JP5758832B2 - 活性線硬化型インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物 - Google Patents

活性線硬化型インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物 Download PDF

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Description

本発明は、活性線硬化型インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。
インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率良く使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)は、紫外線などの放射線の照射によりインク組成物の成分の大部分が硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
従来のインクジェット記録用インク組成物として、特許文献1〜3が挙げられる。
特表2011−502188号公報 特表2011−500932号公報 米国特許出願公開第2010/330296号明細書
本発明の目的は、膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、支持体が収縮(シュリンク)し難く、印刷物の臭気が抑制され、硬化性に優れ、更に、耐ブロッキング性に優れる活性線硬化型インクジェットインク組成物、並びに、前記インクジェットインク組成物を使用したインクジェット記録方法及び印刷物を提供することである。
本発明の上記課題は下記の<1>、<13>及び<14>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<12>と共に以下に記載する。
<1> (成分A)多官能(メタ)アクリレート化合物、(成分B−1)分子量が340以上のビスアシルホスフィン化合物、及び/又は、分子量が340以上のα−アミノケトン化合物、並びに、(成分B−2)下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物を含有し、分子量340未満の重合開始剤を含有しないか、又は、分子量340未満の重合開始剤の含有量がインク組成物全体の1質量%以下であることを特徴とする活性線硬化型インクジェットインク組成物、
Figure 0005758832
(式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、x及びyは、それぞれ独立に2〜4の整数を表し、j及びmはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、k及びnはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、j、k、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X1はエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のx価の炭化水素鎖を表し、X2はエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のy価の炭化水素鎖を表す。)
<2> 前記成分Aをインク組成物全体の20〜98質量%含有する、<1>に記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物、
<3> 前記式(1)で表される化合物が式(1’)で表される化合物であり、前記式(2)で表される化合物が式(2’)で表される化合物である、<1>又は<2>に記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物、
Figure 0005758832
(式(1’)中、R1、R2、j及びkは式(1)におけるR1、R2、j及びkとそれぞれ同義であり、R11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、rはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、x’は2〜4の整数を表し、Y1は少なくともx’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、A1は下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表し、式(2’)中、R3、R4、m及びnは式(2)におけるR3、R4、m及びnとそれぞれ同義であり、R21はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、tはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、y’は2〜4の整数を表し、Y2は少なくともy’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からy’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、A2は下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表す。)
Figure 0005758832
(式(i)〜式(iii)中、R12及びR13のいずれか一方は水素原子を表し、他方は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、aは1又は2の整数を表し、bは4又は5の整数を表し、dは1〜20の整数を表す。なお、*はカルボニル炭素との結合位置を示し、**はY1との結合位置を示す。)
<4> 式(1)で表される化合物を含有する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物、
<5> (成分B−3)下記式(3)で表される化合物を更に含有する、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物、
Figure 0005758832
(式(3)中、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、2〜4の整数を表し、uは4を表し、X3は、エーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のz価の炭化水素鎖を表す。)
<6> 分子量が340以上のビスアシルホスフィン化合物として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドを含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物、
<7> 分子量が340以上のα−アミノケトン化合物として、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1及び/又は2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンを含有する、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物、
<8> 成分Aとして、2官能アクリレートモノマーをインク組成物全体の20〜90質量%含有する、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物、
<9> 成分Aとして、炭素数5以上の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、及び/又は、プロピレンオキサイド鎖若しくはテトラエチレングリコール鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレートモノマーを含有する、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物、
<10> 成分B−1をインク組成物全体の0.05〜2.0質量%含有する、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物、
<11> 成分B−2をインク組成物全体の0.1〜4質量%含有する、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物、
<12> パッケージ印刷用である、<1>〜<11>のいずれか1つに記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物、
<13> (工程a)<1>〜<12>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、膜厚150μm以下のパッケージ用支持体上に印刷する工程、及び、(工程b)前記吐出されたインクジェットインク組成物に活性線を照射する工程をこの順で含むインクジェット記録方法、
<14> <13>に記載のインクジェット記録方法を用いて作成された印刷物。
本発明によれば、膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、支持体が収縮(シュリンク)し難く、印刷物の臭気が抑制され、硬化性に優れ、更に、耐ブロッキング性に優れる活性線硬化型インクジェットインク組成物、並びに、前記インクジェットインク組成物を使用したインクジェット記録方法及び印刷物を提供することができた。
以下、本発明を詳細に説明する。
(活性線硬化型インクジェットインク組成物)
本発明の活性線硬化型インクジェットインク組成物(以下、「インクジェットインク組成物」又は「インク組成物」ともいう。)は、(成分A)多官能(メタ)アクリレート化合物、(成分B−1)分子量が340以上のビスアシルホスフィン化合物、及び/又は、分子量が340以上のα−アミノケトン化合物、並びに、(成分B−2)下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物を含有し、分子量340未満の重合開始剤を含有しないか、又は、分子量340未満の重合開始剤の含有量がインク組成物全体の1質量%以下であることを特徴とする。
Figure 0005758832
(式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、x及びyは、それぞれ独立に2〜4の整数を表し、j及びmはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、k及びnはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、j、k、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X1はエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のx価の炭化水素鎖を表し、X2はエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のy価の炭化水素鎖を表す。)
なお、明細書中、数値範囲を表す「A〜B」の記載は「A以上B以下」と同義である。また、前記「(成分A)多官能アクリレート化合物」等を単に「成分A」等ともいう。また、「質量%」及び「質量部」は、それぞれ「重量%」及び「重量部」と同義である。
