JP2014138564A - ペットフード、ペットフード用添加剤及びその製造方法 - Google Patents

ペットフード、ペットフード用添加剤及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ペット動物の健康的な体作りに欠かせない不飽和脂肪酸を多く含んでいながら高い酸化安定性を示し、ペット動物に対する良好な嗜好性を示すペットフード、ペットフード用添加剤及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも一種の不飽和脂肪酸塩と、抗酸化性を有するカラメルとを含むペットフード用添加剤を製造し、それをペットフードに添加することにより、上記課題は解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ペットフード、ペットフード用添加剤及びその製造方法に関する。
犬や猫などのペット動物用飼料(ペットフード)として、ペット動物の健康的な体作りに欠かせない多価不飽和脂肪酸を多く含む飼料の開発がなされている(例えば特許文献1参照)。しかし、多価不飽和脂肪酸は栄養機能に優れているが、多価不飽和脂肪酸は酸化安定性が悪く、酸化劣化が起こりやすいという欠点がある。
ペットフードの酸化が進むと、風味の劣化により嗜好性が低下したり、過酸化脂質による健康への悪影響がある。また、ペットフードに含まれる微量ビタミン類は、酸化により有効性が薄れてしまうため、総合栄養食としての栄養機能を維持できない可能性がある。
一方、従来から酸化防止剤として多用されてきたBHA(ブチルヒドロキシアニソール)やBHT(ブチルヒドロキシトルエン)(例えば特許文献2段落0002参照)等は、酸化防止能において優れているが、近年その安全性に疑問がもたれているため、使用量に制限があり、その使用を出来る限り控えたいとの要求がある。
天然の酸化防止剤としてローズマリー抽出物が知られているが、多価不飽和脂肪酸の安定性を与えるためにはその効果は不十分である。
また、不飽和脂肪酸を含むペットフードの長期保存安定性を目的として、ビタミンCやクエン酸塩などを添加する技術も報告されているが、十分な嗜好性を得ることができないという問題がある(例えば特許文献3及び4参照)
特開平6−319465号公報 特開平10−215786号公報 特開2005−204659号公報 特開2010−119329号公報
本発明が解決しようとする課題は、ペット動物の健康的な体作りに欠かせない多価不飽和脂肪酸を多く含んでいながら高い酸化安定性を示し、ペット動物に対する良好な嗜好性を示すペットフード、及びそのようなペットフードを提供しうるペットフード用添加剤及びその製造方法を得ることである。
本発明の他の課題は、含有される多価不飽和脂肪酸及びビタミン類の酸化安定性を損ねることなく長期間保存が可能なペットフード、及びそのようなペットフードを提供することができるペットフード用添加剤及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ペットフードに、塩形態の不飽和脂肪酸と抗酸化性を有するカラメルとを組み合わせたペットフード用添加剤を添加することにより、多価不飽和脂肪酸を多く含んでいても、高い酸化安定性を示し、更に高い嗜好性を持つペットフードが得られることを見出し、本発明を完成した。
更に、不飽和脂肪酸の塩を製造するにあたって抗酸化性を有するカラメルを添加することにより、不飽和脂肪酸の塩を製造する際における不飽和脂肪酸の劣化を抑制することができ、不飽和脂肪酸塩と抗酸化性を有するカラメルの相乗的な作用により、多価不飽和脂肪酸を多く含んでいても、高い酸化安定性を示し、更に高い嗜好性を持つペットフードが得られることを見出した。
油脂の一部を脂肪酸塩の形にすることで酸化安定性が向上し、更にカラメルの添加により脂肪酸の劣化を抑制することができたものと考えられる。すなわち、カラメルと脂肪酸塩の相乗効果により、特に高い酸化安定性を達成できたものと考えられる。本発明の添加剤を添加したペットフードの嗜好性は顕著に良好であったが、これもカラメルと脂肪酸塩の抗酸化作用の相乗効果によるものと考えられる。
本発明はこれらの知見に基いて達成された。すなわち本発明は下記を提供する。
(1)少なくとも一種の不飽和脂肪酸塩と、抗酸化性を有するカラメルとを含むことを特徴とする、ペットフード用添加剤。
(2)抗酸化性を有するカラメルが、ペントース及びヘキソースからなる群から選ばれる単糖の水溶液を、塩基性化合物の存在下120〜150℃で1〜10時間加熱することにより得られたものであることを特徴とする、上記(1)記載のペットフード用添加剤。
(3)少なくとも一種の不飽和脂肪酸塩が、不飽和脂肪酸のカルシウム塩であることを特徴とする上記(1)または(2)記載のペットフード用添加剤。
