JP6256029B2 - インクとそれを用いたインクカートリッジおよびインクジェット画像形成装置 - Google Patents

インクとそれを用いたインクカートリッジおよびインクジェット画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクとそれを用いたインクカートリッジおよびインクジェット画像形成装置に関する。
インクジェット記録用インクとして、白色インクの需要が高まっている。代表的な例としては白色の色材として酸化チタンを用いたインクが開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、色材として酸化チタンを用いた場合、酸化チタンの色材粒子の比重が水性媒体に用いられる水や溶剤と比較して非常に大きいために沈降しやすいことから、インクジェット画像形成装置のインク飛翔手段として配備される記録ヘッドの吐出ノズルで目詰まりを起こすなどの問題点があった。
このようなインク中の色材の沈降による吐出ノズルでの目詰まり問題点を改善するため、色材と溶剤との比重の差を小さくすることが検討されている。
例えば、特許文献2では色材を有機物(特定構造の化合物)とする白色顔料組成物が提案されている。
また、色材を有機物とする別の方法として、中空構造を有する有機樹脂を用いることが検討されている。例えば、特許文献3では高架橋重合体からなる中空基材粒子の表面に不飽和カルボン酸モノマーと他のモノマーの共重合体が被覆された中空体を白色インクの色材に用いることが提案されている。
前記特許文献2の白色顔料組成物によれば、塗膜の膜質(光沢)は良好ではあるが、十分な隠蔽性を得ることができず、実用性において課題があった。一方、前記特許文献3の中空構造を有する有機樹脂によれば、隠蔽性は十分であるが、画像の光沢が低いことから、改良が求められていた。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、印字した画像の隠蔽率が高く、かつ、光沢が高く鮮明な白色画像が得られるインクを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を進めた結果、インクの組成分、いわゆるインク組成物として含有される色材(白色色材)として、中空樹脂粒子と有機白色顔料とを併用することにより、上記課題が解決されることを見出して本発明を完成した。
すなわち、上記課題は、水性媒体、分散剤および色材を組成分として含んでなるインクであって、前記色材として中空樹脂粒子と下記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料とを含有し、前記有機白色顔料と中空樹脂粒子との配合割合[有機白色顔料]/[中空樹脂粒子](質量比)が、0.5/1〜3/1であることを特徴とするインクにより解決される。
Figure 0006256029
[式(I)中、Xは同一かまたは異なる水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子、スルホン基を表し、Rはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基またはシクロアルキル基を表し、R、RおよびRは相互に独立して水素原子またはRを表し、R、RおよびRはこれら2つまたは3つの置換基が共同して窒素原子と共に複素環基を形成してもよい。]
本発明によれば、印字した画像の隠蔽率が高く、かつ、光沢が高く鮮明な白色画像が得られるインクが提供される。
本発明に係るインクジェット画像形成装置の斜視説明図である。 図1に示すインクジェット画像形成装置の機構部の全体構成を説明する概略断面図である。 図2の機構部の要部平面概略図である。 インクジェット画像形成装置の機構部の詳細を別途示す平面概略図である。
前述のように本発明におけるインクは、水性媒体、分散剤および色材を組成分として含んでなるインクであって、前記色材として中空樹脂粒子と下記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料とを含有することを特徴とするものである。
Figure 0006256029
[式(I)中、Xは同一かまたは異なる水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子、スルホン基を表し、Rはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基またはシクロアルキル基を表し、R、RおよびRは相互に独立して水素原子またはRを表し、R、RおよびRはこれら2つまたは3つの置換基が共同して窒素原子と共に複素環基を形成してもよい。]
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。
なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における実施の形態の例を例示するものであって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明のインクは特に用途は限定されないが、特にインクジェット記録用インクとして好ましく用いることができる。以下、「インク」を「インクジェット記録用インク」と呼称することがある。
本発明のインク(インクジェット記録用インク)の組成分として、水性媒体、分散剤および色材を含むが、該色材(以下、「白色色材」と称することがある。)として、中空樹脂粒子と前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料とを用いるのが特徴である。
このように、白色色材として中空樹脂粒子と前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料とを併用することにより、印字画像の隠蔽性と光沢が両立する。すなわち、これら中空樹脂粒子と有機白色顔料から構成される色材(白色色材)はインク中で分散安定性が高く、インクの保存期間中に色材が沈降することなく、かつ印字した画像は色材の隠蔽率が向上して光沢感の高い鮮明な白色画像が得られる。
本発明のインク構成する成分、いわゆる組成分として、水性媒体(水および水溶性有機溶剤)、分散剤(水溶性樹脂や水溶性界面活性剤)および色材(中空樹脂粒子と前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料)を含むが、さらに必要に応じて、造膜性樹脂、浸透剤、画像保存性向上剤(ヒンダートアミン、紫外線吸収剤、酸化防止剤など)、その他の成分(pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸素吸収剤、光安定化剤など)を含有することができる。
以下、本発明のインクを構成する成分について説明する。なお、前記「一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料」は、「顔料」と略称することがある。
〔中空樹脂粒子〕
本発明のインクに用いられる中空樹脂粒子はインク中で沈殿しないことが望まれるため、インクの比重とほぼ同等の比重を有するものが好ましい。
中空構造を有しない樹脂微粒子を使用する場合、特に沈降を回避するためには、樹脂微粒子の比重をインクに合わせる必要があるが、この場合、樹脂組成の検討と重合(架橋)反応の制御ならびに粒径の制御を包括的に行う必要があるため、技術的障壁が高くなってしまう。
これに対して、中空樹脂粒子を用いれば、インク中において、乾燥時には中空であった部分はインク、つまりビヒクルにより満たされるので、中空樹脂粒子の密度はインクとほぼ同一とみなすことができ沈降がより抑制される。
本発明において用いる中空樹脂粒子の樹脂組成としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、架橋型スチレン−アクリル樹脂等のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、マレイン系樹脂などが挙げられる。これらの中空樹脂粒子は、単独または複数組み合わせて使用してもよい。
中空樹脂粒子の体積平均粒子径は、印字した画像の隠蔽性、およびインクジェット画像形成装置内におけるインク流路や記録ヘッドのノズルでの詰まりを生じさせないことを考慮すると、0.2μm〜1.0μmが好ましく、さらには0.3μm〜0.8μmがより好ましい。
なお、体積平均粒子径の測定は、例えば、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)により行うことができる。
本発明で用いられる中空樹脂粒子としては、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができ、市販されているものも使用可能である。市販されている中空樹脂粒子としては、例えば、スチレン−アクリル樹脂により構成されたものとして、MH5055[日本ゼオン(株)製]、ローペイクOP−62、同OP−84J、同OP−91、同HP−1055、同HP−91、同ULTRA(以上、ロームアンドハース社製)があり、架橋型スチレン−アクリル樹脂により構成されたものとして、SX−863(A)、SX−864(B)、SX−866(A)、SX−866(B)、SX−868[以上、JSR(株)製]、ローペイクULTRA E、同ULTRA DUAL(以上、ロームアンドハース社製)などが挙げられる。
