター、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエーター、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエーター、静電力を用いる静電アクチュエーターなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
ノズル孔内壁面がシリコーン樹脂またはフッ素系撥水付与剤により形成された層に覆われている場合にも非常に効果的である。
前記フッ素系撥水付与剤は、低分子物質、樹脂などで特に限定されるものではないが、例えば、特開2002−145645号公報、特開平9−286639号公報、特開2000−94567号公報等に開示されたものが挙げられる。
そしてサブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジから所要量のインクがサブタンク135に補給される。
図4においては一般的なカラーインクの充填例を示しているが、本発明においてはインクカートリッジ装填部の一つには、少なくとも本発明のインク(白色インク)が充填される。
なお図4において、詳細説明を省略した他の各符号に対応する名称を以下に示す。
6:インクカートリッジ装填部、10(10k、10c、10m、10y):インクカートリッジ、21:フレーム、21A:側板、21B:側板、21C:後板、22:フレキシブルケーブル、23:供給ポンプユニット、25:本体側ホルダ、26:固定リブ、31:ガイドロッド、33:キャリッジ、34(34k、34c、34m、34y):記録ヘッド、35(35k、35c、35m、35y):サブタンク、37:インク供給チューブ、42:用紙、51:搬送ベルト、57:搬送ローラ、58:テンションローラ、91:維持回復装置を含むサブシステム、92:キャップ部材、93:ワイパーブレード、94:空吐出受け/ワイパークリーナー、96:クリーナーコロ、98:空吐出受け、99:開口
また、以下の記載においては特に明記しない限り、部は質量部を示し、%は質量%を示す。
下記処方の各成分を撹拌機を用いて撹拌混合して高分子分散安定化剤溶液を調製した。
〔高分子分散安定化剤溶液の処方〕
スチレン−マレイン酸共重合体・・・・・・・・・・・・10部
[ポリマロン351、荒川化学工業(株)製]
1N−KOH水溶液・・・・・・・・・・・・・・・68.6部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・21.4部
〈一次顔料分散体Aの調製〉
まず、下記処方の界面活性剤をイオン交換水に溶解し、下記顔料を混合して十分に湿潤したところで、湿式分散機ダイノーミル KDL A型(WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2000rpmで3時間分散を行い、一次顔料分散体Aを得た。
〔一次顔料分散体Aの処方〕
界面活性剤[DKS NL−450 第一工業製薬(株)製]・・・・・・8部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72部
下記一般式(I)において、XがH、R1がC12H25、R2および
R3がCH3、R4がCH2Φ(ベンジル基)である有機白色顔料・・・・20部
上記得られた一次顔料分散体Aに、調製例1にて調製した高分子分散安定化剤溶液を20部加え、十分に撹拌して顔料分散液Aを得た。
この分散した有機白色顔料の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は412nmであった。
〈一次顔料分散体Bの調製〉
まず、下記処方の界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して十分に湿潤したところで、湿式分散機ダイノーミル KDL A型(WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2000rpmで6時間分散を行い、一次顔料分散体Bを得た。
〔一次顔料分散体Bの処方〕
界面活性剤[DKS NL−450 第一工業製薬(株)製]・・・・・・・8部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72部
下記一般式(I)において、XがOCH3、R1がCH2Φ(ベンジル基)、
R2およびR3がCH3、R4がC12H25である有機白色顔料・・・・・20部
この分散した有機白色顔料の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150にて測定したところ、平均粒径(d50)は267nmであった。
(実施例1)
下記処方により実施例1のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(SX866(A))の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は620nmであった。
インクの作製方法としては、まず、アクリットWEM−321U、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ポリフォックスPF−156A、プロキセルLV、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例1のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18部
中空樹脂粒子[SX866(A):JSR(株)製]・・・・・・・・・・・3部
アクリルウレタン水系エマルジョン・・・・・・・・・・・・・・・・・7.9部
[アクリットWEM−321U:大成化工(株)製]
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.5部
1,3−ブタンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・4部
界面活性剤(ポリフォックスPF−156A:OMONOVA社製)・・3.3部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・0.2部
2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33.5部
下記処方により実施例2のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA)の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は374nmであった。
インクの作製方法としては、まず、ボンコート4001、グリセリン、トリエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリフォックスPF−151N、プロキセルLV、トリエタノールアミンをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例2のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18部
中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA:ロームアンドハース社製)・・3.5部
アクリル水系エマルジョン[ボンコート4001:DIC(株)製]・・・・6部
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10部
トリエチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25部
