JP2016022686A - 色調補正フィルム及びこれを用いた透明導電性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
本願発明の課題は、透過光の着色を抑え、全光線透過率や表面硬度が高く、熱処理時の反りを抑制しながら、さらに生産性にも優れる透明導電性フィルムと、その下地フィルムとして用いられる色調補正フィルムを提供することである。
【解決手段】
上記課題を解決する手段は、透明基材フィルムの表面から順に、第一ハードコート層、色調補正層が積層され、前記透明基材フィルムの裏面に第二ハードコート層が積層されている色調補正フィルムであって、前記第一ハードコート層は、屈折率が1.64〜1.68、膜厚が1.0〜1.5μmであり、前記色調補正層は、屈折率が1.43〜1.48、膜厚が10〜40nmであって、前記第二ハードコート層は、屈折率が1.51〜1.53、膜厚が1.0〜3.0μmであることを特徴とする色調補正フィルム、及び、これを下地フィルムとして用いた透明導電性フィルムを提供することである。

Description

本発明は、タッチパネル用の色調補正フィルム、及び色調補正フィルム上に透明導電層を備えた透明導電性フィルムに関する。
現在、画像表示部に直接触れることにより、情報を入力できるデバイスとしてタッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは光を透過する入力装置を液晶表示装置等のディスプレイ画面上に配置したものであり、代表的な形式として、透明電極と指との間に生じる電流容量の変化を利用した静電容量式タッチパネルがある。
タッチパネル用の透明導電性フィルムとしては、透明基材フィルム上に、酸化錫を含有するインジウム酸化物(錫ドープ酸化インジウム、ITO)や酸化亜鉛等の金属酸化物による透明導電層を積層したものが一般的に用いられている。このような透明導電性フィルムは、金属酸化物層の反射及び吸収に由来する可視光短波長領域の透過率の低下により、黄色の呈色が見られることが多い。そのため、タッチパネルの下に配置される表示装置の発色を正確に表現することが難しいという問題があった。
この問題を解決するために、透明導電層を多層光学膜と組み合わせた透明導電性フィルムが特許文献1に提案されている。特許文献1の透明導電性フィルムは、透明基材フィルムであるポリエステルフィルムの表面から順に、高屈折率層、低屈折率層及び錫ドープ酸化インジウム層が積層された構成である。高屈折率層は、金属酸化物微粒子と紫外線硬化性バインダーより形成され、光の波長400nmにおける屈折率が1.63〜1.86、膜厚が40〜90nmであり、低屈折率層の光の波長400nmにおける屈折率が1.33〜1.53、膜厚が10〜50nmであり、錫ドープ酸化インジウム層は、光の波長400nmにおける屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmであることにより透過光の着色低減効果を実現している。
更に、特許文献1の透明導電性フィルムは、透明基材フィルムと高屈折率層との間に、テトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物と活性エネルギー線硬化型樹脂とを含む膜厚1.0〜10.0μmのハードコート層を積層することで、透明導電性フィルムの表面硬度向上及び熱処理後の反りの抑制を実現している。また、透明基材フィルムの裏面にもハードコート層等の機能層を積層している。
特開2011−98563号公報
しかし、特許文献1の透明導電性フィルムは、透過光の着色を抑え、全光線透過率や表面硬度が高く、且つ熱処理時の反りを抑制するために、透明基材フィルム上へ5種類もの層を多数積層する必要があるため、生産性が悪い課題があった。また、このように多数の層を積層していると、上記機能を発現するための各層における屈折率や膜厚の調整が煩雑であった。
そこで、本発明の目的とするところは、透過光の着色を抑え、全光線透過率や表面硬度が高く、熱処理時の反りを抑制しながら、さらに生産性にも優れる透明導電性フィルムと、その下地フィルムとして用いられる色調補正フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、透明基材フィルムの表面から順に、第一ハードコート層、第一色調補正層が積層され、透明基材フィルムの裏面に第二ハードコート層が積層されている色調補正フィルムにおいて、各層の屈折率および膜厚を最適な範囲に設定することにより、透過光の着色が抑えられ、全光線透過率及び表面硬度が高く、熱処理時の反りが抑制されることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の色調補正フィルムおよび透明導電性フィルムである。
上記課題を解決するための本願発明は、透明基材フィルムの表面から順に、第一ハードコート層、色調補正層が積層され、前記透明基材フィルムの裏面に第二ハードコート層が積層されている色調補正フィルムであって、前記第一ハードコート層は、屈折率が1.64〜1.68、膜厚が1.0〜1.5μmであり、前記色調補正層は、屈折率が1.43〜1.48、膜厚が10〜40nmであって、前記第二ハードコート層は、屈折率が1.51〜1.53、膜厚が1.0〜3.0μmであることを特徴とする色調補正フィルムである。
さらに、本願発明は、前記色調補正フィルムの前記色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層が積層されており、前記錫ドープ酸化インジウム層は、屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmであることを特徴とする透明導電性フィルムである。