〔有機白色顔料〕
本発明で用いられる有機白色顔料としては、下記構造式(I)で示される化学構造を有するビススチルベン系顔料が好ましく用いられる。
Figure 0006256029
[式(I)中、Xは同一かまたは異なる水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子、スルホン基を表し、Rはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基またはシクロアルキル基を表し、R、RおよびRは相互に独立して水素原子またはRを表し、R、RおよびRはこれら2つまたは3つの置換基が共同して窒素原子と共に複素環基を形成してもよい。]
上記一般式(I)において、具体的にアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ドデシル基、オクタデシル基などが挙げられ、アルケニル基としては、エチレン基、プロピレン基などが挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などが挙げられ、複素環基としては、ピリジル基、ピロリジル基、ピペリジノ基、モルフォリノ基などが挙げられる。
前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料は、限定されるものではないが、例えば、以下のような製造方法により得ることができる。
まず、前記一般式(I)の陰イオン成分(ビススチリルビフェニル構造を有する化合物)のナトリウム塩を水に加えて攪拌下で加熱溶解(60℃程度)する。次に、この加熱溶解物中に、水に溶解した第4アンモニウム化合物[前記一般式(I)において陽イオン成分とされる]を注入する。この場合、第4アンモニウム化合物の添加量はビススチリルビフェニル構造を有する化合物のナトリウム塩に対して当量または過剰量とする。第4アンモニウム化合物の注入後、凡そ1時間加熱攪拌(60℃程度)して反応を完結させる。白色の沈殿が析出する。次いで、析出した沈殿をろ別し、十分に水洗して乾燥すると目的の複合塩が得られる。
なお、前記一般式(I)の陽イオン成分とされる第4アンモニウム化合物としては、Rがメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ドデシル基、オクタデシル基などのアルキル基、エチレン基、プロピレン基などのアルケニル基、ベンジル基のようなアラルキル基、フェニル基のようなアリール基またはシクロヘキシル基のようなシクロアルキル基、あるいはピロリジン、ピペリジン、モルフォリンもしくはピリジンなどのN原子と共に形成する5員または6員の複素環式基であるもの、R、RおよびRが相互に独立して水素原子またはRで挙げられた基であるもの、またはR、RおよびRの2つまたは3つの置換基が共同して窒素原子と共に形成した複素環基であるもの、などが用いられる。第4アンモニウム化合物はハロゲン原子、好ましくは塩素原子を有し塩を形成するものからなる。
前記有機白色顔料の体積平均粒子径は0.01μm〜0.7μmであることが好ましく、さらには、0.01μm〜0.6μmがより好ましく、0.1μm〜0.5μmが特に好ましい。平均粒子径が0.1μm以上であることにより、より隠蔽性を確保することができ、耐光性、フェザリングが悪化することがない。また、0.5μm以下であることにより、吐出口の目詰まりやプリンター内のフィルターでの目詰まりがさらに発生することがなく、吐出安定性を得ることができる。
なお、体積平均粒子径の測定は、例えば、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)により行うことができる。
前記有機白色顔料と中空樹脂粒子との配合割合[有機白色顔料]/[中空樹脂粒子](質量比)が、0.5/1〜3/1であることが好ましい。
有機白色顔料と中空樹脂粒子との配合割合が前記範囲であれば、印字した画像の隠蔽性と、光沢性がバランス良く保たれる。
また、前記有機白色顔料と中空樹脂粒子との合計配合量が、全インク組成分100質量部中、5.0〜12.0質量部であることが好ましい。
有機白色顔料と中空樹脂粒子との合計配合量が前記範囲であれば、印字した画像の隠蔽率が高く、かつ、光沢が高く鮮明な白色画像が得られる。
〔分散剤〕
上記に挙げた有機白色顔料(略称、顔料)は分散剤を用いて水性媒体(水および水溶性有機溶剤)に分散させることでインクとすることができる。このような有機顔料からなる粉体を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や界面活性剤(水溶性界面活性剤)を用いることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、またはこれらの塩等の高分子分散剤が挙げられる。
これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、これらの中でも重量平均分子量3000〜20000のものが、インクジェット記録用インクとして用いた場合に、分散液の低粘度化が可能であり、かつ分散も容易であるという利点があるので特に好ましい。
高分子分散剤と自己分散型顔料を同時に使うことは、適度なドット径を得られるため好ましい組み合わせである。その理由は明らかではないが、以下のように考えられる。
高分子分散剤を含有することで記録媒体(記録紙)への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有することで自己分散型顔料の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
本発明のインクに用いられる界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤(非イオン性界面活性剤)、両性界面活性剤、あるいは、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが用いられる。色材の種類や湿潤剤、水溶性有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択する。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、琥珀酸エステルスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体例として以下に挙げるものが好適に使用されるが、これらに限定されるわけではない。ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン等が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系(例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485あるいはTGなど)を用いることができる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーおよびこの硫酸エステル塩、フッ素系脂肪族系ポリマーエステルが挙げられる。
このようなフッ素系界面活性剤として市販されているものとしては、サーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−145(旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(住友スリーエム社製)、FT−110、250、251、400S(ネオス社製)、ゾニールFS−62、FSA、FSE、FSJ、FSP、TBS、UR、FSO、FSO−100、FSN N、FSN−100、FS−300、FSK(Dupont社製)、ポリフォックスPF−136A、PF−156A、PF−151N(OMNOVA社製)などが挙げられる。
また、シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(II)で表されるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物、などが挙げられる。
Figure 0006256029
[ただし、前記構造式(II)中、m、n、a、及びbは整数を表す。R及びR’はそれぞれアルキレン基、及びアルキル基を表す。]
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(いずれも、信越化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
前述の各種界面活性剤はこれらに限定されるものではなく、単独で用いても、複数のものを混合して用いてもよい。界面活性剤単独ではインク中で容易に溶解しない場合でも、混合することで可溶化されて安定に存在することができる。
界面活性剤のインク中における総含有量は、浸透性の効果を発揮するためには0.01〜5質量%であることが望ましい。界面活性剤の総含有量が0.01質量%以上であることにより添加効果が得られ、5質量%以下であることにより記録媒体への浸透性が必要以上に高くなることがなく、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題が生じることがない。市販されている多くの紙に対応するためにも0.5〜2質量%がより好ましい。
