JP2013227448A - インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、印刷物が収縮(シュリンク)しにくく、印刷物の臭気が抑制され、硬化性及び耐ブロッキング性に優れるインクジェットインク組成物を提供すること。
【解決手段】(成分A)2つの(メタ)アクリロキシ基が9〜12原子離れている二官能(メタ)アクリレート化合物、(成分B)分子内に2つ以上のα−ヒドロキシケトン構造を有する化合物、及び、(成分C)式(1)又は式(2)で表される化合物、を含有し、成分Aの含有量が、インク組成物の全質量に対し、30〜95質量%であり、分子量340未満の重合開始剤の含有量が、インク組成物全質量に対し、1.0質量%以下であることを特徴とするインクジェットインク組成物。
Figure 2013227448

【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。
インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率良く使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)は、紫外線などの放射線の照射によりインク組成物の成分の大部分が硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
従来のインクジェット記録用インク組成物として、特許文献1〜3が挙げられる。
特表2011−502188号公報 特表2011−500932号公報 特開2011−68783号公報
本発明の目的は、膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、印刷物が収縮(シュリンク)しにくく、印刷物の臭気が抑制され、硬化性及び耐ブロッキング性に優れるインクジェットインク組成物、並びに、前記インクジェットインク組成物を使用したインクジェット記録方法及び印刷物を提供することである。
本発明の上記課題は下記の<1>、<14>及び<15>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<13>と共に以下に記載する。
<1>(成分A)2つの(メタ)アクリロキシ基が9〜12原子離れている二官能(メタ)アクリレート化合物、(成分B)分子内に2つ以上のα−ヒドロキシケトン構造を有する化合物、及び、(成分C)下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物、を含有し、成分Aの含有量が、インク組成物の全質量に対し、30〜95質量%であり、分子量340未満の重合開始剤の含有量が、インク組成物全質量に対し、1.0質量%以下であることを特徴とするインクジェットインク組成物、
Figure 2013227448
(式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、x及びyはそれぞれ独立に、2〜4の整数を表し、j及びmはそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、k及びnはそれぞれ独立に、0〜3の整数を表し、j、k、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X1は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むx価の連結基を表し、X2は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むy価の連結基を表す。)
<2>成分Aの含有量が、インク組成物の全質量に対し、60〜95質量%である、上記<1>に記載のインクジェットインク組成物、
<3>成分Aの含有量が、インク組成物の全質量に対し、80〜95質量%である、上記<1>又は<2>に記載のインクジェットインク組成物、
<4>成分Bの含有量と成分Cの含有量との質量比が、成分B:成分C=1:1.5〜8:1.5である、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<5>成分Cが、式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物を含む、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<6>成分Cの含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.1〜2.4質量%である、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<7>成分Cとして、前記式(1)で表される化合物におけるxが4である化合物を含む、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<8>成分Bの含有量が、インク組成物の全質量に対し、1.0〜8.0質量%である、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<9>成分Aが、プロピレンオキサイド2モル変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート及び1,12−ドデカンジオールジアクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物である、上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<10>単官能(メタ)アクリレート化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、1.0質量%以下である、上記<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<11>N−ビニルカプロラクタムを更に含有する、上記<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<12>不活性なメチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体を更に含有する、上記<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<13>パッケージ印刷用である、上記<1>〜<12>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<14>(工程a)上記<1>〜<13>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、膜厚150μm以下のパッケージ用支持体上に印刷する工程、及び、(工程b)前記吐出されたインクジェットインク組成物に活性線を照射する工程をこの順で含むインクジェット記録方法、
<15>上記<14>に記載のインクジェット記録方法を用いて作成された印刷物。
本発明によれば、膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、印刷物が収縮(シュリンク)しにくく、印刷物の臭気が抑制され、硬化性及び耐ブロッキング性に優れるインクジェットインク組成物、並びに、前記インクジェットインク組成物を使用したインクジェット記録方法及び印刷物を提供することである。
本発明に好適に用いられるインクジェット記録装置の一例を示すである。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書中、「xx〜yy」の記載は、xx及びyyを含む数値範囲を表す。また、「(成分A)多官能(メタ)アクリレート化合物」等を単に「成分A」等ともいう。
「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等と同義であり、以下同様とする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(インクジェットインク組成物)
本発明のインクジェットインク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)は、(成分A)2つの(メタ)アクリロキシ基が9〜12原子離れている二官能(メタ)アクリレート化合物、(成分B)分子内に2つ以上のα−ヒドロキシケトン構造を有する化合物、及び、(成分C)下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物、を含有し、成分Aの含有量が、インク組成物の全質量に対し、30〜95質量%であり、分子量340未満の重合開始剤の含有量が、インク組成物全質量に対し、1.0質量%以下であることを特徴とする。
Figure 2013227448
(式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、x及びyはそれぞれ独立に、2〜4の整数を表し、j及びmはそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、k及びnはそれぞれ独立に、0〜3の整数を表し、j、k、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X1は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むx価の連結基を表し、X2は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むy価の連結基を表す。)
本発明のインク組成物は、活性線により硬化可能な油性のインク組成物である。「活性線」とは、その照射によりインク組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる放射線であり、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
また、本発明のインク組成物は、活性放射線硬化型のインク組成物であり、水性インク組成物や溶剤インク組成物とは異なる。本発明のインク組成物は、水及び揮発性溶剤をできるだけ含有しないことが好ましく、含有していたとしても、インク組成物の全質量に対し、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。
また、本発明のインクジェットインク組成物は、パッケージ印刷用インクジェットインク組成物として好適に用いることができる。
従来の活性線硬化型のインクジェット印刷により得た印刷物は、硬化膜から未反応のモノマー、重合開始剤、重合開始剤残渣等が移動するという問題があり、特に、食品包装用等のパッケージ印刷に使用する場合には、パッケージ内包物に転写する量、いわゆる、マイグレーション(溶出、転移)量が多いという問題があった。また、硬化膜の臭気が強く、内包物や周囲の食品に臭いが移るという問題もあった。
更に、活性線硬化型のインクジェット印刷では、硬化時に印刷物の一部が収縮(シュリンク)しやすいとの問題があり、特に、食品包装用の比較的薄い(例えば、10〜50μm)の記録媒体(支持体)に印刷した場合に、シュリンクの問題が顕著であった。
また、パッケージ印刷に求められる高生産性に適した高い硬化感度が求められている。
本発明のインクジェットインク組成物は、上記の構成を採用することにより、膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、印刷物が収縮(シュリンク)しにくく、印刷物の臭気が抑制され、硬化性及び耐ブロッキング性に優れるインクジェットインク組成物を提供することができる。