(4)少なくとも一種の不飽和脂肪酸塩を形成する不飽和脂肪酸が、炭素数16以上で2重結合を2つ以上有する脂肪酸からなる群より選択される上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のペットフード用添加剤。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一に記載のペットフード用添加剤を含む、ペットフード。
(6)多価不飽和脂肪酸の含有量が、ペットフードに含まれる油脂由来の脂肪酸全質量に対し、20質量%以上であることを特徴とする、上記(5)記載のペットフード。
(7)ペットフードに含まれる油脂由来のn−6系脂肪酸/n−3系脂肪酸の脂肪酸組成比(質量比)が、10:1〜1:1である、上記(5)または(6)記載のペットフード。
(8)上記(1)〜(4)のいずれか一に記載のペットフード用添加剤の製造方法であって、不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として有する油脂と抗酸化性を有するカラメルを混合し、その後前記油脂をケン化することを含む、上記ペットフード用添加剤の製造方法。
本発明によれば、多価不飽和脂肪酸を多く含んでいても高い酸化安定性を示し、かつ良好な嗜好性を示すペットフードを提供することができる。また、本発明のペットフード添加剤を用いることにより、ペットの成長及び健康に特に有用であり必須脂肪酸であるn−3系脂肪酸の適正な量を確保するために必要なn−6/n−3系脂肪酸の脂肪酸組成比が達成されたペットフードを容易に提供することができる。
また、含有される不飽和脂肪酸及びビタミン類の酸化安定性を損ねることなく長期間保存が可能なペットフードを提供することができる。
本発明のペットフード用添加剤は、少なくとも一種の不飽和脂肪酸塩と、抗酸化性を有するカラメルとを含むことを特徴とする。
本発明においてペットフード用添加剤とは、犬や猫などのペット動物用飼料に添加する添加剤である。すなわち、ペットフードの製造原料あるいはペットフードそのものに添加して使用することができる添加剤であり、固形状であっても、液体状であっても、またゲル状のものであってもよい。
本発明のペットフードの対象のペットの種類は、好ましくは犬または猫である。
本発明において少なくとも一種の不飽和脂肪酸塩とは、少なくとも一種の不飽和脂肪酸の、カルシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等の塩化合物である。塩としては、犬・猫の栄養基準の観点から、カルシウム塩が特に好ましい。
少なくとも一種の不飽和脂肪酸は、炭素数16以上、更に好ましくは炭素数18以上の長鎖不飽和脂肪酸であることが好ましい。また、不飽和結合の数は2以上であることが好ましい。より好ましくは、不飽和結合の数は3以上である。最も好ましくはn−3系脂肪酸である。具体的なn−3系脂肪酸の例としては、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。
本発明の少なくとも一種の不飽和脂肪酸として、構成脂肪酸として上述した不飽和脂肪酸を含む油脂をケン化して得たものを使用することができる。
構成脂肪酸として上述した不飽和脂肪酸含む油脂としては、亜麻仁油、エゴマ油、魚油油、チアシード油、グリーンナッツ油等が挙げられる。これらの油脂は、少なくとも一種の不飽和脂肪酸が脂肪酸組成(質量)中に1〜65質量%、好ましくは2〜30質量%、より好ましくは3〜20質量%含まれるように配合することが好ましい。また、ペットフードに配合される原料由来脂質の脂肪酸組成も加味した上で、ペットフードに含まれるペットの成長及び健康に特に有用であり必須脂肪酸であるn−3系脂肪酸の適正な量を確保するために必要なn−6/n−3系脂肪酸の脂肪酸組成比となるように配合することが好ましい。
本発明において少なくとも一種の不飽和脂肪酸塩は、ペットフード用添加剤の全質量に対し、0.1〜60質量%、1〜30質量%、2〜20質量%の範囲で含まれることが好ましい。
本発明において抗酸化性を有するカラメルとは、糖類を加熱処理することにより得られる抗酸化性を有するカラメルであり、特開平8−312224号に記載されるカラメルを代表的なものとして挙げることができる。
抗酸化性カラメルは、ペットフード用添加剤の全質量に対し、0.1〜30質量%の範囲で含まれることが好ましい。0.5〜10質量%の範囲で含まれることが特に好ましい。
本発明のペットフード用添加剤は、通常、上記不飽和脂肪酸塩及び抗酸化性カラメルの他に、飽和脂肪酸塩あるいは塩を形成していない不飽和または飽和の脂肪酸を含む。