本発明のインクを構成する組成分として、水および水溶性有機溶剤などの水性媒体を含む。
〔水〕
水としてはイオン交換水が好ましく用いられ、下記のような水溶性有機溶剤と共に用いられる。
〔水溶性有機溶剤〕
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンが挙げられる。
好ましい水溶性有機溶剤としては、23℃、80%環境中の平衡水分量が30質量%以上の多価アルコール類が挙げられる。
その具体例としては、1,2,3−ブタントリオール(38質量%)、1,2,4−ブタントリオール(41質量%)、グリセリン(49質量%)、ジグリセリン(38質量%)、トリエチレングリコール(39質量%)、テトラエチレングリコール(37質量%)、ジエチレングリコール(43質量%)、1,3−ブタンジオール(35質量%)等が挙げられる。中でもグリセリン、1,3−ブタンジオールは水分を含んだ場合に低粘度化することができるため特に好適に用いられる。
このような水溶性有機溶剤をインク全体の10質量%以上用いた場合、インクジェット画像形成装置の記録ヘッドから吐出されるインクの吐出安定性確保やインク吐出装置に配備される維持装置での廃インク固着防止に優れるため、好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク総量に対して、10〜50質量%程度とすることが好ましい。前記範囲であれば、溶解性を確保することが可能となり、顔料等の固形分の析出に因るインクの吐出不良を防止できる。
また、必要に応じて平衡水分量が30質量%未満の水溶性溶剤を使用することができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、環状エーテル類、アミン類、アミド類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の水溶性有機溶剤などが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、プロピルプロピレンジグリコールなどが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記環状エーテル類としては、エポキシ類、オキセタン類、テトラヒドロフラン類、テトラヒドロピラン類、クラウンエーテル等が挙げられる。本発明としてはオキセタン類、テトラヒドロフラン類が好ましく、水溶性の面からオキセタン類が望ましい。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、3−アミノプロピルジエチルアミンなどが挙げられる。
前記アミド化合物類としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドもアミド化合物として存在するが、有害性が高く使用することは好ましくない。
アミド化合物は染料を可溶化する作用を持ち、インク乾燥時の結晶析出を抑制する効果がある。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコールなどが挙げられる。
このような水溶性有機溶剤はインクに対して0〜30質量%添加することが好ましい。
水溶性有機溶剤のインク中における総含有量は、10〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。含有量が10質量%以上であることにより、記録ヘッドから吐出されるインクの吐出安定性が低下することがなく、また、インクジェット画像形成装置における維持装置で非揮発性成分が析出して固着したりすることがない。また、50質量%以下であることにより、少し乾燥した程度では非揮発性成分の析出が引き起こされることがなく、また、記録媒体である紙面上での乾燥性が良くなり、光沢紙状の色安定に時間が掛かることがない。
〔造膜性樹脂〕
本発明のインクは造膜性樹脂を含むことが好ましい。造膜性樹脂は、連続相としての水中に分散した樹脂エマルジョンとして存在していることが望ましい。
造膜性樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン‐ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
前記造膜性樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販の造膜性樹脂としては、例えば、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂微粒子:日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂微粒子:大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂微粒子:大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂微粒子:日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂微粒子:サイデン化学株式会社製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂微粒子:ローム・アンド・ハース製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリルシリコーン系樹脂微粒子:東洋インキ製造株式会社製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂微粒子:御国色素株式会社製)などが挙げられる。
これらの造膜性樹脂の中で、定着性やインク安定性において特に優れる、アクリル系樹脂やウレタン樹脂がより好ましい。また、造膜性樹脂中には必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有しても構わないが、より塗膜の性能が優れたインクが得やすい観点から、いわゆる自己乳化型のエマルジョンが好ましい。
その場合の酸価は5〜100mgKOH/gとなる範囲でアニオン性基を含有すると水分散性の観点から好ましく、5〜50mgKOH/mgであることが、優れた耐擦過性や耐薬品性を付与する上で特に好ましい。
また、前記アニオン性基として、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基などを使用すると良好な水分散安定性を得ることができる。これらアニオン性基を樹脂中に導入するには、これらアニオン性基を持ったモノマーを使用すればよい。
また、前記造膜性樹脂の粒径は、特にインクジェット記録装置に使用することを考慮すると、体積平均粒径10〜1,000nmが好ましく、10〜200nmがより好ましく、10〜50nmがさらに好ましい。体積平均粒径が10〜50nmの樹脂微粒子を用いることで、樹脂の造膜性が高まり、強靭な樹脂の連続被膜が形成されるため、高い強度の印字物を得ることが可能となる。
ここで、前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
造膜性樹脂の含有量は、インク総量に対して1〜10質量%の範囲が定着性やインク安定性において好ましく、5〜10質量%の範囲がインク層の平滑性がより向上し、高い光沢度を得ることができるとともに基材への定着性も向上することからより好ましい。
〔浸透剤〕
インクに用いる浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2質量%以上5.0質量%未満のポリオールの少なくとも1種を含有することが望ましい。
このようなポリオールのうち、脂肪族ジオールとしては、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが、具体例として挙げられる。これらのなかで最も望ましいものは2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及びまたは2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールである。
その他の併用できる浸透剤として、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類などが挙げられるが、インク中に溶解して所望の物性に調整できるものであれば、これらに限らない。
浸透剤の添加量は、インク総量に対して0.1〜4.0質量%の範囲が望ましい。添加量が0.1質量%以上であることにより、速乾性が得られるので滲んだ画像となることがない。また、添加量が4.0%以下であることにより、着色剤の分散安定性が良好となり、記録ヘッドのノズルが目詰まりすることがなく、また記録媒体への浸透性が必要以上に高くなることがなく、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題が発生しない。
<画像保存性向上剤>
本発明のインクに用いる画像保存性向上剤としては、ヒンダートアミン、紫外線吸収剤、酸化防止剤などがある。インクジェット記録画像は光やガスによる影響が大きいため、ヒンダートアミンや紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
