JP2014145750A - 乳試料中の測定対象物質の比色測定方法、乳試料の前処理の方法及び試薬、並びに乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法 - Google Patents
乳試料中の測定対象物質の比色測定方法、乳試料の前処理の方法及び試薬、並びに乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】乳試料中の測定対象物質の比色測定に当たり、乳試料と界面活性物質を接触させることを特徴とするものである。
【選択図】なし
Description
また、本発明は、乳試料の前処理の方法及び試薬であって、乳試料においてもそれに含まれる測定対象物質を正確に比色測定することができる試料の前処理の方法及び試薬に関するものである。
更に、本発明は、乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法であって、乳試料においてもそれに含まれる測定対象物質を正確に比色測定することができる方法に関するものである。
このため、母乳中に含まれる物質、例えば、栄養や免疫等に関する物質を測定し、その濃度等を把握することは、乳児の健康のため重要である。
また、母乳中に含まれる細菌、ウイルス又は毒物等を測定することも、乳児の健康のため重要である。
また、母乳中に含まれる物質を測定することにより、母親の健康状態や栄養状態を把握することもできる。
同様の理由により、粉ミルク等の人工乳に含まれる物質を測定することも重要である。
そして、哺乳動物の乳に含まれる物質を測定することも、また重要である。
すなわち、乳試料中の測定対象物質の比色測定においては、正確な測定結果(測定値)を得ることができないものであった。
しかし、乳試料中の測定対象物質を比色測定するばあい、測定しようとする吸光度値がこの分光光度計の測定上限を超えてしまうことが多く、この場合測定不能又は測定不良となってしまうのである。
このため、乳試料中の測定対象物質を比色測定しようとしても、正確な測定結果(測定値)を得ることができないことが多々あった。
このため、例えば、医療の場における臨床検査等において、乳試料中の測定対象物質の比色測定の測定結果(測定値)を乳児の診断や育児等に利用しようとしても、それがかなわないものであった。
また、本発明の課題は、乳試料の前処理の方法及び試薬であって、乳試料においてもそれに含まれる測定対象物質を正確に比色測定することができる試料の前処理の方法及び試薬を提供することである。
更に、本発明の課題は、乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法であって、乳試料においてもそれに含まれる測定対象物質を正確に比色測定することができる方法を提供することである。
(1) 乳試料中の測定対象物質を比色測定する方法において、乳試料と界面活性物質を接触させる工程を含むことを特徴とする、乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
(2) 界面活性物質が非イオン性界面活性剤である、前記(1)記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
(3) 界面活性物質がポリオキシアルキレン化合物である、前記(1)又は(2)記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
(4) 界面活性物質がポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルである、前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
(5) 界面活性物質がHLB値が12〜16の界面活性物質である、前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
(6) 界面活性物質がポリオキシアルキレンの平均付加モル数が5.5〜8.5のポリオキシアルキレン化合物である、前記(1)〜(5)のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
(7) 乳試料と界面活性物質を接触させる工程の後に、測定対象物質の比色測定を行う、前記(1)〜(6)のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
(8) 測定対象物質が金属イオンである、前記(1)〜(7)のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
(9) 乳試料がヒトの乳である、前記(1)〜(8)のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
(10) 乳試料と界面活性物質を接触させる工程が、乳試料に由来する比色測定への影響を抑制するためのものである、前記(1)〜(9)のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
(11) 乳試料中の測定対象物質の比色測定を行う前に、乳試料と界面活性物質を接触させる、乳試料の前処理方法。
(12) 界面活性物質が非イオン性界面活性剤である、前記(11)記載の乳試料の前処理方法。
(13) 界面活性物質がポリオキシアルキレン化合物である、前記(11)又は(12)記載の乳試料の前処理方法。
(14) 界面活性物質がポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルである、前記(11)〜(13)のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
(15) 界面活性物質がHLB値が12〜16の界面活性物質である、前記(11)〜(14)のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
(16) 界面活性物質がポリオキシアルキレンの平均付加モル数が5.5〜8.5のポリオキシアルキレン化合物である、前記(11)〜(15)のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