本明細書において、カラメルの抗酸化性は、カラメルと1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)との反応性により評価したものをいう。すなわち、適量のカラメルをエタノールに溶解し、これに0.5mM DPPHエタノール溶液を加え、37℃で30分間保持した後、517nmの吸光度を測定し、カラメル1mg当たりの吸光度の減少量を求め、これをカラメルの抗酸化性の評価基準とする方法である。この数値が大きいほど、抗酸化性が優れており、0.7以上であれば、実用的な抗酸化性を有するということができる。
本発明に使用される単糖類としては、ペントース及びヘキソースからなる群から選ばれる単糖類が挙げられる。ペントース及びヘキソースからなる群から選ばれる単糖の代表的な例としては、グルコース、ガラクトース、キシロース、及びフラクトースが挙げられるが、安価で入手が容易であることから、グルコースが最も好ましい。
本発明において抗酸化性を有するカラメルは、単糖類の水溶液を、塩基性化合物の存在下、所定の条件下で加熱することにより得ることができる。
上記製造方法に使用される塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、酢酸やクエン酸等の有機酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)またはアンモニウム塩、及び水酸化アンモニウムが挙げられる。
本発明の抗酸化性を有するカラメルを製造する方法のより好ましい実施態様は、単糖50〜99質量部、塩基性化合物1〜10質量部を水0〜50質量部に溶解し、120〜150℃、好ましくは125〜135℃で1〜10時間、好ましくは3〜4時間加熱処理する方法である。この際、加熱処理前の水溶液のpHは、好ましくは7以上、さらに好ましくは8以上、最も好ましくは9以上である。反応温度(加熱処理温度)が120℃より低いと反応が充分に進行しない。また150℃より高いと反応系が固化・炭化するおそれが大きくなるだけでなく、得られたカラメルの抗酸化性が低くなるので好ましくない。好ましい反応温度は125〜135℃であり、最も好ましい反応温度は130℃前後である。また、塩基性化合物の量が1質量部より少ないと反応が充分に進行しない。すなわち、抗酸化性を有するカラメルが得られない。また10質量部より多いと、反応が激しく進行し、気泡が多量にしかも短時間に発生し、反応容器からふきこぼれる恐れがあるなど危険性が生じる。反応時間が1時間未満では反応が充分に進行しない。また反応時間が長くなるにつれて、反応が進行して徐々に粘性が増加する。
本発明のペットフード用添加剤の製造方法としては、不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として有する油脂を含む原料油脂のケン化物と抗酸化性を有するカラメルとを混合する方法か、不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として有する油脂を含む原料油脂に抗酸化性を有するカラメルとを混合して、その後前記油脂をケン化する方法が挙げられる。
抗酸化性を有するカラメルを混合してからケン化することにより、ケン化による不飽和脂肪酸の酸化劣化を防ぐことができ、特に好ましい。
原料油脂としては、上述した不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として有する油脂を含むものであれば良い。例えば、原料油脂は、不飽和脂肪酸を20〜95質量%含むもの、好ましくは50〜95質量%含むものを用いることができる。また好ましい例として、n−3系脂肪酸を好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜70質量%、更に好ましくは10〜70質量%、最も好ましくは50〜70質量%含むものが挙げられる。
また、原料油脂の脂肪酸組成中のn−6/n−3質量比が30以下、好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、1以下のものが最も好ましい。
原料油脂には更に飽和脂肪酸を含んでいてもよい。飽和脂肪酸量は特に限定されないが、5〜80質量%、好ましくは5〜50質量%の範囲程度が好ましい。
原料油脂として、動物、植物、または他の起源の油脂を含んでいてもよい。例えば、ラード、獣脂、キャノーラ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、綿実油、キャノーラ油、オリーブ油、コーン油などの植物油が挙げられる。
本発明の、原料油脂に抗酸化性を有するカラメルを添加し、混合物を作成し、その後ケン化を行う製造方法について以下説明する。
