JP6171299B2 - 透明導電性フィルム - Google Patents

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本発明は、タッチパネル用として好適な色調補正フィルム上に錫ドープ酸化インジウム層からなる透明導電層を備えた透明導電性フィルムに関する。
現在、画像表示部に直接触れることにより、情報を入力できるデバイスとしてタッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは光を透過する入力装置を液晶表示装置等のディスプレイ画面上に配置したものであり、代表的な形式として、透明電極と指との間に生じる電流容量の変化を利用した静電容量式タッチパネルがある。
タッチパネル用の透明導電性フィルムとしては、透明基材フィルム上に、酸化錫を含有するインジウム酸化物(錫ドープ酸化インジウム、ITO)や酸化亜鉛等の金属酸化物による透明導電層を積層したものが一般的に用いられている。このような透明導電性フィルムは、金属酸化物層の反射及び吸収に由来する可視光短波長領域の透過率の低下により、黄色の呈色が見られることが多い。そのため、タッチパネルの下に配置される表示装置の発色を正確に表現することが難しいという問題があった。
この問題を解決するために、透明導電層を多層光学膜と組み合わせた透明導電体が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、透明基材に、無機薄膜を用いた、高屈折率層、低屈折率層及び透明導電層がこの順に設けられている。この透明導電体では、このような積層構成において各層の厚みと屈折率を規定し、色相調整機能と反射低減機能とを適切に発揮させることで、全光線透過率を高めるとともに着色の低減が図られている。具体的には、高屈折率層は酸化スズの含有率が10〜60質量%である非晶質なインジウム−スズ複合酸化物からなる無機薄膜であり、低屈折率層は屈折率が1.30〜1.60の無機薄膜からなり、透明導電性薄膜層は屈折率が1.80〜2.20の無機薄膜よりなり、かつ透明導電性フィルムの分光透過率のピークが450〜530nmに存在し、かつ全光線透過率が90%以上、カラーb値が−2〜2となっている。
特開2009−283348号公報
しかし、タッチパネル用の透明導電性フィルムでは、タッチパネルの下に配置される表示画像の輝度向上や、ディスプレイ光源の消費電力低減のために、更に全光線透過率の高い透明導電性フィルムが求められている。これに対し、上記特許文献1記載の透明導電体では全光線透過率90%以上を達成しているが、実際には91%程度であり全光線透過率が十分とはいえない。また、特許文献1ではカラーb値−2〜2を達成しているが、透過光の着色(黄色)の抑制も十分とはいえない。
そこで、本発明の目的とするところは、透過光の着色を抑え、且つ全光線透過率がより高い透明導電性フィルムを提供することにある。
透明基材フィルムの一方面に、ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、錫ドープ酸化インジウム層がこの順に積層され、前記透明基材フィルムの他方面に、低屈折率層が積層されており、
前記ハードコート層は、屈折率が1.49〜1.54、膜厚が1.3〜3.5μmであり、
前記第一色調補正層は、屈折率が1.59〜1.82、膜厚が25〜90nmであり、
前記第二色調補正層は、屈折率が1.32〜1.52、膜厚が10〜55nmであり、
前記低屈折率層は、屈折率が1.32〜1.44、膜厚が50〜130nmであり、
前記錫ドープ酸化インジウム層は、屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmであり、
全光線透過率が92.5%以上であり、
JIS Z 8729で規定されるL*a*b*表色系における透過色のb*が−1.0〜1.0である、透明導電性フィルム
なお、本発明における膜厚とは、物理膜厚のことであり、光学膜厚ではない。また、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、特に明記しない限り「○○以上××以下」を意味する。
本発明によれば、透明導電性フィルムの下地フィルムとなる色調補正フィルムにおいて、各層(ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、及び低屈折率層)の屈折率および膜厚を適切に設定し、さらにこれの上に積層する錫ドープ酸化インジウム層の屈折率及び膜厚も適切に設定したことで、透過光の着色を押さえ、且つ全光線透過率がより高い透明導電性フィルムを提供することができる。
調補正フィルムは、透明基材フィルムの一方面に、当該透明基材フィルム側からハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層がこの順に積層されている。一方、透明基材フィルムの他方面には、低屈折率層が積層されている。以下に、この色調補正フィルムの構成要素について順に説明する。
<透明基材フィルム>
透明基材フィルムは、透明性を有している限り特に制限されないが、屈折率が1.55〜1.70の範囲内のものが好ましい。このような透明基材フィルムを形成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET、屈折率:1.67)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC、屈折率:1.59)、ポリアリレート(PAR、屈折率:1.60)及びポリエーテルスルフォン(PES、屈折率:1.65)等が挙げられる。これらのうち、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが成形の容易性で好ましい。
