JP2014125835A - 太陽電池パネルの敷設構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】高さが異なる固定金具やスペーサなどを用いることなく、部材管理を容易に行うことができ、ゴミ等を堆積させることもない太陽電池パネルの敷設構造を提供する。
【解決手段】本発明は、太陽電池モジュール10の周縁に側壁を有する枠体11〜14を設けた太陽電池パネル1を取付部材6Aにて下地(30,4)上に敷設してなる敷設構造であって、太陽電池パネル1の枠体11〜14のうち、少なくとも流れ方向の上側枠11は、複数の孔からなる開口部110を備え、取付部材6Aは、下地(4)に固定する固定部611と、開口部110に沿設させる取付部63とを有し、太陽電池パネル1の上側枠11に設けた開口部110と取付部63とを締着にて固定したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高さが異なる固定金具やスペーサなどを用いることなく、部材管理を容易に行うことができ、ゴミ等を堆積させることもない太陽電池パネルの敷設構造に関する。
近年、地球温暖化の緩和を目的として、その原因である温室効果ガスのうち、二酸化炭素(CO2)の排出が少ない社会(低炭素社会)を構築するため、従来の石油や石炭等の資源に依存するエネルギーに代え、太陽光を用いた再生可能エネルギーを普及するという社会的気運の高まりがある。また、政府や自治体が、積極的に太陽電池モジュールを導入する需要に対して補助を行ったり、余剰の電力を電力会社が買い取る機構もまた構築されている。
そして、従来、太陽電池パネルを取り付けるには、太陽電池もシュールの周縁に配される「枠体(フレーム)」を固定金具等によって下地等に固定していた。
しかし、太陽電池パネルは、大きさ、厚さ等に様々なものが存在し、特に厚さ(高さ)が固定時に大きく影響する。即ち高さが異なると、高さの異なる固定具を用意する必要があり部材管理が極めて煩雑になっていた。
また、固定金具は枠体を上方から押さえるため、その部分が出っ張る(突出する)ためゴミ等が堆積し易いという問題もあった。
そこで、本発明は、高さが異なる固定金具やスペーサなどを用いることなく、部材管理を容易に行うことができ、ゴミ等を堆積させることもない太陽電池太陽電池パネルの敷設構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたものであって、太陽電池モジュールの周縁に側壁を有する枠体を設けた太陽電池パネルを取付部材により下地上に敷設してなる敷設構造であって、前記太陽電池パネルの枠体のうち、少なくとも流れ方向の上側枠は、複数の孔からなる開口部を備え、前記取付部材は、下地に固定する固定部と、前記開口部に沿設させる取付部とを有し、太陽電池パネルの上側枠に設けた開口部と取付部とを締着にて固定したことを特徴とする太陽電池パネルの敷設構造に関するものである。
また、本発明は、前記太陽電池パネルの敷設構造において、隣接する太陽電池パネルを離間状に敷設すると共に、形成された離間部分に取付状態で太陽電池パネルの表面から突出する起立部を位置させることを特徴とする太陽電池パネルの敷設構造をも提案する。
また、本発明は、前記太陽電池パネルの敷設構造において、太陽電池パネルを傾斜状に敷設することで段状としたことを特徴とする太陽電池パネルの敷設構造をも提案する。
本発明の太陽電池パネルの構築構造は、太陽電池モジュールの裏面側の空気を複数の孔からなる開口部から排出することができ、しかも該開口部を下地への固定に利用するものであるため、高さが異なる固定具やスペーサなどを用いることがなく、部材管理を容易に行うことができる。
また、太陽電池パネルの表面に固定具などが突出しないため、意匠性に優れ、突出部がないため、ゴミ等が突出部分周辺に堆積することがない。
また、隣接する太陽電池パネルを離間状に敷設すると共に、形成された離間部分に起立部を位置させる場合には、太陽電池パネルの表面を流れる空気の流れに乱流を形成することにより、裏面側の空気(熱量)を吸い出す作用を果たすために、太陽電池の温度上昇を抑制し、発電効率の低下を防ぐことができる。