また、詳細な機構は不明であるが、成分A〜成分Cを含有することで、硬化膜に架橋構造が形成され、マイグレーションが抑制されるものと推定される。また、成分B及び成分Cは、重合開始種を生成する構造を2以上有する重合開始剤であり、重合開始剤が膜内を移動しにくく、また、揮発し難いと考えられ、また、成分B及び成分Cという特定の組み合わせで重合開始剤を併用することにより、良好な硬化性が得られる。その結果、生成する硬化膜中のポリマー分子量が大きく、かつ、成分Aの架橋率が高まり、膜中に残存する成分B及び成分Cの分解物、モノマーなどの残渣が膜外に溶出しにくくなる。更に、硬化膜からのマイグレーション、臭気、及び、ブロッキングが抑制されると考えられる。更に、成分B及び成分Cという特定の組み合わせで重合開始剤を併用することにより、高感度となることが分かった。
以下、本発明のインク組成物について、詳細に説明する。
(成分A)2つの(メタ)アクリロキシ基が9〜12原子離れている二官能(メタ)アクリレート化合物
本発明のインクジェットインク組成物は、(成分A)2つの(メタ)アクリロキシ基が9〜12原子離れている二官能(メタ)アクリレート化合物を含有し、成分Aの含有量が、インク組成物の全質量に対し、30〜95質量%である。成分Aを上記特定量で含有することにより、折り曲げ等に対し耐性を有するレベルの硬化膜の柔軟性を付与ながら、程よいレベルの架橋構造を硬化膜に付与し、マイグレーションが少なく、及び、臭気を抑制されたインク組成物が得られる。また、インクジェットに適した粘度が得られる。
なお、本発明において、「2つの(メタ)アクリロキシ基がX原子離れている」とは、2つの(メタ)アクリロキシ基を連結する連結基の長さがX原子であることを示す。
例えば、1,9−ノナンジオールジアクリレートは、2つのアクリロキシ基が9原子離れている二官能アクリレート化合物であり、エチレンオキサイド(EO)2モル変性ネオペンチルグリコールジアクリレートは、2つのアクリロキシ基が9原子離れている二官能アクリレート化合物であり、エチレングリコールジメタアクリレートは、2つのメタクリロキシ基が2原子離れている二官能メタクリレート化合物であり、テトラエチレングリコールジアクリレートは、2つのアクリロキシ基が11原子離れている二官能アクリレート化合物である。
成分Aは、2つの(メタ)アクリロキシ基が9〜11原子離れている二官能(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、2つの(メタ)アクリロキシ基が9又は10原子離れている二官能(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましく、2つの(メタ)アクリロキシ基が9原子離れている二官能(メタ)アクリレート化合物であることが更に好ましい。上記態様であると、硬化性、及び、文字や画像の鮮明さにより優れる。
また、成分Aは、2つのアクリロキシ基が9〜12原子離れている二官能アクリレート化合物であることが好ましい。上記態様であると、硬化性、及び、文字や画像の鮮明さにより優れる。
成分Aの含有量は、インク組成物の全質量に対し、30〜95質量%であり、40〜95質量%であることが好ましく、50〜95質量%であることがより好ましく、60〜95質量%であることが更に好ましく、80〜95質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、印刷物が収縮(シュリンク)しにくく、印刷物の臭気が抑制され、硬化性及び耐ブロッキング性に優れる。
また、成分Aは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
成分Aとして、具体的には例えば、エチレンオキサイド(EO)2モル変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレンオキサイド(PO)2モル変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO2モル変性ヘキサンジオールジアクリレート、PO2モル変性ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
中でも、1,9−ノナンジオールジアクリレート又はPO2モル変性ネオペンチルグリコールジアクリレートが好ましく、PO2モル変性ネオペンチルグリコールジアクリレートが特に好ましい。
(成分B)分子内に2つ以上のα−ヒドロキシケトン構造を有する化合物
本発明のインクジェットインク組成物は、(成分B)分子内に2つ以上のα−ヒドロキシケトン構造を有する化合物を含有する。成分Bを含有することにより、特に表面硬化性に優れ、活性線照射によって、モノマーの転化率を高めるとともに、硬化膜中の硬化物の分子量を向上させるため、膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、印刷物の臭気が抑制され、耐ブロッキング性に優れるインク組成物が得られる。
成分Bが有するα−ヒドロキシケトン構造の数は、2つ以上であればよいが、2〜10であることが好ましく、2〜7であることがより好ましく、2〜5であることが特に好ましい。
また、成分Bが有するα−ヒドロキシケトン構造は、α−ヒドロキシアセトフェノン構造であることが好ましく、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン構造であることが特に好ましい。
成分Bは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
成分Bの含有量は、インク組成物の全質量に対し、0.1〜15.0質量%であることが好ましく、0.5〜10.0質量%であることがより好ましく、1.0〜8.0質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、マイグレーションがより少なく、印刷物の臭気がより抑制され、耐ブロッキング性により優れるインクジェットインク組成物が得られる。
成分Bの具体例としては、以下のHK−1及びHK−2が好ましく挙げられる。
Figure 2013227448
(式中、nは2以上の整数を表し、Rは末端基を表す。)
nは、2〜10の整数であることが好ましく、2〜7の整数であることがより好ましく、2〜5の整数であることが更に好ましい。
Rは、特に制限はないが、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、及び、ハロゲン原子等が挙げられる。
(成分C)式(1)又は式(2)で表される化合物
本発明のインク組成物は、(成分C)式(1)又は式(2)で表される化合物を含有する。成分B及び成分Cを併用することにより、膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、印刷物の臭気が抑制され、硬化性及び耐ブロッキング性に優れるインクジェットインク組成物が得られる。
Figure 2013227448
(式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、x及びyは、それぞれ独立に2〜4の整数を表し、j及びmはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、k及びnはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、j、k、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X1は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むx価の連結基を表し、X2は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むy価の連結基を表す。)
<式(1)で表される化合物>
本発明のインク組成物は、成分Cとして、式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、前記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、また、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数2又は3のアルキル基であることがより好ましく、エチル基又はイソプロピル基であることが更に好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示され、塩素原子であることが好ましい。
これらの中でも、R1及びR2はそれぞれ独立にエチル基、イソプロピル基又は塩素原子であることが特に好ましい。
式(1)中、jは0〜4の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。jが2以上の整数の場合、複数存在するR1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、kは0〜3の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。kが2以上の整数の場合、複数存在するR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、xは2〜4の整数を表し、3又は4であることがより好ましく、4であることが更に好ましい。
式(1)中、X1はエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−(C=O)−O−)を含んでいてもよい炭素数2〜300のx価の炭化水素鎖からなる、x価の連結基を表す。
なお、式(1)において、連結基であるX1を除いたチオキサントン構造(式(1)中、[ ]内に表された構造)を複数(x個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
前記式(1)で表される化合物において、チオキサントンへの置換位置を以下のように表すこととする。
Figure 2013227448
1の置換位置が1〜4位であるとした場合、X1の置換位置は、2位、3位又は4位であることが好ましく、2位又は4位であることがより好ましく、4位であることが更に好ましい。
1の置換位置は、特に限定されないが、6位又は7位であることが好ましく、6位であることがより好ましい。
また、R2の置換位置は、特に限定されないが、1位、2位又は3位であることが好ましく、1位であることがより好ましい。
式(1)で表される化合物は、下記式(1’)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013227448
式(1’)におけるR1、R2、j及びkは、式(1)におけるR1、R2、j及びkとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
式(1’)中、R11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(1’)中、rはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。また、rが2以上のとき、複数存在するR11はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