透明基材フィルムの厚みは、好ましくは25〜400μm、さらに好ましくは25〜188μmである。透明基材フィルムの厚みが25μmより薄い場合や400μmより厚い場合には、色調補正フィルムの製造時及び使用時における取り扱い性が低下して好ましくない。透明基材フィルムの全光線透過率は、85%以上であることが好ましい。85%未満である場合は、透明導電性フィルムの全光線透過率が低くなり好ましくない。なお、透明基材フィルムには、全光線透過率が85%未満とならない範囲で、各種の添加剤が含有されていてもよい。そのような添加剤として例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤等が挙げられる。
<ハードコート層>
透明基材フィルムの直上には、色調補正フィルム延いては透明導電性フィルムの表面硬度向上及びカール低減のために、ハードコート層が設けられている。なお、カールの低減とは、各層用の塗液を塗布して硬化させた際の、各層の硬化収縮によるフィルム全体の反り量を低減することを言う。
ハードコート層の材料としては、従来よりこの種の色調補正フィルムや透明導電性フィルム等に用いられる公知のものであれば、特に制限されない。例えば、テトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物や、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることができ、これらを混合してもよい。そして、これらに光重合開始剤を加えて調製したハードコート層用塗液に紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射して硬化させてハードコート層を形成することができる。
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。単官能(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール基含有(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。多官能(メタ)アクリレートとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン変性アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が好ましい。これらの単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートの屈折率は、1.4〜1.7である。また、これらの単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートの1種又は2種以上を使用することで、ハードコート層の鉛筆硬度(評価法:JIS−K5600−5−4)をH以上とすることができる。ハードコート層の鉛筆硬度がH以上であれば、生産性と硬度を両立させることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを指す。また、同様に、後述の「(メタ)アクリル単量体」は、アクリル単量体及びメタクリル単量体を指し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基を指す。
光重合開始剤は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線によりハードコート層用塗液を硬化させて塗膜を形成する際の重合開始剤として用いられる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独使用してもよいし、2種以上を混合することもできる。
光重合開始剤は、ハードコート層中に0.1〜10質量部含まれることが好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1質量部未満では、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の含有量が10質量部を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。
ハードコート層用塗液の溶媒は、この種の色調補正フィルムや透明導電性フィルム等において各層形成用の塗液に従来から使用されている公知のものであれば特に制限は無く、例えばアルコール系、ケトン系、エステル系の溶媒が適時選択できる。
また、ハードコート層には屈折率を調整する金属微粒子またはシリカ微粒子を含有していてもよい。金属微粒子は屈折率を積極的に高めるために配合されるものである。このような金属酸化物微粒子としては、酸化チタン及び酸化ジルコニウムが好ましい。酸化チタン及び酸化ジルコニウムの屈折率は製法によって異なるが、1.90〜3.00であることが好ましい。一方、シリカ微粒子は、屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。シリカ微粒子としては、コロイダルシリカや中空シリカ微粒子が好ましい。コロイダルシリカ及び中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.50であることが好ましい。金属微粒子及びシリカ微粒子の平均粒子径は、150nm以下が好ましい。これらの平均粒子径が150nmより大きいと、ハードコート層の屈折率の調整が困難となる。なお、金属微粒子を添加するかシリカ微粒子を添加するかは、活性エネルギー線硬化型樹脂の種類(これに基づく屈折率)と求めるハードコート層の屈折率との関係によって適宜選択すればよい。
