JP2007106997A - 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

記録用インク、並びにインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007106997A
JP2007106997A JP2006251741A JP2006251741A JP2007106997A JP 2007106997 A JP2007106997 A JP 2007106997A JP 2006251741 A JP2006251741 A JP 2006251741A JP 2006251741 A JP2006251741 A JP 2006251741A JP 2007106997 A JP2007106997 A JP 2007106997A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording
carbon black
mass
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006251741A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007106997A5 (ja
JP5016282B2 (ja
Inventor
Mariko Kojima
真理子 小島
Tomohiro Inoue
智博 井上
Akiko Sakauchi
昭子 坂内
Akihiko Goto
明彦 後藤
Kiyofumi Nagai
希世文 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2006251741A priority Critical patent/JP5016282B2/ja
Publication of JP2007106997A publication Critical patent/JP2007106997A/ja
Publication of JP2007106997A5 publication Critical patent/JP2007106997A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5016282B2 publication Critical patent/JP5016282B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】普通紙上での画像濃度、及び光沢メディア上での光沢度のいずれにおいても優れており、吐出安定性、及び保存安定性に優れ、高速印字や両面印字において汚れを発生させることがなく、耐マーカー性に優れ、滲みの少ない高品位な画像記録が可能である記録用インク等の提供。
【解決手段】少なくとも水、水溶性有機溶剤、浸透剤、及び表面に親水基を有するカーボンブラックを含有してなり、前記浸透剤が炭素数11以下のジオール化合物であり、前記カーボンブラックのDBP吸油量(DBP)が50〜100cm/100gであり、かつ該DBPと、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)との比(DBP/NSA)が3〜15である記録用インクである。該カーボンブラックの一次粒子径が20〜60nmであり、かつ該カーボンブラックが水に分散した状態での体積平均粒径が60〜110nmである態様などが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、記録用インク、並びに該記録用インクを用いたインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
従来より、インクジェット記録用インクの着色剤としては染料が用いられているが、該染料インクは耐水性及び耐侯性に劣り、普通紙で滲みやすいという欠点がある。これらの欠点を改良するため、着色剤として顔料を用いた顔料インクが提案されている。この顔料インクは、耐水性や耐侯性に優れ、滲みの少ない画像を記録できるものの、定着性に劣るという問題点がある。そこで、様々な樹脂を添加して定着性を向上させる試みがなされている。
例えば、特許文献1では、カーボンブラックとソープフリーエマルジョンとを含む記録液が提案されている。この記録液中に含まれるカーボンブラックは、界面活性剤によって分散されており、長期保存性が劣るという欠点がある。
また、特許文献2では、粒径40〜100nmの顔料と、ウレタン系樹脂とを含む記録液が提案されている。この提案には、光沢メディア上での光沢性、黒さ、耐擦過性に優れることが記載されているが、この記録液は写真画質を追及したものであり、普通紙上での画像濃度については何ら開示も示唆もされていない。また、この提案では、カーボンブラックを樹脂と共に分散させているが、このような記録液は長期保存性に劣る傾向にあり、インクジェットノズル付近で固まり易く、再溶解性が悪いため、吐出不良を起こしやすいという問題がある。
また、特許文献3には、自己分散型顔料と樹脂微粒子の平均粒子径を規定することで高い画像濃度を得られるインクが提案されている。この特許文献3の実施例には、DBP吸油量の比較的高いカーボンブラックが使用されており、高い光学濃度(OD)は得られるものの、光沢性は満足できるものではない。
また、特許文献4には、自己分散型顔料と樹脂微粒子の含有量を規定することで、光沢メディア上での光沢性、画像濃度、乾燥性、及び定着性に優れるインクが提案されている。しかし、光沢性や画像濃度については、樹脂微粒子の含有量や粒径よりもカーボンブラックのストラクチャーや二次凝集状態の方が支配的であり、樹脂微粒子の含有量よりもカーボンブラックのストラクチャーを規定する方が、より光沢性、及び画像濃度値の優れた画像を得ることができる。
また、DBP吸油量の比較的小さい、低ストラクチャーのカーボンブラックは、紙面で比較的平滑に配向するため、光沢のある画像が得られることが知られている。例えば、特許文献5では、カーボンブラックの一次粒子径、DBP吸油量、及び凝集体の分布を規定し、光沢性や擦過性が優れた印刷物を与えることができると記載されている。また、特許文献6では、カーボンブラックの一次粒子径、DBP吸油量、及び凝集体の分布を規定に加えウレタン系樹脂を含むことで光沢性や擦過性が優れた印刷物を与えることができると記載されている。この特許文献6では、カーボンのアグリゲート径分布を規定している。これは乾燥後の凝集体の様子であるため、記録液中におけるカーボンの分散状態を示すものではない。
また、特許文献7及び特許文献8で使用されているカーボンブラックは、DBP吸油量の値が比較的小さく、光沢メディア上で高い光沢度が得られるが、普通紙上での画像濃度が低いという欠点がある。更に、これら提案では、浸透性が低いため乾燥速度が遅く、普通紙を印字後反転させて、紙の両面に印字することが困難であるという課題がある。
したがって普通紙上での画像濃度、及び光沢メディア上での光沢度のいずれにおいても優れた記録用インクの実現は困難であり、更に、普通紙における浸透性が良好であり、乾燥待ち時間やヒーターといった特別な乾燥手段を設けなくても普通紙に両面印刷が可能な記録用インク及びその関連技術は未だ実現できていないのが現状である。
特許第3489289号公報 特開2004−285344号公報 特開2004−238444号公報 特開2004−35716号公報 特開2001−348523号公報 特開2002−97390号公報 特開2001−348523号公報 特開2002−97390号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、普通紙上での画像濃度、及び光沢メディア上での光沢度のいずれにおいても優れており、吐出安定性、及び保存安定性に優れ、高速印字や両面印字において汚れを発生させることがなく、耐マーカー性に優れ、滲みの少ない高品位な画像記録が可能である記録用インク、並びに、該記録用インクを用いたインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは、表面に親水基を有するカーボンブラックを含む記録用インクにおいて、ストラクチャーが比較的低いカーボンブラック、即ち、DBP吸油量が50〜100cm/100gであり、かつDBP吸油量/窒素吸着比表面積(NSA)が3〜15であるカーボンブラックを用いると、比較的光沢度が高くなり、更に水中に分散した状態での体積平均粒径を特定の範囲に制御することで、普通紙における画像濃度が高くなることを知見し、光沢メディア上での光沢度と普通紙における画像濃度のいずれにも優れたインク記録物が得られる記録用インクが実現できることを知見した。
この場合、カーボンブラックのストラクチャーは、DBP吸油量によって示され、この値が高いほどストラクチャーが発達している。一方、DBP吸油量の低い、即ち、ストラクチャーの低いカーボンブラックは、光沢メディア上で比較的平滑に配向するため光沢のある画像を得られることが判ったが、着色力が不足する傾向にあり、普通紙において画像濃度が低下してしまう。しかし、二次凝集体を特定の範囲に制御することで、普通紙における画像濃度を確保できた。樹脂微粒子を添加して紙表面付近に顔料を留めることで、より高い画像濃度が得られ、顔料の定着性にも優れる印刷物を得ることができる。
更に、本発明の記録用インクは、炭素数11以下のジオール化合物を添加することで、記録用インクの普通紙に対する浸透性が高まり、印字後すばやくインクが染み込むため、特別な乾燥手段を設けなくても普通紙の両面印刷が可能となることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも水、水溶性有機溶剤、浸透剤、及び表面に親水基を有するカーボンブラックを含有してなり、
前記浸透剤が炭素数11以下のジオール化合物であり、
前記カーボンブラックのDBP吸油量(DBP)が50〜100cm/100gであり、かつ該DBPと、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)との比(DBP/NSA)が3〜15であることを特徴とする記録用インクである。
<2> カーボンブラックの一次粒子径が20〜60nmであり、かつ該カーボンブラックが水に分散した状態での体積平均粒径が60〜110nmである前記<1>に記載の記録用インクである。
<3> パルプ成分を含有する普通紙におけるステキヒトサイズ度が10s以上、密度が0.7g/cm以上であり、かつ該普通紙及び記録用インクを用い、解像度600dpi、付着量1.5〜15g/mの条件で印字したベタ画像部の画像濃度が1.4以上であり、
支持体と、該支持体上にインク受容層を有する光沢メディアにおける入射角60°での光沢度が13〜16であり、かつ該光沢メディア及び記録用インクを用い、解像度600dpi、付着量1.5〜15g/mの条件で印字したベタ画像部の入射角60°での光沢度が18以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載の記録用インクである。
<4> カーボンブラックにおける親水基が、−COOM、−SOM、−POHM、−PO(ただし、各式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム及び有機アンモニウムのいずれかを表す)、−SONH、及び−SONHCOR(ただし、式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、及び置換基を有してもよいアリール基のいずれかを表す)から選択されるいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の記録用インクである。
<5> 水溶性有機溶剤が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ピロリドン、及びN−メチル−2−ピロリドンから選択される少なくとも1種である前記<1>から<4>のいずれかに記載の記録用インクである。
<6> ノニオン系界面活性剤を含有し、該ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種である前記<1>から<5>のいずれかに記載の記録用インクである。
<7> フッ素系界面活性剤を含有し、該フッ素系界面活性剤が、下記構造式(1)、(2)、及び(3)から選択される少なくとも1種である前記<1>から<6>のいずれかに記載の記録用インクである。
ただし、前記構造式(1)中、jは、0〜10の整数を表す。kは、1〜40の整数を表す。
前記構造式(2)中、Rfはフッ素含有基を表す。m、n、及びpは整数を表す。
ただし、前記構造式(3)中、Rfはフッ素含有基を表す。Xはカチオン基、Yはアニオン基を表す。qは整数を表す。
<8> 樹脂微粒子を含有し、該樹脂微粒子の体積平均粒径が10〜300nmである前記<1>から<7>のいずれかに記載の記録用インクである。
<9> 樹脂微粒子が、加水分解性シリル基を含まないシリコーン変性アクリル樹脂からなる前記<8>に記載の記録用インクである。
<10> 更にアミノプロパンジオール化合物を含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の記録用インクである。
<11> 記録用インクの固形分量が5〜20質量%である前記<1>から<10>のいずれかに記載の記録用インクである。
<12> 25℃での粘度が7〜20mPa・sである前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクである。
<13> 前記<1>から<12>のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<14> 前記<1>から<12>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<15> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<14>に記載のインクジェット記録装置である。
