JP2016073217A - ヘモグロビンの影響を回避した試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬及び測定方法 - Google Patents

ヘモグロビンの影響を回避した試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬及び測定方法 Download PDF

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【課題】溶血作用により生成したヘモグロビンの影響を回避し、溶血した試料であっても、試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性を正確に測定することが出来る測定試薬及び測定方法を提供する。【解決手段】アルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬中にキレート剤及び亜鉛イオンを存在させる。【選択図】なし

Description

本発明は、試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性を測定するための試薬及び方法に関するものであり、アルカリ性ホスファターゼ活性の測定におけるヘモグロビンの影響を回避するものである。
本発明は、特に、化学、生命科学、分析化学及び臨床検査等の分野において有用なものである。
アルカリ性ホスファターゼ(以下ALPと略すこともある)は、アルカリ性下で、基質であるリン酸エステルから無機リンを遊離させる酵素であり、肝臓、腎臓、骨、小腸、胎盤等に高濃度に存在している。血液等の試料中のALP活性を測定し、その変動を見ることは、肝疾患、胆道系疾患、骨疾患等の診断、治療、早期発見や予防に不可欠であり、広く実施されている。
この試料中のALP活性の測定方法としては、p−ニトロフェニルリン酸等を基質とする比色測定法が一般的である。
ところで、これらのALP活性の比色測定法では、溶血作用により生成したヘモグロビン等の色素により測定値に影響を受けるという問題があった。すなわち、ヘモグロビンが試料中に含まれていると、測定中にそれが分解して、測定波長域における吸光度の経時的な減少を引き起こし、ALP活性測定の波長域での吸光度の増加速度を低下させてしまい、負の誤差が生じて、正確な測定値が得られないという問題があった。
そこで、溶血作用により生成したヘモグロビンが測定中に分解するのを防止するため、酵素活性測定試薬にチオ尿素を含有させる方法(例えば、特許文献1参照。)や、ピリジン類、イミダゾール類、ヒスタミン類を含有させる方法(例えば、特許文献2参照。)等が提案されているが、必ずしも完全とは言えなかった。
特公平6−12998号公報 特公平3−56425号公報
前記のように従来の試料中のALP活性の測定試薬及び測定方法は、溶血作用により生成したヘモグロビンの影響を受け、測定値に負誤差を生じてしまうという問題があった。このため、例えば、医療の場における臨床検査において、試料中のALP活性の測定値を診断に利用しようとする場合、疾患等の診断を誤らせる可能性があった。
従って、本発明の課題は、溶血作用により生成したヘモグロビンの影響を回避し、溶血した試料であっても、試料中のALP活性を正確に測定することが出来る測定試薬及び測定方法を提供することである。
また、本発明の課題は、ヘモグロビンの影響を回避する方法を提供することである。
本発明者らは、上記の問題点の解決を目指して鋭意検討を行った結果、ALP活性測定試薬中にキレート剤及び亜鉛イオンを存在させると上記課題を解決できることを初めて見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を提供する。
(1) アルカリ性ホスファターゼの基質、アルカリ性緩衝液を含む試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬において、キレート剤及び亜鉛イオンを含有することを特徴とする、試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬。
(2) アルカリ性緩衝液が2−エチルアミノエタノールである、前記(1)記載の試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬。
(3) キレート剤及び亜鉛イオンを、ヘモグロビンの影響回避剤として含有させる、前記(1)又は(2)に記載のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬。
(4) アルカリ性ホスファターゼの基質、アルカリ性緩衝液を含む試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬と試料を混合し、キレート剤及び亜鉛イオンの存在下で酵素反応を行わせ、400〜500nmの波長域の吸光度を測定する、試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定方法。