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・・・・・・・・・4部
界面活性剤[ポリフォックスPF−151N:OMONOVA社製]・・・・2部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・0.2部
トリエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31.2部
下記処方により実施例3のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA E)の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は436nmであった。
インクの作製方法としては、まず、ハイドランHW−940、グリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ゾニールFS−300、プロキセルLV、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例3のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28部
中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA E:ロームアンドハース社製)・4.5部
ポリエステル系ウレタン水系アイオノマー・・・・・・・・・・・・・・・・7部
[ハイドランHW−940:DIC(株)製]
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6部
3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・19部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・2部
界面活性剤(ゾニールFS−300:デュポン社製)・・・・・・・・・2.5部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・0.2部
2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30.7部
下記処方により実施例4のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA DUAL)の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は425nmであった。
インクの作製方法としては、まず、アクリットWEM−321U、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ポリフォックスPF−156A、プロキセルLV、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例4のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25部
中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA DUAL:ロームアンドハース社製)・・・2部
アクリルウレタン水系エマルジョン・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.9部
[アクリットWEM−321U:大成化工(株)製]
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.5部
1,3−ブタンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・4部
界面活性剤[ポリフォックスPF−156A:OMONOVA社製]・・・3.3部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・・0.2部
2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール・・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.5部
下記処方により実施例5のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(ローペイク OP−62)の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は466nmであった。
インクの作製方法としては、まず、ボンコート4001、グリセリン、トリエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリフォックスPF−151N、プロキセルLV、トリエタノールアミンをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例5のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14部
中空樹脂粒子(ローペイク OP−62:ロームアンドハース社製)・・・・・4部
アクリル水系エマルジョン[ボンコート4001:DIC(株)製]・・・・・6部
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10部
トリエチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25部
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・・・・・・・・・・4部
界面活性剤(ポリフォックスPF−151N:OMONOVA社製)・・・・・2部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・・0.2部
トリエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34.7部
下記処方により実施例6のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(ローペイク OP−84J)の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は548nmであった。
インクの作製方法としては、まず、ハイドランHW−940、グリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ゾニールFS−300、プロキセルLV、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例6のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30部
中空樹脂粒子(ローペイク OP−84J:ロームアンドハース社製)・・2.5部
ポリエステル系ウレタン水系アイオノマー・・・・・・・・・・・・・・・・・7部
[ハイドランHW−940:DIC(株)製]
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6部
3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・19部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・2部
界面活性剤(ゾニールFS−300:デュポン社製)・・・・・・・・・・2.5部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・・0.2部
