JP6171646B2 - インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法はインク液滴を飛翔させ、記録用メディアに付着させて記録する記録方法であり、記録プロセスが単純なことから低コストで多色化が可能であり、非接触印字のため重ね印字が可能で、印字品位を上げやすく騒音無く高速記録することが可能な記録方法である。そのため、近年は家庭用プリンタから商業用のプリンタまで幅広く利用されている。
幅広く活用されているため継続的にインクジェット記録方法の画質向上が図られており、プロセスカラーである4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)だけでなく、淡色インク(ライトシアン、ライトマゼンタ、グレー)や特別色(レッド、ブルー、グリーン)も利用されてきている。このような色数を増やすことで、印字画像の粒状感を低減し、色空間を拡大することが可能となってきている。
インクジェット記録方法による画質は、文字画像から写真画像を満たすことができ、近年ではデジタルカメラやスキャナーの普及により、銀塩写真の代わりに写真を出力する方法として広く用いられてきている。そのためユーザーはコンピュータディスプレー上の画像を元に印字出力画像を比較するため、ディスプレーに近い発色を求めており、銀塩写真を凌駕する発色性が求められている。したがって、写真用途の高発色性を求めるインクジェット記録装置はプロセスカラー以外の複数色のインクを用いる装置となってきている(特許文献1〜3参照)。
このようにインクジェットの発色領域を広げるために多色化を行うとレッド、グリーン、ブルーといった色相の異なる染料が必要となる。特にレッドからオレンジ領域は人の顔色を形成する色相のため発色性を強く求められており、また、褪色の影響が顔色の変化として強く認識されてしまう問題がある。また、耐候性、発色性のよい染料インクの吐出信頼性を確保することが困難で、ノズル目詰まり及び噴射曲がりを起こしやすく、すべての性能を満足することはできていないのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ノズルの目詰まり及び噴射曲がりの少ない吐出信頼性に優れ、耐候性及び発色性を両立でき、フィルタ通液性が向上し、流路部材の寿命及び装置の信頼性を上げることができるインクジェット記録用インクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクジェット記録用インクは、水、有機溶剤、及び着色剤を含有してなり、前記着色剤がC.I.アシッドオレンジ33であり、該C.I.アシッドオレンジ33が、高極性成分Aと、該高極性成分Aよりも極性が低い低極性成分Bとを含み、前記高極性成分Aと前記低極性成分Bとの質量比(B/A)が1.2以下である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、ノズルの目詰まり及び噴射曲がりの少ない吐出信頼性に優れ、耐候性及び発色性を両立でき、フィルタ通液性が向上し、流路部材の寿命及び装置の信頼性を上げることができるインクジェット記録用インクを提供することを目的とする。
図1は、インクカートリッジの一例を示す概略図である。 図2は、図1のインクカートリッジのケースも含めた概略図である。 図3は、インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。 図4は、インクジェット記録装置の一例を示す概略図である。 図5は、インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの一例を示す概略拡大図である。 図6は、C.I.アシッドオレンジ33における高極性成分AのFT−IR吸収スペクトルを示す図である。 図7は、C.I.アシッドオレンジ33における低極性成分BのFT−IR吸収スペクトルを示す図である。
(インクジェット記録用インク)
本発明のインクジェット記録用インクは、水、有機溶剤、及び着色剤を含有してなり、界面活性剤、浸透剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明のインクジェット記録用インクは、前記着色剤がC.I.アシッドオレンジ33であり、該C.I.アシッドオレンジ33が、高極性成分Aと、該高極性成分Aよりも極性が低い低極性成分Bとを含み、前記高極性成分Aと前記低極性成分Bとの質量比(B/A)が1.2以下である。
<着色剤>
前記着色剤として水溶性染料C.I.アシッドオレンジ33を用い、赤色〜オレンジ色にかけて色相を発色する染料インクを用いることでプロセスカラーでは得られなかった広大な色域を発色できる。
前記C.I.アシッドオレンジ33は、下記構造式で表されるが、一般的なアゾ染料の合成方法により製造されて市場に供給されているものは4成分以上からなる混合物となっている。
これらの中でも、2成分の発色がオレンジ色であり、含有量が多い。前記2成分について液体クロマトグラフィーにて分離回収して、高極性成分Aと、該高極性成分Aよりも極性が低い低極性成分BとのFT−IR吸収スペクトルを示したものが、図6及び図7である。
図6に示すように、高極性成分Aは1620cm−1の位置にアゾ結合と帰属される強い吸収を有している。一方、図7に示すように、低極性成分Bは1590cm−1の位置にアゾ結合と帰属される強い吸収を有しており、両者は、吸収ピーク位置が異なることから、構造の異なる成分であると考えられる。
前記C.I.アシッドオレンジ33のFT−IRスペクトルにおける1620±10cm−1の位置の吸収と1590±10cm−1の位置の吸収を比較したとき、
高極性成分Aは、1620±10cm−1の位置の吸収が大きい化合物である。
低極性成分Bは、1590±10cm−1の位置の吸収が大きい化合物である
ここで、前記C.I.アシッドオレンジ33における前記高極性成分A及び前記低極性成分Bにおける極性は、相対的な指標であるが、本発明においては、水に溶かしたC.I.アシッドオレンジ33をベンジルアルコール(誘電率13.1)にて抽出したときの、ベンジルアルコール相への溶解度から評価され、高極性成分Aはベンジルアルコール相への溶解度が3g/L未満の成分であり、低極性成分Bはベンジルアルコール相への溶解度が3g/L以上の成分である。水相と分離したベンジルアルコール相をロータリーエバポレータで乾固させ溶解成分を回収することで、回収し得られた染料質量と使用したベンジルアルコール量からベンジルアルコール相への溶解度を計算することができる。ベンジルアルコールへの溶解度が小さいほどその染料は高極性であるといえる。
本発明のインクジェット記録用インクにおいては、前記高極性成分Aの含有量と前記低極性成分Bの含有量との質量比(B/A)が異なることにより、ノズルの目詰まり、噴射曲がり、フィルタ通液性、ノズル面の撥インク性に影響を及ぼす。
前記高極性成分A及び前記低極性成分Bは、いずれか一方が主成分であり、他方が副成分であればよく、即ち、高極性成分Aが主成分でもよく、低極性成分Bが主成分であっても構わない。ここで、前記主成分とは、着色剤全量中で最も多く含まれている発色成分を意味する。
また、前記着色剤としてのC.I.アシッドオレンジ33は、高極性成分Aを少なくとも含んでいればよく、前記高極性成分Aのみを含むもの(低極性成分Bが0質量%)も本発明に含まれる。ただし、前記低極性成分Bのみを含むもの(高極性成分Aが0質量%)は、撥インク性、濾過性、再濾過性、及び吐出信頼性のいずれも劣ることから、本発明には含まれない。
