JP2014159083A - 色調補正フィルム及びこれを用いた透明導電性フィルム - Google Patents

色調補正フィルム及びこれを用いた透明導電性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】透過光の着色を抑え、且つ全光線透過率が高い透明導電性フィルム、及びその下地用の色調補正フィルムを提供する。
【解決手段】色調補正フィルムは、透明基材フィルムの一面に、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層が、他面に、第二ハードコート層が順に積層され、第一ハードコート層は屈折率が1.48〜1.54、膜厚が1.0〜3.5μmであり、第一色調補正層は屈折率が1.59〜1.82、膜厚が25〜90nmであり、第二色調補正層は屈折率が1.35〜1.45、膜厚が10〜55nmであり、第二ハードコート層は屈折率が1.48〜1.54、膜厚が1.0〜3.5μmであり、第二色調補正層は、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂を含む。透明導電性フィルムは、この色調補正フィルムの第二色調補正層上に所定の屈折率と膜厚を有する錫ドープ酸化インジウム層を積層する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タッチパネル用として好適な色調補正フィルム、及び当該色調補正フィルム上に錫ドープ酸化インジウム層からなる透明導電層を備えた透明導電性フィルムに関する。
現在、画像表示部に直接触れることにより、情報を入力できるデバイスとしてタッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは光を透過する入力装置を液晶表示装置等のディスプレイ画面上に配置したものであり、代表的な形式として、透明電極と指との間に生じる電流容量の変化を利用した静電容量式タッチパネルがある。
タッチパネル用の透明導電性フィルムとしては、透明基材フィルム上に、酸化錫を含有するインジウム酸化物(錫ドープ酸化インジウム、ITO)や酸化亜鉛等の金属酸化物による透明導電層を積層したものが一般的に用いられている。このような透明導電性フィルムは、金属酸化物層の反射及び吸収に由来する可視光短波長領域の透過率の低下により、黄色の呈色が見られることが多い。そのため、タッチパネルの下に配置される表示装置の発色を正確に表現することが難しいという問題があった。
この問題を解決するために、透明導電層を多層光学膜と組み合わせた透明導電体が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の透明導電体は、透明基材に、膜厚1.0〜10.0μmのハードコート層、光の波長400nmにおける屈折率が1.63〜1.86、膜厚が40〜90nmである高屈折率層、光の波長400nmにおける屈折率が1.33〜1.53、膜厚が10〜50nmである低屈折率層、及び光の波長400nmにおける屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmである錫ドープ酸化インジウム層がこの順に設けられており、錫ドープ酸化インジウム層の反対面に機能層としてハードコート層が設けられている。この透明導電体では、上記のように各層の膜厚と屈折率を適切に設計することで透過色b*−1.0≦b*≦1.0と着色を抑え、且つ全光線透過率88.0%以上と透過率が高くなっている。
特開2011−98563号公報
特許文献1では屈折率の低い低屈折率層を作製する際に、活性エネルギー線硬化型樹脂に中空シリカ微粒子を混合する方法を用いている。しかしながら、低屈折率層に中空シリカ微粒子を用いているため、上に積層される錫ドープ酸化インジウム層の加工が難しくなるという問題が発生する。
そこで、本発明の目的とするところは、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることで低屈折率層である第二色調補正層の屈折率を調整し、透過光の着色を抑え、且つ全光線透過率がより高い透明導電性フィルム、及びその下地フィルムとして用いられる色調補正フィルムを提供することにある。
第1の発明は、透明基材フィルムの一方の面に、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層がこの順に積層され、前記透明基材フィルムの他方の面に、第二ハードコート層が積層されている色調補正フィルムであって、前記第一ハードコート層は、屈折率が1.48〜1.54、膜厚が1.0〜3.5μmであり、前記第一色調補正層は、屈折率が1.59〜1.82、膜厚が25〜90nmであり、前記第二色調補正層は、屈折率が1.35〜1.45、膜厚が10〜55nmであり、前記第二ハードコート層は、屈折率が1.48〜1.54、膜厚が1.0〜3.5μmであって、前記第二色調補正層は、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂を含むことを特徴とする色調補正フィルムである。
第2の発明は、第1の発明の色調補正フィルムであって、前記第二色調補正層は、更にフッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂を含むことを特徴とする色調補正フィルムである。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明の色調補正フィルムであって、前記第二色調補正層は、更にシリカ微粒子を含むことを特徴とする色調補正フィルムである。
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかの色調補正フィルムの前記第二色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層が積層されており、前記錫ドープ酸化インジウム層は、屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜60nmであることを特徴とする透明導電性フィルムである。
なお、本発明における膜厚とは、物理膜厚のことであり、光学膜厚ではない。また、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、特に明記しない限り「○○以上××以下」を意味する。