また、太陽電池パネルを傾斜状に敷設することで段状とした場合には、太陽光を効率良く受けることができる角度に太陽電池パネルを設置することができ、しかも太陽電池モジュールの裏面空間の上端の傾斜勾配も強くなるため、より容易に空気(熱量)を排出することができる。
(a)本発明の太陽電池パネルの敷設構造の一実施例(第1実施例)を示す斜視図、(b)それに用いた持出金具の拡大斜視図である。 (a)第1実施例の太陽電池パネルの敷設構造の要部を拡大して示す側断面図、(b)その正断面図、(c)第2実施例の太陽電池パネルの敷設構造の要部を拡大して示す側断面図である。 第1及び第2実施例に用いる太陽電池パネルを水上側から見た斜視図である。 (a)他の一実施例(第3実施例)の太陽電池パネルの敷設構造を示す斜視図、(b)それに用いた取付部材を拡大して示す斜視図である。 (a)第3実施例の太陽電池パネルの敷設構造の要部を拡大して示す側断面図、(b)その正断面図、(c)それに用いた支持部材の断面図である。
本発明は、太陽電池モジュールの周縁に側壁を有する枠体を設けた太陽電池パネルを取付部材により下地上に敷設してなる敷設構造であって、前記太陽電池パネルの枠体のうち、少なくとも流れ方向の上側枠は、複数の孔からなる開口部を備え、前記取付部材は、下地に固定する固定部と、前記開口部に沿設させる取付部とを有し、太陽電池パネルの上側枠に設けた開口部と取付部とを締着にて固定したことを特徴とする。
また、隣接する太陽電池パネルを離間状に敷設すると共に、形成された離間部分に取付状態で太陽電池パネルの表面から突出する起立部を位置させることが望ましい。
本発明に用いる太陽電池モジュールは、結晶系等の太陽電池セルをガラス等に積層させてモジュール化したものであっても、アモルファス等の薄膜のものであってもよく、薄膜等にあっては、基材となる金属板等に一体化してシート状(板状)或いはボード状にしたものであってもよい。
前記太陽電池セルとしては、一般的には片面受光型を用いるが、発電量を増大させるために両面受光型を用いてもよく、この場合、太陽電池モジュールの下方に反射部を介在させればよい。
また、前記枠体は、前記太陽電池モジュールの四つの辺に配する上側枠、下側枠、左右の側方枠からなり、各枠体は、太陽電池モジュールの周縁を保持する保持部と、下方へ垂下する側壁とを備える。
そして、前記太陽電池モジュールの周縁に前記枠体を設けて太陽電池パネルとした。
本発明における前記「開口部」は、側壁に形成した複数の孔でもよく、太陽電池パネルの裏面側の空気を排出できるものであれば特に限定するものではない。この開口部の形成方法や孔の形状、配列などを限定するものではなく、くり貫き、穿設等の加工を施してもよいし、側壁に予め孔が形成されるように成形してもよい。
この開口部は、配設状態において上側枠の水上側に沿わせる固定部材や取付部材等の係止縦片と固定するための締着ボルトの取付箇所としても用いることができる。
既に説明したように、一般的に太陽電池モジュールの水上側端縁の固定は、上側枠の上端を、固定部材等に設けた保持片(部)にて押さえ保持していた。しかしながら、この構成では、当該押さえ部分が突出するため、ゴミ等が堆積し易いという問題があった。
本発明では、上側枠の側壁に開口部を設け、この開口部に締着ボルトを取り付けため、突出する部位がなく意匠性に優れ、ゴミ等を堆積させることもない。
前述のように本発明の目的は、太陽電池モジュールの裏面側の空間から、効率的に熱量を排出して太陽電池の発電効率の低下を防ぐことであるが、この裏面側の空間とは、太陽電池パネルと下地間に形成されるものであればよく、波状或い立ち上げ部等を有する外装構造等の下地の形状によって高さ幅が部分的に大きく形成されるものであってもよいし、略平坦状の下地に対して直接的に太陽電池パネルを敷設して太陽電池モジュールと周縁の枠体で囲まれる略均等な薄い空間であってもよいし、持出金具や取付部材、横桟、縦桟等の支持部材などを取り付けた下地と太陽電池パネル間に形成されるものでもよい。