本発明のインクジェット記録用インクにおいては、前記高極性成分Aと前記低極性成分Bとの質量比(B/A)は1.2以下であり、1.0以下が好ましく、0以上0.8以下がより好ましい。前記質量比(B/A)の下限は、分離、精製のために要する工数の制約がなければ特に制限されないが、0以上が好ましい。前記数値範囲において、ノズル部材に対する撥インク性を確保することができ、噴射曲がりが改善する。
前記質量比(B/A)を1.2以下とするにより、フィルタ通液性を確保することができ、長期吐出信頼性や装置寿命の改善となる。
ここで、前記質量比(B/A)は、使用している染料を液体クロマトグラフィーにて分離、単離して定量することにより求めることができる。
前記液体クロマトグラフィーとしては、例えば、TLC(薄層液体クロマトグラフィー)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、などが挙げられる。これらどの分析方法を用いても染料の着色成分を分離できれば、固定相により所望の展開溶媒の選択することができる。
前記TLCの展開溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、クロロホルム、アセトニトリル、ピリジン、モルホリン、アセトン、2−プロパノール、エタノール、メタノール、水、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
分離した染料は、単離して質量を測定する以外にも、異なる特性を測定し検量線から質量を換算して質量比として算出することができる。一例として可視吸収スペクトルを用いる場合、それぞれの組成の溶解濃度に対する可視領域の吸収スペクトルの最大吸光度を求めておき、検量線にて吸収スペクトルから濃度に換算し、濃度から組成間の質量比へ計算することができる。
同様の測定は、IRスペクトル、NMR、Massスペクトルなどでも可能であり、測定感度や分離方法や分離状態によって最適な測定方法を選択することができる。
前記C.I.アシッドオレンジ33の高極性成分及び低極性成分を希望の組成比に調整する方法は、最も確実な手法として液体クロマトグラフィーにて分収して個々の成分を単離し、所望の混合比率に混合して使用することである。しかし、工業的に前記手法を用いると分離費用が高額になってしまうため、活性炭処理、カラムクロマトグラフィ、抽出、再結晶等の単独又は複合処理により成分比を変更して目的の組成比に調整することが好ましい。これらの処理手法はこれらに限定されるものではない。
前記C.I.アシッドオレンジ33は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記合成方法としては、例えば、4,4’−ジアミノ−ジフェニルシクロヘキサン塩酸塩と2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸ジナトリウム塩、フェノール、亜硝酸ナトリウムを出発原料としてアゾ化カップリング反応によって合成することができる。
前記市販品としては、例えば、Winchem Industrial Co.Ltd.、Hangzhou Sunshine Chemicals Co.,Ltd.、Shijiazhuang guangkuo chemical Co.,Ltd.、Taizhou Shengyu Chemical Co.,Ltd.、Afine Chemicals Limited、Hangzhou Arondyes Chemical Co.,Ltd.、Zhejiang Jinhua Hanllycome Chemical Co.,Ltd.、Trust Chem Co.,Ltd.、Shao Xing Empire Import&Export Co.,Ltd.、UNICORN COLORS、Qingdao Sanhuan Colorchem Co.,Ltd、Ningbo Fuhao Chemical Co.,Ltd.、SHIJIAZHAUNG KUNLI CHEMICAL Co.Ltd.、Shuanghong Chemical Co.,Ltd.、Dalian Shenglin I/E Co.,Ltd.、APPEX DYESTUFF INDUSTRIES、ファイン商事、Shanghai Joy International Trading Co.,Ltd.、B.R.Y.Chemicals Co.,Ltd.、New Dragon Industrial Co.,Ltd.などから入手することができる。
前記インクジェット記録用インクには、前記C.I.アシッドオレンジ33以外にも、着色剤として異なる水溶性染料を用いることができる。これにより、色相及び耐候性を調整することができる。また、前記C.I.アシッドオレンジ33は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックやそれ以外の色相の染料に対して混合することでインクの色調を調整することができる。
このようなC.I.アシッドオレンジ33と混合して使用される染料としては、下記のカラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料などが挙げられる。
前記酸性染料及び食用染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142;C.I.アシッドレッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289;C.I.アシッドブルー9,29,45,92,249;C.I.アシッドブラック1,2,7,24,26,94;C.I.フードイエロー3,4;C.I.フードレッド7,9,14;C.I.フードブラック1,2、などが挙げられる。
前記直接性染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144;C.I.ダイレクトレッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227;C.I.ダイレクトオレンジ26,29,62,102;C.I.ダイレクトブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202;C.I.ダイレクトブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171、などが挙げられる。
前記塩基性染料としては、例えば、C.I.べーシックイエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91;C.I.ベーシックレッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112;C.I.べーシックブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155;C.I.ベーシックブラック2,8、などが挙げられる。
前記反応性染料としては、例えば、C.I.リアクティブブラック3,4,7,11,12,17;C.I.リアクティブイエロー1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67;C.I.リアクティブレッド1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97;C.I.リアクティブブルー1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95、などが挙げられる。
