JP2014159114A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】顔料、全重合成分に対する含有比が80質量%以上の多官能の重合性化合物、及び分子量が1000以上の増感剤を含む活性光線硬化性インク組成物を、インクジェットヘッド7C、7M、7Y、7Kから非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材6の上に、インク滴量が25pl以上200pl以下でかつ記録基材とインクジェットヘッドとの間の距離が5mm以上20mm以下である条件で付与することにより、画像を形成する工程と、形成された画像に酸素分圧1.5×10−2MPa以下の条件下で活性光線を照射し、画像を硬化する工程と、を有する。
【選択図】図1
Description
(1)繊維材料の集合体である不織布等を記録基材とする場合、記録基材の走行軌跡が安定しないため、記録基材とインクジェットヘッドとの間を離す必要があり、その場合に所定品質以上の画像を確保するのには所定サイズのインク滴が求められるとの知見
(2)不織布等が使用される用途(例えばオムツ等の衛生物品)において、人体(例えば皮膚)に接触したときの安全性を確保するためには、残存モノマーとしての溶出及びモノマー使用時に混入しやすい残存アルコール成分の溶出を減らす点で、2官能以上の重合性化合物が有効であるとの知見
(3)残存モノマー等の微量の溶出をも回避するためには、活性光線の照射を酸素量を少なく抑えて行なうことが重要との知見
(4)従来から汎用されている低分子量増感剤(例:チオキサントン系化合物)を所定の高分子化合物に代えることが、安全性の向上に不可欠との知見
<1> 顔料、全重合成分に対する含有比が80質量%以上の多官能の重合性化合物、及び分子量が1000以上の増感剤を含む活性光線硬化性インク組成物を、インクジェットヘッドから非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材の上に、インク滴量が25pl以上200pl以下でかつ記録基材とインクジェットヘッドとの間の距離が5mm以上20mm以下である条件で付与することにより、画像を形成する画像形成工程と、形成された画像に酸素分圧1.5×10−2MPa以下の条件下で活性光線を照射し、画像を硬化する硬化工程と、を有するインクジェット記録方法である。
<2> 画像形成工程は、活性光線硬化性インク組成物を50dpi(dot per inch)以上400dpi以下の解像度にて付与する<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<3> 画像形成工程は、50m/min以上の搬送速度で搬送されている記録基材に画像を形成する<1>又は<2>に記載のインクジェット記録方法である。
<4> 画像形成工程は、記録基材の搬送方向と交差する方向において付与すべきインク滴の全てを、1回の吐出により付与して画像を形成する<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<5> 繊維材料が、ポリマー繊維である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<7> 活性光線硬化性インク組成物は、更に、光重合開始剤を含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<8> 活性光線硬化性インク組成物のインク滴量が75pl以上である<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<9> 解像度は、50dpi以上300dpi以下である<2>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<10> 解像度は、50dpi以上200dpi以下である<2>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<11> 画像形成工程は、2色以上の活性光線硬化性インク組成物を用い、記録基材の上に第1の活性光線硬化性インク組成物を付与後、第2の活性光線硬化性インク組成物を付与する前に、第1の活性光線硬化性インク組成物を予硬化する予硬化工程を含む<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<13> インクジェットヘッドは、75pl以上のインク滴量にて活性光線硬化性インク組成物を吐出する<12>に記載のインクジェット記録装置である。
<14> インクジェットヘッドは、50npi以上400npi以下のノズル密度で配置された複数のノズルを有する<12>又は<13>に記載のインクジェット記録装置である。
<15> インクジェットヘッドは、50npi以上300npi以下のノズル密度で配置された複数のノズルを有する<12>〜<14>のいずれか1つに記載のインクジェット記録装置である。
<16> インクジェットヘッドは、50npi以上200npi以下のノズル密度で配置された複数のノズルを有する<12>〜<15>のいずれか1つに記載のインクジェット記録装置である。
<17> 2以上のインクジェットヘッドを備え、隣り合う2つのインクジェットヘッド間に、更に、活性光線硬化性インク組成物を予硬化する第2の照射手段を備えた<12>〜<16>のいずれか1つに記載のインクジェット記録装置である。
<18> 第1の照射手段は、不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、不活性ガス供給手段から供給された不活性ガスにより酸素分圧が1.5×10−2MPa以下に調整され、記録基材が搬送される照射室と、を備えた<12>〜<17>のいずれか1つに記載のインクジェット記録装置である。
本発明のインクジェット記録方法は、顔料、全重合成分に対する含有比が80質量%以上の多官能の重合性化合物、及び分子量が1000以上の増感剤を含む活性光線硬化性インク組成物を、インクジェットヘッドから非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材の上に、インク滴量が25pl以上200pl以下でかつ記録基材とインクジェットヘッドとの間の距離(以下、「スローディスタンス」ともいう。)が5mm以上20mm以下である条件で付与することにより、画像を形成する画像形成工程と、形成された画像に酸素分圧1.5×10−2MPa以下の条件下で活性光線を照射し、画像を硬化する硬化工程と、を少なくとも設けて構成されている。
また、本発明のインクジェット記録方法は、必要に応じて、更に、記録基材上に付与されたインク組成物を予硬化する予硬化工程や、画像を乾燥させる工程、画像を加熱定着する工程などの他の工程を設けて構成されてもよい。
具体的には、一般に使用されている水系インクでは、不織布上に画像を定着するためには水分を乾燥させなければならず、しかも高生産性を実現するには大掛かりな乾燥装置を準備する必要がある。また、水系インクは一般に粘度が低いため、高速搬送する際の妨げとなりやすく、しかも長尺状の不織布を高速搬送する場合は一定位置で搬送され難く、どうしても走行軌跡が大きく変化してしまう。ヘッドとの接触を避けるためには、不織布をヘッドから離して配置する必要があるが、着弾位置精度を確保するためには飛翔させるインク滴のサイズをある程度以上に調節しなければならない。一方、インクジェットヘッドにより低粘度のインク滴を大滴量で吐出することは難しいため、水系インクは、大滴量の液滴を形成し難いことから、ヘッドと不織布との距離を離さなければならないシステムに適応するのは不利である。これらの事情に鑑みて、
本発明においては、活性光線硬化性インク組成物を構成する硬化成分として2官能以上の重合性化合物を用い、かつ硬化のための光線照射を低酸素雰囲気下で行なうことで、画像中に残存しやすい残存モノマー成分及びアルコール成分を低減すると共に、硬化促進のための増感剤を所定の高分子化合物とすることで、増感剤の溶出をも低減する。本発明では、単に硬化反応性を高めて未反応の重合性化合物を減らすのみならず、重合性化合物として敢えて多官能化合物を選択すると、未反応のまま溶出しやすい状態(2以上の重合性基の全てが重合に寄与しない状態)で残存する化合物量が減り、しかも重合性化合物として例えばエステル系化合物を使用する場合に、エステル生成時に酸と反応させるアルコールのうち全く反応に寄与せずに残存するアルコール成分量も減るため、安全性を左右する重合性化合物及びアルコール成分自体の溶出が効果的に軽減される。
また、記録基材及びインクジェットヘッド間に所定の間隔を保持する一方、インク滴のサイズを25pl以上にすることで、記録基材のヘッドとの接触を回避しながら、所望の画像が安定的に形成されることになる。
以上により、膜強度が良好で耐擦過性に優れた画像が得られ、得られた画像は、人(例えば皮膚等)に触れるような使用態様でも、良好な安全性、臭気性を有するものである。
−画像形成工程−
本発明における画像形成工程は、活性光線硬化性インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)を、インクジェットヘッドから非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材の上に、下記(1)及び(2)の条件で付与することにより、画像を形成する。
(1)インク滴量=25pl以上200pl以下
(2)記録基材とインクジェットヘッドとの間の距離=5mm以上20mm以下