x’は2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
1は少なくともx’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、x’個のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(x’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。
式(1’)中、A1は下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表す。
Figure 2013227448
(式(i)〜式(iii)中、R12及びR13のいずれか一方は水素原子を表し、他方は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、aは1又は2の整数を表し、bは4又は5の整数を表し、zは1〜20の整数を表し、*はカルボニル炭素との結合位置を表し、**はY1との結合位置を表す。)
1は、式(i)で表される基であることが好ましく、*−(OCH2CH2z−**、*−(OCH2CH2CH2CH2z−**、又は、*−O(CH(CH3)CH2z−**であることがより好ましい。この場合、zは3〜10の整数であることがより好ましい。
式(1)で表される化合物の分子量は、500〜3,000であることが好ましく、800〜2,500であることがより好ましく、1,000〜2,000であることが更に好ましい。
分子量が500以上であると、硬化膜からの化合物の溶出が抑制され、マイグレーション、臭気及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。一方、3,000以下であると、分子の立体障害が少なく、また、分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、式(1)で表される化合物が、炭素数等が異なる複数の化合物の混合物である場合、重量平均分子量が上記の範囲であることが好ましい。
以下に式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 2013227448
Figure 2013227448
これらの中でも化合物(I−A)又は(I−E)が好ましく、化合物(I−E)がより好ましい。
式(1)で表される化合物として、上市されている化合物を使用することもできる。具体的には、SPEEDCURE 7010(1,3-di({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)])oxy)-2,2-bis({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)])oxymethyl)propane、CAS No. 1003567-83-6)、OMNIPOL TX(Polybutyleneglycol bis(9-oxo-9H-thioxanthenyloxy)acetate、CAS No. 813452-37-8)が例示される。
式(1)で表される化合物は、公知の反応により製造することができ、特に限定されないが、例えば、前記式(1’)で表される化合物は、下記式(1−1)で表される化合物と、下記式(1−2)で表される化合物とを反応させることにより調製することができる。
Figure 2013227448
式(1−1)及び式(1−2)におけるR1、R2、R11、A1、Y1、j、k、r及びx’は、式(1’)におけるR1、R2、R11、A1、Y1、j、k、r及びx’と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記の反応は溶媒の存在下で行うことが好ましく、適当な溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が例示される。
また、触媒下で行うことが好ましく、触媒としては、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸)、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、リン酸)、ルイス酸(塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オルガノチタネート)等が例示できる。
反応温度及び反応時間は特に限定されない。
反応終了後、反応混合物から公知の手段によって単離し、必要に応じて洗浄し、乾燥することによって、生成物を分離することができる。
<式(2)で表される化合物>
本発明のインク組成物は、成分Cとして、式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 2013227448
(式(2)中、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、mは0〜4の整数を表し、nは0〜3の整数を表し、yは2〜4の整数を表し、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X2は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むy価の連結基を表す。)
式(2)中、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、前記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、また、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数2又は3のアルキル基であることがより好ましく、エチル基又はイソプロピル基であることが更に好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示され、塩素原子であることが好ましい。R3及びR4は、エチル基、イソプロピル基又は塩素原子であることが特に好ましい。
式(2)中、mは0〜4の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。mが2以上の整数の場合、複数存在するR3は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(2)中、nは0〜3の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。mが2以上の整数の場合、複数存在するR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(2)中、yは2〜4の整数を表し、2又は3であることがより好ましく、2であることが更に好ましい。
式(2)中、X2は炭化水素鎖、エーテル結合(−O−)及びエステル結合(−(C=O)−O−)よりなる群から選択された少なくとも1つを含むy価の連結基を表す。
なお、式(2)において、連結基であるX2を除いたベンゾフェノン構造(式(2)中、[ ]内に表された構造)を複数(y個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
前記式(2)で表される化合物において、ベンゾフェノンへの置換位置を以下のように表すこととする。
Figure 2013227448
2の置換位置が1〜5位であるとした場合、X2の置換位置は、2位又は3位であることが好ましく、3位であることがより好ましい。
3の置換位置は、特に限定されないが、2’位又は3’位であることが好ましく、3’位であることがより好ましい。
また、R4の置換位置は、特に限定されないが、2位、3位又は4位であることが好ましい。
式(2)で表される化合物は、下記式(2’)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013227448
式(2’)におけるR3、R4、m及びnは、式(2)におけるR3、R4、m及びnとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
式(2’)中、R21はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(2’)中、tはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。また、tが2以上のとき、複数存在するR21はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
y’は2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
2は少なくともy’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からy’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、y’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(y’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からy’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。
式(2’)中、A2は下記式(i)〜式(iii)よりなる群から選択される基を表す。
Figure 2013227448
(式(i)〜式(iii)中、R12及びR13のいずれか一方は水素原子を表し、他方は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、aは1又は2の整数を表し、bは4又は5の整数を表し、zは1〜20の整数を表す。なお、*はカルボニル炭素との結合位置を示し、**はY2との結合位置を示す。)
2は、式(i)で表される基であることが好ましく、*−(OCH2CH2z−**、*−(OCH2CH2CH2CH2z−**、又は、*−O(CH(CH3)CH2z−**であることがより好ましい。この場合、zは3〜10の整数であることがより好ましい。
式(2)で表される化合物の分子量は、500〜3,000であることが好ましく、800〜2,500であることがより好ましく、1,000〜2,000であることが更に好ましい。
分子量が500以上であると、硬化膜からの化合物の溶出が抑制され、マイグレーション、臭気及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。一方、3,000以下であると、分子の立体障害が少なく、また、分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、式(2)で表される化合物が、炭素数等が異なる複数の化合物の混合物である場合、重量平均分子量が上記の範囲であることが好ましい。
以下に式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 2013227448
Figure 2013227448
式(2)で表される化合物として、上市されている化合物を使用することもできる。具体的には、OMNIPOL BP(Polybutyleneglycol bis(4-benzoylphenoxy)acetate、CAS No. 515136-48-8)が例示される。