本発明のインク組成物は、活性線により硬化可能な油性のインク組成物である。「活性線」とは、その照射によりインク組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる放射線であり、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
従来の活性線硬化型のインクジェット印刷により得た印刷物は、硬化膜から未反応のモノマー、重合開始剤、重合開始剤残渣等が移動するという問題があり、特に、食品包装用等のパッケージ印刷に使用する場合には、パッケージ内包物に転写する量、所謂マイグレーション(溶出、転移)量が多いという問題があった。また、硬化膜の臭気が強く、内包物や周囲の食品に臭いが移るという問題もあった。
更に、活性線硬化型のインクジェット印刷では、硬化時に印刷物の一部が収縮(シュリンク)しやすいとの問題があり、特に、食品包装用の比較的薄い(例えば、10〜50μm)の記録媒体(支持体)に印刷した場合に、シュリンクの問題が顕著であった。
また、パッケージ印刷に求められる高生産性に適した高い硬化感度が求められている。
本発明のインクジェット記録インク組成物は、上記の構成を採用することにより、膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、支持体が収縮(シュリンク)し難く、印刷物の臭気が抑制され、硬化性に優れ、更に、耐ブロッキング性に優れる活性線硬化型インクジェットインク組成物を提供することができる。
詳細な機構は不明であるが、成分Aを含有することで、硬化膜に架橋構造が形成され、マイグレーションが抑制されるものと推定される。また、成分B−1及び成分B−2は、分子量が大きい重合開始剤であり、重合開始剤が膜内を移動し難く、また、揮発し難いと考えられ、また、成分B−1及び成分B−2という特定の組み合わせで重合開始剤を併用することにより、良好な硬化性が得られる結果、生成する硬化膜中のポリマー分子量が大きく、かつ、成分Aのモノマーの架橋率が高まり、膜中に残存する成分B−1、B−2の分解物、モノマーなどの残渣が膜外に溶出し難くなる。この結果、硬化膜からのマイグレーション、臭気、及び、ブロッキングが抑制される、と考えられる。更に、成分B−1及び成分B−2という特定の組み合わせで重合開始剤を併用することにより、高感度となることが分かった。
以下、本発明のインク組成物について、詳細に説明する。
(成分A)多官能(メタ)アクリレート化合物
本発明のインク組成物は、(成分A)多官能(メタ)アクリレート化合物を含有する。成分Aを含有することにより、硬化膜に架橋構造が形成され、マイグレーションが抑制される。
なお、本発明においては、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
成分Aとしては、(成分A−1)多官能(メタ)アクリレートモノマー、及び(成分A−2)多官能(メタ)アクリレートオリゴマーが例示される。すなわち、(成分A)多官能(メタ)アクリレート化合物は、(成分A−1)多官能(メタ)アクリレート及び/又は(成分A−2)多官能(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、また、2種以上を併用してもよい。また、成分A−1を2種以上使用してもよく、成分A−1及び成分A−2をそれぞれ単独で、或いは、成分A−1及び/又は成分A−2の2種以上を併用してもよく、特に限定されない。
また、成分Aは多官能アクリレート化合物であることが好ましい。
成分A−1及び成分A−2を合わせた成分Aの総含有量は、マイグレーション及び臭気の抑制及び反応性の観点から、インク組成物全体の20〜98質量%であることが好ましく、30〜97質量%であることがより好ましく、40〜96質量%であることがより好ましく、50〜95質量%であることが更に好ましい。
(成分A−1)多官能(メタ)アクリレートモノマー
本発明において、多官能(メタ)アクリレートモノマーとは、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含有し、かつ、分子量が1,000以下の化合物を意味する。
本発明において、多官能(メタ)アクリレートモノマーの分子量は700以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、226〜358であることが更に好ましく、242〜300であることが特に好ましい。分子量が上記範囲内であると、印刷物のマイグレーション及び臭気の抑制と、反応性とを両立できる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、2〜6官能であることが好ましく、2〜4官能であることがより好ましく、2又は3官能であることが更に好ましく、2官能であることが特に好ましい。
多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、反応性及び臭気の観点から、炭素数5以上の炭化水素鎖を分子内に有する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマー、又は、プロピレンオキサイド鎖若しくはテトラエチレングリコール鎖を分子内に有する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、炭素数5以上の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、又は、プロピレンオキサイド鎖若しくはテトラエチレングリコール鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレートモノマーがより好ましく、炭素数5以上の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレートモノマーが更に好ましい。
具体的には、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。
これらの中でも、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、デカンジオールジアクリレート及びドデカンジオールジアクリレートがより好ましい。
また、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレートが例示できる。
前記炭素数5以上の炭化水素鎖は、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。
また、前記炭素数5以上の炭化水素鎖としては、炭素数5以上12以下の炭化水素鎖が好ましく、炭素数5以上12以下の直鎖又は分岐アルキレン基であることがより好ましく、炭素数5以上8以下の直鎖又は分岐アルキレン基であることが更に好ましい。
本発明において、多官能(メタ)アクリレートモノマーは、インク粘度を低粘度に保持する観点から、直鎖又は分岐アルキレン基を有し、環状構造を有しないモノマーであることが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、インク粘度を低粘度に保持する観点から、モノマー単体での25℃における粘度が3〜20mPa・secであることが好ましく、より好ましくは6〜15mPa・secである。また、2官能(メタ)アクリレートモノマーの25℃における粘度が上記の範囲内であることがより好ましく、2官能アクリレートモノマーの25℃における粘度が上記の範囲内であることが特に好ましい。
本発明において、多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、硬化膜に架橋構造を形成し、マイグレーション、臭気、ブロッキングを抑制しつつ、印刷物のシュリンクを抑制し、また、インク組成物をインクジェットに適した低粘度に保持する観点から、2官能アクリレートモノマーを使用することが好ましい。
2官能アクリレートモノマーの含有量は、インク組成物の全質量に対し、20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上90質量%以下であることが更に好ましく、80質量%以上90質量%以下が特に好ましい。
3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを含有する場合、印刷物のシュリンクを抑制し、インク粘度を低粘度に保持する観点から、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、インク組成物全体の30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。
また、後述する単官能(メタ)アクリレートモノマーを含有する場合、マイグレーション、臭気及びブロッキングを抑制する観点から、インク組成物全体の50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
(成分A−2)多官能(メタ)アクリレートオリゴマー
本発明のインク組成物は、成分Aとして、(成分A−2)多官能(メタ)アクリレートオリゴマーを含有してもよい。
オリゴマーは、一般に有限個(一般的には5〜100個)のモノマーが結合した重合体であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する公知のオリゴマーを任意に選択可能であるが、本発明においては、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は1,000以上であり、1,000〜5,000であることが好ましく、1,500〜4,500であることがより好ましく、2,000〜4,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が上記範囲内であると、硬化膜のマイグレーション、臭気及びブロッキングを抑制しつつ、インクの粘度をインクジェットに適した粘度範囲にすることができる。
また、重量平均分子量は1,000以上であるが、オリゴマーが分子量分布を有する場合、分子量が1,000以下の成分が多官能(メタ)アクリレートオリゴマー全体に対して5質量%以下であることが、マイグレーション抑制の観点から好ましい。
前記多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有し、2〜6官能であることが好ましく、2〜4官能であることがより好ましく、2又は3官能であることが更に好ましく、2官能であることが特に好ましい。また、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、多官能アクリレートオリゴマーであることが好ましい。
本発明における多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、オリゴエステル(メタ)アクリレートが好ましく、その中では、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートがより好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートが更に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく挙げられるが、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、4官能以下のウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましく、2官能のウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、基材の密着性に優れ、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