本工程ではさらに、吐出される活性光線硬化性インク組成物が、少なくとも、顔料、全重合成分に対する含有比が80質量%以上の多官能の重合性化合物、及び分子量が1000以上の増感剤を用いて構成されており、必要に応じて、更に、樹脂成分、有機溶剤、その他添加剤などの他の成分を用いて構成されてもよい。
記録基材にインクを付与する場合、付与方式としては、マルチパスでも1パス(シングルパス)でもよいが、高速記録の観点からは1パス(シングルパス)又は2パスが好ましい。ここで、1パスとは、記録基材の搬送方向と交差する方向(ノズルの配列方向)について1回の吐出でその方向における走査領域に形成すべきドット(インク滴)の全てを形成して記録する記録方法をいう。この場合、記録時に搬送される記録基材の搬送方向と交差する基材幅方向に基材幅長に対応した長さの吐出ヘッド(記録素子が配列されているラインヘッド)が設けられ、この吐出ヘッドに設けられた複数の吐出孔からノズル配列方向に同時にインクを吐出するものである。これは、いわゆるライン方式と呼ばれ、記録素子の配列方向と交差する方向に記録基材を走査することで記録基材の全面に画像の記録が行なえる。短尺のシリアルヘッドを記録基材の幅方向(主走査方向)に走査しながら記録するシャトル方式のようなキャリッジ等の搬送系が不要である。また、2パスとは、走査領域に形成するドットを2回の吐出により形成して記録する方法である。
本発明における画像形成工程では、インク組成物を25pl以上200pl以下の範囲のインク滴量にて記録基材の上に付与する。不織布に画像形成するためにスローディスタンスを大きくした場合、液滴サイズが25pl未満と小さくなり過ぎると、ヘッドの吐出方向精度が悪化すると共に、風などの外的要因によって着弾位置精度が大きく悪化する。不織布に画像を形成する場合、塗工紙などに高画質な画像を形成する商業用印刷等と同等の着弾位置精度が必要とされる場合は少ないものの、不織布への画像形成精度を確保する点で、インク滴量を25pl以上とする。また、インク滴量の上限値が200plであることは、ある程度の解像度を有する画像を形成するのに適した画像密度を示している。
中でも、インク滴量としては、75pl以上200pl以下が更に好ましい。
記録基材上にインク組成物を付与する場合、記録基材とインクジェットヘッドとの間の距離(スローディスタンス)を5mm以上20mm以下の範囲に調節する。
繊維材料の集合体である例えば不織布は、ウェブ状に成形して高速で搬送する場合、一定の位置に走行軌跡を保て搬送させることが難しく、どうしても基材/ヘッド間において大きく軌跡が動く現象が発生してしまう。しかしながら、記録基材にヘッドが接触すると画像形成に支障を来たすおそれがあるため、ヘッド接触を避ける観点から、インクジェットヘッドと不織布面との間の間隙(スローディスタンス)を拡げることが望ましい。スローディスタンスが5mm未満であると、ウェブ状の不織布等を高速搬送した場合に、記録基材がヘッドに接触してしまう。また、スローディスタンスが20mmを超えて大きくなり過ぎると、ヘッドと接触する懸念は回避されるが、インク滴の着弾位置精度が確保できなくなる。
中でも、不織布等の繊維材料の集合体を記録基材として使用する場合のスローディスタンスとしては、10mm以上20mm以下の範囲がより好ましい。
一般に水性インクは粘度の制約上、インク滴量を大きくすることが難しいが、本発明における活性光線硬化性インク組成物は高粘度化が容易であるため、比較的インク滴量の大きいインク滴の吐出が可能であり、スローディスタンスの調節が容易に行なえる。
不織布等の繊維材料の集合体に対して画像を形成する場合は、それほど高精細な画質は必要とされず、またインク滴量も大きくする必要があることから、画像の解像度(画像密度)としては、50dpi以上400dpi以下の範囲とするのが好ましい。400dpi以下の解像度で画像を形成すると、不織布等の上に過剰なインクが付与されることがなく、乾燥負荷を小さく抑えられ、良好な硬化性が得られる。そのため、未反応の残存モノマー量が少なく抑えられ、画像の臭気性も良好になる。また、解像度が50dpi以上であると、ソリッドを繋げられるために白抜けの発生が防止される。また、所望とする画像濃度を得やすくなる。
中でも、上記同様の理由から、より好ましい画像の解像度は50dpi以上300dpi以下であり、特に好ましい画像の解像度は50dpi以上200dpi以下である。
画像形成工程には、2色以上の活性光線硬化性インク組成物を用いて画像形成する場合において、記録基材の上に第1の活性光線硬化性インク組成物を付与後、第2の活性光線硬化性インク組成物を付与する前に、第1の活性光線硬化性インク組成物に光照射(ピニング露光ともいう。)して予硬化する工程が設けられていることが好ましい。ピニング露光とは、記録基材に付与されたインク組成物に、完全硬化するには不充分な光量の光で部分硬化させる露光方法である。
2色以上の画像を形成する場合に、1色ごとにピニング露光することにより基材上のインクは増粘するため、色間のいわゆるカラーブリードの発生を抑えることができる。
本発明における記録基材としては、非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体が用いられる。記録基材は、インクジェット法で画像が記録される被記録材料のことをさす。
本発明において、「非吸収性の繊維」とは、ASTM試験法のASTM D570で吸水率(質量%、24hr.)が0.2未満の組成のものからなる繊維を意味し、「低吸収性の繊維」とは、ASTM試験法のASTM D570で吸水率(質量%、24hr.)が0.2以上0.5未満の組成のものからなる繊維をいう。
なお、繊維面密度とは、繊維が2次元に分布している面の面積に対する、該面に存在する繊維の量の比率[g/m2]をさし、記録基材を単位面積で切り出して重量を測ることにより求められる値である。
このとき、記録基材の表面張力は、3.4×10−6〜4.5×10−6J(約34〜45ダイン/cm)であることが好ましく、3.5×10−6〜4.0×10−6J(約35〜40ダイン/cm)がより好ましい。基材の表面張力が小さすぎると、画像の密着性が低下する場合があり、基材の表面張力が大きすぎると、記録基材自体の風合いが低下する場合がある。
なお、記録基材の表面張力は、濡れ張力試験用混合液(和光純薬工業社製)を用い、記録基材が濡れ始める混合液番号を基材の表面張力として測定することができる。
この場合、インクの表面張力としては、20〜40mN/mの範囲にあることが好ましく、後述の繊維軸方向に付着するインクの平均長を調整するために、前記範囲の中から適宜選ぶことができる。インクの表面張力は、静的表面張力測定装置(例えば池田理化社製のTD3)を用いたウィルヘルミ法によって測定される。
・処理電圧:10〜15.6kV
・処理速度:30〜100mm/s
本発明における親水化処理としては、コストや作業性の点で、コロナ処理を施す態様が好ましい。
画像形成工程で記録基材の上に付与される活性光線硬化性インク組成物は、少なくとも、顔料、全重合成分に対する含有比が80質量%以上の多官能の重合性化合物、及び分子量が1000以上の増感剤を含み、活性光線が照射されたときに硬化成分が重合反応を起こして硬化する硬化反応性をそなえている。硬化させることで、記録基材の上に形成された画像の膜強度を高め、外部からの擦過に対する耐性(耐擦過性)が向上する。
本発明における活性光線硬化性インク組成物は、顔料の少なくとも一種を含有する。顔料を含むことで、所望色を有する画像を形成することができる。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36などが挙げられる。
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60などが挙げられる。
緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50などが挙げられる。
黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193などが挙げられる。
黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26などが挙げられる。
白色顔料としては、Pigment White 6,18,21などが挙げられる。
インク組成物中における顔料の含有量は、色及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体に対して、0.01質量%〜30質量%が好ましい。
高分子分散剤の例としては、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−111、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−182(BYKケミー社製);EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブ社製);ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製);ソルスパース(SOLSPERSE)3000、同5000、同9000、同12000、同13240、同13940、同17000、同22000、同24000、同26000、同28000、同32000、同36000、同39000、同41000、同71000などの各種ソルスパース分散剤(Noveon社製);アデカプルロニックL31、同F38、同L42、同L44、同L61、同L64、同F68、同L72、同P95、同F77、同P84、同F87、同P94、同L101、同P103、同F108、同L121、同P−123((株)ADEKA製)、イオネットS−20(三洋化成工業(株)製);ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)(楠本化成(株)製)などが挙げられる。