<16> 記録媒体の記録面を反転させて両面印刷可能とする反転手段を有する前記<14>から<15>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<17> 無端状の搬送ベルトと、該搬送ベルト表面を帯電させて記録媒体を保持しながら搬送する搬送手段を有する前記<14>から<16>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<18> インク飛翔手段がヘッドを有し、該ヘッドがインク吐出面に撥水加工処理を施したノズルプレートを有する前記<14>から<17>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<19> 撥水加工処理が、PTFE−Ni共析加工、フッ素樹脂加工、及びシリコーン樹脂加工から選択されるいずれかである前記<18>に記載のインクジェット記録装置である。
<20> ヘッドと、該ヘッド上にインクを供給するためのサブタンクとを有し、該サブタンク内にインクカートリッジから供給チューブを介してインクが補充される前記<14>から<19>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<21> 前記<1>から<12>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<22> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<21>に記載のインクジェット記録方法である。
<23> 記録媒体上に前記<1>から<12>のいずれかに記載の記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
本発明の記録用インクは、少なくとも水、水溶性有機溶剤、浸透剤、及び表面に親水基を有するカーボンブラックを含有してなり、
前記浸透剤が炭素数11以下のジオール化合物であり、
前記カーボンブラックのDBP吸油量が50〜100cm/100gであり、かつ該カーボンブラックのDBP吸油量(DBP)と、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)との比(DBP/NSA)が3〜15である。
この場合、カーボンブラックの一次粒子径が20〜60nmであり、かつ該カーボンブラックが水に分散した状態での体積平均粒径が60〜110nmである態様、パルプ成分を含有する普通紙におけるステキヒトサイズ度が10s以上、密度が0.7g/cm以上であり、かつ該普通紙及び記録用インクを用い、解像度600dpi、付着量1.5〜15g/mの条件で印字したベタ画像部の画像濃度が1.4以上であり、
支持体と、該支持体上にインク受容層を有する光沢メディアにおける入射角60°での光沢度が13〜16であり、かつ該光沢メディア及び記録用インクを用い、解像度600dpi、付着量1.5〜15g/mの条件で印字したベタ画像部の入射角60°での光沢度が18以上である態様、などが好ましい。
本発明の記録用インクにおいては、普通紙上での画像濃度、及び光沢メディア上での光沢度のいずれにおいても優れており、吐出安定性、及び保存安定性に優れ、高速印字や両面印字において汚れを発生させることがなく、耐マーカー性に優れ、滲みの少ない高品位な画像記録が可能である。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インクを容器中に収容してなる。該インクカートリッジは、インクジェット記録方式によるプリンタ等に好適に使用される。該インクカートリッジに収容されたインクを用いて記録を行うと、吐出安定性、及び保存安定性に優れ、すばやく記録媒体に浸透して被膜を作り、高速印字や両面印字において汚れを発生させることがなく、耐マーカー性に優れ、滲みの少ない高品位な画像記録が行える。
本発明のインクジェット記録装置は、本発明の前記第1及び第2形態のいずれかにかかる記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有してなる。該インクジェット記録装置においては、前記インク飛翔手段が、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録する。その結果、吐出安定性、及び保存安定性に優れ、すばやく記録媒体に浸透して被膜を作り、高速印字や両面印字において汚れを発生させることがなく、耐マーカー性に優れ、滲みの少ない高品位な画像記録が可能である。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含んでなる。該インクジェット記録方法においては、前記インク飛翔工程において、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像が記録される。その結果、吐出安定性、及び保存安定性に優れ、すばやく記録媒体に浸透して被膜を作り、高速印字や両面印字において汚れを発生させることがなく、耐マーカー性に優れ、滲みの少ない高品位な画像記録が可能である。
本発明のインク記録物は、記録媒体上に本発明の前記記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。本発明のインク記録物においては、吐出安定性、及び保存安定性に優れ、すばやく記録媒体に浸透して被膜を作り、高速印字や両面印字において汚れを発生させることがなく、耐マーカー性に優れ、滲みの少ない高品位な画像が前記記録媒体に保持される。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、吐出安定性、及び保存安定性に優れ、すばやく記録媒体に浸透して被膜を作り、高速印字や両面印字において汚れを発生させることがなく、耐マーカー性に優れ、滲みの少ない高品位な画像記録が可能である記録用インク、並びに、該記録用インクを用いたインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供できる。
(記録用インク)
本発明の記録用インクは、少なくとも水、水溶性有機溶剤、浸透剤、及び表面に親水基を有するカーボンブラックを含有してなり、界面活性剤、樹脂微粒子、アミノプロパンジオール化合物、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記カーボンブラックのDBP吸油量が50〜100cm/100gであり、かつ該カーボンブラックのDBP吸油量(DBP)と、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)との比(DBP/NSA)が3〜15である。
−表面に親水基を有するカーボンブラック−
前記表面に親水基を有するカーボンブラックは、公知のカーボンブラックの製造方法により製造されたものであり、例えば、チャンネル法、オイルファーネス法、ファーネス法、アセチレンブラック法、サーマルブラック法等で製造されたものが好適である。
前記カーボンブラックは、表面を改質処理し、少なくとも1種の親水基をカーボンブラックの表面に直接若しくは他の原子団を介して結合し、分散剤を使用することなく安定に分散させることができる。
前記表面改質方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過硫酸塩、過硼酸塩、過炭酸塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩などの酸化剤水溶液中にカーボンブラックを添加して酸化処理する方法、低温酸化プラズマ処理する方法、オゾンによって酸化する方法などが挙げられる。
前記カーボンブラックにおける親水基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO(ただし、各式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム及び有機アンモニウムのいずれかを表す)、−SONH、及び−SONHCOR(ただし、式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、及び置換基を有してもよいアリール基のいずれかを表す)から選択されるいずれかが挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMが特に好ましい。
前記式中Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
前記式中Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基等が挙げられる。
前記アルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基などが挙げられる。
前記親水基中における「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。
前記カチオン性親水基としては、例えば、第4級アンモニウム基が好ましく、下記に挙げる第4級アンモニウム基がより好ましい。
前記親水基が結合されたカチオン性の分散剤なしで水中に分散可能なカーボンブラックを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表されるN−エチルピリジル基を結合させる方法として、カーボンブラックを3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法、ジアゾニウム塩を反応させることにより、カチオン性親水基を導入する方法、などが挙げられる。
本発明で使用するカーボンブラックのDBP吸油量は50〜100cm/100gであり、55〜90cm/100gが好ましい。前記DBP吸油量が50cm/100g未満であると、普通紙で十分な画像濃度が得られなくなることがあり、100cm/100gを超えると、光沢メディア上での光沢度が低下することがある。
前記カーボンブラックの二次凝集体径は、DBP吸油量/窒素吸着比表面積(NSA)の値と相関があり、DBP吸油量/NSAの値が高くなるほど、普通紙上における画像濃度が高くなるが、光沢メディア上での光沢度が低下する傾向がある。したがって光沢メディア上での光沢度と普通紙における画像濃度が共に良好となるのはDBP吸油量/NSAの値が3〜15である。前記DBP吸油量/NSAの値が3未満であると、普通紙での画像濃度が低くなることがあり、15を超えると、光沢メディア上での光沢度が低下してしまうことがある。
ここで、前記DBP吸油量は、個々の凝集体の空隙率がカーボンブラックのストラクチャーと相関があるので、ジブチルフタレート(DBP)を吸収した量でカーボンブラックのストラクチャーを間接的に定量している。具体的には、JIS K6217−4に記載の方法で測定することができる。
また、前記NSAは、窒素吸着比表面積を示す。カーボンに吸着した窒素量を測定することで比表面積を知ることができる。JIS K6217−2に記載の方法で測定が可能である。
前記記録用インク中のカーボンブラック含有量は3〜15質量%が好ましく、4〜10質量%がより好ましい。前記カーボンブラックの含有量が3質量%未満であると、普通紙での画像濃度が低くなることがあり、15質量%を超えると、光沢メディア上での光沢度が低下してしまうことがある。
前記カーボンブラックの一次粒子径は、20〜60nmが好ましく、25〜50nmがより好ましい。前記一次粒子径が20nm未満であると、光沢メディア上で良好な光沢度が得られないことがあり、60nmを超えると、分散安定性が得られず、保存後に増粘や凝集を起こすことがある。
ここで、前記一次粒子径は、例えば、カーボンブラックを任意の溶媒で希釈し、コロジオン膜付きメッシュ上に希釈液を噴き付けて乾燥させ、透過型電子顕微鏡で撮影する。撮影した写真をデジタル化し、画像解析を行う。抽出された各一次粒子の投影面積に相当する円の直径の分布より求めた算術平均径として測定することができる。
前記カーボンブラックが水に分散した状態での体積平均粒径は、60〜110nmが好ましく、70〜100nmがより好ましい。前記体積平均粒径が60nm未満であると、普通紙で十分な画像濃度が得られなくなり、110nmを超えると、吐出性が悪化することがある。
ここで、前記カーボンブラックの体積平均粒径は、例えば、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)により測定することができる。
前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、三菱カーボン#25、#47、#260、#1960、MCF88、MA7、MA8(いずれも、三菱化学株式会社製)、トーカブラック#7240、#7550(いずれも、東海カーボン株式会社製)などが挙げられる。
パルプ成分を含有してなる普通紙におけるステキヒトサイズ度10s以上、密度0.7g/cm以上であり、かつ該普通紙及び本発明の記録用インクを用い、解像度600dpi、付着量1.5〜15g/mの条件で印字したベタ画像部の画像濃度が1.4以上であることが好ましい。
また、支持体と、該支持体上にインク受容層を有する光沢メディアの入射角60°での光沢度が13〜16であり、かつ該光沢メディア及び本発明の記録用インクを用い、解像度600dpi、付着量1.5〜15g/mの条件で印字したベタ画像部の入射角60°での光沢度が18以上であることが好ましい。
前記普通紙では、解像度600dpi、付着量1.5〜15g/mの条件で印字したベタ画像部の画像濃度が1.4以上であり、1.4〜1.6が好ましい。前記画像濃度が1.4未満であると、全体的に薄い印象の画像となり、インパクトのある画像を得ることができないことがある。
前記普通紙としては、パルプ成分を主成分とするものであれば特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記普通紙は、パルプ成分を70質量%以上含有することが好ましい。
前記パルプ成分としては、例えば、木材パルプ、古紙パルプなどが用いられる。前記木材パルプとしては、例えば、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、TMPなどが挙げられる。
