JP2012019044A - 薄膜太陽電池製造装置、薄膜太陽電池の製造方法、およびそれを用いて製造された薄膜太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性を向上させる薄膜太陽電池製造システムおよび薄膜太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】複数の基板を一括処理する第1成膜装置22,23と、複数の基板を一括処理する第2成膜装置79,80と、第1成膜装置22,23および第2成膜装置79,80に、複数の基板を収容して搬送可能であるカセットとを備えている。カセットの基板収容枚数は、第1成膜装置22,23の基板処理枚数と第2成膜装置79,80の基板処理枚数との公倍数である。
【選択図】図1
【解決手段】複数の基板を一括処理する第1成膜装置22,23と、複数の基板を一括処理する第2成膜装置79,80と、第1成膜装置22,23および第2成膜装置79,80に、複数の基板を収容して搬送可能であるカセットとを備えている。カセットの基板収容枚数は、第1成膜装置22,23の基板処理枚数と第2成膜装置79,80の基板処理枚数との公倍数である。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄膜太陽電池製造装置、薄膜太陽電池の製造方法、およびそれを用いて製造された薄膜太陽電池に関する。
薄膜太陽電池の製造方法においては、ガラス基板上に透明電極層、光電変換層および裏面電極層を成膜しつつ、各層においてレーザエッチングを行なうことにより薄膜セルを集積化している。集積化した薄膜セルをエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)からなる接着シートとバックシートとで覆い、端子箱を設置することにより薄膜太陽電池が製造される。
薄膜太陽電池の製造システムを開示した先行文献として特許文献1および特許文献2がある。
特許文献1に記載された薄膜太陽電池製造システムにおいては、基板搬入装置より搬入されたガラス基板が、基板洗浄器、管理器、透明電極成膜装置および基板洗浄器で処理された後、基板搬送器によってクリーンルーム内へ搬送される。
次に、基板は、レーザエッチング装置、基板洗浄器、アモルファスシリコン膜成膜装置(プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置)、レーザエッチング装置、裏面電極成膜装置、基板洗浄器、裏面レーザエッチング装置において処理されることにより、基板上に薄膜セルが集積化され、発電検査装置で製品良否を判定した後、基板バッファ装置にて一時保管される。
その後、基板搬送器によって一般雰囲気へ搬送された基板は、膜研磨装置、基板洗浄器、レイアップ装置、ラミネータ装置、パネル化装置、端子台取付装置および発電検査装置の各装置において処理され、性能別仕分保管庫において性能別に仕分けられる。このような工程を経て、薄膜太陽電池パネルが製造される。
特許文献1に記載された製造システムにおいては、各工程の処理装置はS字状に並べられ、処理装置同士の間は基板搬送器により接続されている。薄膜太陽電池製造システムにおいては、各処理装置の処理タクトの違いおよびメンテナンスに伴う基板処理停止期間などのタクトタイムの差を吸収するバッファとして、基板を一時的に保管する基板カセットが一部の工程の処理装置の出入り口に設けられている。基板カセットにおいては、基板が水平に格納保管されている。基板カセットは、天井クレーンにより搬送される。
また、特許文献1に記載された製造システムにおいては、プラズマCVD装置前の基板洗浄器の出口、プラズマCVD装置後のレーザエッチング装置の出口および発電検査装置の後に、基板を一時的に保管する基板バッファ装置が設けられている。
特許文献2に記載された薄膜太陽電池システムは、第1共通基板保管ラックと第2共通基板保管ラックと薄膜太陽電池製造工程を行なう複数の処理装置とから構成されている。複数の処理装置は、第1共通基板保管ラックと第2共通基板保管ラックとの間の領域に、基板の搬出部および搬入部のいずれか一方が第1共通基板保管ラックに面し、他方が第2共通基板保管ラックに面するように配置されている。
基板の処理順を制御する基板処理制御装置によって、複数の処理装置への基板の搬入出が制御され、同様に、第1共通基板保管ラックおよび第2共通基板保管ラックへの基板搬入出が制御される。第1共通基板保管ラックおよび第2共通基板保管ラックは、複数の処理装置に共用され、製造工程の処理順に従わずに基板を保管する。
また、製造コストを低減したCVD装置を開示した先行文献として特許文献3がある。特許文献3に記載されたCVD装置においては、複数の成膜チャンバーと一つの移動用チャンバーとを備え、移動用チャンバーが複数の基体を成膜チャンバーに移送でき、成膜チャンバーが複数の基体を収納して、多層の成膜を実施できる。
特許文献1および特許文献2には、複数の基板を一括処理できる、いわゆるバッチ処理装置を含む場合の具体的な構成は示されておらず、バッチ処理装置が一括処理枚数の異なる2種類を用いることについても言及されていない。
特許文献3には、バッチ処理装置であるCVD装置が記載されているものの、複数のバッチ処理装置を備えた構成が示されていない。薄膜太陽電池の製造においては、複数のバッチ処理装置を用いた場合に、効率よく基板を処理することが望まれている。
本発明は上記の問題点に鑑み、なされたものであって、複数の異なるバッチ処理装置を備えた、生産性の良い、薄膜太陽電池製造装置、薄膜太陽電池の製造方法、およびそれを用いて製造された薄膜太陽電池を提供することを目的とする。
本発明に基づく第1の局面においては、薄膜太陽電池製造装置は、複数の基板を一括処理する第1バッチ処理装置と、複数の基板を一括処理する第2バッチ処理装置と、第1バッチ処理装置および第2バッチ処理装置に、複数の基板を収容して搬送可能であるカセットとを備えている。カセットの基板収容枚数は、第1バッチ処理装置の基板処理枚数と第2バッチ処理装置の基板処理枚数との公倍数である。
好ましくは、第1バッチ処理装置の標準処理時間をt1、第2バッチ処理装置の標準処理時間をt2、第1バッチ処理装置の基板処理枚数をx、第2バッチ処理装置の基板処理枚数をyとした場合、yは、xt1/t2に近接した自然数である。
本発明の一形態においては、薄膜太陽電池製造装置は、カセットと第1バッチ処理装置との間、および、カセットと第2バッチ処理装置との間で、基板を搬送する基板出入部を備える。
本発明の一形態においては、薄膜太陽電池製造装置は、複数のカセットを保管可能なカセットラックと、カセットラックと第1バッチ処理装置との間、および、カセットラックと第2バッチ処理装置との間で、カセットを搬送する第1搬送部を備える。
本発明に基づく第2の局面においては、薄膜太陽電池製造装置は、複数の基板を一括処理する第1バッチ処理装置を含む第1バッチ処理装置群と、複数の基板を一括処理する第2バッチ処理装置を含む第2バッチ処理装置群とを備える。第1バッチ処理装置群の標準処理時間をT1、第2バッチ処理装置の標準処理時間をT2、第1バッチ処理装置群の基板処理枚数の総和をX、第2バッチ処理装置群の基板処理枚数の総和をYとした場合、Yは、XT1/T2に近接した自然数である。
本発明に基づく第1の局面においては、薄膜太陽電池の製造方法は、カセットに収容された複数の基板を搬送して、第1バッチ処理装置を含む第1バッチ処理装置群に収容する工程と、第1バッチ処理装置群を用いて、標準処理時間をT1として、複数の基板に第1膜を一括形成する工程と、第1バッチ処理装置群により第1膜が形成された複数の基板を前記カセットに収容する工程と、カセットに収容された複数の基板を搬送して、第2バッチ処理装置を含む第2バッチ処理装置群に収容する工程と、第2バッチ処理装置群を用いて、標準処理時間をT2として、複数の基板に第2膜を一括形成する工程と、第2バッチ処理装置群により第2膜が形成された複数の基板を前記カセットに収容する工程とを備える。カセットの基板収容枚数は、第1バッチ処理装置の一台当たりの基板処理枚数と、第2バッチ処理装置の一台当たりの基板処理枚数との公倍数であり、かつ、第1バッチ処理装置群における基板処理枚数をX、第2バッチ処理装置群における基板処理枚数をYとした場合、(XT1/T2)−1<Y<(XT1/T2)+1・・・(1)、Yが数式(1)を満たす自然数である。