成分A−2について、オリゴマーハンドブック(古川淳二監修、(株)化学工業日報社)も参照することができる。
また、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品としては、以下に示すものが例示できる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、第一工業製薬(株)製のR1204、R1211、R1213、R1217、R1218、R1301、R1302、R1303、R1304、R1306、R1308、R1901、R1150等や、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL230、270、4858、8402、8804、8807、8803、9260、1290、1290K、5129、4842、8210、210、4827、6700、4450、220)、新中村化学工業(株)製のNKオリゴU−4HA、U−6HA、U−15HA、U−108A、U200AX等、東亞合成(株)製のアロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL770、IRR467、81、84、83、80、675、800、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811等)、東亞合成(株)製のアロニックスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050等が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL600、860、2958、3411、3600、3605、3700、3701、3703、3702、3708、RDX63182、6040等)等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物における成分A−2の含有量としては、インク組成物の全質量に対し、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、前記成分A(成分A−1及び成分A−2)に加え、その他の重合性化合物を含有していてもよい。
その他の重合性化合物としては、例えば、N−ビニルラクタム類(好ましくはN−ビニルカプロラクタム)、イソボルニルアクリレート、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニルエーテル化合物等のラジカル重合性化合物が挙げられる。N−ビニルカプロラクタム又はイソボルニルアクリレートが好ましく、N−ビニルカプロラクタムとイソボルニルアクリレートとの組み合わせが更に好ましい。
更に、その他の重合性化合物としては、具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、(株)シーエムシー出版);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品又は業界で公知のラジカル重合性又は架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
他の重合性化合物の分子量は、80〜2,000であることが好ましく、80〜1,000であることがより好ましく、80〜800であることが更に好ましい。
本発明のインク組成物が他の重合性化合物を含有する場合、本発明のインク組成物における他の重合性化合物の含有量は、インク組成物の全質量に対し、1〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましく、5〜25質量%が特に好ましい。
(成分B)重合開始剤
本発明のインク組成物は、(成分B)重合開始剤として、(成分B−1)分子量が340以上のビスアシルホスフィン化合物、及び/又は、分子量が340以上のα−アミノケトン化合物、並びに、(成分B−2)下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物を含有する。また、分子量340未満の重合開始剤を含有しないか、又は、分子量340未満の重合開始剤の含有量がインク組成物全体の1質量%以下である。
Figure 0005758832
(式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、x及びyは、それぞれ独立に2〜4の整数を表し、j及びmはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、k及びnはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、j、k、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X1はエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のx価の炭化水素鎖を表し、X2はエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のy価の炭化水素鎖を表す。)
なお、本発明における重合開始剤は、活性放射線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物だけでなく、特定の活性エネルギー線を吸収して重合開始剤の分解を促進させる化合物(いわゆる、増感剤)も含まれる。また、重合開始剤のラジカル発生効率を高める機能を有する化合物(いわゆる、共開始剤)も含まれる。
(成分B−1)分子量が340以上のビスアシルホスフィン化合物、及び/又は、分子量が340以上のα−アミノケトン化合物
本発明のインク組成物は、(成分B−1)分子量が340以上のビスアシルホスフィン化合物、及び/又は、分子量が340以上のα−アミノケトン化合物を含有する。成分B−1を含有することにより、硬化感度に優れ、また、マイグレーションが抑制される。
本発明のインク組成物は、(成分B−1−1)分子量が340以上のビスアシルホスフィン化合物、又は、(成分B−1−2)分子量が340以上のα−アミノケトン化合物のいずれか一方のみを含有してもよく、成分B−1−1及び成分B−1−2を併用してもよく、特に限定されないが、少なくとも成分B−1−1を含有することが好ましい。
また、成分B−1−1又は成分B−1−2として1種単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。
(成分B−1−1)分子量340以上のビスアシルホスフィン化合物
成分B−1−1としては、分子量340以上のビスアシルホスフィンオキサイド化合物であることが好ましく、分子量340以上のビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、下記式(b−1−1)で表される化合物のうち、分子量が340以上の化合物であることが好ましい。
Figure 0005758832
(式(b−1−1)中、R1E、R2E及びR3Eはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、メチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
成分B−1−1としては、公知のビスアシルホスフィンオキサイド化合物の中で、分子量が340以上のものが使用できる。例えば、特開平3−101686号公報、特開平5−345790号公報、特開平6−298818号公報に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
具体例としては、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)デシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、成分B−1−1としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819、BASFジャパン社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフェニルホスフィンオキサイドが好ましく、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドが特に好ましい。
(成分B−1−2)分子量340以上のα−アミノケトン化合物
成分B−1−2としては特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、以下の式(b−1−2)で表される化合物のうち、分子量が340以上の化合物であることが好ましい。
Figure 0005758832
前記式(b−1−2)中、Arは、−SR5Hあるいは−N(R7H)(R8H)で置換されているフェニル基を表し、R5Hは水素原子又はアルキル基を表し、R1H及びR2Hはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表し、R3H及びR4Hはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ置換された炭素数2〜4のアルキル基又は炭素数3〜5のアルケニル基を表す。R1HとR2Hとは互いに結合して炭素数2〜9のアルキレン基を構成してもよい。R3HとR4Hとは互いに結合して炭素数3〜7のアルキレン基を形成してもよく、そのアルキレン基は、アルキレン鎖中に−O−又は−N(R6H)−を含むものであってもよい。R6Hは、炭素数1〜4のアルキル基を表す。R7H及びR8Hはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ置換された炭素数2〜4のアルキル基又は炭素数3〜5のアルケニル基を表す。R7HとR8Hとは互いに結合して炭素数3〜7のアルキレン基を形成してもよく、そのアルキレン基は、アルキレン鎖中に−O−又は−N(R6H)−を含むものであってもよい。ここで、R6Hは前記したものと同義である。
前記α−アミノケトン化合物の例としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(Irgacure 369、BASFジャパン製)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(Irgacure 379)が挙げられる。
また、成分B−1−2として、高分子のα−アミノケトン化合物も好ましく、具体的には、ポリエチレングリコールジ{β−4−[4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノイルフェニル]ピペラジン}(Omnipol910、平均分子量910、Insight High Tecnology製)が挙げられる。
本発明において、インク組成物は成分B−1として、少なくともビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドを含有することが特に好ましい。
成分B−1の含有量は、硬化感度(硬化性)と、マイグレーション及び臭気の抑制の観点から、インク組成物全体の1〜5質量%が好ましく、2〜4質量%がより好ましい。
(成分B−2)式(1)又は式(2)で表される化合物
本発明のインク組成物は、重合開始剤として(成分B−2)式(1)又は式(2)で表される化合物を含有する。すなわち、本発明のインク組成物は、(成分B−2−1)式(1)で表される化合物、及び/又は、(成分B−2−1)式(2)で表される化合物を含有する。