本発明によれば、各層(第一ハードコート層、色調補正層、第二ハードコート層)の屈折率および膜厚を適切に設定したことで、透過光の着色を抑え、且つ全光線透過率がより高い透明導電性フィルムを提供することができる。また、その下地フィルムとして用いられる色調補正フィルムを提供することができる。
本発明の色調補正フィルム(S1−1)の反射スペクトルを表す図である。
本発明の色調補正フィルムは、透明基材フィルムの一方の面に、第一ハードコート層、色調補正層がこの順に積層され、前記透明基材フィルムの他方の面に、第二ハードコート層がこの順に積層されている。そして、前記第一ハードコート層は、屈折率が1.64〜1.68、膜厚が1.0〜1.5μmであり、前記第一色調補正層は、屈折率が1.43〜1.48、膜厚が10〜40nmであり、前記第二ハードコート層は、屈折率が1.51〜1.53、膜厚が1.0〜3.0μmである。
以下に、この色調補正フィルムの構成要素について順に説明する。
<透明基材フィルム>
透明基材フィルムは、透明性を有している限り特に制限されないが、屈折率が1.55〜1.70の範囲内のものが好ましい。このような透明基材フィルムを形成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET、屈折率:1.67)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC、屈折率:1.59)、ポリアリレート(PAR、屈折率:1.60)及びポリエーテルスルフォン(PES、屈折率:1.65)等が好ましい。これらのうち、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが成形の容易性で好ましい。
透明基材フィルムの厚みは、好ましくは25〜400μm、さらに好ましくは25〜188μmである。透明基材フィルムの厚みが25μmより薄い場合や400μmより厚い場合には、色調補正フィルムの製造時及び使用時における取り扱い性が低下して好ましくない。透明基材フィルムの全光線透過率は、85%以上であることが好ましい。85%未満である場合は透明導電性フィルムの全光線透過率が低くなり好ましくない。なお、透明基材フィルムには、各種の添加剤が含有されていてもよい。そのような添加剤として例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤等が挙げられる。
<第一ハードコート層>
第一ハードコート層は、色調補正フィルム(及びこれを用いた透明導電フィルム)の表面硬度を向上すると共に、熱処理後の反りを抑制するために設けられる層である。さらに、所定の屈折率(詳細は後述する)に調整することで透過色の着色を抑えることができる。第一ハードコート層は、金属酸化物微粒子と、活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤とを含む第一ハードコート層用塗液を、活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。
金属酸化物微粒子は、第一ハードコート層の屈折率を調整するために配合されるものであり、より詳細には、屈折率を積極的に高めるために配合される。このような金属酸化物微粒子としては、酸化チタンや酸化ジルコニウムが好ましい。酸化チタンや酸化ジルコニウムの屈折率は製法によって異なるが、1.9〜3.0であり、好ましくは、1.9〜2.5である。
第一ハードコート層中に含まれる金属酸化物微粒子は、金属酸化物粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂の和100質量部に対して、50〜70質量部である。金属酸化物微粒子の含有量が50質量部未満では、第一ハードコート層の屈折率が後述の範囲外となるため好ましくない。一方、金属酸化物微粒子の含有量が70質量部を超えると、塗膜中の粒子の割合が多くなり、ヘイズ値が上昇してしまうため全光線透過率が低下するため好ましくない。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、第一ハードコート層のバインダーとなる。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、(メタ)アクリレートの単官能単量体、多官能単量体の中から1種又は2種以上が選択して用いられる。単官能単量体として具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール基含有(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。多官能単量体としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン変性アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。「(メタ)アクリル酸」や、「(メタ)アクリロイル基」、「(メタ)アクリル系樹脂」も同様である。活性エネルギー線硬化型樹脂は、屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。
第一ハードコート層中に含まれる活性エネルギー線硬化型樹脂は、金属酸化物粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂の和100質量部に対して、30〜50質量部である。活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が30質量部未満では、塗膜に対する活性エネルギー線硬化型樹脂の相対量が少なく塗膜がもろくなるため好ましくない。一方、活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が50質量部を超えると、第一ハードコート層の屈折率が所定の範囲外となるため好ましくない。