前記光沢メディアでは、解像度600dpi、付着量1.5〜15g/mの条件で印字したベタ画像部の入射角60°での光沢度が18以上であり、18〜60が好ましい。前記光沢度が18未満であると、光沢メディアよりも光沢度が低くなるため、目視で明らかに光沢の欠けた画像となることがある。
前記光沢メディアとしては、支持体と、該支持体上にインク受容層を有するものであれば特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、リコージェルジェットプリンター専用絹目光沢紙(株式会社NBSリコー製)、プレミアムプラス フォト用紙q1934a(日本ヒューレットパッカード社製)、写真用紙<絹目調>(セイコーエプソン株式会社製)、スーパーフォトペーパー シルキー(キヤノン株式会社製)などが挙げられる。
−浸透剤−
前記浸透剤としては、炭素数11以下のジオール化合物が用いられ、炭素数は6〜11が好ましい。炭素数が6未満であると、十分な浸透性が得られず、両面印刷時に記録媒体を汚したり、記録媒体上でのインクの広がりが不十分で画素の埋まりが悪くなるため、文字品位や画像濃度の低下が生じることがあり、炭素数が11を超えると保存安定性が低下することがある。
前記ジオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(炭素数=8)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(炭素数=8)などが好適である。
前記ジオール化合物の添加量は0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。前記添加量が少なすぎると、インクの紙への浸透性が劣り、搬送時にコロで擦られて汚れが発生したり、両面印字のため記録媒体の記録面を反転させる際に搬送ベルトにインクを付着させて汚れが発生したり、高速印字や両面印字に対応できないことがある。一方、添加量が多すぎると、印字ドット径が大きくなり、文字の線幅が広くなったり、画像鮮明度が低下することがある。
−水溶性有機溶剤−
前記水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等が挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、チオジグリコール等が挙げられる。
これらの中でも、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる点から、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの中でも、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
前記水溶性有機溶剤の前記記録用インク中における含有量は、15〜40質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。前記含有量が少なすぎると、ノズルが乾燥しやすくなり液滴の吐出不良が発生することがあり、多すぎるとインク粘度が高くなり、適正な粘度範囲を超えてしまうことがある。
−樹脂微粒子−
前記樹脂微粒子は、ラジカル重合、乳化重合、分散重合、シード重合、懸濁重合などによって重合されたポリマーが水性媒体に分散したものであり、体積平均粒径は10〜300nmが好ましく、50〜200nmがより好ましい。
前記樹脂微粒子における樹脂の種類としては、例えば、アクリル系、メタアクリル系、スチレン系、ウレタン系、アクリルアミド系、ポリエステル系、ブタジエン系等が挙げられ、これらを混合したり、共重合したものを用いることもできる。また、シラン化合物を用いてシリコーン変性したものを用いることもできる。
これらの中でも、アクリル系モノマーとシラン化合物を乳化剤の存在下、重合して得られるシリコーン変性アクリル樹脂が好適であり、加水分解性シリル基を含まないことが特に好ましい。前記シリル基は、加水分解してシラノール基となり、該シラノール基は脱水縮合してシロキサン結合が生じる。シリコーン樹脂におけるシロキサン結合は結合エネルギーが高いため、シロキサン結合を含む塗膜は耐擦過性や耐溶剤性に優れている。なお、前記加水分解性シリル基が残存していると、記録用インクとしたときの保存性が悪化することがある。また、シリコーン変性アクリル樹脂は熱安定性に優れており、熱エネルギーを印加してインクを飛翔させる手段を取る場合、コゲーションの発生がなく安定した吐出が可能となる。
前記アクリル系モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸エステルモノマー、メタクリル酸エステルモノマー、アミド系アクリレート、カルボン酸含有モノマー、などが挙げられる。
前記アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート、などが挙げられる。
前記メタクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート、などが挙げられる。
前記アミド系アクリレートとしては、例えば、N−メチロールアクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、などが挙げられる。
前記カルボン酸含有モノマーとしては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、などが挙げられる。
前記シラン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、などが挙げられる。
また、前記シラン化合物としては、一般的にシランカップリング剤として知られる単量体を用いることもできる。
前記単量体としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、などが挙げられる。
前記シラン化合物としては、加水分解性シリル基を含むものを使用することもできる。なお、「加水分解性シリル基」とは、容易に加水分解することができる基(以下、単に「加水分解性基」ともいう)を含むシリル基を意味する。
前記加水分解性基としては、例えば、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン基、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、イソプロペノキシ基などが挙げられる。
シリル基は、加水分解によりシラノール基となり、該シラノール基は脱水縮合してシロキサン縮合が生成するが、前記加水分解性シリル基は、重合反応を経て加水分解して消失することが好ましい。前記加水分解性シリル基が残存していると、インクとしたときの保存性が悪化することがある。
前記乳化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、エチレンジアミンのポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物、ソルビタン脂肪酸エステル又はその塩、芳香族及び脂肪族リン酸エステル又はその塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、ラウリル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン脂肪酸エステル、ラウリルアルコールエトキシレート、ラウリルエーテル硫酸エステル塩、ラウリルエーテルリン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などが挙げられる。
前記塩としては、例えば、ナトリウム、アンモニウムなどを挙げることができる。
前記乳化剤としては、例えば、不飽和二重結合を有する反応性乳化剤を使用することもできる。
前記反応性乳化剤としては、市販品として、アデカリアソープSE、NE、PP(いずれも、旭電化工業株式会社製);ラテムルS−180(花王株式会社製);エレミノールJS−2、エレミノールRS−30(いずれも、三洋化成工業株式会社製);アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)などが挙げられる。
前記樹脂微粒子の前記カーボンブラックに対する添加量は、前記カーボンブラック1質量部に対し前記樹脂微粒子を0.05〜1.2質量部が好ましく、0.2〜1.0質量部がより好ましい。前記樹脂微粒子の添加量が0.05質量部未満であると、十分な定着性が得えられないことがあり、1.2質量部を超えると、保存安定性が悪化したり吐出性が低下したりする場合がある。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン界面活性剤としては、アルキルアリル、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテルエステル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンオレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、エーテルカルボキシレート、スルホコハク酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、脂肪酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ナフテン酸塩等が挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。前記ノニオン系界面活性剤の市販品としては、例えばソフタノールEPシリーズ(株式会社日本触媒製)などが挙げられる。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。前記アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、例えば、エアープロダクツ社(米国)製のサーフィノール104、82、465、485あるいはTGなどが挙げられる。
前記カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、イミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン誘導体、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン等が挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、下記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物が好適に挙げられる。
ただし、前記構造式(1)中、jは、0〜10の整数を表す。kは、1〜40の整数を表す。
前記構造式(2)において、Rfはフッ素含有基を表し、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記パーフルオロアルキル基としては、炭素数が1〜10のものが好ましく、1〜3のものがより好ましく、例えば、−C2n−1(ただし、nは1〜10の整数を表す。)などが挙げられる。該パーフルオロアルキル基としては、例えば、−CF、−CFCF、−C、−C、などが挙げられ、これらの中でも、−CF、−CFCFが特に好ましい。
m、n、及びpは、整数を表し、nは1〜4、mは6〜25、pは1〜4が好ましい。
前記構造式(2)において、Rfは、フッ素含有基を表し、上記構造式(1)と同様のパーフルオロアルキル基が好ましく、例えば、CF、CFCF、C、Cなどが好適に挙げられる。
Xはカチオン基を表し、例えば、第4級アンモニウム基;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;トリエチルアミン、トリエタノールアミン、などが挙げられ、これらの中でも第4級アンモニウム基が特に好ましい。
Yはアニオン基を表し、例えば、COO、SO、SO、PO、などが挙げられる。qは、整数を表し、例えば、1〜6が好ましい。
前記構造式(3)で表される化合物としては、下記構造式で表されるものが好ましい。
ただし、RfはCF、又はCFCFを表す。qは1〜6である。
前記構造式(1)〜(3)で表されるフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物、等が挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤の具体的な市販品としては、入手が容易であることから、例えば、サーフロンS−111,S−112,S−113,S121,S131,S132,S−141,S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93,FC−95,FC−98,FC−129,FC−135,FC−170C,FC−430,FC−431,FC−4430(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470,F−1405,F474(いずれも、大日本インク化学工業株式会社製);ゾニールFS−300,FSN,FSN−100,FSO(いずれも、デュポン社製);エフトップEF−351,352,801,802(いずれも、ジェムコ社製)などが挙げられる。これらの中でも,信頼性と発色向上に関して良好なゾニールFS−300,FSN,FSN−100,FSO(デュポン社製)が、特に好適に使用できる。
前記界面活性剤の添加量は、カーボンブラックを安定に分散させ、本発明の他の効果を失わせない範囲で適宣調整することができるが、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
−アミノプロパンジオール化合物−
前記アミノプロパンジオール化合物は、水溶性の有機塩基性化合物であり、例えば、アミノプロパンジオール誘導体が好適である。
前記アミノプロパンジオール誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1−アミノ−2,3−プロパンジオール、1−メチルアミノ−2,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられ、これらの中でも、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールが特に好ましい。