本発明において、インク組成物が成分B−2を含有することにより、硬化性に優れ、硬化膜からのマイグレーション、臭気及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。
(成分B−2−1)式(1)で表される化合物
本発明のインク組成物は、成分B−2として(成分B−2−1)式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0005758832
(式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、jは0〜4の整数を表し、kは0〜3の整数を表し、xは2〜4の整数を表し、j及びkが2以上の整数のとき、複数存在するR1及びR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X1はエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のx価の炭化水素鎖を表す。)
式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、前記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜3のアルキル基であることがより好ましく、エチル基又はイソプロピル基であることが更に好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示され、塩素原子であることが好ましい。R1及びR2は、エチル基、イソプロピル基又は塩素原子であることが特に好ましい。
式(1)中、jは0〜4の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。jが2以上の整数の場合、複数存在するR1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、kは0〜3の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。kが2以上の整数の場合、複数存在するR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、xは2〜4の整数を表し、3又は4であることがより好ましく、4であることが更に好ましい。
式(1)中、X1はエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−(C=O)−O−)を含んでいてもよい炭素数2〜300のx価の炭化水素鎖からなる、x価の連結基を表す。
なお、式(1)において、連結基であるX1を除いたチオキサントン構造(式(1)中、[ ]にて表された構造)を複数(x個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
前記式(1)で表される化合物において、チオキサントンへの置換位置を以下のように表すこととする。
Figure 0005758832
1の置換位置は、1〜4位であり、2位、3位又は4位であることが好ましく、2位又は4位であることがより好ましく、4位であることが更に好ましい。
1の置換位置は、5〜8位であり、6位、7位であることが好ましく、6位であることがより好ましい。
また、R2の置換位置は、1〜4位であり、1位、2位又は3位であることが好ましく、1位であることがより好ましい。
式(1)で表される化合物は、下記式(1’)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005758832
式(1’)中、R1、R2、j及びkは式(1)におけるR1、R2、j及びkとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
式(1’)中、R11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(1’)中、rはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。また、rが2以上のとき、複数存在するR11はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
x’は2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
1は少なくともx’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、x’個のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(x’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。
式(1’)中、A1は下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表す。
Figure 0005758832
式(i)〜式(iii)中、R12及びR13のいずれか一方は水素原子を表し、他方は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、aは1又は2の整数を表し、bは4又は5の整数を表し、dは1〜20の整数を表す。なお、*はカルボニル炭素との結合位置を示し、**はY1との結合位置を示す。
1は、式(i)で表される基であることが好ましく、*−(OCH2CH2d−**、*−(OCH2CH2CH2CH2d−**、又は、*−O(CH(CH3)CH2d−**であることがより好ましい。この場合、dは3〜10の整数であることがより好ましい。
成分B−2−1の分子量は、500〜3,000であることが好ましく、800〜2,500であることがより好ましく、1,000〜2,000であることが更に好ましい。
分子量が500以上であると、硬化膜からの化合物の溶出が抑制され、マイグレーション、臭気及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。一方、3,000以下であると、分子の立体障害が少なく、また、分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、成分B−2−1が、炭素数等が異なる複数の化合物の混合物である場合、重量平均分子量が上記の範囲であることが好ましい。
以下に成分B−2−1の具体例を示すが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 0005758832
Figure 0005758832
これらの中でも化合物(I−A)又は(I−E)が好ましく、化合物(I−E)がより好ましい。
式(1)で表される化合物として、上市されている化合物を使用することもできる。具体的には、Speedcure 7010(1,3-di({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)])oxy)-2,2-bis({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)])oxymethyl)propane、CAS No.1003567−83−6)、Omnipol TX(Polybutyleneglycol bis(9-oxo-9H-thioxanthenyloxy)acetate、CAS No.813452−37−8)が例示される。
式(1)で表される化合物は、公知の反応により製造することができ、特に限定されないが、例えば、上記の式(1’)で表される化合物は、下記式(1−1)で表される化合物と、下記式(1−2)で表される化合物とを反応させることにより調製することができる。
Figure 0005758832
式(1−1)及び式(1−2)中、R1、R2、R11、A1、Y1、j、k、r及びx’は式(1’)と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記の反応は溶媒の存在下で行うことが好ましく、適当な溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が例示される。
また、触媒下で行うことが好ましく、触媒としては、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸)、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、リン酸)、ルイス酸(塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オルガノチタネート)等が例示できる。
反応温度及び反応時間は特に限定されない。
反応終了後、反応混合物から公知の手段によって単離し、必要に応じて洗浄し、乾燥することによって、生成物を分離することができる。
(成分B−2−2)式(2)で表される化合物
本発明のインク組成物は、成分B−2として(成分B−2−2)式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0005758832
(式(2)中、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、mは0〜4の整数を表し、nは0〜3の整数を表し、yは2〜4の整数を表し、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X2はエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のy価の炭化水素鎖を表す。)
式(2)中、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、前記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜3のアルキル基であることがより好ましく、エチル基又はイソプロピル基であることが更に好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示され、塩素原子であることが好ましい。R3及びR4は、エチル基、イソプロピル基又は塩素原子であることが特に好ましい。
式(2)中、mは0〜4の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。mが2以上の整数の場合、複数存在するR3は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(2)中、nは0〜3の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。nが2以上の整数の場合、複数存在するR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(2)中、yは2〜4の整数を表し、2又は3であることがより好ましく、2であることが更に好ましい。
式(2)中、X2はエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−(C=O)−O−)を含んでいてもよい、炭素数2〜300のy価の炭化水素鎖を表す。
なお、式(2)において、連結基であるX2を除いたベンゾフェノン構造(式(2)中、[ ]にて表された構造)を複数(y個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
前記式(2)で表される化合物において、ベンゾフェノンへの置換位置を以下のように表すこととする。
Figure 0005758832
2の置換位置は、1〜5位であり、2位又は3位であることが好ましく、3位であることがより好ましい。
