《画像処理》
本発明の画像記録方法は、画像記録工程を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
《画像記録工程》
前記画像記録工程は、媒体を加熱することにより画像を記録する工程であり、例えば前記媒体をサーマルヘッドを用いて加熱することで画像を記録する方法や、前記媒体までの距離に基いて照射エネルギーを調整したレーザ光を前記媒体に照射して加熱することにより画像を記録する方法があり、レーザによる画像記録は非接触で記録できるため、前記媒体に傾斜や湾曲がある場合にも良好な画像記録ができるため好ましい。
《画像消去工程》
画像記録を熱可逆記録媒体に対して行う場合、画像が形成された熱可逆記録媒体を加熱することにより該熱可逆記録媒体に記録された画像を消去する画像消去工程を設けても良い。
前記熱可逆記録媒体を加熱する方法としては、従来既知の加熱方法(レーザ光照射、熱風、温水、赤外線ヒータなどの非接触加熱方法、サーマルヘッド、ホットスタンプ、ヒートブロック、ヒートローラーなどの接触加熱方法)が挙げられるが、物流ラインを想定した場合、例えば熱可逆記録媒体等の感熱記録媒体にレーザ光を照射して加熱する方法が非接触の状態で画像の消去を行うことができるため特に好ましい。
レーザ光源としては、YAGレーザ、ファイバーレーザ、及び半導体レーザのいずれかであることが好ましい。
《読取装置》
本発明で用いられる読取装置は、前記媒体に記録された画像に光を照射して反射光の強弱から画像情報を電気的に読み込む機能を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、バーコードリーダ、2次元コードリーダ、OCRリーダなどが挙げられる。バーコードリーダ、2次元コードリーダ、OCRリーダは、それぞれバーコードシンボル、2次元コードシンボル、OCR文字を読み取る装置であり、光学的情報を電気的情報に変換するスキャナと、電気的情報を文字コードに変換する復号器とを含む。
バーコードシンボルは、細長い長方形のバーとスペースの配列で情報を表示し、バー及びスペースに対して垂直方向に走査することによって機械読み取り可能な情報担体であり、2次元シンボルは、情報担体に対し水平及び垂直の両方向を走査することによって機械読み取り可能な情報担体である。バーコードシンボルには、例えばJAN、Code39、ITFなどがあり、2次元コードシンボルには、例えばQRCode、DataMatrix、PDF417などがある。
バーコードリーダ、2次元コードリーダには、例えばLEDからの光を画像に照射し、乱反射光をCCDイメージセンサによって受光することで読み取るCCD式バーコードリーダ、CCD式2次元コードリーダがあり、小型で安価である点が好ましく、またレーザ光を画像上にスキャンさせ、乱反射光を受光素子で受光することで読み取るレーザ式バーコードリーダ、レーザ式2次元コードリーダがあり、読取範囲が広く、移動体読み取りが可能な点が好ましい。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像書き換えシステム100の概略構成が示されている。本実施形態では、一例として、図1に示されるようなZ軸方向を鉛直方向とするXYZ3次元直交座標系が設定されている。
画像書き換えシステム100は、以下に詳述するように、輸送用のコンテナCが有するリライタブルラベル(Rewritable Label)にレーザ光を照射して、画像の書き換えを行う。以下では、リライタブルラベルを、「RL」とも称する。
ここで、「画像」は、例えばコンテナCに収容される荷物の内容、輸送先の情報、RLの使用回数等を示す例えば文字、記号、線、図形、バーコード、二次元コード等の視認可能な少なくとも1つの情報を含む。「文字」には、OCR(Optical Character Recognition)、すなわち光学文字認識で読み取られるOCR文字が含まれる。OCR文字には、印刷文字及び手書き文字が含まれる。
また、特に、バーコード、二次元コード、OCR文字等は、専用の読取装置で読み取られる視認可能な情報であり、以下では「読取画像」とも称する。また、以下では「画像」のうち読取画像以外の情報を「文字等」とも称する。「読取装置」とは、バーコードシンボル、二次元シンボル、文字等の光学的情報を電気的情報に変換する装置であり、バーコードシンボル、二次元シンボル、文字等の電気的情報を文字コードに変換する復号器を含む装置としても良い。
RLは、加熱、冷却のプロセスの違いにより発色又は消色する熱可逆記録媒体であり、レーザ光を吸収し発熱する光熱変換材を含んでいる。
コンテナCは、一例として、RLに加えて、該RLが側面に貼付された直方体形状の箱形部材から成るコンテナ本体を有する。ここでは、搬送対象の物体である搬送物として、コンテナ本体を採用したが、これに限定されるものではない。以下では、便宜上、コンテナC及び内容物(荷物)を併せてコンテナCとも称する。
ここでは、コンテナ本体は、箱型の容器である。コンテナ本体の材質としては、例えば金属、樹脂、段ボールなどが挙げられるが、中でも耐久性に優れかつ軽量で搬送が容易な樹脂が好適である。特に、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂)、ポリエチレン樹脂は、他の樹脂に比べて安価に製作できるためより好ましい。ここに列挙したコンテナ本体の材質は一例であり、これらの材質に限定されるものではない。また、コンテナ本体として、内部に物が入れられていない場合に折りたたむことができる構造の折りたたみ式のものを採用しても良い。折りたたみ式のものは、同じ大きさの折りたたみ式でないものに比べて容積を数分の1程度に減少させることが可能であり、搬送性に優れる。
画像書き換えシステム100は、図1に示されるように、コンベア装置10、2つの消去装置12A、12B、記録装置14、制止装置16、システム制御装置18などを備えている。なお、画像書き換えシステム100におけるコンベア装置10、記録装置14、及びシステム制御装置18の一部を含んで構成されるシステムを画像記録システム150とも称する。
コンベア装置10は、一例として、X軸方向に所定間隔で配置されたN個(≧6)の搬送ユニットとしてのベルトコンベアユニット(Belt Conveyor Unit)、及び該N個のベルトコンベアユニットを支持する支持架台10aを含む。なお、図1では、図示の制約上、コンベア装置10のX軸方向中間部のみが図示されている。以下では、N個のベルトコンベアユニットを、−X側から+X側への並び順に、BCU(1)〜BCU(N)とも称する。また、N個のベルトコンベアユニットを、区別しない場合には、BCUと総称する。
各BCUは、一例として、図2に示されるように、X軸方向に離間して配置された、Y軸方向を軸線方向とする例えば2つのローラ9と、該2つのローラ9に巻き掛けられた無端ベルト13と、を有している。各ローラ9は、それぞれY軸周りに回転可能な状態で支持架台10aに支持されている。ここでは、2つのローラ9のうち、一方が駆動ローラであり、他方が従動ローラである。各BCUの駆動ローラは、例えばモータ等を含む駆動装置(不図示)を介してシステム制御装置18によって個別に駆動制御される(図5参照)。
ここでは、各BCUのX軸方向の寸法は、コンテナCのX軸方向の寸法の例えば1〜2倍程度に設定されている。また、ここでは、各BCUの上面は、XY平面に平行な同一平面上に位置している。
以上のように構成されるコンベア装置10は、隣接する2つのBCU間でコンテナCの受け渡しを行って、該コンテナCを+X方向(所定の搬送方向)に搬送する。すなわち、コンベア装置10は、N個のBCU上に形成されるX軸方向に延びる搬送路に沿って複数のコンテナCを+X方向に順次搬送する。また、システム制御装置18は、コンテナCを搬送中に該コンテナCが載っているBCUの駆動を適宜停止させることで、該BCU上で該コンテナCの搬送を停止させる。
そこで、上記駆動装置として、駆動ローラの回転速度を調整可能なものを用いることが好ましい。この場合、コンテナCの搬送開始時及び搬送停止時の挙動を安定化でき、かつコンテナCの搬送時間を短縮できる。また、各BCUの無端ベルト13として、摩擦係数が高いものを用いることが好ましい。この場合、コンテナCの搬送開始時及び搬送停止時における無端ベルト13に対する滑りを抑制できる。この結果、コンテナCの動き出しのレスポンス及び停止位置の精度を向上させることができる。
ここで、搬送効率を向上させる観点からは、コンテナCの搬送速度は、1m/min以上に設定することが好ましく、5m/min以上に設定することがより好ましく、さらに10m/min以上に設定することがより好ましい。また、画像書き換えシステム100の大型化を抑制する観点からは、コンテナCの搬送速度は、200m/min以下に設定することが好ましく、100m/min以下に設定することがより好ましく、さらに50m/min以下に設定することがより好ましい。但し、コンテナCの搬送速度は必要に応じて適宜設定しても良く、上述した範囲に限定されるものではない。
2つの消去装置12A、12Bは、一例として、コンベア装置10の−Y側、すなわち上記搬送路の−Y側にX軸方向に並べて配置されている。ここでは、消去装置12Aが−X側に配置され、消去装置12Bが+X側に配置されている。
詳述すると、2つの消去装置12A、12Bは、隣接する2つのBCU(n)、BCU(n+1)に個別に対向(対応)する位置に配置されている。なお、ここでは、2≦n≦N−4である。