本発明のケン化工程は、バッチまたは連続プロセスが用いられる。標準的なプロセスにおいて、原料油脂を製造容器に入れ、ケン化するためのアルカリ剤を添加し、混合する。アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等、あるいはトリエタノールアミンなどのアミン類などが挙げられる。
アルカリ剤の添加量は、油脂質量に対して少なくとも7質量%であることが好ましく、12〜30質量%であることが更に好ましい。
前記混合物に、少なくとも1質量%、望ましくは3質量%以上の水および、油脂100g当り少なくとも1000U、望ましくは3000〜15,000Uリパーゼ、抗酸化性を有するカラメルを30質量%以下、望ましくは0.5〜10質量%添加し、混合、攪拌してケン化反応させる。
ケン化工程は、常温で液状の場合は、常温で、また常温で固体の油脂の場合は、出来る限り低い温度で加温して溶融しながら均一に混合、攪拌して反応させる。反応終了後室温に放置し、適宜の大きさに常法で破砕し、ペットフード用添加剤を得る。反応時間は、使用する油脂の種類、使用するリパーゼの力価・添加量あるいは、水の添加量などにより適宜決定される。
本発明のペットフードは、上述した本発明のペットフード用添加剤を含む。本発明のペットフードは、例えば、後述する基本配合に、本発明のペットフード用添加剤を添加して、混合し、エクストルーダーなどにより押出成形して得ることができる。
ペットフードの基本配合は、従来公知の様々なものを使用することができる。
例えば、穀類(とうもろこし、マイロ、小麦、大麦、玄米、エン麦、小麦粉等)、でん粉類(コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ、サツマイモ、馬鈴薯、こんにゃく等)、糟糠類(米糠、小麦ふすま、小麦胚芽、大麦糠、グルテンフィード等)、糖類(砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化糖、オリゴ糖類、水飴、シロップ、糖蜜、蜂蜜等)、種実類(アーモンド、栗、ゴマ、落花生等)、豆類(大豆、脱脂大豆、大豆ミール、きなこ、大豆粉、おから、そら豆、小豆等)、魚介類(まぐろ、かつお、あじ、いわし等の魚類、えび、かに、たこ、いか等の甲殻類及び軟体動物、ほたて、さざえ等の貝類。フィッシュミール(魚粉)及びフィッシュエキス等)、肉類(牛(ビーフ)、豚(ポーク)、羊(マトン又はラム)、うさぎなどの畜肉及び獣肉、並びにその副生物および加工品。鶏(チキン)、七面鳥(ターキー)、うずらなどの鳥肉並びにその副生物および加工品。ミートミール、ミートボーンミール、チキンミール等の上記原料のレンダリング物等)、卵類(鶏卵(全卵、乾燥全卵、卵黄・卵白)、あひる卵、うずら卵等)、乳類(全脂乳、脱脂乳及び全脂粉乳、脱脂粉乳。ホエー、チーズ、バター、クリーム等)、野菜類(にんじん、きゃべつ、グリーンピース、かぼちゃ等)、植物たん白(大豆たん白、小麦たん白、グルテンミール等)、果実類(アボカド、りんご、バナナ、パイナップル、パッションフルーツ等)、きのこ類(マッシュルール、えのき、しいたけ、しめじ等)、藻類(のり、こんぶ、わかめ、ひじき、クロレラ、スピルリナ、寒天、カラギーナン等)、その他(酵母、牧草、セルロース類、酸類等)を使用することができる。
基本配合質量に対し、本発明のペットフード用添加剤は、ペット栄養摂取基準の摂取ミネラル量を満たすために、ペットフードの乾物重量に対し0.1〜50質量%添加することが好ましく、1〜23質量%添加することが更に好ましく、1〜17質量%添加することが最も好ましい。
本発明のペットフードに含まれる、基本配合及び本発明のペットフード用添加剤由来の油脂の脂肪酸全質量に対し、多価不飽和脂肪酸の含有量が20質量%以上であることが、栄養価の観点から好ましい。また、本発明のペットフードに含まれる、基本配合及び本発明のペットフード用添加剤由来の油脂のω−脂肪酸のn−6/n−3の質量比は、10:1〜1:1であることが好ましい。
以下の製造例及び実施例において「%」は特に示さない限り、「質量%」を表す。
[製造例1]
抗酸化性を有するカラメルの製造
グルコース64質量部、塩基性化合物としてクエン酸ナトリウムを4質量部及び水32質量部を混合し、130℃で3時間反応させ、抗酸化性を有するカラメルを得た。抗酸化性は0.777であった。
[製造例2]
ペットフード用添加剤の製造
以下の製造方法により、ペットフード用添加剤1及び2を製造した。
表3に示す組成の油脂1を80質量部または油脂2を80質量部に対し、製造例1において製造した抗酸化性を有するカラメル3質量部を添加し、水酸化カルシウム(消石灰粉末)10質量部を添加して、均一に混合した。その後リパーゼAK「アマノ」(天野エンザイム社製)0.015質量部と水7質量部を添加し、約30分間室温で混合攪拌した。その後約30時間静置し、得られた固形物を粉砕して、添加剤1及び2を得た。添加剤全質量に対する脂肪酸量を表2に示した。なお、表2の値は、脂肪酸組成から理論的な量を計算した値である。