前記アミノプロパンジオール化合物の前記記録用インクにおける添加量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5.0質量%がより好ましく、0.1〜2.0質量%が更に好ましい。前記添加量が多すぎると、pHが高くなり、粘度が上昇する等のデメリットが生じることがある。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。該pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、等が挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、等が挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
本発明の記録用インクは、少なくとも水、水溶性有機溶剤、浸透剤、及び表面に親水基を有するカーボンブラック、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明の記録用インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固形分量、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
前記記録用インク中の固形分量は5〜20質量%が好ましく、8〜15質量%がより好ましい。前記固形分量が5質量%未満であると、印字後十分な画像濃度を得ることができないことがある。
ここで、本発明におけるインク中の固形分量とは、主として水不溶の着色剤と樹脂微粒子を意味する。
前記粘度は、25℃で、7〜20mPa・sが好ましく、5〜10mPa・sがより好ましい。前記粘度が20mPa・sを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
前記表面張力としては、20℃で、25〜55mN/mが好ましい。前記表面張力が、25mN/m未満であると、記録媒体上での滲みが顕著になり、安定した噴射が得られないことがあり、55mN/mを超えると、記録媒体へのインク浸透が十分に起らず、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
前記pHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
本発明の記録用インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を記録することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を記録することができる。
本発明の記録用インクは、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで,インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
本発明の記録用インクは、各種分野において好適に使用することができ、インクジェット記録方式による画像記録装置(プリンタ等)において好適に使用することができ、例えば、印字又は印字前後に被記録用紙及び前記記録用インクを50〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するもののプリンタ等に使用することもでき、以下の本発明のインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法に特に好適に使用することができる。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で
形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図2は図1のインクカートリッジ200のケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ200は、図1に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インク(インクセット)を収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段などを有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含んでなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程などを含んでなる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
前記インク飛翔工程は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
本発明においては、該インクジェットヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材の少なくとも一部がシリコン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。
また、ヘッドはインク吐出面に撥水加工処理を施したノズルプレートを有することが好ましく、該撥水加工処理が、PTFE−Ni共析加工、フッ素樹脂加工、及びシリコーン樹脂加工から選択されるいずれかが好ましい。
また、インクジェットノズルのノズル径は、30μm以下が好ましく、1〜20μmが好ましい。
また、インクジェットヘッド上にインクを供給するためのサブタンクを有し、該サブタンク内にインクカートリッジから供給チューブを介してインクが補充されるように構成することが好ましい。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
前記記録用インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記記録用インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記記録用インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記記録用インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3〜40plとするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5〜20m/秒とするのが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましく、その解像度としては300dpi以上とするのが好ましい。
記録媒体の記録面を反転させて両面印刷可能とする反転手段を有することが好ましい。該反転手段としては、静電気力を有する搬送ベルト、空気吸引により記録媒体を保持する手段、搬送ローラと拍車との組み合わせなどが挙げられる。
無端状の搬送ベルトと、該搬送ベルト表面を帯電させて記録媒体を保持しながら搬送する搬送手段を有することが好ましい。この場合、帯電ローラに±1.2kV〜±2.6kVのACバイアスを加えて搬送ベルトを帯電させることが特に好ましい。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。なお、図3中、111は、上カバー、112は前面を表す。
インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ201の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図4及び図5に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図5で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の記録用インク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等を記録用インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しない記録用インク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部105に装填された本発明のインクカートリッジ201から本発明の前記記録用インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられ、また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に、先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そして、サブタンク135内の記録用インクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ201から所要量の記録用インクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ201中の記録用インクを使い切ったときには、インクカートリッジ201における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ201は、縦置きで前面装填構成としても、安定した記録用インクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したり、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ201の交換を容易に行うことができる。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
以下、本発明を適用したインクジェットヘッドについて説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの要素拡大図、図7は、同ヘッドのチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
このインクジェットヘッドは、インク供給口(不図示)と共通液室1bとなる彫り込みを形成したフレーム10と、流体抵抗部2a、加圧液室2bとなる彫り込みとノズル3aに連通する連通口2cを形成した流路板20と、ノズル3aを形成するノズル板と、凸部6a、ダイヤフラム部6b及びインク流入口6cを有する振動板60と、該振動板60に接着層70を介して接合された積層圧電素子50と、該積層圧電素子50を固定しているベース40を備えている。
ベース40はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層圧電素子50を2列配置して接合している。
積層圧電素子50は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジウム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層している。内部電極層は両端で外部電極に接続する。
積層圧電素子50はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部5fと支持部5g(非駆動部)として使用する。外部電極の外側はハーフカットのダイシング加工で分割されるように、切り欠き等の加工により長さを制限しており、これらは複数の個別電極となる。他方はダイシングでは分割されずに導通しており共通電極となる。
駆動部の個別電極にはFPC8が半田接合されている。また、共通電極は積層圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPC8のGnd電極に接合している。FPC8には図示しないドライバICが実装されており、これにより駆動部5fへの駆動電圧印加を制御している。
振動板60は、薄膜のダイヤフラム部6bと、このダイヤフラム部6bの中央部に形成した駆動部5fとなる積層圧電素子50と接合する島状凸部(アイランド部)6aと、支持部に接合する梁を含む厚膜部と、インク流入口6cとなる開口を電鋳工法によるNiメッキ膜を2層重ねて形成している。ダイヤフラム部の厚さは3μm、幅は35μm(片側)である。
この振動板60の島状凸部6aと積層圧電素子50の可動部5f、振動板60とフレーム10の結合は、ギャップ材を含んだ接着層70をパターニングして接着している。
流路板20はシリコン単結晶基板を用いて、流体抵抗部2a、加圧液室2bとなる彫り込み、及びノズル3aに対する位置に連通口2cとなる貫通口をエッチング工法でパターニングした。
エッチングで残された部分が加圧液室2bの隔壁2dとなる。また、このヘッドではエッチング幅を狭くする部分を設けて、これを流体抵抗部2aとした。
ノズルプレート30は、金属材料、例えば、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもので、インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル3aを多数形成している。このノズル3aの内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成している。また、このノズル3aの径はインク滴出口側の直径で20〜35μmである。また各列のノズルピッチは150dpiとした。
このノズルプレート30のインク吐出面(ノズル表面側)は、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層3bを設けている。PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えば、フッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコーン系樹脂及びフッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。また、これらの中でも、例えば、フッ素系樹脂としては、色々な材料が知られているが、変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業株式会社製、商品名:オプツールDSX)を厚みが30〜100Åとなるように蒸着することで良好な撥水性を得ることができる。