(17) 測定対象物質が金属イオンである、前記(11)〜(16)のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
(18) 乳試料がヒトの乳である、前記(11)〜(17)のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
(19) 乳試料に由来する比色測定への影響を抑制するためのものである、前記(11)〜(18)のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
(20) 界面活性物質を含有する、乳試料の前処理試薬。
(21) 界面活性物質が非イオン性界面活性剤である、前記(20)記載の乳試料の前処理試薬。
(22) 界面活性物質がポリオキシアルキレン化合物である、前記(20)又は(21)記載の乳試料の前処理試薬。
(23) 界面活性物質がポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルである、前記(20)〜(22)のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
(24) 界面活性物質がHLB値が12〜16の界面活性物質である、前記(20)〜(23)のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
(25) 界面活性物質がポリオキシアルキレンの平均付加モル数が5.5〜8.5のポリオキシアルキレン化合物である、前記(20)〜(24)のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
(26) 乳試料中の測定対象物質の比色測定を行う前に、乳試料と接触させて用いる、前記(20)〜(25)のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
(27) 測定対象物質が金属イオンである、前記(20)〜(26)のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
(28) 乳試料がヒトの乳である、前記(20)〜(27)のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
(29) 乳試料に由来する比色測定への影響を抑制するためのものである、前記(20)〜(28)のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
(30) 乳試料中の測定対象物質の比色測定を行うに当たり、乳試料と界面活性物質を接触させることを特徴とする、乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
(31) 界面活性物質が非イオン性界面活性剤である、前記(30)記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
(32) 界面活性物質がポリオキシアルキレン化合物である、前記(30)又は(31)記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
(33) 界面活性物質がポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルである、前記(30)〜(32)のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
(34) 界面活性物質がHLB値が12〜16の界面活性物質である、前記(30)〜(33)のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
(35) 界面活性物質がポリオキシアルキレンの平均付加モル数が5.5〜8.5のポリオキシアルキレン化合物である、前記(30)〜(34)のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
(36) 測定対象物質が金属イオンである、前記(30)〜(35)のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
(37) 乳試料がヒトの乳である、前記(30)〜(36)のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
(38) 乳試料に由来する比色測定への影響を抑制するためのものである、前記(30)〜(37)のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
1.総論
本発明の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法は、乳試料中の測定対象物質を比色測定する方法において、乳試料と界面活性物質を接触させる工程を含むことを特徴とするものである。
(1)総論
本発明の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法においては、乳試料中の測定対象物質を比色測定する方法において、乳試料と界面活性物質を接触させる工程を含む。
本発明において、界面活性物質とは、親水基及び疎水基を有し、界面活性を有する物質をいう。
本発明においては、乳試料中の測定対象物質を比色測定する方法において、乳試料と界面活性物質を接触させる工程を含むことを特徴とするものであって、この界面活性物質の濃度は、特に限定されないが、乳試料と界面活性物質を接触させる時に、0.1%(w/v)以上であることが好ましい。
本発明においては、乳試料と界面活性物質を接触させることにより、当該乳試料が希釈されることが好ましい。
本発明において、界面活性物質は、1種類のものを乳試料と接触させてもよく、又は複数種類のものを乳試料と接触させてもよい。
(1)総論
本発明の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法は、乳試料中の測定対象物質を比色測定する方法において、乳試料と界面活性物質を接触させる工程を含むことを特徴とするものである。