〔ヒンダートアミン〕
本発明に用いるヒンダートアミンとしては、N−CHタイプ、N−Hタイプ、N−ORタイプの何れも利用可能であるが、好ましくはN−CHタイプ、N−ORタイプである。このようなヒンダートアミンはブチルカルビトールやブチルセルソルブと混合することで水混和可能なものもあるが、好ましくは水難溶性の液体、もしくは粉体を分散させたものである。
このように水分散されたヒンダートアミンの例としては、BASF社のTINUVIN 123DW、ADEKA社のアデカノールUC−5225、アデカノールUC−606などが挙げられる。
これらヒンダートアミンのインクへの添加量は、保護するべき染料濃度に依存しており、色材の固形分に対して有効成分量が1質量%〜10質量%が望ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
これらの中でヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾトリアゾール系が良く、これらの水分散品が水系インクに添加する上で好ましい。
このような水分散品としては、BASF社のTINUVIN 1130、TINUVIN 99DW、TINUVIN 400DW、TINUVIN 477DW、ADEKA社のUC−3140があり、この中ではTINUVIN 477DWが特に好ましい。
これら紫外線吸収剤のインクへの添加量は、保護するべき色材濃度に依存しており、色材の固形分に対して有効成分量が1質量%〜10質量%が望ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
〔酸化防止剤〕
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、等が挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
何れも水難溶性のため、水分散品を用いてインクに添加することが好ましい。このような水分散品としてはADEKA SDX−2855がある。
酸化防止剤のインクへの添加量は、インク総量に対して0〜10質量%が望ましく、必要に応じて添加することができる。
<その他の成分>
その他の成分としては特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えばpH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
〔pH調整剤〕
pH調整剤としては、pHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
pHが7未満かまたは11を超えるとインクジェット画像形成装置の記録ヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
〔防腐防黴剤〕
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
〔キレート試薬〕
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
〔防錆剤〕
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
[インクの製法]
本発明のインクは、分散剤および色材〈中空樹脂粒子と前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料〉、および必要に応じて選択された他の成分を水性媒体中に分散または溶解して製造される。
すなわち、まず前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料、界面活性剤、および水(イオン交換水)を混合して一次顔料分散体とし、この一次顔料分散体に予め調製した高分子分散安定化剤溶液を加え十分に撹拌して顔料分散液を得る。次に、得られた顔料分散液と、中空樹脂粒子、造膜性樹脂(エマルジョン)、浸透剤、および必要に応じて他の成分を水性媒体(水および水溶性有機溶剤)中に分散または溶解し、適宜攪拌混合して製造する。
攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により行なうことができ、通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうことができる。
[インクの物性]
インクの物性には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粘度や表面張力が下記の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は2〜20mPa・sが好ましい。記録ヘッドから吐出する際のインク粘度を3mPa・s以上とすることによって、インクの吐出時の残留振動が起こりにくくなる効果があり、駆動波形による吐出後の振動抑制を行いやすくでき、短時間で次の吐出ができるようになる。これにより、高速印字に適するようになる。一方、インク粘度を15mPa・s以下に抑えることで、インク吐出性を安定しやすくする。使用環境に応じて粘度は変化するため、使用想定範囲でインク粘度が上記範囲を満たすことが好ましく、25℃における粘度は5〜10mPa・sがより好ましい。
粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業社製)を使用して各温度に調温することで測定することができる。
インクの静的表面張力は、25℃で20〜40mN/mが好ましく、20〜35mN/mがより好ましい。静的表面張力がこの範囲にあれば、浸透性が高くなりブリーディングの低減に効果があり、普通紙印字での乾燥性が良好となる。また光沢紙表面でのドット拡大が起こるため、光沢紙での発色性改善が成される。
表面張力が40mN/m以下であることにより、光沢紙表層のサイズ性のためにドットの広がりが抑制されることがなく、また隠蔽性を高めるためにインク付着量が増えることがないので、印字コストの増加や乾燥時間の長時間化を招くことがない。一方、20mN/m以上であることにより、記録ヘッドのノズルプレートに濡れすぎることがなく、メンテナンスによるワイピング斑によってノズル孔周辺のインクの染み出しや濡れ性の不均一を引き起こしたり、インク滴の吐出曲がりや不吐出状態を引き起こしたりすることがない。
本発明のインクの色は、前述のように、印字した画像の隠蔽率が高く、かつ光沢が高く鮮明な白色画像が得られる白色である。本発明の白色インクはインクジェット画像形成装置のインク収容部に収容されエネルギーの付与により該インク滴が記録ヘッドのノズルから吐出され記録媒体に所定の画像を形成することができる。
本発明のインク(白色インク)はインク収容部を備えたインクカートリッジに収容して用いることができる。その際、複数のインク収容部を備えたインクカートリッジを用い、他の色のインクと共に搭載する構成で用いることも可能である。
本発明の白色インクと共に用いるインクの色には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが用いられる。本発明の白色インクを含め、これらの色を2種以上併用したインクセットを用いて記録を行なうと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを用いて記録を行なうと、フルカラー画像を形成することができる。
また本発明の白色インクを含めたプロセスカラー以外のレッド、グリーン、ブルー、グレー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ダークイエローインクを用いることで、フルカラー画像の色域を広げ画像の粒状性を低減することができる。また2次色の付着総量を低減することが可能となるため記録媒体の吸収不良が引き起こしにくく、ビーディングやブリーディングを低減し、色相の曲がりや乾燥時の色相変化を低減することができる。
本発明の白色インクおよび上記他の色のインクは、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(例えば、特公平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(例えば、特公昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(例えば、特開平6−71882号公報参照)などのいずれのインクジェットヘッド(記録ヘッド)を搭載するプリンターにも良好に使用できる。上記インクは、例えば、印字時または印字前後に記録媒体および前記インクを50〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するプリンター等に使用することもできる。
<画像形成方法>
本発明のインクを用いた画像形成方法は、インク収容部に収容されたインクに刺激(エネルギー)を印加し、記録媒体にインク滴を記録ヘッドから吐出(飛翔)させて画像を形成する工程(画像形成工程)を有する。
インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する方法としては、公知のあらゆるインクジェット記録方法を適用できる。このような方法としては、記録ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法や、ライン化されたヘッドを用いることにより、ある枚葉の記録媒体に画像記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