なお、前記染料以外にも、その他の耐候性染料を用いることができる。前記その他の耐候性染料としては、例えば、特許第4485053号公報、特開2006−199922号公報、特開2007−224274号公報、特開2009−062515号公報、特開2009−062515号公報、WO2009/060654号パンフレット、特開2005−008868号公報、WO2006/075706号パンフレット、特開2003−192930号公報、特許第4783581号公報、などに記載の染料などが挙げられる。
前記染料の含有量は、前記インクジェット記録用インクに対して、染料総量として、1質量%〜10質量%が好ましく、4質量%〜6質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上であると、インクの着色力が高くなり、発色が十分に高まり、4質量%以上であると、更に耐光性及び耐オゾン性を向上させることができる。一方、前記含有量を10質量%以下とすることにより、乾燥時の染料の析出を抑制でき、吐出安定性を向上させることができる。
このことは、前記染料は乾燥時に複数分子が近傍に集まったクラスター状態になっており、希薄な染料濃度で印字すると乾燥後にクラスターが形成されにくく染料が単分子で染着してしまい、環境条件に暴露される頻度が多くなり、耐環境性が悪化するものと推測される。
また、前記染料は水溶性染料のため有機塩として水中でイオン解離して可溶化しているが、溶解度の限界があり、インクには有機溶剤を含むため染料の溶解性を低下させる場合も多い。インク中の水分が揮発すると水溶成分として可溶化していた染料が析出してしまい、インク粘度の増加やノズル詰まりを引き起こしてしまう。更に高濃度にすることでインク一滴当たりの着色力が上がってしまい、ドットの認識性が上がるため画像の粒状性を悪化させる傾向にある。
<水>
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<有機溶剤>
本発明のインクには、インクの乾燥抑制、記録用メディアへの浸透、抗菌等の目的のために有機溶剤を添加することが好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、などが挙げられる。
これらの中でも、好ましい有機溶剤としては、23℃で80%RH環境中の平衡水分量が30質量%以上の多価アルコール類が挙げられ、具体例としては、1,2,3−ブタントリオール(38質量%)、1,2,4−ブタントリオール(41質量%)、グリセリン(49質量%)、ジグリセリン(38質量%)、トリエチレングリコール(39質量%)、テトラエチレングリコール(37質量%)、ジエチレングリコール(43質量%)、1,3−ブタンジオール(35質量%)、などが挙げられる。
これらの中でも、グリセリン、1,3−ブタンジオールは水分を含んだ場合に低粘度化することができるため特に好適に用いられる。
更に必要に応じて、平衡水分量が30質量%未満の水溶性溶剤を使用することができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、環状エーテル類、アミン類、アミド類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の有機溶剤などが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、プロピルプロピレンジグリコールなどが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記環状エーテル類としては、エポキシ類、オキセタン類、テトラヒドロフラン類、テトラヒドロピラン類、クラウンエーテル等が挙げられる。これらの中でも、オキセタン類、テトラヒドロフラン類が好ましく、水溶性の面からオキセタン類がより好ましい。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、3−アミノプロピルジエチルアミンなどが挙げられる。
前記アミド化合物類としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。なお、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドもアミド化合物として存在するが、有害性が高く使用することは好ましくない。前記アミド化合物は染料を可溶化する作用を持ち、インク乾燥時の結晶析出を抑制する効果がある。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコールなどが挙げられる。
前記有機溶剤の含有量は、前記インクジェット記録用インクに対して、10質量%〜50質量%が好ましく、15質量%〜40質量%がより好ましい。前記含有量が、15質量%以上では、インクの乾燥速度を緩やかにすることで吐出安定性が向上し、インクジェット記録装置の維持装置で染料が結晶化して固着することを抑制し、維持機構の動作信頼性を向上させる。一方、前記含有量が、50質量%未満であると、インク中の水分量を確保することで染料の溶解を維持することができ、インク中の水分低下による染料の結晶化を抑制することができる。また、紙面上での乾燥性を大きく低下させないため、光沢紙上の色安定時間を短くすることができる。
また、水溶性有機溶剤が30質量%以上含まれる染料インクでは、インクの乾燥速度が遅く画像の印字直後からの色安定性を損なう。そのため、前記有機溶剤の含有量は、15質量%〜30質量%が更に好ましい。
<界面活性剤>
前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。着色剤の種類、有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択することが好ましい。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、琥珀酸エステルスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体例として以下に挙げるものが好適に使用されるが、これらに限定されるわけではない。ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン等が挙げられる。
前記界面活性剤としては、日光ケミカルズ株式会社、日本エマルジョン株式会社、株式会社日本触媒、東邦化学株式会社、花王株式会社、アデカ株式会社、ライオン株式会社、青木油脂株式会社、三洋化成工業株式会社などの界面活性剤メーカより容易に入手できる。
前記アセチレングリコール系界面活性剤は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系(例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485あるいはTGなど)などが挙げられる。これらの中でも、サーフィノール465、104やTGが良好な印字品質を示す点から好ましい。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー及びこの硫酸エステル塩、フッ素系脂肪族系ポリマーエステル、などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−145(旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(住友スリーエム社製)、FT−110、250、251、400S(ネオス社製)、ゾニールFS−62、FSA、FSE、FSJ、FSP、TBS、UR、FSO、FSO−100、FSN N、FSN−100、FS−300、FSK(Dupont社製)、ポリフォックスPF−136A、PF−156A、PF−151N(OMNOVA社製)などが挙げられる。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。変性基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越シリコーン株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社などから容易に入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A)で表されるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物、などが挙げられる。