式(2)で表される化合物は、公知の反応により製造することができ、特に限定されないが、例えば、上記の式(2’)で表される化合物は、下記式(2−1)で表される化合物と、下記式(2−2)で表される化合物とを反応させることにより調製することができる。
Figure 2013227448
(式(2−1)及び式(2−2)におけるR3、R4、R21、A2、Y2、m、n、t及びy’は式(2’)におけるR3、R4、R21、A2、Y2、m、n、t及びy’とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。)
上記の反応は溶媒の存在下で行うことが好ましく、適当な溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が例示される。
また、触媒下で行うことが好ましく、触媒としては、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸)、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、リン酸)、ルイス酸(塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オルガノチタネート)等が例示できる。
反応温度及び反応時間は特に限定されない。
反応終了後、反応混合物から公知の手段によって単離し、必要に応じて洗浄し、乾燥することによって、生成物を分離することができる。
式(2)で表される化合物の含有量は、高感度化、並びに、マイグレーション、臭気及びブロッキングを抑制する観点から、インク組成物全体の1〜5質量%であることが好ましく、2〜4質量%であることが更に好ましい。
また、式(2)で表される化合物としては、式(2−1)で表される化合物がより好ましい。
式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物のインク組成物全体に対する含有量をそれぞれW1、W2(質量%)としたとき、W1:W2は、1:10〜10:1であることが好ましく、1:4〜4:1であることがより好ましく、1:2〜2:1であることが更に好ましい。
また、成分Cの総含有量は、インク組成物全体の0.01〜10.0質量%であることが好ましく、0.05〜5.0質量%であることがより好ましく、0.1〜2.4質量%であることが更に好ましい。上記範囲内であると、硬化性に優れる。
更に、マイグレーション及び臭気の抑制及び硬化性の観点から、成分Bの含有量と成分Cの総含有量との質量比率が、(成分Bの含有量):(成分Cの含有量)=1:1.5〜8:1.5であることが好ましい。
(成分D)他の重合開始剤
本発明のインク組成物は、成分B及び成分C以外の他の重合開始剤を含有していてもよい。
本発明のインク組成物は、分子量が340未満の重合開始剤の含有量は、マイグレーション、臭気及びブロッキングを抑制する観点から、含有しないか、又は、インク組成物全体の0質量%を超え1.0質量%以下であり、含有しないか、又は、0質量%を超え0.5質量%以下であることが好ましく、含有しないか、又は、0質量%を超え0.3質量%以下であることがより好ましく、含有しないことが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、他の重合開始剤として、式(3)で表される化合物を含有することが好ましい。式(3)で表される化合物を添加することにより、式(3)で表される化合物が水素原子を供与して、共開始剤として機能し、感度が向上すると推定される。特に、励起状態の式(1)又は式(2)で表される化合物に水素原子を供与して、高感度化すると推定されると推定される。また、低分子のアミン化合物を使用する場合に比して、式(3)で表される化合物を使用することにより、マイグレーション及び臭気が抑制される。
Figure 2013227448
(式(3)中、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、2〜4の整数を表し、uは4であり、X3は、エーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい、炭素数2〜300のz価の炭化水素鎖を表す。)
式(3)中、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。前記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、また、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
式(3)中、R7は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表し、前記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜2のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが最も好ましい。これらの中でも、R7のうち、2つ以上が水素原子であることが好ましく、3つが水素原子であることがより好ましく、4つが水素原子であることが更に好ましい。
式(3)中、はuは4を表す。
式(3)中、zは2〜4の整数を表し、2又は3であることがより好ましく、2であることが更に好ましい。
式(3)中、X3はエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−(C=O)−O−)を含んでいてもよい、炭素数2〜300のz価炭化水素鎖よりなる、z価の連結基を表す。
なお、式(3)において、連結基であるX3を除いた構造(式(3)中、[ ]にて表された構造)を複数(z個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
式(3)で表される化合物は、下記式(3’)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013227448
式(3’)中、R5〜R7及びuは、式(3)におけるR5〜R7及びuとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
z’は2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
3は単結合、エーテル結合、又は、少なくともz’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からz’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、z’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(z’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からz’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることがより好ましい。
式(3’)中、A3はそれぞれ独立に下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表す。
Figure 2013227448
(式(i)〜式(iii)中、R12及びR13のいずれか一方は水素原子を表し、他方は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、aは1又は2の整数を表し、bは4又は5の整数を表し、dは0〜20の整数を表す。なお、*はカルボニル炭素との結合位置を示し、**はY3との結合位置を示す。なお、z’個存在するA3のうち、少なくとも1つは、dが1〜20の整数を表す。)
3は、式(i)で表される基であることが好ましく、*−(OCH2CH2z−**、*−(OCH2CH2CH2CH2z−**、又は、*−O(CH(CH3)CH2z−**であることがより好ましい。この場合、dは3〜10の整数であることがより好ましい。
式(3)で表される化合物の分子量は、500〜3,000であることが好ましく、800〜2,500であることがより好ましく、1,000〜2,000であることが更に好ましい。
分子量が500以上であると、硬化膜からの化合物の溶出が抑制され、マイグレーション、臭気及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。一方、3,000以下であると、分子の立体障害が少なく、また、分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、式(3)で表される化合物が、炭素数等が異なる複数の化合物の混合物である場合、重量平均分子量が上記の範囲であることが好ましい。
以下に式(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 2013227448
Figure 2013227448
式(3)で表される化合物としては、上市されている製品を使用してもよく、例えば、SPEEDCURE 7040(Lambson社製)が例示される。
式(3)で表される化合物の合成方法は特に限定されないが、例えば、式(I−K)で表される化合物は、p−ジメチルアミノ安息香酸クロリドと、ポリエチレングリコールとの脱塩化水素反応(脱HCl反応)の後、塩基にて中和することで得られる。
式(3)で表される化合物は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、式(3)で表される化合物の含有量は、インク組成物全体の1.0〜15.0質量%であることが好ましく、2.0〜10.0質量%であることがより好ましく、2.0〜6.0質量%であることが更に好ましい。上記範囲内であると、硬化性に優れる。
他の重合開始剤としては、上記で示した以外に、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。上記重合開始剤の詳細については、例えば、特開2009−185186号公報の段落0090〜0116に記載されているものが例示できる。
本発明における他の重合開始剤は、1種単独又は2種以上の併用によって好適に用いられる。
本発明に用いることができる他の重合開始剤としては、アシルホスフィン化合物、α−ヒドロキシケトン構造を1つのみ有する化合物及び/又はα−アミノケトン化合物が挙げられる。
アシルホスフィン化合物の好適な例としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2−メトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2−メトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペンチルオキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4−ジペンチルオキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル(4−ペンチルオキシフェニル)フェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイル(4−ペンチルオキシフェニル)フェニルホスフィンオキシドが挙げられる。
また、他の重合開始剤としては、硬化性の観点から、芳香族ケトン類が好ましい。
芳香族ケトン類としては、α−ヒドロキシケトン構造を1つのみ有する化合物及び/又はα−アミノケトン化合物が好ましい。