インク飛翔工程において、インク飛翔手段である記録ヘッドの駆動方式には特に限定はなく、PZT等を用いた圧電素子アクチュエーター、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエーター等を利用したオンディマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドで記録することもできる。熱エネルギーを作用させる方式においては、液滴の噴射を自在に制御することが困難とされており、記録媒体の種類等による画像のばらつきが大きくなりがちであるが、処理液を記録媒体に付与することにより、これらの課題は解消され、記録媒体の種類に依らず安定した高画質を得ることができる。
<インクジェット画像形成装置>
本発明のインクジェット画像形成装置は、インク収容部に収容された前記本発明のインクにエネルギーを作用させ、該インク滴を記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするものである。
インクジェット画像形成装置には記録ヘッドが配備されるが、このような記録ヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(例えば、特公平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内で熱エネルギーでインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(例えば、特公昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(例えば、特開平6−71882号公報参照)などいずれの場合も含まれる。
特に、振動板を変形させるピエゾ型のもの、熱エネルギーで吐出させるサーマル型のものが効果的である。
ここで、本発明のインクジェット画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るインクジェット画像形成装置の斜視説明図(前方側から見た図)である。図1に示したインクジェット画像形成装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103とを備えている。そして装置本体101の上カバー111の上面は略平坦な面であり、装置本体101の前カバー112の前面が上面に対して斜め後方に傾斜している。この傾斜した前カバー112の前面の下方側に、前方(手前側)に突き出した排紙トレイ103および給紙トレイ102を備えている。さらに、前カバー112の前面の端部側には、前面から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなった箇所にインクカートリッジ200を装填するインクカートリッジ装填部104を有し、このインクカートリッジ装填部104の上面に操作キーや表示器などの操作部105を配置している。このインクカートリッジ装填部104にはインクカートリッジの脱着を行うための開閉可能なインクカートリッジ装填部カバー115を有している。装置本体101内には図2、図3に示すように、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モーターによって、図3のキャリッジ走査方向に移動走査する。
ここで、インクカートリッジは、少なくとも本発明のインクを容器(インク収容部)中に収容するものであり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を構成することもできる。前記容器としては、その形状、構造、大きさ、材質に特に制限無く、目的に応じて適宜選択できる。例として、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルムなどで形成されたインク袋を少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
インクカートリッジは、例えば、図示しないインク注入口からインク袋内に充填され、排気した後、該インク注入口は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口に装置本体の針を刺して装置に供給される。インク袋は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋は、通常、プラスチックス製のカートリッジケース内に収容され、各種インクジェット画像形成装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
なお、図2は図1に示すインクジェット画像形成装置の機構部の全体構成を説明する概略断面図であり、図3は図2の機構部の要部平面概略図である。
図2、図3において、キャリッジ133には、本発明のインク(白色インク)の他、別色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック等)である各色のインク滴を吐出する記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。図1〜図3においては、記録ヘッドが4個の例を示しているが、これに限定されるものではなく、本発明のインク(白色インク)のほか、用いる他色のインク数に応じて必要な記録ヘッド数が配備される。
記録ヘッド134を構成するヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエーター、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエーター、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエーター、静電力を用いる静電アクチュエーターなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
記録ヘッドのインク吐出部であるノズル面には、吐出安定性、ワイピング性向上のため、Ni/PTFE共析、シリコーン樹脂、フッ素系撥水付与剤により形成された層が設けられている。本発明ではノズル孔内壁の表面エネルギーを吐出液体(インク)によって規定するが、ノズル面の表面エネルギーもノズル孔内壁のそれと合わせるとより効果的となる。従って、ノズル孔内壁も必要に応じてノズル表面と同様な処理が行なわれている。
ノズル孔内壁面がシリコーン樹脂またはフッ素系撥水付与剤により形成された層に覆われている場合にも非常に効果的である。
前記シリコーン樹脂は、SiとOからできたシロキサン結合を基本骨格とし、側鎖に有機基を有するオルガノポリシロキサン類である。シリコーン層を形成する方法としては、液状のシリコーン溶液または分散液をノズル孔内に流し込むことによる塗布が挙げられるが、特に限定されるものではない。シリコーン層を形成する際、電着法以外ではノズル板裏面などシリコーン層を形成しない部分はフォトレジスト、水溶性樹脂等でマスキングし、シリコーン層形成後、レジストを剥離除去すれば目的の部分にのみシリコーン層を形成することができる。シリコーン層の厚みは、0.1〜5.0μm程度が好ましく、特にノズル径精度等を考慮すると0.5〜2.0μmが好ましい。
前記フッ素系撥水付与剤は、低分子物質、樹脂などで特に限定されるものではないが、例えば、特開2002−145645号公報、特開平9−286639号公報、特開2000−94567号公報等に開示されたものが挙げられる。
図2、図3に示すキャリッジ133には、記録ヘッド134に本発明のインク(白色インク)の他、別色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック等)であるインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。このサブタンク135に、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填されたインクカートリッジからインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ103の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部(圧板)141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)143および給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。そして、この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンターローラー152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とを備えている。