金属酸化物微粒子を添加する場合、その含有量は、ハードコート層中に30質量部未満であることが好ましい。金属酸化物微粒子の含有量が30質量部以上では、ハードコート層の屈折率が後述の範囲外となるため好ましくない。また、シリカ微粒子を添加する場合、その含有量は、ハードコート層中に20質量部未満であることが好ましい。シリカ微粒子の含有量が20質量部以上では、ハードコート層の屈折率が後述の範囲外となるため好ましくない。
更に、ハードコート層は透光性粒子を含有していてもよい。透光性粒子は、ハードコート層に表面凹凸を形成し、製造工程上の巻き取り性を向上させるものである。透光性粒子としては、例えばシリカ粒子のほか、塩化ビニル、(メタ)アクリル単量体、スチレン、及びエチレンから選択される少なくとも1種の単量体を重合して得られる重合体などから形成される。透光性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.3〜5.0μm程度、より好ましくは0.5〜2.5μm程度であればよい。他に、ハードコート層は、その他添加剤を含有していても良い。その他の添加剤としては、表面調整剤やスリップ剤等が挙げられる。
ハードコート層の屈折率は、1.49〜1.54になるように形成される。屈折率が1.49未満の場合、透明基材フィルムとハードコート層との屈折率差が大きくなり、干渉ジマが発生するため好ましくない。屈折率が1.54よりも大きい場合、屈折率を大きくするためにハードコート層へ高屈折率材料(金属微粒子)を多く添加する必要があるが、高屈折率材料に起因した光の吸収及び光の散乱が発生してハードコート層が着色し、且つ、全光線透過率が低下するため好ましくない。また、ハードコート層の乾燥硬化後の膜厚は、1.3〜3.5μmとする。膜厚が1.3μmより薄い場合は、鉛筆硬度がH未満になるため好ましくない。膜厚が3.5μmより厚い場合は、硬化収縮によるカールが強くなるとともに、不必要に厚くなり、生産性や作業性が低下するため好ましくない。
<第一色調補正層>
第一色調補正層は、第二色調補正層との屈折率の相対関係によって、互いに協働して色調補正フィルムないし透明導電性フィルムの色調を調整(透過色の着色を抑制)する層である。第一色調補正層は、金属酸化物微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる第一色調補正層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。
金属酸化物微粒子は、ハードコート層にて使用する金属酸化物微粒子と同種のものを使用すればよい。金属酸化物微粒子は、第一色調補正層中に30〜90質量部含まれることが好ましく、より好ましくは35〜75質量部である。金属酸化物微粒子の含有量が30質量部未満では、第一色調補正層の屈折率が後述の範囲外となるため好ましくない。一方、金属酸化物微粒子の含有量が90質量部を超えると、塗膜に対する金属酸化物微粒子の相対量が多くなり、塗膜がもろくなるため好ましくない。
また、バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂も、ハードコート層で使用する活性エネルギー線硬化型樹脂と同種のものを使用すればよい。活性エネルギー線硬化型樹脂は、第一色調補正層中に10〜70質量部含まれることが好ましく、より好ましくは25〜65質量部である。活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が10質量部未満では、塗膜に対する活性エネルギー線硬化型樹脂の相対量が少なく塗膜がもろくなるため好ましくない。一方、活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が質量部を超えると、第一色調補正層の屈折率が後述の範囲外となるため好ましくない。
さらに、第一色調補正層は光重合開始剤も含む。当該光重合開始剤もハードコート層で使用する光重合開始剤と同種のものを使用すればよい。光重合開始剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂と金属酸化物微粒子との合計100質量部に対して、第一色調補正層中に0.1〜10質量部含まれる。光重合開始剤の含有量が0.1質量部未満では、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の含有量が10質量部を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。第一色調補正層用塗液の溶媒も、ハードコート層で使用する溶媒と同種のものを使用すればよい。
第一色調補正層は、金属酸化物微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂をそれぞれ上記範囲で含むことによって、屈折率が1.59〜1.82になるように形成される。さらに、第一色調補正層の乾燥硬化後の膜厚は25〜90nmであることが必要である。第一色調補正層の屈折率、膜厚が上記の範囲外では、JIS Z 8729に規定されているL*a*b*表色系における透過色のb*の値が大きくなり、透明導電性フィルムの透過色の黄色味の着色が明瞭に認識されるようになる。
<第二色調補正層>
第二色調補正層は、第一色調補正層との屈折率の相対関係によって、互いに協働して色調補正フィルムないし透明導電性フィルムの色調を調整(透過色の着色を抑制)する層である。第二色調補正層は、シリカ微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる第二色調補正層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。