α−ヒドロキシケトン構造を1つのみ有する化合物としては、公知のものを用いることができるが、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられ、中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物が好ましい。なお、本発明において、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが任意の置換基で置換された化合物も含まれる。置換基としては、ラジカル重合開始剤としての能力を発揮し得る範囲で任意に選択することができ、具体的には炭素数1〜4のアルキル基が例示できる。
また、α−アミノケトンとしては、公知のものを用いることができ、具体的には例えば、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等が挙げられる。また、BASFジャパン社製IRGACURE907、IRGACURE369、IRGACURE379等の如き市販品も好ましく例示できる。
また、他の重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、LAMBSON社製のSPEEDCURE 7040、BASF社製のSPEEDCURE ITX、LUCIRINTPO、IRGACURE 184、IRGACURE 907等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、重合開始剤として、特定の活性エネルギー線を吸収して重合開始剤の分解を促進させるため、増感剤として機能する化合物(以下、単に「増感剤」ともいう。)を含有することが好ましい。
増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン等)、チオクロマノン類(例えば、チオクロマノン等)等が挙げられる。
中でも、増感剤としては、チオキサントン類が好ましく、イソプロピルチオキサントンがより好ましい。
また、増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
成分B、成分C、及び、式(3)で表される化合物以外の重合開始剤の総含有量は、インク組成物全体の2.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。
(成分E)他の重合性化合物
本発明のインク組成物は、成分A以外の、他の重合性化合物を含有していてもよい。
他の重合性化合物としては、エチレン性不飽和化合物が好ましい。
他の重合性化合物としては、公知の重合性化合物を用いることができ、成分A以外の(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物、アリル化合物、N−ビニル化合物、不飽和カルボン酸類等が例示できる。例えば、特開2009−221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009−209289号公報に記載の重合性化合物、特開2009−191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
他の重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アクリレート化合物であることがより好ましい。
また、本発明のインク組成物は、その他の重合性化合物として、成分A以外の多官能重合性化合物を含有することが好ましく、成分A以外の多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することがより好ましく、成分A以外の二官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが更に好ましい。上記態様であると、マイグレーション及び臭気がより抑制される。
成分A以外の二官能(メタ)アクリレート化合物としては、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、オクタンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。
これらの中でも、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレートが特に好ましい。上記態様であると、マイグレーション及び臭気がより抑制される。
また、本発明のインク組成物における成分Aを含む二官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、インク組成物の全質量に対し、60〜95質量%含有することが好ましく、75〜95質量%含有することがより好ましい。
本発明のインク組成物は、その他の重合性化合物として、N−ビニルラクタム類を含有することが好ましい。
N−ビニルラクタム類としては、式(N)で表される化合物が好ましい。
Figure 2013227448
式(N)中、nは2〜6の整数を表し、インク組成物が硬化した後の柔軟性、被記録媒体との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、nは3〜6の整数であることが好ましく、nが3又は5であることがより好ましく、nが5である、すなわちN−ビニルカプロラクタムであることが特に好ましい。N−ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好なインク硬化性、及び硬化膜の被記録媒体への密着性が得られるので好ましい。
また、上記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上にアルキル基、アリール基等の置換基を有していてもよく、飽和又は不飽和環構造を連結していてもよい。
他の重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
他の重合性化合物として具体的には、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられる。
また、本発明のインク組成物は、単官能(メタ)アクリレート化合物を実質的に含有しないことが好ましく、単官能(メタ)アクリレート化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、1.0質量%以下であることがより好ましい。
更に具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、(株)シーエムシー出版);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品又は業界で公知のラジカル重合性又は架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
他の重合性化合物の分子量は、80〜2,000であることが好ましく、80〜1,000であることがより好ましく、80〜800であることが更に好ましい。
他の重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましく、モノビニルエーテル化合物及びジ又はトリビニルエーテル化合物に大別できる。
好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物;エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
本発明のインク組成物が他の重合性化合物を含有する場合、本発明のインク組成物における他の重合性化合物の含有量は、インク組成物の全質量に対し、1〜60質量%が好ましく、3〜55質量%がより好ましく、5〜50質量%が特に好ましい。
(成分F)不活性なメチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体
本発明のインク組成物は、(成分F)不活性なメチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体を含有することが好ましい。
本発明のインク組成物における、「不活性なメチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体」とは、メチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体が、更に連鎖重合反応可能な重合性の官能基をもたない、並びに、更に逐次架橋反応可能な架橋性及び/又は被架橋性の官能基をもたない重合体であることを意味する。すなわち、重合反応及び架橋反応を実質的に生じない状態のメチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体を指す。
また、本発明のインク組成物において、不活性なメチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体は、本発明のインク組成物が含有する成分A等に溶解しているか又は相溶していることが好ましい。
不活性なメチルメタクリレート単独重合体としては、特に制約はなく、例えばメチルメタクリレートを公知の重合方法により単独重合体としたもの、又は市販の単独重合体製品として入手できるものが好ましく挙げられる。
また、不活性なメチルメタクリレート共重合体としては、特に制約はなく、例えばメチルメタクリレートとその他の重合性化合物とを公知の重合方法により共重合体としたもの、又は市販の共重合体製品として入手できるものが好ましく挙げられる。共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体又はグラフト共重合体のいずれでもよい。共重合に使用するその他の重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましく挙げられる。より好ましくは、メタクリレート化合物である。
成分Fは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
成分Fの含有量は、インク組成物全体の、0.3〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜4.0質量%であることがより好ましい。上記範囲内であると、吐出安定性、耐ブロッキング性及び硬化性により優れたインク組成物が得られる。
本発明のインク組成物において、成分Fの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定法により測定されるポリスチレン換算重量平均分子量である。GPC測定装置の具体例としては、例えば、(株)島津製作所製HPLC LC−10AD等が挙げられる。また、このGPC測定には、カラムとして例えば、昭和電工(株)製のShodex GPC−KF−804が用いられ、溶離液として例えば、テトラヒドロフラン(THF)が使用され、重量平均分子量は標準ポリスチレンの分子量との比較により算出される。
成分Fの重量平均分子量は、4,000以上120,000未満であることが好ましく、8,000〜80,000であることがより好ましく、10,000〜75,000であることが更に好ましく、10,000〜60,000であることが特に好ましく、20,000〜50,000であることが最も好ましい。成分Fの重量平均分子量が、上記範囲であると、良好な吐出安定性が得られ、筋ムラの発生の少ない画像が得られる。