〔一般式(A)〕
ただし、前記一般式(13)中、m、n、a、及びbは、整数を表す。R及びR’は、アルキル基、アルキレン基を表す。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(いずれも、信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(いずれも、日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(いずれも、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(いずれも、ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(いずれも、東芝シリコーン株式会社)、などが挙げられる。
前記界面活性剤は、これらに限定されるものではなく、単独で用いても、複数のものを混合して用いてもよい。単独では記録液中で容易に溶解しない場合も、混合することで可溶化され、安定に存在することができる。
前記界面活性剤の含有量は、浸透性の効果を発揮する点から、前記インクジェット記録用インクに対して、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.5質量%〜2質量%がより好ましい。
前記含有量が、0.01質量%以上であると、記録用メディアへの浸透性やインクジェットヘッドへの濡れ性を確保することができる。一方、前記含有量が、5.0質量%以下であると、記録用メディアへの浸透性のバランスを取ることができ、裏抜けの抑制を行い画像濃度の向上を図ることが可能となる。
<浸透剤>
前記浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2質量%以上5.0質量%未満のポリオールの少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記ポリオールのうち、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが好ましい。
その他の併用できる浸透剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記浸透剤の含有量は、前記インクジェット記録用インクに対して、0.1質量%〜4.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%以下であると、速乾性が得られ、滲みのない画像が得られる。一方、前記含有量が、4.0質量%以下であると、着色剤の分散安定性が良好で、ノズルが目詰まりしにくく、また、記録用メディアへの浸透性が良好であり、画像濃度が高く、裏抜けの発生を防止できる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、水分散性樹脂、画像保存性向上剤、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
<<水分散性樹脂>>
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えたものが、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用であり、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記水分散性樹脂の粒径は分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径は50nm以上が好ましい。また粒径が数十μになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させることは知られている。インク吐出性を阻害させないために平均粒子径が500nm以下が好ましく、150nm以下が好ましい。
前記水分散性樹脂は、着色剤を紙面に定着させる働きを持ち、常温で被膜化して着色剤の定着性を向上させることが望まれている。そのためには最低造膜温度(MFT)が常温以下であることが好ましく20℃以下であることが好ましい。しかし、前記ガラス転移点が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移点が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
このような水分散性樹脂を用いると画像の定着性、耐水性、耐ガス性を向上することが可能となるが、被記録用メディアによっては樹脂が被膜化することで光沢性を変化させてしまう。また多量の添加はインクジェットヘッドのメニスカスの乾燥時に被膜を形成してしまうため、樹脂固形分5質量%以上の添加はノズルの目詰まりや光沢性の変化を引き起こすため好ましくない。
<<画像保存性向上剤>>
本発明のインクジェット記録用インクには、画像保存性向上剤を添加してもよい。
前記画像保存性向上剤としては、例えば、ヒンダートアミン化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが挙げられる。インクジェット記録画像は光やガスによる影響が大きいため、ヒンダートアミン化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤を添加することが好ましい。
−ヒンダートアミン化合物−
前記ヒンダートアミンとしては、例えば、N−CHタイプ、N−Hタイプ、N−ORタイプの何れも利用可能であるが、N−CHタイプ、N−ORタイプが好ましい。このようなヒンダートアミンはブチルカルビトールやブチルセルソルブと混合することで水混和可能なものもあるが、好ましくは水難溶性の液体、もしくは粉体を分散させたものである。
前記水分散されたヒンダートアミン化合物としては、例えば、BASF社製のTINUVIN 123DW、ADEKA社製のアデカノールUC−5225、アデカノールUC−606、などが挙げられる。これらの中でも、ヒンダートアミン化合物が含包されて分散されているTINUVIN 123DWが染料との混合時の安定性や耐オゾン性に対して効果を示すため、特に好ましい。
前記ヒンダートアミン化合物の含有量は、保護するべき染料濃度に依存しており、染料の固形分に対して、1質量%〜10質量%が好ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
−紫外線吸収剤−