インク供給口と共通液室1bとなる彫り込みを形成するフレーム10は樹脂成形で作製している。
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、記録信号に応じて駆動部5fに駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、駆動部5fに積層方向の変位が生起し、振動板60を介して加圧液室2bが加圧されて圧力が上昇し、ノズル3aからインク滴が吐出される。
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室2b内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室2b内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンクから供給されたインクは共通液室1bに流入し、共通液室1bからインク流入口6cを経て流体抵抗部2aを通り、加圧液室2b内に充填される。
流体抵抗部2aは、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による再充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
(インク記録物)
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明のインク記録物である。本発明のインク記録物は、記録媒体上に本発明の前記記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
−表面処理したカーボンブラック顔料分散体の調製−
表1に示すカーボンブラックA(#47、三菱化学株式会社製)150gを濃度2mol/Lの過硫酸ナトリウム水溶液3L中に添加し、60℃で10時間攪拌して酸化処理した。酸化したカーボンブラックは限外ろ過を行い残塩分を取り除いた。その後、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整し、余剰の塩類除去するため、更に限外ろ過を行った。得られた水溶液に精製水を加えて固形分を20質量%となるように調整した。
(調製例2)
−表面処理したカーボンブラック顔料分散体の調製−
表1に示すカーボンブラックB(トーカブラック#7240、東海カーボン株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、カーボンブラック分散体を調製した。
(調製例3)
−表面処理したカーボンブラック顔料分散体の調製−
表1に示すカーボンブラックC(MCF88、三菱化学株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、カーボンブラック分散体を調製した。
(調製例4)
−表面処理したカーボンブラック顔料分散体の調製−
表1に示すカーボンブラックD(#40、三菱化学株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、カーボンブラック分散体を調製した。
(調製例5)
−表面処理したカーボンブラック顔料分散体の調製−
表1に示すカーボンブラックE(#960B、三菱化学株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、カーボンブラック分散体を調製した。
(調製例6)
−表面処理したカーボンブラック顔料分散体の調製−
表1に示すカーボンブラックF(#5、三菱化学株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、カーボンブラック分散体を調製した。
(調製例7)
−表面処理したカーボンブラック顔料分散体の調製−
表1に示すカーボンブラックG(MA220、三菱化学株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、カーボンブラック分散体を調製した。
(調製例8)
−表面処理したカーボンブラック顔料分散体の調製−
表1に示すカーボンブラックH(トーカブラック#9、東海カーボン株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、カーボンブラック分散体を調製した。
次に、調製例1〜8のカーボンブラック分散体について、以下のようにして、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)、DBP吸油量(DBP)、比(DBP/NSA)、一次粒子径、及びカーボンブラック分散体の体積平均粒径を測定した。結果を表1に示す。
<窒素吸着比表面積(NSA)の測定>
SAは、JIS K6217−2の方法に準拠して測定した。
<DBP吸油量(DBP)の測定>
DBP吸油量は、JIS K6217−4の方法に準拠して測定した。
<一次平均粒径>
酸化処理後のカーボンブラック分散体(固形分20質量%)を水で0.1質量%に希釈し、コロジオン膜付きメッシュ上にこの希釈液を噴き付けて乾燥させた。これを透過型電子顕微鏡で撮影し、写真をデジタル化して抽出された各一次粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径(等面積円径)の分布より求めた算術平均径(数平均値)を平均一次粒子径とした。
<体積平均粒径>
酸化処理後のカーボンブラック分散体(固形分20質量%)を水で0.05質量%に希釈し、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社)で体積平均粒子径(D50)を求めた。
(合成例1)
−反応性シリル基を含まないシリコーン変性アクリル樹脂微粒子の合成−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)10g、過硫酸カリウム1g、及び純水286gを仕込み、65℃に昇温した。次に、メタクリル酸メチル150g、アクリル酸2エチルヘキシル100g、アクリル酸20g、ビニルトリエトキシシラン20g、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)を10g、過硫酸カリウム4g、及び純水398.3gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。80℃で更に3時間加熱熟成した後冷却し、水酸化カリウムでpHを7〜8となるよう調整した。
得られたシリコーン変性アクリル樹脂微粒子の29Si−NMRのピークを原材料における29Si−NMRのピークと比較し、加水分解性シリル基によるピークが消失していることから、樹脂微粒子が反応性シリル基を含まないことが確認できた。
29Si−NMRの測定条件>
使用機器:NMR(固体測定)
SR−MAS(Sweat Resin−Magic Angle
Spinning)−29Si−NMR測定を行った。
試料管:ジルコニア製
キャップ:ダイフロン製
得られた反応性シリル基を含まないシリコーン変性アクリル樹脂微粒子の粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した体積平均粒子径(D50%)は130nmであった。
(合成例2)
−反応性シリル基を含まないシリコーン変性アクリル樹脂微粒子の合成−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、アクアロンRN−20(第一工業製薬工業株式会社製)10g、過硫酸カリウム1g、及び純水286gを仕込み、65℃に昇温した。次に、メタクリル酸メチル150g、アクリル酸2エチルヘキシル100g、アクリル酸20g、ヘキシルトリメトキシシラン40g、アクアロンRN−20(第一工業製薬工業株式会社製)を10g、過硫酸カリウム4g、及び純水398.3gの混合溶液を3時間かけてフラスコ内に滴下した。80℃で更に3時間加熱熟成した後冷却し、水酸化カリウムでpHを7〜8となるようにした。
得られたシリコーン変性アクリル樹脂微粒子について、合成例2と同様にして、29Si−NMRのピークを原材料における29Si−NMRのピークと比較し、加水分解性シリル基によるピークが消失していることから、樹脂微粒子が反応性シリル基を含まないことが確認できた。
得られた反応性シリル基を含まないシリコーン変性アクリル樹脂微粒子の粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した体積平均粒子径(D50%)は310nmであった。
(合成例3)
−反応性シリル基を含まないシリコーン変性アクリル樹脂微粒子の合成−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)30g、過硫酸カリウム1g、及び純水286gを仕込み、65℃に昇温した。次に、メタクリル酸メチル150g、アクリル酸2エチルヘキシル100g、アクリル酸20g、ビニルトリエトキシシラン20g、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)30g、過硫酸カリウム4g、及び純水400gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。80℃でさらに3時間加熱熟成した後冷却し、水酸化カリウムでpHを7〜8となるよう調整した。
得られたシリコーン変性アクリル樹脂微粒子について、合成例2と同様にして、29Si−NMRのピークを原材料における29Si−NMRのピークと比較し、加水分解性シリル基によるピークが消失していることから、樹脂微粒子が反応性シリル基を含まないことが確認できた。
得られた反応性シリル基を含まないシリコーン変性アクリル樹脂微粒子の粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した体積平均粒子径(D50%)は48nmであった。
(実施例1)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例1のカーボンブラック顔料分散体・・・7.0質量%(固形分)
・合成例1のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・5.0質量%(固形分)
・1,3−ブタンジオール・・・21.0質量%
・グリセリン・・・7.0質量%
・2−ピロリドン・・・2.0質量%
・ノニオン系界面活性剤(ソフタノールEP7025、株式会社日本触媒製)・・・1.0質量%
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・55.0質量%
(実施例2)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例2のカーボンブラック顔料分散体・・・8.0質量%(固形分)
・合成例1のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・5.0質量%(固形分)
・1,6−ヘキサンジオール・・・16.0質量%
・グリセリン・・・8.0質量%
・下記構造式で表されるフッ素系界面活性剤・・・1.0質量%
ただし、前記構造式中、jは5、kは20を表す。
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・60.0質量%
(実施例3)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例1のカーボンブラック顔料分散体・・・4.0質量%(固形分)
・合成例1のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・0.5質量%(固形分)
・1,5−ペンタンジオール・・・22.5質量%
・グリセリン・・・7.5質量%
・2−ピロリドン・・・2.0質量%
・下記構造式で表されるフッ素系界面活性剤・・・1.0質量%
前記構造式中、RfはCFCF、mは2、nは4、pは4を表す。
・浸透剤としての2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・60.5質量%
(実施例4)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例1のカーボンブラック顔料分散体・・・10.0質量%(固形分)
・合成例1のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・10.5質量%(固形分)
・1,3−ブタンジオール・・・17.0質量%
・グリセリン・・・8.0質量%
・ノニオン系界面活性剤(ソフタノールEP7025、株式会社日本触媒製)・・・1.0質量%
・浸透剤としての2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・51.0質量%
(実施例5)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例3のカーボンブラック顔料分散体・・・8.0質量%(固形分)
・ポリエステル樹脂微粒子(ペスレジンA210、高松油脂株式会社製)・・・5.0質量%(固形分)
・1,5−ペンタンジオール・・・21.0質量%
・グリセリン・・・7.0質量%
・ノニオン系界面活性剤(ソフタノールEP7025、株式会社日本触媒製)・・・1.0質量%
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・56.0質量%
(実施例6)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例1のカーボンブラック顔料分散体・・・7.0質量%(固形分)
・合成例2のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・4.0質量%(固形分)