また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラー156を備えている。ここで、搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラー157とテンションローラー158との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向に周回するように構成されている。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、ETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。また、搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161を配置している。さらに、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラー172および排紙コロ173とを備え、排紙ローラー172の下方に排紙トレイ103を備えている。
また、装置本体101の背面部には両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット181は搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取りこんで反転させて再度カウンターローラー152と搬送ベルト151との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182を設けている。
このように構成したインクジェット画像形成装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142はガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンターローラー152との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押しつけられ、略90°搬送方向を転換される。
この時、帯電ローラー156によって搬送ベルト151が帯電されており、用紙142は搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号または用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受け取ることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そしてサブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジから所要量のインクがサブタンク135に補給される。
さらに、インクジェット画像形成装置の機構部の詳細を別途図4に示す。図4に示すように、キャリッジ33の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための本発明に係る維持装置91を配置している。この維持装置91(以下、「サブシステム」と称することもある)には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ92と、ノズル面をワイピングするためのワイパーブレード93と、増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け94、この空吐出受けに一体成型され、ワイパーブレード93に付着したインクを除去するための清掃部材であるワイパークリーナー94、およびワイパーブレード93のクリーニング時にワイパーブレード93をワイパークリーナー側に押し付けるクリーナ手段を構成するクリーナーコロ96などを備えている。以上の構成において記録ヘッド34が、ワイパーブレード93の位置を通過する際、移動経路中に突出させれば、記録ヘッド34の吐出口がワイピングされることになる。
図4においては一般的なカラーインクの充填例を示しているが、本発明においてはインクカートリッジ装填部の一つには、少なくとも本発明のインク(白色インク)が充填される。
なお図4において、詳細説明を省略した他の各符号に対応する名称を以下に示す。
6:インクカートリッジ装填部、10(10k、10c、10m、10y):インクカートリッジ、21:フレーム、21A:側板、21B:側板、21C:後板、22:フレキシブルケーブル、23:供給ポンプユニット、25:本体側ホルダ、26:固定リブ、31:ガイドロッド、33:キャリッジ、34(34k、34c、34m、34y):記録ヘッド、35(35k、35c、35m、35y):サブタンク、37:インク供給チューブ、42:用紙、51:搬送ベルト、57:搬送ローラ、58:テンションローラ、91:維持回復装置を含むサブシステム、92:キャップ部材、93:ワイパーブレード、94:空吐出受け/ワイパークリーナー、96:クリーナーコロ、98:空吐出受け、99:開口
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記実施例に何ら限定されるものではない。
また、以下の記載においては特に明記しない限り、部は質量部を示し、%は質量%を示す。
(調製例1)高分子分散安定化剤溶液の調製
下記処方の各成分を撹拌機を用いて撹拌混合して高分子分散安定化剤溶液を調製した。
〔高分子分散安定化剤溶液の処方〕
スチレン−マレイン酸共重合体・・・・・・・・・・・・10部
[ポリマロン351、荒川化学工業(株)製]
1N−KOH水溶液・・・・・・・・・・・・・・・68.6部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・21.4部
(調製例2)顔料分散液Aの調製
〈一次顔料分散体Aの調製〉
まず、下記処方の界面活性剤をイオン交換水に溶解し、下記顔料を混合して十分に湿潤したところで、湿式分散機ダイノーミル KDL A型(WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2000rpmで3時間分散を行い、一次顔料分散体Aを得た。
〔一次顔料分散体Aの処方〕
界面活性剤[DKS NL−450 第一工業製薬(株)製]・・・・・・8部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72部
下記一般式(I)において、XがH、RがC1225、Rおよび
がCH、RがCHΦ(ベンジル基)である有機白色顔料・・・・20部
Figure 0006256029
〈顔料分散液Aの調製〉
上記得られた一次顔料分散体Aに、調製例1にて調製した高分子分散安定化剤溶液を20部加え、十分に撹拌して顔料分散液Aを得た。
この分散した有機白色顔料の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は412nmであった。
(調製例3)顔料分散液Bの調製
〈一次顔料分散体Bの調製〉
まず、下記処方の界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して十分に湿潤したところで、湿式分散機ダイノーミル KDL A型(WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2000rpmで6時間分散を行い、一次顔料分散体Bを得た。
〔一次顔料分散体Bの処方〕
界面活性剤[DKS NL−450 第一工業製薬(株)製]・・・・・・・8部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72部
下記一般式(I)において、XがOCH、RがCHΦ(ベンジル基)、
およびRがCH、RがC1225である有機白色顔料・・・・・20部
Figure 0006256029
上記得られた一次顔料分散体Bに、調製例1にて調製した高分子分散安定化剤溶液を20部加え、十分に撹拌して顔料分散液Bを得た。
この分散した有機白色顔料の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150にて測定したところ、平均粒径(d50)は267nmであった。
[インクの作製]
(実施例1)
下記処方により実施例1のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(SX866(A))の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は620nmであった。
インクの作製方法としては、まず、アクリットWEM−321U、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ポリフォックスPF−156A、プロキセルLV、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例1のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18部
中空樹脂粒子[SX866(A):JSR(株)製]・・・・・・・・・・・3部
アクリルウレタン水系エマルジョン・・・・・・・・・・・・・・・・・7.9部
[アクリットWEM−321U:大成化工(株)製]
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.5部
1,3−ブタンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・4部
界面活性剤(ポリフォックスPF−156A:OMONOVA社製)・・3.3部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・0.2部