3の置換位置は、6〜10位であり、8位又は9位であることが好ましく、8位であることがより好ましい。
また、R4の置換位置は、1〜5位であり、2位、3位又は4位であることが好ましい。
式(2)で表される化合物は、下記式(2’)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005758832
式(2’)中、R3、R4、m及びnは式(2)におけるR3、R4、m及びnとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
式(2’)中、R21はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(2’)中、tはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。また、tが2以上のとき、複数存在するR21はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
y’は2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
2は少なくともy’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からy’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、y’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(y’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。
式(2’)中、A2は下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表す。
Figure 0005758832
(式(i)〜式(iii)中、R12及びR13のいずれか一方は水素原子を表し、他方は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、aは1又は2の整数を表し、bは4又は5の整数を表し、dは1〜20の整数を表す。なお、*はカルボニル炭素との結合位置を示し、**はY1との結合位置を示す。)
2は、式(i)で表される基であることが好ましく、*−(OCH2CH2d−**、*−(OCH2CH2CH2CH2d−**、又は、*−O(CH(CH3)CH2d−**であることがより好ましい。この場合、dは3〜10の整数であることがより好ましい。
成分B−2−2の分子量は、500〜3,000であることが好ましく、800〜2,500であることがより好ましく、1,000〜2,000であることが更に好ましい。
分子量が500以上であると、硬化膜からの化合物の溶出が抑制され、マイグレーション、臭気及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。一方、3,000以下であると、分子の立体障害が少なく、また、分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、成分B−2−2が、炭素数等が異なる複数の化合物の混合物である場合、重量平均分子量が上記の範囲であることが好ましい。
以下に成分B−2−2の具体例を示すが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 0005758832
Figure 0005758832
式(2)で表される化合物として、上市されている化合物を使用することもできる。具体的には、Omnipol BP(Polybutyleneglycol bis(4-benzoylphenoxy)acetate、CAS No.515136−48−8)が例示される。
式(2)で表される化合物は、公知の反応により製造することができ、特に限定されないが、例えば、上記の式(2’)で表される化合物は、下記式(2−1)で表される化合物と、下記式(2−2)で表される化合物とを反応させることにより調製することができる。
Figure 0005758832
(式(2−1)及び式(2−2)中、R3、R4、R21、A2、Y2、m、n、t及びy’は式(2’)と同義であり、好ましい範囲も同様である。)
上記の反応は溶媒の存在下で行うことが好ましく、適当な溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が例示される。
また、触媒下で行うことが好ましく、触媒としては、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸)、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、リン酸)、ルイス酸(塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オルガノチタネート)等が例示できる。
反応温度及び反応時間は特に限定されない。
反応終了後、反応混合物から公知の手段によって単離し、必要に応じて洗浄し、乾燥することによって、生成物を分離することができる。
成分B−2の含有量は、高感度化、並びに、マイグレーション、臭気及びブロッキングを抑制する観点から、インク組成物全体の1〜5質量%であることが好ましく、2〜4質量%であることが更に好ましい。
また、成分B−2としては、成分B−2−1がより好ましい。
成分B−1及び成分B−2のインク組成物全体に対する含有量をそれぞれ(B−1)、(B−2)(質量%)としたとき、(B−1):(B−2)は、1:10〜10:1であることが好ましく、1:4〜4:1であることがより好ましく、1:2〜2:1であることが更に好ましい。
また、成分B−1及び成分B−2の合計の含有量は、インク組成物全体の1.0〜15.0質量%であることが好ましく、2.0〜9.0質量%であることがより好ましく、2.0〜6.0質量%であることが更に好ましい。上記範囲内であると、硬化性に優れるので好ましい。
(成分B−3)式(3)で表される化合物
本発明のインク組成物は、(成分B)重合開始剤として、(成分B−3)式(3)で表される化合物を含有することが好ましい。
式(3)で表される化合物を添加することにより、式(3)で表される化合物が水素原子を供与して、共開始剤として機能し、感度が向上する。特に、励起状態の成分B−2に水素原子を供与して、高感度化すると推定される。また、低分子のアミン化合物を使用する場合に比して、式(3)で表される化合物を使用することにより、マイグレーション及び臭気が抑制される。
Figure 0005758832
(式(3)中、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、2〜4の整数を表し、uは4であり、X3は、エーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のz価の炭化水素鎖を表す。)
式(3)中、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。前記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜2のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
式(3)中、R7は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表し、前記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜2のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが最も好ましい。これらの中でも、R7のうち、2つ以上が水素原子であることが好ましく、3つが水素原子であることがより好ましく、4つが水素原子であることが更に好ましい。
式(3)中、はuは4を表す。
式(3)中、zは2〜4の整数を表し、2又は3であることがより好ましく、2であることが更に好ましい。
式(3)中、X3はエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−(C=O)−O−)を含んでいてもよい、炭素数2〜300のz価炭化水素鎖よりなる、z価の連結基を表す。
なお、式(3)において、連結基であるX3を除いた構造(式(3)中、[ ]にて表された構造)を複数(z個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
式(3)で表される化合物は、下記式(3’)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005758832
式(3’)中、R5、R6、R7及びuは式(3)におけるR5、R6、R7及びuとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
z’は2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
3は単結合、エーテル結合、又は、少なくともz’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からz’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、z’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(z’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からz’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることがより好ましい。
式(3’)中、A3はそれぞれ独立に下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表す。
Figure 0005758832
(式(i)〜式(iii)中、R12及びR13のいずれか一方は水素原子を表し、他方は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、aは1又は2の整数を表し、bは4又は5の整数を表し、dは0〜20の整数を表す。なお、*はカルボニル炭素との結合位置を示し、**はY3との結合位置を示す。なお、z’個存在するA3のうち、少なくとも1つは、dが1〜20の整数を表す。)
3は、式(i)で表される基であることが好ましく、*−(OCH2CH2z−**、*−(OCH2CH2CH2CH2z−**、又は、*−O(CH(CH3)CH2z−**であることがより好ましい。この場合、zは3〜10の整数であることがより好ましい。
成分B−3の分子量は、500〜3,000であることが好ましく、800〜2,500であることがより好ましく、1,000〜2,000であることが更に好ましい。
分子量が500以上であると、硬化膜からの化合物の溶出が抑制され、マイグレーション、臭気及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。一方、3,000以下であると、分子の立体障害が少なく、また、分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、成分B−3が、炭素数等が異なる複数の化合物の混合物である場合、重量平均分子量が上記の範囲であることが好ましい。
以下に成分B−3の具体例を示すが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 0005758832
Figure 0005758832
