JP2015017199A - インクジェットインク、インクジェット画像形成方法及びインクジェット画像形成装置 - Google Patents

インクジェットインク、インクジェット画像形成方法及びインクジェット画像形成装置 Download PDF

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Masayuki Koyano
正行 小谷野
尚史 羽橋
Hisafumi Habashi
尚史 羽橋
岡田 崇
Takashi Okada
崇 岡田
井上 智博
Tomohiro Inoue
智博 井上
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Abstract

【課題】ノズルの目詰まりや噴射曲がりの少ない吐出信頼性に優れ、耐候性、発色性も両立させたインクジェットインクを提供すること【解決手段】着色剤、水および水溶性溶剤を含有するインクジェットインクにおいて、前記着色剤として、1質量%水溶液の25℃における、最大泡圧法の泡寿命1sでの動的表面張力が、50mN/m以上であるC.I. Acid Orange 33を含有することを特徴とするインクジェットインク。本発明のインクは、少なくとも一部がシリコーン樹脂で被覆されたノズル部材と組み合わせて用いることにより、効果的な撥インク性を発現しノズル面のワイピング性を良好にし、吐出信頼性はもとより、信頼性維持機構のメンテナンス性にも優れた画像形成方法、装置を得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は複写機、プリンター、ファクシミリ等におけるインクジェット方式を用いたインクジェット画像形成装置、インクジェット画像形成方法及びこれに用いるインクジェットインクに関する。
インクジェット記録方法はインク液滴を飛翔させ、記録媒体に付着させて記録する記録方法であり、記録プロセスが単純なことから低コストで多色化が可能であり、非接触印字のため重ね印字が可能で、印字品位を上げやすく騒音無く高速記録することが可能な記録方法である。そのため近年は家庭用プリンターから商業用のプリンターまで幅広く利用されている。
幅広く活用されているため継続的にインクジェット記録方法の画質向上が図られており、プロセスカラーである4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)だけでなく、淡色インク(ライトシアン、ライトマゼンタ、グレー)や特別色(レッド、ブルー、グリーン)も利用されてきている。このような色数を増やすことで、印字画像の粒状感を低減し、色空間を拡大することが可能となってきている。
インクジェット記録方法による画像品質は、文字画像から写真画像まで満足できるものであり、近年ではデジタルカメラやスキャナーの普及により、銀塩写真の代わりに写真を出力する方法として広く用いられてきている。そのためユーザーはコンピュータディスプレー上の画像を元に印字出力画像を比較するため、ディスプレーに近い発色を求めており銀塩写真を凌駕する発色性が求められている。したがって写真用途の高発色性を求めるインクジェット記録装置はプロセスカラー以外の複数色のインクを用いる装置となってきている。
また文字画像やグラフなどのビジネス文書、Web画面のプリントなどは一時的な出力であったり長時間の閲覧に用いないが、写真印字物は長期の掲示が想定されるため屋内で蛍光灯や室内環境のガスに暴露され、それらにて褪色しないことが求められる。
染料を着色剤に用いたインクを使用するインクジェット記録方法は光沢性メディアと組み合わせることで、耐湿性があり透明感のある画像を形成することができ、最も銀塩写真に近い画像を得ることができる。しかし染料は顔料に比べて光褪色、ガス褪色を起こしやすい。また染料は近年一般的に普及している多孔質光沢性メディアに定着することで表面積が大きくなることでこれらの褪色の影響を大きく受けることが問題となっている。
このような染料の褪色に対して、特許文献1〜特許文献4などに示されているように高耐侯性染料が開発され耐侯性に大きな進歩が得られている。
高耐侯性染料の開発技術は確立されてきているが市場性が確立できるのはプロセスカラーのみとなっており、高耐侯性染料はシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のみが供給されている。発色領域を広げるために多色化を行うとレッドやグリーン、ブルーといった色相の異なる染料が必要となるが高耐侯化は行われておらず、これらの染料を用いている色相が強く褪色することで画像を破綻させてしまう。
特にレッドからオレンジ領域は人の顔色を形成する色相のため発色性を強く求められており、また褪色の影響が顔色の変化として強く認識されてしまう問題がある。また耐候性、発色性のよい染料インクの吐出信頼性を確保することが困難で、ノズル目詰まりや噴射曲がりを起こしやすく、全てを満足することは出来ていない。
本発明はノズルの目詰まりや噴射曲がりの少ない吐出信頼性に優れ、耐候性、発色性も両立させたインクジェットインクを提供することを目的とする。
本発明者は水溶液の動的表面張力を規定した染料を用いることで、前記課題が解決できることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記(1)に記載する通りのインクジェットインクに係るものである。
(1)着色剤、水および水溶性溶剤を含有するインクジェットインクにおいて、前記着色剤として、1質量%水溶液の25℃における、最大泡圧法の泡寿命1sでの動的表面張力が、50mN/m以上であるC.I. Acid Orange 33を含有することを特徴とするインクジェットインク。
本発明のインクジェットインクは、水溶液の動的表面張力を規定した染料を用いることで、ノズルの目詰まりや噴射曲がりの少ない吐出信頼性に優れ、耐候性、発色性も両立させることができる。また本発明のインクジェットインクは添加量に応じた精製度を水溶液の動的表面張力で調整した染料を用いることで、フィルタ通液性を向上することができ、流路部材の寿命や装置の信頼性を上げることができる
さらに本発明のインクジェットインクと特定のノズル部材とを組合せることにより効果的な撥インク性を発現しノズル面のワイピング性を良好にし、吐出信頼性はもとより、信頼性維持機構のメンテナンス性にも優れた画像形成方法、装置を得ることができる。
本発明に関わる、インクジェット記録装置の前方側から見た斜視説明図 同記録装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図 同機構部の要部平面概略図 同機構部の平面概略図
以下に好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