本発明における活性光線硬化性インク組成物は、多官能の重合性化合物の少なくとも一種を含有する。重合成分として2官能以上の重合性化合物を選択することで、重合不足により未反応のまま溶出しやすい状態で残存する化合物量が減り、しかも重合性化合物として例えばエステル系化合物を使用する場合には、エステル生成時に酸と反応させるアルコールのうち全く反応に寄与せずに残存するアルコール成分量が減ることで、画像中に残存する重合性化合物及びアルコール成分の溶出が減少し、安全性、臭気性が飛躍的に向上する。
ここで、全重合成分とは、光照射により重合反応して組成物の硬化に寄与する重合性基(例えば不飽和二重結合)を有する化合物の全て指す。
単官能の重合性化合物は、重合性基が未反応のまま残った場合には、未反応化合物はそのまま組成物中に残存するため、安全性や臭気性の点で望ましくない。これに対して、2官能以上の重合性化合物を用いて構成する場合、分子中に存在する重合性基(例:アクリレート基)が1つも反応しない確率は極めて低く、組成物中にモノマー等として残存する重合性化合物の量を減らすことが可能である。更に、重合性化合物のうち例えば単官能モノマーの場合、1価アルコールをアクリル酸もしくはメタクリル酸と反応させて得られるエステルモノマーでは、未反応のアルコールが不純物として残存する場合があり、このアルコール成分も臭気の一因となっている。この点においても、2官能以上のモノマーの場合、2価以上のアルコールとアクリル酸もしくはメタクリル酸と反応させて得られるため、いずれもアクリル酸もしくはメタクリル酸と反応しない確率は極めて低く、組成物中に残存するアルコール量を低減でき、したがって臭気性の改善にも有効である。
本発明におけるインク組成物において、多官能の重合性化合物の含有比率は、全重合成分に対して、90質量%以上が好ましく、100質量%である場合がより好ましい。
また、(メタ)アクリレートモノマーとは、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上含有し、かつ分子量が1000未満の化合物を意味する。
より具体的には、一般式(a−1−1)で表される化合物が、ジエチレングリコールジアクリレートである場合は、主鎖の原子数は5であり、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(両末端エチレンオキシド1モル変性ネオペンチルグリコールジアクリレート)の場合は、主鎖の原子数は9である。
一般式(a−1−1)で表される化合物の含有量は、インク組成物全体に対して、10質量%〜80質量%が好ましく、15質量%〜75質量%がより好ましく、20質量%〜45質量%が特に好ましい。
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレートなどの3官能以上の(メタ)アクリレート化合物;
が好適に挙げられる。
上市されている多官能(メタ)アクリレート化合物の市販品の例としては、Sartomer社製のSR341、SR350などを挙げることができる。
また、多官能の重合性化合物として3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを含有する場合、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、インク組成物全体に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。
また、インク組成物には、後述する単官能の重合性化合物(例:(メタ)アクリレートモノマー)を含有してもよく、その場合の単官能の重合性化合物の含有量としては、画像からの溶出、臭気、及びブロッキングを抑制する観点から、インク組成物全体に対して、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2つ含む化合物であり、中でも2〜6官能の化合物が好ましく、2〜4官能の化合物がより好ましく、2官能又は3官能の化合物が更に好ましく、2官能の化合物が特に好ましい。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーの中でも、多官能アクリレートオリゴマーが好ましい。
また、オリゴマーが分子量分布を有する場合、分子量1000以下の成分が多官能(メタ)アクリレートオリゴマー全体に対して5質量%以下であることが、硬化膜(画像)からの溶出を防ぐ観点から好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく挙げられるが、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく挙げられる。また、ウレタン(メタ)アクリレートは、4官能以下のウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、2官能のウレタン(メタ)アクリレートがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを含有することで、基材の密着性に優れ、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーについては、オリゴマーハンドブック(古川淳二監修、(株)化学工業日報社)も参照することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、第一工業製薬(株)製のR1204、R1211、R1213、R1217、R1218、R1301、R1302、R1303、R1304、R1306、R1308、R1901、R1150等や、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL230、270、4858、8402、8804、8807、8803、9260、1290、1290K、5129、4842、8210、210、4827、6700、4450、220)、新中村化学工業(株)製のNKオリゴU−4HA、U−6HA、U−15HA、U−108A、U200AX等、東亞合成(株)製のアロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL770、IRR467、81、84、83、80、675、800、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811等)、東亞合成(株)製のアロニックスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050等が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL600、860、2958、3411、3600、3605、3700、3701、3703、3702、3708、RDX63182、6040等)等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量としては、インク組成物全体に対して、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
本発明における活性光線硬化性インク組成物は、上記の多官能の重合性化合物と共に、単官能の重合性化合物を用いて構成することができる。
単官能の重合性化合物の例として、単官能(メタ)アクリレート化合物が好適に挙げられる。単官能(メタ)アクリレート化合物としては、炭素数9〜10の炭化水素基を分子内に有する単官能(メタ)アクリレート化合物、及び芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物よりなる群から選択される化合物が好ましい。
一般に、炭素数9〜10の炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物は、酸素重合阻害を受けやすく、大気中では硬化性の点で問題を生じる場合がある。本発明においては、低酸素分圧下で活性光線を照射するため、酸素重合阻害の程度が低く、良好な硬化特性を得ることが可能である。
なお、例えば後述するジシクロペンテニル基は、脂肪族環に不飽和結合を有するが、このような不飽和結合は重合性が極めて低く、本発明にいう重合性基には該当しない。
RA11で表される「(ポリ)アルキレンオキシ基」とは、アルキレンオキシ基又は2以上のアルキレンオキシ基が結合したポリアルキレンオキシ基を表す。アルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基が好ましく、エチレンオキシ基がより好ましい。RA11は、単結合又はエチレンオキシ基であることが特に好ましい。
RA12で表される炭素数9〜10の炭化水素基は、環状炭化水素基であることが好ましい。環状炭化水素基は、単環でも多環でもよいが、多環構造を有していることが好ましい。また、飽和炭化水素環でもよく、不飽和結合を有する不飽和炭化水素環でもよく、特に限定されるものではない。なお、炭素数9〜10の炭化水素基は、環を形成する炭素のみではなく、RA12の全体の炭素数を意味する。