どのような裏面側空間であっても、該空間中にて温められた空気(熱量)は、より高い位置に移動しようとするため、前述のように流れ方向の上側枠に開口部を設けることにより、空間中にて温められた空気(熱量)を外部へ放出することができる。なお、この空間への外部からの空気の流入は、前述の略平坦状の下地に対して直接的に太陽電池パネルを敷設する態様を除いて、周囲のどの方向からも行われる。略平坦状の下地に太陽電池パネルを直接的に敷設する態様では、下側枠にも開口部を設けて空気を流入させることが望ましい。
また、このような裏面側空間は、軒棟方向或いは桁行き方向、或いはその両方に連続するものであっても、独立したものであってもよい。
前記太陽電池パネルを下地上に敷設するための取付部材は、下地に固定する固定部と、前記開口部に沿設させる取付部とを有する構成である。前記固定部は、下地に沿わせて固定されるものであれば、その具体的構成は特に限定するものではない。前記取付部は、前記開口部に沿設させるので、開口部が設けられる上側枠を係止する役割をも果たすので、後述する図示実施例では係止縦片とした。
前述の「隣接する太陽電池パネルを離間状に敷設する」構成とは、流れ方向又はそれと直交する方向に隣接する太陽電池パネルを一定間隔で離間させて配設して開放部を形成することを意味しているが、後述する図示実施例に示すように取付部材を開放部に位置させることにより、太陽電池パネル間を一定間隔に保持するようにしてもよい。
なお、前述の「形成された離間部分に取付状態で太陽電池パネルの表面から突出する起立部を位置させる」構成とは、開放部に起立部を形成することであるが、この起立部は、太陽電池パネルの枠体に設けてもよいし、取付部材に設けてもよいし、何れかの部材にビスやその他の手段により一体的に固定するようにしてもよい。
前記開放部に設けられる起立部は、全ての開放部に設けるものであっても、部分的に設けるものであってもよい。また、起立部は、太陽電池の辺に対して全長に亘って設けるものでも部分的に設けるものであってもよい。更に、起立部は、太陽電池表面に対して略鉛直状であっても、内側、外側への傾斜状であってもよい。また、起立部は、略平坦状の起立片状でも、弧状(曲面状)又は段状の起立片状でもよい。
また、起立部は、枠体自体に一体に成型されてもよいし、外設部材として取り付けるものでも、取付部材等に予め一体化されたものであっても、別体からなる起立部をビス、ボルト・ナット等の締着や嵌合、係合、接着或いはこれらを併用して間接的に下地に取り付けるものでもよく、さらには別体からなる起立部を取付部材等と共締めしてもよい。
そして、この起立部を太陽電池パネルの隣接間隔(開放部)に設けることにより、起立部に当たった風が上方に乱流を起こし、起立部の上端を減圧状態とするため、太陽電池パネルの裏面空間の空気が前記開口部から表面側へ吸い出す作用が果たされ、裏面空間の空気の流れを著しく速め、太陽電池セル自体が発生する温度を抑えることで発電効率の低下を防ぐことができる。
本発明の太陽電池パネルの敷設構造は、前記構成の太陽電池パネルを以下に示す下地上に敷設してもよいし、各種の壁に取り付けるようにしてもよい。
本発明に用いる下地は、既存の瓦、スレート、金属等の公知の屋根でも、新たに敷設される瓦、スレート、金属等からなる屋根でも、太陽電池の裏面側に屋根としての雨仕舞性能を有するものが望ましく、その仕様を問うものではなく、例えば塩ビ等の防水シートからなる防水層でもよい。また、金属等によって構成される既存もしくは新設の屋根は、横葺き状、縦葺き(瓦棒葺き、平滑状等)、折板等の如何なるものであってもよい。
これらの下地を構成する部材に直接太陽電池パネルを取り付けてもよいし、各種の取付金具や取付架材、持出金具、横桟、縦桟等の取付具を介して太陽電池パネルを取り付けるようにしてもよい。即ち本発明における下地としては、上述の下地、又はそれに取り付ける取付材をも含むものである。
図1及び図2に示す第1実施例の太陽電池パネル1の構築構造は、下地として、流れ方向に沿うハゼ組み式の折板屋根30のハゼ部35,35'に取り付けられた持出金具4に、太陽電池モジュール10の周縁に側壁を有する枠体11〜14を設けた太陽電池パネル1を取付部材6Aにより下地(30,4)上に敷設したものである。前記太陽電池パネル1の枠体11〜14のうち、流れ方向の上側枠11は、水上側から見た斜視図である図3に示すように複数の孔からなる開口部110を備える。また、前記取付部材6Aは、下地4に固定する固定部62と、前記開口部110に沿設させる係止縦片63とを有し、太陽電池パネル1の上側枠11に設けた開口部110と係止縦片63とを締着(ボルト1c、ナット1d)にて固定した構造である。