1質量%水溶液の25℃における、最大泡圧法の泡寿命1sでの動的表面張力を50mN/m以上とすることで、ノズル部材に対する撥インク性を確保することができ、噴射曲がりを改善することができる。25℃における1質量%水溶液染料の泡寿命1sでの動的表面張力の上限は、分離、精製のために要する工数の制約がなければ特にないが、実質的には70mN/mを超えることは困難である。このため、最大泡圧法の泡寿命1sでの動的表面張力は50〜70mN/mの範囲が好ましい。さらに添加量に応じた精製度を水溶液の動的表面張力で調整した染料とすることで、フィルター通液性を確保することができ、長期吐出信頼性や装置寿命の改善となる。添加量に応じた染料水溶液の25℃における泡寿命1sでの動的表面張力上限は、添加量次第のため水と同等であり、52〜72mN/mの範囲が好ましく、実質的な添加量では52〜70mN/mの範囲がさらに好ましい。
本発明に用いられる最大泡圧法の動的表面張力測定としては、市販されている下記のような装置を用いることが可能であるが、これらに限定されるものではない。
・協和界面科学社製 動的表面張力計BPシリーズ
・クルス社製 バブルプレッシャー動的表面張力計BP100、BP50
・シータ社製 動的表面張力計 t60、t15、Dynotester
測定は温度を25℃に調整した染料水溶液の、泡寿命1sでの動的表面張力を測定すればよいが、その前後の泡寿命での測定からも近似が可能である。
染料の精製は、脱塩処理、活性炭処理などが工業的には一般的であり、少量であれば抽出、各種クロマトグラフィー、再結晶などの操作を組み合わせても可能であるが、これらに限定されるものではない。
<染料>
本発明のインクには着色剤としてその他の水溶性染料を用いることも可能である。
本発明に用いるその他の染料としては、プロセスカラーであるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに対しては耐候性が高い染料を用いることで、画像の耐久性を高めることが出来る。このような高耐候性の染料としては、特開2007−224274号公報(以下「特許文献5」という)及び特許文献2009−62515号公報(以下「特許文献6」という。)に詳細な記述があるので、イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料及びブラック染料に関しては特許文献5及び特許文献6の記載箇所を挙げることにより、説明に変える。
(イエロー染料)
特許文献5の段落[0016]〜[0118]参照
特許文献6の段落[0063]〜[0130]参照
(マゼンタ染料)
特許文献6の段落[0152]〜[0183]参照
(シアン染料)
特許文献5の段落[0189]〜[0231]参照
特許文献6の段落[0025]〜[0063]参照
(ブラック染料)
特許文献5の段落[0132]〜[0189]参照
特許文献6の段落[0189]〜[0259]参照
また中間色相のインクに用いる染料としては、一般的に市販されているイエローからオレンジ、レッド色相までの染料を用いて、混合もしくは単独で使用することができる。
一例としては、
C.I.Direct Orange 6、8、10、26、29、39、41、49、51、62、102
C.I.Acid Orange 7、8、10、56、64
C.I.Food Yellow 3、4、5
等が上げられ、色相と発色面からC.I.Acid Orange 33やC.I.Food Yellow 5を用いることが好ましい。
またこれら以外に以下の染料を、各色の補色として添加することも可能である。
酸性染料及び食用染料としては以下のものを挙げることができる。
C.I..アシッド・イエロー 17、23、42、44、79、142
C.I..アシッド・レッド 1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289
C.I..アシッド・ブルー 9、29、45、92、249
C.I..アシッド・ブラック 1、2、7、24、26、94
C.I..フード・イエロー 2、3、4
C.I..フード・レッド 7、9、14
C.I..フード・ブラック 1、2
直接性染料としては以下のものを挙げることができる。
C.I..ダイレクト・イエロー 1、12、24、26、33、44、50、120、132、142、144、86
C.I..ダイレクト・レッド 1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227
C.I..ダイレクト・ブルー 1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202
C.I..ダイレクト・ブラック 19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171
塩基性染料としては以下のものを挙げることができる。
C.I..ベーシック・イエロー 1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、465、67、70、73、77、87、91
C.I..ベーシック・レッド 2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112
C.I..ベーシック・ブルー 1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155
C.I..ベーシック・ブラック 2、8
反応性染料としては以下のものを挙げることができる。
C.I..リアクティブ・ブラック 3、4、7、11、12、17
C.I..リアクテイブ・イエロー 1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67
C.I..リアクティブ・レッド 1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97
C.I..リアクティブ・ブルー 1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95
これらの染料のインク中の含有割合は、染料総量として1〜10質量%程度が好ましい。染料総量を前記の数値範囲にすることで所望の発色、および耐光性や耐オゾン性などの画像堅牢性を得ることが可能となる。このことは染料は乾燥時に複数分子が近傍に集まったクラスター状態になっており、希薄な染料濃度で印字すると乾燥後にクラスターが形成されにくく染料が単分子で染着してしまい、環境条件に暴露される頻度が多くなり、耐環境性が悪化するものと推測される。