光重合開始剤は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線により第一ハードコート層用塗液を硬化させて塗膜を形成する際の重合開始剤として用いられる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。
第一ハードコート層中に含まれる光重合開始剤は、金属酸化物粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂の和100質量部に対して、1〜10質量部である。光重合開始剤の含有量が1質量部未満では、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の含有量が10質量部を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。
塗面の均一性を向上するためにその他の添加物としてフッ素系やシリコン系のレベリング剤を添加することもできる。その他の添加物の添加量は、金属酸化物粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂の和100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましい。
塗布液の溶媒は、この種の色調補正フィルム等において各層形成用の塗液に従来から使用されている公知のものであれば特に制限は無く、例えばアルコール系、ケトン系、エステル系の溶媒が適時選択できる。
第一ハードコート層は、金属酸化物微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂をそれぞれ上記範囲で含むことによって、屈折率が1.64〜1.68になるように形成される。第ハードコート層の屈折率がこの範囲外では、JIS Z 8729に規定されているL*a*b表色系における透過色のb*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味が明瞭に認識されるようになる。また、第一ハードコート層の乾燥硬化後の膜厚は1.0〜1.5μmであることが必要である。第一ハードコート層の膜厚が1.0μm未満では、表面硬度が不足する。一方、第一ハードコート層の膜厚が1.5μmより大きい場合は、熱処理後の反りが大きくなる。
<色調補正層>
色調補正層は、第一ハードコート層との屈折率の相対関係によって、互いに協働して色調補正フィルムないし透明導電性フィルムの色調を調整(透過色の着色を抑制)する層である。色調補正層は、シリカ微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる色調補正層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。
シリカ微粒子は、色調補正層の屈折率を積極的に低減させるために配合されるものである。このようなシリカ微粒子としては、コロイダルシリカや中空シリカ微粒子が好ましい。コロイダルシリカ及び中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.55であることが好ましい。色調補正層中に含まれるシリカ微粒子は、シリカ微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂の和100質量部に対して、10〜50質量部であることが好ましい。シリカ微粒子の含有量が10質量部未満では、色調補正層の屈折率が所定の範囲(詳細は後述する)とすることが出来ない。一方、シリカ微粒子の含有量が50質量部より多いと、塗膜強度が弱くなる。
バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂は、屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、第一ハードコート層で使用する活性エネルギー線硬化型樹脂と同種のものを使用することができる。色調補正層中の活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量は、シリカ微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂の和100質量部に対して、50〜90質量部程度である。
さらに、色調補正層は光重合開始剤も含む。当該光重合開始剤も、第一ハードコート層で使用する光重合開始剤と同種のものを使用すればよい。色調補正層中の光重合開始剤の含有量は、シリカ微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂の和100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。色調補正層における光重合開始剤の含有量が1質量部未満では活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となり、10質量部を超えると不必要に多くなり好ましくない。色調補正層用塗液の溶媒も、第一ハードコート層で使用する溶媒と同種のものを使用すればよい。
色調補正層は、シリカ微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂をそれぞれ屈折率が1.43〜1.48となるように配合されることで形成される。色調補正層の屈折率が1.43未満の場合は、塗膜中の粒子の割合が多くなり、ヘイズ値が上昇してしまうため全光線透過率が低下する。また、色調補正層の屈折率が1.48より大きい場合は、JIS Z 8729に規定されているL*a*b表色系における透過色のb*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味が明瞭に認識されるようになる。また、色調補正層の乾燥硬化後の膜厚は10〜40nmであることが必要である。色調補正層の膜厚がこの範囲外では、b*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味の着色が明瞭に認識されるようになる。