成分B−3としては、上市されている製品を使用してもよく、例えば、Speedcure 7040(Lambson社製)が例示される。
成分B−3の合成方法は特に限定されないが、例えば、式(I−K)で表される化合物は、p−ジメチルアミノ安息香酸クロリドと、ポリエチレングリコールとの脱塩化水素反応(脱HCl反応)の後、塩基にて中和することで得られる。
成分B−3は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
成分B−3のインク組成物全体に対する含有量は、0.5〜3.0質量%であることが好ましく、0.8〜2.5質量%であることがより好ましく、1.0〜2.0質量%であることが更に好ましい。含有量が上記範囲内であると、インク組成物が硬化の際に、より高感度化するので好ましい。
(成分B−4)その他の重合開始剤
本発明において、インク組成物は、上記成分B−1〜成分B−3に加え、(成分B−4)その他の重合開始剤を含有してもよい。
なお、その他の重合開始剤のうち、特に分子量が340未満の重合開始剤の含有量は、マイグレーション、臭気及びブロッキングを抑制する観点から、含有しないか、又は、インク組成物全体の1質量%以下であり、含有しないか、又は、0.5質量%以下であることが好ましく、含有しないか、又は、0.3質量%以下であることがより好ましく、含有しないことが最も好ましい。
その他の重合開始剤としては、限定的ではないが、例えば、BASF社製のSpeedcure ITX、Lucirin TPO、IRGACURE 184、IRGACURE 907等が例示される。
本発明のインク組成物は、重合開始剤として、特定の活性エネルギー線を吸収して重合開始剤の分解を促進させるため、増感剤として機能する化合物(以下、単に「増感剤」ともいう。)を含有することが好ましい。
増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)等が挙げられる。
また、増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の重合開始剤を合わせた(成分B)重合開始剤の総量は、インク組成物全体の1.3〜16.0質量%であることが好ましく、2.0〜10.0質量%であることがより好ましく、2.0〜7.0質量%であることが更に好ましい。含有量が上記範囲内であると硬化性に優れる。
(成分C)界面活性剤
本発明のインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
本発明のインク組成物中における界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.0001〜1質量%であることが好ましい。
(成分D)着色剤
本発明のインク組成物は、形成された画像部の視認性を向上させるため、好ましくは着色剤を含有する。着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用できる。着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点から、重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、白色顔料としては、Pigment White 6,18,21などが目的に応じて使用できる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
着色剤は、インク組成物に添加された後、適度に当該インク組成物内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分と共に直接添加してもよい。また、分散性向上のため、予め溶剤又は本発明に使用する重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散あるいは溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化、及び、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、インク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、更に好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましい。
(成分E)分散剤
本発明のインク組成物は、分散剤を含有することが好ましい。特に顔料を使用する場合において、顔料をインク組成物中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤としては、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−111、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−182(BYKケミー社製);EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブ社製);ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製);ソルスパース(SOLSPERSE)3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000、32000、36000、39000、41000、71000などの各種ソルスパース分散剤(Noveon社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123((株)ADEKA製)、イオネットS−20(三洋化成工業(株)製);ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)(楠本化成(株)製)が挙げられる。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.05〜15質量%であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明のインク組成物には、必要に応じて、前記各成分以外に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等を含む。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
また、本発明のインク組成物は、保存性、及び、ヘッド詰まりの抑制という観点から、重合禁止剤を含有することが好ましい。
重合禁止剤の含有量は、本発明のインク組成物の全質量に対し、200〜20,000ppmであることが好ましい。
重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤や、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
<インク物性>
本発明においては、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な記録媒体(支持体)を用いた場合でも、記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。更に、インク組成物の液滴着弾時のインク滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインク組成物の25℃における表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましく、20.5mN/m以上35.0mN/m以下であることがより好ましく、21mN/m以上30.0mN/m以下であることが更に好ましく、21.5mN/m以上28.0mN/m以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、耐ブロッキング性に優れる印刷物が得られる。
なお、インク組成物の25℃における表面張力の測定方法としては、公知の方法を用いることができるが、吊輪法、又は、ウィルヘルミー法で測定することが好ましい。例えば、協和界面科学(株)製自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定する方法、又は、KSV INSTRUMENTS LTD社製 SIGMA702を用いて測定する方法が好ましく挙げられる。
(インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及び印刷物)
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェットインク組成物をインクジェット記録用として記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、記録媒体上に吐出されたインクジェットインク組成物に活性エネルギー線を照射し、インクジェットインク組成物を硬化して画像を形成する方法である。
より具体的には、本発明のインクジェット記録方法は、(a1)記録媒体上に、本発明のインクジェットインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインクジェットインク組成物に活性線を照射して前記インクジェットインク組成物を硬化する工程、を含むことが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(a1)及び(b1)工程を含むことにより、記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
また、本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体上の同一部分において、上記(a1)及び(b1)工程を2回以上行うこと、すなわち、同一部分を重ね打ちにより印刷するマルチパスモードで行うことが好ましい。本発明のインク組成物を用いることにより、マルチパスモードで印刷を行った場合、光沢性により優れた画像が得られる。
また、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物である。
また、本発明のインク組成物は、パッケージ印刷用に好適であり、特に、食品包装用のパッケージ印刷に好適である。その場合には、以下の工程をこの順で含むインクジェット記録方法であることが好ましい。
(工程a)インクジェットインク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、膜厚150μm以下のパッケージ用支持体上に印刷する工程、及び、
(工程b)前記吐出されたインクジェットインク組成物に活性線を照射する工程
本発明のインクジェット記録方法における(a1)工程及び(a)には、以下に詳述するインクジェット記録装置を用いることができる。
<インクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録方法に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a1)工程及び(a)工程における記録媒体へのインク組成物の吐出を実施することができる。