2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール・・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31.7部
実施例1において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例1と同様にしてインクの調製を行い実施例7のインクを作製した。
実施例2において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例2と同様にしてインクの調製を行い実施例8のインクを作製した。
実施例3において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例3と同様にしてインクの調製を行い実施例9のインクを作製した。
実施例4において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例4と同様にしてインクの調製を行い実施例10のインクを作製した。
実施例5において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例5と同様にしてインクの調製を行い実施例11のインクを作製した。
実施例6において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例6と同様にしてインクの調製を行い実施例12のインクを作製した。
実施例1において、顔料分散体Aに含まれる有機白色顔料を除き、色材含有量が同等になるように中空樹脂粒子SX866(A)の添加量およびイオン交換水を調節した以外は、実施例1と同様にしてインクの調製を行い比較例1のインクを作製した。
実施例5において、顔料分散体Aに含まれる有機白色顔料を除き、色材含有量が同等になるように中空樹脂粒子OP−62の添加量およびイオン交換水を調節した以外は、実施例5と同様にしてインクの調製を行い比較例2のインクを作製した。
実施例7において、顔料分散体Bに含まれる有機白色顔料を除き、色材含有量が同等になるように中空樹脂粒子SX866(A)の添加量およびイオン交換水を調節した以外は、実施例7と同様にしてインクの調製を行い比較例3のインクを作製した。
実施例10において、顔料分散体Bに含まれる有機白色顔料を除き、色材含有量が同等になるように中空樹脂粒子ローペイク ULTRA DUALの添加量およびイオン交換水を調節した以外は、実施例10と同様にしてインクの調製を行い比較例4のインクを作製した。
実施例1において、中空樹脂粒子SX866(A)を除き、色材含有量が同等になるように有機白色顔料を含む顔料分散体Aの添加量およびイオン交換水を調節した以外は、実施例1と同様にしてインクの調製を行い比較例5のインクを作製した。
上記実施例1〜12および比較例1〜5にて調製したそれぞれのインクをインクカートリッジに充填し、インクジェットプリンター(リコー製IPSiO GX3000)を用いて、全ノズルにインクが充填され異常画像が出ないことを確認した後、50mm×50mmのベタ画像をOHPシート上に印字した。この印字したOHPシートの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印字した部分を分光測色濃度計X−Rite938を用いて黒色の濃度を測定した。測定結果を表1に示す。参考として、表1の最下段には、黒紙のみの黒色濃度測定結果を示している。
(光沢感の評価)
また、上記にて出力した印字画像の光沢感を、以下の基準により評価した。評価結果を表1に示す。
A:未印字のOHPシートと遜色の無い均一感のある光沢が得られたもの
B:光沢感はあるが、上記のA判定には及ばないもの
C:全体的にマット調で光沢感がないもの
これに対して、前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料と中空樹脂粒子を併用した本発明の実施例1〜12のインクでは黒色濃度が低下しており、印字した画像の隠蔽率が高く、かつ、光沢が高く鮮明な白色画像が得られている。
インクカートリッジに本発明のインクを充填し、これをインクジェット画像形成装置に搭載して用いれば、インクの保存期間中に色材が沈降すること無く、吐出ノズルでの目詰まりなども無く、かつ印字した画像は色材の隠蔽率が向上して光沢感の高い鮮明な白色画像が得られる。
10(10k、10c、10m、10y) インクカートリッジ
21 フレーム
21A 側板
21B 側板
21C 後板
22 フレキシブルケーブル
23 供給ポンプユニット
25 本体側ホルダ
26 固定リブ
31 ガイドロッド
33 キャリッジ
34(34k、34c、34m、34y) 記録ヘッド
35(35k、35c、35m、35y) サブタンク
37 インク供給チューブ
42 用紙
51 搬送ベルト
57 搬送ローラ
58 テンションローラ
91 維持回復装置を含むサブシステム
92 キャップ部材
93 ワイパーブレード
94 空吐出受け/ワイパークリーナー
96 クリーナーコロ
98 空吐出受け
99 開口
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前カバー
115 インクカートリッジ装填部カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙積載部(圧板)
142 用紙
143 半月コロ(給紙コロ)
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラー
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラー
157 搬送ローラー
158 テンションローラー
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラー
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
Claims (7)
- 水性媒体、分散剤および色材を組成分として含んでなるインクであって、前記色材として中空樹脂粒子と下記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料とを含有し、
前記有機白色顔料と中空樹脂粒子との配合割合[有機白色顔料]/[中空樹脂粒子](質量比)が、0.5/1〜3/1であることを特徴とするインク。
- 前記中空樹脂粒子の体積平均粒子径が、0.2μm〜1.0μmであることを特徴とする請求項1に記載のインク。
- 前記有機白色顔料の体積平均粒子径が、0.1μm〜0.5μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のインク。
- 前記有機白色顔料と中空樹脂粒子との合計配合量が、全インク組成分100質量部中、5.0〜12.0質量部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインク。
- インク収容部を備えたインクカートリッジであって、前記インク収容部中に収容するインクが請求項1乃至4のいずれかに記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
- インク収容部に収容されたインクにエネルギーを作用させ、該インク滴を記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有するインクジェット画像形成装置であって、前記インクとして請求項1乃至4のいずれかに記載のインクを用いたことを特徴とするインクジェット画像形成装置。
- 請求項5に記載のインクカートリッジを備えたことを特徴とするインクジェット画像形成装置。
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