シリカ微粒子は、ハードコート層にて使用するシリカ微粒子と同種のものを使用すればよい。シリカ微粒子は、第二色調補正層中に20〜90質量部含まれることが好ましく、より好ましくは30〜85質量部である。シリカ微粒子の含有量が20質量部未満では、第二色調補正層の屈折率を後述の範囲とすることが出来ない。一方、シリカ微粒子の含有量が90質量部より多いと、塗膜強度が弱くなるため好ましくない。
また、バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂は、屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、ハードコート層で使用する活性エネルギー線硬化型樹脂と同種のものを使用すればよい。活性エネルギー線硬化型樹脂は、第二色調補正層中に10〜80質量部含まれることが好ましく、より好ましくは15〜70質量部である。活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が10質量部未満では、塗膜に対する活性エネルギー線硬化型樹脂の相対量が少なく塗膜がもろくなるため好ましくない。一方、活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が80質量部を超えると、第二色調補正層の屈折率が後述後の範囲外となるため好ましくない。
さらに、第二色調補正層は光重合開始剤も含む。当該光重合開始剤もハードコート層で使用する光重合開始剤と同種のものを使用すればよい。光重合開始剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂とシリカ微粒子との合計100質量部に対して、第二色調補正層中に0.1〜10wt%含まれることが好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1質量部未満では、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の含有量が10質量部を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。第二色調補正層用塗液の溶媒も、ハードコート層で使用する溶媒と同種のものを使用すればよい。
第二色調補正層は、シリカ微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂をそれぞれ上記範囲で含むことによって、屈折率が1.32〜1.52になるように形成される。さらに、第二色調補正層の乾燥硬化後の膜厚は10〜55nmであることが必要である。第二色調補正層の屈折率、膜厚が上記の範囲外では、JIS Z 8729に規定されているL*a*b*表色系における透過色のb*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味の着色が明瞭に認識されるようになる。
<低屈折率層>
低屈折率層は、透明基材フィルムとの相対関係によって、反射を低減することで透過率を向上する層である。低屈折率層は、シリカ微粒子と、活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる低屈折率層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。
シリカ微粒子は、屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。シリカ微粒子は、ハードコート層、第二色調調整層にて使用するシリカ微粒子と同種のものを使用すればよい。シリカ微粒子は、低屈折率層中に20〜90質量部含まれることが好ましく、より好ましくは20〜85質量部である。シリカ微粒子の含有量が20質量部未満では、低屈折率層の屈折率を後述の範囲とすることが出来ない。一方、シリカ微粒子の含有量が90質量部より多いと、塗膜強度が弱くなるため好ましくない。
また、バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂は、屈折率が1.40〜1.70であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、ハードコート層で使用する活性エネルギー線硬化型樹脂と同種のものを使用すればよい。活性エネルギー線硬化型樹脂は、低屈折率層中に10〜80質量部含まれることが好ましく、より好ましくは15〜80質量部である。活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が10質量部未満では、塗膜に対する活性エネルギー線硬化型樹脂の相対量が少なく塗膜がもろくなるため好ましくない。一方、活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が80質量部を超えると、低屈折率層の屈折率が後述の範囲外となるため好ましくない。ここで、シリカ微粒子は、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤等により表面を修飾してもよい。(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤等でシリカ微粒子表面を修飾することにより、活性エネルギー線硬化型樹脂との共有結合が生じ、塗膜強度が強くなる傾向が見られる。