また上記染料は水溶性染料のため有機塩として水中でイオン解離して可溶化しているが、溶解度の限界があり、インクには有機溶剤を含むため染料の溶解性を低下させる場合も多い。インク中の水分が揮発すると水溶成分として可溶化していた染料が析出してしまい、インク粘度の増加やノズル詰まりを引き起こしてしまう。さらに高濃度にすることでインク一滴当たりの着色力が上がってしまい、ドットの認識性が上がるため画像の粒状性を悪化させる傾向にある。
以上のことを鑑みて、インクへの染料総添加量は2〜6質量%がより好ましい。
<画像保存性向上剤>
本発明に用いる画像保存性向上剤としては、ヒンダートアミン、紫外線吸収剤、酸化防止剤などがある。インクジェット記録画像は光やガスによる影響が大きいため、ヒンダートアミンや紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
−ヒンダートアミン−
本発明に用いるヒンダートアミンとしては、N−CHタイプ、N−Hタイプ、N−ORタイプの何れも利用可能であるが、好ましくはN−CHタイプ、N−ORタイプである。このようなヒンダートアミンはブチルカルビトールやブチルセルソルブと混合することで水混和可能なものもあるが、好ましくは水難溶性の液体、もしくは粉体を分散させたものである。
このように水分散されたヒンダートアミンは、BASF社のTINUVIN 123DW、ADEKA社のアデカノールUC−5225、アデカノールUC−606があり、樹脂分散を行っているTINUVIN 123DWが特に好ましい。
これらヒンダートアミンのインクへの添加量は、保護するべき染料濃度に依存しており、染料の固形分に対して有効成分量が1質量%〜10質量%が望ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
−紫外線吸収剤−
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
これらの中でヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾトリアゾール系が良く、これらの水分散品が水系インクに添加する上で好ましい。
このような水分散品としては、BASF社のTINUVIN 1130、TINUVIN 99DW、TINUVIN 400DW、TINUVIN 477DW、ADEKA社のUC−3140があり、この中ではTINUVIN 477DWが特に好ましい。
これら紫外線吸収剤のインクへの添加量は、保護するべき染料濃度に依存しており、染料の固形分に対して有効成分量が1質量%〜10質量%が望ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、等が挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
何れも水難溶性のため、水分散品を用いてインクに添加することが好ましい。このような水分散品としてはADEKA SDX−2855がある。
酸化防止剤のインクへの添加量は、0質量%〜10質量%が望ましく、必要に応じて添加することが出来る。
―水溶性有機溶剤―
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンが挙げられる。
好ましい水溶性有機溶剤としては、23℃、80%環境中の平衡水分量が30質量%以上の多価アルコール類が挙げられる。その具体例としては、1,2,3−ブタントリオール(38質量%)、1,2,4−ブタントリオール(41質量%)、グリセリン(49質量%)、ジグリセリン(38質量%)、トリエチレングリコール(39質量%)、テトラエチレングリコール(37質量%)、ジエチレングリコール(43質量%)、1,3−ブタンジオール(35質量%)等が挙げられる。中でもグリセリン、1,3−ブタンジオールは水分を含んだ場合に低粘度化することができるため特に好適に用いられる。
このような水溶性有機溶剤を処理液全体の10質量%以上用いた場合、吐出安定性確保やインク吐出装置の維持装置での廃インク固着防止に優れるため好ましい。また50質量%以下であることにより、添加すると染料種によっては溶解性が阻害されることが無いので染料が析出することがなく、吐出不良を引き起こすことがない。
水溶性有機溶剤のインク中含有量は10〜50質量%程度とすることが好ましい。水溶性有機溶剤のインク中の含有量が前記範囲であることにより水溶解性の高い染料に対しても、染料の析出による吐出不良を防止できる溶解性を確保することが可能となる。
また必要に応じて平衡水分量が30質量%未満の水溶性溶剤を使用することが出来る。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、環状エーテル類、アミン類、アミド類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の水溶性有機溶剤などが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、プロピルプロピレンジグリコールなどが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記環状エーテル類としては、エポキシ類、オキセタン類、テトラヒドロフラン類、テトラヒドロピラン類、クラウンエーテル等が挙げられる。本発明としてはオキセタン類、テトラヒドロフラン類が好ましく、水溶性の面からオキセタン類が望ましい。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、3−アミノプロピルジエチルアミンなどが挙げられる。
前記アミド化合物類としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドもアミド化合物として存在するが、有害性が高く使用することは好ましくない。アミド化合物は染料を可溶化する作用を持ち、インク乾燥時の結晶析出を抑制する効果がある。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコールなどが挙げられる。
このような水溶性有機溶剤はインクに対して0〜30質量%添加することが好ましい。
水溶性有機溶剤のインク中における総含有量は、10〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。含有量が10質量%以上であることにより、吐出安定性が低下したりインクジェット記録装置の維持装置で染料が結晶化して固着したりすることがない。また、50質量%以下であることにより、少しの乾燥で水溶解性の高い染料の結晶化を防止することができ、また、紙面上での乾燥性に優れ、光沢紙上での色安定にかかる時間が短縮できる。
―界面活性剤―