芳香族基の例としては、ナフチル基、ナフチジイル基、ナフチトリイル基、アントリル基、アントリジイル基、アントリトリイル基、1H−インデニル基、1H−インデンジイル基、1H−インデントリイル基、9H−フルオレニル基、9H−フルオレンジイル基、9H−フルオレントリイル基、1H−フェナレニル基、1H−フェナレンジイル基、1H−フェナレントリイル基、フェナントレニル基、フェナントレンジイル基、フェナントレントリイル基、トリフェニレニル基、トリフェニレンジイル基、トリフェニレントリイル基、ピレニル基、ピレンジイル基、ピレントリイル基、ナフタセニル基、ナフタセンジイル基、ナフタセントリイル基、テトラフェニル基、テトラフェンジイル基、テトラフェントリイル基、ビフェニレニル基、ビフェニレンジイル基、ビフェニレントリイル基、as−インダセニル基、as−インダセンジイル基、as−インダセントリイル基、s−インダセニル基、s−インダセンジイル基、s−インダセントリイル基、アセナフチレニル基、アセナフチレンジイル基、アセナフチレントリイル基、フルオランテニル基、フルオランテンジイル基、フルオランテントリイル基、アセフェナントリレニル基、アセフェナントリレンジイル基、アセフェナントリレントリイル基、アセアントリレニル基、アセアントリレンジイル基、アセアントリレントリイル基、クリセニル基、クリセンジイル基、クリセントリイル基、プレイアデニル基、プレイアデンジイル基、プレイアデントリイル基等が挙げられる。
また、チアントレニイル基、チアントレンジイル基、チアントレントリイル基、イソベンゾフラニイル基、イソベンゾフランジイル基、イソベンゾフラントリイル基、イソクロメニイル基、イソクロメンジイル基、イソクロメントリイル基、4H−クロメニイル基、4H−クロメンジイル基、4H−クロメントリイル基、キサンテニイル基、キサンテンジイル基、キサンテントリイル基、フェノキサチイニイル基、フェノキサチインジイル基、フェノキサチイントリイル基、インドリジニイル基、インドリジンジイル基、インドリジントリイル基、イソインドーリイル基、イソインドールジイル基、イソインドールトリイル基、インドーリイル基、インドールジイル基、インドールトリイル基、インダゾーリイル基、インダゾールジイル基、インダゾールトリイル基、プリニイル基、プリンジイル基、プリントリイル基、4H−キノリジニイル基、4H−キノリジンジイル基、4H−キノリジントリイル基、イソキノリイル基、イソキノリジイル基、イソキノリトリイル基、キノリイル基、キノリジイル基、キノリトリイル基、フタラジニイル基、フタラジニンジイル基、フタラジントリイル基、ナフチリジニイル基、ナフチリジンジイル基、ナフチリジントリイル基、キノキサリニイル基、キノキサリンジイル基、キノキサリントリイル基、キナゾリニイル基、キノゾリンジイル基、キノゾリントリイル基、シンノリニイル基、シンノリンジイル基、シンノリントリイル基、プテリジニイル基、プテリジンジイル基、プテリジントリイル基、カルバゾーリイル基、カルバゾールジイル基、カルバゾールトリイル基、β−カルボリニイル基、β−カルボリンジイル基、β−カルボリントリイル基、フェナントリジニイル基、フェナントリジンジイル基、フェナントリジントリイル基、アクリジニイル基、アクリジンジイル基、アクリジントリイル基、ペリミジニイル基、ペリミジンジイル基、ペリミジントリイル基、フェナントロリニイル基、フェナントロリンジイル基、フェナントロリントリイル基、フェナジニイル基、フェナジンジイル基、フェナジントリイル基、フェノチアジニイル基、フェノチアジンジイル基、フェノチアジントリイル基、フェノキサジニイル基、フェノキサジンジイル基、フェノキサジントリイル基、ピロリジニイル基(pyrrolizinyl基)、ピロリジンジイル基(pyrrolizindiyl基)、ピロリジントリイル基(pyrrolizintriyl基)等の多環芳香族複素環基が挙げられる。
上記の芳香族基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、シロキサン基、炭素数30以下の置換基を1又は2以上有していてもよい。例えば無水フタル酸や無水フタルイミドのように芳香族基が有する2以上の置換基でO、N、S等のヘテロ原子を含む環状構造を形成してもよい。
炭素数12〜18の長鎖アルキル基を分子内に有する単官能(メタ)アクリレート化合物としては、下記一般式(a−2−3)で表される化合物が好ましい。
また、N−ビニルラクタム系化合物は、ラクタム環上にアルキル基、アリール基等の置換基を有していてもよく、飽和又は不飽和環構造を連結していてもよい。
N−ビニルラクタム系化合物は、1種単独で用いるほか、2種以上を併用してもよい。
他の重合性化合物の例としては、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニルエーテル化合物等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
更に、他の重合性化合物として、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、(株)シーエムシー出版);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品又は業界で公知のラジカル重合性又は架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
また、他の重合性化合物を含有する場合、インク組成物中における他の重合性化合物の含有量は、インク組成物の全質量に対して、1質量%〜40質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましく、5質量%〜25質量%が特に好ましい。
本発明における活性光線硬化性インク組成物は、分子量が1000以上の増感剤の少なくとも一種を含有する。一般に増感剤として使用されている低分子量化合物(例えばITX(イソプロピルチオキサントン)等のチオキサントン化合物)は、印刷物から食料品へ溶出して混入しやすい傾向があり、皮膚に触れる可能性のあるオムツ等の衛生物品に適用する場合にも懸念される。重合性化合物の反応性向上の観点から増感剤を併用する場合に、分子量の大きい増感剤を選択することで、増感剤の溶出が抑えられる。これより、膜強度の良好な画像を実現しつつも、画像の安全性、臭気性が飛躍的に改善される。
炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜3のアルキル基であることがより好ましく、エチル基又はイソプロピル基であることが更に好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が例示され、塩素原子が好ましい。
上記のうち、R1及びR2は、エチル基、イソプロピル基、又は塩素原子であることが特に好ましい。
一般式(1)中、kは0〜3の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。kが2以上の整数の場合、複数存在するR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)中、xは2〜4の整数を表し、3又は4であることがより好ましく、4であることが更に好ましい。
なお、一般式(1)において、連結基であるX1を除いたチオキサントン構造(一般式(1)中、[ ]にて表された構造)を複数(x個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
R1の置換位置は、5〜8位であり、6位、7位であることが好ましく、6位であることがより好ましい。
また、R2の置換位置は、1〜4位であり、1位、2位又は3位であることが好ましく、1位であることがより好ましい。
一般式(1’)中、R11は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
一般式(1’)中、rは、それぞれ独立に、1〜6の整数を表し、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。また、rが2以上のとき、複数存在するR11はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
x’は、2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
Y1は少なくともx’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、x’個のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(x’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。
一般式(1’)中、A1は下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表す。
分子量が1000未満であると、硬化膜からの溶出が抑制されず、臭気性も悪化する。また、分子量が3,000以下であると、分子の立体障害が少なく、また分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、増感剤を炭素数等が異なる複数の化合物を混合して使用する場合、重量平均分子量が上記の範囲を満たすことが好ましい。
また、触媒下で行なうことが好ましく、触媒としては、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸)、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、リン酸)、ルイス酸(塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オルガノチタネート)等が例示できる。