さらに、低屈折率層は光重合開始剤も含む。当該光重合開始剤もハードコート層で使用する光重合開始剤と同種のものを使用すればよい。光重合開始剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂とシリカ微粒子との合計100質量部に対して、低屈折率層中に0.1〜10質量部含まれることが好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1質量部未満では、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の含有量が10質量部を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。低屈折率層用塗液の溶媒も、ハードコート層で使用する溶媒と同種のものを使用すればよい。
低屈折率層は、屈折率が後述の範囲を外れない範囲で、その他の添加剤を含有していても良い。その他の添加剤としては、表面調整剤や防汚剤、スリップ剤等が挙げられる。
低屈折率層は、シリカ微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂をそれぞれ上記範囲で含むことによって、屈折率が1.32〜1.44になるように形成される。さらに、低屈折率層の乾燥硬化後の膜厚は50〜130nmであることが必要である。低屈折率層の屈折率が1.32未満の場合は、塗膜中のシリカ微粒子の割合が多くなり、ヘイズ値が上昇してしまう。また、低屈折率層の屈折率が1.44より大きい場合は、反射低減機能が落ちるため全光線透過率が低くなってしまう。更に、低屈折率層の膜厚が上記の範囲外でも、反射低減機能が落ちるため全光線透過率が低くなってしまう。
<ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層及び低屈折率層の形成>
ハードコート層は、透明基材フィルムにハードコート層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。
一方、第一色調補正層は、形成されたハードコート層上に第一色調補正層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。また、第二色調補正層は、形成された第一色調補正層上に第二色調補正層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。更に、低屈折率層は、ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層とは反対側の面に低屈折率層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成することができる。ハードコート層用塗液、第一色調補正層用塗液、第二色調補正層用塗液、低屈折率層用塗液の塗布方法は特に制限されず、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用できる。また、活性エネルギー線の種類は特に制限されないが、利便性等の観点から紫外線を用いることが好ましい。尚、各ハードコート層の透明基材フィルムに対する密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことも可能である。
《透明導電性フィルム》
透明導電性フィルムは、色調補正フィルムの第二色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層を積層した構成である。すなわち、透明導電性フィルムは、上(表側)から錫ドープ酸化インジウム層、第二色調補正層、第一色調補正層、ハードコート層、透明基材フィルム、低屈折率層が順に積層した構成である。
<錫ドープ酸化インジウム層>
第二色調補正層の上に積層される錫ドープ酸化インジウム層(以下、ITO層と略することがある)は透明導電層であり、屈折率が1.85〜2.35である。屈折率がこの範囲を外れると、第一色調補正層及び第二色調補正層との光学干渉が適切に作用しなくなるため、透明導電性フィルムの透過色が着色を呈し、全光線透過率も低下する。また、ITO層の膜厚は5〜50nm、好ましくは15〜50nmである。膜厚が5nmより薄い場合は、均一に成膜することが難しく、安定した抵抗が得られないため好ましくない。また、膜厚が50nmより厚い場合は、ITO層自身による光の吸収が強くなり、透過色の着色低減効果が薄れると共に、全光線透過率が小さくなる傾向があるため好ましくない。
<錫ドープ酸化インジウム層の形成>
錫ドープ酸化インジウム層の製膜方法は特に限定されず、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法を採用できる。これらの中では、層の厚み制御の観点より蒸着法及びスパッタリング法が特に好ましい。尚、錫ドープ酸化インジウム層を形成した後、必要に応じて、100〜200℃の範囲内でアニール処理を施して結晶化することができる。具体的には、高い温度で結晶化すると錫ドープ酸化インジウム層の屈折率は小さくなる傾向を示す。従って、錫ドープ酸化インジウム層の屈折率は、アニール処理の温度と時間を制御することで調整可能である。
このような錫ドープ酸化インジウム層が積層された透明導電性フィルムの透過光の着色は、JISZ 8729に規定されるL*a*b*表色系のb*で評価でき、−1.0≦b*≦1.0である。b*>1.0の場合、透明導電性フィルムが黄色に着色して見えてしまう問題がある。一方、b*<−1.0の場合、透明導電性フィルムが青色に着色して見えてしまう問題がある。