本発明に基づく第2の局面においては、薄膜太陽電池の製造方法は、第1バッチ処理装置を含む第1バッチ処理装置群を用いて、標準処理時間をT1として、複数の基板に第1膜を一括形成する工程と、第2バッチ処理装置を含む第2バッチ処理装置群を用いて、標準処理時間をT2として、第1バッチ処理装置群により第1膜が形成された複数の基板に第2膜を一括形成する工程とを備える。第1バッチ処理装置群における基板処理枚数をX、前記第2バッチ処理装置群における基板処理枚数をYとした場合、(XT1/T2)−1<Y<(XT1/T2)+1・・・(1)、Yが数式(1)を満たす自然数である。
本発明によれば、複数のバッチ処理装置を用いた薄膜太陽電池の製造において、共用のカセットを、それらの処理装置の基板処理枚数の公倍数とすることにより、生産性を向上することが可能となる。また、本発明によれば、異なるバッチ処理装置のスループットを揃えることができ、効率の良い生産を行なうことが可能となる。
以下、本発明に基づいた一実施形態における薄膜太陽電池製造装置、薄膜太陽電池の製造方法、およびそれを用いて製造された薄膜太陽電池について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰返さない。
なお、本明細書における薄膜太陽電池製造装置は、複数の装置からなるいわゆる薄膜太陽電池の製造ラインを含む概念である。
図1は、本発明の一実施形態に係る薄膜太陽電池製造装置の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る薄膜太陽電池製造装置1は、大別すると、基板が一枚ずつ搬送されて順次処理される第1基板搬送ライン5と、複数の基板を収容して一括に基板を搬送可能とする複数のカセットを一時保管するカセットラック8を含むバッファストッカ15と、基板がカセットに収容されて搬送される第1カセット搬送ライン43Aと、基板がカセットに収容されて搬送される第2カセット搬送ライン43Bと、基板が一枚ずつ搬送されて順次処理される第2基板搬送ライン42とから構成されている。
ここで、薄膜太陽電池の基板としては、600mm×1200mm角、1000mm×1400mm角、1008mm×1210mm角など、各辺600mm〜1400mm程度の大型のガラス基板を用いるが、好ましくは各辺が1000mm以上の基板を用いる。
ここで、第1カセット搬送ライン43Aは、本発明における第1バッチ処理装置群に相当し、第2カセット搬送ライン43Bは、第2バッチ処理装置群に相当する。
薄膜太陽電池製造装置1は、複数の基板を一枚または複数枚ずつ順次複数の処理装置において一連に処理することにより薄膜太陽電池を製造するシステムである。
第1基板搬送ライン5とバッファストッカ15とは、基板を処理装置から搬出してカセットに収容する第1搬送コンベア7により接続されている。バッファストッカ15と第1カセット搬送ライン43Aとは、カセットを第1バッチ処理装置に搬入、および、カセットを第1バッチ処理装置から搬出する第1搬送ロボット21により接続されている。バッファストッカ15と第2カセット搬送ライン43Bとは、カセットを第2バッチ処理装置に搬入、および、カセットを第2バッチ処理装置から搬出する第3搬送ロボット77により接続されている。バッファストッカ15と第2基板搬送ライン42とは、基板をカセットから取出して処理装置に搬入する第2搬送コンベア35により接続されている。
第1基板搬送ライン5においては、外部より製造ラインに基板を搬入する基板搬入装置2の後に、基板を搬送しつつ処理可能な枚葉処理装置である、第1洗浄装置3、第1レーザ加工装置4、第2洗浄装置105およびレーザ加工後検査装置106がこの順番で直列に接続されている。基板搬入装置2より製造ライン内に搬入された基板は、図示しない搬送機構により搬送方向6に一枚ずつ搬送され、上記の直列に接続された複数の枚葉処理装置によって順次処理される。本実施形態においては、レーザ加工後検査装置106が第1基板搬送ライン5の基板搬送方向の最も下流側に配置された枚葉処理装置である。レーザ加工後検査装置106にて処理された基板は、レーザ加工後検査装置106から第1搬送コンベア7によりバッファストッカ15に搬送される。
なお、本明細書において処理装置とは、被処理物である基板に対して加工、加熱などの具体的に影響を与える処理を行なうものに限定されず、例えば、検査結果によって基板の処理方法などを分岐させるような処理を行なう検査装置を含有した概念のものである。
ここで、レーザ加工後検査装置106は、第1レーザ加工装置4にて加工された基板を検査処理する装置である。レーザ加工後検査装置106は、レーザで加工されたパターンが正常か否かを検査する加工パターン検査部を備えているが、他にも表面の異物検査、表面欠陥検査または膜ムラなどを検査する検査部を備えていてもよい。よって、レーザ加工後検査装置106が複数の異なる検査部を備え、一台で複数種の検査ができる検査装置として構成されていてもよい。
第1基板搬送ライン5を構成する枚葉装置は、基板が搬入される搬入口と基板が搬出される搬出口とが別々に設けられ、基板が各装置内を1枚ずつ通過しつつ処理される、いわゆるインライン方式の枚葉処理装置である。また、第1基板搬送ライン5においては、インライン方式の枚葉処理装置が直列に接続されている。第1基板搬送ライン5は、基板搬送方向における上流側に配置された枚葉処理装置の搬出口と、下流側に配置された枚葉処理装置の搬入口との間を、基板が搬送コンべアなどの直線的な搬送装置により順次搬送される、インライン方式の搬送ラインとして構成されている。
本実施形態の第1基板搬送ライン5は、複数の枚葉処理装置を上記の順番で直列に接続した構成であるが、上記構成に限定されず、第1基板搬送ライン5を構成する処理装置の数、種類および接続順番は、製造する薄膜太陽電池のプロセスによって適宜変更することができる。
バッファストッカ15においては、レーザ加工後検査装置106から搬出された基板が搬送されてくる第1ポート9が設けられている。第1ポート9は、基板を収容するカセットが配置される場所である。カセットは、内部に基板を水平に載置して収容することができる。本実施形態においては、カセットの基板収容枚数は6枚であるが、カセットの基板収容枚数はこれに限らない。後述するように、カセットの基板収容枚数は、第1処理装置の基板処理枚数と第2処理装置の基板処理枚数との公倍数であればよい。第1搬送コンベア7は、レーザ加工後検査装置106より一枚ずつ基板を搬出して第1ポート9に配置されているカセットに収容する。
バッファストッカ15の中心部には、カセットを複数保管可能なカセットラック8が設けられている。レーザ加工後検査装置106および第2レーザ加工装置37と第1成膜装置22,23および第2成膜装置79,80との間に、カセットラック8が配設されている。バッファストッカ15には、カセットをバッファストッカ15内で搬送する2つの第2搬送ロボット14が配置されている。第2搬送ロボット14はカセットをカセットラック8に搬入、および、カセットをカセットラック8から搬出する。カセットラック8の長手方向に沿った両側面のそれぞれに、第2搬送ロボット14が移動できる通路13が設けられている。第2搬送ロボット14は、カセットラック8とカセットラック8の周囲の各カセットポート間、および、各カセットポート間にてカセットを移動可能である。
第1ポート9において基板を収容されたカセットは、第2搬送ロボット14により搬送方向16に搬送されてカセットラック8内に一時保管される。このとき、カセットにカセットの基板収容枚数である6枚の基板が収容された状態でカセットラック8内に一時保管されることが好ましい。このようにすることにより、基板の搬送を効率的に行なうことができるとともに、基板を収容するカセットの数を減少させることができる。
ただし、装置トラブルなどにより基板を収容できない事態が発生した場合には、カセットに空きがある状態でカセットがカセットラック8に一時保管されてもよい。その場合、装置トラブルが解消し基板を収容可能となった時点で、空きがある状態のカセットを再度第1ポート9に置き、基板収容枚数まで基板を追加で収容することが、これ以降の製造工程で効率よく基板処理を行なう点から好ましい。