本発明によれば、透明導電性フィルムの下地フィルムとなる色調補正フィルムにおいて、各層(ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、第二ハードコート層)の屈折率および膜厚を適切に設定し、さらにこれらの上に積層する錫ドープ酸化インジウム層の屈折率及び膜厚も適切に設定したことで、透過光の着色を押さえ、且つ全光線透過率がより高い透明導電性フィルムを提供することができる。また、第二色調補正層がフッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂を含むことによって、中空シリカ微粒子を用いる必要性がなくなり、その上に積層される層の加工を容易にすることもできる。
《色調補正フィルム》
本実施形態の色調補正フィルムは、透明基材フィルムの一方の面に、該透明基材フィルムの側から第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層がこの順に積層され、透明基材フィルムの他方の面に、第二ハードコート層が積層された構成である。以下に、この色調補正フィルムの構成要素について順に説明する。
<透明基材フィルム>
透明基材フィルムは、透明性を有している限り特に制限されないが、屈折率が1.55〜1.70の範囲内のものが好ましい。このような透明基材フィルムを形成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET、屈折率:1.67)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC、屈折率:1.59)、ポリアリレート(PAR、屈折率:1.60)及びポリエーテルスルフォン(PES、屈折率:1.65)、シクロオレフィンポリマー(COP、屈折率:1.52)等が挙げられる。これらのうち、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが成形の容易性で好ましい。
透明基材フィルムの厚みは、好ましくは25〜400μm、さらに好ましくは25〜188μmである。透明基材フィルムの厚みが25μmより薄い場合や400μmより厚い場合には、色調補正フィルムの製造時及び使用時における取り扱い性が低下して好ましくない。透明基材フィルムの全光線透過率は、88%以上であることが好ましい。88%未満である場合は、透明導電性フィルムの全光線透過率が低くなり好ましくない。なお、透明基材フィルムには、全光線透過率が88%未満とならない範囲で、各種の添加剤が含有されていてもよい。そのような添加剤として例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤等が挙げられる。
<第一ハードコート層及び第二ハードコート層>
透明基材フィルムの両面の直上には、色調補正フィルム延いては透明導電性フィルムの表面硬度向上及びカール低減のために、第一ハードコート層及び第二ハードコート層がそれぞれ設けられている。なお、カールの低減とは、各層用の塗液を塗布して硬化させた際の、各層の硬化収縮によるフィルム全体の反り量を低減することを言う。これら2つのハードコート層の材料、膜厚及び屈折率は、後述の範囲である限り相互に同一であっても良いし、異なっていても良い。
第一ハードコート層及び第二ハードコート層の材料としては、従来よりこの種の色調補正フィルムや透明導電性フィルム等のハードコート層に用いられる公知のものであれば、特に制限されない。例えば、テトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物や、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることができ、これらを混合してもよい。そして、これらに光重合開始剤を加えて調製したハードコート層用塗液に紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射して硬化させてハードコート層を形成することができる。
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。単官能(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール基含有(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。多官能(メタ)アクリレートとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン変性アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が好ましい。これらの単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートの屈折率は、1.4〜1.7である。また、これらの単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートの1種又は2種以上を使用することで、ハードコート層の鉛筆硬度(評価法:JIS−K5600−5−4)をH以上とすることができる。第一ハードコート層及び第二ハードコート層の鉛筆硬度がH以上であれば、生産性と硬度を両立させることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを指す。また、同様に、後述の「(メタ)アクリル単量体」は、アクリル単量体及びメタクリル単量体を指し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基を指す。
光重合開始剤は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線により第一ハードコート層用塗液及び第二ハードコート層用塗液を硬化させて塗膜を形成する際の重合開始剤として用いられる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独使用してもよいし、2種以上を混合することもできる。
光重合開始剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂の固形分100質量部に対して、第一ハードコート層及び第二ハードコート層中に固形分で0.1〜10質量部含まれることが好ましい。光重合開始剤の固形分含有量が0.1質量部未満では、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の固形分含有量が10質量部を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。
第一ハードコート層用塗液及び第二ハードコート層用塗液は、取り扱い性を向上させるために溶媒を含んでも良い。溶媒は、この種の色調補正フィルムや透明導電性フィルム等において各層形成用の塗液に従来から使用されている公知のものであれば特に制限は無く、例えばアルコール系、ケトン系、エステル系の溶媒が適時選択できる。