同時に、透明導電性フィルムの全光線透過率は、92.5%以上である。全光線透過率が92.5%未満の場合、タッチパネルなどの部材に使用した時に輝度が悪化するため好ましくない。また、透明導電性フィルムのヘイズ値は、1%未満である。ヘイズ値が1%以上の場合透明性が低下し、タッチパネルなどの部材に使用した時に表示画像の視認性が悪化するため好ましくない。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。
まず、ハードコート層用塗液、第一色調補正層用塗液、第二色調補正層用塗液、低屈折率層用塗液を調製し、各液を用いて形成される層の屈折率を次の方法にて測定した。
<屈折率(ITO層以外の層)>
(1)屈折率が1.67のPETフィルム(商品名「A4100」、東洋紡績株式会社製)上に、ディップコーター(杉山元理化学機器株式会社製)により、各層用塗液をそれぞれ乾燥硬化後の膜厚で100〜1000nm程度になるように層の厚さを調整して塗布した。
(2)乾燥後、紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製)により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射して硬化した。硬化後のPETフィルム裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを反射分光膜厚計(「FE-3000」、大塚電子株式会社製)により、反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルより読み取った反射率から、下記に示すn-Cauchyの波長分散式(式1)の定数を求め、光の波長589nmにおける屈折率を求めた。
N(λ)=a/λ+b/λ+c (式1)
(N:屈折率、λ:波長、a、b、c:波長分散定数)
〔ハードコート層用塗液の調製〕
ハードコート層用塗液として次の原料を使用し、各原料を下記表1に記載した組成にて、微粒子成分(シリカ微粒子又は金属酸化物微粒子)及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒を、質量比で100:5:200の割合で混合し、第一色調補正層用塗液HC1−1〜HC1−3を調製した。各原料としては、シリカ微粒子として、日揮触媒化成(株)製アクリル修飾中空シリカ微粒子スルーリアNAUを使用した。また、金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウム微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 ZRMEK25%−F47)を使用した。活性エネルギー線硬化型樹脂として、6官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業(株)製紫光UV−7600B)または日本化薬(株)製DPHAを使用した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE184(I−184)を使用した。また溶媒としてメチルイソブチルケトンを使用した。
得られたハードコート層用塗液HC1−1〜HC1−3を用いて形成されるハードコート層の屈折率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0006171299
〔第一色調補正層用塗液の調製〕
第一色調補正層用塗液として次の原料を使用し、各原料を下記表2に記載した組成にて、金属酸化物微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒を、質量比で100:5:1000の割合で混合し、第一色調補正層用塗液C1−1〜C1−5を調製した。各原料としては、金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウム微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 ZRMEK25%−F47)または酸化チタン微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 RTTMIBK15WT%−N24)を使用した。活性エネルギー線硬化型樹脂として、6官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業(株)製紫光UV−7600B)を使用した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE184(I−184)を使用した。また溶媒としてメチルイソブチルケトンを使用した。
得られた第一色調補正層用塗液C1−1〜C1−5を用いて形成される色調補正層の屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0006171299
〔第二色調補正層用塗液の調製〕
第二色調補正層用塗液として次の原料を使用し、各原料を下記表3に記載した組成にて、微粒子成分(シリカ微粒子又は金属酸化物微粒子)及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒を、質量比で100:5:4000の割合で混合して、第二色調補正層用塗液C2−1〜C2−5を調製した。各原料としては、シリカ微粒子として、扶桑化学工業(株)製PL−1または日揮触媒化成(株)製 アクリル修飾中空シリカ微粒子スルーリアNAUを使用した。また金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウム微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 ZRMEK25%−F47)を使用した。また活性エネルギー線硬化型樹脂として、日本化薬(株)製DPHAを使用した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE907(I−907)を使用した。そして溶媒として、イソプロピルアルコールを使用した。