(5) キレート剤及び亜鉛イオンを、ヘモグロビンの影響回避剤として含有させる、前記(4)記載の試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定方法。
(6) 400〜500nmの波長域の吸光度を測定する、試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定方法において、キレート剤及び亜鉛イオンの存在下で測定を行うことにより、ヘモグロビンの影響を回避する方法。
本発明によれば、試料中のALP活性測定試薬及び測定方法において、ALP活性測定試薬中にキレート剤及び亜鉛イオンを含有させることにより、ヘモグロビンの影響を回避し、測定値に誤差が生じるのを防ぐことができるものである。
すなわち、本発明の試料中のALP活性の測定試薬、測定方法、及びヘモグロビンの影響を回避する方法においては、溶血作用により生成したヘモグロビンの影響を受けずに、正確な測定値を得ることができるものである。
これにより、本発明の試料中のALP活性測定試薬、測定方法、及びヘモグロビンの影響を回避する方法は、例えば、医療の場において、診断を誤らせることを防ぐことができるものである。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
〔1〕アルカリ性ホスファターゼの基質
本発明において、ALPの基質としては、グリセロリン酸、4−ニトロフェニルリン酸、フェニルリン酸等のリン酸エステルを使用することができる。
〔2〕アルカリ性緩衝液
本発明におけるアルカリ性緩衝液としては、ALPの至適pH域である、pH7〜14、特にpH10付近に緩衝能を有する、従来公知のアルカリ性緩衝液を使用することができる。
このようなアルカリ性緩衝液として使用できるものとしては、例えば、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−エチルアミノエタノール(EAE)、N−メチル−D−グルカミン(MEG)、ジエタノールアミン(DEA)等を挙げることができる。
また、本発明においては、アルカリ性緩衝液が、特に、2−エチルアミノエタノール(EAE)であることが好ましい。
〔3〕キレート剤
本発明においては、ALP活性測定試薬にキレート剤を含有させる。この測定試薬に含有させるキレート剤とは、金属イオンに配位する多座配位子であって、金属イオンへの配位により金属を含んだ環状構造(キレート環)を形成する有機化合物をいう。例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、ジアミノプロパノール四酢酸(DPTA−OH)、ジエチレン(トリアミン)五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン二プロピオン酸(EDDP)、エチレンジアミンビスメチレンホスホン酸(EDDPO)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)(EDTPO)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、ビス(ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン二酢酸(HBED)、ヘキサメチレンジアミン四酢酸(HDTA)、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、イミノ二酢酸(IDA)、ジアミノプロパン四酢酸(Methyl−EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ニトリロ三プロピオン酸(NTP)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(NTPO)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)等及びその塩が挙げられる。
また、本発明においては、キレート剤が、特に、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)であることが好ましい。
本発明において、溶血した試料における負誤差を回避するために、ALP活性測定試薬に含有させるキレート剤の濃度は、特に限定されないが、溶血した試料における負誤差の発生を抑制する効果からすると、1mM以上であることが好ましい。
また、本発明のALP活性測定試薬において、測定試薬が1試薬よりなる場合には、測定試薬に含有させるキレート剤の濃度は、上記の範囲のものとすればよく、測定試薬が第1試薬及び第2試薬の2試薬よりなる場合には、この第1試薬及び第2試薬を試料中のALP活性を測定する際の各々の添加量の比で混合した際に、この混合後の測定試薬中のキレート剤の濃度が上記の範囲となるように、キレート剤を第1試薬又は第2試薬のいずれかに含有させればよい。
また、混合後の測定試薬中のキレート剤の濃度が上記濃度範囲に入るのであれば、キレート剤は第1試薬と第2試薬の両方に含有させてもよい。
なお、測定試薬が3試薬以上の試薬から構成される場合も同様である。
〔4〕亜鉛イオン