また、第一ハードコート層及び第二ハードコート層には屈折率を調整する金属微粒子またはシリカ微粒子を含有していてもよい。金属微粒子は屈折率を積極的に高めるために配合されるものである。このような金属酸化物微粒子としては、酸化チタン及び酸化ジルコニウムが好ましい。酸化チタン及び酸化ジルコニウムの屈折率は製法によって異なるが、1.90〜3.00であることが好ましい。一方、シリカ微粒子は、屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。シリカ微粒子としては、コロイダルシリカが好ましい。コロイダルシリカの屈折率は製法によって異なるが、1.30〜1.50であることが好ましい。金属微粒子及びシリカ微粒子の平均粒子径は、150nm以下が好ましい。これらの平均粒子径が150nmより大きいと、光の散乱が大きくなり第一ハードコート層及び第二ハードコート層の透明性が下がってしまう。なお、金属微粒子を添加するかシリカ微粒子を添加するかは、活性エネルギー線硬化型樹脂の種類(これに基づく屈折率)と求める第一ハードコート層及び第二ハードコート層の屈折率との関係によって適宜選択すればよい。
更に、第一ハードコート層及び第二ハードコート層は透光性粒子を含有していてもよい。透光性粒子は、第一ハードコート層及び第二ハードコート層に表面凹凸を形成し、製造工程上の巻き取り性を向上させるものである。透光性粒子としては、例えばシリカ粒子のほか、塩化ビニル、(メタ)アクリル単量体、スチレン、及びエチレンから選択される少なくとも1種の単量体を重合して得られる重合体などから形成される。透光性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.3〜5.0μm程度、より好ましくは0.5〜2.5μm程度であればよい。ハードコート層は、その他添加剤を含有していても良い。その他の添加剤としては、表面調整剤やスリップ剤等が挙げられる。
第一ハードコート層及び第二ハードコート層の屈折率は、1.48〜1.54になるように形成される。屈折率が1.48未満の場合、透明基材フィルムと第一ハードコート層及び第二ハードコート層との屈折率差が大きくなり、干渉ジマが発生するため好ましくない。屈折率が1.54よりも大きい場合、屈折率を大きくするためにハードコート層へ高屈折率材料(金属微粒子)を多く添加する必要があるが、高屈折率材料に起因した光の吸収及び光の散乱が発生して第一ハードコート層及び第二ハードコート層が着色し、且つ、全光線透過率が低下するため好ましくない。また、第一ハードコート層及び第二ハードコート層の乾燥硬化後の膜厚は、1.0〜3.5μmとする。膜厚が1.0μmより薄い場合は、鉛筆硬度がH未満になるため好ましくない。膜厚が3.5μmより厚い場合は、硬化収縮によるカールが強くなるとともに、不必要に厚くなり、生産性や作業性が低下するため好ましくない。
<第一色調補正層>
第一色調補正層は、第二色調補正層との屈折率の相対関係によって、互いに協働して色調補正フィルムないし透明導電性フィルムの色調を調整(透過色の着色を抑制)する層である。第一色調補正層は、金属酸化物微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合した第一色調補正層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。
金属酸化物微粒子は、ハードコート層にて使用する金属酸化物微粒子と同種のものを使用することができる。金属酸化物微粒子は、活性エネルギー線硬化型樹脂と金属酸化物微粒子との固形分の合計100質量部に対して、第一色調補正層中に固形分で30〜90質量部含まれることが好ましく、より好ましくは35〜75質量部である。金属酸化物微粒子の固形分含有量が30質量部未満では、第一色調補正層の屈折率が後述の範囲外となるため好ましくない。一方、金属酸化物微粒子の固形分含有量が90質量部を超えると、塗膜に対する金属酸化物微粒子の相対量が多くなり、塗膜がもろくなるため好ましくない。
また、活性エネルギー線硬化型樹脂も、ハードコート層で使用する活性エネルギー線硬化型樹脂と同種のものを使用することができる。活性エネルギー線硬化型樹脂は、活性エネルギー線硬化型樹脂と金属酸化物微粒子との固形分の合計100質量部に対して、第一色調補正層中に固形分で10〜70質量部含まれることが好ましく、より好ましくは25〜65質量部である。活性エネルギー線硬化型樹脂の固形分含有量が10質量部未満では、塗膜に対する活性エネルギー線硬化型樹脂の相対量が少なく塗膜がもろくなるため好ましくない。一方、活性エネルギー線硬化型樹脂の固形分含有量70質量部を超えると、第一色調補正層の屈折率が後述の範囲外となるため好ましくない。
さらに、第一色調補正層用塗液は光重合開始剤も含む。当該光重合開始剤もハードコート層で使用する光重合開始剤と同種のものが使用できる。光重合開始剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂と金属酸化物微粒子との固形分の合計100質量部に対して、第一色調補正層中に0.1〜10質量部含まれる。光重合開始剤の固形分含有量が0.1質量部未満では、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の固形分含有量が10質量部を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。
第一色調補正層用塗液も、取り扱い性を向上するために溶媒を含んでも良い。第一色調補正層用塗液の溶媒も、ハードコート層で使用する溶媒と同種のものを使用することができる。
第一色調補正層は、金属酸化物微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂をそれぞれ上記範囲で含むことによって、屈折率が1.59〜1.82になるように形成される。さらに、第一色調補正層の乾燥硬化後の膜厚は25〜90nmであることが必要である。第一色調補正層の屈折率、膜厚が上記の範囲外では、JIS Z 8729に規定されているL*a*b*表色系における透過色のb*の値が大きくなり、透明導電性フィルムの透過色の黄色味の着色が明瞭に認識されるようになる。
<第二色調補正層>
第二色調補正層は、第一色調補正層との屈折率の相対関係によって、互いに協働して色調補正フィルムないし透明導電性フィルムの色調を調整(透過色の着色を抑制)する層である。第二色調補正層は、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂を含む第二色調補正層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。また、第二色調補正層用塗液は、フッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂及びシリカ微粒子の少なくとも一つを更に含んでも良い。