得られた第二色調補正層用塗液C2−1〜C2−5を用いて形成される色調補正層の屈折率を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0006171299
〔低屈折率層用塗液の調製〕
低屈折率層用塗液として次の原料を使用し、各原料を下記表4に記載した組成にて、微粒子成分(中空シリカ微粒子又は金属酸化物微粒子)成分及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒を、質量比で100:5:4000の割合で混合して、低屈折率層用塗液L1−1〜L1−5を調製した。各原料としては、中空シリカ微粒子として、日揮触媒化成(株)製アクリル修飾中空シリカ微粒子スルーリアNAUを使用した。また、金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウム微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 ZRMEK25%−F47)を使用した。また、活性エネルギー線硬化型樹脂:日本化薬(株)製 DPHAを使用した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE907(I−907)を使用した。そして溶媒として、イソプロピルアルコールを使用した。
得られた低屈折率層用塗液L1−1〜L1−5を用いて形成される低屈折率層の屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0006171299
参考例1−1)
屈折率が1.67、厚さ125μmのPETフィルムの一方面に、ハードコート層用塗液(HC1−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることによりハードコート層を形成した。
上記ハードコート層上に、第一色調補正層用塗液(C1−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第一色調補正層を形成した。上記第一色調補正層上に、第二色調補正層用塗液(C2−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第二色調補正層を形成した。
PETフィルムの他方面(ハードコート層の反対面)に、低屈折率層用塗液(L1−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより低屈折率層を形成し、色調補正フィルム(S1−1)を作製した(各層の膜厚は下記表5を参照)。
参考例1−2〜参考例1−17)
ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、低屈折率層を下記表5に記載した塗液及び膜厚とした以外は、参考例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S1−2〜S1−17)を作製した。
Figure 0006171299
(比較例1−1〜比較例1−13)
ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、低屈折率層を下記表6に記載した塗液及び膜厚とした以外は、参考例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S’1−1〜S’1−13)を作製した。
Figure 0006171299
(実施例2−1)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上に、インジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、30分のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムについて、透過色b*、全光線透過率、ヘイズ値を次の方法で測定した。その結果を下記表7に示す。
<透過色>
色差計(「SQ−2000」、日本電色工業株式会社製)を用いて透明導電性フィルムの透過色、b*を測定した。このb*は、JISZ 8729に規定されているL*a*b*表色系における値である。
<全光線透過率・ヘイズ値>
ヘイズメーター(「NDH2000」、日本電色工業株式会社製)により透明導電性フィルムの全光線透過率(%)及びヘイズ値を測定した。
(実施例2−2〜実施例2−20)
表5に記載された各色調補正フィルム(S1−2〜S1−17)を用い、実施例2−1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
(実施例2−18)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、2時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(実施例2−19)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、100℃、1時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(実施例2−20)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が50nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、30分のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