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、無機酸化物微粒子などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2, 4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、などが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、などが挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、などが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3, 3’−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、などが挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、などが挙げられる。
前記無機酸化物微粒子としては、例えば、酸化亜鉛微粒子、酸化チタン微粒子、などが挙げられ、透明性の面から、平均粒径50nm以下が好ましい。
これらの中でも、ヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾトリアゾール系が好ましく、これらの水分散品が水系インクに添加する上で好ましい。
このような水分散品としては、BASF社製のTINUVIN 1130、TINUVIN 99DW、TINUVIN 400DW、TINUVIN 477DW、ADEKA社製のUC−3140がある。これらの中でも、紫外線吸収剤が樹脂に含包されて分散されているTINUVIN 477DWが、耐オゾン性に対して効果が高く、特に好ましい。
前記紫外線吸収剤のインク中の含有量は、保護するべき染料濃度に依存しており、染料の固形分に対して、1質量%〜10質量%が好ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4, 4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’, 5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、などが挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイドなどが挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、などが挙げられる。
何れも水難溶性のため、水分散品を用いてインクに添加することが好ましい。このような水分散品としては、例えば、ADEKA SDX−2855がある。
前記酸化防止剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0質量%〜10質量%が好ましい。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼすことなくpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記pHが、7未満か又は11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
<インクジェット記録用インクの製造方法>
本発明のインクジェット記録用インクは、前記着色剤としてC.I.アシッドオレンジ33、有機溶剤、界面活性剤、浸透剤、水、必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、適宜攪拌混合して製造される。攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
前記インクの物性には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粘度や表面張力が下記の範囲であることが好ましい。
前記インクの25℃での粘度は2mPa・s〜20mPa・sが好ましい。吐出時のインク粘度を3mPa・s以上とすることによって、インクの吐出時の残留振動が起こりにくくなる効果があり、駆動波形による吐出後の振動抑制を行いやすくでき、短時間で次の吐出ができるようになるため高速印字に適するようになる。一方、前記インク粘度を15mPa・s以下に抑えることで、吐出性を安定しやすくなる。使用環境に応じて粘度は変化するため、使用想定範囲でインク粘度が上記範囲を満たすことが好ましく、25℃における粘度は3mPa・s〜10mPa・sがより好ましい。前記粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業社製)を使用して各温度に調温することで測定することができる。
前記インクの静的表面張力は、25℃で20mN/m〜35mN/mが好ましく、20mN/m〜40mN/m以下がより好ましい。前記静的表面張力がこの範囲にあれば、浸透性が高くなりブリーディングの低減に効果があり、普通紙印字での乾燥性が良好となる。また光沢紙表面でのドット拡大が起こるため光沢紙での発色性改善が成される。前記表面張力が、40mN/mを超えると、光沢紙表層のサイズ性のためにドットの広がりが抑制され、隠蔽性を高めるためにインク付着量が増えることとなり、印字コストの増加や乾燥時間の長時間化を招くことがある。一方、前記静的表面張力が、20mN/m未満となると、インクジェットヘッドのノズルプレートに濡れすぎてしまい、メンテナンスによるワイピング斑によってノズル孔周辺のインクの染み出しや濡れ性の不均一を引き起こし、吐出曲がりや不吐出状態を引き起こしてしまうことがある。
前記インクの色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが用いられる。これらの色を2種以上併用したインクセットを用いて記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを用いて記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。またプロセスカラー以外のレッド、グリーン、ブルー、オレンジ、グリーン、グレー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ダークイエローインクを用いることで、フルカラー画像の色域を広げ画像の粒状性を低減することができる。また、2次色の付着総量を低減することが可能となるため記録用メディアの吸収不良が引き起こしにくく、ビーディングやブリーディングを低減し、色相の曲がりや乾燥時の色相変化を低減することができる。
前記インクは、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで,インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などのいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
前記インクは、例えば、印字時又は印字前後に記録用メディア及び前記インクを50℃〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するプリンタ等に使用することもできる。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクジェット記録用インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図2は図1のインクカートリッジ200のケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ200は、図1に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクジェット記録用インクを収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
(インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段などを有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含んでなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程などを含んでなる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
前記インク飛翔工程は、本発明の前記インクジェット記録用インクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、本発明の前記インクジェット記録用インクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、記録ヘッド、などが挙げられる。
前記記録ヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれの場合も含まれる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエーター、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエーター、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエーター、静電力を用いる静電アクチュエーター、などが挙げられる。
前記インクジェット記録用インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクジェット記録用インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクジェット記録用インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクジェット記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクジェット記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記インクジェット記録用インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、31pl〜40plとするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5m/s〜20m/sとするのが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましく、その解像度としては300dpi以上とするのが好ましい。なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記記録ヘッドにおけるノズルプレートの撥インク層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系撥水材料、フッ素系撥水材料、などが挙げられる。これらの中でも、シリコーン系撥水材料が好ましい。
前記シリコーン系撥水材料としては、室温硬化型の液状シリコーンレジン又はエラストマーがあり、基材表面に塗布され、室温で大気中に放置することにより重合硬化して撥インク性の皮膜が形成されることが好ましい。
前記シリコーン系撥水材料は、加熱硬化型の液状シリコーンレジン又はエラストマーであり、基材表面に塗布され、加熱処理することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
前記シリコーン系撥水材料は、紫外線硬化型の液状シリコーンレジン又はエラストマーであり、基材表面に塗布され、紫外線を照射することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
前記シリコーン系撥水材料の粘度は、1,000cp(センチポイズ)以下であることが好ましい。
前記シリコーン樹脂は、SiとOからできたシロキサン結合を基本骨格とした樹脂であり、オイル、レジン、エラストマー等の種々の形態で市販されており、本発明で重要な撥インク性以外にも耐熱性、離型性、消泡性、粘着性等種々の特性を備えている。シリコーン樹脂は常温硬化、加熱硬化、紫外線硬化型等があり、作製方法、使用用途に応じて選択できる。
前記シリコーン樹脂を含有する撥インク層をノズル面上に形成する方法としては、液状のシリコーン樹脂材料を真空蒸着する方法、シリコーンオイルをプラズマ重合することにより形成する方法、スピンコート、ディッピング、スプレーコート等の塗布により形成する方法、電着法等が挙げられる。前記撥インク層を形成する際には、電着法以外ではノズル孔及びノズル板裏面をフォトレジスト、水溶性樹脂等でマスキングし、撥インク層形成後、レジストを剥離除去すればノズル板表面のみに、シリコーン樹脂を含有する撥インク層を形成することができる。この場合、アルカリ性の強い剥離液を使用すると撥インク層へダメージを与えるので、注意が必要である。
前記シリコーン樹脂を含む撥インク層の厚みは、0.1μm〜5.0μmが好ましく、0.1μm〜1.0μmがより好ましい。前記厚みが、0.1μm未満であると、ワイピングに対する耐久性が悪化し、長期間使用時に撥インク性が低下してしまうことがあり、5.0μmを超えると、必要以上の厚みの撥インク層であるため製造コストが高くなることがある。
前記撥インク層の表面粗さ(Ra)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2μm以下が好ましい。前記表面粗さRaを0.2μm以下にすることで、ワイピング時の拭き残しを低減することができる。
ここで、本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。
図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ201の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図4及び図5に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図5で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の記録用インク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエーター、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエーター、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエーター、静電力を用いる静電アクチュエーターなどを記録用インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しない記録用インク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部105に装填された本発明のインクカートリッジ1から本発明のインクジェット記録用インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ103の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられ、また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そして、サブタンク135内の記録用インクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ1から所要量の記録用インクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ1中の記録用インクを使い切ったときには、インクカートリッジ201における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ201は、縦置きで前面装填構成としても、安定した記録用インクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納する場合したり、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ1の交換を容易に行うことができる。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