この第1実施例における下地を構成する前記折板屋根30は、山部と谷部とを構成する外装材3Aと、躯体(H鋼)3B上に固定されて前記外装材3Aを保持する保持部材(タイトフレーム)3Cとからなる。この外装材3Aは、略平坦状の平板部31の左右に傾斜状に立ち上がる立ち上がり部32,32を有し、各立ち上がり部32の上端に外側へ延在する載置部33が形成され、この載置部33の外側を略鉛直状に起立させて起立部34とし、隣接する外装材3A,3Aの当該部分を重合させてカシメてハゼ部としたものであり、外側に位置する重合部35と内側に位置する被重合部35'とした構成である。
この折板屋根30のハゼ部35,35'には、図1(b)に示す左右分割型の本体4Aと略ハット型の連結枠体4Bと上向きの縦ボルト4Cとからなる持出金具4が所定間隔にて一体化されて取り付けられ、取り付けられた持出金具4の受けフランジ41に、取付部材1が一体的に固定されている。この本体4Aは、上端に略平坦状の受けフランジ41が設けられ、その下方に通孔を有する縦片部分を介して外方へ膨出状の包持部42が設けられ、さらにその他方に着座部43が設けられている。そして、この本体4Aと連結枠体4Bと縦ボルト4Cとは、係合状に組み合わされ、その着座部43を折板屋根30の載置部33上に受支させると共に、その包持部42がハゼ部35,35'を覆うように配置した状態で前記縦片部分に設けた通孔に連結具44を締着することにより一体化されている。
前記下地(持出金具4)上に敷設する太陽電池パネル1は、太陽電池セル10をガラス等に積層させてモジュール化し、周縁に枠体(フレーム)11〜14を配して敷設したものであり、この枠体11〜14は、それぞれ上端に略コ字状の保持部分を有し、該保持部分から下方へ沿在する縦部分(側壁)を有する。
この枠体11〜14のうち、流れ方向の上側枠11は、前述のように複数の孔からなる開口部110を有するが、該上側枠11と対向する下側枠14、及び左右の側方枠12,13の側壁には開口部を設けていない。そして、この複数の孔からなる開口部110は、上側枠11の水上側に沿わせる取付部材6Aの係止縦片63と固定するための締着ボルト1cの取付箇所としても用いた。また、一つ一つの楕円孔は締着ボルト1cの頭部より大きかったため、上側枠11の内側に座金材1bを配し、外側から配したナット1dを締め付けて太陽電池パネル1を開口部110に固定した。
なお、この第1実施例では、流れ方向に対向する上側枠11,14が長辺であり、左右の側方枠12,13が短辺となるように配設した。
この第1実施例では、太陽電池パネル1を傾斜状に敷設することで段状とした構成であるが、具体的には、折板屋根30に取り付けた持出金具4上に固定した取付部材6Aに、流れ方向に隣接する太陽電池パネル1,1の端部を固定することにより太陽電池パネル1,1を傾斜状に敷設する。
この取付部材6Aは、図3に示すように一枚の金属板材を断面略ハット状に成形した成形体であって、略一定高さに形成した胴部61と、その水上側に側壁から下方へ延在する突出部62と、前記胴部61の上面を略垂直状に切り起こして形成した係止縦片63と、さらにその上端を傾斜した取付傾斜片64とからなる。
そして、この取付部材6Aは、前記胴部61の略中央に形成した孔から前記持出金具4の縦ボルト4Cの先端を突出させてナット4Dを締め付けて固定した。
なお、前記取付部材6Aの取付傾斜片64の外側には、起立片(部)2を沿わせ、ビス2bを打ち付けて起立片(部)2を固定した。
そして、前記取付部材6Aの胴部61の水下側に、下段側の太陽電池パネル1の水上端部を配置すると共に、前記突出部62上に上段側の太陽電池パネル1の水下端部を配置した状態で固定するので、太陽電池パネル1は傾斜状に敷設される。太陽電池パネル1の固定については、略Z字状の押さえ材5Eを太陽電池パネル1の下側枠14の上端に沿わせ、ボルト5f及びナット5gで胴部61に一体的に固定した。