インクに用いられる界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が用いられる。色材の種類や水溶性有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択する。
アニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、琥珀酸エステルスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体例として以下に挙げるものが好適に使用されるが、これらに限定されるわけではない。ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン等が挙げられる。
このような界面活性剤は日光ケミカルズ(株)、日本エマルジョン(株)、日本触媒(株)、東邦化学(株)、花王(株)、アデカ(株)、ライオン(株)、青木油脂(株)、三洋化成(株)などの界面活性剤メーカより容易に入手できる。
またアセチレングリコール系界面活性剤は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系(例えばエアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485あるいはTGなど)をもちいることができるが、特にサーフィノール465、104やTGが良好な印字品質を示す。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーおよびこの硫酸エステル塩、フッ素系脂肪族系ポリマーエステルが挙げられる。
このようなフッ素系界面活性剤として市販されているものを挙げると、サーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−145(旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(住友スリーエム社製)、FT−110、250、251、400S(ネオス社製)、ゾニールFS−62、FSA、FSE、FSJ、FSP、TBS、UR、FSO、FSO−100、FSN N、FSN−100、FS−300、FSK(Dupont社製)、ポリフォックスPF−136A、PF−156A、PF−151N(OMNOVA社製)などがあり、メーカより容易に入手できる。
またシリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越シリコーン株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社などから容易に入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式で表されるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物、などが挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(いずれも、信越化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記界面活性剤は、これらに限定されるものではなく、単独で用いても、複数のものを混合して用いてもよい。単独ではインクジェットインク中で容易に溶解しない場合も、混合することで可溶化され、安定に存在することができる。
界面活性剤総量として浸透性の効果を発揮するためには0.01〜5質量%含有していることが望ましい。界面活性剤総量が前記範囲であれば、浸透性の効果を発揮し、さらに過剰な浸透性に対する画像濃度の低下や裏抜けの発生が防止できる。
―浸透剤―
インクに用いる浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2質量%以上5.0質量%未満のポリオールの少なくとも1種を含有することが望ましい。
このようなポリオールのうち、脂肪族ジオールとしては
2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなど
が具体例として挙げられる。
これらのなかで最も望ましいものは2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及びまたは2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールである。
その他の併用できる浸透剤として
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類など
が挙げられるが、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば、これらに限らない。
浸透剤の添加量としては0.1質量%〜4.0質量%の範囲が望ましい。添加量が0.1質量%よりも少ないと、速乾性が得られず滲んだ画像となる。逆に添加量が4.0質量%よりも多いと染料の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題が発生することもある。
―水分散性樹脂―
本発明のインクジェットインクに水分散性樹脂を添加しても構わない。
インクに用いられる水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えたものが、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用であり、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
水分散性樹脂の粒径は分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径は50nm以上が望ましい。また粒径が数十μになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させることは知られている。インク吐出性を阻害させないために平均粒子径が500nm以下が望ましく、150nm以下が好ましい。
水分散性樹脂は染料を紙面に定着させる働きを持ち、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが望まれている。そのためには最低造膜温度(MFT)が常温以下であることが好ましく20℃以下であることが望ましい。しかしガラス転移点が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移点が−30℃以上の水分散性樹脂であることが望ましい。