本実施形態の薄膜太陽電池製造装置1は、第1バッチ処理装置群に含まれる第1バッチ処理装置である第1成膜装置22,23を含む第1カセット搬送ライン43Aと、第2バッチ処理装置群に含まれる第2バッチ処理装置である第2成膜装置79,80を含む第2カセット搬送ライン43Bとを含む。
第1成膜装置22,23および第2成膜装置79,80は、それぞれ異なる製造条件において半導体薄膜の成膜を行なう成膜装置である。よって、第1成膜装置22,23により基板上に積層される第1膜である光電変換層と、第2成膜装置79,80により基板上に積層される第2膜である光電変換層とは互いに異なる。
また、第1成膜装置22と第1成膜装置23とは、同じ製造条件での成膜が可能であれば装置構造や基板処理枚数が異なっていてもよいが、より好ましくは、略同一構造で基板処理枚数も等しい装置を用いる。同様に、第2成膜装置79と第2成膜装置80とは、同じ製造条件での成膜が可能であれば装置構造や基板処理枚数が異なっていてもよいが、より好ましくは、略同一構造であり、基板処理枚数も等しい装置を用いる。
第1カセット搬送ライン43Aにおいては、本実施形態においては、第1バッチ処理装置である2台の第1成膜装置22,23が並列に配置されているが、第1成膜装置の台数はこれに限られない。本実施形態においては、第1成膜装置22,23は、2枚の基板を水平に保持して一度に処理することができプラズマCVD装置であるが、本発明のプラズマCVD装置が一度に処理できる基板の枚数はこれに限られず、基板を垂直に保持するものであってもよい。第1カセット搬送ライン43Aにおいては、搬送方向34に示すように、第1搬送ロボット21によりカセットが、第1成膜装置22,23のそれぞれに任意に搬送される。
第1成膜装置22には、カセットの搬入および搬出が行なわれるカセットポート26が設けられている。第1成膜装置22には、例えば1回につき2枚の基板を、カセットポート26に搬入されたカセットから第1成膜装置22内に搬入することができ、および、第1成膜装置22からカセットポート26に搬入されたカセットの空いた所に搬出することができる、基板出入部30が設けられている。
第1成膜装置23には、カセットの搬入および搬出が行なわれるカセットポート27が設けられている。第1成膜装置23には、例えば1回につき2枚の基板を、カセットポート27に搬入されたカセットから第1成膜装置23内に搬入することができ、および、第1成膜装置23からカセットポート27に搬入されたカセットの空いた所に搬出することができる、基板出入部31が設けられている。
第2カセット搬送ライン43Bにおいては、本実施形態においては、第2バッチ処理装置である2台の第2成膜装置79,80が並列に配置されているが、第2成膜装置の台数はこれに限られない。本実施形態においては、第2成膜装置79,80は、3枚の基板を水平に保持して一度に処理することができプラズマCVD装置であるが、本発明のプラズマCVD装置が一度に処理できる基板の枚数はこれに限られず、基板を垂直に保持するものであってもよい。第2カセット搬送ライン43Bにおいては、搬送方向78に示すように、第3搬送ロボット77によりカセットが、第2成膜装置79,80のそれぞれに任意に搬送される。
第2成膜装置79には、カセットの搬入および搬出が行なわれるカセットポート81が設けられている。第2成膜装置79には、例えば1回につき3枚の基板を、カセットポート81に搬入されたカセットから第2成膜装置79内に搬入することができ、および、第2成膜装置79からカセットポート81に搬入されたカセットの空いた所に搬出することができる、基板出入部83が設けられている。
第2成膜装置80には、カセットの搬入および搬出が行なわれるカセットポート82が設けられている。第2成膜装置80には、例えば1回につき3枚の基板を、カセットポート82に搬入されたカセットから第2成膜装置80内に搬入することができ、および、第2成膜装置80からカセットポート82に搬入されたカセットの空いた所に搬出することができる、基板出入部84が設けられている。
具体的な工程を記述すると、第1成膜装置22、23から搬出されカセットラック8に一時保管されたカセットがカセットラック8より第2ポート10に搬送される。第2ポート10は、カセットが配置される場所である。カセットラック8において一時保管されていたカセットは、第2搬送ロボット14により第2ポート10に搬送される。第2ポート10に搬送されたカセットは、第1搬送ロボット21により、第1成膜装置22、23のいずれかに搬送される。
たとえば、第1成膜装置22にカセットが搬送された場合、カセットは、カセットポート26に搬入される。カセットポート26に搬入されたカセットから基板出入部30により、基板が2枚取出されて第1成膜装置22内に搬入される。
第1成膜装置22内において処理された基板は、基板出入部30により第1成膜装置22から搬出されてカセット内に収容される。このカセットは基板を6枚収容可能であるため、処理された基板をカセット内に収容した後、未処理の基板がカセット内に残っている場合には、基板出入部30によりその未処理の基板が第1成膜装置22内に搬入される。第1成膜装置22内において処理された基板は、基板出入部30により第1成膜装置22から搬出されてカセット内に収容される。
本実施形態においてはカセットの基板収容枚数が6枚であるので、第1成膜装置22,23への基板搬入は2枚ずつ3回に分けて行われる。カセットの基板収容枚数が第1成膜装置22,23の基板処理枚数の倍数となっているので、カセットに端数の基板が残ることなく、成膜装置を毎回満杯にして効率よく処理させることができる。
処理済みの基板で満杯になったカセットは、カセットポート26から第1搬送ロボット21により第2ポート10に搬送され、さらに、第2搬送ロボット14によりカセットラック8に搬入される。このように、カセットラック8と第2ポート10との間において、搬送方向18に示すようにカセットが搬送される。
バッファストッカ15は、基板を一枚ずつ搬送する第4搬送コンベア74により薄膜検査装置71と接続されている。薄膜検査装置71は、半導体薄膜成膜後検査装置であり、膜厚検査部、表面膜厚分布検査部、結晶化率検査部および表面欠陥検査部の少なくともいずれかを含む。第4搬送コンベア74は、第1搬送コンベア7と第2搬送コンベア35との間に設けられている。バッファストッカ15においては、薄膜検査装置71から搬出される基板を収容するカセットが配置される第6ポート72が設けられている。
この構成により、第1成膜装置22,23および第2成膜装置79,80で形成した半導体薄膜の膜厚を1つの検査装置を兼用して検査することができる。本実施形態においては、半導体薄膜の膜厚を検査する薄膜検査装置71を設けたが、これに限られず、たとえば、膜ムラ検査、外観検査、膜質検査を行なう検査装置を設けてもよい。
第1成膜装置22,23により半導体薄膜層を積層された基板は、カセットに収容されて第1搬送ロボット21によりバッファストッカ15の第2ポート10に搬送される。第2ポート10に搬送されたカセットは、第2搬送ロボット14によりカセットラック8内に搬送される。その後、第2搬送ロボット14によりカセットラック8から第6ポート72にカセットが搬送される。
第6ポート72に搬送されたカセットから第4搬送コンベア74により基板が一枚ずつ取出され薄膜検査装置71に搬入される。薄膜検査装置71において検査された基板は、第4搬送コンベア74により第6ポート72に搬出される。このとき、膜厚不良と判断された基板は、不良基板用のカセットに収容されて除外され、良品と判断された基板のみが第6ポート72に配置されているカセットに収容される。良品と判断された基板で満杯になったカセットは、第2搬送ロボット14によりカセットラック8内に搬入される。
バッファストッカ15においては、第2成膜装置79、80から搬出されたカセットが搬送されてくる第5ポート75が設けられている。第5ポート75は、カセットが配置される場所である。カセットラック8において一時保管されていたカセットは、第2搬送ロボット14により第5ポート75に搬送される。第5ポート75に搬送されたカセットは、第3搬送ロボット77により、第2成膜装置79、80のいずれかに搬送される。