各消去装置は、図3に示されるように、1次元配列された複数のレーザダイオード(半導体レーザ)を含む1次元レーザアレイLAと、光学系SO1、端子台17、操作盤19、コントローラ21、筐体12a(図1参照)などを含む。なお、図示は省略されているが、1次元レーザアレイLA、光学系SO1、端子台17、コントローラ21は、筐体12a内に収容されており、操作盤19は、筐体12aの例えば側面(又は上面)に設けられている。
1次元レーザアレイLAは、一例として、Z軸方向に並べて配置(1次元配列)された図示しない複数(例えば17個)のレーザダイオード(半導体レーザ)を有する。ここでは、最も+Z側のレーザダイオードと最も−Z側のレーザダイオードとのZ軸方向に関する距離は、例えば10mmに設定されている。1次元レーザアレイLAは、一例として、断面がZ軸方向に延びるライン状のレーザ光を+X方向に射出する。
光学系SO1は、一例として、第1のシリンドリカルレンズ20、第1の球面レンズ22、マイクロレンズアレイ24、第2の球面レンズ26、第2のシリンドリカルレンズ28、ガルバノミラー装置30を有する。以下、便宜上、第1のシリンドリカルレンズ20、第1の球面レンズ22、マイクロレンズアレイ24、第2の球面レンズ26及び第2のシリンドリカルレンズ28を合わせて、レンズ群と称する。
第1のシリンドリカルレンズ20は、1次元レーザアレイLAから射出されたライン状のレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光を幅方向(複数のレーザダイオードの配列方向に直交する方向に平行な方向)に僅かに集光する。ここでは、第1のシリンドリカルレンズ20として小型のものが、1次元レーザアレイLAの射出面に近接して配置されている。
第1の球面レンズ22は、第1のシリンドリカルレンズ20を介したライン状のレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光を、マイクロレンズアレイ24に集光する。
マイクロレンズアレイ24は、第1の球面レンズ22を介したライン状のレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光を長さ方向(複数のレーザダイオードの配列方向に平行な方向)に拡散して、長さ方向の光分布を均一化する。
第2の球面レンズ26は、マイクロレンズアレイ24を介したライン状のレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光を、長さ方向及び幅方向に均一に拡大する。
第2のシリンドリカルレンズ28は、第2の球面レンズ26を介したライン状のレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光を幅方向に僅かに集光する。
ガルバノミラー装置30は、ガルバノメータに、レーザ光を反射する往復揺動可能な揺動ミラー30aが装着されたものである。ここでは、揺動ミラー30aは、一例として、Z軸周りに揺動可能となっている。ガルバノミラー装置30は、その揺動ミラー30aの回転角度を検出する角度センサ(不図示)を有している。
ガルバノミラー装置30は、揺動ミラー30aが第2のシリンドリカルレンズ28を介したライン状のレーザ光の光路上に位置するように配置されており、該レーザ光を、Z軸周りに揺動しながら反射することで、概ね+Y側に偏向する。
そこで、レンズ群を介したライン状のレーザ光は、ガルバノミラー装置30により偏向され、筐体12aの+Y側の側壁に設けられた消去用レーザ光射出口(不図示)を介して概ね+Y側に、すなわちコンベア装置10の例えば数cm〜数十cm上空を横切るように射出される。
以上より、1次元レーザアレイLAから射出されたライン状のレーザ光は、レンズ群によりエネルギー密度が均質化され、かつ長さ方向(Z軸方向)に拡大され、ガルバノミラー装置30により概ね+Y側に偏向され、コンベア装置10上における上記消去用レーザ光射出口に対向する位置に位置する搬送物に照射される。この結果、該搬送物上で断面がZ軸方向に延びるライン状のレーザ光がX軸方向に走査される。
端子台17は、システム制御装置18から出力される消去開始信号、インターロック信号、環境温度信号、エンコーダ信号などを入力するための信号入力端子と、消去準備完了信号、消去中信号、異常発生信号などをシステム制御装置18に出力するための信号出力端子とを有している。
ここで、消去開始信号は、消去装置が消去処理を開始するための信号である。インターロック信号は、消去処理を緊急停止させるための信号である。環境温度信号は、環境温度でレーザパワー(出力)を補正するための信号である。エンコーダ信号は、リライタブルラベル(ワーク)の移動速度を検出するための信号である。消去準備完了信号は、消去開始信号を受付可能になったことを示す信号である。消去中信号は、消去を実行していることを示す信号である。異常発生信号は、例えば1次元レーザアレイLAの異常、ガルバノミラー装置30の異常などをコントローラ21が検出したことを示す信号である。
操作盤19は、簡易な表示器及び操作スイッチを含むユーザインターフェースであり、メニュー選択と数値入力が可能となっている。ここでは、操作盤19では、一例として、レーザ光の走査長、レーザ光の走査速度、レーザ光の走査方向、レーザパワー、消去開始ディレイ時間、ワーク速度などの消去条件などを指定可能となっている。
コントローラ21は、消去条件設定部32、消去処理制御部34、レーザ制御部36、ガルバノ制御部38などを有する。
消去条件設定部32は、操作盤19にてユーザが指定したレーザ光の走査長、レーザ光の走査速度、レーザ光の走査方向、レーザパワー、消去開始ディレイ時間、ワーク速度などの消去条件を設定する。
消去処理制御部34は、端子台17からの入力信号を処理し、レーザ制御部36及びガルバノ制御部38へ指示を出すとともに、端子台17への出力信号を生成する。
レーザ制御部36は、消去処理制御部34が指示したレーザの出力値をアナログ電圧に変換してレーザドライバ40へ出力するとともに、レーザを点灯又は消灯させるためのタイミング信号を生成する。
レーザドライバ40は、1次元レーザアレイLAの駆動電流を生成する回路であり、レーザ制御部36からの指示値に従ってレーザパワーを制御する。
ガルバノ制御部38は、消去処理制御部34が指示した走査開始位置から走査終了位置まで指定速度でガルバノミラー装置30の揺動ミラー30aを揺動させるためのアナログ信号を生成してガルバノドライバ42に出力する。
ガルバノドライバ42は、ガルバノ制御部38からの指示値に従ってガルバノミラー装置30の揺動ミラー30aの揺動角度を制御する回路であり、ガルバノミラー装置30が有する角度センサからの信号とガルバノ制御部38からの指示値を比較し、その誤差が最小になるようにガルバノミラー装置30へ駆動信号を出力する。
図1に戻り、記録装置14は、一例として、コンベア装置10の−Y側、すなわち上記搬送路の−Y側であって、消去装置12Bの+X側に配置されている。
詳述すると、記録装置14は、一例として、BCU(n+3)に対向(対応)する位置に配置されている。すなわち、記録装置14に対向するBCU(n+3)と消去装置12Bに対向(対応)するBCU(n+1)との間には、1つのBCU(n+2)が配置されている。
記録装置14は、図4に示されるように、一例として、少なくとも1つ(例えば3つ)のレーザダイオード(半導体レーザ)を含むレーザ光源LS、光学系SO2、コントローラ46、ホストコンピュータ47、これらを収容する筐体14a(図1参照)などを含む。
レーザ光源LSは、一例として、レーザ光を−X方向に射出する。
光学系SO2は、一例として、X軸ガルバノミラー装置48、Z軸ガルバノミラー装置50及びfθレンズ53を有している。
X軸ガルバノミラー装置48は、その揺動ミラー48aがY軸周りに揺動する点を除いて、前述したガルバノミラー装置30と同様の構成を有している。
X軸ガルバノミラー装置48は、一例として、揺動ミラー48aがレーザ光源LSから射出されたレーザ光の光路上に位置するように配置されており、該レーザ光を概ね−Z側に偏向する。
Z軸ガルバノミラー装置50は、その揺動ミラー50aがX軸周りに揺動する点を除いて、前述したガルバノミラー装置30と同様の構成を有している。
Z軸ガルバノミラー装置50は、一例として、揺動ミラー50aがX軸ガルバノミラー装置48により偏向されたレーザ光の光路上に位置するように配置されており、該レーザ光を概ね+Y側に偏向する。
fθレンズ53は、一例として、Z軸ガルバノミラー装置50により偏向されたレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光をその+Y側に位置する搬送物上に集光するとともに、X軸及びZ軸ガルバノミラー装置48、50の揺動ミラーの揺動位置と搬送物上に形成される光スポットの変位が比例するような補正を行う。
fθレンズ53を介したレーザ光は、筐体14aの+Y側の側壁に設けられた記録用レーザ光射出口(不図示)を介して概ね+Y側に、すなわちコンベア装置10の例えば数cm〜数十cm上空を横切るように射出される。
以上より、レーザ光源LSから射出された光は、X軸及びZ軸ガルバノミラー装置48、50により順次偏向され、fθレンズ53を介してコンベア装置10上における記録用レーザ光射出口に対向する位置に位置する搬送物に照射される。この結果、搬送物上で光スポットがX軸及びZ軸の2次元方向に走査される。
コントローラ46は、ホストコンピュータ47から出力された画像情報に基づいて、線分で形成される描画データを生成し、X軸及びZ軸ガルバノミラー装置48、50における揺動ミラーの揺動位置、レーザダイオードの発光タイミング、発光パワーを制御し、記録対象物に画像を記録(形成)する。ここでは、一例として、約0.25mmの記録線幅で、文字、数字、記号、図形、バーコードなどが記録される。
コントローラ46は、X軸サーボドライバ52を介してX軸ガルバノミラー装置48を制御するとともに、Z軸サーボドライバ54を介してZ軸ガルバノミラー装置50を制御する。
X軸サーボドライバ52は、コントローラ46からの指示値に従ってX軸ガルバノミラー装置48の揺動ミラー48aの揺動位置を制御する回路であり、X軸ガルバノミラー装置48の角度センサの信号とコントローラ46からの指示値とを比較し、その誤差が最小になるようにX軸ガルバノミラー装置48に駆動信号を出力する。
同様に、Z軸サーボドライバ54は、コントローラ46からの指示値に従ってZ軸ガルバノミラー装置50の揺動ミラー50aの揺動位置を制御する回路であり、Z軸ガルバノミラー装置50の角度センサの信号とコントローラ46からの指示値とを比較し、その誤差が最小になるようにZ軸ガルバノミラー装置50に駆動信号を出力する。
制止装置16は、一例として、図2に示されるように、複数(例えば4つ)のストッパ60a〜60dと、複数(例えば4つ)のZアクチュエータ(不図示)とを含む。
各ストッパは、一例として、YZ平面に平行な平板部材から成る。ストッパ60aは、隣接する2つのBCU(n)及びBCU(n+1)間に支持架台10aに対して上下動可能に設けられている。ストッパ60bは、隣接する2つのBCU(n+1)及びBCU(n+2)間に支持架台10aに対して上下動可能に設けられている。ストッパ60cは、隣接する2つのBCU(n+2)及びBCU(n+3)間に支持架台10aに対して上下動可能に設けられている。ストッパ60dは、隣接する2つのBCU(n+3)及びBCU(n+4)間に配置されている。
上記4つのZアクチュエータは、一例として、4つのストッパ60a〜60dに対応して支持架台10aに設けられ、対応する4つのストッパ60a〜60dを個別にZ軸方向に移動させることができる。
詳述すると、各Zアクチュエータは、対応するストッパを、該ストッパがコンベア装置10の上面(各BCUの上面)よりも−Z側に位置する待機位置(退避位置)と各BCUの上面よりも+Z側に突出する突出位置(制止位置)との間で移動可能である。
各Zアクチュエータとしては、例えばエアシリンダ、オイルシリンダ、ソレノイドなど、要は、対応するストッパを上下動させることができるものであれば良い。4つのZアクチュエータは、システム制御装置18によって個別に駆動制御される。
以下に、リライタブルラベル(RL)における画像の記録及び消去のメカニズムを説明する。
この画像の記録及び消去のメカニズムは、熱により色調が可逆的に変化する態様である。この態様は、ロイコ染料及び可逆性顕色剤(以下、「顕色剤」とも称する)からなり、色調が透明状態と発色状態とに熱により可逆的に変化する。
図6(A)には、樹脂中にロイコ染料及び顕色剤を含んでなる熱可逆記録層を有する熱可逆記録媒体について、その温度−発色濃度変化曲線の一例が示され、図6(B)には、消色状態と発色状態とが熱により可逆的に変化する熱可逆記録媒体の発消色メカニズムが示されている。
まず、初め消色状態(A)にある熱可逆記録層を昇温していくと、溶融温度K2にて、ロイコ染料と顕色剤とが溶融混合し、発色が生じ溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると、発色状態のまま室温に下げることができ、発色状態が安定化されて固定された発色状態(C)となる。
この発色状態が得られたかどうかは、溶融発色状態(B)からの降温速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が生じ、初期と同じ消色状態(A)、あるいは急冷による発色状態(C)よりも相対的に濃度の低い状態となる。
一方、発色状態(C)から再び昇温していくと、溶融温度K2よりも低い温度K1にて消色が生じ(DからE)、この状態から降温すると、初期と同じ消色状態(A)に戻る。
溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は、前記ロイコ染料と前記顕色剤とが分子同士で接触反応し得る状態で混合された状態であり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態では、前記ロイコ染料と前記顕色剤との溶融混合物(前記発色混合物)が結晶化して発色を保持した状態であり、この構造の形成により発色が安定化していると考えられる。
一方、消色状態は、前記ロイコ染料と前記顕色剤とが相分離した状態である。この状態は、少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり、結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより前記ロイコ染料と前記顕色剤とが分離して安定化した状態であると考えられる。多くの場合、このように、前記ロイコ染料と前記顕色剤とが相分離して前記顕色剤が結晶化することにより、より完全な消色が生じる。
なお、図6(A)に示される、溶融発色状態(B)から徐冷による消色、及び発色状態からの昇温による消色はいずれも温度K1で凝集構造が変化し、相分離や前記顕色剤の結晶化が生じている。
更に、図6(A)において、前記記録層を溶融温度K2以上の温度K3に繰返し昇温すると消去温度に加熱しても消去できない消去不良が発生したりする場合がある。これは、前記顕色剤が熱分解を起こし、凝集あるいは結晶化しにくくなってロイコ染料と分離しにくくなるためと思われる。繰返しによる前記熱可逆記録媒体の劣化を抑えるためには、前記熱可逆記録媒体を加熱する際に、図6(A)の前記溶融温度K2と前記温度K3の差を小さくすることにより、繰返しによる前記熱可逆記録媒体の劣化を抑えられる。
次に、画像書き換えシステム100の動作の一例を、図7(A)〜図9(C)を参照して説明する。なお、以下に説明する動作は、システム制御装置18により統括的に制御される。ホストコンピュータ47に内蔵された図示しないメモリには、RLに記録すべき画像の情報、すなわち例えばコンテナCに収容されている荷物の内容、輸送先の情報、RLの使用回数などを示す、例えば文字等及びバーコードの画像情報が格納されているものとする。なお、図7(A)〜図9(C)では、各消去装置及び記録装置14の図示は、省略されている。
そして、コンベア装置10のBCU(1)〜BCU(n−1)上には、予め画像が記録されたRLを有し、荷物が収容されたn−1個のコンテナCが、作業者により個別に載置されている。
ここで、各コンテナCは、RLが貼付されたコンテナ本体の側面が、−Y側に位置するように、すなわち2つの消去装置12A、12B及び記録装置14それぞれのレーザ光射出口に対向し得るようにBCU上に載置されている。なお、図7(A)〜図9(C)では、図示の制約上、コンベア装置10のX軸方向中間部のみが図示されている。以下では、コンベア装置10上に載置されたn−1個のコンテナCを、+X側から−X側への並び順に、コンテナC1〜コンテナCn−1とも称する。
また、当初、4つのストッパ60a〜60dは、それぞれ待機位置(退避位置)に位置している。
そこで、先ず、作業者は、システム制御装置18の操作パネル(不図示)を操作して、システム制御装置18に搬送開始信号を送信する。
搬送開始信号を受信したシステム制御装置18は、BCU(1)〜BCU(n+1)の駆動を開始するとともに、ストッパ60bを待機位置(退避位置)から突出位置(制止位置)に移動させる(図7(A)参照)。この結果、各コンテナCは、隣接する2つのBCU間で受け渡されながら+X方向に搬送される。ここでは、隣接する2つのBCU間でのコンテナCの受け渡しに要する時間は、例えば0.6秒に設定されている。
ここで、コンベア装置10上を搬送されるコンテナCを検出する例えば光電センサ(不図示)が、例えばBCU(n−1)に対応する位置に配置されている。この光電センサからの検出信号は、システム制御装置18に送信される。システム制御装置18は、タイマ(不図示)を有しており、上記光電センサからの検出信号を受信したタイミング及び該タイミングからの経過時間に基づいて、各コンテナCの位置、すなわち該コンテナCがいずれのBCU上に位置しているかを常時把握する。
そこで、システム制御装置18は、コンテナC1がBCU(n)からBCU(n+1)に受け渡され、かつコンテナC2がBCU(n−1)からBCU(n)に受け渡されたときに、ストッパ60aを待機位置(退避位置)から突出位置(制止位置)に移動させるとともに、BCU(1)〜BCU(n+1)の駆動を停止する。この結果、コンテナC1が減速されつつストッパ60bに突き当たって停止する(ストッパ60bによって制止される)とともに、コンテナC2が減速されつつストッパ60aに突き当たった後、停止する(ストッパ60aによって制止される)(図7(B)参照)。すなわち、コンベア装置10は、コンテナC1をストッパ60bに突き当たる位置を停止目標位置として減速させ、コンテナC2をストッパ60aに突き当たる位置を停止目標位置として減速させる。ここでは、突出位置(制止位置)に位置する各ストッパの上端は、コンテナCの重心よりも低い位置に位置する。なお、本明細書において、「コンテナCを所定位置を停止目標位置として減速させる」は、移動中のコンテナCを下流側の所定位置で速度が概ね0(概ね静止状態)になるように減速させることを意味する。
コンテナC1がストッパ60bに突き当たったとき、コンテナC1の重心には、ストッパ60bの上端を支点とするY軸周りの一方向のストッパ60bからの抗力のモーメント、及びY軸周りの他方向の重力のモーメントが作用し、コンテナC1は、Y軸周りに振動する。すなわち、コンテナC1は、前傾姿勢と後傾姿勢とを交互に繰り返す運動を行う。同様に、コンテナC2がストッパ60aに突き当たったとき、コンテナC2の重心には、ストッパ60aの上端を支点とするY軸周りの一方向のストッパ60aからの抗力のモーメント、及びY軸周りの他方向の重力のモーメントが作用し、コンテナC2は、Y軸周りに振動する。コンテナC1及びC2の振動は、時間の経過とともに、減衰する。すなわち、各コンテナがストッパに突き当たってから静止状態となるまで、ある程度時間を要する。
ここで、ストッパ60bは、該ストッパ60bにコンテナCが突き当たっているときに該コンテナCのRLが消去装置12Bに正対するように該消去装置12Bに対してX軸方向の位置が調整されている(図1参照)。また、ストッパ60aは、該ストッパ60aにコンテナCが突き当たっているときに該コンテナCのRLが消去装置12Aに正対するように該消去装置12Aに対してX軸方向の位置が調整されている(図1参照)。すなわち、ストッパ60a、60bは、それぞれコンテナCを消去装置12A、12Bに正対する位置に位置決めする機能を有する。なお、「コンテナCが消去装置に正対する」とは、該コンテナCのRLが該消去装置のレーザ光射出口に対向することを意味する。
次いで、システム制御装置18から各消去装置に消去開始信号が出力される。
消去開始信号を受信した各消去装置は、断面がZ軸方向に延びるライン状(例えば長さ60mm、幅0.5mm)のレーザ光で正対するコンテナCのRLをX軸方向に所定速度で所定時間走査し、該RLに記録された画像を消去する。すなわち、各消去装置は、RLに所定パワーのレーザ光を照射することで、該RLに記録されている画像を非接触で消去する。ここでは、各消去装置によるRLに対する消去処理には、例えば1.5秒を要する。
各消去装置は、正対するコンテナCに対する消去処理が終了したときに、システム制御装置18に消去終了信号を出力する。
このようにして、消去装置12BによるコンテナC1に対する消去処理、及び消去装置12AによるコンテナC2に対する消去処理が並行して行われる。
各消去装置からの消去終了信号を受信したシステム制御装置18は、ストッパ60a、60bを突出位置(制止位置)から待機位置(退避位置)に移動させ、かつストッパ60dを待機位置(退避位置)から突出位置(制止位置)に移動させるとともに、BCU(n)〜BCU(n+3)の駆動を開始し、その後(例えば0.6秒後)、BCU(1)〜BCU(n−1)の駆動を開始する。
そして、システム制御装置18は、コンテナC1がBCU(n+1)からBCU(n+2)に受け渡され、かつコンテナC2がBCU(n)からBCU(n+1)に受け渡されたときにBCU(n+1)の駆動を停止する。この結果、コンテナC2が減速されつつストッパ60cに突き当たった後、停止する(ストッパ60cによって制止される)(図7(C)参照)。すなわち、コンベア装置10は、コンテナC2をストッパ60cに突き当たる位置を停止目標位置として減速させる。この結果、コンテナC2は、Y軸周りに振動する。
次いで、システム制御装置18は、コンテナC1がBCU(n+2)からBCU(n+3)に受け渡されたときに、BCU(n+2)及びBCU(n+3)の駆動を停止する。この結果、コンテナC1が減速されつつストッパ60dに突き当たった後、停止する(ストッパ60dによって制止される)(図8(A)参照)。すなわち、コンベア装置10は、コンテナC1をストッパ60dに突き当たる位置を停止目標位置として減速させる。
コンテナC1がストッパ60dに突き当たったとき、コンテナC1の重心には、ストッパ60dの上端を支点とするY軸周りの一方向のストッパ60dからの抗力のモーメント、及びY軸周りの他方向の重力のモーメントが作用し、コンテナC1は、Y軸周りに振動する。すなわち、コンテナC1は、前傾姿勢と後傾姿勢とを交互に繰り返す運動を行う。この振動の振幅は、コンテナC1がストッパ60dに突き当たった直後に最大となり、時間の経過とともに、小さくなる(図10参照)。すなわち、この振動は、減衰振動である。ここでは、図10に示されるように、コンテナC1がストッパ60dに突き当たった時刻t0を0秒としたときに、時刻t2(例えば0.4秒)に、コンテナC1の振幅が所定の基準値(例えば0.1mm)以下になる。
ここで、ストッパ60dは、該ストッパ60dにコンテナCが突き当たっているときに該コンテナCのRLが記録装置14に正対するように該記録装置14に対してX軸方向の位置が調整されている。すなわち、ストッパ60dは、コンテナCを記録装置14に正対する位置に位置決めする機能を有する。なお、「コンテナCが記録装置14に正対する」とは、該コンテナCのRLが該記録装置14のレーザ光射出口に対向することを意味する。
そこで、システム制御装置18は、記録装置14に正対するコンテナC1に画像を記録すべく、すなわち記録処理を施すべく記録装置14に記録開始信号を出力する。
ところで、振動しているコンテナCに対して記録処理が施される場合、この振動の影響がRLに記録される画像の品質に影響することが懸念される。特に、RLに記録される画像に含まれるバーコードは、読取装置(例えばバーコードスキャナ)によって読み取られる情報であるため、画質に関する要求水準が文字等に比べて高い。
すなわち、コンテナCの振動により、バーコードの各バーがRLに対して本来描画されるべき位置からずれて描画されるため、該振動の振幅によっては、読取装置(例えばバーコードスキャナ)でバーコードを読み取ったときのグレード(画質)が大幅に低下する、もしくは読取装置で読取不能となることが考えられる。つまり、コンテナCの振動の振幅が大きくなるほどバーコードの各バーの描画位置のずれが大きくなるため、該振動の振幅は、RLに記録されるバーコードの画質(バーコードの読取性)に影響する大きな要因であると言える。この振動が減衰しきってからコンテナCに対して記録処理を開始することも考えられるが、処理効率の観点から、合理的でない。
そこで、記録開始信号を受信した記録装置14は、一例として、図10に示されるように、先ず、例えば時刻0.1秒から時刻0.55秒(>時刻t2)までの時間帯T1にコンテナC1のRLに文字等を記録する。次いで、例えば時刻0.55秒から時刻0.75秒までの時間帯T2に、すなわちコンテナC1の振動の振幅が上記基準値以下であるときにコンテナC1のRLにバーの幅が例えば0.25mmのバーコードを記録する。次いで、例えば時刻0.75秒から時刻1秒までの時間帯T3にコンテナC1のRLに文字等を記録する。この場合、記録装置14による記録処理に要する時間(画像記録時間)は、例えば0.9秒である。すなわち、ここでは、画像記録時間の後半(0.45秒〜0.9秒)にバーコードが記録される。画像記録時間とは、RLに記録すべき画像の記録開始時から記録完了時までの時間である。なお、本明細書において、画像記録時間を「記録時間」とも称する。
本実施形態では、上記基準値は、バーコードの画質に関する要求水準に基づいて設定されている。すなわち、記録装置14に正対するコンテナCの振動の振幅が上記基準値以下のときに該コンテナCのRLにバーコードが記録されると該バーコードの画質がその要求水準に達するように上記基準値が設定されている。
なお、上記基準値は、例えばバーコードの種類、バーの幅等に応じて、より詳細に設定されることが好ましい。
また、コンテナCの停止時の振動の振幅が上記基準値以下となる時刻は、例えばコンテナCの重量、コンテナCの重心のストッパの上端に対する高さ、コンテナCの搬送速度などに応じて変わるため、予めシミュレーション(実験)を行って、計測しておくことが望ましい。
記録装置14によるコンテナC1のRLに対する画像の記録は、該RLをスポット状のレーザ光でX軸及びZ軸の2次元方向に一筆書きの要領で走査することによって行われる。すなわち、記録装置14は、RLに所定パワーのレーザ光を照射することで、該RLに画像を非接触で記録する。
一方、システム制御装置18は、コンテナC1がBCU(n+2)からBCU(n+3)に受け渡されたときに、ストッパ60bを突出位置(制止位置)から待機位置(退避位置)に移動させ、かつストッパ60cを待機位置(退避位置)から突出位置(制止位置)に移動させるとともに、BCU(n+1)及びBCU(n+2)の駆動を開始させる。
そして、システム制御装置18は、コンテナC2がBCU(n+1)からBCU(n+2)に受け渡され、コンテナC3がBCU(n)からBCU(n+1)に受け渡され、コンテナC4がBCU(n−1)からBCU(n)に受け渡されたときに、ストッパ60b、60aを待機位置(退避位置)から突出位置(制止位置)に移動させるとともに、BCU(1)〜BCU(n+2)の駆動を停止する(図8(B)参照)。この結果、コンテナC2、C3、C4は、時刻t3(例えば0.6秒)にそれぞれ減速されつつストッパ60c、60b、60aにほぼ同時に突き当たった後、停止する(図8(C)参照)。すなわち、コンベア装置10は、コンテナC2、C3、C4をそれぞれストッパ60c、60b、60aに突き当たる位置を停止目標位置として減速させる。
コンテナC2、C3、C4がそれぞれストッパ60c、60b、60aに突き当たったとき、コンテナC2、C3、C4の重心には、対応するストッパ60c、60b、60aの上端を支点とするY軸周りの一方向の該ストッパからの抗力のモーメント、及びY軸周りの他方向の重力のモーメントが作用し、コンテナC2、C3、C4は、Y軸周りに振動する。これらの振動は、位相がほぼ同じであり、合成された状態でコンベア装置10を介して記録処理中のコンテナC1に伝わる(図10参照)。
コンテナC1に伝わった振動は、コンテナC2、C3、C4がそれぞれストッパ60c、60b、60aに突き当たった直後に最大となり、すなわち上記基準値(例えば0.1mm)を超え、時間の経過とともに、減衰する(図10参照)。ここでは、時刻t4(例えば1.1秒)にコンテナC1の振幅が上記基準値以下になる。
システム制御装置18は、コンテナC3、C4がそれぞれストッパ60b、60aに突き当たった直後、各消去装置に消去開始信号を出力する。消去開始信号をそれぞれ受信した2つの消去装置12A、12Bは、それぞれコンテナC4、C3に対する消去処理をコンテナC1、C2に対する消去処理と同様に行う(図8(C)〜図9(C)参照)。
一方、システム制御装置18は、時刻t5(例えば1.2秒)に、ストッパ60c、60dを突出位置(制止位置)から待機位置(退避位置)に移動させるとともに、BCU(n+2)〜BCU(N)の駆動を開始し(図9(A)参照)、コンテナC2がBCU(n+2)からBCU(n+3)に受け渡されたときに、BCU(n+2)及びBCU(n+3)の駆動を停止する。この結果、コンテナC2が減速されつつストッパ60dに突き当たって停止する(図9(B)参照)。すなわち、コンベア装置10は、コンテナC2をストッパ60dに突き当たる位置を停止目標位置として減速させる。この結果、コンテナC2がY軸周りに振動する。なお、コンテナC1は、BCU(n+4)〜BCU(N)によって、次の工程(例えば輸送準備工程)に送られる。
そこで、システム制御装置18は、記録装置14に記録開始信号を出力する。記録開始信号を受信した記録装置14は、コンテナC2に対する記録処理をコンテナC1に対する記録処理と同様に行う(図9(C)参照)。
このようにして、消去装置12BによるコンテナC3に対する消去処理、消去装置12AによるコンテナC4に対する消去処理、及び記録装置14によるコンテナC2に対する記録処理が並行して行われる(図9(C)参照)。
以後、コンテナC3、C4に対する記録処理、及びコンテナC5〜Cn−1に対する消去処理及び記録処理が同様に行われる。そして、画像の書き換えが行われたコンテナCは、BCU(n+3)〜BCU(N)によって、次の工程(例えば輸送準備工程)に送られる。
図11には、画像書き換え時の各コンテナの位置に関するタイムチャートが示されている。図11では、n−1個のコンテナCの搬送開始時刻を時刻t=0秒としている。なお、図11では、図示の制約上、コンテナC8〜コンテナCn−1に関しては、省略されている。
以上のように、画像書き換えシステム100では、X軸方向に順次搬送される複数のコンテナCそれぞれは、2つの消去装置12A、12Bのいずれかに正対する位置で停止されて消去処理が施された後、記録装置14に正対する位置で停止されて記録処理が施されることで、画像の書き換えが行われる。画像の書き換えが行われたコンテナCは、次の工程(例えば輸送準備工程)に送られる。
以上説明した画像書き換えシステム100が備える画像記録システム150は、コンテナCに貼付されたRLに画像を記録する画像記録システムであり、コンテナCを+X方向に搬送するコンベア装置10と、該コンベア装置10の−Y側に配置され、対向する位置に位置したRLに前記画像を非接触で記録可能な記録装置14と、を備え、前記画像は、読取装置によって読み取られるバーコードを含み、コンベア装置10は、コンテナCをRLが記録装置14に対向する位置を停止目標位置として減速させ、記録装置14は、コンテナCが停止目標位置に到達後、コンテナCの振動の振幅が基準値以下のときにRLにバーコードを記録する。
この場合、バーコードの各バーの描画位置のずれを読取装置で読み取り可能な程度に抑えることができる。
結果として、画像記録システム150では、RLに記録される読取画像の品質(画質)を読取装置によって読取可能な水準以上とすることができる。
また、画像記録システム150では、コンテナCの停止時における該コンテナCの振動の振幅が基準値を超える時間帯に該コンテナCのRLに画像の記録を開始するため、処理効率の低下を抑制できる。
また、画像記録システム150では、コンテナCに画像が記録される時間である画像記録時間のうち、該コンテナCの振動の振幅が基準値以下になる時刻t2(例えば0.4秒)のΔTa秒(例えば0.15秒)後の時刻(例えば0.55秒)から該振幅が基準値を超える時刻t3(例えば0.85秒)のΔTb秒(例えば0.1秒)前の時刻(例えば0.75秒)までの時間帯T2にバーコードを記録している(図10参照)。
この場合、仮に時刻t2が予定される時刻よりも多少遅くなっても、コンテナCの振動の振幅が基準値以下であるときにバーコードの記録を開始させることができる。また、仮にコンテナCに後続する他のコンテナCがストッパに突き当たる時刻t3が予定される時刻よりも多少早くなっても、コンテナCの振動の振幅が基準値以下であるときにバーコードの記録を完了させることができる。そして、ΔTaの値が大きいほどコンテナCの振動の振幅が基準値以下であるときにバーコードの記録をより確実に開始させることができる。また、ΔTbの値が大きいほどコンテナCの振動の振幅が基準値以下であるときにバーコードの記録をより確実に完了させることができる。
また、画像書き換えシステム100では、一のコンテナCが記録装置14に正対する位置で制止させるストッパ60dに突き当てられたときから所定時間後(例えば0.6秒後)、後続する他の3つのコンテナCがストッパ60a〜60cに突き当てられる。この場合、一のコンテナCの停止時の振動の振幅が小さくなったときに、該一のコンテナCに他のコンテナCの振動がコンベア装置10を介して伝わるため、一のコンテナの振動の振幅が増大することを極力抑制できる。
また、画像書き換えシステム100は、画像記録システム150と、記録装置14の−X側(コンテナCの搬送方向上流側)に、X軸方向に互いに離間して配置された2つの消去装置12A、12Bと、を備えている。
この場合、コンベア装置10によって順次搬送される2つのコンテナCに対して2つの消去装置12A、12Bを用いて消去処理を並行して施した後、記録装置14を用いて消去処理よりも処理時間が短い記録処理を順次施すことができる。この結果、記録装置14の稼働率を高めることができ、ひいては画像記録システム150の処理効率(画像書き換えシステム100の処理効率)を向上できる。
ところで、RLに記録される文字等の少なくとも一部の画質に関する要求水準が比較的高いことが想定される。
そこで、図12に示される変形例のように、コンテナCに画像を記録する際のコンテナCの振幅の基準値が複数(例えば2つ)設定されていても良い。
すなわち、図12に示される変形例では、一例として、コンテナCの振動の振幅が、第1の基準値以下であるときに該コンテナCに対してバーコードの記録が行われ、第2の基準値以下であるときに該コンテナCに対して文字等の記録が行われる。
ここでは、第1の基準値は、バーコードの画質に関する要求水準に基づいて、すなわち上記所定水準に基づいて例えば0.1mmに設定され、コンテナCの振動の振幅が第1の基準値以下になる時刻t2は、例えば0.2秒である。また、第2の基準値は、文字等の画質に関する要求水準に基づいて例えば0.2mmに設定され、コンテナCの振動の振幅が第2の基準値以下になる時刻t1は、例えば0.1秒である。
具体的には、一のコンテナCが時刻0.15秒(>t1)から時刻0.3秒(>t2)までの時間帯T1´、すなわち一のコンテナCの振動の振幅が第2の基準値(例えば0.2mm)以下であるときに、該一のコンテナCのRLに文字等が記録される。次いで、時刻0.3秒から時刻0.5秒までの時間帯T2´、すなわち一のコンテナCの振動の振幅が第1の基準値(例えば0.1mm)以下であるときに、該一のコンテナCのRLにバーコードが記録される。
次いで、時刻0.5秒から時刻1.05秒までの時間帯T3´に該一のコンテナCのRLに文字等が記録される。すなわち、画像記録時間は0.9秒である。この際、時刻t3(例えば0.6秒)に、一のコンテナCに後続する他の3つコンテナCがそれぞれストッパ60a〜60cにほぼ同時に突き当たり、Y軸周りに振動する。これらの振動が合成された振動がコンベア装置10を介して記録処理中の一のコンテナCに伝わるが、この振動の振幅の最大値は、第2の基準値(例えば0.2mm)以下であり、かつ第1の基準値(例えば0.1mm)よりも大きい(図12参照)。この振動の振幅は、時刻t4(例えば1.1秒)に第1の基準値以下となる。
結果として、図12に示される変形例では、コンテナCの振動の振幅が比較的小さいときに、該コンテナCのRLに文字等を記録することができるため、該RLに記録される文字等の画質を確実にその要求水準以上にすることができる。また、コンテナCの振動の振幅が小さいときに、該コンテナCのRLにバーコードを記録することができるため、該RLに記録されるバーコードの画質を確実にその要求水準以上にすることができる。すなわち、RLに記録される画像の品質を確実に向上させることができる。
なお、例えば、RLに記録される画像に含まれる情報(文字等及びバーコード)の画質に関する要求水準に基づいて、第1及び第2の基準値と異なる別の少なくとも1つの基準値を設定しても良い。
具体的には、例えば、記録すべき画像に画質に関する要求水準が異なる複数の文字等が含まれる場合に、第1の基準値よりも大きく、かつ第2の基準値よりも小さい第3の基準値を設定しても良い。そして、例えば、コンテナCの振動の振幅が第3の基準値よりも大きく、かつ第2の基準値以下のときに該コンテナCのRLに文字等の一部(画質に関する要求水準が低い文字等)を記録し、該コンテナCの振幅が第1の基準値よりも大きく、かつ第3の基準値以下のときに該コンテナCのRLに文字等の残部(画質に関する要求水準が高い文字等)を記録しても良い。
また、例えば、記録すべき画像に画質に関する要求水準が異なる複数のバーコードが含まれる場合に、例えば、第1の基準値よりも小さい第3の基準値を設定しても良い。そして、例えば、コンテナCの振動の振幅が、第3の基準値以下のときに、該コンテナCのRLに複数のバーコードの一部(画質に関する要求水準が高いバーコード)を記録し、該コンテナCの振幅が第3の基準値よりも大きく、かつ第1の基準値以下のときに該コンテナCのRLに複数のバーコードの残部(画質に関する要求水準が低いバーコード)を記録しても良い。
これらの場合、コンテナCの振動の振幅が比較的小さいときにRLに対して文字等やバーコードが記録されるため、RLの特定の部分が複数回走査され過剰に加熱されることによりRLが劣化するのを防止することができる。
また、上記実施形態及び変形例では、4つのストッパ60a〜60dを含む制止装置16が設けられているが、設けられていなくても良い。この場合、システム制御装置18によるコンベア装置10の駆動制御のみによってコンテナCを各消去装置及び記録装置14に正対する位置で停止させることになる。
この場合、コンテナCの停止時に、該コンテナCの重心に、該コンテナCの+X側かつ−Z側の角部を支点とするBCUからのY軸周りの一方向の摩擦力のモーメント、及びY軸周りの他方向の重力のモーメントが作用する。この結果、コンテナCは、Y軸周りに振動する。この振動(減衰振動)の振幅の最大値は、コンテナCの減速度が大きいほど大きくなる。この場合も、上記実施形態及び変形例と同様に、記録装置14によってコンテナCのRLに記録される画像に含まれる情報の画質に関する要求水準に応じて記録する時間帯を調整することで、該コンテナCのRLに記録される画像の品質を向上させることができる。なお、本明細書において、コンテナCの停止目標位置は、該コンテナCのRLが記録装置14のレーザ光射出口や各消去装置のレーザ光射出口に対向する領域内の任意の位置であれば良い。
また、上記実施形態及び変形例では、制止装置16は、4つのストッパ60a〜60dを有しているが、これに限られない。例えば、制止装置は、BCU(n+2)及びBCU(n+3)間に配置されたストッパ60cを有していなくても良い。また、例えば、4つのストッパ60a〜60dそれぞれが配置されている隣接する2つのBCU間以外の少なくとも1つの隣接する2つのBCU間にもストッパを配置しても良い。
また、上記実施形態及び変形例では、各ストッパの上端は、コンテナC及び内容物を含む系の重心よりも低くなっているが、該重心の高さ以上であっても良い。この場合、コンテナCは、各ストッパに突き当たって停止するときに、X軸方向に減衰振動する。この減衰振動の振幅の最大値は、コンテナCの減速度が大きいほど大きくなる。この場合も、上記実施形態及び変形例と同様に、記録装置14によってコンテナCのRLに記録される画像に含まれる情報の画質に関する要求水準に基づいて記録する時間帯を調整することで、該コンテナCのRLに記録される画像の品質を向上させることができる。
また、上記実施形態及び変形例では、コンテナCに対して、時刻t0〜t4の時間に画像(文字等及びバーコード)が記録されているが、例えば時刻t4〜t5の時間帯にも、文字等の一部又はバーコードを記録しても良い。
また、例えば、消去装置12Bと記録装置14との間、すなわちBCU(n+2)に対応する位置に、2つの消去装置12A、12Bのいずれかによって消去処理が施されたRLの画像の濃度を検出する画像センサを配置しても良い。そして、画像センサからの検出結果に基づいて、BCU(n+2)上に位置するコンテナCのRLに記録された画像の濃度が所定値以下のときに、該コンテナCを記録装置14に対応するBCU(n+3)上に搬送して該コンテナCに対して記録処理を施し、該コンテナCのRLに記録された画像の濃度が上記所定値よりも高いときに、該コンテナCを例えば人手により撤去するようにしても良い。この結果、各消去装置によって画像が確実に消去されたコンテナCに対してのみ、記録処理を施すことができ、ひいては画像書き換え不良を防止できる。なお、コンテナCがBCU(n+2)上における画像センサに正対する位置で停止されるようにストッパ60cの画像センサに対するX軸方向の位置を調整することが好ましい。この場合も、コンテナCがストッパ60cに突き当たったときの振動が、先行する記録処理中のコンテナCにコンベア装置10を介して伝わる。
また、上記実施形態及び変形例では、コンテナCがストッパに突き当たってから該コンテナCの振動の振幅が基準値以下になる時間が経過したときに該コンテナCのRLにバーコードを記録するようにしているが、これに限らず、例えば、コンテナCの振動の振幅を検出する振動センサをコンベア装置10に設けて、該振動センサからの検出結果をモニタし、該検出結果が基準値以下になったときに該コンテナCのRLにバーコードを記録するようにしても良い。
また、画像書き換えシステムにおける消去装置及び記録装置の数は、上記各実施形態で説明したものに限られない。例えば、消去装置の数は、1つでも良いし、3つ以上でも良い。また、記録装置の数は、2つ以上でも良い。また、記録装置の数は、消去装置の数よりも多くても良い。
また、上記実施形態及び変形例では、コンテナCの振動の振幅が基準値(又は第1の基準値)以下のときに該コンテナCのRLに記録される情報としてバーコードが採用されているが、これに代えて又は加えて、例えば、文字等のうち、特に画質に関する要求水準が高いもの(画質に関する要求水準が所定水準以上のもの)や、例えばQRコード(登録商標)等の二次元コードなどの読取装置で読み取られる情報(画質に関する要求水準が所定水準以上の情報)が採用されても良い。そして、例えば、RLに記録される文字等、バーコード、二次元コードの大きさ、種類、線幅、読取装置の性能(例えば読取解像度)等に応じて、画質に関する要求水準の高低の目安となる所定水準を変更しても良い。この場合、該所定水準が高いほど、上記基準値を低く設定することが好ましい。
また、上記実施形態及び変形例では、RLに記録される画像は、複数の情報を含んでいるが、これに限らず、要は、画質に関する要求水準が所定水準以上の少なくとも1つの情報を含んでいれば良い。
また、上記実施形態及び変形例では、バーコードの読み取り機能を有する読み取り装置(例えばバーコードスキャナ)が採用されているが、これに限らず、例えば、バーコードの読み取り機能に加えて、光学文字認識(Optical Character Recognition)機能を有する読取装置又該機能を有するソフトウエアを含む読取装置を採用し、バーコードの情報をコンピュータで扱える文字データに変換することとしても良い。
また、上記実施形態及び変形例では、ストッパとして、平板部材が用いられているが、これに限らず、コンテナCを各消去装置又は記録装置に正対する位置で制止できるものであれば、他の部材であっても良い。なお、ストッパとして用いられる部材としては、コンテナCとの衝突時のエネルギーをある程度吸収でき(反発係数があまり高くなく)、かつコンテナCの位置決め精度に優れる部材が好ましい。
また、上記実施形態及び変形例では、一のコンテナCをストッパ60dに突き当てた後、後続する3つの他のコンテナCを対応するストッパに同時に突き当てているが、これに限られない。例えば、一のコンテナC及び後続する3つの他のコンテナCを対応するストッパに同時に突き当てても良い。また、例えば、後続する3つの他のコンテナCのうち、少なくとも2つの他のコンテナCを異なるタイミングで対応するストッパに突き当てても良い。
また、上記実施形態及び変形例では、コンベア装置10が有する複数の搬送ユニットとして、BCU(ベルトコンベアユニット)が採用されているが、これに限らず、例えば、X軸方向に並び、Y軸方向を軸線方向とする複数のローラを含むローラコンベアユニットを採用しても良い。このローラコンベアユニットは、ベルトコンベアユニットから無端ベルトが取り外されたような構成を有している。ローラコンベアユニットの複数のローラとしては、外周面の摩擦係数が高いものが好ましい。
また、上記実施形態及び変形例では、搬送装置として、コンベア装置10が採用されているが、これに限らず、適宜変更可能である。例えば、搬送装置として、ベルトコンベアユニットとローラコンベアユニットを組み合わせた装置を採用しても良い。具体的には、搬送路におけるコンテナCの位置決め精度が要求される、RLが記録装置14に対向する位置を含む搬送領域では、コンテナCの位置を正確に制御可能なベルトコンベアユニットを用い、搬送路におけるコンテナCの位置決め精度がさほど要求されない搬送領域では、簡易な構成で耐久性に優れるローラコンベアユニットを用いても良い。また、搬送物の搬送速度が比較的遅い場合は、搬送装置をローラコンベアユニットのみで構成しても良い。
また、上記実施形態及び変形例では、コンベア装置10における複数のBCUは、X軸方向に並べて配置、すなわちX軸方向に延びる直線上に配置されているが、これに限らず、例えば、少なくとも一部がXY平面に平行な曲線上に配置されていても良い。
また、上記実施形態及び変形例では、記録装置14は、コンベア装置10の一側(例えば−Y側)に設けられているが、コンベア装置10の他側(例えば+Y側)に設けても良く、両側(例えば+Y側及び−Y側)に設けても良い。記録装置14を一側又は他側に設ける場合は、コンテナCの少なくとも記録装置14に対向する位置にRLが取り付けられていれば良い。記録装置14を両側に設ける場合は、コンテナCの少なくとも1つの記録装置14に対向する位置にRLが取り付けられていれば良い。記録装置14を両側に設け、コンテナCの片側のみにRLを取り付ける場合はコンテナCをコンベア装置10に載置するときにRLが取り付けられている側と記録装置14が設けられている側を一致させる必要がないため、記録装置14の側とRLの側が一致せずにRLに記録がなされない不具合を防止することができる。
上記実施形態及び変形例では、各消去装置及び記録装置のレーザとして、レーザダイオードが用いられているが、これに限らず、例えば、固体レーザ、ファイバーレーザ、CO2レーザなどの他のレーザを用いても良い。
上記実施形態及び変形例では、消去装置として、レーザ光をRLに照射して画像を消去するものが採用されているが、例えば、加熱されたローラ、プレートなどをRLに接触させて画像を消去するものを採用しても良い。
上記実施形態及び変形例では、記録装置として、レーザ光をRLに照射して画像を記録するものが採用されているが、例えば、サーマルヘッドなどをRLに接触させて画像を記録するものを採用しても良い。
上記実施形態及び変形例では、画像記録システム150がレーザ書き込みシステム100の一部として用いられているが、これに限られない。例えば、画像記録システム150のみを用いて、画像が記録されていないRLを有するコンテナCを搬送し、該コンテナCに対して記録処理のみを行っても良い。
また、上記実施形態及び変形例で用いられている距離、時間等の数値は、一例であって、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態及び変形例では、搬送物として、コンテナが採用されているが、これに限らず、要は、搬送装置によって搬送できる物体であれば良い。例えば、搬送物として、コンテナ以外の容器、包装物等を採用しても良い。また、搬送物の材質、形状等も特に限定されない。
以下に具体的な実施例を説明する。ここでは、搬送速度100mm/秒であるコンベア装置10によって、コンテナC(三甲社製オリコン32B)を搬送し、コンテナCをコンベア装置10上の所定位置(記録装置14に対向する位置)を停止目標位置として減速させ、コンテナCが停止目標位置に到達後、バーコードに対して記録を開始する時間と、X軸方向(搬送方向)の振動の振幅の最大値と、バーコード(Interleaved Two of Five、10桁、細バーの太さ0.25mm、0.375mm、0.5mm)の読取性との関係が、表1〜表6に示されている。また、表1〜表6に示される関係が、図14〜図16に示されている。図14〜図16では、◎は、総合グレードC(読取可能)であることを示し、○は、総合グレードCよりも低い総合グレードD(読取可能)でることを示し、×は、読取不可(読取不能)であることを示す。
バーが搬送方向と垂直に描画されたバーコードが、図13のB1で例示され、バーが搬送方向と平行に描画されたバーコードが、図13のB2で例示されている。また、コンテナCが停止目標位置に到達後、バーコードに対して記録を開始する時間と、X軸方向(搬送方向)の振動の振幅の最大値と、QRコード(登録商標)(モデル2)の読み取り性の関係とが、表7、表8に示されている。振幅の測定装置として、レーザ変位計(キーエンス社製LK−H085、測定距離範囲85±18mm)を用い、X軸方向の下流側(+X方向)からコンテナCの表面の振動を測定した。
表中の数値は、ANSI X.182−1990、JIS X0520(バーコードシンボル印刷品質の評価仕様)に定めるグレードであり、グレード1.5以上2.4未満は総合グレードC、グレード0.5以上1.4未満は総合グレードD、グレード0.5未満は総合グレードFに分類される。
表1から分かるように、実施例1及び2では、振幅が基準値(2.2×W−0.25)mm以下のときにバーコードが記録され、比較例1〜3では、振幅が基準値(2.2×W−0.25)mmを超えるときにバーコードが記録されている。なお、基準値(2.2×W−0.25)mmは、図14に実線で示される細バーの幅Wの1次関数である。
さらに、表1から分かるように、実施例1では、振幅が基準値(1.2×W−0.15)mm以下のときにバーコードが記録されている。なお、基準値(1.2×W−0.15)mmは、図14に破線で示される細バーの幅Wの1次関数である。
結果として、実施例1では、バーコードの読み取り(スキャン)を100回行ったところ、97回読み取ることができた。実施例2では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、6回読み取ることができた。比較例1〜3では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、1回も読み取ることができなかった。
表2から分かるように、実施例3〜6では、振幅が基準値(2.2×W−0.25)mm以下のときにバーコードが記録され、比較例4では、振幅が基準値(2.2×W−0.25)mmを超えるときにバーコードが記録されている。
さらに、表2から分かるように、実施例3及び4では、振幅が基準値(1.2×W−0.15)mm以下のときにバーコードが記録されている。
結果として、実施例3〜5では、バーコードの読み取り(スキャン)を100回行ったところ、97回読み取ることができた。実施例6では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、65回読み取ることができた。比較例4では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、1回も読み取ることができなかった。
表3から分かるように、実施例7〜10では、振幅が基準値(2.2×W−0.25)mm以下のときにバーコードが記録され、比較例5では、振幅が基準値(2.2×W−0.25)mmを超えるときにバーコードが記録されている。
さらに、表3から分かるように、実施例7〜9では、振幅が基準値(1.2×W−0.15)mm以下のときにバーコードが記録されている。
結果として、実施例7及び8では、バーコードの読み取り(スキャン)を100回行ったところ、100回読み取ることができた。実施例9では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、87回読み取ることができた。実施例10では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、85回読み取ることができた。比較例5では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、1回も読み取ることができなかった。
表4から分かるように、実施例11〜13では、振幅が基準値(1.3×W+0.88)mm以下のときにバーコードが記録され、比較例6では、振幅が基準値(1.3×W+0.88)mmを超えるときにバーコードが記録されている。なお、基準値(1.3×W+0.88)mmは、図15に実線で示される細バーの幅Wの1次関数である。
さらに、表4から分かるように、実施例11では、振幅が基準値(2.7×W−0.18)mm以下のときにバーコードが記録されている。なお、基準値(2.7×W−0.18)mmは、図15に破線で示される細バーの幅Wの1次関数である。
結果として、実施例11では、バーコードの読み取り(スキャン)を100回行ったところ、100回読み取ることができた。実施例12では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、70回読み取ることができた。実施例13では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、68回読み取ることができた。比較例6では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、1回も読み取ることができなかった。
表5から分かるように、実施例14〜16では、振幅が基準値(1.3×W+0.88)mm以下のときにバーコードが記録され、比較例7では、振幅が基準値(1.3×W+0.88)mmを超えるときにバーコードが記録されている。
さらに、表5から分かるように、実施例14及び15では、振幅が基準値(2.7×W−0.18)mm以下のときにバーコードが記録されている。
結果として、実施例14では、バーコードの読み取り(スキャン)を100回行ったところ、100回読み取ることができた。実施例15では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、93回読み取ることができた。実施例16では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、70回読み取ることができた。比較例7では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、1回も読み取ることができなかった。
表6から分かるように、実施例17〜19では、振幅が基準値(1.3×W+0.88)mm以下のときにバーコードが記録され、比較例8では、振幅が基準値(1.3×W+0.88)mmを超えるときにバーコードが記録されている。
さらに、表6から分かるように、実施例17〜19では、振幅が基準値(2.7×W−0.18)mm以下のときにバーコードが記録されている。
結果として、実施例17では、バーコードの読み取り(スキャン)を100回行ったところ、100回読み取ることができた。実施例18では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、89回読み取ることができた。実施例19では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、81回読み取ることができた。比較例8では、バーコードの読み取りを100回行ったところ、1回も読み取ることができなかった。
バーコードのバーを搬送方向と垂直に描画し、細バーの太さが0.25mmの場合は、コンテナの振動の振幅の最大値が0.30mm以下、好ましくは0.15mm以下のときに描画すると良い。バーコードのバーを搬送方向と垂直に描画し、細バーの太さが0.375mmの場合は、コンテナの振動の振幅の最大値が0.58mm以下、好ましくは0.30mm以下のときに描画すると良い。バーコードのバーを搬送方向と垂直に描画し、細バーの太さが0.5mmの場合は、コンテナの振動の振幅の最大値が0.85mm以下、好ましくは0.45mm以下のときに描画すると良い。バーコードのバーを搬送方向と平行に描画し、細バーの太さが0.25mmの場合は、コンテナの振動の振幅の最大値が1.21mm以下、好ましくは0.50mm以下のときに描画すると良い。バーコードのバーを搬送方向と平行に描画し、細バーの太さが0.375mmの場合は、コンテナの振動の振幅の最大値が1.37mm以下、好ましくは0.83mm以下のときに描画すると良い。バーコードのバーを搬送方向と平行に描画し、細バーの太さが0.5mmの場合は、コンテナの振動の振幅の最大値が1.53mm以下、好ましくは1.17mm以下のときに描画すると良い。
表7から分かるように、実施例20及び21では、振幅が基準値(1.6×W−0.30)mm以下のときにQRコード(登録商標)が記録され、比較例9及び10では、振幅が基準値(1.6×W−0.30)mmを超えるときにQRコード(登録商標)が記録されている。なお、基準値(1.6×W−0.30)mmは、図16に実線で示されるQRコード(登録商標)の線幅Wの1次関数である。
さらに、表7から分かるように、実施例20では、振幅が基準値(0.64×W−0.14)mm以下のときにQRコード(登録商標)が記録されている。なお、基準値(0.64×W−0.14)mmは、図16に破線で示されるQRコード(登録商標)の線幅Wの1次関数である。
結果として、実施例20及び21では、QRコード(登録商標)の読み取り(スキャン)を行ったところ、読み取ることができた。比較例9及び10では、QRコード(登録商標)の読み取りを行ったところ、読み取ることができなかった。
表8から分かるように、実施例22〜24では、振幅が基準値(1.6×W−0.30)mm以下のときにQRコード(登録商標)が記録され、比較例11では、振幅が基準値(1.6×W−0.30)mmを超えるときにQRコード(登録商標)が記録されている。
さらに、表8から分かるように、実施例22では、振幅が基準値(0.64×W−0.14)mm以下のときにQRコード(登録商標)が記録されている。
結果として、実施例22〜24では、QRコード(登録商標)の読み取り(スキャン)を行ったところ、読み取ることができた。比較例11では、QRコード(登録商標)の読み取りを行ったところ、読み取ることができなかった。
QRコード(登録商標)の線幅が0.375mmである場合はコンテナの振動の振幅の最大値が0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下のときに描画すると良い。QRコード(登録商標)の線幅が0.5mmである場合はコンテナの振動の振幅の最大値が0.5mm以下、好ましくは0.18mm以下のときに描画すると良い。
また、コンベア装置10において、以下の複数の方法を導入することによって振動の振幅を低減し、読取画像の読取性を向上させることができる。すなわち、ストッパのコンテナと接する面に緩衝部材を設けコンテナがストッパに衝突した直後の振動を緩和する方法、コンテナの姿勢を規制するガイド部材をコンテナの搬送方向に沿ってBCUの上方に設けコンテナがベルト、ローラから離間することを防止して振動を低減する方法、ストッパが設けられたBCUをその近傍のBCUから分離して床面に設置し該近傍の搬送装置からの振動の伝播を防止する方法などである。これらの方法のうち少なくとも1つの方法を導入することによって、該方法を導入しない場合に読取装置で読取可能な水準未満の画質で記録される読取画像を読取可能な水準以上の画質で記録することができ、もしくは総合グレードが所定グレード(例えばDグレード)で記録される読取画像を該所定グレードよりも高いグレード(例えばCグレード)で記録することができる。
なお、上記実施形態及び変形例では、コンテナCの振動の振幅が基準値以下のときにRLにバーコードや2次元コードを記録しているが、これに代えて、以下の実施例で説明するように、画像の記録時間の後半にRLにバーコードや2次元コードを記録しても良い。
以下の実施例及び比較例では、リコー社製レーザマーカリライタブルレーザマーカLDM200―110を用い、レーザパワー75%、走査速度3,000mm/sとなるように調整し、コンベア装置10によって、コンテナC(三甲社製オリコン32B)を搬送させ、RLに図17に示される画像を記録した。画像におけるバーコードの読取性は、キーエンス社製バーコードスキャナBL−1301HAを用いて検証し、2次元コードの読取性は、キーエンス社製2次元コードスキャナSR−610を用いて検証した。
《実施例25》
実施例25では、RLに図17に示されるバーコードを含む画像を図19の(1)から(7)で示す書き順で記録することで、該画像の記録時間(0.83s)の後半(例えば0.62s〜0.83s)にバーコードを記録し、記録されたバーコードに対して上記バーコードスキャナで100回読み取り(スキャン)を行ったところ、97回読み取ることができた。なお、バーコードを読み取る時間帯は、上記時間帯に限らず、記録時間(0.83s)の後半の0.415s〜0.83sの任意の時間帯で良い。
《実施例26》
実施例26では、RLに図17に示されるバーコードを含む画像を図20の(1)から(7)で示す書き順で記録することで、該画像の記録時間(0.83s)の後半(例えば0.53s〜0.74s)にバーコードを記録し、記録されたバーコードに対して上記バーコードスキャナで100回読み取り(スキャン)を行ったところ、98回読み取ることができた。なお、バーコードを読み取る時間帯は、上記時間帯に限らず、記録時間(0.83s)の後半の0.415s〜0.83sの任意の時間帯で良い。
《実施例27》
実施例27では、RLに図18に示される2次元コードを含む画像を図21の(1)から(7)で示す書き順で記録することで、該画像の記録時間(1.14s)の後半(例えば0.63sから1.14sの間)に2次元コードを記録し、記録された2次元コードに対して上記2次元コードスキャナで読み取り(スキャン)を行ったところ、読み取ることができた。なお、2次元コードを読み取る時間帯は、上記時間帯に限らず、記録時間(1.14s)の後半の0.57s〜1.14sの任意の時間帯で良い。
《比較例12》
比較例12では、RLに図17に示されるバーコードを含む画像を図22の(1)から(7)で示す書き順で記録することで、該画像の記録時間(0.83s)の前半(例えば0.00s〜0.21s)にバーコードを記録し、記録されたバーコードに対して上記バーコードスキャナで100回読み取りを行ったところ、1回も読み取ることができなかった。
《比較例13》
比較例13では、RLに図17に示されるバーコードを含む画像を図23の(1)から(7)で示す書き順で記録することで、該画像の記録時間(0.83s)の前半(例えば0.07s〜0.28s)にバーコードを記録し、記録されたバーコードに対して上記バーコードスキャナで100回読み取りを行ったところ、1回も読み取ることができなかった。
《比較例14》
比較例14では、RLに図18に示される2次元コードを含む画像を図24の(1)から(7)で示す書き順で記録することで、該画像の記録時間(1.14s)の前半(例えば0.00sから0.51sの間)に2次元コードを記録し、記録された2次元コードに対して上記2次元コードスキャナで読み取りを行ったところ、読み取ることができなかった。