前記フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂としては、特に限定されず、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートの部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類などが挙げられる。フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂は、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂、フッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂、及びシリカ微粒子の固形分の合計100質量部に対して、第二色調補正層中に固形分で35〜100質量部含まれることが好ましく、より好ましくは50質量部以上である。フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂の固形分含有量が35質量部未満では第二色調補正層の屈折率が後述後の範囲外となるため好ましくない。
前記フッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂は、ハードコート層で使用する活性エネルギー線硬化型樹脂のうちフッ素を含有しない樹脂であれば同種のものを使用することができる。また、前記シリカ微粒子は、ハードコート層にて使用するシリカ微粒子と同種のものを使用することができる。
第二色調補正層中にシリカ微粒子が含まれない場合は、フッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量は、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂とフッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂の固形分の合計100質量部に対して、第二色調補正層中に固形分で60質量部以下であることが好ましく、より好ましくは50質量部以下である。活性エネルギー線硬化型樹脂の固形分含有量が60質量部を超えると、第二色調補正層の屈折率が後述後の範囲外となるため好ましくない。
第二色調補正層中にフッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂が含まれない場合は、シリカ微粒子の含有量は、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂とシリカ微粒子の固形分の合計100質量部に対して、第二色調補正層中に固形分で65質量部以下であることが好ましく、より好ましくは55質量部以下である。シリカ微粒子の固形分含有量が65質量部を超えると、第二色調補正層の屈折率を後述の範囲とすることが出来ない。
また、第二色調補正層中にフッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂及びシリカ微粒子を併用する際は、フッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂及びシリカ微粒子を合わせた含有量は、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂、フッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂、及びシリカ微粒子の固形分の合計100質量部に対して、第二色調補正層中に固形分で65質量部以下であることが好ましく、より好ましくは50質量部以下である。フッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂及びシリカ微粒子を合わせた含有量が固形分65質量部を超えると、第二色調補正層の屈折率が後述後の範囲外となるため好ましくない。
さらに、第二色調補正層用塗液は光重合開始剤も含む。当該光重合開始剤もハードコート層で使用する光重合開始剤と同種のものを使用すればよい。光重合開始剤は、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂とフッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂とシリカ微粒子との固形分の合計100質量部に対して、第二色調補正層中に固形分で0.1〜10質量部含まれることが好ましい。光重合開始剤の固形分含有量が0.1質量部未満では、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂及びフッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の固形分含有量が10質量部を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。第二色調補正層用塗液の溶媒も、取り扱い性を向上するために溶媒を含んでも良い。当該溶媒はハードコート層で使用する溶媒と同種のものを使用することができる。
第二色調補正層は、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂、フッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂、シリカ微粒子をそれぞれ上記範囲で含むことによって、屈折率が1.35〜1.45になるように形成される。さらに、第二色調補正層の乾燥硬化後の膜厚は10〜55nmであることが必要である。第二色調補正層の屈折率、膜厚が上記の範囲外では、JIS Z 8729に規定されているL*a*b*表色系における透過色のb*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味の着色が明瞭に認識されるようになる。
<第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、第二ハードコート層の形成>