表2及び3において「%」は「質量%」を表す。
Figure 2014138564
Figure 2014138564
Figure 2014138564
[実施例1〜2、比較例1〜5]
ペットフードの製造
表4に示すペットフード基礎配合の混合物に、製造例2において製造したペットフード用添加剤1及び2(実施例1及び2)並びに表3に示す油脂1〜4(比較例1〜4)及び油脂2と抗酸化性カラメルの組み合わせ(比較例5)をそれぞれ添加して、エクストルーダーにて実施例1、2及び比較例1〜5の粒状組成物を作成し(表5)、その後水分10%以下まで乾燥してドッグフードを得た。
表4及び表5において「%」は「質量%」を表す。
Figure 2014138564
Figure 2014138564
実施例1,2及び比較例1〜5のドッグフードをアルミパウチに入れて密閉し、恒温槽(60℃)に1週間静置した。その後、日本油化学会制定の基準油脂分析法に準拠し、過酸化物価の測定を行った。表6に結果を示す。表6の評価基準は以下のとおりである。
◎:10以下
○:11〜20
△:21〜30
×:31以上
Figure 2014138564
また、ペットフード2種を選び、それぞれ同じ容器に同量ずつ入れて、犬に自由摂食させ、摂食量を比較した。試験は2日間行い、2日目は容器の場所を入れ替えて同様の試験を行った。評価結果を表7に示す。表7の評価基準は以下のとおりである。
◎:対照と比べ摂食量が特に多い
○:対照と比べ摂食量が多い
△:対照と比べ摂食量に違い無し
Figure 2014138564
表6の結果から明らかなとおり、本発明のペットフード用添加剤を添加したペットフードは、60℃で1週間という条件下の保存試験後においても過酸化物価がいずれも10以下という優れた抗酸化性を示した。一方、本発明のペットフード用添加剤を含まないペットフードは酸化劣化が激しく、過酸化物価は31以上であった(比較例1及び2)。また、従来用いられているローズマリーを抗酸化剤として含む場合には抗酸化作用が十分ではなかった(比較例3)。
表7の結果は、実施例1と2のドッグフードの嗜好性がほぼ同じであったことを示している。また、比較例1〜5のいずれのドッグフードと比較しても実施例2のドッグフードの嗜好性は高かった。特に高い抗酸化性を示す従来から使用されているBHAを添加した場合(比較例4)、及びカラメルを油脂に添加した場合(比較例5)と比べても本発明のドッグフードの嗜好性が高いことがわかった。これは、本発明のペットフード用添加剤の嗜好性に対する効果が、過酸化物価を指標とした抗酸化性に基づく嗜好性への効果(油の劣化を防ぐことによる嗜好性への貢献)のみではないことを示しており、当業者が予測できない効果である。

Claims (8)

  1. 少なくとも一種の不飽和脂肪酸塩と、抗酸化性を有するカラメルとを含むことを特徴とする、ペットフード用添加剤。
  2. 抗酸化性を有するカラメルが、ペントース及びヘキソースからなる群から選ばれる単糖の水溶液を、塩基性化合物の存在下120〜150℃で1〜10時間加熱することにより得られたものであることを特徴とする、請求項1記載のペットフード用添加剤。
  3. 少なくとも一種の不飽和脂肪酸塩が、不飽和脂肪酸のカルシウム塩であることを特徴とする請求項1または2記載のペットフード用添加剤。
  4. 少なくとも一種の不飽和脂肪酸塩を形成する不飽和脂肪酸が、炭素数16以上で2重結合を2つ以上有する脂肪酸からなる群より選択される請求項1〜3のいずれか一項に記載のペットフード用添加剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のペットフード用添加剤を含む、ペットフード。
  6. 多価不飽和脂肪酸の含有量が、ペットフードに含まれる油脂由来の脂肪酸全質量に対し、20質量%以上であることを特徴とする、請求項5記載のペットフード。
  7. ペットフードに含まれる油脂由来のn−6系脂肪酸/n−3系脂肪酸の脂肪酸組成比(質量比)が、10:1〜1:1である、請求項5または6記載のペットフード。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のペットフード用添加剤の製造方法であって、不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として有する油脂と抗酸化性を有するカラメルを混合し、その後前記油脂をケン化することを含む、上記ペットフード用添加剤の製造方法。
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