<第二ハードコート層>
第二ハードコート層も、色調補正フィルムないし透明導電フィルムの表面硬度を向上すると共に、熱処理後の反りを抑制するために設けられる層である。第二ハードコート層は、第一ハードコート層と同様に、活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤とを含む第二ハードコート層用塗液を、活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。但し、第一ハードコート層は、所定の屈折率に調整するために金属酸化物微粒子を配合しているのに対し、第二ハードコート層は表面硬度の向上及び熱処理後の反りを抑制するための層であることから、第一ハードコート層のような金属酸化物微粒子を含まない。
第二ハードコート層は、生産性及び硬度を両立させる観点より、鉛筆硬度(評価法:JIS−K5600−5−4)がH以上であることが好ましい。そのためには、活性エネルギー線硬化型樹脂を適宜組み合わせて調整することもできるし、硬度を向上することを目的に、シリカ微粒子を配合することもできる。この場合のシリカ微粒子は、第二ハードコート層の屈折率を積極的に低減させるために配合するものではない。第二ハードコート層の鉛筆硬度をH以上とするためにシリカ微粒子を配合する際は、活性エネルギー線硬化型樹脂及びシリカ微粒子の和100質量部に対して35〜60質量部配合することが好ましい。または、鉛筆硬度H以上の活性エネルギー線硬化性ハードコート材として市販されているものを使用することもできる。
第二ハードコート層の乾燥硬化後の膜厚は、1.0〜3.0μmである。第二ハードコート層の膜厚が1.0μm未満では、表面硬度が不足する。一方、第二ハードコート層の膜厚が3.0μmより大きい場合は、熱処理後の反りが大きくなる。
第二ハードコート層の乾燥硬化後の膜厚は、好ましくは、1.0〜1.5μmである。第一ハードコート層と第二ハードコート層の膜厚の差が大きくなると、熱処理後の反りが大きくなる傾向にあるため、この範囲とすることにより、第一ハードコート層の膜厚との差が小さくなり、熱処理後の反りをより抑制することができる。
また、第二ハードコート層に滑り性を付与する目的で、有機微粒子を添加することが好ましい。そのような有機微粒子は、平均粒子径0.8〜3.0μmであり、例えば塩化ビニル、(メタ)アクリル単量体、スチレン及びエチレンから選択される少なくとも1種の単量体を重合して得られる重合体などから形成される。なお、本明細書において「有機微粒子の平均粒子径」とは、粒子径分布測定装置〔日機装(株)製、マイクロトラックMT3200II〕を使用し、レーザ回折・散乱法により平均粒子径を測定することで求めた値である。有機微粒子の添加量は、活性エネルギー線硬化型樹脂及びシリカ微粒子の和100質量部に対して1〜10質量部が好ましい。
<第一ハードコート層、色調補正層、第二ハードコート層の形成>
第一ハードコート層は、透明基材フィルムに第一ハードコート層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。第二ハードコート層は、第一ハードコート層とは反対側の面に、第二ハードコート層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。
一方、色調補正層は、形成された第一ハードコート層上に色調補正層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。第一ハードコート層用塗液、第二ハードコート層用塗液、色調補正層用塗液の塗布方法は特に制限されず、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用できる。また、活性エネルギー線の種類は特に制限されないが、利便性等の観点から紫外線を用いることが好ましい。尚、各ハードコート層の透明基材フィルムに対する密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことも可能である。
《透明導電性フィルム》
透明導電性フィルムは、色調補正フィルムの色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層を積層した構成である。すなわち、透明導電性フィルムは、上(表側)から錫ドープ酸化インジウム層、色調補正層、第一ハードコート層、透明基材フィルム、第二ハードコート層が順に積層した構成である。
透明導電性フィルムの透過光の着色は、JIS Z 8729に規定されるLab表色系のb*で評価でき、好ましくは−2≦b*≦2、より好ましくは−1≦b*≦1である。b*>2の場合、透明導電性フィルムが黄色に着色して見えるため好ましくない。一方、b*<−2の場合、透明導電性フィルムが青色に着色して見えるため好ましくない。
透明導電性フィルムの全光線透過率は、好ましくは90%以上である。全光線透過率が90%未満の場合、タッチパネルなどの部材に使用した時に輝度が悪化するため好ましくない。また、ヘイズ値は、好ましくは1%未満である。ヘイズ値が1%以上の場合、白化し、タッチパネルなどの部材に使用した時に表示画像の視認性が悪化するため好ましくない。
透明導電性フィルムのITO層側の鉛筆硬度は、タッチパネル表面に傷が付くことを防止するという観点から、好ましくは2H以上である。
透明導電性フィルムの熱処理後の反りは、好ましくは−5mm以上+5mm以下である。さらに好ましくは、−2mm以上+2mm以下である。
<錫ドープ酸化インジウム層>