第一ハードコート層は、透明基材フィルムに第一ハードコート層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。一方、第一色調補正層は、形成された第一ハードコート層上に第一色調補正層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。また、第二色調補正層は、形成された第一色調補正層上に第二色調補正層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。更に、第二ハードコート層は、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層とは反対側の面に第二ハードコート層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成することができる。第一ハードコート層用塗液、第一色調補正層用塗液、第二色調補正層用塗液、第二ハードコート層用塗液の塗布方法は特に制限されず、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用できる。また、活性エネルギー線の種類は特に制限されないが、利便性等の観点から紫外線を用いることが好ましい。尚、各ハードコート層の透明基材フィルムに対する密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことも可能である。
《透明導電性フィルム》
透明導電性フィルムは、色調補正フィルムの第二色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層を積層した構成である。すなわち、透明導電性フィルムは、上(表側)から錫ドープ酸化インジウム層、第二色調補正層、第一色調補正層、ハードコート層、透明基材フィルム、第二ハードコート層が順に積層した構成である。
<錫ドープ酸化インジウム層>
第二色調補正層の上に積層される錫ドープ酸化インジウム層(以下、ITO層と略することがある)は透明導電層であり、屈折率が1.85〜2.35である。屈折率がこの範囲を外れると、第一色調補正層及び第二色調補正層との光学干渉が適切に作用しなくなるため、透明導電性フィルムの透過色が着色を呈し、全光線透過率も低下する。また、ITO層の膜厚は5〜60nm、好ましくは15〜60nmである。膜厚が5nmより薄い場合は、均一に成膜することが難しく、安定した抵抗が得られないため好ましくない。また、膜厚が60nmより厚い場合は、ITO層自身による光の吸収が強くなり、透過色の着色低減効果が薄れると共に、全光線透過率が低くなる傾向があるため好ましくない。
<錫ドープ酸化インジウム層の形成>
錫ドープ酸化インジウム層の製膜方法は特に限定されず、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法を採用できる。これらの中では、層の厚み制御の観点より蒸着法及びスパッタリング法が特に好ましい。尚、錫ドープ酸化インジウム層を形成した後、必要に応じて、100〜200℃の範囲内でアニール処理を施して結晶化することができる。具体的には、高い温度で結晶化すると錫ドープ酸化インジウム層の屈折率は小さくなる傾向を示す。従って、錫ドープ酸化インジウム層の屈折率は、アニール処理の温度と時間を制御することで調整可能である。
このような錫ドープ酸化インジウム層が積層された透明導電性フィルムの透過光の着色は、JIS Z 8729に規定されるL*a*b*表色系のb*で評価でき、−1.0≦b*≦1.0である。b*>1.0の場合、透明導電性フィルムが黄色に着色して見えてしまう問題がある。一方、b*<−1.0の場合、透明導電性フィルムが青色に着色して見えてしまう問題がある。
同時に、透明導電性フィルムの全光線透過率は、88.0%以上である。全光線透過率が88.0%未満の場合、タッチパネルなどの部材に使用した時に輝度が悪化するため好ましくない。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。
まず、ハードコート層用塗液、第一色調補正層用塗液、第二色調補正層用塗液を調製し、各液を用いて形成される層の屈折率を次の方法にて測定した。
<屈折率(ITO層以外の層)>
(1)屈折率が1.67のPETフィルム(商品名「A4100」、東洋紡績株式会社製)上に、ディップコーター(杉山元理化学機器株式会社製)により、各層用塗液をそれぞれ乾燥硬化後の膜厚で100〜1000nm程度になるように層の厚さを調整して塗布した。
(2)乾燥後、紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製)により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射して硬化した。硬化後のPETフィルム裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを反射分光膜厚計(「FE-3000」、大塚電子株式会社製)により、反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルより読み取った反射率から、下記に示すn-Cauchyの波長分散式(式1)の定数を求め、光の波長589nmにおける屈折率を求めた。
N(λ)=a/λ+b/λ+c (式1)
(N:屈折率、λ:波長、a、b、c:波長分散定数)
〔ハードコート層用塗液の調製〕
〔ハードコート層用塗液(HC−1)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100質量部、光重合開始剤[商品名:IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]5質量部及びイソブチルアルコール150質量部を混合してハードコート層用塗液(HC−1)を調製した。ハードコート層用塗液(HC−1)を用いて形成されるハードコート層の屈折率は1.51であった。
〔ハードコート層用塗液(HC−2)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100質量部、光重合開始剤[商品名:IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]5質量部、アクリル系有機微粒子[商品名:MX−80H3wT、綜研化学(株)製]10質量部及びイソブチルアルコール150質量部を混合してハードコート層用塗液(HC−2)を調製した。ハードコート層用塗液(HC−2)を用いて形成されるハードコート層の屈折率は1.50であった。
〔第一色調補正層用塗液の調製〕
第一色調補正層用塗液は以下の原料を下記表1に記載した固形分組成にて配合し、溶媒を、金属酸化物微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤との固形分総量100質量部に対し1000質量部加えることで第一色調補正層用塗液A−1〜A−3、A’−1、A’−2を調製した。各原料としては、金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウム微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 ZRMEK25%−F47)または酸化チタン微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 RTTMIBK15WT%−N24)を使用した。活性エネルギー線硬化型樹脂として、6官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業(株)製紫光UV−7600B)を使用した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE184(I−184)を使用した。また溶媒としてメチルイソブチルケトンを使用した。