本発明で用いることができるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性エネルギー線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、本発明のインク組成物は、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが好ましいことから、インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましい。一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。すなわち、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うと共に、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インク組成物で使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インク組成物の温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
次に、(b1)工程及び(b)工程について説明する。
記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性エネルギー線(活性線)を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性エネルギー線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性エネルギー線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性エネルギー線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性エネルギー線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、320〜420nmであることが更に好ましく、活性エネルギー線が、ピーク波長が340〜400nmの範囲の紫外線であることが特に好ましい。
また、本発明のインク組成物の、重合開始系は、低出力の活性エネルギー線であっても十分な感度を有するものである。したがって、露光面照度が、好ましくは10〜4,000mW/cm2、より好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
活性エネルギー線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、LED(UV−LED)、LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性エネルギー線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性エネルギー線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性エネルギー線源はUV−LEDであり、特に好ましくは340〜400nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの記録媒体上での最高照度は、10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、このような活性エネルギー線に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性エネルギー線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性エネルギー線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な記録媒体に対しても、着弾したインク組成物のドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性エネルギー線の照射により高感度で硬化することで、記録媒体表面に画像を形成することができる。
本発明のインク組成物は、複数のインクジェット記録用インクからなるインクセットとして使用することが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法において、吐出する各着色インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の高い着色インク組成物から記録媒体に付与することが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを使用する場合には、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で記録媒体上に付与することが好ましい。また、これにホワイトを加えて使用する場合にはホワイト→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で記録媒体上に付与することが好ましい。更に、本発明はこれに限定されず、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトのインク組成物との計7色が少なくとも含まれる本発明のインクセットを好ましく使用することもでき、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で記録媒体上に付与することが好ましい。
本発明において、記録媒体としては、特に限定されず、支持体や記録材料として公知の記録媒体を使用することができる。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。また、本発明における記録媒体として、非吸収性記録媒体を好適に使用することができる。
特に、本発明のインク組成物をパッケージ印刷に使用する場合には、記録媒体としては比較的膜厚の薄い記録媒体を使用することが好ましく、膜厚は150μm以下であることが好ましく、120μm以下であることがより好ましく、90μm以下であることが更に好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。本発明のインク組成物は、膜厚が比較的薄い記録媒体を使用しても、シュリンクの問題が抑制される。
パッケージ印刷に使用する場合、記録媒体としては、ポリプロピレン、PET、ナイロン、ポリエチレン、ポリビニルアルコールが例示され、ポリプロピレン、PET、ナイロンが好ましい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示すものとする。
本発明で使用した素材は下記に示す通りである。
(着色剤)
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASFジャパン社製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−355−D(マゼンタ顔料、BASFジャパン社製)
・NOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、BASFジャパン社製)
・タイペークCR60−2(ホワイト顔料、石原産業(株)製)
(分散剤)
・SOLSPERSE32000(Noveon社製分散剤)
・SOLSPERSE36000(Noveon社製分散剤)
(モノマー)
・SR306H(トリプロピレングリコールジアクリレート、Sartomer社製、25℃における粘度:15.0mPa・sec)
・SR341(3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、Sartomer社製、25℃における粘度:6.0mPa・sec)
・NKエステルA−DOD−N(1,9−ノナンジオールジアクリレート、新中村化学工業(株)製、25℃における粘度:9.0mPa・sec)
・CD595(1,10−デカンジオールジアクリレート、Sartomer社製、25℃における粘度:10.0mPa・sec)
・CD262(1,12−ドデカンジオールジアクリレート、Sartomer社製、25℃における粘度:12.0mPa・sec)
・SR9003(PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、Sartomer社製、25℃における粘度:15.0mPa・sec)
・SR339(フェノキシエチルアクリレート、Sartomer社製)
・SR350(トリメチロールプロパントリアクリレート、Sartomer社製)
・V−CAP(N−ビニルカプロラクタム、ISP社製)
(重合開始剤:成分B−1)
・IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、BASF社製、分子量366)
・IRGACURE 379(2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリンー4−イルーフェニル)ブタン−1−オン、BASF社製、分子量380)
・Omnipol 910(ポリエチレングリコール200 ジ{β−4[4(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノニルフェニル]ピペラジン}プロピオネート、Rahn AG社製、分子量901)
・IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、BASF社製、分子量418)
Figure 0005758832
(重合開始剤 B−2)
・Speedcure7010 (化合物I−B、Lambson社製)
・Omnipol TX(化合物I−A、Rahn AG社製、分子量820)
・Omnipol BP(化合物I−F、Rahn AG社製、分子量960)
・化合物I−D(n、m、l=3)
・化合物I−J(k、l、m、n=2)
Figure 0005758832
<化合物I−Dの合成>
2−メルカプト安息香酸と、4−クロロフェノキシ酢酸とを硫酸中で脱水縮合反応させることで、1−クロロ−4−フェノキシアセチルチオキサントンが得られる。更に、塩化チオニルと反応させ、酸クロリドを合成した後、PO変性トリメチロールプロパン(n、m、n=3)と反応させることで、化合物I−Dを得た。
Figure 0005758832
<化合物I−Jの合成>
3−フェノキシアセチルクロリドベンゾフェノンと、PO変性ペタエリスリトールとの反応により、化合物I−Jを得た。
(その他の重合開始剤)
・Speedcure 7040(化合物I−N、高分子アミン化合物、Lambson社製)
・Speedcure ITX(イソプロピルチオキサントン、LAMBSON社製、分子量254)
・LUCIRIN TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、BASF社製、分子量316)
・IRGACURE 184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社製、分子量204)
・IRGACURE 907(2−メチル−1−「4−(メチルチオフェニル)」−2−モルフォリノプロパンー1−オン、BASF社製、分子量279)
(オリゴマー)
・CN964 A85(二官能脂肪族ウレタンアクリレート・15質量%トリプロピレングリコールジアクリレート含有、Sartomer社製)
(重合禁止剤)
・FIRSTCURE ST−1(重合禁止剤、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミン)アルミニウム塩(10質量%)とフェノキシエチルアクリレート(90質量%)との混合物、Chem First社製)
(界面活性剤)
・BYK307(シリコーン系界面活性剤、BYK Chemie社製)
(各ミルベースの調製)
<シアンミルベースAの調製>
IRGALITTE BLUE GLVOを300質量部と、SR9003を620質量部と、SOLSPERSE32000を80質量部とを撹拌混合し、シアンミルベースAを得た。なお、シアンミルベースAの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
<マゼンタビルベースB、イエローミルベースC、ブラックミルベースD及びホワイトミルベースEの調製>
シアンミルベースAと同様にして、表1に示す組成、分散条件でマゼンタミルベースB、イエローミルベースC、ブラックミルベースD及びホワイトミルベースEを調製した。
Figure 0005758832
(実施例1〜30、及び、比較例1〜9)
<インク組成物の作製方法>
表2〜4に記載の素材を記載した量(質量部)で混合、撹拌することで、各インク組成物を得た。なお、表中「−」は、該当する成分を添加していないことを意味する。
<インクジェット記録方法:メタルハライドランプ>
UV硬化型インクジェットプリンター LUXELJET UV250(富士フイルムグラフィックシステムズ(株)製)を用い、インクジェット画像を印刷した。
パイレンフィルム−OTP3162(A4サイズ、ポリプロピレンシート、40μm)上に、解像度600×450dpiで、100%ベタ画像の印刷を行った。なお、同装置は、インクジェットヘッドを操作させることで描画を行うものであり、また、ヘッドの両端にそれぞれUVランプ1つずつ装着されており、1回のヘッド操作で2つのUVランプが照射されるような形態になっている。ベタ画像は、支持体の同一箇所にインク打滴と2つのランプによるUV照射とを交互に8回繰り返すことにより形成した。ランプはIntegration Technology社製SUB ZERO 085 H bulbランプユニットを装着し、前後のランプ強度をレベル3に設定した。
印字中、路面照度を測定したところ、980mW/cm2であった。また、吐出から露光までの時間は、0.2〜0.3秒であった。また、1ドロップあたりの吐出量は、6〜42pLの範囲で行った。
<マイグレーション評価方法>
印刷物表面に水:エタノール=70:30混合液10mLを滴下し、混合溶媒が揮発しないように、印刷物全体をガラス密閉容器に入れて、40℃で10日間放置した。その後、水、エタノール混合溶液中に含有する、フィルムからの全溶出量(オーバーオールマイグレーション量:OML)を算出し、1〜5段階で評価を行った。なお、全容出量の測定は、10日間放置後に、水エタノール混合液を揮発させ、残存成分の質量を測定することにより行った。
5:溶出量が50ppb以下
4:溶出量が50ppbを超え、200ppb以下
3:溶出量が200ppbを超え、1,000ppb以下
2:溶出量が1,000ppbを超え、2,000ppb以下
1:溶出量が2,000ppbを超える
<臭気評価方法>
上記インクジェット画像記録方法によって得られた画像を、30cm×30cmのジップ付きビニール袋に内包し、24時間放置した。
その後、ジップを解放し、臭気の評価を行った。評価は10人の平均を採用した。
5:ほぼ無臭である
4:わずかな臭気があるがほとんど気にならない
3:ある程度の臭気があるが、不快なレベルでない
2:強い臭気がある
1:非常に強い臭気がある
<耐ブロッキング性評価>
上記インクジェット記録方法にて、計5枚の印刷物を作成し、得られた画像を重ね合わせ、上部に5kgの重りを載せて、30℃のオーブンで24時間放置したのち、画像同士の張り付き具合を評価した。
5:印刷物同士の張り付き全くなし
4:印刷物同士に張り付きがあるが、手で簡単に引きはがれ、上部支持体背面への画像の転写はなし
3:印刷物同士に張り付きがあり、手で簡単に引きはがすと、上部支持体背面への僅かな画像の転写がある
2:印刷物同士に張り付きがあり、手で簡単に引きはがすと、上部支持体背面へのかなりの画像の転写がある
1:印刷物同士に張り付きがあり、手で引きはがすのが困難である
<硬化性評価>
綿棒にIPA(イソプロピルアルコール)を浸し、印刷物表面を前記の綿棒で擦り、支持体が露出するまでの回数を求めた。
5:50回を超える
4:30回を超え50回以下
3:10回を超え30回以下
2:5回を超え10回以下
1:5回以下
<支持体シュリンク試験>
印刷後、印刷物を室温下で30分放置し、カールの度合いを評価した。
5:全くカールなく平坦である
4:わずかにカールが見られる
3:カールが見られるが、手で引っ張ると平坦な印刷物になる
2:カールが見られ、手で引っ張っても、印刷物が凹凸である
1:激しく印刷物がカールし、手で引っ張っても、印刷物が凹凸である
Figure 0005758832
Figure 0005758832
Figure 0005758832

Claims (12)

  1. (成分A)多官能(メタ)アクリレート化合物、
    (成分B−1)分子量が340以上のビスアシルホスフィン化合物、及び/又は、分子量が340以上のα−アミノケトン化合物、並びに、
    (成分B−2)下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物を含有し、
    成分Aとして、2官能アクリレートモノマーをインク組成物全体の20〜90質量%含有し、
    成分B−2をインク組成物全体の0.1〜4質量%含有し、
    分子量340未満の重合開始剤を含有しないか、又は、分子量340未満の重合開始剤の含有量がインク組成物全体の1質量%以下であることを特徴とする
    活性線硬化型インクジェットインク組成物。
    Figure 0005758832
    (式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、x及びyは、それぞれ独立に2〜4の整数を表し、j及びmはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、k及びnはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、j、k、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X1はエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のx価の炭化水素鎖を表し、X2はエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のy価の炭化水素鎖を表す。)
  2. 前記成分Aをインク組成物全体の20〜98質量%含有する、請求項1に記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物。
  3. 前記式(1)で表される化合物が式(1’)で表される化合物であり、前記式(2)で表される化合物が式(2’)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物。
    Figure 0005758832
    (式(1’)中、R1、R2、j及びkは式(1)におけるR1、R2、j及びkとそれぞれ同義であり、R11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、rはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、x’は2〜4の整数を表し、Y1は少なくともx’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、A1は下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表し、式(2’)中、R3、R4、m及びnは式(2)におけるR3、R4、m及びnとそれぞれ同義であり、R21はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、tはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、y’は2〜4の整数を表し、Y2は少なくともy’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からy’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、A2は下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表す。)
    Figure 0005758832
    (式(i)〜式(iii)中、R12及びR13のいずれか一方は水素原子を表し、他方は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、aは1又は2の整数を表し、bは4又は5の整数を表し、dは1〜20の整数を表す。なお、*はカルボニル炭素との結合位置を示し、**はY1との結合位置を示す。)
  4. 式(1)で表される化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物。
  5. (成分B−3)下記式(3)で表される化合物を更に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物。
    Figure 0005758832
    (式(3)中、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、2〜4の整数を表し、uは4を表し、X3は、エーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のz価の炭化水素鎖を表す。)
  6. 分子量が340以上のビスアシルホスフィン化合物として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドを含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物。
  7. 分子量が340以上のα−アミノケトン化合物として、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1及び/又は2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンを含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物。
  8. 成分Aとして、炭素数5以上の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、及び/又は、プロピレンオキサイド鎖若しくはテトラエチレングリコール鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレートモノマーを含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物。
  9. 成分B−1をインク組成物全体の0.05〜2.0質量%含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物。
  10. パッケージ印刷用である、請求項1〜のいずれか1項に記載の活性線硬化型インクジェットインク組成物。
  11. (工程a)請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、膜厚150μm以下のパッケージ用支持体上に印刷する工程、及び、
    (工程b)前記吐出されたインクジェットインク組成物に活性線を照射する工程をこの順で含む
    インクジェット記録方法。
  12. 請求項11に記載のインクジェット記録方法を用いて作成された印刷物。
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