このような水分散性樹脂を用いると画像の定着性、耐水性、耐ガス性を向上することが可能となるが、被記録媒体によっては樹脂が被膜化することで光沢性を変化させてしまう。また多量の添加はインクジェットヘッドのメニスカスの乾燥時に被膜を形成してしまうため、樹脂固形分5質量%以上の添加はノズルの目詰まりや光沢性の変化を引き起こすため好ましくない。
―その他の成分―
その他の成分としては特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えばpH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼすことなくpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
pHが7未満か又は11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
―インクの製法―
インクは、染料、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤、水、必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、適宜攪拌混合して製造する。攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行なうことができ、通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうことができる。
―インクの物性―
インクの物性には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粘度や表面張力が下記の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は2〜20mPa・sが好ましい。吐出時のインク粘度を2mPa・s以上とすることによって、インクの吐出時の残留振動が起こりにくくなる効果があり、駆動波形による吐出後の振動抑制を行いやすくでき、短時間で次の吐出が出来るようになるため高速印字に適するようになる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を安定しやすくなる。使用環境に応じて粘度は変化するため、使用想定範囲でインク粘度が上記範囲を満たす事が好ましく、25℃における粘度は5〜10mPa・sがより好ましい。粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業社製)を使用して各温度に調温することで測定することができる。
インクの静的表面張力は、25℃で20〜40mN/mが好ましく、20〜35mN/m以下がより好ましい。静的表面張力がこの範囲にあれば、浸透性が高くなりブリーディングの低減に効果があり、普通紙印字での乾燥性が良好となる。また光沢紙表面でのドット拡大が起こるため光沢紙での発色性改善が成される。表面張力が40mN/mを超えると、光沢紙表層のサイズ性のためにドットの広がりが抑制され、隠蔽性を高めるためにインク付着量が増えることとなり、印字コストの増加や乾燥時間の長時間化を招くことがある。逆に20mN/m未満となると、インクジェットヘッドのノズルプレートに濡れすぎてしまい、メンテナンスによるワイピング斑によってノズル孔周辺のインクの染み出しや濡れ性の不均一を引き起こし、吐出曲がりや不吐出状態を引き起こしてしまう。
インクの色には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの差し色やその他特色に用いることができる。これらの色を2種以上併用したインクセットを用いて記録を行なうと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを用いて記録を行なうと、フルカラー画像を形成することができる。またプロセスカラー以外のレッド、グリーン、ブルー、グレー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ダークイエローインクを用いることで、フルカラー画像の色域を広げ画像の粒状性を低減することができる。また2次色の付着総量を低減することが可能となるため記録媒体の吸収不良が引き起こしにくく、ビーディングやブリーディングを低減し、色相の曲がりや乾燥時の色相変化を低減する事が出来る。
上記インクは、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などのいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンターにも良好に使用できる。
上記インクは、例えば印字時又は印字前後に記録媒体及び前記インクを50〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するプリンター等に使用することもできる。
<記録媒体>
本発明の画像形成方法の対象となる記録媒体としては、支持体上に少なくとも1層以上のインク受容層を有する記録媒体であって、支持体上に、シリカ、ポリビニルアルコール及び架橋剤を含む下層をもち、アルミナもしくはコロイダルシリカとポリビニルアルコールを含み、かつ、ポリビニルアルコールの架橋剤を実質的に含有しない上層からなるインクジェット用記録媒体が好ましい。
このような記録媒体の上層が記録媒体印字面となるが、この表面のベック平滑度が300秒以上であることが好ましい。300秒未満であると、画素が不均一に拡がったり、真円度を損ない易くなり、写真階調のノイズになりやすいため好ましくない。
記録媒体のインク受容層は二層以上の多層構造になっており、下層にはインクを素早く吸収し、色材を定着できるようにするため比表面積の大きな無機酸化物等の多孔性粒子を含有することが好ましい。具体的にはシリカまたはアルミナが挙げられ、特にシリカの中でも、気相法により得られる平均1次粒径が30nm以下で、BET比表面積が250m2/g以上の合成シリカはインクの吸収性と光沢性が高いため好ましい。またアルミナとしては、β−アルミナ、γ−アルミナ等が使用できる。
また記録媒体表面に当たる上層は一次粒子径は小さく二次粒子径の大きなコロイダルシリカやアルミナを用いる事が好ましく、特にアルミニウム塩で処理したコロイダルシリカ粒子も好ましく使用することができる。
インク受容層中のバインダーとしては、透明性が高くインク溶媒のより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用にあたっては、親水性バインダーがインク溶媒の初期浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、室温付近で膨潤しにくい親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。下層はポリビニルアルコールに硼砂のような架橋剤を加えることでゲル状に構造を作り、ゲル構造のまま乾燥させることで、空隙の大きく吸液性の高いインク受容層を構成することが出来る。