得られた第一色調補正層用塗液A−1〜A−3、A’−1、A’−2を用いて形成される色調補正層の屈折率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2014159083
〔第二色調補正層用塗液の調製〕
第二色調補正層用塗液は以下の原料を下記表2に記載した固形分組成にて配合し、溶媒を、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂、フッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂及びシリカ微粒子と、光重合開始剤との固形分総量100質量部に対し4000質量部加えることで第一色調補正層用塗液B−1〜B−6、B’−1〜B’−3を調製した。各原料としては、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂として、ダイキン工業(株)製オプツールAR110又はJSR(株)製オプスターTU2205を使用した。また、フッ素非含有活性エネルギー線として日本化薬(株)製DPHAを使用した。また、シリカ微粒子として、扶桑化学工業(株)製PL−1を使用した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE907(I−907)を使用した。そして溶媒として、イソプロピルアルコールを使用した。
得られた第二色調補正層用塗液B−1〜B−6、B’−1〜B’−3を用いて形成される色調補正層の屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2014159083
(実施例1−1)
屈折率が1.67、厚さ125μmのPETフィルムの一方面に、ハードコート層用塗液(HC−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第一ハードコート層を形成した。続いて、PETフィルムの他面にハードコート層用塗液(HC−2)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第二ハードコート層を形成した。
上記第一ハードコート層上に、第一色調補正層用塗液(A−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第一色調補正層を形成した。上記第一色調補正層上に、第二色調補正層用塗液(B−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第二色調補正層を形成した(各層の膜厚は下記表3を参照)。
(実施例1−2〜実施例1−14)
第一ハードコート層、第二ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層を下記表3に記載した塗液及び膜厚とした以外は、実施例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S1−2〜S1−14)を作製した。
Figure 2014159083
(実施例2−1〜実施例2−2)
第一ハードコート層、第二ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層を下記表4に記載した塗液及び膜厚とした以外は、実施例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S2−1〜S2−2)を作製した。
Figure 2014159083
(実施例3−1〜実施例3−2)
第一ハードコート層、第二ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層を下記表5に記載した塗液及び膜厚とした以外は、実施例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S3−1〜S3−2)を作製した。
Figure 2014159083
(比較例1−1〜比較例1−13)
第一ハードコート層、第二ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層を下記表6に記載した塗液及び膜厚とした以外は、実施例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S’1−1〜S’1−9)を作製した。
Figure 2014159083
(実施例4−1)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上に、インジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が30nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、30分のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムについて、透過色b*、全光線透過率を次の方法で測定した。その結果を下記表7に示す。
<透過色>
色差計(「SQ−2000」、日本電色工業株式会社製)を用いて透明導電性フィルムの透過色、b*を測定した。このb*は、JISZ 8729に規定されているL*a*b*表色系における値である。
<全光線透過率>
ヘイズメーター(「NDH2000」、日本電色工業株式会社製)により透明導電性フィルムの全光線透過率(%)を測定した。
(実施例4−2〜実施例4−18)
表3,4,5に記載された各色調補正フィルム(S1−2〜S1−14、S2−1〜S2−2、S3−1〜S3−2)を用い、実施例4−1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