<記録用メディア>
本発明のインクジェット記録方法の対象となる記録用メディアとしては、支持体上に少なくとも1層のインク受容層を有し、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記支持体上に、シリカ、ポリビニルアルコール及び架橋剤を含む下層をもち、アルミナもしくはコロイダルシリカとポリビニルアルコールを含み、かつ、ポリビニルアルコールの架橋剤を実質的に含有しない上層からなるインクジェット用記録用メディアが好ましい。
このような記録用メディアの上層が記録用メディア印字面となるが、この表面のベック平滑度が300秒以上であることが好ましい。300秒以下であると、画素が不均一に拡がったり、真円度を損ない易くなり、写真階調のノイズになりやすいため好ましくない。
前記インク受容層は2層以上の多層構造になっており、下層にはインクを素早く吸収し、着色剤を定着できるようにするため比表面積の大きな無機酸化物等の多孔性粒子を含有することが好ましい。具体的には、シリカ又はアルミナが挙げられ、特にシリカの中でも、気相法により得られる平均1次粒径が30nm以下で、BET比表面積が250m/g以上の合成シリカはインクの吸収性と光沢性が高いため好ましい。
前記アルミナとしては、例えば、β−アルミナ、γ−アルミナなどが挙げられる。
また、記録用メディア表面に当たる上層には、一次粒子径が小さく二次粒子径の大きなコロイダルシリカやアルミナを用いることが好ましく、特にアルミニウム塩で処理したコロイダルシリカ粒子も好ましく使用することができる。
前記インク受容層中のバインダーとしては、透明性が高くインク溶媒のより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用にあたっては、親水性バインダーがインク溶媒の初期浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、室温付近で膨潤しにくい親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全又は部分ケン化のポリビニルアルコール又はカチオン変性ポリビニルアルコールである。下層はポリビニルアルコールに硼砂のような架橋剤を加えることでゲル状に構造を作り、ゲル構造のまま乾燥させることで、空隙の大きく吸液性の高いインク受容層を構成することができる。
前記記録用メディアの基材としては、公知の紙、合成紙、樹脂被覆紙、フィルム等のいずれも使用することができるが、好ましくは非インク吸収性の基材が好ましい。
特に写真印画紙用に使用されるようなレジンコート紙が写真画質を再現するメディア基材としてより好ましい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(製造例1)
<染料の精製及び分離>
ビーカーに、水溶性染料C.I.アシッドオレンジ33(商品名:ACID ORANGE 33、New Dragon Industrial Co.,Ltd製)10gを水290gに溶解させ、活性炭白鷺M(日本エンバイロケミカルズ社製)5gを添加し、23℃でスターラーにて1時間攪拌した。その後フィルタ径5μmのPPフィルタを用いて減圧濾過で活性炭を除去した後、0.8μmのセルロースアセテートフィルタを加圧濾過した。この濾液を逆浸透膜で処理し染料溶液からアルカリ金属塩などの無機塩を除去した。この染料溶液をエバポレーターにて濃縮し、固形分10質量%の染料溶液を得た。
得られた染料溶液を酢酸ブチル:エタノール:水=35:35:30(体積比)の混合溶媒を展開溶媒として使用し、シリカゲル(和光純薬工業株式会社製、Wakosil C−200)を充填したカラムを用いて分離分収を行った。分収したものの中で強い着色溶液をロータリーエバポレータで乾固し、得られた固体を真空乾燥機で50℃、6時間乾燥させることで、C.I.アシッドオレンジ33の構成成分を得た。
このとき、先に得られた成分を低極性成分Bとし、後から得られた成分を高極性成分Aとした。これら成分をSpectrumOne FT−IR(パーキンエルマー社製)にてATR法で測定し、図6及び図7のFT−IR吸収スペクトルを得た。
得られた高極性成分A、及び低極性成分Bについて、以下のようにしてベンジルアルコールへの溶解度を求めた。なお、ベンジルアルコール(誘電率13.1)への溶解度が小さいほど高極性であるといえる。
まず、水20mLに対して染料1.8g添加し溶解させ分液ロートに加え、ベンジルアルコール40mLも加えて十分に混合した。その後、静置させて水層とベンジルアルコール層との分離を行い、ベンジルアルコール層を回収した。この水層に新たなベンジルアルコールを40mL加えて混合して抽出する作業を3回繰り返し、染料を溶解させたベンジルアルコール160mLを回収した。このベンジルアルコール層をロータリーエバポレータにて乾燥させて各成分の回収量を評価した。
高極性成分Aのベンジルアルコール層の回収量は0.08gであり、溶解度は0.5g/Lであった。また、低極性成分Bのベンジルアルコール層の回収量は0.98gであり、溶解度は6.1g/Lであった。これらの結果から、高極性成分Aは低極性成分Bよりも極性が高いことがわかった。
参考例1、実施例〜10及び比較例1〜3)
<インクの調製>
インクの調製は、表1〜表3に従って、以下の手順で行った。
まず、有機溶剤、界面活性剤、及び水を混合し、30分間攪拌を行い均一に混合した。この混合液に対して、前記作製した染料及びその他の成分を添加し、合計95質量%となるように残量の水を添加し、30分間撹拌した。その混合液に対し水酸化リチウム10質量%水溶液を加えpHが9になるように調整し、合計100質量%となるように残量の水を添加し、30分間撹拌した。
調製された各インク100mLを濾過性評価用に取っておき、それ以外を直径25mmの0.2μmセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子を除去して、参考例1、実施例〜10及び比較例1〜3のインクジェット記録用インクを作製した。
次に、作製した各インクジェット記録用インクについて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表1〜表3に示した。
<ノズル部材への撥インク性評価>
Ni電鋳ノズル表面上に、シリコーンレジン(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、SR−2411)をディスペンサーにて塗布し、大気中、250℃で1時間熱処理して、厚み約0.5μmのシリコーン層を形成した。
作製したノズル部材を各インクジェット記録用インク中に50℃で7日間浸漬した。浸漬後純水ですすぎ、自然乾燥させたノズル部材を、更に25℃にて各インクジェット記録用インクに30秒間浸漬し、引上げた後の撥インク性を下記基準で評価した。