たとえば、第2成膜装置79にカセットが搬送された場合、カセットは、カセットポート81に搬入される。カセットポート81に搬入されたカセットから基板出入部83により、基板が3枚取出されて第2成膜装置79内に搬入される。
第2成膜装置79内において処理された基板は、基板出入部83により第2成膜装置79から取出されてカセット内に収容される。このカセットは基板を6枚収容可能であるため、処理された基板をカセット内に収容した後、未処理の基板がカセット内に残っている場合には、基板出入部83によりその未処理の基板が第2成膜装置79内に搬入される。第2成膜装置79内において処理された基板は、基板出入部83により第2成膜装置79から搬出されてカセット内に収容される。
本実施形態においてはカセットの基板収容枚数が6枚であるので、第2成膜装置79,80への基板搬入は3枚ずつ2回に分けて行われる。カセットの基板収容枚数が第2成膜装置79,80の基板処理枚数の倍数となっているので、カセットに端数の基板が残ることなく、成膜装置を毎回満杯にして効率よく処理させることができる。
このように、カセット60の基板収容枚数が、第1成膜装置22,23の一台当たりの基板処理枚数と、第2成膜装置79,80の一台当たりの基板処理枚数との公倍数であるとき、第1および第2成膜装置22,23,79,80においてそれぞれの基板処理枚数ずつ基板を処理した際に、第1および第2成膜装置においてカセット内にそれぞれの基板処理枚数以下である端数の基板が残らないようにすることができる。
たとえば、本実施形態においては、第1成膜装置22,23の基板処理枚数である2枚に対して、カセットの基板収容枚数が3倍である6枚にされている。基板はカセットから2枚ずつ取出されて第1成膜装置22,23に搬入されるため、6枚の基板は、3回に分けられて処理される。このように、第1成膜装置22,23の基板処理枚数ずつ毎回処理することが可能となるため、装置の処理能力を最大限に発揮させることができる。
また、第2成膜装置79,80が一括に処理可能な基板処理枚数である3枚に対して、カセットの基板収容枚数が2倍である6枚にされている。基板はカセットから3枚ずつ取出されて第2成膜装置79,80に搬入されるため、6枚の基板は、2回に分けられて処理される。このように、第2成膜装置79,80の基板処理枚数ずつ毎回処理することが可能となるため、装置の処理能力を最大限に発揮させることができる。従って、第1成膜装置22,23と第2成膜装置79,80の両方で、端数の基板を発生させること無く、効率の良い処理を実現することができる。
上記のように、端数が発生しないようにカセットに基板を満杯に収容した状態で搬送を行なうことにより、基板の搬送効率を向上することができる。その結果、第1成膜装置22,23および第2成膜装置79,80への基板の投入完了時とカセットの搬送開始時との同期を図ることが可能となり、第1成膜装置22,23および第2成膜装置79,80が基板処理している間に、未処理の基板を収容したカセットを搬送してくることができる。よって、カセット搬送回数を削減しつつ、基板を効率よく搬送して処理することができる。また、第1成膜装置22,23および第2成膜装置79,80において基板処理枚数の基板を毎回処理することができるため、装置の稼動効率を向上することができる。
したがって、カセットの基板収容枚数が、第1カセット搬送ライン43Aに含まれる第1成膜装置22,23の基板処理枚数と第2カセット搬送ライン43Bに含まれる第2成膜装置79,80の基板処理枚数との公倍数であることにより、それぞれの処理装置における稼働率および基板搬送効率を向上することができる。
本実施形態はバッチ処理装置である成膜装置の基板処理枚数が2種類の場合であるが、本発明はそれに限定されず、基板処理枚数が3種類以上のバッチ処理装置を備える薄膜太陽電池製造装置にも適用できる。その場合、カセットの基板収容枚数は、異なる3種のバッチ処理装置の基板処理枚数の公倍数であればよい。
また、第1成膜装置22,23においてアモルファスの半導体膜で構成される光電変換層を形成し、第2成膜装置79,80において微結晶の半導体膜で構成される光電変換層を形成する場合、一般的に第2成膜装置79,80の標準処理時間T2の方が、第1成膜装置22,23の標準処理時間T1より長い。この場合、第2成膜装置79,80において一度に処理できる基板枚数を第1成膜装置22,23において一度に処理できる基板枚数より多くすることにより、第2成膜装置79,80が一つのカセット内の基板全てを処理するのに必要な回数を第1成膜装置22,23より少なくできる。
その結果、複数の第1成膜装置を一体とみなした第1カセット搬送ライン43Aの単位時間当たりの基板処理能力と複数の第2成膜装置を一体とみなした第2カセット搬送ライン43Bの単位時間当たりの基板の処理能力とを互いに近づけることができる。ここで各ラインの単位時間当たりの基板処理能力とは、たとえば1時間当たりに各ラインで処理できる基板の枚数として定めることができる。
更に好ましい条件を以下に記述する。
第1成膜装置22,23で共通となる第1製造条件の標準処理時間(プロセスタイム)をT1(T1は任意の時間)、第1成膜装置22,23の基板処理枚数の総和をX枚(Xは自然数)とし、第2成膜装置79,80で共通となる第2製造条件の標準処理時間(プロセスタイム)をT2(T2は任意の時間)であるとき、第2成膜装置79,80の基板処理枚数の総和YがXT1/T2に近接した自然数であることが好ましい。
第1成膜装置22,23で共通となる第1製造条件の標準処理時間(プロセスタイム)をT1(T1は任意の時間)、第1成膜装置22,23の基板処理枚数の総和をX枚(Xは自然数)とし、第2成膜装置79,80で共通となる第2製造条件の標準処理時間(プロセスタイム)をT2(T2は任意の時間)であるとき、第2成膜装置79,80の基板処理枚数の総和YがXT1/T2に近接した自然数であることが好ましい。
具体的には、第1バッチ処理装置群における基板処理枚数である、第1成膜装置22と第1成膜装置23との基板処理枚数の総和をX、前記第2バッチ処理装置群における基板処理枚数である、第2成膜装置79と第2成膜装置80との基板処理枚数の総和ををYとした場合、Yは、次式を満たす自然数である。(XT1/T2)−1<Y<(XT1/T2)+1・・・(1)
この構成により、第1成膜装置22,23と第2成膜装置79,80との単位時間当たりの基板の処理能力をより近似させることができる。
この構成により、第1成膜装置22,23と第2成膜装置79,80との単位時間当たりの基板の処理能力をより近似させることができる。
ここで標準処理時間とは成膜装置が適正に動作し、かつ各製造条件にて基板に適正な品質の成膜が行われる場合の、基板の処理開始から処理完了までにかかる時間である。具体的に記述すると、第1成膜装置22,23で共通となる第1製造条件の標準処理時間T1が40分、第1成膜装置の基板処理枚数の総和Xは4枚である。
第2成膜装置79,80で共通となる第2製造条件の標準処理時間T2が60分であるとき、上記の式より、第2成膜装置79,80の基板処理枚数の総和Yは、(60/40)×4=6から、Y=6とする。それによって、第1成膜装置22,23と第2成膜装置79,80のそれぞれの基板処理枚数の総和を60分あたりの枚数に換算すると、両方とも60分あたりの基板処理枚数の総和は6枚で等しくなる。
また、好ましくは第1成膜装置22と23および第2成膜装置79と80の基板処理枚数が同じ装置を用いるので、本実施形態の具体例においては、第1成膜装置22,23の基板処理枚数が各2枚、第2成膜装置79,80の基板処理枚数が各3枚であることがより好ましい。
従って、第1成膜装置と第2成膜装置の処理能力をより近似させることができ、それによって、第1カセット搬送ラインおよび第2カセット搬送ラインの処理能力の差がボトルネックとなってカセットの搬送待ちが発生することを抑制し、効率の良い搬送処理を行なう事ができる。
第1成膜装置と第2成膜装置に共通の装置を用い、標準処理時間が長い方の装置の台数を、標準処理時間が短い方の装置の台数よりも多くすることによって処理能力を近似させる方法と比較して、本実施形態では装置台数の増加を抑えることができ、工場内の装置設置スペースが節約できる。