本発明においては、ALP活性測定試薬に亜鉛イオンを含有させる。この測定試薬に含有させる亜鉛イオンとしては、亜鉛イオンであればどのようなものでもよい。例えば、亜鉛イオンを含む化合物を用いることができる。
具体的には、亜鉛イオンと酸基よりなる化合物、亜鉛イオンの水酸化物、亜鉛イオンの塩等を挙げることができる。
より具体的には、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛、又は塩化亜鉛等の亜鉛塩等を挙げることができる。
本発明において、溶血した試料における負誤差を回避するために、ALP活性測定試薬に含有させる亜鉛イオンの濃度は、特に限定されないが、溶血した試料における負誤差の発生を抑制する効果からすると、0.1mM以上であることが好ましく、0.5mM以上であることが特に好ましい。
また、本発明においては、ALP活性測定試薬に含有させるキレート剤の濃度に応じて、亜鉛イオンの濃度を変化させることができる。この場合、例えば、キレート剤に対し当量比で0.1〜1.0倍となるように亜鉛イオンの濃度を調整することが好ましく、0.4〜0.9倍であることが特に好ましい。
また、本発明のALP活性測定試薬において、測定試薬が1試薬よりなる場合には、測定試薬に含有させる亜鉛イオンの濃度は、上記の範囲のものとすればよく、測定試薬が第1試薬及び第2試薬の2試薬よりなる場合には、この第1試薬及び第2試薬を試料中のALP活性を測定する際の各々の添加量の比で混合した際に、この混合後の測定試薬中の亜鉛イオンの濃度が上記の範囲となるように、亜鉛イオンを第1試薬又は第2試薬のいずれかに含有させればよい。
また、混合後の測定試薬中の亜鉛イオンの濃度が上記濃度範囲に入るのであれば、亜鉛イオンは第1試薬と第2試薬の両方に含有させてもよい。
なお、測定試薬が3試薬以上の試薬から構成される場合も同様である。
なお、本発明においてキレート剤及び亜鉛イオンをALP活性測定試薬に存在させる方法であるが、少なくとも試料と試薬成分との酵素反応が行われる測定反応時に、キレート剤及び亜鉛イオンを存在させることにより、溶血作用により生成したヘモグロビンによる影響を抑制することができる。
従って、本発明のALP活性測定試薬において、キレート剤及び亜鉛イオンは少なくとも第1試薬または第2試薬のうちいずれかに含有させればよく、第1試薬と第2試薬の両方に含有させることもできる。なお、溶血作用により生成したヘモグロビンの影響を抑制するためには、キレート剤及び亜鉛イオンが第1試薬に含有されていることが好ましい。なお、前述したとおりキレート剤及び亜鉛イオンは、少なくとも試料と試薬成分との酵素反応が行われる測定反応時に存在させる必要があるので、第1試薬にキレート剤を含有させ、第2試薬に亜鉛イオンを含有させることもできるし、第1試薬に亜鉛イオンを、第2試薬にキレート剤を含有させることもできる。
ところで、本発明においては、ALP活性測定試薬中の濃度、又は第1試薬、第2試薬等の測定試薬を構成する試薬の混合後の測定試薬中での濃度で、キレート剤及び亜鉛イオンの濃度を規定しているが、これをALP活性測定試薬と試料の混合後の濃度、又は第1試薬、第2試薬等の測定試薬を構成する試薬と試料の混合後の濃度、つまりALP活性測定反応の最終反応液中の濃度に置き換えても支障はない。
それは、現在行われている試料中のALP活性の測定において、試料の添加量をALP活性測定試薬の添加量で割った時の比率は、測定試薬の添加量に対する試料の添加量が大変小さいため通常1〜5%の範囲内に収まるものであり、試料の添加量を考慮してもしなくても大差はないからである。
また、本発明においては、ALP活性測定試薬にキレート剤及び亜鉛イオンの両方が存在していること(すなわち、試料と試薬成分との酵素反応が行われる測定反応時に、キレート剤及び亜鉛イオンの両方が存在していること)が必要となる。後に実施例で示す通り、ALP活性測定試薬に亜鉛イオンのみが存在している場合、ALPの活性測定値に負誤差が生じ、試薬中の硫酸亜鉛濃度が高くなるにつれて、ALPの活性測定値が急激に下降してしまい、正確な測定結果(測定値)を得ることができない。しかしながら、ALP活性測定試薬にキレート剤及び亜鉛イオンの両方が存在している場合には、ALPの活性測定値の負誤差は殆ど生じず正確な測定結果(測定値)を得ることができる。
すなわち、本発明は、測定試料や測定試薬の原料中に不純物として含まれていた亜鉛イオンが測定反応時に混入することによる、ALP活性測定値への負誤差についても、これを抑制することができるものである。
また、本発明はALPのアイソザイムの活性測定に用いることもできる。
この場合、例えば特定のアイソザイムを阻害する抗体等の阻害剤を試料中のALPに作用させ、ALP活性を測定することにより行うことができる。
〔5〕アルカリ性ホスファターゼ活性測定時のpH
本発明において、ALP活性測定時のpHは特に限定されないが、ALP活性測定時の反応が進む至適pH域である、pH7〜14近辺にすることが好ましい。
また、前記のpH範囲となるように使用する緩衝液としては、前記「〔2〕アルカリ性緩衝液」に記載したアルカリ性緩衝液を適宜使用することができる。
〔6〕試料
本発明において、試料とは、試料中のALP活性の測定を行おうとするもののことであり、このようなものであれば特に限定されない。