本発明の特徴である、乳試料と界面活性物質を接触させる工程を実施することにより、公知又は通常の試料中の測定対象物質を比色測定する方法等においても、特に限定なく、乳試料に含まれる測定対象物質を正確に測定することができる。
本発明における乳試料は、測定対象物質を含む可能性がある乳試料であって、この測定対象物質を比色測定しようとするものである。
もし、測定対象物質を含む乳試料が液体でない場合には、抽出処理又は可溶化処理等の処理を公知の方法に従って行ない、測定対象物質を液体中に含有させるようにしてもよい。
本発明における測定対象物質は、乳試料に含まれ、乳試料中における存在の有無又は量若しくは濃度等を比色測定しようとする物質である。
このようなものであれば、測定対象物質として特に限定はない。
まず、錯体形成反応により測定を行うことができる測定対象物質としては、例えば、亜鉛、カルシウム、鉄、銅、アルミニウム、若しくはマグネシウムなどの金属イオン、又は不飽和鉄結合能(UIBC)若しくは総鉄結合能(TIBC)等を挙げることができる。
本発明の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法において、pHは特に限定されないが、乳試料に含まれる測定対象物質や当該比色測定の反応に係わる成分が変性、失活、変質又は分解等をせず、かつ測定対象物質の当該比色測定の反応が進むpHであればよい。
本発明においては、乳試料と界面活性物質を接触させる際に、緩衝剤、安定化剤、アジ化ナトリウム若しくは抗生物質などの防腐剤、試料若しくは試薬成分などに含まれる他の測定妨害物質の消去剤若しくは影響抑制剤、又は活性化剤等を適宜必要に応じて存在させることができる。
本発明により乳試料中の測定対象物質の比色測定を行う場合、測定は終点法(エンドポイント法)又は反応速度法(レート法)等の方法を適宜選択して測定を行えばよい。
本発明における乳試料中の測定対象物質の比色測定方法、乳試料の前処理方法、乳試料の前処理試薬、及び乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法の具体例として、乳試料中の亜鉛の測定を例に挙げて以下記載する。
(i)乳試料の前処理試薬
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬を調製した。
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、亜鉛測定用第1試薬を調製した。
非イオン性界面活性剤 1%(w/v)
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、亜鉛測定用第2試薬を調製した。
(i)標準液
1g/Lの亜鉛標準液を、0.01N塩酸で亜鉛濃度が200μg/dLになるように希釈したものを標準液とした。
試薬盲検(試薬ブランク)を測定するため、対照として精製水を用いた。
ヒトの乳(ヒト母乳)を乳試料として用いた。
(i)第1段階
前記の乳試料と前記の「乳試料の前処理試薬」(界面活性物質を含有する)を混合し、前記の乳試料と「乳試料の前処理試薬」の混合液(第1混合液)を調製し、これにより前記の乳試料と界面活性物質を接触させ、乳試料の前処理を行なう。
当該希釈倍率の好ましい範囲については、先に述べた通りである。
このインキュベートの時間は、特に制限はないのであるが、通常は5秒以上であることが好ましく、10秒以上であることがより好ましく、30秒以上であることが特に好ましい。
なお、一般的に測定反応時の温度は、高い程、反応速度が高くなるので好ましい。
しかし、温度が高すぎると測定対象物質又は界面活性物質等が変性、失活、変質又は分解等してしまう可能性があるので、インキュベートする際の温度は、これらの物質等が変性、失活、変質又は分解等する温度未満の温度とする必要がある。
このインキュベートする際の温度は、通常は2〜70℃であるが、5〜50℃が好ましく、15〜40℃がより好ましい。
前記の第1混合液と、前記の亜鉛測定用第1試薬とを混合して、混合液(第2混合液)を調製する。
なお、一般的には、例えば、前記の亜鉛測定用第1試薬に混合させる前記の第1混合液の量は0.5〜100μL、前記の亜鉛測定用第1試薬の量は20〜1,000μLの範囲のもの等とすることが好ましい。
このインキュベートの時間は、特に制限はないのであるが、通常は1分以上であることが好ましく、3分以上であることがより好ましく、5分以上であることが特に好ましい。
なお、一般的に測定反応時の温度は、高い程、反応速度が高くなるので好ましい。
しかし、温度が高すぎると測定対象物質、界面活性物質又は測定反応に係わる成分等が変性、失活、変質又は分解等してしまう可能性があるので、インキュベートする際の温度は、これらの物質又は成分等が変性、失活、変質又は分解等する温度未満の温度とする必要がある。
このインキュベートする際の温度は、通常は2〜70℃であるが、20〜37℃が好ましく、30〜37℃がより好ましい。
なお、測定反応に係わる成分等が耐熱性の物であれば更に高温でもよい。
前記の第2段階で調製した第2混合液に、前記の亜鉛測定用第2試薬を混合し、混合液(第3混合液)を調製する。これを最終反応液とする。
なお、一般的には、例えば、前記の亜鉛測定用第2試薬の量は10〜1,000μLの範囲のもの等とすることが好ましい。
このインキュベートの時間は、特に制限はないのであるが、通常は1分以上であることが好ましく、3分以上であることがより好ましく、5分以上であることが特に好ましい。
なお、一般的に測定反応時の温度は、高い程、反応速度が高くなるので好ましい。
しかし、温度が高すぎると測定対象物質、界面活性物質又は測定反応に係わる成分等が変性、失活、変質又は分解等してしまう可能性があるので、インキュベートする際の温度は、これらの物質又は成分等が変性、失活、変質又は分解等する温度未満の温度とする必要がある。
このインキュベートする際の温度は、通常は2〜70℃であるが、20〜37℃が好ましく、30〜37℃がより好ましい。
なお、測定反応に係わる成分等が耐熱性の物であれば更に高温でもよい。