反応温度及び反応時間は特に限定されない。
炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜3のアルキル基であることがより好ましく、エチル基又はイソプロピル基であることが更に好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が例示され、塩素原子であることが好ましい。
中でも、R3及びR4は、エチル基、イソプロピル基又は塩素原子であることが特に好ましい。
一般式(2)中、nは0〜3の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。mが2以上の整数の場合、複数存在するR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)中、yは2〜4の整数を表し、2又は3であることがより好ましく、2であることが更に好ましい。
なお、一般式(2)において、連結基であるX2を除いたベンゾフェノン構造(一般式(2)中、[ ]にて表された構造)を複数(y個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
R1の置換位置は、5〜8位であり、6位、7位であることが好ましく、6位であることがより好ましい。
また、R2の置換位置は、1〜4位であり、1位、2位又は3位であることが好ましく、1位であることがより好ましい。
一般式(2’)中、R21は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
一般式(2’)中、tは、それぞれ独立に、1〜6の整数を表し、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。また、tが2以上のとき、複数存在するR21はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
y’は、2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
Y2は、少なくともy’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からy’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、y’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(y’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。
一般式(2’)中、A2は、下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表す。
分子量が1000以上であると、硬化膜からの溶出が抑制され、臭気性及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。また、分子量が3000以下であると、分子の立体障害が少なく、また分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、一般式(2)で表される化合物が、炭素数等の異なる複数の化合物の混合物として使用される場合、重量平均分子量が上記の範囲であることが好ましい。
一般式(2−1)及び一般式(2−2)中、R3、R4、R21、A2、Y2、m、n、t及びy’は一般式(2’)と同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、触媒下で行なうことが好ましい。触媒としては、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸)、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、リン酸)、ルイス酸(塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オルガノチタネート)等が例示できる。
反応温度及び反応時間は特に限定されない。
本発明における活性光線硬化性インク組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、活性エネルギー線により重合性化合物の重合反応を開始し得る化合物より適宜選択することができる。重合開始剤の例として、放射線もしくは光等の活性光線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する光重合開始剤が挙げられる。
具体例として、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)デシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
また、高分子のα−アミノケトン化合物も好ましく、具体的には、ポリエチレングリコールジ{β−4−[4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノイルフェニル]ピペラジン}(Omnipol 910、平均分子量:1032、Insight High Tecnology製)が挙げられる。
本発明における活性光線硬化性インク組成物は、樹脂成分が含有されもよい。
樹脂成分の例としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が挙げられる。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。さらに、高分子化合物の共重合組成として、カルボキシル基含有モノマー、メタクリル酸アルキルエステル、及び/又は、アクリル酸アルキルエステルをモノマー単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
本発明におけるインク組成物が樹脂成分を含有する場合、樹脂成分の含有量は、インク組成物全体に対して、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましい。
本発明における活性光線硬化性インク組成物は、上記した成分のほか、さらに他の成分を用いて構成することができる。
他の成分としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等が挙げられ、公知のものから適宜選択することができる。例えば、特開2009−221416号公報に記載されている成分が挙げられる。
重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤や、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。重合禁止剤の含有量は、本発明のインク組成物の全質量に対して、200ppm〜20000ppmが好ましい。
本発明における硬化工程は、既述の画像形成工程で形成された画像に対し、酸素分圧1.5×10−2MPa以下の条件下で活性光線を照射することにより、画像を硬化する。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性光線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。さらに一層短い波長が必要とされる場合、米国特許第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性光線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性光線源はUV−LEDであり、特に好ましくは340〜400nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの記録媒体上での最高照度は、10mW/cm2〜2000mW/cm2であることが好ましく、20mW/cm2〜1000mW/cm2であることがより好ましく、50mW/cm2〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
活性エネルギー線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性エネルギー線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01秒〜0.5秒、より好ましくは0.01秒〜0.3秒、更に好ましくは0.01秒〜0.15秒)をおいて行なわれることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。照射方法としては、例えば国際公開第99/54415号パンフレットに記載されているように、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法も適用することができる。
一般的にラジカル重合系のインク組成物は特に空気と接する表面が酸素重合阻害を受けやすく、特に表面の硬化不良が起きやすい。この表面の硬化性劣化により、モノマーが膜中に残留したり、多官能モノマーによる膜の架橋構造形成により、低分子成分を膜中にとどめる性能が不十分となり、画像からの溶出、臭気を著しく劣化させる。本発明においては、酸素濃度の低い環境下で露光することで、酸素重合阻害の程度を低減させ、未反応モノマー等の溶出量が少なく抑えられ、臭気が改良されるものと推定される。