本実施形態は、第1成膜装置と第2成膜装置をそれぞれ2台ずつ有する薄膜太陽電池製造装置であるが、上述の好ましい条件はそれに限定されず、それぞれ3台以上備えていてもよいし、第1成膜装置と第2成膜装置が1台ずつでもよい。第1成膜装置と第2成膜装置が1台ずつのときは、第1成膜装置の基板処理枚数がx、標準処理時間がt1であり、第2成膜装置の標準処理時間がt2であるとき、第2成膜装置の基板処理枚数yが、xt1/t2に近接した自然数であればよい。
また、本実施形態は、異なる2種類の製造条件のバッチ処理装置である、第1成膜装置および第2成膜装置を有する薄膜太陽電池製造装置であるが、上述の好ましい条件はそれに限定されず、3種類以上の異なる製造条件のバッチ処理装置を有する薄膜太陽電池製造装置にも適用できる。その場合、第1成膜装置と第2成膜装置との間で、上述した関係式を満たす装置構成とし、さらに第2成膜装置と第3の製造条件の成膜装置との間で、上述した関係式を満たす装置構成とすればよい。
また、本実施形態において、バッチ処理装置として想定しているプラズマCVD成膜装置においては、毒性の強いシランなどのプロセスガスを使用し、また、プラズマ放電の為に高電圧を供給する必要があるので、装置台数が増加すると、ガス供給/排気ラインの大規模化、消費電力の増大、必要な安全設備の増加など、コストと工場運営の面で非常に負担が大きくなる。それらを抑えるという面で、本発明は従来技術より優れている。
カセットポート26,27,81,82に搬入できるカセットが一つの場合は、基板出入部30,31,83,84は、基板の搬入と搬出を同時に行なう事ができ、搬入する基板を抜いたカセットの空いた箇所に、成膜装置内から搬出した基板を入れることができることが好ましい。
基板をカセットの空き箇所に搬出してから成膜装置内に搬入する従来の基板出入部の場合、カセットポートが一つのカセットしか搬入できない場合は、カセット内の全ての基板の処理が完了するまでカセットを搬出することができないので、その間は待ち時間となり、処理効率が悪い。基板出入部が基板の搬入と搬出を同時に行なう事ができれば、カセットが全て処理済の基板になった時点でカセットをカセットポートより搬出し、未処理基板が収納された新たなカセットをカセットポートに搬入できる。そのカセット搬入出の間、成膜装置内での基板処理は並行で実施できるので、生産効率を向上できる。
カセットポートに搬入できるカセットが2つ以上の場合は、基板出入部は従来の基板をカセットの空き箇所に搬出してから成膜装置内に搬入するものであってもよい。その場合、少なくとも一つのカセットが空カセットであり、処理済の基板を前記の空カセットに搬出した後、処理前の基板が収納された別のカセットから基板を搬入できる。空カセットは満杯になった時点で、カセットポートから搬出される。その時点で別のカセットが空になり、次からはそのカセットに処理済の基板が搬出される。空いたカセットポートには、処理前の基板が収納されたカセットが、再び搬入される。以上のように、カセットの搬入出と成膜装置内での基板処理を並行で実施できるので、生産効率が向上できる。
第2成膜装置79,80により半導体薄膜層を積層された基板は、カセットに収容されて第3搬送ロボット77によりバッファストッカ15の第5ポート75に搬送される。第5ポート75に搬送されたカセットは、第2搬送ロボット14によりカセットラック8内に搬入される。その後、第2搬送ロボット14によりカセットラック8から第6ポート72にカセットが搬出される。
第6ポート72に搬送されたカセットから第4搬送コンベア74により基板が一枚ずつ取出されて薄膜検査装置71に搬入される。薄膜検査装置71において検査された基板は、第4搬送コンベア74により第6ポート72に搬出される。このとき、膜厚不良と判断された基板は、不良基板用のカセットに収容されて除外され、良品と判断された基板のみが第6ポート72に配置されているカセットに収容される。良品と判断された基板を収容したカセットは、第2搬送ロボット14によりカセットラック8内に搬入される。
このように、薄膜検査装置71をカセット搬送ラインごとに配置することなく兼用で使用することにより、装置コストおよび装置の配置スペースを削減することができる。
第2基板搬送ライン42においては、第2レーザ加工装置37、スパッタリング装置38、第3レーザ加工装置39、特性検査装置40およびランク振分搬出装置41が直列に配置されている。基板搬送方向の最も上流側に配置された第2レーザ加工装置37に搬入された基板は、図示しない搬送機構により搬送方向36に一枚ずつ搬送される。第2レーザ加工装置37には、バッファストッカ15から第2搬送コンベア35により基板が搬入される。
第2基板搬送ライン42を構成する処理装置は、基板が搬入される搬入口と基板が搬出される搬出口とが別々に設けられ、基板が各装置内を通過しつつ処理される、いわゆるインライン方式の枚葉処理装置である。また、第2基板搬送ライン42においては、インライン方式の枚葉処理装置が直列に接続されている。第2基板搬送ライン42は、基板搬送方向における上流側に配置された枚葉処理装置の搬出口と、下流側に配置された枚葉処理装置の搬入口との間を、基板が搬送コンべアなどの直線的な搬送装置により順次搬送される、インライン方式の搬送ラインとして構成されている。
バッファストッカ15においては、第2レーザ加工装置37に基板が搬入される第3ポート11が設けられている。第3ポート11は、カセットが配置される場所である。第2成膜装置79,80により処理された基板を収容してカセットラック8に一時保管されているカセットは、第2搬送ロボット14により搬送方向19に搬送されて第3ポート11に配置される。第3ポート11に配置されたカセットから第2搬送コンベア35により一枚ずつ取出された基板が、第2レーザ加工装置37に搬入される。
第3ポート11に配置されたカセットから全ての基板が搬出された後、空になったカセットは第2搬送ロボット14により搬送方向20に搬送されてカセットラック8に一時保管される。さらに、空のカセットは、カセットラック8から第2搬送ロボット14により第1ポート9に搬送される。このように、基板の搬送が効率よく行なわれるように、バッファストッカ15内においてカセットの一時保管と搬送とが図示しない制御部によって制御されている。
本実施形態においては、第1レーザ加工装置4および第2レーザ加工装置37と第1成膜装置22,23および第2成膜装置79,80とは、カセットラック8の異なる側面に対向して配置されている。このようにすることにより、バッファストッカ15の特定の側面側に第1成膜装置22,23および第2成膜装置79,80を集中的に配置することができる。その結果、第1成膜装置22,23および第2成膜装置79,80に必要となる高電力供給配線、多種のプロセスガス供給配管、真空ポンプ配管、排気配管および排気除害装置などの用力に係わる配線と配管との配設が冗長になることを抑制でき、工場システムの簡単化および省スペース化を図れる。
バッファストッカを境界にして、特殊ガスを使用する半導体薄膜積層工程とそれ以外の工程が行なわれるエリアを分けることができる。半導体薄膜積層工程が行われるエリアには、安全性の確保から、クリーン度の他にガス漏洩監視や湿度コントロールなど特殊な環境や設備が要求される。一方、半導体薄膜積層工程以外が行われるエリアにおいては、別の工程管理基準により監視が必要なエリアが含まれる場合があり、監視区域を整理することにより工場ユーティリティ設備の効率化が図れる。また、特殊な技能をもつ作業者が必要となるエリアを限定することができるため、労働環境管理上も有利である。このようなライン構成にすることにより、特殊な管理区域を限定することができるため、工場建設コストおよび運営コストを削減できる。
本実施形態においては、バッファストッカ15は、一連の処理から切り離して基板を外部に搬出および外部から搬入する第3搬送コンベア44により外部ポート45と接続されている。バッファストッカ15においては、外部ポート45から基板が搬入または外部ポート45に基板が搬出される第4ポート12が設けられている。第4ポート12は、カセットが配置される場所である。