なお、この吸光度(又は透過率)の測定は、一つの波長においてのみ行う一波長法でもよく、又は二つの波長においてそれぞれ行う二波長法でもよく、適宜選択して行えばよい。
また、吸光度(又は透過率)の測定を行う波長についても、そのキレート発色剤の発色の吸収波長に応じて、適宜選択すればよい。
そして、吸光度(若しくは透過率)の測定は、終点法(エンドポイント法)又は反応速度法(レート法)等の方法を適宜選択して行えばよい。
例えば、前記(i)の第1段階を用手法により行い、前記(ii)の第2段階と前記(iii)の第3段階を自動分析装置等の装置を使用して行ってもよい。
また、例えば、前記(i)の第1段階、前記(ii)の第2段階及び前記(iii)の第3段階の全ての段階を自動分析装置等の装置を使用して、完全に全自動で行ってもよい。
1.総論
本発明の乳試料の前処理方法は、乳試料中の測定対象物質の比色測定を行う前に、乳試料と界面活性物質を接触させるものである。
界面活性物質、及び乳試料中の測定対象物質の比色測定を行う前の乳試料と界面活性物質の接触等については、前記の「〔1〕乳試料中の測定対象物質の比色測定方法」の「2.界面活性物質」に記載した通りである。
乳試料中の測定対象物質の比色測定については、前記の「〔1〕乳試料中の測定対象物質の比色測定方法」の「3.乳試料中の測定対象物質の比色測定」に記載した通りである。
1.総論
本発明の乳試料の前処理試薬は、界面活性物質を含有するものである。
界面活性物質、及び乳試料中の測定対象物質の比色測定を行う前の乳試料と界面活性物質の接触等については、前記の「〔1〕乳試料中の測定対象物質の比色測定方法」の「2.界面活性物質」に記載した通りである。
乳試料中の測定対象物質の比色測定については、前記の「〔1〕乳試料中の測定対象物質の比色測定方法」の「3.乳試料中の測定対象物質の比色測定」に記載した通りである。
本発明の乳試料の前処理試薬は、液状のものであってもよく、凍結乾燥されたものであってもよく、粉状や固形状などの固体状のものであってもよく、又はこれらを組み合わせたものであってよい。
1.総論
本発明の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法は、乳試料中の測定対象物質の比色測定を行う前に、乳試料と界面活性物質を接触させることを特徴とするものである。
界面活性物質、及び乳試料中の測定対象物質の比色測定を行うに当たっての乳試料と界面活性物質の接触等については、前記の「〔1〕乳試料中の測定対象物質の比色測定方法」の「2.界面活性物質」に記載した通りである。
乳試料中の測定対象物質の比色測定については、前記の「〔1〕乳試料中の測定対象物質の比色測定方法」の「3.乳試料中の測定対象物質の比色測定」に記載した通りである。
従来の試料中の測定対象物質の比色測定方法による乳試料中の測定対象物質の測定結果を確認するため、従来の試料中の亜鉛の比色測定方法により乳試料中の亜鉛の測定を行なった。
(1)亜鉛測定用第1試薬
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、亜鉛測定用第1試薬を調製した。
非イオン性界面活性剤 1%(w/v)
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、亜鉛測定用第2試薬を調製した。
(1)標準液
1g/Lの亜鉛標準液を、0.01N塩酸で亜鉛濃度が200μg/dLになるように希釈したものを標準液とした。
試薬盲検(試薬ブランク)を測定するため、対照として精製水を用いた。
下記のヒトの乳(ヒト母乳)11種類及び人工乳1種類をそれぞれ乳試料として用いた。
(2) 乳試料b 〔ヒトの乳(ヒト母乳)〕
(3) 乳試料c 〔ヒトの乳(ヒト母乳)〕
(4) 乳試料d 〔ヒトの乳(ヒト母乳)〕
(5) 乳試料e 〔ヒトの乳(ヒト母乳)〕
(6) 乳試料f 〔ヒトの乳(ヒト母乳)〕
(7) 乳試料g 〔ヒトの乳(ヒト母乳)〕
(8) 乳試料h 〔ヒトの乳(ヒト母乳)〕
(9) 乳試料i 〔ヒトの乳(ヒト母乳)〕
(10) 乳試料j 〔ヒトの乳(ヒト母乳)〕
(11) 乳試料k 〔ヒトの乳(ヒト母乳)〕
(12) 人工乳a 〔明治社(日本国)の粉ミルク「明治ほほえみ」をメーカー指定の方法により溶解し調製したもの〕
前記3の12種類の乳試料中の亜鉛の濃度を、前記1で調製した亜鉛測定用第1試薬及び亜鉛測定用第2試薬にて測定した。
前記3の12種類の乳試料中の亜鉛の濃度を、ICP発光分析法にて測定した。
なお、この混合液の調製により、当該乳試料は、51倍の希釈倍率で希釈されたことになる。
次に、前記の混合液の3.06mLについて、イットリウムを内部標準物質として、島津製作所(日本国)のICPS−8100型ICP発光分析装置により測定を行なった。
前記4における従来の試料中の亜鉛の比色測定方法による測定結果及び前記5におけるICP発光分析法による測定結果の各々を表1に示した。
但し、従来の試料中の亜鉛の比色測定方法による測定結果の欄に「測定不能」と表したものは、吸光度が当該自動分析装置の分光光度計の測定上限を超えてしまい、当該自動分析装置の測定結果の出力に測定不能である旨が表示されたものを示す。
また、従来の試料中の亜鉛の比色測定方法による測定結果の欄の(カッコ)内のパーセントの値は、従来の試料中の亜鉛の比色測定方法による測定値を、同一の乳試料におけるICP発光分析法による測定値で除したときの百分率を示す。
本発明の乳試料の前処理方法及び前処理試薬等の効果を確かめた。
(1)乳試料の前処理試薬
(a)乳試料の前処理試薬〔精製水〕
乳試料の前処理試薬の効果を確認するための対照として、精製水を用いた。
この精製水を、乳試料の前処理試薬〔精製水〕とした。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔ブリッジ−35(2.5%)〕を調製した。
このポリオキシエチレンラウリルエーテルは、商品名ブリッジ−35(Brij−35)等として供給される。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔トリトンX−100(2.5%)〕を調製した。
このポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテルは、商品名トリトンX−100(Triton X−100)等として供給される。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔SDS(2.5%)〕を調製した。
このドデシル硫酸ナトリウムは、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、又はSDSとして供給される。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔BT−12(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔BT−9(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔BT−7(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔BT−5(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔BC−7(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔BL−4.2(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔NP−5(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔NP−7.5(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔NP−10(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔OP−8〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔OP−10(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔BC−10NR(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分を記載の濃度になるように純水に溶解して、乳試料の前処理試薬〔Decaglyn 1−LV EX(2.5%)〕を調製した。
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、亜鉛測定用第1試薬を調製した。
非イオン性界面活性剤 1%(w/v)
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、亜鉛測定用第2試薬を調製した。
(1)標準液
1g/Lの亜鉛標準液を、0.01N塩酸で亜鉛濃度が200μg/dLになるように希釈したものを標準液とした。
試薬盲検(試薬ブランク)を測定するため、対照として精製水を用いた。
ヒトの乳(ヒト母乳)を乳試料として用いた。
前記3の乳試料について、前記1で調製した、17種類の乳試料の前処理試薬のそれぞれ、亜鉛測定用第1試薬及び亜鉛測定用第2試薬にて比色測定した。
前記1の(1)の(a)〜(q)で調製した乳試料の前処理試薬のそれぞれについて、その200μLを前記3の乳試料の50μLと混合し、乳試料と乳試料の前処理試薬の混合液(計17種類)を調製した。
これにより、乳試料と、乳試料の前処理試薬に含まれていた界面活性物質を接触させ、乳試料の前処理を行った。
なお、この乳試料の前処理により、当該乳試料は、5倍の希釈倍率で希釈されたことになる。
前記(1)の乳試料と乳試料の前処理試薬に含まれていた界面活性物質の接触に続き、日立ハイテクノロジーズ社(日本国)の7180形自動分析装置を用い、前記(1)の17種類の乳試料と乳試料の前処理試薬の混合液のそれぞれについて、当該混合液の10μLに前記1の(2)で調製した亜鉛測定用第1試薬150μLを添加し混和した後37℃で5分間反応させ、この後、前記1の(3)で調製した亜鉛測定用第2試薬50μLを添加し、37℃で5分間反応させた。
前記4における乳試料の前処理に用いたそれぞれの乳試料の前処理試薬の効果を確認するため、前記4の(2)において測定した亜鉛測定用第1試薬の添加後4分30秒目(16ポイント目)の吸光度(主波長546nmにおける吸光度)の各々を表2に示した。
本発明の乳試料の前処理方法及び前処理試薬等の効果を再度確かめた。
(a)乳試料の前処理試薬〔精製水〕
前記の実施例1の1の(1)の(a)の乳試料の前処理試薬〔精製水〕を用いた。
前記の実施例1の1の(1)の(b)の乳試料の前処理試薬〔ブリッジ−35(2.5%)〕を用いた。
前記の実施例1の1の(1)の(c)の乳試料の前処理試薬〔トリトンX−100(2.5%)〕を用いた。
前記の実施例1の1の(1)の(d)の乳試料の前処理試薬〔SDS(2.5%)〕を用いた。
前記の実施例1の1の(1)の(e)の乳試料の前処理試薬〔BT−12(2.5%)〕を用いた。
前記の実施例1の1の(1)の(f)の乳試料の前処理試薬〔BT−9(2.5%)〕を用いた。
前記の実施例1の1の(1)の(g)の乳試料の前処理試薬〔BT−7(2.5%)〕を用いた。
前記の実施例1の1の(1)の(i)の乳試料の前処理試薬〔BC−7(2.5%)〕を用いた。
前記の実施例1の1の(1)の(j)の乳試料の前処理試薬〔BL−4.2(2.5%)〕を用いた。
その濃度を5.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(g)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔BT−7(5%)〕を調製した。
その濃度を5.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(k)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔NP−5(5%)〕を調製した。