通常、大気(1気圧)下では酸素の分圧は2.1×10−2(気圧)であるので、酸素の分圧を1.5×10−2MPa以下に下げるためには、(a)露光時の大気を減圧して0.71気圧以下にするか、(b)空気と酸素以外の気体(例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス)を空気に対して40体積%以上混合することにより達成できる。
本発明における貧酸素雰囲気については、特に限定されず、上記したいずれの方法も用いることができる。
不活性ガス置換による酸素濃度は、0.1%〜15%に制御することが好ましく(このとき、酸素分圧は0.1×10−2MPa〜1.5×10−2MPa(0.001〜0.15atm)に制御され、0.1%〜10%に制御することがより好ましい。
本発明のインクジェット記録装置は、 顔料、全重合成分に対する含有比が80質量%以上の多官能の重合性化合物、及び分子量が1000以上の増感剤を含む活性光線硬化性インク組成物を、25pl以上200pl以下のインク滴量で吐出するインクジェットヘッドと、非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である長尺状の記録基材を、インクジェットヘッドとの距離を5mm以上20mm以下にして搬送する搬送手段と、インクジェットヘッドから吐出された活性光線硬化性インク組成物で形成された画像に対して、酸素分圧1.5×10−2MPa以下の条件下で活性光線を照射する第1の照射手段と、を設けて構成されている。活性光線硬化性インク組成物の詳細については、既述の通りである。
本発明のインクジェット記録装置は、必要に応じて、更に、着弾干渉を防ぐための仮露光(ピニング露光)を行なうためのピニング光源などの他の構成を設けて構成されてもよい。
インク供給系は、例えば、本発明におけるインク組成物を貯留するインクタンク、インク供給管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドを設けて構成されてもよい。
記録基材を搬送する搬送速度としては、50m/min以上が好ましく、100m/min以上がより好ましく、更に好ましくは200m/min以上である。
搬送方法は、巻き取りロール5a、5bの回転駆動によるほか、ベルト搬送方式、ステージを用いたステージ搬送方式などを採用もしくは併用してもよい。
また、各インクジェットヘッドは、記録基材との距離(図中の上下方向の距離L)を調節することができるように、伸縮可能なブランケットに固定されている。これにより、記録基材の種類や搬送速度に応じて、適宜インクジェットヘッドと記録基材との間の距離Lを変更できるようになっている。
本装置では、インクジェットヘッドの設置数の変更が可能であり、1個〜6個のヘッドを設置することが可能である。
不活性ガスブランケット2には、ガス供給管3を介して、不活性ガス発生装置4が接続されている。
−1.シアンミルベースAの調製−
IRGALITE BLUE GLVO(BASFジャパン社製:シアン顔料)300質量部と、SR9003(プロピレンオキサイド(PO)変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、Sartomer社製;2官能の重合性化合物)590質量部と、SOLSPERSE32000(Noveon社製;分散剤)100質量部と、を撹拌混合し、シアンミルベースAを調製した。
なお、シアンミルベースAの調製では、各成分を分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行なった。
CINQUASIA MAGENTA RT−355−D(BASFジャパン社製;マゼンタ顔料)300質量部と、R341(3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、Sartomer社製;2官能の重合性モノマー)1035質量部と、EFKA7701(BASF社製;分散剤)150質量部と、を撹拌混合し、マゼンタミルベースBを調製した。
なお、マゼンタミルベースBの調製では、各成分を分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行なった。
NOVOPERM YELLOW H2G(クラリアント社製;イエロー顔料)300質量部と、SR341(3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、Sartomer社製;2官能の重合性モノマー)1035質量部と、EFKA7701(BASF社製;分散剤)150質量部とを撹拌混合し、イエローミルベースCを調製した。
なお、イエローミルベースCの調製では、各成分を分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行なった。
SPECIAL BLACK 250(BASFジャパン社製;ブラック顔料)300質量部と、SR9003(PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、Sartomer社製;2官能の重合性化合物)370質量部と、SOLSPERSE 32000(Noveon社製;分散剤)75質量部と、を撹拌混合し、ブラックミルベースDを調製した。
なお、ブラックミルベースDの調製では、分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行なった。
下記表1に示す組成中の各成分(単位:質量部)を混合、攪拌することにより、シアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1をそれぞれ1000g調製した。4色の全インクにおいて、各インク中に含有される全重合成分に占める2官能以上の重合性化合物の含有比率は、100質量%である。攪拌は、ミキサー(L4R、シルバーソン社製)を用いて室温下、回転数:5,000回転/分、攪拌時間:20分の条件にて行なった。
なお、表1中の粘度(mPa・s)は、VISCOMETER TV-22LT(TOKI SANGYOCO.LTD製)を用い、25℃の条件下で測定した。また、表面張力(mN/m)は、AUTOMATIC SURFACE TENSIOMETER CBVP-Z(協和海面科学社製)を用い、25℃の条件下で測定した。
・SR341(3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、Sartomer社製;重合性化合物)
・SR350(トリメチロールプロパントリアクリレート、Sartomer社製;重合性化合物)
・IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、BASF社製、分子量418;光重合開始剤)
・Speedcure 7010(化合物I−B、Lambson社製、分子量1988;既述の一般式(1)で表される増感剤)
・FIRSTCURE ST−1(トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミン)アルミニウム塩(10質量%)とフェノキシエチルアクリレート(90質量%)との混合物、Chem First社製;重合禁止剤)
・BYK307(シリコーン系界面活性剤、BYK Chemie社製;界面活性剤)
ポリプロピレン(PP)不織布(繊維面密度:30g/m2、厚み:13μm、繊維径:20μm)を用意し、このPP不織布に対して、コロナマスター(信光電気計社製、PS−10S)を用いて、処理電圧:14kV、処理速度:50mm/sの条件で2回コロナ処理を行なったものを記録基材として用いた。
図1に示す構成を有するインクジェット記録装置を作製し、この装置に上記で調製した4色のインクを充填した。
本実施例で作製したインクジェット描画装置では、図1に示すように、ウェブ状のポリプロピレン(PP)不織布が巻回された巻き取りロール5aが取り付けられ、画像を形成する記録基材として、PP不織布6が搬送ステージ10に送り出されるようになっている。PP不織布6は、駆動可能な巻き取りロール5bによって巻き取りながら搬送ステージ10上を搬送される。巻き取りロール5aの基材搬送方向下流には、4色のインクの吐出が可能なように、基材搬送方向に沿って順次、シアンインク用のインクジェットヘッド7C,マゼンタインク用のインクジェットヘッド7M,イエローインク用のインクジェットヘッド7Y,ブラックインク用のインクジェットヘッド7K(いずれも、富士フイルムDimatix社製のインクジェットヘッドQE30(100npi(ノズル/インチ)、30plのインク滴の吐出が可能))が配設されている。図1中のインクジェットヘッドユニット7は、4つのインクジェットヘッド7C,7M,7Y,7Kで構成されている。各インクジェットヘッドは、記録基材との距離(図中の上下方向の距離)を調節することができるように伸縮可能なブランケットに固定されており、記録基材の種類や搬送速度に応じて適宜インクジェットヘッドと記録基材との間の距離Lを変更できるようになっている。なお、この装置では、ヘッドの設置数の変更が可能であり、1〜6個のヘッドを設置することが可能である。
また、各インクジェットヘッドの間には、上流側で吐出されたインクを予硬化するためのピニング光源8(H−140WLH4−V2−FF1、HOYA CANDEO OPTRONICS社製;第2の照射手段)が配設されている(本実施例では合計3個を配設)。