・3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・18.0質量%
・グリセリン・・・9.0質量%
・下記構造式で表されるフッ素系界面活性剤・・・1.0質量%
ただし、前記構造式中、jは5、kは20を表す。
・浸透剤としての2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・59.0質量%
(実施例7)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例1のカーボンブラック顔料分散体・・・7.0質量%(固形分)
・合成例3のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・4.0質量%(固形分)
・3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・18.0質量%
・グリセリン・・・9.0質量%
・下記構造式で表されるフッ素系界面活性剤・・・1.0質量%
ただし、前記構造式中、jは5、kは20を表す。
・浸透剤としての2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・59.0質量%
(実施例8)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例3のカーボンブラック顔料分散体・・・8.0質量%(固形分)
・アクリル樹脂微粒子(アクアブリッド4720、ダイセル化学工業株式会社製)・・・5.0質量%(固形分)
・1,3−ブタンジオール・・・16.0質量%
・2−ピロリドン・・・3.0質量%
・グリセリン・・・8.0質量%
・ノニオン系界面活性剤(ソフタノールEP7025、株式会社日本触媒製)・・・1.0質量%
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・57.0質量%
(実施例9)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例1のカーボンブラック顔料分散体・・・7.0質量%(固形分)
・合成例1のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・5.0質量%(固形分)
・1,3−ブタンジオール・・・21.0質量%
・グリセリン・・・7.0質量%
・2−ピロリドン・・・2.0質量%
・下記構造式で表されるフッ素系界面活性剤・・・1.0質量%
ただし、前記構造式中、qは6、RfはCFCF、YはSO 、XはNH を表す。
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・55.0質量%
(実施例10)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例1のカーボンブラック顔料分散体・・・8.0質量%(固形分)
・アクリル樹脂微粒子(アクアブリッド4720、ダイセル化学工業株式会社製)・・・5.0質量%(固形分)
・1,3−ブタンジオール・・・16.0質量%
・2−ピロリドン・・・2.0質量%
・グリセリン・・・8.0質量%
・ノニオン系界面活性剤(ソフタノールEP7025、株式会社日本触媒製)・・・1.0質量%
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2.0質量%
・1−アミノ−2,3−プロパンジオール・・・0.5質量%
・イオン交換水・・・57.5質量%
(実施例11)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例1のカーボンブラック顔料分散体・・・8.0質量%(固形分)
・1,3−ブタンジオール・・・24.0質量%
・グリセリン・・・8.0質量%
・ノニオン系界面活性剤(ソフタノールEP7025、株式会社日本触媒製)・・・1.0質量%
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・57.0質量%
(比較例1)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例6のカーボンブラック顔料分散体・・・7.0質量%(固形分)
・合成例1のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・5.0質量%(固形分)
・1,3−ブタンジオール・・・17.0質量%
・2−ピロリドン・・・2.0質量%
・グリセリン・・・8.5質量%
・下記構造式で表されるフッ素系界面活性剤・・・1.0質量%
ただし、前記構造式中、jは5、kは20を表す。
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・57.5質量%
(比較例2)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例7のカーボンブラック顔料分散体・・・8.0質量%(固形分)
・合成例1のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・5.0質量%(固形分)
・1,3−ブタンジオール・・・17.0質量%
・2−ピロリドン・・・2.0質量%
・グリセリン・・・8.5質量%
・下記構造式で表されるフッ素系界面活性剤・・・1.0質量%
ただし、前記構造式中、jは5、kは20を表す。
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・56.5質量%
(比較例3)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例1のカーボンブラック顔料分散体・・・8.0質量%(固形分)
・アクリル樹脂微粒子(アクアブリッド4720、ダイセル化学工業株式会社製)・・・6.0質量%(固形分)
・1,5−ペンタンジオール・・・18.0質量%
・グリセリン・・・6.0質量%
・ノニオン系界面活性剤(ソフタノールEP7025、株式会社日本触媒製)・・・1.0質量%
・イオン交換水・・・61.0質量%
(比較例4)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例4のカーボンブラック顔料分散体・・・8.0質量%(固形分)
・合成例1のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・4.0質量%(固形分)
・1,5−ペンタンジオール・・・20.0質量%
・グリセリン・・・7.0質量%
・ノニオン系界面活性剤(ソフタノールEP7025、株式会社日本触媒製)・・・1.0質量%
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・58.0質量%
(比較例5)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例5のカーボンブラック顔料分散体・・・8.0質量%(固形分)
・合成例1のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・4.0質量%(固形分)
・3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・16.0質量%
・N−メチル−2−ピロリドン・・・2.0質量%
・グリセリン・・・8.0質量%
・下記構造式で表されるフッ素系界面活性剤・・・1.0質量%
ただし、前記構造式中、jは5、kは20を表す。
・浸透剤としての2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・59.0質量%
(比較例6)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例8のカーボンブラック顔料分散体・・・7.0質量%(固形分)
・合成例1のシリコーン変性アクリル樹脂微粒子・・・4.0質量%(固形分)
・1,6−ヘキサンジオール・・・18.0質量%
・グリセリン・・・9.0質量%
・下記構造式で表されるフッ素系界面活性剤・・・1.0質量%
ただし、前記構造式中、jは5、kは20を表す。
・浸透剤としての2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・59.0質量%
(比較例7)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例6のカーボンブラック顔料分散体・・・7.0質量%(固形分)
・アクリル樹脂微粒子(アクアブリッド4720、ダイセル化学工業株式会社製)・・・6.0質量%(固形分)
・1,5−ペンタンジオール・・・21.0質量%
・グリセリン・・・7.0質量%
・ノニオン系界面活性剤(ソフタノールEP7025、株式会社日本触媒製)・・・1.0質量%
・浸透剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・2.0質量%
・イオン交換水・・・56.0質量%
(比較例8)
下記処方のインク組成物を調製し、pHが9になるように水酸化リチウム10質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクを作製した。
<インク組成>
・調製例1のカーボンブラック顔料分散体・・・8.0質量%(固形分)
・アクリル樹脂微粒子(アクアブリッド4720、ダイセル化学工業株式会社製)・・・6.0質量%(固形分)
・1,5−ペンタンジオール・・・18.0質量%
・グリセリン・・・6.0質量%
・浸透剤としての2−ブチル−4−エチル−1,6−ヘキサンジオール(炭素数12)・・・2.0質量%
・ノニオン系界面活性剤(ソフタノールEP7025、株式会社日本触媒製)・・・1.0質量%
・イオン交換水・・・59.0質量%
次に、得られた実施例1〜11及び比較例1〜8の各記録用インクについて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表4、表5、表8、及び表9に示す。
<インクの体積平均粒径>
各記録インクの体積平均粒子径(D50%)は、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)を用いて測定した。
<インクの粘度>
各記録用インクにおけるインク粘度は、R型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、25℃で測定した。
<光学濃度(OD)の測定>
反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて、ベタ部分の画像濃度(OD)を測定した。
<評価用普通紙の物性>
Type6200紙(株式会社NBSリコー製)
密度:0.84g/cm
ステキヒトサイズ度:14s
※ステキヒトサイズ度試験方法(JIS P8122準拠)
試験片の四周を折り、シャーレに入れた23±1℃の2質量%チオシアン酸アンモニウム水溶液に浮かべた。直ちに、ピペットを用いて同じ温度の1質量%塩化鉄(III)水溶液を試験片に1滴落とし、滴内に3個の赤い斑点が現れるまでの時間を、ストップウォッチを用いて0.1秒単位で測定した。
※密度の測定方法(JIS P8118準拠)
D=W/(T×1000)
ただし、式中、Dは密度(g/cm)、Wは坪量(g/m)、Tは厚み(mm)を表す。
<画像の鮮明性>
図3〜図5に示すようなインクジェットプリンタに、実施例1〜11及び比較例1〜8の各記録用インクを充填してType6200紙(株式会社NBSリコー製)に解像度600dpiで印字を行った。印字乾燥後、二色重ねて境界滲み(ブリード)、及び画像滲み(フェザリング)を目視観察し、下記基準により評価した。また、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて画像濃度を測定した。このときの付着量は9.5g/mであった。
〔評価基準〕
◎:滲みの発生が全くなく鮮明な画像である。
○:滲みの発生がなく鮮明な画像である。
△:一部にひげ状の滲みが発生している。
×:文字の輪郭がはっきりしないほど滲みが発生している。
<光沢度>
図3〜図5に示すようなインクジェットプリンタに、実施例1〜11及び比較例1〜8の各記録用インクを充填して、株式会社リコー製のジェルジェットプリンター専用絹目光沢紙(地肌60°光沢=14)に解像度600dpiで印字を行った。印字乾燥後、光沢度計(アトラス社製、Micro−Gloss60°)を用いて、60°光沢を測定した。このときのインク付着量は11.5g/mであった。
<定着性>
図3〜図5に示すようなインクジェットプリンタに、実施例1〜11及び比較例1〜8の各記録用インクを充填してType6200紙(株式会社NBSリコー製)に600dpiの解像度で印字を行った。印字乾燥後、綿布で印字部を10回擦り、綿布への顔料の転写具合及び印字画像部の汚れを目視観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:綿布への顔料転写は認められず、印字画像部の汚れも見られない。
〇:綿布への顔料転写は殆どみられず、印字画像部は端部が擦れる程度である。
△:綿布への顔料転写がみられ、擦過跡に顔料の付着がみられる。
×:綿布への顔料転写が著しく、擦過部分の顔料がほとんど擦り取られている。
<耐マーカー性>
図3〜図5に示すようなインクジェットプリンタに、実施例1〜11及び比較例1〜8の各記録用インクを充填してType6200紙(株式会社NBSリコー製)に600dpiの解像度で印字を行った。印字乾燥後、蛍光マーカー(三菱鉛筆株式会社製、PROPUS2)で印字部をなぞり、顔料が取れることによって発生する汚れ具合を目視観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:色落ちによる汚れが全くみられない。
○:色落ちによる汚れがみられない。
△:色落ちによる汚れが目立つ。
×:マーカーに沿って著しい汚れがみられる。
<インク吐出安定性>