この構成により、テスト基板を特定の処理装置において処理する場合などテスト基板を一連の処理装置において処理しない際に、テスト基板を効率よく搬送することができる。具体的には、外部ポート45から第3搬送コンベア44により第4ポート12に配置したカセットにテスト基板を収容する。そのカセットを第2搬送ロボット14により、所望の処理装置に搬送することが可能な第2ポート10、第5ポート75または第3ポート11に搬送する。その後は、テスト基板が所望の処理装置において処理される。
テスト基板を収容したカセットが第3ポート11に搬送された場合には、搬送方向36にテスト基板が搬送されてランク振分搬出装置41から基板が搬出される。テスト基板を収容したカセットが第2ポート10に搬送された場合には、第1成膜装置22、23で処理されたテスト基板を収容したカセットは、再度第2ポート10に搬送される。
第2ポート10に搬送されたカセットは、第2搬送ロボット14により第4ポート12に搬送される。第4ポート12に搬送されたカセットからテスト基板が取出され、第3搬送コンベア44により外部ポート45に搬出される。本実施形態においては、外部搬送部として基板を搬送する第3搬送コンベア44を設けたが、カセットを搬送する搬送ロボットを外部搬送部として設けてもよい。
以下、本実施形態の薄膜太陽電池製造装置1を用いる薄膜太陽電池の製造方法について説明する。図2は、本実施形態に係る薄膜太陽電池製造装置の工程フローと各工程における基板の搬送形態を示す図である。
図2に示すように、表面にYnOやSnO2などの透明導電膜からなる表面導電層が堆積されたガラス基板が基板搬入装置2から一枚ずつ搬入される(S201)。図3は、表面導電層形成後の基板の構成を示す断面図である。図3に示すように、ガラス基板51の上面に表面導電層52が積層されている。ガラス基板51は、第1洗浄装置3において洗浄される(S202)。
洗浄後の基板は、第1レーザ加工装置4において搬送されつつパターニングされる(S203)。次に、ガラス基板が第2洗浄装置105において洗浄される(S204)。図4は、洗浄後の基板の構成を示す断面図である。図4に示すように、表面導電層52の所定の位置に溝部53が形成されている。
パターニング後の基板は、レーザ加工後検査装置106にて溝部53の形状が正常か否か検査され、不良が発見された基板は除外される(S205)。レーザ加工後検査装置106の工程まで、基板は1枚ずつ搬送されている。検査が完了して良品と判断された基板は、第1搬送コンベア7によりバッファストッカ15に搬入されてカセットに収容される。ここで、S201からS205までの工程が本発明における第1枚葉処理工程に相当する。
基板を収容したカセットは、第2搬送ロボット14によってカセットラック8に搬入される。カセットラック8における一時保管がされた後、第2搬送ロボット14によりカセットはカセットラック8から搬出されて第2ポート10に搬送され、第2ポートより第1搬送ロボット21により第1成膜装置22,23のいずれかのカセットポート26,27にカセットが搬入される。
本実施形態においては、第1成膜装置22,23は、それぞれの一つのプロセス室において、成膜条件を随時変更することで異なる複数の半導体薄膜を積層する、いわゆるシングルチャンバのプラズマCVD装置である。ただし、第1成膜装置22,23は、それぞれが一つの成膜条件の薄膜を積層する複数のプロセス室を有し、装置内の搬送ロボットによって順次異なるプロセス室に基板を移動させて処理することにより異なる複数の半導体薄膜を積層する、いわゆるマルチチャンバのプラズマCVD装置であってもよい。
第1半導体薄膜積層工程において基板を複数枚ずつプラズマCVD装置で処理することにより、基板上にシリコン系半導体材料からなる第1半導体薄膜層を積層され、p層、i層およびn層の3層からなる第1光電変換層が形成される(S206)。ここで、本実施形態の第1半導体薄膜積層工程(S206)は、本発明の第1膜を一括形成する工程に相当する。第1半導体薄膜層を積層された基板は、カセットに収容されて第1搬送ロボット21によりバッファストッカ15に搬送される。
カセットは、第2搬送ロボット14によりカセットラック8に搬入されて一時保管された後、第2搬送ロボット14によりカセットラック8から搬出されて第6ポート72に搬送される。第4搬送コンベア74により基板がカセットから取出されて薄膜検査装置71に搬入される。薄膜検査装置71において、基板上に形成された第1半導体薄膜層の膜厚検査が行なわれ、不良が発見された基板は除外される(S207)。除外された基板は、不良基板用のカセットに収容される。良品と判断された基板を収容したカセットは、カセットラック8における一時保管がされた後、第5ポート75に搬送される。第3搬送ロボット77により第2成膜装置79,80のいずれかのカセットポート81,82に搬入される。
本実施形態においては、第2成膜装置79,80は、それぞれの一つのプロセス室において、成膜条件を随時変更することで異なる複数の半導体薄膜を積層する、いわゆるシングルチャンバのプラズマCVD装置である。ただし、第2成膜装置79,80は、それぞれが一つの成膜条件の薄膜を積層する複数のプロセス室を有し、装置内の搬送ロボットによって順次異なるプロセス室に基板を移動させて処理することにより異なる複数の半導体薄膜を積層する、いわゆるマルチチャンバのプラズマCVD装置であってもよい。
第2半導体薄膜積層工程において基板を複数枚ずつプラズマCVD装置で処理することにより、基板上にシリコン系半導体材料からなる第2半導体薄膜層を積層され、p層、i層およびn層の3層からなる第2光電変換層が形成される(S208)。ここで、本実施形態の第2半導体薄膜積層工程(S208)は、本発明の第2膜を一括形成する工程に相当する。図5は、第2半導体薄膜積層後の基板の構成を示す断面図である。図5に示すように、第1光電変換層54の上方に第2光電変換層90が形成されている。第2半導体薄膜層を積層された基板は、カセットに収容されて第3搬送ロボット77によりバッファストッカ15に搬送される。
カセットは、第2搬送ロボット14によりカセットラック8に搬入されて一時保管された後、第2搬送ロボット14によりカセットラック8から搬出されて第6ポート72に搬送される。第4搬送コンベア74により基板がカセットから取出されて薄膜検査装置71に搬入される。薄膜検査装置71において、基板上に形成された第2半導体薄膜層の膜厚検査が行なわれ、不良が発見された基板は除外される(S209)。除外された基板は、不良基板用のカセットに収容される。良品と判断された基板を収容したカセットは、カセットラック8における一時保管がされた後、第3ポート11に搬送される。本実施形態においては、S206からS209までの工程において、基板はカセットに収容された状態で複数枚ずつ搬送されている。上述の変形例においては、S207からS209までの工程において、基板はカセットに収容された状態で複数枚ずつ搬送されている。
第3ポート11に配置されたカセットから第2搬送コンベア35により基板が一枚ずつ取出され、第2レーザ加工装置37に搬入される。基板は、第2レーザ加工装置37においてパターニングされる(S210)。図6は、第2レーザ加工装置によるパターニング後の基板の構成を示す断面図である。図6に示すように、第2光電変換層90の上面から表面導電層52の上面まで到達する溝部91が所定の位置に形成されている。
次に、スパッタリング装置38において第2光電変換層90上にYnOまたはSnO2などからなる透明導電層と、AgまたはCuなどの金属で構成される裏面電極層とを積層する(S211)。図7は、スパッタ後の基板の構成を示す断面図である。図7に示すように、第2光電変換層90の上面に透明導電層92が形成され、透明導電層92の上面に裏面電極層93が形成されている。
その後、第3レーザ加工装置39においてパターニングされる(S212)。図8は、第3レーザ加工装置によるパターニング後の基板の構成を示す断面図である。図8に示すように、裏面電極層93から表面導電層52の上部まで到達する溝部94が所定の位置に形成されている。