その濃度を5.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(l)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔NP−7.5(5%)〕を調製した。
その濃度を5.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(p)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔BC−10NR(5%)〕を調製した。
その濃度を5.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(m)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔NP−10(5%)〕を調製した。
その濃度を5.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(q)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔Decaglyn 1−LV EX(5%)〕を調製した。
その濃度を5.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(o)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔OP−10(5%)〕を調製した。
その濃度を5.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(n)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔OP−8(5%)〕を調製した。
その濃度を0.3125%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(h)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔BT−5(0.3125%)〕を調製した。
その濃度を0.625%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(h)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔BT−5(0.625%)〕を調製した。
その濃度を1.25%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(h)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔BT−5(1.25%)〕を調製した。
その濃度を2.5%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(h)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔BT−5(2.5%)〕を調製した。
その濃度を5.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(h)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔BT−5(5%)〕を調製した。
その濃度を10.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(h)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔BT−5(10%)〕を調製した。
(1) 精製水 〔対照として精製水を用いた〕
(2) 乳試料l 〔ヒトの乳(ヒト母乳)〕
(3) 乳試料m〔人工乳である明治社(日本国)の粉ミルク「明治ほほえみ」をメーカー指定の方法により溶解し調製した場合の1/2の濃度になるように調製したもの〕
(4) 乳試料n〔人工乳である明治社(日本国)の粉ミルク「明治ほほえみ」をメーカー指定の方法により溶解し調製したもの〕
前記2の試料について、前記1で調製した23種類の乳試料の前処理試薬のそれぞれにより前処理を行った。
前記1の(a)〜(w)で調製した乳試料の前処理試薬のそれぞれについて、その200μLを前記2の試料の50μLとマイクロチューブの中で混合し、乳試料等と乳試料の前処理試薬の混合液を調製した。
これにより、乳試料等と、乳試料の前処理試薬に含まれていた界面活性物質を接触させ、乳試料等の前処理を行った。
なお、この乳試料等の前処理により、当該乳試料等は、5倍の希釈倍率で希釈されたことになる。
前記(1)において調製した、乳試料等と乳試料の前処理試薬の混合液の色調等を目視にて観察し、またこれを写真にて記録した。
前記3における乳試料等の前処理に用いたそれぞれの乳試料の前処理試薬の効果を確認するため、乳試料等と乳試料の前処理試薬の混合液の色調等を観察した結果の写真を図1〜図6に示した。
本発明の乳試料の前処理方法及び前処理試薬等の効果を更に確かめた。
(1)乳試料の前処理試薬
(a)乳試料の前処理試薬〔BT−7(0%)〕
乳試料の前処理試薬の効果を確認するための対照として、精製水を用いた。
この精製水を、乳試料の前処理試薬〔BT−7(0%)〕とした。
なお、この乳試料の前処理試薬〔BT−7(0%)〕は、前記の乳試料の前処理試薬〔精製水〕と同一内容のものである。
前記の実施例1の1の(1)の(g)の乳試料の前処理試薬〔BT−7(2.5%)〕を用いた。
その濃度を5.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(g)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔BT−7(5%)〕を調製した。
その濃度を10.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(g)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔BT−7(10%)〕を調製した。