インクジェットヘッドユニット7の基材搬送方向(矢印方向)下流には、画像が形成された記録基材が搬入されて画像に紫外光を照射するための照射室の一例である不活性ガスブランケット2が配設されており、この不活性ガスブランケット2内には、ピーク波長385nmのLED光源ユニット(LEDZero Solidcure、Integration Technology社製)1が取り付けられている。また、不活性ガスブランケット2には、不活性ガス供給手段の一例である不活性ガス源として、コンプレッサー付きN2ガス発生装置(Maxi−Flow30、Inhouse Gas社製)がガス供給管3を介して接続されている。このとき、0.2MPa・sの圧力で接続されている。
基材搬送方向(矢印方向)の不活性ガスブランケット2の更に下流には、巻き取りロール5bが取り付けられており、画像が形成されたPP不織布6を巻き取ることができるようになっている。
なお、本実施例では、画像が形成された不織布を巻き取る例を示したが、上記のように不活性ガスブランケット2を通過した後、所望の形状に裁断する等、一旦巻き取らずに加工処理を施すようにしてもよい。
上記で調製したシアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1を用い、上記のインクジェット記録装置により以下の条件で画像を形成した。画像としては、100%の4カラーのソリッド画像(各色の割合はC:20%、M:20%、Y:20%、K:40%である)、100%のマゼンタ色のソリッド画像、及び100%のイエロー色のソリッド画像を形成した。
<条件>
(i)不活性ガスブランケット2内のN2ガス濃度を90%〜99%の範囲になるように、2L/分〜10L/分の流量で窒素ガスをフローさせ、酸素分圧が下記表2に示す値になるように調整。
(ii)不織布の搬送速度:200m/min
(iii)インクジェットヘッドと不織布との間の距離(停止状態基準):10mm
(iv)インク滴量:70pl
(v)画像の解像度:200dpi×200dpi
(vi)ピニング光源:描画時に点灯
更に、シアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1とは別に、これら各インク中の重合性化合物(モノマー)全体に対する2官能以上の重合性化合物の含有比(100質量%)が50%、70%、又は80%(質量比)となるように、SR341を単官能モノマーである下記のFA512Aに代えたこと以外は、シアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1とそれぞれ同様にして、シアンインクC−2,C−3,C−4、マゼンタインクM−2,M−3,M−4、イエローインクY−2,Y−3,Y−4、及びブラックインクK−2,K−3,K−4を調製し、これらを用いて同様に画像を形成した。
上記のシアンインクC−1〜C−4、マゼンタインクM−1〜M−4、イエローインクY−1〜Y−4、及びブラックインクK−1〜K−4を用いて形成した画像について、以下の評価を行なった。評価結果は、下記表2に示す。
100%の4カラーのソリッド画像を、テトラヒドロフランとメタノールの混合溶液(THF:MeOH=1:1)に浸漬し、未硬化の残存モノマーを抽出した。その後、抽出液中に含まれる未硬化の残存モノマーを、液体クロマトグラフィーProminence HPLCシステム((株)島津製作所製、カラム:TSK−gel ODS 100Z(446×150mm)を装着)により定量し、下記式より残存モノマー量(質量%)を算出した。未硬化の残存モノマー量を下記表2に示す(モノマーとしては、アクリレート化されていないアルコール体も含まれる)。なお、残存モノマーの含有量は、0.1%以下を目標値とした。
残存モノマー量(質量%)=(未硬化の残存モノマー量/モノマー全量)×100
100%の4カラーのソリッド画像の臭気を下記の評価基準にしたがって官能評価した。具体的には、ソリッド画像を、30cm×30cmのジップ付きビニール袋に内包し、24時間放置した。その後、ジップを解放し、臭気の評価を行なった。評価は、10人の評価値を平均した平均値(但し、平均値が小数点を含むときは平均値の小数点以下第一位を四捨五入した整数)を採用した。評価基準のうち、2以上であれば実用上問題がない。
<評価基準>
1:全く臭気を感じない
2:僅かな臭気があるがほとんど気にならない
3:ある程度の臭気があるが、不快なレベルでない。
4:強い臭気がある。
既述のように搬送速度を200m/分として搬送させて100%の4カラーのソリッド画像を形成したときのヘッド接触回数を確認し、下記の評価基準にしたがって評価した。評価基準のうち、2以上であれば実用上問題がない。
<評価基準>
1:全くヘッドと接触しない。
2:200m搬送した場合に1回ヘッドと接触する。
3:200m搬送した場合に発生するヘッドとの接触回数が10回未満である。
4:200m搬送した場合に発生するヘッドとの接触回数が10回以上である。
実施例1で調製したシアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1、及びインクジェット記録装置を用い、吐出するインクのインク滴量、及びインクジェットヘッドと不織布との間の距離(停止状態基準;=スローディスタンス)を下記表3に示すように変更し、以下の条件で画像を形成した。画像としては、実施例1と同様に、100%の4カラーのソリッド画像(各色の割合はC:20%、M:20%、Y:20%、K:40%である)、及び100%のマゼンタ色のソリッド画像を形成した。
<条件>
(i)インク滴量及びインクジェットヘッド
インク滴量=10plのとき、インクジェットヘッドQE−10を使用
インク滴量=20plのとき、インクジェットヘッドQE−10を使用し、マルチドロップ方式にて吐出
インク滴量=30plのとき、インクジェットヘッドQE−30を使用
インク滴量=80plのとき、インクジェットヘッドQE−80を使用
(ii)スローディスタンス:ヘッドの固定位置を上下移動させて調節
(iii)不織布の搬送速度:200m/min
(iv)酸素分圧:1×10−2MPaに調整
(v)画像の解像度:200dpi×200dpi
(vi)ピニング光源:描画時に点灯
上記のシアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1を用いて形成した画像について、以下の評価を行なった。評価結果は、下記表3に示す。
なお、ヘッド擦りの評価については、実施例1と同様の方法で行なった。
黒色画像中の、ヘッドのノズル配列方向のライン(線)及びその垂直方向のライン(線)の品質を下記の評価基準にしたがって評価した。具体的には、ライン2.54 cm(1inch)中に途切れた箇所が何箇所みられるかを測定することで評価した。評価基準のうち、2以上であれば実用上問題がない。
<評価基準>
1:途切れた箇所はみられず、良好なライン品質である。
2:途切れた箇所がみられるが、5箇所未満である。
3:途切れた箇所が5箇所以上みられる。
4:ラインが形成できない
実施例1で調製したシアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1、及びインクジェット記録装置を用い、各色の使用ヘッドの個数を増減することにより、下記表4に示す解像度(画像密度)にて画像を形成した。但し、50dpi(dot per inch)の画像は、1つのインクジェットヘッドを用いて、半分のノズルで1つおきに描画した。画像としては、実施例1と同様に、100%の4カラーのソリッド画像(各色の割合はC:20%、M:20%、Y:20%、K:40%である)、及び100%のマゼンタ色のソリッド画像を形成した。
<条件>
(i)不織布の搬送速度:200m/min
(ii)酸素分圧:1×10−2MPaに調整
(iii)インクジェットヘッドと不織布との間の距離(停止状態基準;スローディスタンス):10mm
(vi)インク滴量:80pl
(v)ピニング光源:描画時に点灯
上記のシアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1を用いて形成した画像について、以下の評価を行なった。評価結果は、下記表4に示す。
なお、周期性、残存モノマー量の評価については、実施例1と同様の方法で行なった。
100%の4カラーのソリッド画像を水で湿らせた綿布で擦り、Gretag Macbeth社製のGretag Macbeth Spectro Eyeにて擦過試験前後のソリッド画像の濃度の差分を測定することによって耐擦過性を評価した。値が小さいほど、色落ちせず、耐擦過性が良好であることを示す。下記の評価基準のうち、2以上であれば実用上問題がない。
<評価基準>
1:まったく色落ちせず、擦過試験前後の画像濃度測定値の差分は0.05未満である。
2:僅かに擦った綿布に色が移り、擦過試験前後の画像濃度測定値の差分は0.05以上0.2未満である。
3:大きく擦った綿布に色が移り、擦過試験前後の画像濃度測定値の差分は0.2以上0.4未満である。
4:画像の色落ちが目視で分かり、擦過試験前後の画像濃度測定値の差分は0.4以上である。
100%のマゼンタ色のソリッド画像について、白抜けの発生の有無を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。評価基準のうち、2以上であれば実用上問題がない。
<評価基準>
1:白抜けが視認できない。
2:白抜けが僅かに視認できる。
3:白抜けが視認できる。
実施例1のシアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1の調製において、増感剤であるspeedcure 7010を、等量のSR341(3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート;重合性モノマー)、又は等量のSpeedcure ITX(イソプロピルチオキサントン、LAMBSON社製、分子量:254)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、シアンインクC−5、マゼンタインクM−5、イエローインクY−5、及びブラックインクK−5、又はシアンインクC−6、マゼンタインクM−6、イエローインクY−6、及びブラックインクK−6を調製し、以下の条件で画像を形成した。