記録媒体の基材としては公知の紙、合成紙、樹脂被覆紙、フィルム等いずれも使用することができるが、好ましくは非インク吸収性の基材が好ましい。特に写真印画紙用に使用されるようなレジンコート紙が写真画質を再現するメディア基材としてより好ましい。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、インクに刺激を印加し、記録媒体にインクを飛翔させて画像を形成する画像形成工程を有する。
―画像形成工程(インク飛翔工程)―
画像形成工程は、インクに刺激(エネルギー)を印加し、処理液を塗布した記録媒体にインクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する工程である。
インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する方法としては、公知のあらゆるインクジェット記録方法を適用できる。このような方法としては、ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法や、ライン化されたヘッドを用いることにより、ある枚葉の記録媒体に画像記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
インク飛翔工程において、インク飛翔手段である記録ヘッドの駆動方式には特に限定はなく、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータ等を利用したオンディマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドで記録することもできる。熱エネルギーを作用させる方式においては、液滴の噴射を自在に制御することが困難とされており、記録媒体の種類等による画像のばらつきが大きくなりがちであるが、処理液を記録媒体に付与することにより、これらの課題は解消され、記録媒体の種類に依らず安定した高画質を得ることができる。
―画像形成装置―
インクジェット記録装置は、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特公平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内で熱エネルギーでインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特公昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれの場合も含まれる。
特に、振動板を変形させるピエゾ型のもの、熱エネルギーで吐出させるサーマル型のものが効果的である。
図1に示したインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103とを備えている。そして装置本体101の上カバー111の上面は略平坦な面であり、装置本体101の前カバーの前面112が上面に対して斜め後方に傾斜し、この傾斜した前面112の下方側に、前方(手前側)に突き出した排紙トレイ103および給紙トレイ102を備えている。さらに、前面112の端部側には、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなった箇所にインクカートリッジ装填部104を有し、このインクカートリッジ装填部104の上面に操作キーや表示器などの操作部105を配置している。このインクカートリッジ装填部104にはインクカートリッジの脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には図2、図3に示すように、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モーターによって、図3のキャリッジ走査方向に移動走査する。
キャリッジ133にはイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のインク滴を吐出する4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエーター、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエーター、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエーター、静電力を用いる静電アクチュエーターなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
ヘッドのインク吐出部であるノズル面には、吐出安定性、ワイピング性向上のため、Ni/PTFE共析、シリコーン樹脂、フッ素系撥水付与剤により形成された層が設けられている。本発明ではノズル孔内壁の表面エネルギーを吐出液体によって規定するが、ノズル面の表面エネルギーもノズル孔内壁のそれと合わせるとより効果的となる。従って、ノズル孔内壁も必要に応じてノズル表面と同様な処理が行なわれている。
ノズル孔内壁面がシリコーン樹脂またはフッ素系撥水付与剤により形成された層に覆われている場合にも非常に効果的である。
シリコーン樹脂は、SiとOからできたシロキサン結合を基本骨格とし、側鎖に有機基を有するオルガノポリシロキサン類であり、シリコーン層を形成する方法としては、液状のシリコーン溶液または分散液をノズル孔内に流し込むことによる塗布が挙げられるが、特に限定されるものではない。シリコーン層を形成する際、電着法以外ではノズル板裏面などシリコーン層を形成しない部分はフォトレジスト、水溶性樹脂等でマスキングし、シリコーン層形成後、レジストを剥離除去すれば目的の部分にのみシリコーン層を形成することができる。シリコーン層の厚みは、0.1〜5.0μm程度が好ましく、特にノズル径精度等を考慮すると0.5〜2.0μmが好ましい。
フッ素系撥水付与剤は、低分子物質、樹脂などで特に限定されるものではないが、特開2002−145645号公報、特開平9−286639号公報、特開2000−94567号公報等に開示されたものが挙げられる。
キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。このサブタンク135に、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部105に装填されたインクカートリッジからインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ103の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部(圧板)141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)143および給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンターローラー152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とを備えている。
また搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラー156を備えている。ここで、搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラー157とテンションローラー158との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向に周回するように構成されている。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、ETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
また、搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161を配置している。さらに、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、 搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラー172および排紙コロ173とを備え、排紙ローラー172の下方に排紙トレイ103を備えている。また、装置本体101の背面部には両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット181は搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取りこんで反転させて再度カウンターローラー152と搬送ベルト151との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182を設けている。
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142はガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンターローラー152との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押しつけられ、略90°搬送方向を転換される。この時、帯電ローラー156によって搬送ベルト151が帯電されており、用紙142は搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。
そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号または用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受け取ることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そしてサブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジから所要量のインクがサブタンク135に補給される。
さらに、図4に示すように、キャリッジ33の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための本発明に係る維持装置91を配置している。この維持装置91には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャッピングするための各キャップ92と、ノズル面をワイピングするためのワイパーブレード93と、増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け94、この空吐出受けに一体成型され、ワイパーブレード93に付着したインクを除去するための清掃部材であるワイパークリーナー94、およびワイパーブレード93のクリーニング時にワイパーブレード93をワイパークリーナー側に押し付けるクリーナー手段を構成するクリーナーコロ96などを備えている。以上の構成において記録ヘッド34が、ワイパーブレード93の位置を通過する際、移動経路中に突出させれば、記録ヘッド34の吐出口がワイピングされることになる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[染料の分離、精製]
試料として未精製のアシッドオレンジ33染料(Haihang Industry社製:以下「未精製品」という)及び非インクジェットグレード品(以下、「染色用原体」という)を用意した。
未精製のアシッドオレンジ33染料(Haihang Industry社製)7.0gを水100gに溶解し、約200gのベンジルアルコールで4回抽出した。エバポレータと減圧乾燥によりそれぞれ水相およびベンジルアルコール相の染料固体(水相、ベンジルアルコール相それぞれに抽出され、溶媒を除去したあとに残留する固体)を得た。これらをそれぞれ「水相精製品」及び「ベンジルアルコール抽出品」という。
同様に未精製のアシッドオレンジ33染料(Haihang Industry社製)7.0gを水100gに溶解し、これに50gの活性炭素(粒状)を入れ、1日攪拌した。濾過で活性炭を除いた後、エバポレータと減圧乾燥により染料固体(以下、「活性炭精製品」という)を得た。
また、活性炭精製品の作製における活性炭素(粒状)の量を50gから100gにかえた以外は、同様にして染料固体(以下、「活性炭2倍精製品」という)を得た。
上記各染料固体について、染料固体1.0gを水99.0gに溶解し、1時間攪拌して1質量%aqを調製し、また、水の添加量を変えた以外は、同様に5.5質量%aqを調製して、表面張力測定用試料を得た。
未精製品、水相精製品、ベンジルアルコール抽出品、活性炭精製品及び活性炭2倍精製品について、25℃における1.0質量%及び5.5質量%水溶液の泡寿命1sでの動的表面張力、およびプレート法5s後の表面張力を測定した結果を表1に示す。
また、染色用原体についても表面張力を測定しようとしたが、水に溶解しなかったため、測定できなかった。
なお、動的表面張力の測定にはSITA社製DynoTesterを用い、プレート法による表面張力の測定には協和界面科学社製自動表面張力計CBVP−Zを用いた。