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、亜鉛測定用第1試薬を調製した。
非イオン性界面活性剤 1%(w/v)
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、亜鉛測定用第2試薬を調製した。
(1)標準液
1g/Lの亜鉛標準液を、0.01N塩酸で亜鉛濃度が200μg/dLになるように希釈したものを標準液とした。
試薬盲検(試薬ブランク)を測定するため、対照として精製水を用いた。
ヒトの乳(ヒト母乳)を乳試料として用いた。
前記3の乳試料について、前記1で調製した、4種類の乳試料の前処理試薬のそれぞれ、亜鉛測定用第1試薬、及び亜鉛測定用第2試薬にて比色測定した。
前記1の(1)の(a)〜(d)で調製した乳試料の前処理試薬のそれぞれについて、その50μLを前記3の乳試料の50μLと混合し、乳試料と乳試料の前処理試薬の混合液(計4種類)を調製した。
これにより、乳試料と、乳試料の前処理試薬に含まれていた界面活性物質を接触させ、乳試料の前処理を行った。
なお、この乳試料の前処理により、当該乳試料は、2倍の希釈倍率で希釈されたことになる。
前記(1)の乳試料と乳試料の前処理試薬に含まれていた界面活性物質の接触に続き、日立ハイテクノロジーズ社(日本国)の7180形自動分析装置を用い、前記(1)の17種類の乳試料と乳試料の前処理試薬の混合液のそれぞれについて、当該混合液の10μLに前記1の(2)で調製した亜鉛測定用第1試薬150μLを添加し混和した後37℃で5分間反応させ、この後、前記1の(3)で調製した亜鉛測定用第2試薬50μLを添加し、37℃で5分間反応させた。
なお、この場合、当該混合液の調製により、前記の乳試料は、3倍の希釈倍率で希釈されたことになる。
なお、この場合、当該混合液の調製により、前記の乳試料は、5倍の希釈倍率で希釈されたことになる。
前記4における乳試料の前処理試薬による乳試料の前処理の効果を確認するため、前記4において測定した亜鉛測定用第1試薬の添加後4分30秒目(16ポイント目)の吸光度(主波長546nmにおける吸光度)を図7に示した。
これは、用いる乳試料の前処理試薬が「乳試料の前処理試薬〔BT−7(5%)〕」、そして「乳試料の前処理試薬〔BT−7(10%)〕」となるに従い顕著である。
ICP発光分析法との相関により、本発明の乳試料中の測定対象物質の測定方法の正確性を確かめた。
(1)乳試料の前処理試薬〔BT−7(5%)〕
その濃度を5.0%(w/v)になるように純水に溶解すること以外は、前記の実施例1の1の(1)の(g)の記載の通りに行い、乳試料の前処理試薬〔BT−7(5%)〕を調製した。
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、亜鉛測定用第1試薬を調製した。
非イオン性界面活性剤 1%(w/v)
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、亜鉛測定用第2試薬を調製した。
(1)標準液
1g/Lの亜鉛標準液を、0.01N塩酸で亜鉛濃度が200μg/dLになるように希釈したものを標準液とした。
試薬盲検(試薬ブランク)を測定するため、対照として精製水を用いた。
24種類のヒトの乳(ヒト母乳)をそれぞれ乳試料として用いた。
前記3の乳試料について、前記1で調製した、乳試料の前処理試〔BT−7(5%)〕、亜鉛測定用第1試薬、及び亜鉛測定用第2試薬にて比色測定した。
前記3の24種類の乳試料のそれぞれについて、その50μLを、前記1の(1)の乳試料の前処理試薬〔BT−7(5%)〕の200μLと混合し、乳試料と乳試料の前処理試薬の混合液(計24種類)を調製した。
これにより、乳試料と、乳試料の前処理試薬に含まれていた界面活性物質を接触させ、乳試料の前処理を行った。
なお、この乳試料の前処理により、当該乳試料は、5倍の希釈倍率で希釈されたことになる。
前記(1)の乳試料と乳試料の前処理試薬に含まれていた界面活性物質の接触に続き、日立ハイテクノロジーズ社(日本国)の7180形自動分析装置を用い、前記(1)の24種類の乳試料と乳試料の前処理試薬の混合液のそれぞれについて、当該混合液の10μLに前記1の(2)で調製した亜鉛測定用第1試薬150μLを添加し混和した後37℃で5分間反応させ、この後、前記1の(3)で調製した亜鉛測定用第2試薬50μLを添加し、37℃で5分間反応させた。
前記3の24種類の乳試料中の亜鉛の濃度を、ICP発光分析法にて測定した。
なお、この混合液の調製により、当該乳試料は、51倍の希釈倍率で希釈されたことになる。
次に、前記の混合液の3.06mLについて、イットリウムを内部標準物質として、島津製作所(日本国)のICPS−8100型ICP発光分析装置により測定を行なった。
前記4における本発明の乳試料中の亜鉛の比色測定方法による測定結果(測定値)と前記5におけるICP発光分析法による測定結果(測定値)の相関のグラフを図8に示した。
また、この相関の相関係数であるが、r=0.999である。
Claims (38)
- 乳試料中の測定対象物質を比色測定する方法において、乳試料と界面活性物質を接触させる工程を含むことを特徴とする、乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
- 界面活性物質が非イオン性界面活性剤である、請求項1記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレン化合物である、請求項1又は請求項2記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルである、請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
- 界面活性物質がHLB値が12〜16の界面活性物質である、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレンの平均付加モル数が5.5〜8.5のポリオキシアルキレン化合物である、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