2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33.5部
(実施例2)
下記処方により実施例2のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA)の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は374nmであった。
インクの作製方法としては、まず、ボンコート4001、グリセリン、トリエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリフォックスPF−151N、プロキセルLV、トリエタノールアミンをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例2のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18部
中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA:ロームアンドハース社製)・・3.5部
アクリル水系エマルジョン[ボンコート4001:DIC(株)製]・・・・6部
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10部
トリエチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25部
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・・・・・・・・・4部
界面活性剤[ポリフォックスPF−151N:OMONOVA社製]・・・・2部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・0.2部
トリエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31.2部
(実施例3)
下記処方により実施例3のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA E)の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は436nmであった。
インクの作製方法としては、まず、ハイドランHW−940、グリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ゾニールFS−300、プロキセルLV、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例3のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28部
中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA E:ロームアンドハース社製)・4.5部
ポリエステル系ウレタン水系アイオノマー・・・・・・・・・・・・・・・・7部
[ハイドランHW−940:DIC(株)製]
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6部
3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・19部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・2部
界面活性剤(ゾニールFS−300:デュポン社製)・・・・・・・・・2.5部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・0.2部
2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30.7部
(実施例4)
下記処方により実施例4のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA DUAL)の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は425nmであった。
インクの作製方法としては、まず、アクリットWEM−321U、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ポリフォックスPF−156A、プロキセルLV、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例4のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25部
中空樹脂粒子(ローペイク ULTRA DUAL:ロームアンドハース社製)・・・2部
アクリルウレタン水系エマルジョン・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.9部
[アクリットWEM−321U:大成化工(株)製]
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.5部
1,3−ブタンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・4部
界面活性剤[ポリフォックスPF−156A:OMONOVA社製]・・・3.3部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・・0.2部
2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール・・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.5部
(実施例5)
下記処方により実施例5のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(ローペイク OP−62)の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は466nmであった。
インクの作製方法としては、まず、ボンコート4001、グリセリン、トリエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリフォックスPF−151N、プロキセルLV、トリエタノールアミンをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例5のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14部
中空樹脂粒子(ローペイク OP−62:ロームアンドハース社製)・・・・・4部
アクリル水系エマルジョン[ボンコート4001:DIC(株)製]・・・・・6部
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10部
トリエチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25部
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・・・・・・・・・・4部
界面活性剤(ポリフォックスPF−151N:OMONOVA社製)・・・・・2部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・・0.2部
トリエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34.7部
(実施例6)
下記処方により実施例6のインクを作製した。なお、インクを作製する前に、中空樹脂粒子(ローペイク OP−84J)の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)にて測定したところ、平均粒径(d50)は548nmであった。
インクの作製方法としては、まず、ハイドランHW−940、グリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ゾニールFS−300、プロキセルLV、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールをイオン交換水に溶解してビヒクルを作製し、顔料分散液Aおよび中空樹脂粒子を加え混合撹拌した後に、孔径0.8μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクを得た。
〔実施例6のインク処方〕
顔料分散液A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30部
中空樹脂粒子(ローペイク OP−84J:ロームアンドハース社製)・・2.5部
ポリエステル系ウレタン水系アイオノマー・・・・・・・・・・・・・・・・・7部
[ハイドランHW−940:DIC(株)製]
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6部
3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・19部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・2部