成分Fは、メチルメタクリレート単独重合体以外にメチルメタクリレートとその他の重合性化合物との共重合体も好ましく用いられる。その他の重合性化合物としては、重合後の共重合体が不活性であれば特に制約はないが、メチルメタクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物がより好ましく、メチルメタクリレート以外のメタクリレート化合物が更に好ましい。
メチルメタクリレート以外のその他の共重合モノマーとしては、好ましい例として、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、2−α−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−β−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−アントリル(メタ)アクリレート、9−アントリル(メタ)アクリレート、1−フェナントリル(メタ)アクリレート、2−フェナントリル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−フリル(メタ)アクリレート、2−フルフリル(メタ)アクリレート、2−チエニル(メタ)アクリレート、2−テニル(メタ)アクリレート、1−ピロリル(メタ)アクリレート、2−ピリジル(メタ)アクリレート、2−キノリル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロデシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−フタルイミドエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、5−(メタ)アクリロイルオキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサシクロヘキサン、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、n−ブチル(メタ)アクリレートが好ましく、n−ブチルメタクリレートが特に好ましい。
本発明のインク組成物において用いられるメチルメタクリレート共重合体における、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位の割合は、質量比で共重合体の10.0〜90.0質量%であり、より好ましくは30.0〜85.0質量%である。
上記範囲であれば、上記のメチルメタクリレート共重合体は、重合性化合物への溶解性及び/又は相溶性が向上することにより、本発明のインク組成物が析出等で吐出安定性が劣化するのを防止することができる。また、本発明のインク組成物は、前記共重合体のメチルメタクリレート部分の硬い構造部分により、耐ブロッキング性及び耐表面傷跡性に優れる画像硬化膜を得ることができる。
本発明のインク組成物において用いられる不活性なメチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体のうち、単独重合体は種々の分子量の単独重合体を選択して用いるのが容易である便宜性の点で好ましく、また、共重合体はその他の(メタ)アクリレートモノマーの種類を選択することにより溶解性又は相溶性のような共重合体の物性を変化させることが可能となる点で好ましい。
本発明で使用される不活性なメチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体は、当該分野の公知の方法で入手できる。該当する(メタ)アクリレートモノマーから重合反応により合成をしてもよいし、市販製品から入手してもよい。
本発明で使用される不活性なメチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体の市販製品としては、例えば、Aldrich社製のポリメチルメタクリレート(分子量10,000、カタログ番号81497;分子量20,000、カタログ番号81498;分子量50,000、カタログ番号81501)、メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート共重合体(質量比85/15、分子量75,000;カタログ番号474029)等;Lucite Intenational社製のELVACITE2013(メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート共重合体、質量比36/64、分子量37,000)、2021、2614、4025、4026、4028等;Rohm and Haas社製のParaloid DM55、B66等;Dinal America社製のBR113、115等が挙げられる。
(成分G)着色剤
本発明のインク組成物は、形成された画像部の視認性を向上させるため、好ましくは着色剤を含有する。着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用できる。着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点から、重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、白色顔料としては、Pigment White 6,18,21などが目的に応じて使用できる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
着色剤は、インク組成物に添加された後、適度に当該インク組成物内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分と共に直接添加してもよい。また、分散性向上のため、あらかじめ溶剤又は本発明に使用する重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散あるいは溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化、及び、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、インク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、更に好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましい。
(成分H)分散剤
本発明のインク組成物は、分散剤を含有することが好ましい。特に顔料を使用する場合において、顔料をインク組成物中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤としては、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−111、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−182(BYKケミー社製);EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブ社製);ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製);ソルスパース(SOLSPERSE)3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000、32000、36000、39000、41000、71000などの各種ソルスパース分散剤(Noveon社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123((株)ADEKA製)、イオネットS−20(三洋化成工業(株)製);ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)(楠本化成(株)製)が挙げられる。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.05〜15質量%であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明のインク組成物には、必要に応じて、前記各成分以外に、界面活性剤、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等を含む。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
また、本発明のインク組成物は、保存性、及び、ヘッド詰まりの抑制という観点から、重合禁止剤を含有することが好ましい。
重合禁止剤の含有量は、本発明のインク組成物の全質量に対し、200〜20,000ppmであることが好ましい。
重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤や、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
<インク物性>
本発明においては、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な記録媒体(支持体)を用いた場合でも、記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。更にインク組成物の液滴着弾時のインク滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインク組成物の25℃における表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましく、20.5mN/m以上35.0mN/m以下であることがより好ましく、21mN/m以上30.0mN/m以下であることが更に好ましく、21.5mN/m以上28.0mN/m以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、耐ブロッキング性に優れる印刷物が得られる。
なお、インク組成物の 25℃における表面張力の測定方法としては、公知の方法を用いることができるが、吊輪法、又は、ウィルヘルミー法で測定することが好ましい。例えば、協和界面科学(株)製自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定する方法、又は、KSV INSTRUMENTS LTD社製 SIGMA702を用いて測定する方法が好ましく挙げられる。
(インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及び印刷物)
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェットインク組成物をインクジェット記録用として記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、記録媒体上に吐出されたインクジェットインク組成物に活性エネルギー線を照射し、インクジェットインク組成物を硬化して画像を形成する方法である。
より具体的には、本発明のインクジェット記録方法は、(a1)記録媒体上に、本発明のインクジェットインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインクジェットインク組成物に活性線を照射して前記インクジェットインク組成物を硬化する工程、を含むことが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(a1)及び(b1)工程を含むことにより、記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