このような試料としては、例えば、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、尿、大便、精液、髄液、唾液、汗、涙、腹水、羊水、脳等の臓器、毛髪や皮膚や爪や筋肉若しくは神経等の組織及び細胞等の抽出液等が挙げられる。
〔7〕アルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬
本発明の試料中のALP活性測定試薬は、キレート剤及び亜鉛イオンを含有させることを特徴とするものである。これにより、溶血作用により生成したヘモグロビンの影響を回避し、試料中のALP活性を正確に測定することができる。
なお、本発明のALP活性測定試薬においては、キレート剤及び亜鉛イオンを含有させること以外は、従来より公知の試料中のALP活性を測定する試薬に従えばよい。
また、この本発明のALP活性測定試薬は、終点法(エンドポイント法)により測定を行うものであってもよく、又は反応速度法(レート法)により測定を行うものであってもよく、適宜選択すればよい。
また、この本発明のALP活性測定試薬は、一段階のステップにより測定を行う1ステップ法(1試薬法)のものであってもよく、又は二段階若しくはそれ以上の多段階のステップにより測定を行う多ステップ法(多試薬法)のものであってもよく、適宜選択すればよい。
また、この本発明のALP活性測定試薬においては、前記した成分の他に、測定反応に使用する成分として、金属イオン若しくはこれを含む金属塩、糖類若しくは高分子化合物などの安定化剤、アジ化ナトリウムなどの防腐剤、界面活性剤、賦形剤又は活性化剤等を必要に応じて適宜使用することができる。
また、ALPが十分な活性を示すためにはマグネシウムイオンが必要であるので、ALP活性測定試薬における混合液(最終反応液)には0.2mM以上、好ましくは0.5mM以上のマグネシウムイオンを含有させる必要がある。この条件が満たされる限り、第1試薬及び/又は第2試薬にマグネシウムイオンを含有させる濃度は特に制限されるものではなく、適宜選択すればよい。
また、この本発明のALP活性測定試薬において、その測定は、用手法により行うものであってもよく、又は自動分析装置等の装置を用いて行うものであってもよい。
また、この本発明のALP活性測定試薬は、その構成試薬の全て又は一部が液状試薬であってよい。
また、この本発明のALP活性測定試薬は、そのもの単独にて、販売し、又は試料中のALP活性の測定に使用することができる。
また、この本発明のALP活性測定試薬は、前記した測定試薬以外のその他の試薬と組み合わせて、販売し、又は試料中の測定対象物質の測定に使用することもできる。
前記した測定試薬以外のその他の試薬としては、例えば、緩衝液、試料希釈液、試薬希釈液、検量(キャリブレーション)を行うための物質を含有する試薬、又は精度管理を行うための物質を含有する試薬等を挙げることができる。
また、この本発明のALP活性測定試薬は、第1試薬及び第2試薬、又はその他の試薬等の複数の構成試薬からなる測定試薬キットであってもよい。
また、本発明のALP活性測定試薬の構成としては、例えば、第1試薬にアルカリ性緩衝液を含み、第2試薬にアルカリ性緩衝液と4−ニトロフェニルリン酸等の基質を含む構成のもの、第1試薬にアルカリ性緩衝液を含み、第2試薬に4−ニトロフェニルリン酸等の基質を含む構成のもの、又は、第1試薬に4−ニトロフェニルリン酸等の基質を含み、第2試薬にアルカリ性緩衝液を含む構成のもの等を挙げることができる。
〔8〕アルカリ性ホスファターゼ活性測定方法
本発明の試料中のALP活性測定方法においては、キレート剤及び亜鉛イオンを含有するALP活性測定試薬と試料を混合し、キレート剤及び亜鉛イオンの存在下でALPの酵素反応を行わせ、400〜500nmの波長域の吸光度を測定すること以外は、従来より公知のALP活性測定方法に従えばよい。
また、本発明の試料中のALP活性測定方法は、1ステップ法(1試薬系)からなるものでもよく、複数ステップ法(複数試薬系)からなるものであってもよい。
本発明の試料中のALP活性測定方法は、ALPが基質と反応して生成する物又はこの生成物より導かれる物質の生成速度を400〜500nmの波長域の吸光度の1分間当たりの変化量より算出するか、ALPが基質と反応して生成する物又はこの生成物より導かれる物質の生成量を400〜500nmの波長域の吸光度を測ることにより求める測定原理のものであれば、いかなる方法にも用いることができる。例えば、反応速度法(レート法)又は終点法(エンドポイント法)に適用できる。
このような測定方法において、それ自体公知の方法によって、用手法又は自動分析装置による方法によりALP活性を測定することができる。
例えば、4−ニトロフェニルリン酸等の基質にALPが作用して遊離してくる4−ニトロフェノール等の400〜500nmの波長域の吸光度を経時的に測定して、その吸光度の増加よりALP活性を算出する。
この場合、本発明によれば、試料中のヘモグロビンの分解により生じる誤差を抑制することができる。
〔9〕ヘモグロビンの影響を回避する方法