更に、実施例1のシアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1の調製において、増感剤であるspeedcure 7010を、等量の下記化合物I−F(n=20、分子量:1934;一般式(2)で表される増感剤)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、シアンインクC−7、マゼンタインクM−7、イエローインクY−7、及びブラックインクK−7を調製し、以下の条件で画像を形成した。
また、実施例1のシアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1の調製において、増感剤であるspeedcure 7010を、等量の下記化合物I−I(k=20、l=20、m=20、分子量:4328;一般式(2)で表される増感剤)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、シアンインクC−8、マゼンタインクM−8、イエローインクY−8、及びブラックインクK−8を調製し、以下の条件で画像を形成した。
<条件>
(i)不織布の搬送速度:200m/min
(ii)酸素分圧:1×10−2MPaに調整
(iii)インクジェットヘッドと不織布との間の距離(停止状態基準;スローディスタンス):10mm
(vi)インク滴量:80pl
(v)画像の解像度:200dpi×200dpi
(vi)ピニング光源:描画時に点灯
上記のシアンインクC−5〜C−8、マゼンタインクM−5〜M−8、イエローインクY−5〜Y−8、及びブラックインクK−5〜K−8を用いて形成した画像について、以下の評価を行なった。評価結果は、下記表5に示す。なお、臭気性、残存モノマー量、及び耐擦過性の評価は、実施例1と同様の方法で行なった。
実施例1で調製したシアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1、及びインクジェット記録装置を用い、ピニング光源の点灯又は不点灯を行なって画像を形成した。画像としては、実施例1と同様に、100%の4カラーのソリッド画像(各色の割合はC:20%、M:20%、Y:20%、K:40%である)、及び100%のマゼンタ色のソリッド画像を形成した。
<条件>
(i)不織布の搬送速度:200m/min
(ii)酸素分圧:1×10−2MPaに調整
(iii)インクジェットヘッドと不織布との間の距離(停止状態基準;スローディスタンス):10mm
(vi)インク滴量:80pl
(v)画像の解像度:200dpi×200dpi
実施例1で調製したシアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、及びブラックインクK−1、及びインクジェット記録装置を用いて形成した画像について、以下の方法で色混ざりを評価した。評価結果は、下記表6に示す。
100%のイエロー色のソリッド画像の真横に100%のブラック色のソリッド画像を形成し、カラーブリードの発生の有無を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。評価基準のうち、2以上であれば実用上問題がない。
<評価基準>
1:イエロー描画部にブラックが全く混入しない。
2:イエロー描画部にブラックが僅かに混入する。
3:イエロー描画部にブラックが多量に混入する。
2・・・不活性ガスブランケット
3・・・ガス供給管
4・・・不活性ガス発生装置
5a・・・PPロール
5b・・・巻き取りロール
6・・・記録基材,PP不織布
7・・・インクジェットヘッドユニット
7C,7M,7Y,7K・・・インクジェットヘッド
Claims (18)
- 顔料、全重合成分に対する含有比が80質量%以上の多官能の重合性化合物、及び分子量が1000以上の増感剤を含む活性光線硬化性インク組成物を、インクジェットヘッドから非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材の上に、インク滴量が25pl以上200pl以下でかつ記録基材とインクジェットヘッドとの間の距離が5mm以上20mm以下である条件で付与することにより、画像を形成する画像形成工程と、
形成された画像に酸素分圧1.5×10−2MPa以下の条件下で活性光線を照射し、前記画像を硬化する硬化工程と、
を有するインクジェット記録方法。 - 前記画像形成工程は、前記活性光線硬化性インク組成物を50dpi以上400dpi以下の解像度にて付与する請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記画像形成工程は、50m/min以上の搬送速度で搬送されている記録基材に画像を形成する請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記画像形成工程は、記録基材の搬送方向と交差する方向において付与すべきインク滴の全てを、1回の吐出により付与して画像を形成する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記繊維材料が、ポリマー繊維である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 少なくとも前記多官能の重合性化合物は、ラジカル重合性不飽和二重結合を2つ以上有する化合物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記活性光線硬化性インク組成物は、更に、光重合開始剤を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記活性光線硬化性インク組成物のインク滴量が75pl以上である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記解像度は、50dpi以上300dpi以下である請求項2〜請求項8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記解像度は、50dpi以上200dpi以下である請求項2〜請求項9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記画像形成工程は、2色以上の前記活性光線硬化性インク組成物を用い、記録基材の上に第1の活性光線硬化性インク組成物を付与後、第2の活性光線硬化性インク組成物を付与する前に、前記第1の活性光線硬化性インク組成物を予硬化する予硬化工程を含む請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 顔料、全重合成分に対する含有比が80質量%以上の多官能の重合性化合物、及び分子量が1000以上の増感剤を含む活性光線硬化性インク組成物を、25pl以上200pl以下のインク滴量で吐出するインクジェットヘッドと、
非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である長尺状の記録基材を、インクジェットヘッドとの距離を5mm以上20mm以下にして搬送する搬送手段と、
インクジェットヘッドから吐出された活性光線硬化性インク組成物で形成された画像に対して、酸素分圧1.5×10−2MPa以下の条件下で活性光線を照射する第1の照射手段と、
を備えたインクジェット記録装置。 - 前記インクジェットヘッドは、75pl以上のインク滴量にて前記活性光線硬化性インク組成物を吐出する請求項12に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクジェットヘッドは、50npi以上400npi以下のノズル密度で配置された複数のノズルを有する請求項12又は請求項13に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクジェットヘッドは、50npi以上300npi以下のノズル密度で配置された複数のノズルを有する請求項12〜請求項14のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクジェットヘッドは、50npi以上200npi以下のノズル密度で配置された複数のノズルを有する請求項12〜請求項15のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 2以上の前記インクジェットヘッドを備え、隣り合う2つのインクジェットヘッド間に、更に、活性光線硬化性インク組成物を予硬化する第2の照射手段を備えた請求項12〜請求項16のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第1の照射手段は、不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、前記不活性ガス供給手段から供給された不活性ガスにより酸素分圧が1.5×10−2MPa以下に調整され、前記記録基材が搬送される照射室と、を備えた請求項12〜請求項17のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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