なお、図2(a)に示すようにこの取付部材6Aの係止縦片63に対し、下段側の太陽電池パネル1の水上端を突き当てた状態で前述の開口部110に締着ボルト1cを容易に固定することができ、また前記胴部61の水上端には隅部状の切欠空部610が形成されているので、該切欠空部610に上段側の太陽電池パネル1の水下端を安定に配設することができる。即ちこの取付部材6Aは、太陽電池パネル1,1間を一定間隔(開放部15)に保持して容易に配設することができる位置規制作用及び間隔保持作用を有している。
このように、本発明の太陽電池パネル1の敷設構造は、太陽電池モジュール1の裏面側の空気を複数の孔からなる開口部110から排出することができ、しかも該開口部110を下地4への固定に利用するものであって、この開口部110に締着ボルト1cを取り付けることができ、突出する部位がなく意匠性に優れ、ゴミ等を堆積させることもなく、高さが異なる固定具やスペーサなどを用いることがなく、部材管理を容易に行うことができる。
また、この第1実施例では、隣接する太陽電池パネル1,1を離間状(開放部15)に敷設すると共に、形成された離間部分15に起立部2を位置させたので、起立部2に当たった風が上方に乱流を起こし、起立部2の上端を減圧状態とするため、太陽電池パネル1の裏面空間16の空気が前記開口部110から表面側へ吸い出す作用が果たされ、裏面空間16の空気の流れを著しく速め、太陽電池セル10自体が発生する温度を抑えることで発電効率の低下を防ぐことができる。なお、裏面空間16は、太陽電池モジュール10の裏面側に位置する空間全てを指すものであって、モジュール10自体の裏面側ばかりでなく、枠体11〜14の裏面をも含むものである。
また、この第1実施例では、太陽電池パネル1を傾斜状に敷設することで段状としたので、太陽光を効率良く受けることができる角度に太陽電池パネル1を設置することができ、しかも太陽電池モジュール10の裏面空間16の上端の傾斜勾配も強くなるため、より容易に空気(熱量)を排出することができる。
図2(c)に示す第2実施例は、胴部61の水上端には隅部状の切欠空部610が形成されない取付部材6A'を用い、高さ幅が高い押さえ材5Eを用い、太陽電池パネル1を下地に略平行状に敷設した点が相違する以外は、前記第3実施例と全く同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。なお、斜視図及び側断面図は、前記第1実施例と殆ど同様であるから省略する。
この第2実施例は、太陽電池パネル1を下地(30,4)に対して略平行状に敷設すればよく、下地の傾斜角度、即ち屋根勾配が比較的大きい場合に好適である。
図4及び図5に示す第3実施例の太陽電池パネル1の構築構造は、折板屋根30に取り付けられた持出金具4,4に架け渡すように(流れ方向に沿うように)縦桟状の支持部材7Aが固定され、該支持部材7A上を長さ方向に位置調整可能な取付部材6Bが固定され、流れ方向に隣接する取付部材6B,6B間に太陽電池パネル1を配設する。
前記支持部材7Aは、図5(c)に示すように上面(支持面)71及び右側面72に長さ方向に沿う溝状部711,721を設けた略四角柱状であって、上面(支持面)71に設けた溝状部711は取付部材6Bの取付に際し、溝状部711内を移動させるボルト7b(ナット7c)にて容易に取付位置を調整することができ、成形誤差や取付誤差にも柔軟に対応することができる。また、押さえ材5Hの取付に際し、溝状部711内を移動させるボルト7g(ナット7h)にて容易に取付位置を調整することができ、成形誤差や取付誤差にも柔軟に対応することができる。さらに、右側面に設けた溝状部721は前記持出金具4への取付に際し、同様に溝状部721内を移動させるボルト7dにて容易に調整でき、成形誤差や取付誤差にも柔軟に対応できる。
この支持部材7Aは、前述のように持出金具4に取り付けられるが、L型材7Fを介して固定され、L型材7Fの横片に形成した孔から前記持出金具4の縦ボルト4Cの先端を突出させてナット4Dを締め付けて固定し、L型材7Fの縦片に形成した孔からこの支持部材7Aの溝状部721からボルト7dの先端を突出させてナット7eを締め付けて固定し、持出金具4、L型材7F、及び支持部材7Aは一体に固定される。