色調補正層の上に積層される錫ドープ酸化インジウム層(以下、ITO層と略することがある)は、透明導電層であり、屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmである。屈折率がこの範囲を外れると、第一ハードコート層、色調補正層との光学干渉が適切に作用しなくなるため、透明導電性フィルムの透過色が着色を呈し、全光線透過率も低下する。膜厚が5nmより薄い場合は、均一に成膜することが難しく、安定した抵抗が得られないため好ましくない。また、膜厚が50nmより厚い場合は、ITO層自身による光の吸収が強くなり、透過色の着色低減効果が薄れると共に、全光線透過率が小さくなる傾向があるため好ましくない。
<錫ドープ酸化インジウム層の形成>
錫ドープ酸化インジウム層の製膜方法は、特に限定されず、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法を採用できる。これらの中では、層の厚み制御の観点より蒸着法及びスパッタリング法が特に好ましい。尚、錫ドープ酸化インジウム層を形成した後、必要に応じて、100℃〜200℃の範囲内でアニール処理を施して結晶化することができる。具体的には、高い温度で結晶化すると錫ドープ酸化インジウム層の屈折率は小さくなる傾向を示す。従って、錫ドープ酸化インジウム層の屈折率は、アニール処理の温度と時間を制御することで調整可能である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。
まず、第一ハードコート層及び第二ハードコート層用塗液、色調補正層用塗液を調製し、各液を用いて形成される層の屈折率を次の方法にて測定した。
<屈折率(ITO層以外の層)>
(1)屈折率が1.67のPETフィルム(商品名「A4100」、東洋紡績株式会社製)上に、ディップコーター(杉山元理化学機器株式会社製)により、各層用塗液をそれぞれ乾燥硬化後の膜厚で100〜1000nm程度になるように層の厚さを調整して塗布した。
(2)乾燥後、紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製)により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射して硬化した。硬化後のPETフィルム裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを反射分光膜厚計(「FE-3000」、大塚電子株式会社製)により、反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルより読み取った反射率から、下記に示すn-Cauchyの波長分散式(式1)の定数を求め、光の波長589nmにおける屈折率を求めた。
N(λ)=a/λ4+b/λ2+c (式1)
(N:屈折率、λ:波長、a、b、c:波長分散定数)
〔第一ハードコート層用塗液の調製〕
第一ハードコート層用塗液として次の原料を使用し、各原料を下記表1に記載した組成にて、金属酸化物微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒を、質量比で100:5:1000の割合で混合し、第一ハードコート層用塗液HC1−1〜HC1−4を調製した。得られた第一ハードコート層用塗液HC1−1〜HC1−4を用いて形成されるハードコート層の屈折率を測定した。その結果を表1に示す。
各原料については、金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウム微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 ZRMEK25%−F47)を使用した。活性エネルギー線硬化型樹脂として、6官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業(株)製紫光UV−7600B)を使用した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE184(I−184)を使用した。また溶媒としてメチルイソブチルケトンを使用した。
Figure 2016022686
〔第二ハードコート層用塗液(HC2−1)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100質量部、光重合開始剤[商品名:IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]5質量部、アクリル系有機微粒子[商品名:MX−80H3wT、綜研化学(株)製]5質量部及びイソブチルアルコール150質量部を混合して第二ハードコート層用(HC2−1)を調製した。ハードコート層用塗液(HC2−1)を用いて形成されるハードコート層の屈折率は1.51であった。
〔色調補正層用塗液の調製〕
色調補正層用塗液として次の原料を使用し、各原料を下記表2に記載した組成で混合して、色調補正層用塗液C1−1〜C1−3を調製した。得られた色調補正層用塗液C1−1〜C1−3を用いて形成される色調補正層の屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
各原料としては、シリカ微粒子として、日揮触媒化成(株)製 アクリル修飾中空シリカ微粒子 スルーリアNAUを使用した。活性エネルギー線硬化型樹脂として、日本化薬(株)製 DPHAを使用した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE907(I−907)を使用した。溶媒として、イソプロピルアルコールを使用した。
Figure 2016022686
(実施例1−1)
屈折率が1.67、全光線透過率が91.5%、厚さ125μmのPETフィルムの一面に、第一ハードコート層用塗液(HC1−2)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第一ハードコート層を形成した。続いて、PETフィルムの他面に第二ハードコート層用塗液(HC2−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第二ハードコート層を形成した。