本発明における、ヘモグロビンの影響を回避する方法は、試料中のALP活性の測定方法において、キレート剤及び亜鉛イオンの存在下で測定を行うことによるものである。
この試料中のALP活性の測定方法において、キレート剤及び亜鉛イオンの存在下で測定を行うことにより、溶血作用によって試料中にヘモグロビンが混在している場合であっても、このヘモグロビンによる測定値への誤差が生じることを回避でき、精度が高いALP活性の測定値を得ることができる。
また、本発明における溶血作用により生成したヘモグロビンの影響を回避する方法を実施する際の試薬の構成成分や試料や条件等は、前記した通りである。
以下、実施例により本発明をより具体的に詳述するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕
(ヘモグロビンの影響回避効果の確認)
第1試薬及び第2試薬より構成される、日本臨床化学会(JSCC)勧告法に準拠するALP活性測定試薬を調製し、この第1試薬にキレート剤及び亜鉛イオンを含有させた場合のヘモグロビンによる影響回避効果を確認した。
1.試薬の調製
(1)本発明・ALP第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、2N塩酸でpHを10.1(20℃)に調整して、硫酸亜鉛濃度の異なる11種類の本発明・ALP第1試薬を調製した。
2−エチルアミノエタノール(緩衝液) 1.01M
塩化マグネシウム(6水塩) 0.505mM
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA) 1.0mM
硫酸亜鉛(7水塩) 0mM、0.13mM、0.25mM、0.38mM、0.51mM、0.63mM、0.76mM、0.89mM、1.01mM、1.14mM又は1.27mM
なお、上記の11種類の本発明・ALP第1試薬と、上記ALP第2試薬とを上記の添加量で混合した後の測定試薬中の硫酸亜鉛の濃度は、各々、下記の様になる。
0mM、0.1mM、0.2mM、0.3mM、0.4mM、0.5mM、0.6mM、0.7mM、0.8mM、0.9mM又は1.0mM
(2)対照・ALP第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、2N塩酸でpHを10.1(20℃)に調整して、硫酸亜鉛濃度の異なる5種類の対照・ALP第1試薬を調製した。
2−エチルアミノエタノール(緩衝液) 1.01M
塩化マグネシウム(6水塩) 0.505mM
硫酸亜鉛(7水塩) 0mM、0.13mM、0.25mM、0.38mM、又は0.51mM
なお、上記の5種類の対照・ALP第1試薬と、上記のALP第2試薬とを上記の添加量で混合した後の測定試薬中の硫酸亜鉛の濃度は、各々、下記の様になる。
0mM、0.1mM、0.2mM、0.3mM、又は0.4mM
(3)ALP第2試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、2N塩酸でpHを10.2(20℃)に調整して、ALP第2試薬を調製した。
2−エチルアミノエタノール(緩衝液) 1.01M
4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩 75.75mM
塩化マグネシウム(6水塩) 0.505mM
2.試料の調製
ヒト血清試料の9容と、ヘモグロビンを含まない水溶液、干渉チェックAプラスHb〔シスメックス社製〕又はヒト赤血球を溶血させて調製したヘモグロビン濃度が、5000mg/dLの水溶液の1容をそれぞれ混合して、ヘモグロビン濃度が各々0、100、200、300、400、又は500mg/dLである血清試料を調製した。
3.ヒト血清試料中のアルカリホスファターゼ活性の測定
ヒト血清試料中のアルカリホスファターゼ活性の測定は日立製作所社製7180形自動分析装置にて行い、ヒト血清試料2.5μLに第1試薬として本発明・ALP第1試薬を160μL加え37℃で5分間反応させた後、第2試薬としてALP第2試薬を40μL添加し混合液(最終反応液)とし、37℃で反応を行わせ、第2試薬添加1分10秒目(21ポイント)から5分目(34ポイント)の主波長405nm及び副波長505nmにおける吸光度の増加速度よりアルカリホスファターゼ活性値の算出を行った。
また、第1試薬を前記1の(2)で調製した対照・ALP第1試薬に変えて同様に測定を行った。
なお、本発明においては、酵素キャリブレータ(Aalto EC;シノテスト社製)を用いて検量及び校正を行い、アルカリホスファターゼ活性値を算出した。
4.測定結果
測定の結果を表1に示す。
なお、表1において、かっこ内の数値は、各試薬における、ヘモグロビン濃度0mg/dLの血清試料のALP活性測定値を100%とした時のヘモグロビン濃度100mg/dL、200mg/dL、300mg/dL、400mg/dL、又は500mg/dLの血清試料のALP活性測定値を相対比率(%)で表したものである。また、硫酸亜鉛濃度は、混合後の測定試薬中の硫酸亜鉛濃度(mM)を示す。
Figure 2016073217
5.考察