得られた実施例2−2〜実施例2−20の透明導電性フィルムについて、実施例2−1と同様に透過色b*、全光線透過率、ヘイズ値を測定した。その結果を下記表7に示す。
Figure 0006171299
(比較例2−1〜比較例2−13)
表6に記載された各色調補正フィルム(S’1−1〜S’1−13)を用い、実施例2−1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
(比較例2−14)
上記色調補正フィルム(S’1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、2時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(比較例2−15)
上記色調補正フィルム(S’1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、100℃、1時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(比較例2−16)
上記色調補正フィルム(S’1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が50nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、30分のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
得られた比較例2−1〜比較例2−16の透明導電性フィルムについて、実施例2−1と同様に透過色b*、全光線透過率、ヘイズ値を測定した。その結果を下記表8に示す。
Figure 0006171299
また、実施例2−1〜実施例2−20及び比較例2−1〜比較例2−16の透明導電性フィルムについて、ITO層の屈折率を次の方法にて測定し、その結果を上記表7,8に併記する。
<屈折率(ITO層)>
(1)屈折率が1.67のPETフィルム(商品名「A4100」、東洋紡績株式会社製)上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行い、実膜厚20nmの透明導電層としての錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、下記実施例および比較例のそれぞれの条件でアニーリングを施し、透明導電性フィルムを作製した。
(2)上記透明導電性フィルム裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを反射分光膜厚計(「FE-3000」、大塚電子株式会社製)により、反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルより読み取った反射率から、上記(式1)を用いて、光の波長589nmにおける屈折率を求めた。
なお、各表(後述)に記載の各層の屈折率は、上記屈折率測定用サンプルから求めた屈折率である。
(結果および考察)
実施例2−1〜実施例2−18(表7)の結果から明らかなように、ハードコート層の屈折率を1.49〜1.54とし、第一色調補正層の屈折率を1.59〜1.82、膜厚を25〜90nmとし、第二色調補正層の屈折率を1.32〜1.52、膜厚を10〜55nmとし、低屈折率層の屈折率を1.32〜1.44、膜厚が50〜130nmとし、且つITO層の屈折率を1.85〜2.35、膜厚を5〜50nmとすると、透過色b*の値が小さく、透明導電性フィルムの着色を十分に抑え、更に、優れた全光線透過率を実現することが出来た。
その一方、比較例2−1〜2−7、比較例2−14〜2−16(表8)では、各色調補正層、又は錫ドープ酸化インジウム層の屈折率、及び膜厚のいずれかが上記範囲を外れており、透過色b*の値が大きく透明導電性フィルムが着色する、若しくは、全光線透過率が低くなった。
比較例2−8、2−9、2−11〜2−13(表8)では、低屈折率層の屈折率、膜厚が上記範囲外もしくは低屈折率層が積層されていないため、全光線透過率が十分高くならなかった。これに対し、比較例2−10では、低屈折率層の屈折率が1.30であって(表6参照)上記範囲を外れていたが、着色を抑制し、優れた全光線透過率を実現することができた。しかしながら、低屈折率層中の中空シリカの割合が多くなっているため、ヘイズ値が高くなった。


Claims (1)

  1. 透明基材フィルムの一方面に、ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、錫ドープ酸化インジウム層がこの順に積層され、前記透明基材フィルムの他方面に、低屈折率層が積層されており、
    前記ハードコート層は、屈折率が1.49〜1.54、膜厚が1.3〜3.5μmであり、
    前記第一色調補正層は、屈折率が1.59〜1.82、膜厚が25〜90nmであり、
    前記第二色調補正層は、屈折率が1.32〜1.52、膜厚が10〜55nmであり、
    前記低屈折率層は、屈折率が1.32〜1.44、膜厚が50〜130nmであり、
    前記錫ドープ酸化インジウム層は、屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmであり、
    全光線透過率が92.5%以上であり、
    JIS Z8729で規定されるL*a*b*表色系における透過色のb*が−1.0〜1.0である、透明導電性フィルム
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