次に、レーザトリミング加工装置107において基板周縁部の領域にある、表面導電層52、第1光電変換層54、透明導電層56および裏面電極層57のガラス基板51上の全ての層を除去する(S213)。この工程により周縁部が絶縁され、薄膜太陽電池95が製造される。
製造された薄膜太陽電池95は、逆バイアス処理装置108によって、表面導電層52と裏面電極層57とを短絡させる半導体薄膜のピンホール欠陥が除去される(S214)。この処理によって、薄膜太陽電池95の短絡による発電特性の低下を防止できる。
次に、特性検査装置40において特性検査が行なわれる(S215)。薄膜太陽電池95は、特性検査の結果に応じて性能別にランク分けされ、ランク振分搬出装置41によって、ランク別に異なる搬出部へ振り分けられて搬出される(S216)。本実施形態においては、S210からS216までの工程において、基板は1枚ずつ搬送されている。ここで、S210からS216までの工程が本発明における第2枚葉処理工程に相当する。
薄膜太陽電池95は、第1光電変換層54および第2光電変換層90を備えている。この2種の異なる光電変換層はそれぞれ異なるエネルギーバンドギャップを持つシリコン系半導体材料で形成されていることが好ましい。エネルギーバンドギャップの異なる光電変換層を備えることにより、波長領域の異なる太陽光を光電変換することができ、変換効率の高い薄膜太陽電池を得ることができる。
また、薄膜太陽電池95は、3種以上の異なる光電変換層を備えることも可能である。この場合、異なる光電変換層はそれぞれ異なるエネルギーバンドギャップを持つシリコン系半導体材料で形成されていることが好ましく、2種の異なる光電変換層を備えた薄膜太陽電池よりも、更に広い波長領域の太陽光を光電変換することができ、更に変換効率の高い薄膜太陽電池を得ることができる。
図9は、本実施形態に係るバッファストッカの構成を模式的に示す平面図である。図9に示すように、本実施形態に係るカセットラック8は、3つの領域に分割されている。
バッファストッカ15には、第1ポート9、第2ポート10、第3ポート11、第4ポート12、第5ポート75および第6ポート72などが設けられており、カセットはバッファストッカ15内においてこれらのポートとカセットラック8間を順次搬送される。バッファストッカ15内におけるカセットの搬送径路が長くなると薄膜太陽電池製造装置の生産効率が低下する。よって、カセットの搬送径路を短くする必要があるが、そのためには、カセットラック8内におけるカセットの保管位置を制御することが好ましい。
具体的には、図9に示すようにカセットラック8を複数の領域に分割し、第2搬送ロボット14による搬送前にカセットが位置するポートと搬送後にカセットが位置するポートとの中間に位置する上記領域にカセットを一時保管することが好ましい。
図9に示すように、バッファストッカ15内におけるカセットの好適な搬送径路は、第1ポート9からカセットラック8の第1領域85へ搬送方向16に搬送される。カセットラック8から第2ポート10へ搬送方向18Aに搬送される。第2ポート10からカセットラック8の第2領域86へ搬送方向18Bに搬送される。カセットラック8から第6ポート72へ搬送方向71Aに搬送される。
第6ポート72からカセットラック8の第2領域86へ搬送方向71Bに搬送される。カセットラック8から第5ポート75へ搬送方向76Aに搬送される。第5ポート75からカセットラック8の第2領域86へ搬送方向76Bに搬送される。カセットラック8から第6ポート72へ搬送方向71Cに搬送される。第6ポート72からカセットラック8の第3領域87へ搬送方向71Dに搬送される。カセットラック8から第3ポート11へ搬送方向19に搬送される。
上記のカセット搬送と各処理装置との処理との関係を以下に示す。図2に示す、S201〜S205工程が行なわれ、第1ポート9に配置されているカセットに基板が収容される。S205工程が行なわれた後、基板を収容したカセットは、カセットラック8の第1領域85を経て、第2ポート10へ搬送される。S206工程が行なわれた後、カセットは再び第2ポート10へ搬送され、カセットラック8の第2領域86を経て、第6ポート72へ搬送される。S207工程が行なわれた後、再び第6ポート72へ搬送され、カセットラック8の第2領域86を経て、第5ポート75へ搬送される。S208工程が行なわれた後、カセットは再び第5ポート75へ搬送され、カセットラック8の第2領域86を経て、第6ポート72へ搬送される。S209工程が行なわれた後、再び第6ポート72へ搬送され、カセットラック8の第3領域87経て、第3ポート11へ搬送される。その後、S210〜S216工程が行なわれる。
本実施形態においては、上記のように第2搬送ロボット14を制御する制御部が備えられている。カセットラック8は複数の領域に分割されており、第1搬送コンベア7により基板が収容されたカセットを優先的に一時保管する第1領域85と、第1搬送ロボット21および第3搬送ロボット77により第1,2成膜装置22,23,79,80から搬出されたカセットを優先的に一時保管する第2領域86とを少なくとも含む。上記制御部は、カセットをカセットラック8の複数の領域のうちのいずれに搬入すべきかを決定している。
上記のようにカセットが搬送されることにより、カセットの搬送径路を短くすることができる。本実施形態においては、カセットラック8を3つの領域に分割したが、分割数はこれに限られない。また、一つの領域がカセットで満杯になっている場合は、その領域に隣接する領域にカセットを一時保管することにより、カセットの搬送径路が比較的短くなるようにしてもよい。
さらに、カセットラック8の全体がカセットで満杯になった場合には、バッファストッカ15へ基板が搬入されるのを停止する自動制御を行なうか、または、カセットラック8が満杯になるか満杯になりそうな場合に、音声や信号灯などでアラームを出すことにより、外部ポート45から基板を搬出して、カセットラック8に空きをつくるように作業者に促すようにしてもよい。
図10は、本実施形態に係るカセットラックの構造を模式的に示す側面図である。図10に示すように、本実施形態に係るカセットラック8は2段になっており、一段につき6つのカセット60を収納することができる。このように、基板を収容したカセットをカセットラック8に一時保管することにより、カセットの設置スペースを削減することができる。
図11は、本実施形態に係るカセットの構造を示す斜視図である。図11に示すように、カセット60は、内部に空間を有する直方体状の筐体61と、基板を載置するための棚部62とから構成されている。上述の通り、カセット60は、ガラス基板51を6枚収容することができる。筐体61には、開口部63が形成されており、開口部63を通してガラス基板51が出し入れされる。なお、開口部63は1箇所に限定されず、カセット60の対向する側面の両方に設けられていても良い。それによって、カセット60に対して双方向から基板を出し入れする事ができるので、各搬送部の位置に合わせてカセット60の向きを変更する為の駆動装置の動作や、その動作に必要な装置構造を簡略化できる。
カセット60は上述した大きさの基板を収容できるように、筐体61の開口部63と奥行きのいずれか一方が基板の短辺より大きく、他方が基板の長辺より大きい必要がある。
カセットの材質としては、カセット自体のサイズが大きく、複数の基板を収容した際の負荷に耐える必要があることから金属部品が主体であることが好ましい。よって、カセットは人間による搬送が困難な重量となるので、カセットの搬送は基本的に搬送ロボットが行なうこととなる。搬送ロボットのトラブルなどで緊急にカセットを搬送ロボット以外で搬送する必要が生じた場合においては、台車、クレーンおよびフォークリフトなどの重量物を運搬できる手段を用いる。
本実施形態においては、カセット60においてガラス基板51は水平に載置されているが、垂直に載置されるようにしてもよい。薄膜太陽電池製造装置において基板を垂直に保持して処理する処理装置が多く含まれる場合には、カセット60において基板が垂直に載置されるようにすることにより、カセット60に基板を収容する際の基板の向きを変更する時間を短縮することができる。