(実施例4−19)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が30nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、2時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(実施例4−20)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が30nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、100℃、1時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(実施例4−21)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が60nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、30分のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
得られた実施例4−2〜実施例4−21の透明導電性フィルムについて、実施例4−1と同様に透過色b*、全光線透過率を測定した。その結果を下記表7に示す。
Figure 2014159083

(比較例2−1〜比較例2−9)
表6に記載された各色調補正フィルム(S’1−1〜S’1−9)を用い、実施例2−1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
(比較例2−10)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が30nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、160℃、2時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(比較例2−11)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が30nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、90℃、1時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(比較例2−12)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が75nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、30分のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
得られた比較例2−1〜比較例2−12の透明導電性フィルムについて、実施例4−1と同様に透過色b*、全光線透過率を測定した。その結果を下記表8に示す。
Figure 2014159083
また、実施例4−1〜実施例4−21及び比較例2−1〜比較例2−12の透明導電性フィルムについて、ITO層の屈折率を次の方法にて測定し、その結果を上記表7,8に併記する。
<屈折率(ITO層)>
(1)屈折率が1.67のPETフィルム(商品名「A4100」、東洋紡績株式会社製)上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行い、実膜厚20nmの透明導電層としての錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、下記実施例および比較例のそれぞれの条件でアニーリングを施し、透明導電性フィルムを作製した。
(2)上記透明導電性フィルム裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを反射分光膜厚計(「FE-3000」、大塚電子株式会社製)により、反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルより読み取った反射率から、上記(式1)を用いて、光の波長589nmにおける屈折率を求めた。
なお、各表(後述)に記載の各層の屈折率は、上記屈折率測定用サンプルから求めた屈折率である。
(結果および考察)
実施例4−1〜実施例4−21(表7)の結果から明らかなように、第一、第二ハードコート層の屈折率を1.48〜1.54、膜厚を1.0〜3.5μmとし、第一色調補正層の屈折率を1.59〜1.82、膜厚を25〜90nmとし、第二色調補正層の屈折率を1.35〜1.45、膜厚を10〜55nmとし、且つITO層の屈折率を1.85〜2.35、膜厚を5〜60nmとすると、透過色b*の値が小さく、透明導電性フィルムの着色を十分に抑え、更に、優れた全光線透過率を実現することが出来た。
その一方、比較例2−1〜2−12(表8)では、各色調補正層、又は錫ドープ酸化インジウム層の屈折率、及び膜厚のいずれかが上記範囲を外れており、透過色b*の値が大きく透明導電性フィルムが着色する、若しくは、全光線透過率が低くなった。

Claims (4)

  1. 透明基材フィルムの一方の面に、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層がこの順に積層され、前記透明基材フィルムの他方の面に、第二ハードコート層が積層されている色調補正フィルムであって、
    前記第一ハードコート層は、屈折率が1.48〜1.54、膜厚が1.0〜3.5μmであり、
    前記第一色調補正層は、屈折率が1.59〜1.82、膜厚が25〜90nmであり、
    前記第二色調補正層は、屈折率が1.35〜1.45、膜厚が10〜55nmであり、
    前記第二ハードコート層は、屈折率が1.48〜1.54、膜厚が1.0〜3.5μmであって、
    前記第二色調補正層は、フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂を含むことを特徴とする色調補正フィルム。
  2. 請求項1に記載の色調補正フィルムであって、前記第二色調補正層は、更にフッ素非含有活性エネルギー線硬化型樹脂を含むことを特徴とする色調補正フィルム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の色調補正フィルムであって、前記第二色調補正層は、更にシリカ微粒子を含むことを特徴とする色調補正フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の色調補正フィルムの前記第二色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層が積層されており、前記錫ドープ酸化インジウム層は、屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜60nmであることを特徴とする透明導電性フィルム。
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