図3〜図5に示すようなインクジェットプリンタに、実施例1〜11及び比較例1〜8の各記録用インクを充填してType6200紙(株式会社NBSリコー製)に600dpiの解像度で連続200枚印字を行い、吐出乱れ及び不吐出具合を下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:吐出乱れ及び不吐出は全くみられない。
〇:吐出乱れ及び不吐出は3ノズル以下である。
△:4ノズル以上10ノズル以下の不吐出、吐出乱れがある。
×:11ノズル以上の不吐出、吐出乱れがある。
<インク保存性>
実施例1〜11及び比較例1〜8の各記録用インクをカートリッジに充填して、50℃で3週間保存し、増粘及び凝集がないかについて下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:増粘及び凝集は全くみられない。
○:増粘及び凝集は3%未満である。
△:3%以上10%未満の増粘又は凝集がみられる。
×:10%以上の増粘又は凝集がみられる。
<両面印刷性>
図3〜図5に示すようなインクジェットプリンタに、実施例1〜11及び比較例1〜8の各記録用インクを充填してType6200(株式会社NBSリコー製)に600dpiの解像度で印字を行った。片面に印字を行った直後に専用のユニットを介して用紙を反転させ、裏面に印字を行った。これを連続100枚実施し、反転させる際浸透していないインクを擦って発生する用紙汚れと、反転後の搬送性を下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:反転時に擦れて発生するインク汚れが全くみられない。
○:反転時に擦れて発生するインク汚れが3枚以下である。
△:反転時に擦れてインクが付着するものが4枚以上10枚以下である。
×:反転時に擦れてインクが付着するものが11枚以上である。
表4、表5、表8、及び表9の結果から、実施例1〜11の記録用インクは、比較例1〜8の記録用インクに比べて、吐出安定性、及び保存安定性に優れ、すばやく記録媒体に浸透して被膜を作り、高速印字や両面印字において汚れを発生させることがなく、耐マーカー性に優れ、滲みの少ない高品位な画像記録が可能であることが認められた。
本発明の記録用インクは、吐出安定性、及び保存安定性に優れ、すばやく記録媒体に浸透して被膜を作り、高速印字や両面印字において汚れを発生させることがなく、耐マーカー性に優れ、滲みの少ない高品位な画像記録が可能であり、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に好適に用いることができる。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す概略図である。 図2は、図1のインクカートリッジのケースも含めた概略図である。 図3は、インクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である。 図4は、インクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図である。 図5は、本発明のインクジェットヘッドの一例を示す概略拡大図である。 図6は、本発明のインクジェットヘッドの他の一例を示す要素概略拡大図である。 図7は、図6のインクジェットヘッドの要部拡大概略断面図である。
符号の説明
10 フレーム
20 流路板
30 ノズルプレート
40 ベース
50 積層圧電素子
60 振動板
70 接着層
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
144 分離パッド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
200 インクカートリッジ
201 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装

Claims (23)

  1. 少なくとも水、水溶性有機溶剤、浸透剤、及び表面に親水基を有するカーボンブラックを含有してなり、
    前記浸透剤が炭素数11以下のジオール化合物であり、
    前記カーボンブラックのDBP吸油量(DBP)が50〜100cm/100gであり、かつ該DBPと、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)との比(DBP/NSA)が3〜15であることを特徴とする記録用インク。
  2. カーボンブラックの一次粒子径が20〜60nmであり、かつ該カーボンブラックが水に分散した状態での体積平均粒径が60〜110nmである請求項1に記載の記録用インク。
  3. パルプ成分を含有する普通紙におけるステキヒトサイズ度が10s以上、密度が0.7g/cm以上であり、かつ該普通紙及び記録用インクを用い、解像度600dpi、付着量1.5〜15g/mの条件で印字したベタ画像部の画像濃度が1.4以上であり、
    支持体と、該支持体上にインク受容層を有する光沢メディアにおける入射角60°での光沢度が13〜16であり、かつ該光沢メディア及び記録用インクを用い、解像度600dpi、付着量1.5〜15g/mの条件で印字したベタ画像部の入射角60°での光沢度が18以上である請求項1から2のいずれかに記載の記録用インク。
  4. カーボンブラックにおける親水基が、−COOM、−SOM、−POHM、−PO(ただし、各式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム及び有機アンモニウムのいずれかを表す)、−SONH、及び−SONHCOR(ただし、式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、及び置換基を有してもよいアリール基のいずれかを表す)から選択されるいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の記録用インク。
  5. 水溶性有機溶剤が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ピロリドン、及びN−メチル−2−ピロリドンから選択される少なくとも1種である請求項1から4のいずれかに記載の記録用インク。
  6. ノニオン系界面活性剤を含有し、該ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種である請求項1から5のいずれかに記載の記録用インク。
  7. フッ素系界面活性剤を含有し、該フッ素系界面活性剤が、下記構造式(1)、(2)、及び(3)から選択される少なくとも1種である請求項1から6のいずれかに記載の記録用インク。
    ただし、前記構造式(1)中、jは、0〜10の整数を表す。kは、1〜40の整数を表す。
    前記構造式(2)中、Rfはフッ素含有基を表す。m、n、及びpは整数を表す。
    ただし、前記構造式(3)中、Rfはフッ素含有基を表す。Xはカチオン基、Yはアニオン基を表す。qは整数を表す。
  8. 樹脂微粒子を含有し、該樹脂微粒子の体積平均粒径が10〜300nmである請求項1から7のいずれかに記載の記録用インク。
  9. 樹脂微粒子が、加水分解性シリル基を含まないシリコーン変性アクリル樹脂からなる請求項8に記載の記録用インク。
  10. 更にアミノプロパンジオール化合物を含有する請求項1から9のいずれかに記載の記録用インク。
  11. 記録用インクの固形分量が5〜20質量%である請求項1から10のいずれかに記載の記録用インク。
  12. 25℃での粘度が7〜20mPa・sである請求項1から11のいずれかに記載の記録用インク。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  14. 請求項1から12のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  15. 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項14に記載のインクジェット記録装置。
  16. 記録媒体の記録面を反転させて両面印刷可能とする反転手段を有する請求項14から15のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  17. 無端状の搬送ベルトと、該搬送ベルト表面を帯電させて記録媒体を保持しながら搬送する搬送手段を有する請求項14から16のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  18. インク飛翔手段がヘッドを有し、該ヘッドがインク吐出面に撥水加工処理を施したノズルプレートを有する請求項14から17のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  19. 撥水加工処理が、PTFE−Ni共析加工、フッ素樹脂加工、及びシリコーン樹脂加工から選択されるいずれかである請求項18に記載のインクジェット記録装置。
  20. ヘッドと、該ヘッド上にインクを供給するためのサブタンクとを有し、該サブタンク内にインクカートリッジから供給チューブを介してインクが補充される請求項14から19のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  21. 請求項1から12のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  22. 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項21に記載のインクジェット記録方法。
  23. 記録媒体上に請求項1から12のいずれかに記載の記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
JP2006251741A 2005-09-16 2006-09-15 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 Expired - Fee Related JP5016282B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006251741A JP5016282B2 (ja) 2005-09-16 2006-09-15 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005270298 2005-09-16
JP2005270298 2005-09-16
JP2006251741A JP5016282B2 (ja) 2005-09-16 2006-09-15 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007106997A true JP2007106997A (ja) 2007-04-26
JP2007106997A5 JP2007106997A5 (ja) 2009-07-30
JP5016282B2 JP5016282B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=38033107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006251741A Expired - Fee Related JP5016282B2 (ja) 2005-09-16 2006-09-15 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5016282B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009006485A (ja) * 2007-06-26 2009-01-15 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法、および記録装置、記録物
WO2009035158A1 (en) 2007-09-14 2009-03-19 Ricoh Company, Ltd. Recording ink, ink media set, ink cartridge, ink recorded matter, inkjet recording apparatus, and inkjet recording method
JP2009280749A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Ricoh Co Ltd インクジェット用記録インクと画像形成方法
WO2010032867A1 (en) * 2008-09-17 2010-03-25 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording inkset and inkjet recording method
WO2010050618A1 (en) * 2008-10-30 2010-05-06 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording ink, inkjet recording inkset, ink cartridge, inkjet recording method, and recorded matter
JP2010188605A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク液メディアセット及びインクジェット記録方法
JP2011094052A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Sakata Corp 浸透乾燥型オフセット印刷用墨インキ組成物
JP2012036333A (ja) * 2010-08-10 2012-02-23 Ricoh Co Ltd インクジェット記録装置及びインクカートリッジの洗浄液兼充填液、並びに該洗浄液兼充填液を収容したカートリッジ