カセット60には識別番号が付されており、第1ポート9、第2ポート10、第3ポート11、第4ポート12、第5ポート75、第6ポート72およびカセットラック8などには、カセット60の識別番号を認識するセンサーが取付けられている。そのセンサーにより認識されたカセット60の位置情報は、図示しない制御部に送られる。それぞれのカセット60の搬送は、この制御部により管理されている。さらに、ガラス基板51に識別番号を付し、ガラス基板51の搬送を制御部により管理してもよい。
本実施形態の構成により、第1カセット搬送ライン43Aと第2カセット搬送ライン43Bとの間の基板搬送をバッファストッカ15を介在させて行なうことにより、円滑に基板搬送を行うことが可能となる。その結果、薄膜太陽電池製造装置1全体のスループットの向上を図れる。カセットの基板収容枚数が、第1成膜装置22,23の基板処理枚数と第2成膜装置79,80の基板処理枚数との公倍数であるため、基板搬送及び装置稼動の効率化を図れる。
また、第1基板搬送ライン5、第1カセット搬送ライン43A、第2カセット搬送ライン43Bおよび第2基板搬送ライン42の搬送機構がバッファストッカ15により分割されているため、いずれかの処理装置にトラブルが発生した場合に停止する搬送機構が限定されて、問題のない搬送機構に接続されている処理装置を稼動し続けることができる。そのため、第1基板搬送ライン5、第1カセット搬送ライン43A、第2カセット搬送ライン43Bおよび第2基板搬送ライン42のいずれかに含まれる装置においてトラブルが発生した場合に、バッファストッカ15のカセットラック8に一時保管されているカセットに収容されている基板を問題のないラインに投入して処理を継続できる。その結果、トラブルの発生による薄膜太陽電池製造装置1の生産性の低下を低減することが可能となる。
さらに、本実施形態においては、各ラインを構成する処理装置の少なくとも一方の側面を、他の装置が配置されていない開放スペースに面して配置しているため、処理装置の設備補修および設備点検などのメンテナンス時の作業性に優れている。
本発明により、一括で処理できる基板枚数が異なる、第1処理装置と第2処理装置との間で、効率的に基板を搬送することにより生産性を向上することができる。
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 薄膜太陽電池製造装置、2 基板搬入装置、3 第1洗浄装置、4 第1レーザ加工装置、5 第1基板搬送ライン、7 第1搬送コンベア、8 カセットラック、9 第1ポート、10 第2ポート、11 第3ポート、12 第4ポート、13 通路、14 第2搬送ロボット、15 バッファストッカ、21 第1搬送ロボット、22,23 第1成膜装置、26,27,81,82 カセットポート、30,31,83,84 基板出入部、35 第2搬送コンベア、37 第2レーザ加工装置、38 スパッタリング装置、39 第3レーザ加工装置、40 特性検査装置、41 分搬出装置、42 第2基板搬送ライン、43A 第1カセット搬送ライン、43B 第2カセット搬送ライン、44 第3搬送コンベア、45 外部ポート、51 ガラス基板、52 表面導電層、53,91,94 溝部、54 第1光電変換層、56,92 透明導電層、57,93 裏面電極層、60 カセット、61 筐体、62 棚部、63 開口部、71 薄膜検査装置、72 第6ポート、74 第4搬送コンベア、75 第5ポート、77 第3搬送ロボット、79,80 第2成膜装置、85 第1領域、86 第2領域、87 第3領域、90 第2光電変換層、95 薄膜太陽電池、105 第2洗浄装置、106 レーザ加工後検査装置、107 レーザトリミング加工装置、108 逆バイアス処理装置。
Claims (8)
- 複数の基板を一括処理する第1バッチ処理装置と、
複数の基板を一括処理する第2バッチ処理装置と、
前記第1バッチ処理装置および前記第2バッチ処理装置に、複数の基板を収容して搬送可能であるカセットと
を備え、
前記カセットの基板収容枚数は、前記第1バッチ処理装置の基板処理枚数と前記第2バッチ処理装置の基板処理枚数との公倍数である、薄膜太陽電池製造装置。 - 前記第1バッチ処理装置の標準処理時間をt1、前記第2バッチ処理装置の標準処理時間をt2、前記第1バッチ処理装置の基板処理枚数をx、前記第2バッチ処理装置の基板処理枚数をyとした場合、
yは、xt1/t2に近接した自然数である、請求項1に記載の薄膜太陽電池製造装置。 - カセットと前記第1バッチ処理装置との間、および、カセットと前記第2バッチ処理装置との間で、基板を搬送する基板出入部を備える、請求項1または2に記載の薄膜太陽電池製造装置。
- 複数のカセットを保管可能なカセットラックと、
前記カセットラックと前記第1バッチ処理装置との間、および、前記カセットラックと前記第2バッチ処理装置との間で、カセットを搬送する第1搬送部を備える、請求項1から3のいずれかに記載の薄膜太陽電池製造装置。 - 複数の基板を一括処理する第1バッチ処理装置を含む第1バッチ処理装置群と、
複数の基板を一括処理する第2バッチ処理装置を含む第2バッチ処理装置群と
を備え、
前記第1バッチ処理装置群の標準処理時間をT1、前記第2バッチ処理装置の標準処理時間をT2、前記第1バッチ処理装置群の基板処理枚数の総和をX、前記第2バッチ処理装置群の基板処理枚数の総和をYとした場合、
Yは、XT1/T2に近接した自然数である、薄膜太陽電池製造装置。 - カセットに収容された複数の基板を搬送して、第1バッチ処理装置を含む第1バッチ処理装置群に収容する工程と、
前記第1バッチ処理装置群を用いて、標準処理時間をT1として、複数の基板に第1膜を一括形成する工程と、
前記第1バッチ処理装置群により第1膜が形成された複数の基板を前記カセットに収容する工程と、
前記カセットに収容された複数の基板を搬送して、第2バッチ処理装置を含む第2バッチ処理装置群に収容する工程と、
前記第2バッチ処理装置群を用いて、標準処理時間をT2として、複数の基板に第2膜を一括形成する工程と、
前記第2バッチ処理装置群により第2膜が形成された複数の基板を前記カセットに収容する工程と
を備え、
前記カセットの基板収容枚数は、前記第1バッチ処理装置の一台当たりの基板処理枚数と、前記第2バッチ処理装置の一台当たりの基板処理枚数との公倍数であり、かつ、
前記第1バッチ処理装置群における基板処理枚数をX、前記第2バッチ処理装置群における基板処理枚数をYとした場合、
(XT1/T2)−1<Y<(XT1/T2)+1・・・(1)
Yが数式(1)を満たす自然数である、薄膜太陽電池の製造方法。 - 第1バッチ処理装置を含む第1バッチ処理装置群を用いて、標準処理時間をT1として、複数の基板に第1膜を一括形成する工程と、
第2バッチ処理装置を含む第2バッチ処理装置群を用いて、標準処理時間をT2として、前記第1バッチ処理装置群により第1膜が形成された複数の基板に第2膜を一括形成する工程と
を備え、
前記第1バッチ処理装置群における基板処理枚数をX、前記第2バッチ処理装置群における基板処理枚数をYとした場合、
(XT1/T2)−1<Y<(XT1/T2)+1・・・(1)
Yが数式(1)を満たす自然数である、薄膜太陽電池の製造方法。 - 請求項6または7に記載の薄膜太陽電池の製造方法を用いて製造された、薄膜太陽電池。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010155097A JP2012019044A (ja) | 2010-07-07 | 2010-07-07 | 薄膜太陽電池製造装置、薄膜太陽電池の製造方法、およびそれを用いて製造された薄膜太陽電池 |
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JP (1) | JP2012019044A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014104645A (ja) * | 2012-11-27 | 2014-06-09 | Ricoh Co Ltd | 物体処理システム |
-
2010
- 2010-07-07 JP JP2010155097A patent/JP2012019044A/ja not_active Withdrawn
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