表1から明らかなように、第1試薬にEDTA(キレート剤)を含有させていない対照・ALP第1試薬を用いた場合は、ALPの活性測定値に負誤差が生じており、試薬中の硫酸亜鉛濃度が高くなるにつれて、ALPの活性測定値が急激に下降していることが分かる。更に、ALPの活性測定値は、試料中のヘモグロビン濃度が高くなるにつれて下降しており、負誤差の程度が更に大きくなっていることが分かる。
すなわち、ALP活性測定試薬に亜鉛イオンのみを存在させた場合には、溶血した試料において、ヘモグロビンによるALPの活性測定値への負誤差が生じることを回避することはできず、正確な測定結果(測定値)を得ることができないものであることが分かる。
これに対して、第1試薬にEDTA(キレート剤)及び硫酸亜鉛(亜鉛イオン)の両方を含有させた本発明・ALP第1試薬を用いた場合は、ALPの活性測定値の負誤差は殆ど生じていないことが分かる。更に、試料中のヘモグロビン濃度が高くなっても、ALPの活性測定値の下降が生じず、負誤差が減少し改善されていることが分かる。すなわち、ヘモグロビンの影響によって生じる誤差を抑制できていることが分かる。
これらのことより、試料中のALP活性測定試薬において、キレート剤及び亜鉛イオンを含有させることにより、溶血した試料においても、ヘモグロビンによる測定値への誤差が生じることを回避でき、精度が高いALP活性値を得ることができることが確かめられた。
よって、本発明のALP活性測定試薬及び測定方法は、溶血した試料においても、誤差を生じずに正確なALP活性値を得ることができることが確かめられた。
〔実施例2〕
(本発明によるヘモグロビンの影響回避効果の確認)
第1試薬及び第2試薬より構成される、日本臨床化学会(JSCC)勧告法に準拠するアルカリホスファターゼ(ALP)活性測定試薬を調製し、この第1試薬にキレート剤及び亜鉛イオンを含有させた場合のヘモグロビンによる影響回避効果を確認した。
1.試薬の調製
(1)ALP第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、2N塩酸でpHを10.1(20℃)に調整して、硫酸亜鉛濃度の異なる9種類のALP第1試薬を調製した。
2−エチルアミノエタノール(緩衝液) 1.01M
塩化マグネシウム(6水塩) 0.505mM
N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA) 1.0mM
硫酸亜鉛(7水塩) 0mM、0.13mM、0.25mM、0.38mM、0.51mM、0.63mM、0.76mM、0.89mM又は1.01mM
(2)ALP第2試薬の調製
前記実施例1の1の(3)で調製したALP第2試薬を、第2試薬として用いた。
2.試料の調製
前記実施例1の2で調製した6種類の試料を、試料として用いた。
3.ヒト血清試料中のアルカリホスファターゼ活性の測定
前記2の各試料について、前記1で調製した9種類のALP第1試薬、及びALP第2試薬にて前記実施例1の3と同様にして測定を行い、ヘモグロビンによる影響回避効果を確認した。
なお、上記の9種類のALP第1試薬と、上記ALP第2試薬とを上記の添加量で混合した後の測定試薬中の硫酸亜鉛の濃度は、各々、下記の様になる。
0mM、0.1mM、0.2mM、0.3mM、0.4mM、0.5mM、0.6mM、0.7mM又は0.8mM
4.測定結果
測定の結果を表2に示す。
なお、表2において、かっこ内の数値は、9種類の各試薬における、ヘモグロビン濃度0mg/dLの血清試料のALP活性測定値を100%とした時のヘモグロビン濃度100mg/dL、200mg/dL、300mg/dL、400mg/dL、又は500mg/dLの血清試料のALP活性測定値を相対比率(%)で表したものである。また、硫酸亜鉛濃度は、混合後の測定試薬中の硫酸亜鉛濃度(mM)を示す。
Figure 2016073217
5.考察
表2から明らかなように、試薬に硫酸亜鉛(亜鉛イオン)を含有させていない場合は、試料中のヘモグロビンの影響を受けて、ALPの活性測定値に負誤差が生じていることが分かる。更に、試料中のヘモグロビン濃度が高くなるにつれて、ALPの活性測定値が下降しており、負誤差の程度が大きくなっていることが分かる。
これに対して、第1試薬にHEDTA(キレート剤)及び硫酸亜鉛(亜鉛イオン)を含有させた場合は、混合後の測定試薬中の硫酸亜鉛濃度がいずれの場合も、ALPの活性測定値の負誤差が減少し改善されていることが分かる。すなわち、ヘモグロビンの影響によって生じる誤差を抑制できることが分かる。
これらのことより、試料中のALP活性測定試薬において、キレート剤及び亜鉛イオンを含有させることにより、溶血した試料においても、ヘモグロビンによる測定値への誤差が生じることを回避でき、精度が高いALP活性値を得ることができることが確かめられた。
よって、本発明のALP活性測定試薬及び測定方法は、溶血した試料においても、誤差を生じずに正確なALP活性値を得ることができることが確かめられた。
〔実施例3〕
(本発明によるヘモグロビンの影響回避効果の確認)
第1試薬及び第2試薬より構成される、日本臨床化学会(JSCC)勧告法に準拠するアルカリホスファターゼ(ALP)活性測定試薬を調製し、この第1試薬に亜鉛イオンを含有させた場合のヘモグロビンによる影響回避効果を確認した。
1.試薬の調製