前記取付部材6Bは、図4(b)に示すように一枚の金属板材を断面略L字状に成形した成形体であって、略鉛直状の縦面部分65の下端に、右方側へ折曲して略水平状に延在させた固定片66が形成され、前記縦面部分65の前端側に、左方側へそれぞれ略直角状に折曲した支持横片67、係止縦片68、及び取付傾斜片69が形成されている。そのうち最も下方に位置する支持横片67は略水平状に延在する横片であり、その上方に位置する係止縦片68は略鉛直状に延在する縦片であり、更にその上方に位置する取付傾斜片69は鉛直面から僅かに傾斜状に配設される傾斜片である。
前記胴部61の略中央に形成した孔から前記持出金具4の縦ボルト4Cの先端を突出させてナット4Dを締め付けて固定する。
そして、この取付部材6Bは、前記固定片66の略中央に形成した孔から前記持出金具4の縦ボルト4Cの先端を突出させてナット4Dを締め付けて固定した。
そして、折板屋根30に持出金具4を取り付ける点については、前記第1〜第4実施例と同様であるが、前述のように持出金具4上に前記支持部材7Aを固定し、この支持部材7Aに対して固定した取付部材6Bに、流れ方向に隣接する太陽電池パネル1,1の端部を固定することにより太陽電池パネル1,1を傾斜状に敷設する。
この第3実施例では、前記取付部材6Bの縦面部分65の水下側に形成された支持横片67に、下段側の太陽電池パネル1の水上端部を配置(載置)すると共に、前記縦面部分65の水上端に上段側の太陽電池パネル1の水下端部を突き合わせるように配置した状態で固定するので、太陽電池パネル1は傾斜状に敷設される。太陽電池パネル1の固定については、略Z字状の押さえ材5Hを太陽電池パネル1の下側枠14の上端に沿わせ、ボルト7g及びナット7hで固定片66に一体的に固定した。
なお、この取付部材6Bの支持横片67に対し、下段側の太陽電池パネル1の水上端を載置する際には、水上端(縦縁)を係止縦片68に突き当てるように配設した状態で開口部(孔)110に締着ボルト1cを前記第3実施例と同様に座金材1b及びナット4dを用いて固定する。また、前記縦面部分65の水上端に、上段側の太陽電池パネル1の水下端を突き当てるように安定に配設することができる。即ちこの取付部材6Bは、前記第3実施例における取付部材6Aと同様に、太陽電池パネル1,1間を一定間隔(開放部15)に保持して容易に配設できる位置規制作用及び間隔保持作用を果たす。
この第3実施例でも前記第1実施例と同様の効果が果たされ、開口部110を複数の孔で形成したため、突出する部位がなく意匠性に優れ、ゴミ等を堆積させることもなく、太陽電池パネル1を傾斜状に敷設することで段状としたため、太陽光を効率良く受けることができる角度に太陽電池パネル1を設置でき、しかも太陽電池モジュール10の裏面空間16の空気(熱量)をより容易に排出することができる。
1 太陽電池パネル
10 太陽電池モジュール
11〜14 枠体
11 上側枠
110 開口部
12,13 側方枠
14 下側枠
15 開放部
16 裏面空間
2,2' 起立片(部)
30 折板屋根
3A 外装材
4 持出金具
4C 縦ボルト
5A,5D 押さえ材
6A,6B 取付部材
63,68 係止縦片
7A 支持部材

Claims (3)

  1. 太陽電池モジュールの周縁に側壁を有する枠体を設けた太陽電池パネルを取付部材により下地上に敷設してなる敷設構造であって、
    前記太陽電池パネルの枠体のうち、少なくとも流れ方向の上側枠は、複数の孔からなる開口部を備え、
    前記取付部材は、下地に固定する固定部と、前記開口部に沿設させる取付部とを有し、
    太陽電池パネルの上側枠に設けた開口部と取付部とを締着にて固定したことを特徴とする太陽電池パネルの敷設構造。
  2. 隣接する太陽電池パネルを離間状に敷設すると共に、形成された離間部分に敷設状態で太陽電池パネルの表面から突出する起立部を位置させることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池パネルの敷設構造。
  3. 太陽電池パネルを傾斜状に敷設することで段状としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池パネルの敷設構造。
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