また、本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体上の同一部分において、上記(a1)及び(b1)工程を2回以上行うこと、すなわち、同一部分を重ね打ちにより印刷するマルチパスモードで行うことが好ましい。本発明のインク組成物を用いることにより、マルチパスモードで印刷を行った場合、光沢性により優れた画像が得られる。
また、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物である。
また、本発明のインク組成物は、パッケージ印刷用に好適であり、特に、食品包装用のパッケージ印刷に好適である。その場合には、以下の工程をこの順で含むインクジェット記録方法であることが好ましい。
(工程a)インクジェットインク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、膜厚150μm以下のパッケージ用支持体上に印刷する工程、及び、
(工程b)前記吐出されたインクジェットインク組成物に活性線を照射する工程
本発明のインクジェット記録方法における(a1)工程及び(a)には、以下に詳述するインクジェット記録装置を用いることができる。
<インクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録方法に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a1)工程及び(a)工程における記録媒体へのインク組成物の吐出を実施することができる。
本発明で用いることができるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性エネルギー線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、本発明のインク組成物は、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが好ましいことから、インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましい。一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。すなわち、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インク組成物で使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インク組成物の温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
次に、(b1)工程及び(b)工程について説明する。
記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性エネルギー線(活性線)を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性エネルギー線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性エネルギー線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性エネルギー線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性エネルギー線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、320〜420nmであることが更に好ましく、活性エネルギー線が、ピーク波長が340〜400nmの範囲の紫外線であることが特に好ましい。
また、本発明のインク組成物の、重合開始系は、低出力の活性エネルギー線であっても十分な感度を有するものである。したがって、露光面照度が、好ましくは10〜4,000mW/cm2、より好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
活性エネルギー線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、LED(UV−LED)、LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性エネルギー線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性エネルギー線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性エネルギー線源はUV−LEDであり、特に好ましくは340〜400nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの記録媒体上での最高照度は、10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、このような活性エネルギー線に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性エネルギー線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性エネルギー線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な記録媒体に対しても、着弾したインク組成物のドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性エネルギー線の照射により高感度で硬化することで、記録媒体表面に画像を形成することができる。
本発明のインク組成物は、複数のインクジェット記録用インクからなるインクセットとして使用することが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法において、吐出する各着色インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の高い着色インク組成物から記録媒体に付与することが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを使用する場合には、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で記録媒体上に付与することが好ましい。また、これにホワイトを加えて使用する場合にはホワイト→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で記録媒体上に付与することが好ましい。更に、本発明はこれに限定されず、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトのインク組成物との計7色が少なくとも含まれる本発明のインクセットを好ましく使用することもでき、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で記録媒体上に付与することが好ましい。
本発明で好ましく使用されるインクジェット記録装置として、図1に示すインクジェット記録装置が挙げられる。
図1は、本発明に好適に用いられるインクジェット記録装置の一例を示す模式図である。支持体の搬送手段である、支持体巻き取りロール5、5’に張架された支持体6は、矢印方向に搬送され、各色のインク組成物を吐出する打滴ヘッドが配備されたインクジェットユニット7にて、各色のインク組成物(K:ブラック、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、W:ホワイト)が吐出される。
図1に示すように、LED光源ユニット1は、不活性ガスブランケット2に囲まれており、不活性ガス配管3を介して不活性ガス発生装置4に接続している。ブランケット2内の雰囲気を貧酸素雰囲気とする手段である不活性ガス発生装置4は、配管3を介してブランケット2の内部に不活性ガスを供給するもので、初期状態では、ブランケット2内雰囲気は空気であるが不活性ガス発生装置4を稼働させると、ブランケット2内の空気は不活性ガスに置換される。不活性ガスは、既述の通り、N2などを利用することができる。
本発明において、記録媒体としては、特に限定されず、支持体や記録材料として公知の記録媒体を使用することができる。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。また、本発明における記録媒体として、非吸収性記録媒体が好適に使用することができる。
特に、本発明のインク組成物をパッケージ印刷に使用する場合には、記録媒体としては比較的膜厚の薄い記録媒体を使用することが好ましく、膜厚は150μm以下であることが好ましく、120μm以下であることがより好ましく、90μm以下であることが更に好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。本発明のインク組成物は、膜厚が比較的薄い記録媒体を使用しても、シュリンクの問題が抑制される。
パッケージ印刷に使用する場合、記録媒体としては、ポリプロピレン、PET、ナイロン、ポリエチレン、ポリビニルアルコールが例示され、ポリプロピレン、PET、ナイロンが好ましい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示すものとする。
本発明で使用した素材は下記に示す通りである。
<着色剤>
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASF・ジャパン(株)製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−355−D(マゼンタ顔料、BASF・ジャパン(株)製)
・NOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、BASF・ジャパン(株)製)
・タイペークCR60−2(ホワイト顔料、石原産業(株)製)
<分散剤>
・SOLSPERSE32000(Noveon社製分散剤)
・SOLSPERSE36000(Noveon社製分散剤)
<モノマー>
・V−CAP(N−ビニルカプロラクタム、ISP社製)
・SR341(3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、Sartomer社製)
・NKエステルA−NOD−N(1,9−ノナンジオールジアクリレート、新中村化学工業(株)製)
・CD595(1,10−デカンジオールジアクリレート、Sartomer社製)
・CD262(1,12−ドデカンジオールジアクリレート、Sartomer社製)
・SR9003(PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、Sartomer社製)
・SR339(フェノキシエチルアクリレート、Sartomer社製)
・CD217(4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、Sartomer社製)
・FA512A(ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、日立化成工業(株)製)
・SR350(トリメチロールプロパントリアクリレート、Sartomer社製)
・SR395(イソデシルアクリレート、Sartomer社製)
<重合開始剤>
・ESACURE KIP150(化合物HK−1、Lamberti社製)
・IRGACURE127(化合物HK−2、BASF社製)