US8444755B2 (en) 2007-12-26 2013-05-21 Ricoh Company, Ltd. Ink-jet recording ink, ink-jet recording ink set, ink-jet recording ink media set, ink cartridge, ink-jet recording method and ink-jet recording apparatus
JP2018503719A (ja) * 2014-12-19 2018-02-08 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company 向上した耐久性のためのカーボンブラック顔料
CN115490980A (zh) * 2022-09-30 2022-12-20 郑州轻大产业技术研究院有限公司 一种凝胶速率可调的3d打印水凝胶墨水

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11148026A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Tokai Carbon Co Ltd 易水分散性カーボンブラック
JP2001081386A (ja) * 1999-09-17 2001-03-27 Tokai Carbon Co Ltd 水性黒色インキ
JP2003201430A (ja) * 2001-09-21 2003-07-18 Ricoh Co Ltd インク、並びにそれを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置
JP2005139330A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、記録方法および記録装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11148026A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Tokai Carbon Co Ltd 易水分散性カーボンブラック
JP2001081386A (ja) * 1999-09-17 2001-03-27 Tokai Carbon Co Ltd 水性黒色インキ
JP2003201430A (ja) * 2001-09-21 2003-07-18 Ricoh Co Ltd インク、並びにそれを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置
JP2005139330A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、記録方法および記録装置

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009006485A (ja) * 2007-06-26 2009-01-15 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法、および記録装置、記録物
EP2178992A4 (en) * 2007-09-14 2012-01-04 Ricoh Co Ltd RECORDING INK, INK MEDIA SET, INK CARTRIDGE, INK RECORDED MATERIAL, INK HEAD RECORDING DEVICE, AND INK HEAD RECORDING METHOD
US8240836B2 (en) 2007-09-14 2012-08-14 Ricoh Company, Ltd. Recording ink, ink media set, ink cartridge, ink recorded matter, inkjet recording apparatus, and inkjet recording method
WO2009035158A1 (en) 2007-09-14 2009-03-19 Ricoh Company, Ltd. Recording ink, ink media set, ink cartridge, ink recorded matter, inkjet recording apparatus, and inkjet recording method
EP2178992A1 (en) * 2007-09-14 2010-04-28 Ricoh Company, Ltd. Recording ink, ink media set, ink cartridge, ink recorded matter, inkjet recording apparatus, and inkjet recording method
US8444755B2 (en) 2007-12-26 2013-05-21 Ricoh Company, Ltd. Ink-jet recording ink, ink-jet recording ink set, ink-jet recording ink media set, ink cartridge, ink-jet recording method and ink-jet recording apparatus
JP2009280749A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Ricoh Co Ltd インクジェット用記録インクと画像形成方法
US8474963B2 (en) 2008-05-26 2013-07-02 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording ink and image forming method
JP2010070620A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法
US8517527B2 (en) 2008-09-17 2013-08-27 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording inkset and inkjet recording method
WO2010032867A1 (en) * 2008-09-17 2010-03-25 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording inkset and inkjet recording method
WO2010050618A1 (en) * 2008-10-30 2010-05-06 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording ink, inkjet recording inkset, ink cartridge, inkjet recording method, and recorded matter
JP2010132855A (ja) * 2008-10-30 2010-06-17 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクセット、インクカートリッジ、記録方法及び記録物
US8651650B2 (en) 2008-10-30 2014-02-18 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording ink, inkjet recording inkset, ink cartridge, inkjet recording method, and recorded matter
JP2010188605A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク液メディアセット及びインクジェット記録方法
JP2011094052A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Sakata Corp 浸透乾燥型オフセット印刷用墨インキ組成物
JP2012036333A (ja) * 2010-08-10 2012-02-23 Ricoh Co Ltd インクジェット記録装置及びインクカートリッジの洗浄液兼充填液、並びに該洗浄液兼充填液を収容したカートリッジ
JP2018503719A (ja) * 2014-12-19 2018-02-08 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company 向上した耐久性のためのカーボンブラック顔料
CN115490980B (zh) * 2022-09-30 2023-07-07 郑州轻大产业技术研究院有限公司 一种凝胶速率可调的3d打印水凝胶墨水
CN115490980A (zh) * 2022-09-30 2022-12-20 郑州轻大产业技术研究院有限公司 一种凝胶速率可调的3d打印水凝胶墨水

Also Published As

Publication number Publication date
JP5016282B2 (ja) 2012-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5016282B2 (ja) 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP4921753B2 (ja) 記録用インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP5510696B2 (ja) 記録用インク、該インクを含むインクセット、及び該インク又はインクセットを用いた記録方法、記録装置と記録物、及びインクカートリッジ
JP4809650B2 (ja) 記録用インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP5942708B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物
JP5112714B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP5360455B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録用インク−メディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置
JP5152631B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録用インク−メディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置。
JP5453708B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録用インクメディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置。
JP6252168B2 (ja) インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及びインク記録物
JP5293990B2 (ja) 記録用インク、記録方法及び記録用装置
JP5042574B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録用インクメディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置。
JP2009062519A (ja) インクジェットインク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物
JP2014051625A (ja) インクジェット用インク、インクカイートリッジ、インクジェット記録装置、記録物
JP5966724B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置
JP2007216664A (ja) 記録用インク、記録用メディア、インクメディアセット、及びインク記録物、並びにインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2017052930A (ja) インク、インク収容容器及びインクジェット記録装置
JP5664893B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録用インクメディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置。
JP2008101192A (ja) 記録用インク、並びにインクメディアセット、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法
JP4880974B2 (ja) 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法
JP2015193773A (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2008074887A (ja) 記録用インク及びインクジェット記録装置
JP5958878B2 (ja) インクジェット用インク組成物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインク記録物
JP6508298B2 (ja) 画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP5446159B2 (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090616

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120608

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5016282

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees