《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1には、第1実施形態に係る物体処理システムとしての画像書き換えシステム100の概略構成が示されている。本実施形態では、一例として、図1に示されるようなZ軸方向を鉛直方向とするXYZ3次元直交座標系が設定されている。
画像書き換えシステム100は、以下に詳述するように、物体としての輸送用のコンテナCが有するリライタブルラベル(Rewritable Label)にレーザ光を照射して、画像の書き換えを行う。以下では、リライタブルラベルを、RLとも称する。
ここで、「画像」とは、コンテナCに収容される荷物の内容、輸送先の情報、RLの使用回数などのRLに記録される視認可能な情報を意味する。
コンテナCは、一例として、RLに加えて、該RLが側面に貼付された直方体形状の箱形部材から成るコンテナ本体を有する。RLは、加熱、冷却のプロセスの違いにより発色又は消色する熱可逆記録媒体であり、レーザ光を吸収し発熱する光熱変換材を含んでいる。
画像書き換えシステム100は、図1に示されるように、コンベア装置10、2つの消去装置12A、12B、1つの記録装置14、システム制御装置18(図4参照)などを備えている。
コンベア装置10は、一例として、X軸方向に並べて配置されたN個(≧8)の搬送ユニットとしてのベルトコンベアユニット(Belt Conveyor Unit)を含む。なお、図1では、図示の制約上、コンベア装置10のX軸方向中央部のみが図示されている。以下では、N個のベルトコンベアユニットを、−X側から+X側への並び順に、BCU(1)〜BCU(N)とも称する。また、N個のベルトコンベアユニットを、区別しない場合には、BCUと総称する。
各BCUは、一例として、X軸方向に並べて配置された、Y軸方向を軸線方向とする複数(例えば4つ)のローラ9と、該4つのローラ9に巻き掛けられた無端ベルト13と、を有している。各ローラ9は、それぞれY軸周りに回転可能な状態で不図示の支持架台に支持されている。ここでは、4つのローラ9のうち、最も+X側又は−X側のローラ9が駆動ローラであり、他の3つのローラ9が従動ローラである。各BCUの駆動ローラは、例えばモータ等を含む駆動装置(不図示)を介してシステム制御装置18により個別に駆動制御される(図4参照)。
ここでは、各BCUは、X軸方向の寸法が、コンテナCよりも幾分大きく設定されている。
以上のように構成されるコンベア装置10は、システム制御装置18の指示の下、隣接する2つのBCU間でコンテナCの受け渡しを行って、該コンテナCを+X方向に搬送する。すなわち、コンベア装置10は、X軸方向に延びる搬送路に沿って複数のコンテナCを順次搬送する。また、システム制御装置18は、コンテナCが載っているBCUの駆動を適宜停止することで、該BCU上でコンテナCを停止させる。
そこで、上記駆動装置として、駆動ローラの回転速度を調整可能なものを用いることが好ましい。この場合、コンテナCの搬送開始時及び停止時の挙動を安定化でき、かつコンテナCの搬送時間を短縮できる。また、各BCUの無端ベルト13として、摩擦係数が高いものを用いることが好ましい。この場合、コンテナCの搬送開始時及び停止時における無端ベルト13に対する滑りを抑制できる。この結果、コンテナCの動き出しのレスポンス及び停止位置の精度を向上させることができる。
2つの消去装置12A、12Bは、一例として、コンベア装置10の−Y側にX軸方向に並べて配置されている。ここでは、消去装置12Aが−X側に配置され、消去装置12Bが+X側に配置されている。
詳述すると、2つの消去装置12A、12Bは、隣接する2つのBCU(n)、BCU(n+1)に個別に対向(対応)する位置に配置されている(図6(A)参照)。なお、ここでは、4≦n≦N−5である。
各消去装置は、図2に示されるように、1次元配列された複数のレーザダイオード(半導体レーザ)を含む1次元レーザアレイLAと、光学系SO1、端子台17、操作盤19、コントローラ21、筐体12a(図1参照)などを含む。なお、図示は省略されているが、1次元レーザアレイLA、光学系SO1、端子台17、コントローラ21は、筐体12a内に収容されており、操作盤19は、筐体12aの例えば側面(又は上面)に設けられている。
1次元レーザアレイLAは、一例として、Z軸方向に並べて配置(1次元配列)された図示しない複数(例えば17個)のレーザダイオード(半導体レーザ)を有する。ここでは、最も+Z側のレーザダイオードと最も−Z側のレーザダイオードとのZ軸方向に関する距離は、例えば10mmに設定されている。1次元レーザアレイLAは、一例として、断面がZ軸方向に延びるライン状のレーザ光を+X方向に射出する。
光学系SO1は、一例として、第1のシリンドリカルレンズ20、第1の球面レンズ22、マイクロレンズアレイ24、第2の球面レンズ26、第2のシリンドリカルレンズ28、ガルバノミラー装置30を有する。以下、便宜上、第1のシリンドリカルレンズ20、第1の球面レンズ22、マイクロレンズアレイ24、第2の球面レンズ26及び第2のシリンドリカルレンズ28を合わせて、レンズ群と称する。
第1のシリンドリカルレンズ20は、1次元レーザアレイLAから射出されたライン状のレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光を幅方向(複数のレーザダイオードの配列方向に直交する方向に平行な方向)に僅かに集光する。ここでは、第1のシリンドリカルレンズ20として小型のものが、1次元レーザアレイLAの射出面に近接して配置されている。
第1の球面レンズ22は、第1のシリンドリカルレンズ20を介したライン状のレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光を、マイクロレンズアレイ24に集光する。
マイクロレンズアレイ24は、第1の球面レンズ22を介したライン状のレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光を長さ方向(複数のレーザダイオードの配列方向に平行な方向)に拡散して、長さ方向の光分布を均一化する。
第2の球面レンズ26は、マイクロレンズアレイ24を介したライン状のレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光を、長さ方向及び幅方向に均一に拡大する。
第2のシリンドリカルレンズ28は、第2の球面レンズ26を介したライン状のレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光を幅方向に僅かに集光する。
ガルバノミラー装置30は、ガルバノメータに、レーザ光を反射する往復揺動可能な揺動ミラー30aが装着されたものである。ここでは、揺動ミラー30aは、一例として、Z軸周りに揺動可能となっている。ガルバノミラー装置30は、その揺動ミラー30aの回転角度を検出する角度センサ(不図示)を有している。
ガルバノミラー装置30は、揺動ミラー30aが第2のシリンドリカルレンズ28を介したライン状のレーザ光の光路上に位置するように配置されており、該レーザ光を、Z軸周りに揺動しながら反射することで、概ね+Y側に偏向する。
そこで、レンズ群を介したライン状のレーザ光は、ガルバノミラー装置30により偏向され、筐体12aの+Y側の側壁に設けられた消去用レーザ光射出口(不図示)を介して概ね+Y側に、すなわちコンベア装置10の例えば数cm〜数十cm上空を横切るように射出される。
以上より、1次元レーザアレイLAから射出されたライン状のレーザ光は、レンズ群によりエネルギー密度が均質化され、かつ長さ方向(Z軸方向)に拡大され、ガルバノミラー装置30により概ね+Y側に偏向され、コンベア装置10上における上記消去用レーザ光射出口に対向する位置に位置する物体に照射される。この結果、該物体上で断面がZ軸方向に延びるライン状のレーザ光がX軸方向に走査される。
端子台17は、システム制御装置18から出力される消去開始信号、インターロック信号、環境温度信号、エンコーダ信号などを入力するための信号入力端子と、消去準備完了信号、消去中信号、異常発生信号などをシステム制御装置18に出力するための信号出力端子とを有している。
ここで、消去開始信号は、消去装置が消去処理を開始するための信号である。インターロック信号は、消去処理を緊急停止させるための信号である。環境温度信号は、環境温度でレーザパワー(出力)を補正するための信号である。エンコーダ信号は、リライタブルラベル(ワーク)の移動速度を検出するための信号である。消去準備完了信号は、消去開始信号を受付可能になったことを示す信号である。消去中信号は、消去を実行していることを示す信号である。異常発生信号は、例えば1次元レーザアレイLAの異常、ガルバノミラー装置30の異常などをコントローラ21が検出したことを示す信号である。
操作盤19は、簡易な表示器及び操作スイッチを含むユーザインターフェースであり、メニュー選択と数値入力が可能となっている。ここでは、操作盤19では、一例として、レーザ光の走査長、レーザ光の走査速度、レーザ光の走査方向、レーザパワー、消去開始ディレイ時間、ワーク速度などの消去条件などを指定可能となっている。
コントローラ21は、消去条件設定部32、消去処理制御部34、レーザ制御部36、ガルバノ制御部38などを有する。
消去条件設定部32は、操作盤19にてユーザが指定したレーザ光の走査長、レーザ光の走査速度、レーザ光の走査方向、レーザパワー、消去開始ディレイ時間、ワーク速度などの消去条件を設定する。
消去処理制御部34は、端子台17からの入力信号を処理し、レーザ制御部36及びガルバノ制御部38へ指示を出すとともに、端子台17への出力信号を生成する。
レーザ制御部36は、消去処理制御部34が指示したレーザの出力値をアナログ電圧に変換してレーザドライバ40へ出力するとともに、レーザを点灯又は消灯させるためのタイミング信号を生成する。
レーザドライバ40は、1次元レーザアレイLAの駆動電流を生成する回路であり、レーザ制御部36からの指示値に従ってレーザパワーを制御する。
ガルバノ制御部38は、消去処理制御部34が指示した走査開始位置から走査終了位置まで指定速度でガルバノミラー装置30の揺動ミラー30aを揺動させるためのアナログ信号を生成してガルバノドライバ42に出力する。
ガルバノドライバ42は、ガルバノ制御部38からの指示値に従ってガルバノミラー装置30の揺動ミラー30aの揺動角度を制御する回路であり、ガルバノミラー装置30が有する角度センサからの信号とガルバノ制御部38からの指示値を比較し、その誤差が最小になるようにガルバノミラー装置30へ駆動信号を出力する。
図1に戻り、記録装置14は、一例として、コンベア装置10の−Y側であって、消去装置12Bの+X側に配置されている。
詳述すると、記録装置14は、一例として、BCU(n+3)に対向(対応)する位置に配置されている(図6(A)参照)。すなわち、記録装置14に対向するBCU(n+3)と消去装置12Bに対向(対応)するBCU(n+1)との間には、1つのBCU(n+2)が配置されている。
このように、本実施形態では、消去装置12Bに対向(対応)するBCUと記録装置14に対向(対応)するBCUとの間のBCUの数(1)は、消去装置の数(2)と記録装置の数(1)の最小公倍数(2)から記録装置の数(1)を引いた数(1)に等しく設定されている。
記録装置14は、図3に示されるように、一例として、少なくとも1つ(例えば3つ)のレーザダイオード(半導体レーザ)を含むレーザ光源LS、光学系SO2、コントローラ46、ホストコンピュータ47、これらを収容する筐体14a(図1参照)などを含む。
レーザ光源LSは、一例として、レーザ光を−X方向に射出する。
光学系SO2は、一例として、X軸ガルバノミラー装置48、Z軸ガルバノミラー装置50及びfθレンズ53を有している。
X軸ガルバノミラー装置48は、その揺動ミラー48aがY軸周りに揺動する点を除いて、前述したガルバノミラー装置30と同様の構成を有している。
X軸ガルバノミラー装置48は、一例として、揺動ミラー48aがレーザ光源LSから射出されたレーザ光の光路上に位置するように配置されており、該レーザ光を概ね−Z側に偏向する。
Z軸ガルバノミラー装置50は、その揺動ミラー50aがX軸周りに揺動する点を除いて、前述したガルバノミラー装置30と同様の構成を有している。
Z軸ガルバノミラー装置50は、一例として、揺動ミラー50aがX軸ガルバノミラー装置48により偏向されたレーザ光の光路上に位置するように配置されており、該レーザ光を概ね+Y側に偏向する。
fθレンズ53は、一例として、Z軸ガルバノミラー装置50により偏向されたレーザ光の光路上に配置されており、該レーザ光をその+Y側に位置する物体上に集光するとともに、X軸及びZ軸ガルバノミラー装置48、50の揺動ミラーの揺動位置と物体上に形成される光スポットの変位が比例するような補正を行う。
fθレンズ53を介したレーザ光は、筐体14aの+Y側の側壁に設けられた記録用レーザ光射出口(不図示)を介して概ね+Y側に、すなわちコンベア装置10の例えば数cm〜数十cm上空を横切るように射出される。
以上より、レーザ光源LSから射出された光は、X軸及びZ軸ガルバノミラー装置48、50により順次偏向され、fθレンズ53を介してコンベア装置10上における記録用レーザ光射出口に対向する位置に位置する物体に照射される。この結果、物体上で光スポットがX軸及びZ軸の2次元方向に走査される。
コントローラ46は、ホストコンピュータ47から出力された画像情報に基づいて、線分で形成される描画データを生成し、X軸及びZ軸ガルバノミラー装置48、50における揺動ミラーの揺動位置、レーザダイオードの発光タイミング、発光パワーを制御し、記録対象物に画像を記録(形成)する。ここでは、一例として、約0.25mmの記録線幅で、文字、数字、図形、バーコードなどの画像が記録される。
コントローラ46は、X軸サーボドライバ52を介してX軸ガルバノミラー48を制御するとともに、Z軸サーボドライバ54を介してZ軸ガルバノミラー50を制御する。
X軸サーボドライバ52は、コントローラ46からの指示値に従ってX軸ガルバノミラー48の揺動ミラー48aの揺動位置を制御する回路であり、X軸ガルバノミラー48の角度センサの信号とコントローラ46からの指示値とを比較し、その誤差が最小になるようにX軸ガルバノミラー48に駆動信号を出力する。
同様に、Z軸サーボドライバ54は、コントローラ46からの指示値に従ってZ軸ガルバノミラー50の揺動ミラー50aの揺動位置を制御する回路であり、Z軸ガルバノミラー50の角度センサの信号とコントローラ46からの指示値とを比較し、その誤差が最小になるようにZ軸ガルバノミラー50に駆動信号を出力する。
以下に、リライタブルラベル(RL)における画像の記録及び消去のメカニズムを説明する。
この画像の記録及び消去のメカニズムは、熱により色調が可逆的に変化する態様である。この態様はロイコ染料及び可逆性顕色剤(以下、「顕色剤」と称することがある)からなり、色調が透明状態と発色状態とに熱により可逆的に変化する。
図5(A)には、樹脂中にロイコ染料及び顕色剤を含んでなる熱可逆記録層を有する熱可逆記録媒体について、その温度−発色濃度変化曲線の一例が示され、図5(B)には、消色状態と発色状態とが熱により可逆的に変化する熱可逆記録媒体の発消色メカニズムが示されている。
まず、初め消色状態(A)にある熱可逆記録層を昇温していくと、溶融温度T1にて、ロイコ染料と顕色剤とが溶融混合し、発色が生じ溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると、発色状態のまま室温に下げることができ、発色状態が安定化されて固定された発色状態(C)となる。
この発色状態が得られたかどうかは、溶融状態からの降温速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が生じ、初期と同じ消色状態(A)、あるいは急冷による発色状態(C)よりも相対的に濃度の低い状態となる。
一方、発色状態(C)から再び昇温していくと、発色温度よりも低い温度T2にて消色が生じ(DからE)、この状態から降温すると、初期と同じ消色状態(A)に戻る。
溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は、前記ロイコ染料と前記顕色剤とが分子同士で接触反応し得る状態で混合された状態であり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態では、前記ロイコ染料と前記顕色剤との溶融混合物(前記発色混合物)が結晶化して発色を保持した状態であり、この構造の形成により発色が安定化していると考えられる。
一方、消色状態は、両者が相分離した状態である。この状態は、少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり、結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより前記ロイコ染料と前記顕色剤とが分離して安定化した状態であると考えられる。多くの場合、このように、両者が相分離して前記顕色剤が結晶化することにより、より完全な消色が生じる。
なお、図5(A)に示される、溶融状態から徐冷による消色、及び発色状態からの昇温による消色はいずれもT2で凝集構造が変化し、相分離や前記顕色剤の結晶化が生じている。
更に、図5(A)において、前記記録層を溶融温度T1以上の温度T3に繰返し昇温すると消去温度に加熱しても消去できない消去不良が発生したりする場合がある。これは、前記顕色剤が熱分解を起こし、凝集あるいは結晶化しにくくなってロイコ染料と分離しにくくなるためと思われる。繰返しによる前記熱可逆記録媒体の劣化を抑えるためには、前記熱可逆記録媒体を加熱する際に、図5(A)の前記溶融温度T1と前記温度T3の差を小さくすることにより、繰返しによる前記熱可逆記録媒体の劣化を抑えられる。
次に、画像書き換えシステム100の動作の一例を、図6(A)〜図6(F)を参照して説明する。なお、以下に説明する動作は、システム制御装置18により統括的に制御される。ホストコンピュータ47に内蔵された図示しないメモリには、RLに記録すべき画像の情報、すなわち現にコンテナCに収容されている荷物の内容、輸送先の情報、RLの使用回数などのデータが格納されているものとする。
そして、コンベア装置10のBCU(1)〜BCU(n−1)上には、画像が記録されたRLを有し、荷物が収容されたn−1個のコンテナCが、作業者により個別に載置されている。
ここで、各コンテナCは、RLが貼付されたコンテナ本体の側面が、−Y側に位置するように、すなわち2つの消去装置12A、12B及び1つの記録装置14それぞれのレーザ光射出口に対向し得るようにBCU上に載置されている。なお、図6(A)〜図6(F)では、図示の制約上、コンベア装置10のX軸方向中央部のみが図示されている。以下では、コンベア装置10上に載置されたn−1個のコンテナCを、+X側から−X側への並び順に、コンテナC1〜コンテナCn−1とも称する。
そこで、先ず、作業者は、システム制御装置18の操作パネル(不図示)を操作して、システム制御装置18に搬送開始信号を時刻t=0sに送信する。
搬送開始信号を受信したシステム制御装置18は、BCU(1)〜BCU(n+1)の駆動を開始する(図6(A)参照)。これにより、n−1個のコンテナCは、それぞれ隣接する2つのBCU間で受け渡されながら、+X方向に搬送される。ここでは、隣接する2つのBCU間でのコンテナCの受け渡しに要する時間は、時間T(例えば1s)に設定されている。
ここで、一例として、コンベア装置10上を搬送されるコンテナCを検出する光電センサ11(図1参照)が、例えばBCU(n−1)に対応する位置に配置されている。光電センサ11からの検出信号は、システム制御装置18に送信される(図4参照)。システム制御装置18は、タイマ(不図示)を有しており、光電センサ11からの検出信号を受信したタイミング及び該タイミングからの経過時間に基づいて、各コンテナCの位置、すなわち該コンテナCがいずれのBCU上に位置しているかを常時把握する。
そこで、システム制御装置18は、コンテナC1が消去装置12Bに正対し、かつコンテナC2が消去装置12Aに正対したとき、すなわち時刻t=2sに、BCU(1)〜BCU(n+1)の駆動を停止する(図6(B)参照)。なお、「コンテナCが消去装置に正対する」とは、該コンテナCのRLが該消去装置のレーザ光射出口に対向することを意味する。
このとき、システム制御装置18から各消去装置に消去開始信号が出力される。
消去開始信号を受信した各消去装置は、断面がZ軸方向に延びるライン状(例えば長さ60mm、幅0.5mm)のレーザ光で正対するコンテナCのRLをX軸方向に所定速度で所定時間走査し、該RLに記録された画像を消去する。すなわち、各消去装置は、RLに所定パワーのレーザ光を照射することで、該RLに記録されている画像を非接触で消去する。ここでは、各消去装置によるRLに対する消去処理には、時間2T(例えば2s)を要する。
各消去装置は、正対するコンテナCに対する消去処理が終了したとき、すなわち時刻t=4sに、システム制御装置18に消去終了信号を出力する。
このようにして、消去装置12BによるコンテナC1に対する消去処理、及び消去装置12AによるコンテナC2に対する消去処理が並行して行われる。
各消去装置からの消去終了信号を受信したシステム制御装置18は、BCU(3)〜BCU(n+3)の駆動を開始し(図6(C)参照)、コンテナC1が記録装置14に正対し、コンテナC2がBCU(n+2)上に位置し、コンテナC3が消去装置12Bに正対し、コンテナC4が消去装置12Aに正対したとき、すなわち時刻t=6sに、BCU(3)〜BCU(n+3)の駆動を停止する(図6(D)参照)。なお、「コンテナCが記録装置14に正対する」とは、該コンテナCのRLが該記録装置14のレーザ光射出口に対向することを意味する。
このとき、システム制御装置18から、記録装置14に記録開始信号が出力されるとともに、各消去装置に消去開始信号が出力される。
記録開始信号を受信した記録装置14は、コンテナC1のRLをスポット状のレーザ光でX軸及びZ軸の2次元方向に走査して、一筆書きの要領で該RLに所定の画像を記録する。すなわち、記録装置14は、RLに所定パワーのレーザ光を照射することで、該RLに新たな画像を非接触で記録する。ここでは、記録装置14による記録処理には、各消去装置による消去処理に要する時間2Tの半分の時間T(例えば1s)を要する。すなわち、記録装置14による記録処理は、各消去装置による消去処理よりも処理時間が短い。
また、消去開始信号をそれぞれ受信した2つの消去装置12A、12Bは、それぞれコンテナC4、C3に対する消去処理をコンテナC1に対する消去処理と同様に行う。
このようにして、記録装置14によるコンテナC1に対する記録処理、消去装置12BによるコンテナC3に対する消去処理、及び消去装置12AによるコンテナC4に対する消去処理が並行して行われる。この際、記録装置14による記録処理は、各消去装置の消去処理よりも早く終了する。
記録装置14は、正対するコンテナC1に対する記録処理が終了したとき、すなわち時刻t=7sに、システム制御装置18に記録終了信号を送信する。
記録装置14からの記録終了信号を受信したシステム制御装置18は、BCU(n+3)〜BCU(N)の駆動を開始し、コンテナC2が記録装置14に正対したとき、すなわち時刻t=8sに、BCU(n+3)の駆動を停止する(図6(E)参照)。
このとき、システム制御装置18から記録装置14に記録開始信号が出力される。
記録開始信号を受信した記録装置14は、コンテナC2に対する記録処理をコンテナC1に対する記録処理と同様に行う。
なお、コンテナC1は、BCU(n+4)〜BCU(N)によって、次の工程(例えば輸送準備工程)に送られる。その後、BCU(n+4)〜BCU(N)の駆動が停止される。
各消去装置は、正対するコンテナCに対する消去処理が終了したとき、すなわち時刻t=8sに、システム制御装置18に消去終了信号を出力する。
各消去装置からの消去終了信号を受信したシステム制御装置18は、BCU(1)〜BCU(n+2)の駆動を開始し、コンテナC5が消去装置12Aに正対し、コンテナC4が消去装置12Bに正対し、コンテナC3がBCU(n+2)上に位置したとき、すなわち時刻t=9sに、BCU(1)〜BCU(n+2)の駆動を停止する(図6(F)参照)。
一方、記録装置14は、正対するコンテナC2に対する記録処理が終了したとき、すなわち時刻t=9sに、システム制御装置18に記録終了信号を送信する。
記録装置14からの記録終了信号を受信したシステム制御装置18は、BCU(1)〜BCU(N)の駆動を開始し、コンテナC3が記録装置14に正対し、かつコンテナC6、C5が消去装置12A、12Bに個別に正対したとき、すなわち時刻t=10sに、BCU(1)〜BCU(n+3)の駆動を停止する。
このとき、システム制御装置18から、各消去装置に消去開始信号が出力され、記録装置14に記録開始信号が出力される。
記録開始信号を受信した記録装置14は、コンテナC3に対する記録処理をコンテナC1、C2に対する記録処理と同様に行う。
消去開始信号を受信した消去装置12A、12Bは、コンテナC6、C5に対する消去処理をコンテナC1〜C4に対する消去処理と同様に行う。
以後、コンテナC5、C6に対する記録処理、並びにコンテナC7〜Cn−1に対する消去処理及び記録処理が同様に行われる。
図7には、画像書き換え時におけるコンテナC1〜コンテナCn−1の位置に関するタイムテーブル(時刻表)が示されている。但し、図示の制約上、時刻t(21s)以降は、省略されている。なお、図7において、「消A」及び「消B」は、それぞれ消去装置12A及び消去装置12Bを意味する。「空」は、BCU(n+2)を意味する。「記」は、記録装置14を意味する。図7の黒塗り部分は、コンテナCに対する消去処理中又は記録処理中であることを意味する。
以上のように、本実施形態の画像書き換えシステム100では、X軸方向に延びる搬送路上をコンベア装置10によって順次搬送される複数のコンテナCそれぞれが搬送路上の該搬送路に沿って延びる第1領域(2つのBCU上の領域)で停止され、2つの消去装置12A、12Bのいずれかによる消去処理が施された後、搬送路上の該搬送路に沿って延びる第2領域(1つのBCU上の領域)で停止され、記録装置14による処理時間が消去処理よりも短い記録処理が施されることで、該コンテナCに対する画像の書き換えが行われる。そして、画像の書き換えが行われたコンテナCは、次の工程(例えば輸送準備工程)に送られる。
以上説明した本実施形態の画像書き換えシステム100は、X軸方向に延びる搬送路上の第1領域に沿って離間して配置され、該第1領域内のそれぞれに対向する位置で停止されたコンテナCに対して消去処理を施すことが可能な2つの消去装置12A、12Bと、搬送路上の第2領域に沿って配置され、該第2領域内の対向する位置で停止されたコンテナCに対して記録処理を施すことが可能な1つの記録装置14と、を備えている。
この場合、例えば、2つのコンテナCに対して処理時間が長い消去処理を2つの消去装置12A、12Bを用いて並行して施した後、該2つのコンテナCに対して処理時間が短い記録処理を1つの記録装置14を用いて順次施すことができる。
この結果、先行するコンテナCに対する記録処理が終了してから、次のコンテナCに対する記録処理が開始されるまでの時間を短くすること、すなわち記録装置の稼働率を高めることができ、ひいてはシステム全体の処理効率を向上させることができる。
一方、仮に、搬送路上を順次搬送される複数のコンテナそれぞれを搬送路上の第1位置及び第2位置で順次停止させ、第1位置で停止されたコンテナに対して消去処理を施した後、第2位置で停止されたコンテナに対して処理時間が消去処理よりも短い記録処理を施す場合には、先行するコンテナに対する記録処理が終了してから、次のコンテナに対する記録処理を開始するまでの時間(が長くなり、すなわち記録装置の稼働率が低くなる。すなわち、システム全体の処理効率に向上の余地がある。
また、画像書き換えシステム100では、複数のコンテナCを搬送路に沿って順次搬送するコンベア装置10を更に備えている。コンベア装置10は、搬送路に沿って並ぶ複数のBCU(搬送ユニット)であって隣接する2つのBCU間でコンテナCの受け渡しを行う複数のBCUを有している。また、2つの消去装置12A、12Bは、複数のBCUのうちの2つのBCUに個別に対応する位置に配置され、1つの記録装置14は、複数のBCUのうちの1つのBCUに対応する位置に配置されている。そして、2つの消去装置12A、12Bと1つの記録装置14との間に位置するBCUの数は、消去装置の数(2)と記録装置の数(1)の最小公倍数(2)から記録装置(1)の数(1)を引いた数(1)に等しく設定されている。
この場合、消去装置12Bに対応するBCUと記録装置14に対応するBCUとの間に、消去装置及び記録装置の数に応じた好適な数のBCUが配置されているため、消去装置及び記録装置の稼働率を極力高めることができ、ひいてはシステム全体の処理効率を格段に向上させることができる。
また、消去装置12Bに対応するBCUと記録装置14に対応するBCUとの間に、消去装置及び記録装置の数に応じた好適な最少数のBCUが配置されているため、コンベア装置10のX軸方向の長さ(BCUの数)の設定の自由度を高くでき、かつ各コンテナに対する画像書き換えのスループットを向上できる。
また、消去装置及び記録装置の数の比(2:1)は、消去処理及び記録処理の処理時間の比(2:1)に等しく設定されている。
この場合、消去装置及び記録装置の処理時間の差に起因する記録装置の稼働率の低下を抑制することができる。
また、コンベア装置10における隣接する2つのBCU間でのコンテナCの受け渡しに要する時間は、記録処理の処理時間T(例えば1s)に等しく設定されている。
この場合、先行するコンテナCの記録処理が終了してから、次のコンテナCの記録処理が開始されるまでの時間が長くなることを抑制できる。
以下に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を主に説明し、上記第1実施形態と同様の構成を有する部材等には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
《第2実施形態》
第2実施形態では、図8(A)に示されるように、消去装置の数が上記第1実施形態と異なる。
第2実施形態の画像書き換えシステム200は、3つの消去装置、すなわち2つの消去装置12A、12Bと消去装置12Bの+X側に配置された1つの消去装置12Cとを含む。消去装置12Cは、2つの消去装置12A、12Bそれぞれと実質的に同一の構成を有している。
3つの消去装置12A、12B、12Cは、それぞれBCU(n)、BCU(n+1)、BCU(n+2)に個別に対向(対応)する位置に配置されている。記録装置14は、BCU(n+5)に対向(対応)する位置に配置されている。
すなわち、消去装置12Cに対向(対応)するBCU(n+2)と、記録装置14に対向(対応)するBCU(n+5)との間には、BCU(n+3)及びBCU(n+4)、すなわち2つのBCUが配置されている。
このように、第2実施形態でも、3つの消去装置12A、12B、12Cのうちの最も+X側の消去装置12Cに対向(対応)するBCU(n+2)と記録装置14に対向(対応)するBCU(n+5)との間に配置されたBCUの数は、消去装置の数(3)と記録装置の数(1)の最小公倍数(3)から記録装置の数(1)を引いた数(2)に等しく設定されている。
第2実施形態では、一例として、各消去装置による消去処理に要する時間(処理時間)は、3T(例えば3s)であり、記録装置による記録処理に要する時間(処理時間)は、T(例えば1s)であり、隣接する2つのBCU間でのコンテナCの受け渡しに要する時間は、T(例えば1s)に設定されている。
次に、第2実施形態の画像書き換えシステム200の動作の一例を、図8(A)〜図8(F)を参照して説明する。BCU(1)〜BCU(n−1)上には、n−1個のコンテナCが個別に載置されている(図8(A)参照)。
先ず、BCU(1)〜BCU(n+2)の駆動が時刻t=0sに開始され、コンテナC3、C2、C1が消去装置12A、12B、12Cに個別に正対したとき、すなわち時刻t=3sにBCU(1)〜BCU(n+2)の駆動が停止される(図8(B)参照)。
このとき、消去装置12A、12B、12Cによって、コンテナC3、C2、C1に対する消去処理が個別に開始される。
コンテナC3、C2、C1に対する消去処理が終了したとき、すなわち時刻t=6sにBCU(1)〜BCU(n+5)の駆動が開始され、コンテナC6、C5、C4が消去装置12A、12B、12Cに個別に正対し、かつコンテナC1が記録装置14に正対したとき、すなわち時刻t=9sに、BCU(1)〜BCU(n+5)の駆動が停止される(図8(C)参照)。
このとき、記録装置14によるコンテナC1に対する記録処理が開始されるとともに、消去装置12A、12B、12CによるコンテナC6、C5、C4に対する消去処理が個別に開始される。
そして、コンテナC1に対する記録処理が終了したとき、すなわち時刻t=10sにBCU(n+3)〜BCU(n+6)の駆動が開始され、コンテナC2が記録装置14に正対したとき、すなわち時刻t=11sに、BCU(n+3)〜BCU(n+6)の駆動が停止される(図8(D)参照)。
このとき、コンテナC2に対する記録処理が開始される。コンテナC2に対する記録処理、及びコンテナC6、C5、C4に対する消去処理が終了したとき、すなわち時刻t=12sに、BCU(1)〜BCU(N)の駆動が開始される。
そして、コンテナC3が記録装置14に正対したとき、すなわち時刻t=13sに、BCU(n+5)〜BCU(N)の駆動が停止され(図8(E)参照)、コンテナC8、C7、C6が消去装置12A、12B、12Cに個別に正対したとき、すなわち時刻t=14sに、BCU(1)〜BCU(n+4)の駆動が停止される(図8(F)参照)。
以後、コンテナC3〜C5に対する記録処理、並びにコンテナC6〜Cn−1に対する消去処理及び記録処理が同様に行われる。
図9には、画像書き換え時におけるコンテナC1〜コンテナCn−1の位置に関するタイムテーブル(時刻表)が示されている。但し、図示の制約上、時刻t(24s)以降は、省略されている。なお、図9において、「消A」、「消B」及び「消C」は、それぞれ消去装置12A、消去装置12B及び消去装置Cを意味する。「空1」及び「空2」は、それぞれBCU(n+3)及びBCU(n+4)を意味する。「記」は、記録装置14を意味する。図9の黒塗り部分は、コンテナCに対する消去処理中又は記録処理中であることを意味する。
以上のように、第2実施形態の画像書き換えシステム200では、X軸方向に延びる搬送路上をコンベア装置10によって+X方向に順次搬送される複数のコンテナCそれぞれが搬送路上の該搬送路に沿って延びる第1領域(3つのBCU上の領域)で停止され、3つの消去装置12A、12B、12Cのいずれかによる消去処理が施された後、搬送路上の該搬送路に沿って延びる第2領域(1つのBCU上の領域)で停止され、記録装置14による処理時間が消去処理よりも短い記録処理が施されることで、該コンテナCに対する画像の書き換えが行われる。そして、画像の書き換えが行われたコンテナCは、次の工程(例えば輸送準備工程)に送られる。結果として、第2実施形態でも、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
《第3実施形態》
第3実施形態では、図10(A)に示されるように、消去装置及び記録装置の数が上記第1実施形態と異なる。
第3実施形態の画像書き換えシステム300は、3つの消去装置12A、12B、12Cと、X軸方向に並べて配置された2つの記録装置14A、14Bとを含む。2つの記録装置14A、14Bそれぞれは、上記第1及び第2実施形態の記録装置14と実質的に同一の構成を有している。
3つの消去装置12A、12B、12Cは、BCU(n)、BCU(n+1)、BCU(n+2)に個別に対向(対応)する位置に配置されている。2つの記録装置14A、14Bは、BCU(n+7)、BCU(n+8)に個別に対向(対応)する位置に配置されている。
すなわち、3つの消去装置12A、12B、12Cのうちの最も+X側の消去装置12Cに対向するBCU(n+2)と、2つの記録装置14A、14Bのうちの−X側の記録装置14Aに対向するBCU(n+7)との間には、BCU(n+3)〜BCU(n+6)、すなわち4つのBCUが配置されている。
このように、第3実施形態でも、最も+X側の消去装置12Cに対向するBCU(n+2)と−X側の記録装置14Aに対向するBCU(n+7)との間に配置されたBCUの数は、消去装置の数(3)と記録装置の数(2)の最小公倍数(6)から記録装置の数(2)を引いた数(4)に等しく設定されている。
第3実施形態では、一例として、各消去装置による消去処理に要する時間(処理時間)は、3T(例えば3s)とされ、記録装置による記録処理に要する時間(処理時間)は、2T(例えば2s)とされ、隣接する2つのBCU間でのコンテナCの受け渡しに要する時間は、T(例えば1s)とされている。すなわち、第3実施形態でも、消去装置及び記録装置の数の比は、消去処理及び記録処理の処理時間の比に等しく設定されている。
次に、第3実施形態の画像書き換えシステム300の動作の一例を、図10(A)〜図11(E)を参照して説明する。BCU(1)〜BCU(n−1)上には、n−1個のコンテナCが個別に載置されている(図10(A)参照)。
先ず、時刻t=0sに、BCU(1)〜BCU(n+2)の駆動が開始され、コンテナC3、C2、C1が消去装置12A、12B、12Cに個別に正対したとき、すなわち時刻t=3sに、BCU(1)〜BCU(n+2)の駆動が停止される(図10(B)参照)。
このとき、消去装置12A、12B、12CによるコンテナC3、C2、C1に対する消去処理が個別に開始される。
コンテナC3、C2、C1に対する消去処理が終了したとき、すなわち時刻t=6sに、BCU(1)〜BCU(n+8)の駆動が開始され、コンテナC6、C5、C4が消去装置12A、12B、12Cに個別に正対したとき、すなわち時刻t=9sに、BCU(1)〜BCU(n+2)の駆動が停止される(図10(C)参照)。
このとき、消去装置12A、12B、12CによるコンテナC6、C5、C4に対する消去処理が個別に開始される。
そして、コンテナC2、C1が記録装置14A、14Bに個別に正対したとき、すなわち時刻t=12sに、BCU(n+3)〜BCU(n+8)の駆動が停止されるとともに、コンテナC6、C5、C4に対する消去処理が終了する(図10(D)参照)。
このとき、記録装置14A、14BによるコンテナC2、C1に対する記録処理が個別に開始されるとともに、BCU(1)〜BCU(n+5)の駆動が開始される。
そして、コンテナC8、C7、C6が消去装置12A、12B、12Cに個別に正対したとき、すなわち時刻t=14sに、コンテナC2、C1に対する記録処理が終了する(図10(E)参照)。
このとき、BCU(n+6)〜BCU(n+9)の駆動が開始される。そして、コンテナC9、C8、C7が消去装置12A、12B、12Cに個別に正対したとき、すなわち時刻t=15sにBCU(1)〜BCU(n+2)の駆動が停止される(図11(A)参照)。
このとき、消去装置12A、12B、12CによるコンテナC9、C8、C7に対する消去処理が個別に開始される。
そして、コンテナC3が記録装置14Bに正対したとき、すなわち時刻t=16sに、BCU(n+8)及びBCU(n+9)の駆動が停止される(図11(B)参照)。
このとき、記録装置14BによるコンテナC3に対する記録処理が開始される。
そして、コンテナC4が記録装置14Aに正対したとき、すなわち時刻t=17sに、BCU(n+3)〜BCU(n+7)の駆動が停止される(図11(C)参照)。
このとき、記録装置14AによるコンテナC4に対する記録処理が開始される。
そして、時刻t=18sに、コンテナC3に対する記録処理が終了するとともに、コンテナC9、C8、C7に対する消去処理が終了する。
このとき、BCU(1)〜BCU(n+4)、及びBCU(n+8)〜BCU(N)の駆動が開始され、時刻t=19sに、コンテナC4に対する記録処理が終了する(図11(D)参照)。
このとき、BCU(n+5)〜-BCU(n+7)の駆動が開始され、コンテナC12、C11、C10が消去装置12A、12B、12Cに個別に正対し、かつコンテナC6、C5が記録装置14A、14Bに個別に正対したとき、すなわち時刻t=21sに、BCU(1)〜BCU(N)の駆動が停止される(図11(E)参照)。
以後、コンテナC5〜C9に対する記録処理、並びにコンテナC10〜Cn−1に対する消去処理及び記録処理が同様に行われる。
図12には、画像書き換え時におけるコンテナC1〜コンテナCn−1の位置に関するタイムテーブル(時刻表)が示されている。但し、図示の制約上、時刻t(37s)以降は、省略されている。なお、図12において、「消A」、「消B」及び「消C」は、それぞれ消去装置12A、消去装置12B及び消去装置Cを意味する。「空1」、「空2」、「空3」及び「空4」は、それぞれBCU(n+3)、BCU(n+4)、BCU(n+5)及びBCU(n+6)を意味する。「記1」及び「記2」は、それぞれ記録装置14A及び第2記録装置14Bを意味する。また、図12における黒塗り部分は、コンテナCに対する消去処理中又は記録処理中であることを意味する。
以上のように、第3実施形態の画像書き換えシステム300では、X軸方向に延びる搬送路上をコンベア装置10によって順次搬送される複数のコンテナCそれぞれが搬送路上の該搬送路に沿って延びる第1領域(3つのBCU上の領域)で停止され、3つの消去装置12A、12B、12Cのいずれかによる消去処理が施された後、搬送路上の該搬送路に沿って延びる第2領域(2つのBCU上の領域)で停止され、2つの記録装置14A、14Bのいずれかによる処理時間が消去処理よりも短い記録処理が施されることで、該コンテナCに対する画像の書き換えが行われる。そして、画像の書き換えが行われたコンテナCは、次の工程(例えば輸送準備工程)に送られる。結果として、第3実施形態でも、上記第1及び第2実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。
画像書き換えシステムにおける消去装置及び記録装置の数は、上記各実施形態で説明したものに限られない。例えば、記録装置の数を消去装置の数よりも多くしても良い。具体的には、図13(A)に示される画像書き換えシステム400のように、1つの消去装置12A及び2つの記録装置14A、14Bを備えていても良い。また、図13(B)に示される画像書き換えシステム500のように、1つの消去装置12A及び3つの記録装置14A、14B、14Cを備えていても良い。また、図13(C)に示される画像書き換えシステム600のように、2つの消去装置12A、12B及び3つの記録装置14A、14B、14Cを備えていても良い。上記画像書き換えシステム400、500、600では、消去装置12A又は消去装置12Bに対向するBCUと、最も−X側の記録装置14Aに対向するBCUとの間に位置するBCUの数は、消去装置の数と記録装置の数の最小公倍数から消去装置の数を引いた数に等しく設定されている。この結果、システム全体の処理効率の向上を図ることができる。
また、上記各実施形態では、複数の消去装置に個別に対向(対応)して複数のBCUが配置されているが、これに代えて、例えば、図14(A)〜図14(C)に示されるように、複数の消去装置に対向(対応)して1つのBCUが配置されても良い。この場合、BCUの数を少なくすることができ、ひいては部品点数の削減及び制御の簡略化を図ることができる。具体的には、図14(A)に示される画像書き換えシステム700のように、2つの消去装置12A、12Bに対向(対応)して1つのBCU(n)が配置されても良い。また、図14(B)及び図14(C)にそれぞれ示される画像書き換えシステム800、900のように、3つの消去装置12A、12B、12Cに対向(対応)して1つのBCU(n)が配置されても良い。なお、この場合、BCU(n)は、X軸方向の寸法が、他のBCUの2倍程度に設定されている。
また、上記第3実施形態では、複数(例えば2つ)の記録装置に個別に対向(対応)する複数のBCUが配置されているが、これに代えて、例えば複数の記録装置に対向(対応)して1つのBCUが配置されても良い。この場合、BCUの数を少なくすることができ、ひいては部品点数の削減及び制御の簡略化を図ることができる。具体的には、図14(C)に示される画像書き換えシステム900のように、2つの記録装置14A、14Bに対向(対応)して1つのBCU(n+5)が配置されても良い。なお、この場合、BCU(n+5)は、X軸方向の寸法が、他のBCUの2倍程度に設定されている。
また、上記各実施形態では、搬送路上におけるコンテナCに対して消去処理が施される第1領域(複数の消去装置に個別に対向する複数位置を含む領域)と、搬送路上におけるコンテナCに対して記録処理が施される第2領域(少なくとも1つの記録装置に対向する少なくとも1つの位置を含む領域)との間隔は、消去装置の数と記録装置の数の最小公倍数から記録装置の数を引いた数のBCUのX軸方向の長さの和+α(隣接するBCU間の間隔)に設定されているが、これに限られない。要は、上記第1領域と第2領域との間隔は、消去装置及び記録装置の数に基づいて設定されることが好ましい。
具体的には、消去装置の数が記録装置の数よりも多い場合で、消去装置及び記録装置の数の比が大きいほど、上記第1領域と第2領域との間隔を大きくしても良い。この場合、第1領域で消去処理が並行して施された複数のコンテナC全てを上記第1及び第2領域間の領域に一括して送り出すことができ、ひいては各消去装置の稼働率を高めることができる。また、例えば、記録装置の数が消去装置の数よりも多い場合で、消去装置及び記録装置の数の比が大きいほど、上記第1領域と第2領域との間隔を小さくしても良い。この場合、上記第1領域で消去処理が施されたコンテナCを迅速に上記第2領域に搬送することができ、ひいては各記録装置の稼働率を高めることができる。
また、上記各実施形態及び各変形例では、少なくとも1つの消去装置に対応する少なくとも1つのBCUと少なくとも1つの記録装置に対応する少なくとも1つのBCUとの間に位置するBCUの数は、消去装置の数と記録装置の数の最小公倍数から、記録装置及び消去装置の数のうちの少ない方を引いた数に等しく設定されているが、これに限らず、要は、消去装置の数と記録装置の数の公倍数から、記録装置及び消去装置の数のうちの少ない方を引いた数に等しく設定されていることが好ましい。この場合であっても、上記各実施形態及び各変形例と同様に、システム全体の処理効率を格段に向上させることができる。
また、上記各実施形態では、消去装置及び記録装置の数の比は、消去装置及び記録装置の処理時間の比に等しく設定されているが、これに限らず、要は、消去装置及び記録装置の処理時間の比に基づいて設定されることが好ましい。例えば、消去装置及び記録装置の処理時間の比が整数比でない比P:Qである場合は、消去装置及び記録装置の数の比は、P:Qに近似する比に設定されることが好ましい。具体的には、P及びQのいずれも整数でない場合は、消去装置の数を、Pの小数点以下を四捨五入して得られる整数とし、記録装置の数を、Qの小数点以下を四捨五入して得られる整数としても良い。また、Pが整数でなく、かつQが整数である場合は、消去装置の数を、Pの小数点以下を四捨五入して得られる数とし、記録装置の数をQとしても良い。また、Pが整数であり、かつQが整数でない場合は、消去装置の数をPとし、記録装置の数を、Qの小数点以下を四捨五入して得られる整数としても良い。
また、上記各実施形態では、コンベア装置10における隣接する2つのBCU間でのコンテナCの受け渡しに要する時間は、記録処理の処理時間に等しく設定されているが、これに限らず、要は、記録処理の処理時間以下に設定されることが好ましい。この場合、先行するコンテナCに対する記録処理が終了してから、次のコンテナCに対する記録処理が開始されるまでの時間を極力短くすることができ、ひいては記録装置の稼働率を極力高くすることができる。
また、上記各実施形態では、物体(コンテナ)の搬送方向上流側(−X側)に処理時間が長い処理装置が配置され、物体(コンテナ)の搬送方向下流側(+X側)に処理時間が短い処理装置が配置されているが、逆でも良い。
また、上記各実施形態では、コンベア装置10が有する複数の搬送ユニットとして、BCU(ベルトコンベアユニット)が採用されているが、これに限らず、例えば、X軸方向に並び、Y軸方向を軸線方向とする複数のローラを含むローラコンベアユニットが採用されても良い。このローラコンベアユニットは、ベルトコンベアユニットから無端ベルトが取り外されたような構成を有している。ローラコンベアユニットの複数のローラとしては、外周面の摩擦係数が高いものが好ましい。
また、上記各実施形態では、コンベア装置10における複数のBCUは、X軸方向に並べて配置、すなわちX軸方向に延びる直線上に配置されているが、これに限らず、例えば、少なくとも一部がXY平面に平行な曲線上に配置されていても良い。
上記各実施形態では、複数の消去装置は別体に設けられているが、一体に設けられても良い。
上記第3実施形態では、複数の記録装置は別体に設けられているが、一体に設けられても良い。
上記各実施形態では、複数の消去装置は、隣接する複数のBCUに個別に対向(対応)して配置されているが、例えば、少なくとも1つのBCUの両側の複数のBCUに個別に対向(対応)して配置されても良い。
上記第3実施形態では、複数の記録装置は、隣接する複数のBCUに個別に対向(対応)して配置されているが、例えば、少なくとも1つのBCUの両側の複数のBCUに個別に対向(対応)して配置されても良い。
上記各実施形態では、消去装置及び記録装置のレーザとして、レーザダイオードが用いられているが、これに限らず、例えば、固体レーザ、ファイバーレーザ、CO2レーザなどの他のレーザを用いても良い。
上記各実施形態では、消去装置として、レーザ光をRLに照射して画像を消去するものが採用されているが、例えば、加熱されたローラ、プレートなどをRLに接触させて画像を消去するものを採用しても良い。
上記各実施形態では、記録装置として、レーザ光をRLに照射して画像を記録するものが採用されているが、例えば、サーマルヘッドなどをRLに接触させて画像を記録するものを採用しても良い。
また、上記各実施形態では、搬送対象の物体としてコンテナCが採用されているが、これに限らず、例えば他の容器、食料品、包装物、車両、光学機器、電子機器など搬送路上を搬送され、処理時間が異なる第1処理及び第2処理が施される物体であれば他の物体でも良い。なお、処理時間が異なる第1処理及び第2処理の他の例としては、例えば、紫外線硬化樹脂を複数の物体の接合部に塗布する処理(第1処理)及び該接合部に紫外線を照射する処理(第2処理)が挙げられる。すなわち、本発明は、上記各実施形態で説明した画像書き換えシステム以外の物体処理システムにも適用可能であり、この場合も、上記各実施形態と同様な効果が得られる。