・SPEEDCURE7010(化合物I−B、Lambson社製)
・OMNIPOL BP(化合物I−F、Rahn AG社製)
・SPEEDCURE7040(化合物I−N、高分子アミン化合物、Lambson社製)
・SPEEDCURE ITX(イソプロピルチオキサントン、LAMBSON社製)
・IRGACURE184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社製)
・IRGACURE907(2−メチル−1−〔4−(メチルチオフェニル)〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、BASF社製)
<不活性なメチルメタクリレート共重合体(PMMA共重合体)>
・ELVACITE2013:メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート共重合体(質量比36/64、Mw:37,000、Lucite International社製)
<重合禁止剤>
・FIRSTCURE ST−1(重合禁止剤、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミン)アルミニウム塩(10質量%)とフェノキシエチルアクリレート(90質量%)との混合物、Chem First社製)
<界面活性剤>
・BYK377(シリコーン系界面活性剤、BYK Chemie社製)
<各ミルベースの調製>
IRGALITE BLUE GLVOを300質量部と、SR9003を620質量部と、SOLSPERSE32000を80質量部とを撹拌混合し、シアンミルベースAを得た。なお、シアンミルベースAの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
シアンミルベースAと同様にして、表1に示す組成、分散条件でマゼンタミルベースB、イエローミルベースC、ブラックミルベースD及びホワイトミルベースEを調製した。
Figure 2013227448
(実施例1〜29、及び、比較例1〜7)
<インク組成物の作製方法>
表2〜表5に記載の素材を混合、撹拌することで、各インク組成物をそれぞれ得た。
<インクジェット記録方法>
図1に示す、インクジェット装置において、インクジェットヘッドとして、東芝テック(株)製CA3ヘッドを各色4つずつ並列に配置し、ヘッドを45℃に加温して、42pLの打滴サイズで、描画できるよう、周波数をコントロールした。光源として、ピーク波長385nmのLED光源ユニット(LEDZero Solidcure、Integration Technology社製)を配置し、不活性 ガスとして、N2ガスを採用、支持体として、パイレンフィルム-OTP3162(A4サイズ、ポリプロピレンシート、40μm)を30m/minの速度で操作させ、100%ベタ画像の描画を行い、以下に示す諸性能のテストを行った。また、LED照射は、ブランケット内のN2濃度が99.5%以上の雰囲気で行った。
<マイグレーション評価方法>
印刷物表面に水:エタノール=70:30混合液10mLを滴下し、混合溶媒が揮発しないように、印刷物全体をガラス密閉容器に入れて、40℃で10日間放置した。その後、水、エタノール混合溶液中に含有する、フイルムからの全溶出量(オーバーオールマイグレーション量:OML)を算出し、1〜5段階で評価を行った。なお、全容出量の測定は、水−エタノール混合溶媒を抽出後に揮発させ、残存成分の質量を測定することにより行った。
5:溶出量が1ppm/dm2以下
4:溶出量が1ppm/dm2を超え20ppm/dm2以下
3:溶出量が20ppm/dm2を超え100ppm/dm2以下
2:溶出量が100ppm/dm2を超え1,000ppm/dm2以下
1:溶出量が1,000ppm/dm2を超える
<臭気評価方法>
上記インクジェット画像記録方法によって得られた画像を、30cm×30cmのジップ付きビニール袋に内包し、24時間放置した。
その後、ジップを解放し、臭気の評価を行った。評価は10人の平均を採用した。
5:ほぼ無臭である
4:わずかな臭気があるが、ほとんど気にならない
3:ある程度の臭気があるが、不快なレベルでない
2:強い臭気がある
1:非常に強い臭気がある
<耐ブロッキング性評価>
上記インクジェット記録方法にて、計5枚の印刷物を作成し、得られた画像を重ね合わせ、上部に5kgの重りを載せて、30℃のオーブンで24時間放置したのち、画像同士の張り付き具合を評価した。
5:印刷物同士の張り付きが全くなし
4:印刷物同士に張り付きがあるが、手で簡単に引きはがれ、上部支持体背面への画像の転写はなし
3:印刷物同士に張り付きがあり、手で簡単に引きはがすと、上部支持体背面への僅かな画像の転写あり
2:印刷物同士に張り付きがあり、手で簡単に引きはがすと、上部支持体背面へのかなりの画像の転写あり
1:印刷物同士に張り付きがあり、手で引きはがすのが困難である
<硬化性評価>
綿棒をイソプロピルアルコール(IPA)に浸し、印刷物表面を手で擦り、支持体が露出するまでの回数を求めた。
5:50回を超える
4:30回を超え50回以下
3:10回を超え30回以下
2:5回を超え10回以下
1:5回以下
<シュリンク試験>
印刷後、印刷物を室温(25℃)下で30分放置し、カールの度合いを評価した。
5:全くカールなく平坦である。
4:わずかにカールが見られる。
3:カールが見られるが、手で引っ張ると平坦な印刷物になる。
2:カールが見られ、手で引っ張っても、印刷物が凹凸である。
1:激しく支持タがカールし、手で引っ張っても、印刷物が凹凸である。
<文字滲み>
上記印刷方法にて、100%ベタ画像の代わりに、4pt、8ptの「鷹」の文字を印刷し、滲みの評価を行った。
5:4pt、8ptの「鷹」の文字がともに鮮明に認識できる。
4:4ptの「鷹」の文字にやや滲みがあるもののおおよそ鮮明に認識できる。8ptの「鷹」の文字は鮮明に認識できる。
3:4ptの「鷹」の文字に滲みがあるもののおおよそ認識できる。8ptの「鷹」の文字はやや滲みがあるものの認識できる。
2:4ptの「鷹」の文字に滲みがあり認識が困難。8ptの「鷹」の文字は滲みがあるが、認識は可能である。
1:4pt、8ptの「鷹」の文字ともに、滲みがひどく、共に認識できない。
実施例1〜29及び比較例1〜7のインク組成物の評価結果を、表2〜表5に示す。
Figure 2013227448
Figure 2013227448
Figure 2013227448
Figure 2013227448
なお、表2〜表5における各成分の含有量を示す数値の単位は、質量部である。
1:LED光源ユニット、2:不活性ガスブランケット、3:不活性ガス配管、4:不活性ガス発生装置、5,5’:支持体巻き取りロール、6:支持体、7:インクジェットヘッドユニット

Claims (15)

  1. (成分A)2つの(メタ)アクリロキシ基が9〜12原子離れている二官能(メタ)アクリレート化合物、
    (成分B)分子内に2つ以上のα−ヒドロキシケトン構造を有する化合物、及び、
    (成分C)下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物、を含有し、
    成分Aの含有量が、インク組成物の全質量に対し、30〜95質量%であり、
    分子量340未満の重合開始剤の含有量が、インク組成物全質量に対し、1.0質量%以下であることを特徴とする
    インクジェットインク組成物。
    Figure 2013227448
    (式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、x及びyはそれぞれ独立に、2〜4の整数を表し、j及びmはそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、k及びnはそれぞれ独立に、0〜3の整数を表し、j、k、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X1は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むx価の連結基を表し、X2は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むy価の連結基を表す。)
  2. 成分Aの含有量が、インク組成物の全質量に対し、60〜95質量%である、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
  3. 成分Aの含有量が、インク組成物の全質量に対し、80〜95質量%である、請求項1又は2に記載のインクジェットインク組成物。
  4. 成分Bの含有量と成分Cの含有量との質量比が、成分B:成分C=1:1.5〜8:1.5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  5. 成分Cが、式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  6. 成分Cの含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.1〜2.4質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  7. 成分Cとして、前記式(1)で表される化合物におけるxが4である化合物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  8. 成分Bの含有量が、インク組成物の全質量に対し、1.0〜8.0質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  9. 成分Aが、プロピレンオキサイド2モル変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート及び1,12−ドデカンジオールジアクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  10. 単官能(メタ)アクリレート化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、1.0質量%以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  11. N−ビニルカプロラクタムを更に含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  12. 不活性なメチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体を更に含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  13. パッケージ印刷用である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  14. (工程a)請求項1〜13のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、膜厚150μm以下のパッケージ用支持体上に印刷する工程、及び、
    (工程b)前記吐出されたインクジェットインク組成物に活性線を照射する工程をこの順で含む
    インクジェット記録方法。
  15. 請求項14に記載のインクジェット記録方法を用いて作成された印刷物。
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