界面活性剤(ゾニールFS−300:デュポン社製)・・・・・・・・・・2.5部
防腐防黴剤(プロキセルLV:アビシア社製)・・・・・・・・・・・・・0.2部
2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール・・・・・・・・・・0.1部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31.7部
(実施例7)
実施例1において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例1と同様にしてインクの調製を行い実施例7のインクを作製した。
(実施例8)
実施例2において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例2と同様にしてインクの調製を行い実施例8のインクを作製した。
(実施例9)
実施例3において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例3と同様にしてインクの調製を行い実施例9のインクを作製した。
(実施例10)
実施例4において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例4と同様にしてインクの調製を行い実施例10のインクを作製した。
(実施例11)
実施例5において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例5と同様にしてインクの調製を行い実施例11のインクを作製した。
(実施例12)
実施例6において、顔料分散液Aに替えて顔料分散液Bを使用した以外は実施例6と同様にしてインクの調製を行い実施例12のインクを作製した。
(比較例1)
実施例1において、顔料分散体Aに含まれる有機白色顔料を除き、色材含有量が同等になるように中空樹脂粒子SX866(A)の添加量およびイオン交換水を調節した以外は、実施例1と同様にしてインクの調製を行い比較例1のインクを作製した。
(比較例2)
実施例5において、顔料分散体Aに含まれる有機白色顔料を除き、色材含有量が同等になるように中空樹脂粒子OP−62の添加量およびイオン交換水を調節した以外は、実施例5と同様にしてインクの調製を行い比較例2のインクを作製した。
(比較例3)
実施例7において、顔料分散体Bに含まれる有機白色顔料を除き、色材含有量が同等になるように中空樹脂粒子SX866(A)の添加量およびイオン交換水を調節した以外は、実施例7と同様にしてインクの調製を行い比較例3のインクを作製した。
(比較例4)
実施例10において、顔料分散体Bに含まれる有機白色顔料を除き、色材含有量が同等になるように中空樹脂粒子ローペイク ULTRA DUALの添加量およびイオン交換水を調節した以外は、実施例10と同様にしてインクの調製を行い比較例4のインクを作製した。
(比較例5)
実施例1において、中空樹脂粒子SX866(A)を除き、色材含有量が同等になるように有機白色顔料を含む顔料分散体Aの添加量およびイオン交換水を調節した以外は、実施例1と同様にしてインクの調製を行い比較例5のインクを作製した。
(印字画像の隠蔽性評価)
上記実施例1〜12および比較例1〜5にて調製したそれぞれのインクをインクカートリッジに充填し、インクジェットプリンター(リコー製IPSiO GX3000)を用いて、全ノズルにインクが充填され異常画像が出ないことを確認した後、50mm×50mmのベタ画像をOHPシート上に印字した。この印字したOHPシートの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印字した部分を分光測色濃度計X−Rite938を用いて黒色の濃度を測定した。測定結果を表1に示す。参考として、表1の最下段には、黒紙のみの黒色濃度測定結果を示している。
(光沢感の評価)
また、上記にて出力した印字画像の光沢感を、以下の基準により評価した。評価結果を表1に示す。
A:未印字のOHPシートと遜色の無い均一感のある光沢が得られたもの
B:光沢感はあるが、上記のA判定には及ばないもの
C:全体的にマット調で光沢感がないもの
Figure 0006256029
表1に示したように、白色色材として中空樹脂粒子のみを用いた比較例1〜4のインクでは全体的にマット調で光沢性が無く、一方、白色色材として有機白色顔料のみを用いた比較例5のインクでは印字画像の隠蔽性が劣る結果となっている。
これに対して、前記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料と中空樹脂粒子を併用した本発明の実施例1〜12のインクでは黒色濃度が低下しており、印字した画像の隠蔽率が高く、かつ、光沢が高く鮮明な白色画像が得られている。
インクカートリッジに本発明のインクを充填し、これをインクジェット画像形成装置に搭載して用いれば、インクの保存期間中に色材が沈降すること無く、吐出ノズルでの目詰まりなども無く、かつ印字した画像は色材の隠蔽率が向上して光沢感の高い鮮明な白色画像が得られる。
6 インクカートリッジ装填部
10(10k、10c、10m、10y) インクカートリッジ
21 フレーム
21A 側板
21B 側板
21C 後板
22 フレキシブルケーブル
23 供給ポンプユニット
25 本体側ホルダ
26 固定リブ
31 ガイドロッド
33 キャリッジ
34(34k、34c、34m、34y) 記録ヘッド
35(35k、35c、35m、35y) サブタンク
37 インク供給チューブ
42 用紙
51 搬送ベルト
57 搬送ローラ
58 テンションローラ
91 維持回復装置を含むサブシステム
92 キャップ部材
93 ワイパーブレード
94 空吐出受け/ワイパークリーナー
96 クリーナーコロ
98 空吐出受け
99 開口
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前カバー
115 インクカートリッジ装填部カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙積載部(圧板)
142 用紙
143 半月コロ(給紙コロ)
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラー
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラー
157 搬送ローラー
158 テンションローラー
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラー
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
特開2011−231202号公報 特開平11−130975号公報 特開2009−35672号公報

Claims (7)

  1. 水性媒体、分散剤および色材を組成分として含んでなるインクであって、前記色材として中空樹脂粒子と下記一般式(I)で示される化学構造を有する有機白色顔料とを含有し、
    前記有機白色顔料と中空樹脂粒子との配合割合[有機白色顔料]/[中空樹脂粒子](質量比)が、0.5/1〜3/1であることを特徴とするインク。
    Figure 0006256029
    [式(I)中、Xは同一かまたは異なる水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子、スルホン基を表し、Rはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基またはシクロアルキル基を表し、R、RおよびRは相互に独立して水素原子またはR1を表し、R、RおよびRはこれら2つまたは3つの置換基が共同して窒素原子と共に複素環基を形成してもよい。]
  2. 前記中空樹脂粒子の体積平均粒子径が、0.2μm〜1.0μmであることを特徴とする請求項1に記載のインク。
  3. 前記有機白色顔料の体積平均粒子径が、0.1μm〜0.5μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のインク。
  4. 前記有機白色顔料と中空樹脂粒子との合計配合量が、全インク組成分100質量部中、5.0〜12.0質量部であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインク。
  5. インク収容部を備えたインクカートリッジであって、前記インク収容部中に収容するインクが請求項1乃至のいずれかに記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  6. インク収容部に収容されたインクにエネルギーを作用させ、該インク滴を記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有するインクジェット画像形成装置であって、前記インクとして請求項1乃至のいずれかに記載のインクを用いたことを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  7. 請求項に記載のインクカートリッジを備えたことを特徴とするインクジェット画像形成装置。
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