(1)ALP第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、2N塩酸でpHを10.1(20℃)に調整して、硫酸亜鉛濃度の異なる15種類のALP第1試薬を調製した。
2−エチルアミノエタノール(緩衝液) 1.01M
塩化マグネシウム(6水塩) 1.140mM
N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA) 2.0mM
硫酸亜鉛(7水塩) 0mM、0.63mM、0.76mM、0.89mM、1.01mM、1.14mM、1.27mM、1.39mM、1.52mM、1.65mM、1.78mM、1.91mM、2.03mM又は2.16mM
(2)ALP第2試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、2N塩酸でpHを10.2(20℃)に調整して、ALP第2試薬を調製した。
2−エチルアミノエタノール(緩衝液) 1.01M
4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩 75.75mM
塩化マグネシウム(6水塩) 0.505mM
2.試料の調製
前記実施例1の2で調製した6種類の試料を、試料として用いた。
3.ヒト血清試料中のアルカリホスファターゼ活性の測定
前記2の各試料について、前記1で調製した14種類のALP第1試薬、及びALP第2試薬にて前記実施例1の3と同様にして測定を行い、ヘモグロビンによる影響回避効果を確認した。
なお、上記の14種類のALP第1試薬と、上記ALP第2試薬とを上記の添加量で混合した後の測定試薬中の硫酸亜鉛の濃度は、各々、下記の様になる。
0mM、0.5mM、0.6mM、0.7mM、0.8mM、0.9mM、1.0mM、1.1mM、1.2mM、1.3mM、1.4mM、1.5mM、1.6mM又は1.7mM
4.測定結果
測定の結果を表3に示す。
なお、表3において、かっこ内の数値は、14種類の各試薬における、ヘモグロビン濃度0mg/dLの血清試料のALP活性測定値を100%とした時のヘモグロビン濃度100mg/dL、200mg/dL、300mg/dL、400mg/dL、又は500mg/dLの血清試料のALP活性測定値を相対比率(%)で表したものである。また、硫酸亜鉛濃度は、混合後の測定試薬中の硫酸亜鉛濃度(mM)を示す。
Figure 2016073217
5.考察
表3から明らかなように、試薬に硫酸亜鉛(亜鉛イオン)を含有させていない場合は、試料中のヘモグロビンの影響を受けて、ALPの活性測定値に負誤差が生じていることが分かる。更に、試料中のヘモグロビン濃度が高くなるにつれて、ALPの活性測定値が下降しており、負誤差の程度が大きくなっていることが分かる。
これに対して、第1試薬にHEDTA(キレート剤)及び硫酸亜鉛(亜鉛イオン)を含有させた場合は、混合後の測定試薬中の硫酸亜鉛濃度がいずれの場合も、この測定値の負誤差が減少し改善されていることが分かる。すなわち、ヘモグロビンの影響によって生じる誤差を抑制できることが分かる。
これらのことより、試料中のALP活性測定試薬において、キレート剤及び亜鉛イオンを含有させることにより、溶血した試料においても、ヘモグロビンによる測定値への誤差が生じることを回避でき、精度が高いALP活性値を得ることができることが確かめられた。
よって、本発明のALP活性測定試薬及び測定方法は、溶血した試料においても、誤差を生じずに正確なALP活性値を得ることができることが確かめられた。
〔実施例4〕
(本発明によるヘモグロビンの影響回避効果の確認)
第1試薬及び第2試薬より構成される、日本臨床化学会(JSCC)勧告法に準拠するアルカリホスファターゼ(ALP)活性測定試薬を調製し、この第1試薬に亜鉛イオンを含有させた場合のヘモグロビンによる影響回避効果を確認した。
1.試薬の調製
(1)ALP第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、2N塩酸でpHを10.1(20℃)に調整して、硫酸亜鉛濃度の異なる22種類のALP第1試薬を調製した。
2−エチルアミノエタノール(緩衝液) 1.01M
塩化マグネシウム(6水塩) 1.772mM
N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸 (HEDTA) 3.0mM
硫酸亜鉛(7水塩) 0mM、0.63mM、0.76mM、0.89mM、1.01mM、1.14mM、1.27mM、1.39mM、1.52mM、1.65mM、1.78mM、1.91mM、2.03mM、2.16mM、2.29mM、2.41mM、2.54mM、2.67mM、2.79mM、2.92mM、3.05mM又は3.18mM
(2)ALP第2試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、2N塩酸でpHを10.2(20℃)に調整して、ALP第2試薬を調製した。
2−エチルアミノエタノール(緩衝液) 1.01M
4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩 75.75mM