上記第一ハードコート層上に、色調補正層用塗液(C1−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより色調補正層を形成し、色調補正フィルム(S1−1)を作製した(各層の膜厚は下記表3を参照)。
作成した色調補正フィルム(S1−1)の反射スペクトルを測定した。図1に測定した反射スペクトルを示す。
反射スペクトル測定法:測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、5°正反射測定装置を備えた分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U-best50〕を用いて反射率を測定した。
(実施例1−2〜実施例1−3)
第一ハードコート層、色調補正層、第二ハードコート層を下記表3に記載した材料及び膜厚とした以外は、実施例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S1−2〜S1−3)を作製した。
Figure 2016022686
(比較例1−1〜比較例1−8)
第一ハードコート層、色調補正層、第二ハードコート層を下記表4に記載した材料及び膜厚とした以外は、実施例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S'1−1〜S'1−8)を作製した。
Figure 2016022686
(実施例2−1)
上記色調補正フィルム(S1−1)の色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、30分のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムについて、透過色b*、全光線透過率、鉛筆硬度、反りを次の方法で測定した。その結果を下記表5に示す。
<透過色>
色差計(「SQ−2000」、日本電色工業(株)製)を用いて透明導電性フィルムの透過色、b*を測定した。このb*は、JIS Z 8729に規定されているL*a*b表色系における値である。
<全光線透過率>
ヘイズメーター(「NDH2000」、日本電色工業(株)製)により透明導電性フィルムの全光線透過率(%)を測定した。
<鉛筆硬度>
透明導電性フィルムのITO層側をJIS K5600−1999に準拠して測定した。
<熱処理後の反り>
縦50mm、横100mmにカットした透明導電性フィルムを150℃の恒温槽に1時間静置して熱処理)を行う。その後、透明導電性フィルムを平坦面にITO層を上にして置き、四隅の反り上がり量を測定し、それらの平均値(反り平均値)を測定する。ITO層を上にした場合に反り上がる場合は+(プラス)表記、第二ハードコート層を上にした場合に反り上がる場合は−(マイナス)表記とする。
(実施例2−2〜実施例2−3)
色調補正フィルムを下記表5に記載した材料とした以外は、実施例2−1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムについて、透過色b*、全光線透過率、鉛筆硬度、反りを測定した。その結果を下記表5に示す。
Figure 2016022686
(比較例2−1〜比較例2−8)
色調補正フィルムを下記表6に記載した材料とした以外は、実施例2−1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムについて、透過色b*、全光線透過率、鉛筆硬度、反りを測定した。その結果を下記表6に示す。
Figure 2016022686
実施例2−1〜実施例2−3では、第一ハードコート層、第二ハードコート層、色調補正層及び錫ドープ酸化インジウム層の屈折率と膜厚が本発明で規定される範囲に設定されていることから、透過色b*の値が小さく、透明導電性フィルムの着色を十分に抑え、更に、優れた全光線透過率を実現することが出来た。更に、第一ハードコート層及び第二ハードコート層の膜厚が本発明で規定される範囲に設定されていることから、鉛筆硬度に優れ、熱処理後の反り抑制を実現することが出来た。
その一方、比較例2−1〜2−4は、第一ハードコート層又は色調補正層の屈折率が本発明で規定される範囲外に設定されているため、透過色b*の値が大きく、透明導電性フィルムが着色する、又は、全光線透過率が低い結果となった。
比較例2−5〜2−8は、第一ハードコート層又は第二ハードコート層の膜厚が本発明で規定される範囲外に設定されているため、鉛筆硬度が弱い、又は、熱処理後の反りが大きい結果となった。

Claims (2)

  1. 透明基材フィルムの表面から順に、第一ハードコート層、色調補正層が積層され、前記透明基材フィルムの裏面に第二ハードコート層が積層されている色調補正フィルムであって、
    前記第一ハードコート層は、屈折率が1.64〜1.68、膜厚が1.0〜1.5μmであり、
    前記色調補正層は、屈折率が1.43〜1.48、膜厚が10〜40nmであって、
    前記第二ハードコート層は、屈折率が1.51〜1.53、膜厚が1.0〜3.0μmであることを特徴とする色調補正フィルム。
  2. 請求項1に記載の色調補正フィルムの前記色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層が積層されており、前記錫ドープ酸化インジウム層は、屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmであることを特徴とする透明導電性フィルム。
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