- 乳試料と界面活性物質を接触させる工程の後に、測定対象物質の比色測定を行う、請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
- 測定対象物質が金属イオンである、請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
- 乳試料がヒトの乳である、請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
- 乳試料と界面活性物質を接触させる工程が、乳試料に由来する比色測定への影響を抑制するためのものである、請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の乳試料中の測定対象物質の比色測定方法。
- 乳試料中の測定対象物質の比色測定を行う前に、乳試料と界面活性物質を接触させる、乳試料の前処理方法。
- 界面活性物質が非イオン性界面活性剤である、請求項11記載の乳試料の前処理方法。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレン化合物である、請求項11又は請求項12記載の乳試料の前処理方法。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルである、請求項11〜請求項13のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
- 界面活性物質がHLB値が12〜16の界面活性物質である、請求項11〜請求項14のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレンの平均付加モル数が5.5〜8.5のポリオキシアルキレン化合物である、請求項11〜請求項15のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
- 測定対象物質が金属イオンである、請求項11〜請求項16のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
- 乳試料がヒトの乳である、請求項11〜請求項17のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
- 乳試料に由来する比色測定への影響を抑制するためのものである、請求項11〜請求項18のいずれか1項記載の乳試料の前処理方法。
- 界面活性物質を含有する、乳試料の前処理試薬。
- 界面活性物質が非イオン性界面活性剤である、請求項20記載の乳試料の前処理試薬。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレン化合物である、請求項20又は請求項21記載の乳試料の前処理試薬。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルである、請求項20〜請求項22のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
- 界面活性物質がHLB値が12〜16の界面活性物質である、請求項20〜請求項23のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレンの平均付加モル数が5.5〜8.5のポリオキシアルキレン化合物である、請求項20〜請求項24のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
- 乳試料中の測定対象物質の比色測定を行う前に、乳試料と接触させて用いる、請求項20〜請求項25のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
- 測定対象物質が金属イオンである、請求項20〜請求項26のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
- 乳試料がヒトの乳である、請求項20〜請求項27のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
- 乳試料に由来する比色測定への影響を抑制するためのものである、請求項20〜請求項28のいずれか1項記載の乳試料の前処理試薬。
- 乳試料中の測定対象物質の比色測定を行うに当たり、乳試料と界面活性物質を接触させることを特徴とする、乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
- 界面活性物質が非イオン性界面活性剤である、請求項30記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレン化合物である、請求項30又は請求項31記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルである、請求項30〜請求項32のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
- 界面活性物質がHLB値が12〜16の界面活性物質である、請求項30〜請求項33のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
- 界面活性物質がポリオキシアルキレンの平均付加モル数が5.5〜8.5のポリオキシアルキレン化合物である、請求項30〜請求項34のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
- 測定対象物質が金属イオンである、請求項30〜請求項35のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
- 乳試料がヒトの乳である、請求項30〜請求項36のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
- 乳試料に由来する比色測定への影響を抑制するためのものである、請求項30〜請求項37のいずれか1項記載の乳試料に由来する比色測定への影響の抑制方法。
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