〔評価基準〕
3:引上げ後90秒間以内にほぼ撥インクするもの
2:90秒間後に浸漬した半分程度インクが残るもの
1:浸漬した部分全体的にインクが残っているもの
<濾過性評価>
各インクジェット記録用インク100mLを直径25mmの0.2μmセルロースアセテートメンブランフィルタにて加圧濾過し、濾過に使用したフィルタ数を数えて濾過性の評価とした。濾過方法は20mLのシリンジに組み上げてから手押しで加圧し、1秒間に1滴未満の濾過速度になった時点でフィルタを交換した。
〔評価基準〕
3:1個以下
2:2個以上3個未満
1:3個以上
<再濾過性評価>
各インクジェット記録用インクの再濾過性を0.2μmのセルロースアセテートメンブランフィルター直径50mmにて空気圧1kgf/cmにて加圧濾過を行い、濾過通液量に対する濾過速度の低下を直線近似した傾き(減衰率)と最大濾過速度より、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
4:傾きの減衰率が15[×10−4/秒間]未満で、最大濾過速度が1.0[g/秒間]を超えるもの
3:減衰率が15[×10−4/秒間]未満で、最大濾過速度が1.0[g/秒間]未満のもの
2:減衰率が15〜25[×10−4/秒間]のもの
1:減衰率が25[×10−4/秒間]より大きいもの
<プリンタ評価>
プリンタ(株式会社リコー製、IPSiO GX e3300)の印字ヘッドを含めたインク供給経路に純水を通液することで洗浄し、洗浄液が着色しないまで十分に通液して液を装置から抜ききって評価用印写装置とした。また、各インクジェット記録用インクを5Pa〜10Paの減圧条件で30分間攪拌することでインク中の気体を脱気し、インクカートリッジに充填し評価用インクカートリッジとした。このインクカートリッジを印写装置にセットしインク充填を行った後、一晩放置して23℃で40%RHの環境下で、写真用紙クリスピア(セイコーエプソン社製)上に印字を行い、以下のようにして評価した。結果を表1〜表3に示した。
<<吐出信頼性の評価>>
前記評価用印写装置を改造し、動作中にキャップ、クリーニング等が行われないでどれだけ印字休止しても復帰できるかを調べ、どれだけの時間で噴射方向がずれるか、あるいは吐出液滴の量が変化するかでその信頼性を評価した。23℃で50%RH環境に10分間放置し、写真用紙クリスピア(セイコーエプソン社製)上に75dpi間隔のドットを印字したときの印字画像から着弾位置とドット径の状態を顕微鏡にて450倍に拡大し観察して、下記基準で評価を行った。
〔評価基準〕
5:特に問題なし
4:ドット径の変化が小で噴射方向曲がり限度内
3:噴射曲がり小
2:ドット径変化が大であるが目詰まり発生はないもの
1:顕著な目詰まり発生
表1〜表3中の商品名の成分の詳細は、以下の通りである。
*界面活性剤:サーフィノール465(アセチレングリコール系化合物、日信化学株式会社製)
*界面活性剤:ソフタノールEP−7025(ポリオキシアルキレンセカンダリーアルコールエーテル、株式会社日本触媒製)
*プロキセルLV(アビシア社製、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、防かび剤)
表1〜表3の結果から、前記高極性成分Aと前記低極性成分Bとの質量比(B/A)が1.2以下であると、撥インク性、濾過性、再濾過性、及び吐出信頼性のいずれにおいても、使用に耐え得る性能を有していることがわかった。
また、質量比(B/A)が1.0以下であると、インク製造時の濾過性が向上し、吐出時の噴射曲がりが低減されるため、インクの着弾位置精度が求められるシステムでも利用できることがわかった。
更に、質量比(B/A)が0以上0.8以下であると、撥インク性、濾過性、再濾過性が良好で、非常に信頼性の高くインクの製造時や本体内フィルタに負荷が少ないインクとすることができることがわかった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 水、有機溶剤、及び着色剤を含有してなり、
前記着色剤がC.I.アシッドオレンジ33であり、該C.I.アシッドオレンジ33が、高極性成分Aと、該高極性成分Aよりも極性が低い低極性成分Bとを含み、前記高極性成分Aと前記低極性成分Bとの質量比(B/A)が1.2以下であることを特徴とするインクジェト記録用インクである。
<2> 高極性成分Aと低極性成分Bとの質量比(B/A)が1.0以下である前記<1>に記載のインクジェット記録用インクである。
<3> 高極性成分Aと低極性成分Bとの質量比(B/A)が0以上0.8以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
<4> C.I.アシッドオレンジ33のFT−IRスペクトルにおける1620±10cm−1の位置の吸収と1590±10cm−1の位置の吸収を比較したとき、
高極性成分Aが、1620±10cm−1の位置の吸収が大きい化合物であり、
低極性成分Bが、1590±10cm−1の位置の吸収が大きい化合物である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含み、
前記インク飛翔工程が、シリコーン樹脂を含む撥インク層を有する記録ヘッドを用いて行われることを特徴とするインクジェット記録方法である。
<7> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有し、
前記インク飛翔手段が、シリコーン樹脂を含む撥インク層を有する記録ヘッドを有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
特許第4793544号公報 特許第3900857号公報 特開昭60−49069号公報

Claims (7)

  1. 水、有機溶剤、及び着色剤を含有してなり、
    前記着色剤がC.I.アシッドオレンジ33であり、該C.I.アシッドオレンジ33が、高極性成分Aと、該高極性成分Aよりも極性が低い低極性成分Bとを含み、前記高極性成分Aと前記低極性成分Bとの質量比(B/A)が0.25以上1.2以下であることを特徴とするインクジェト記録用インク。
  2. 高極性成分Aと低極性成分Bとの質量比(B/A)が0.25以上1.0以下である請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 高極性成分Aと低極性成分Bとの質量比(B/A)が0.25以上0.8以下である請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  4. C.I.アシッドオレンジ33のFT−IRスペクトルにおける1620±10cm−1の位置の吸収と1590±10cm−1の位置の吸収を比較したとき、
    高極性成分Aが、1620±10cm−1の位置の吸収が大きい化合物であり、
    低極性成分Bが、1590±10cm−1の位置の吸収が大きい化合物である請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含み、
    前記インク飛翔工程が、シリコーン樹脂を含む撥インク層を有する記録ヘッドを用いて行われることを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有し、
    前記インク飛翔手段が、シリコーン樹脂を含む撥インク層を有する記録ヘッドを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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