塩化マグネシウム(6水塩) 0.505mM
2.試料の調製
前記実施例1の2で調製した6種類の試料を、試料として用いた。
3.ヒト血清試料中のアルカリホスファターゼ活性の測定
前記2の各試料について、前記1で調製した22種類のALP第1試薬及びALP第2試薬にて前記実施例1の3と同様にして測定を行い、ヘモグロビンによる影響回避効果を確認した。
なお、上記の21種類のALP第1試薬と、上記ALP第2試薬とを上記の添加量で混合した後の測定試薬中の硫酸亜鉛の濃度は、各々、下記の様になる。
0mM、0.5mM、0.6mM、0.7mM、0.8mM、0.9mM、1.0mM、1.1mM、1.2mM、1.3mM、1.4mM、1.5mM、1.6mM、1.7mM、1.8mM、1.9mM、2.0mM、2.1mM、2.2mM、2.3mM、2.4mM又は2.5mM
4.測定結果
測定の結果を表4に示す。
なお、表4において、かっこ内の数値は、22種類の各試薬における、ヘモグロビン濃度0mg/dLの血清試料のALP活性測定値を100%とした時のヘモグロビン濃度100mg/dL、200mg/dL、300mg/dL、400mg/dL、又は500mg/dLの血清試料のALP活性測定値を相対比率(%)で表したものである。また、硫酸亜鉛濃度は、混合後の測定試薬中の硫酸亜鉛濃度(mM)を示す。
Figure 2016073217
5.考察
表4から明らかなように、試薬に硫酸亜鉛(亜鉛イオン)を含有させていない場合は、試料中のヘモグロビンの影響を受けて、ALPの活性測定値に負誤差が生じていることが分かる。
これに対して、第1試薬にHEDTA(キレート剤)及び硫酸亜鉛(亜鉛イオン)を含有させた場合は、混合後の測定試薬中の硫酸亜鉛濃度がいずれの場合も、この測定値の負誤差が減少し改善されていることが分かる。すなわち、ヘモグロビンの影響によって生じる誤差を抑制できることが分かる。
これらのことより、試料中のALP活性測定試薬において、キレート剤及び亜鉛イオンを含有させることにより、溶血した試料においても、ヘモグロビンによる測定値への誤差が生じることを回避でき、精度が高いALP活性値を得ることができることが確かめられた。
よって、本発明のALP活性測定試薬及び測定方法は、溶血した試料においても、誤差を生じずに正確なALP活性値を得ることができることが確かめられた。

Claims (6)

  1. アルカリ性ホスファターゼの基質、アルカリ性緩衝液を含む試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬において、キレート剤及び亜鉛イオンを含有することを特徴とする、試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬。
  2. アルカリ性緩衝液が2−エチルアミノエタノールである、請求項1記載の試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬。
  3. キレート剤及び亜鉛イオンを、ヘモグロビンの影響回避剤として含有させる、請求項1又は2に記載のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬。
  4. アルカリ性ホスファターゼの基質、アルカリ性緩衝液を含む試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定試薬と試料を混合し、キレート剤及び亜鉛イオンの存在下で酵素反応を行わせ、400〜500nmの波長域の吸光度を測定する、試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定方法。
  5. キレート剤及び亜鉛イオンを、ヘモグロビンの影響回避剤として含有させる、請求項4記載の試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定方法。
  6. 400〜500nmの波長域の吸光度を測定する、試料中のアルカリ性ホスファターゼ活性測定方法において、キレート剤及び亜鉛イオンの存在下で測定を行うことにより、ヘモグロビンの影響を回避する方法。
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WO2002086151A1 (fr) * 2001-04-17 2002-10-31 International Reagents Corporation Methode d'analyse de constituant biologique

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"血清ALPに関するIFCC標準測定法の有用性確認とJSCC法改定の適否に関する調査(第二報)", 臨床化学, vol. Vol. 43, Supp.1, JPN6019010398, 31 August 2014 (2014-08-31), pages 162 - 163, ISSN: 0004087427 *

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