表1の結果から分かるように、プレート法による5s後の比較的静的な表面張力では、1質量%と5.5質量%とに表面張力の値に違いが見られないが、最大泡圧法による1s後の動的表面張力では表面張力の値が異なり染料の精製度を感度よく測定することができる。
Figure 2015017199
[インクの調製]
インクの調製は表2、3に従って、以下の手順で行った。まず水溶性溶剤、界面活性剤、水を混合し30分間攪拌を行い均一に混合する。この混合液に対して表1で得られた各染料の水溶液を添加し、合計95質量%となるように残量の水を添加し、30分間撹拌した。その混合液に対し水酸化リチウム10%水溶液を加えpHが9になるように調整し、合計100質量%となるように残量の水を添加し、30分間撹拌した。その後0.2μmセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子を除去し評価インクとした。
Figure 2015017199
Figure 2015017199
[評価]
(ノズル部材への撥インク性評価)
Ni電鋳ノズル表面上に、シリコーンレジン(東レダウコーニングシリコーン社製SR−2411)をディスペンサーにて塗布して大気中250℃1h熱処理して膜厚が約0.5μmのシリコーン層を形成した。前記ノズル部材を各インクに50℃で7日間浸漬した。浸漬後純水ですすぎ、自然乾燥させたノズル部材を、更に25℃にて各インクに30秒浸漬し引上げた後の撥インク性を評価した。
評価基準は以下の通りとした。
○ : 引上げ後90秒以内にほぼ撥インクするもの
△ : 引き上げ90秒後に浸漬した半分程度インクが残るもの
× : 引き上げ90秒後に浸漬した部分に全体的にインクが残っているもの
(再濾過性評価)
各インクの再濾過性を0.2μmセルロースアセテートメンブランフィルターφ50にて空気圧1kgf/cmにて加圧濾過を行い、濾過通液量に対する濾過速度の低下を直線近似した傾き(減衰率)と最大濾過速度より評価した。
評価基準は以下の通りとした。
◎ : 減衰率が15[×10−4/秒]未満で、最大濾過速度が1.0[g/秒]を超えるもの
○ : 減衰率が15[×10−4/秒]未満で、最大濾過速度が1.0[g/秒]未満のもの
△ : 減衰率が15〜25[×10−4/秒]のもの
× : 減衰率が25[×10−4/秒]より大きいもの
下記評価については、(株)リコー社製プリンター IPSiO GX e5500を用いて、23℃40%RHの環境下で、写真用紙クリスピア(セイコーエプソン製)上に印字を行い、評価した。
(画像発色性評価)
プリンターで、各インク1200dpi×1200dpiで単色ベタ画像を印字した。 出力した画像は23℃40%RHの環境下で24時間乾燥させ、反射分光測色計X−Rite 939にて測色し画像の色特性を測定した。
評価基準は最高彩度の数値に基づいて以下の通りとした。
○ : 115以上
△ : 100以上115未満
× : 100未満
(吐出信頼性)
プリンターを改造し、動作中にキャッピング、クリ−ニング等が行われないでどれだけ印字休止しても復帰できるかを調べ、どれだけの時間で噴射方向がずれるか、あるいは吐出液滴の質量が変化するかでその信頼性を評価した。
<評価ランク>
23℃、50%RH環境に10min放置した場合について以下の評価基準で評価した。
5 : 特に問題なし
4 : 滴質量の変化が小で噴射方向曲がり限度内
3 : 噴射方向曲がり小
2 : 滴質量変化大であるが目詰まり発生はない
1 : 顕著な目詰まり発生
評価結果を表4に示す。
Figure 2015017199
10 インクカートリッジ
21 フレーム
23 供給ポンプユニット
33 キャリッジ
34 ヘッド
35 サブタンク
36 チューブ
42 用紙
51 搬送ベルト
91 維持装置
92a〜92d キャップ
93 ワイパーブレード
94 空吐出受け/ワイパークリーナー
96 クリーナーコロ
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 装置部
111 上カバー
112 前カバー
115 インクカートリッジ装填部カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙積載部(圧板)
142 用紙
143 半月コロ(給紙コロ)
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラー
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラー
157 搬送ローラー
158 テンションローラー
162ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラー
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
特許第4055328号公報 特表2009−507991号公報 特開2003−55589号公報 特公平7−49544号公報

Claims (5)

  1. 着色剤、水および水溶性溶剤を含有するインクジェットインクにおいて、前記着色剤として、1質量%水溶液の25℃における、最大泡圧法の泡寿命1sでの動的表面張力が、50mN/m以上であるC.I. Acid Orange 33を含有することを特徴とするインクジェットインク。
  2. 水溶液の25℃における最大泡圧法の泡寿命1sでの動的表面張力が、52mN/m以上となる添加量の前記C.I. Acid Orange 33を含有する請求項1記載のインクジェットインク。
  3. インクにエネルギーを作用させてノズルから液滴を吐出するインクジェット画像形成方法において、請求項1又は請求項2に記載のインクジェットインクを用い、少なくとも一部がシリコーン樹脂で被覆されたノズル部材を用いることを特徴とするインクジェット画像形成方法。
  4. インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクとして請求項1又は請求項2に記載のインクジェットインクを用いることを特徴とするインクジェット記録用インクカートリッジ。
  5. インクを収容するインク収容部を有するインクカートリッジを備え、エネルギーを作用させてノズルから液滴を吐出するインクジェット画像形成装置において、前記インクとして、請求項1又は請求項2に記載のインクジェットインクを用い、ノズル部材として請求項3に記載のノズル部材を用い、インクカートリッジとして請求項4に記載のインクカートリッジを用いることを特徴とするインクジェット画像形成装置。
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